JP5143376B2 - 衣料用粉末洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
前記アミノカルボン酸塩を含有した家庭用の洗濯に適した衣料用粉末洗浄剤組成物としては、従来、たとえば以下に例示するものが開示されている。
(1)泥に対する吸着率の高い酵素を含有する洗剤組成物が提案されている(特許文献2参照)。
(2)特定のアニオン界面活性剤と、ノニオン界面活性剤と、特定のヒドロキシイミノジコハク酸塩とを特定の割合で含む高嵩密度粒状洗剤組成物が提案されている(特許文献3参照)。
(3)(a)過炭酸塩又は過硼酸塩、(b)特定のアミノポリカルボン酸、(c)アシル基と離脱基を有する特定の漂白前駆体、(d)非イオン界面活性剤、(e)アニオン界面活性剤及び(f)アルカリ剤を、それぞれ特定比率で含有する非イオン界面活性剤を主体とする漂白剤含有洗浄剤組成物が提案されている(特許文献4参照)。
(4)(A)脂肪酸石鹸、(B)特定のポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤、(C)アスパラギン酸ジ酢酸、グルタミン酸ジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、イミノジコハク酸、エチレンジアミンジコハク酸、ポリアスパラギン酸又はポリグリオキシル酸若しくはこれらの塩、及び(D)層状珪酸アルカリ金属塩を特定の割合で含有する粉末洗浄剤組成物が提案されている(特許文献5参照)。
(5)N,N−ビス(カルボキシメチル)アスパラギン酸塩、N,N−ビス(カルボキシメチル)セリン塩、N,N−ビス(カルボキシメチル)グルタミン酸塩などの特定の含窒素化合物(a)と、炭素数10〜18のアルコールに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを特定の比率で付加させた非イオン性界面活性剤(b)を、それぞれ特定比率で含有する洗浄剤組成物が提案されている(特許文献6参照)。
ところが、なかでも特に非石鹸系アニオン界面活性剤等の高起泡性界面活性剤が配合された衣料用粉末洗浄剤組成物を、業務用のドラム式洗浄機にそのまま用いた場合、その高起泡のために、機械力による洗浄性能が充分に発揮されず、洗浄力が悪くなる等の問題がある。また、前記高起泡のために、洗浄機関連設備のトラブルを生じる等の恐れがある。
したがって、業務用クリーニング洗剤においては、環境への負荷が低いとともに、ドラム式洗浄機に適した衣料用粉末洗浄剤組成物が求められる。
すなわち、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物は、下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有し、(B)成分と(C)成分との合計の含有量が11質量%以上であり、かつ(B)成分と(C)成分との混合割合が、質量比で7/3〜3/7であることを特徴とする。
(A)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル。
(B)下記一般式(II)および/または一般式(III)で表される化合物。
(C)アクリル酸単量体から誘導される構成単位と、マレイン酸単量体から誘導される構成単位とを有する共重合体。
また、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物は、業務用ドラム式洗浄機用であることが好ましい。
(A)前記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル。
(B)前記一般式(II)および/または一般式(III)で表される化合物。
(C)アクリル酸単量体から誘導される構成単位と、マレイン酸単量体から誘導される構成単位とを有する共重合体。
また、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物は、好ましくは、吸油性粉体(D)(以下、(D)成分という。)をさらに含有する。
本発明において、(A)成分は、前記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルである。該(A)成分を含有することにより、泡が立ちすぎることがなく、低泡性を有する衣料用粉末洗浄剤組成物が得られる。また、洗浄力が向上する。
かかる(A)成分の非イオン界面活性剤は、アルコール(R1OH)に、エチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)がそれぞれ付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレートプロポキシレート)である。ここで、「アルキル」は、R1がアルキル基またはアルケニル基であるものを包含する。
R1において、アルキル基、アルケニル基の炭素数は10〜18であり、12〜14であることがそれぞれ好ましい。該炭素数が10以上であることにより洗浄力が向上する。一方、該炭素数が18以下であることにより、低温保存下での析出が抑制される等、保存安定性が向上する。
本発明にかかる(A)成分においては、エチレンオキシド(EO)の付加単位とプロピレンオキシド(PO)の付加単位との順序は異なっていてもよい。
ここで、「エチレンオキシド(EO)の付加単位とプロピレンオキシド(PO)の付加単位との順序は異なっていてもよい」とは、EOの付加単位とPOの付加単位とが、どのような順序で配置されていてもよいことを意味する。たとえば、EOの付加単位とPOの付加単位とがランダムに結合(ランダム付加)していてもよく、EOの付加単位とPOの付加単位がそれぞれ2つ以上結合したブロックどうしが連結(ブロック付加)していてもよい。また、(A)成分のR1とは異なる末端は、EOの付加単位であってもよく、POの付加単位であってもよい。
nは、プロピレンオキシドの平均付加モル数を表す。nは1〜8の数であり、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。nが1以上であることにより洗浄力が向上する。nが0、すなわち、エチレンオキシドのみが付加し、プロピレンオキシドが付加していない場合、泡立ちが発生しやすく、充分な洗浄力が得られにくい。一方、nが8以下、好ましくは5以下であることにより適度な曇点を有し、温水での高温洗浄の場合に生じる恐れのある白濁、析出が抑制されて洗浄力が向上する。また、被洗物の再汚染の防止効果も向上する。
(A)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物中、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、衣料用粉末洗浄剤組成物の通常の使用量にて良好な洗浄力が得られる。また、衣料用粉末洗浄剤組成物の粉立ちが抑制されて作業環境が良好となる。一方、上限値以下であることにより、泡立ちが抑制される。
本発明において、(B)成分は、前記一般式(II)および/または一般式(III)で表される化合物(アミノカルボン酸誘導体)である。該(B)成分を含有することにより、他のビルダーを含有する場合に比べて生分解性が向上し、環境への負荷が低減される。また、(C)成分との併用によりタンパク系汚れに対する洗浄力が向上する。
前記一般式(II)中、Mは、水素原子またはアルカリ金属原子を表す。アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウムが好ましく、ナトリウムが特に好ましい。また、複数のMは、同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(II)で表される化合物のなかで好適なものとしては、メチルグリシン二酢酸またはその塩が挙げられ、メチルグリシン二酢酸ナトリウムが特に好ましい。
なかでも、(B)成分としては、洗浄力が向上することから、前記一般式(II)で表される化合物が好ましく、メチルグリシン二酢酸またはその塩が最も好ましい。
(B)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物中、1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより洗浄力が向上する。一方、上限値以下であることにより、衣料用粉末洗浄剤組成物の粉体流動性が向上する。
本発明において、(C)成分は、アクリル酸単量体から誘導される構成単位と、マレイン酸単量体から誘導される構成単位とを有する共重合体である。該(C)成分と前記(B)成分とを併用することにより、タンパク系汚れに対する洗浄力が向上する。また、該(C)成分を含有することにより、再汚染防止効果が向上する。
「マレイン酸単量体から誘導される構成単位」とは、マレイン酸単量体(モノマー)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位(以下、構成単位(c2)という。)を意味する。なお、構成単位(c2)は、酸無水物(無水マレイン酸)の構成単位を含んでいてもよい。
構成単位(c1)の含有量は、(C)成分を構成する全構成単位に対して60〜90モル%であることが好ましく、65〜75モル%であることがより好ましい。
構成単位(c2)の含有量は、(C)成分を構成する全構成単位に対して10〜40モル%であることが好ましく、25〜35モル%であることがより好ましい。
かかる構成単位(c1)および構成単位(c2)の含有量において、それぞれ該範囲の下限値以上であることにより、タンパク系汚れに対する洗浄力がより向上する。また、再汚染防止効果がより向上する。一方、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(c3)としては、たとえばメタクリル酸単量体から誘導される構成単位が挙げられる。
構成単位(c3)を有する場合、構成単位(c3)の含有量は、(C)成分を構成する全構成単位に対して0〜20モル%であることが好ましい。
該アクリル酸マレイン酸共重合体として好適に用いられる市販品としては、ソカランCP7(商品名、BASFジャパン製)、アクアリックTL−400(商品名、日本触媒製)、カルボキシレートHM−80(商品名、東亜合成製)等が挙げられる。
(C)成分の重量平均分子量は、50000〜80000であることが好ましく、60000〜70000であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、再汚染防止効果がより向上する。一方、上限値以下であることにより、適度な粘度を有する(C)成分が得られやすくなって取り扱いが容易となる。
ここで、「重量平均分子量」とは、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される値を示す。
本発明において、(C)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(C)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物中、1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、洗浄力が向上する。一方、上限値以下であることにより、(B)成分とのバランスがより良好となって洗浄力が向上する。
また、(B)成分と(C)成分との混合割合は、質量比で7/3〜3/7であり、6/4〜4/6であることが好ましい。該範囲であることにより洗浄力が向上する。特に、タンパク系汚れに対する洗浄力が向上する。
本発明において、(D)成分は、吸油性粉体である。
本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物においては、(D)成分をさらに含有することが好ましい。該(D)成分を含有することにより、かかる衣料用粉末洗浄剤組成物の粉体流動性が向上する。これは、かかる衣料用粉末洗浄剤組成物の粒子表面の滑らかさ等の特性が、(D)成分によるコーティングあるいは(D)成分の担持などにより向上するためと推測される。
(D)成分として具体的には、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられ、なかでも吸油能、固化しにくさ、すすぎ易さの点から、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルクが好ましく、無水ケイ酸、含水ケイ酸がより好ましい。
本発明において、(D)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(D)成分の含有量は、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物中、0.5〜3質量%であることが好ましく、0.8〜2質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより吸油能が高まって粉体流動性が向上する。一方、上限値以下であることにより、充分な吸油能が得られ、粉体流動性が向上するとともに、経済的にも有利となる。また、リネンサプライ分野で使用される連続式洗浄機(ドラム式洗浄機槽の複数個が、連続的に合わされた洗浄機)では、使用される水が循環されるため、衣料用粉末洗浄剤組成物が洗浄機設備に溶け残ったり、被洗布に付着したりする場合があるが、それらの発生が抑制される。
ここで、「安息角」は、一例として以下に示す方法により測定される角度を示す。
(安息角の測定方法)
角度の目盛りが記入されたアクリル製測定器(たとえば、高さ10cm×奥行10cm×幅3cm等)を平らな場所に置き、該測定器の横蓋(10cm×3cm側の一側面)を閉じた状態で、該測定器の上面からの高さが1〜2cmの位置より、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物を流し入れ、該測定器の上面からの高さが0〜1cm程の山盛り状になるまで充填する。次いで、横蓋を静かに開き、充填された衣料用粉末洗浄剤組成物を、重力により自然に排出させる。その後、該測定器内に残った衣料用粉末洗浄剤組成物の表面と水平面とのなす角度(°;傾斜角)を、該測定器側面の目盛りから読み取ることにより、安息角(°)が測定される。
かかる衣料用粉末洗浄剤組成物の粉体流動性は、安息角として80°未満であることが好ましく、70°未満であることがより好ましい。安息角が80°未満であれば、衣料用粉末洗浄剤組成物の粉体流動性は良好であり、その取り扱い性が向上する。
本発明の業務用ドラム式洗浄機用の衣料用粉末洗浄剤組成物には、前記(A)〜(D)成分以外に必要に応じて、通常、衣料用粉末洗浄剤組成物に用いられる洗剤成分等の任意成分を適宜、配合することができる。
具体的には、たとえば界面活性剤、再汚染防止剤、酵素、無機塩、金属イオン封鎖剤および分散剤、消泡剤、蛍光増白剤、漂白成分、漂白活性化成分等が挙げられる。
なお、スルホン酸塩および硫酸エステル塩などの高起泡性アニオン界面活性剤を用いる際、高起泡性アニオン界面活性剤の含有量は、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物中、8質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。該範囲の上限値以下であることにより、前述のような高起泡による洗浄力への影響が制御されて洗浄力が向上する。
酵素としては、たとえばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が挙げられ、なかでもプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼが好ましい。
無機塩としては、たとえば硫酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、無水珪酸等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤および分散剤としては、たとえばエチレンジアミン4酢酸、1,3−プロパン−2−ジアミン四酢酸、アスパラギン酸ジ酢酸、グルタミン酸ジ酢酸、β−アラニンジ酢酸、セリンジ酢酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、カルボキシメトキシマロン酸、オキシジコハク酸、ヒドロキシオキシジコハク酸、イミノジコハク酸、ポリアスパラギン酸、ポリグリオキシル酸、ポリアクリル酸、前記(C)成分以外の高分子ポリカルボン酸またはその塩などが挙げられる。
消泡剤としては、たとえばシリコーン等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩、ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体などが挙げられる。
また、漂白活性化成分としては、たとえばテトラアセチルエチレンジアミン、アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸塩、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩等の有機過酸前駆体などを併用することも可能である。
その一例として、まず、粉体成分1を混合し、得られた混合物が流動状態にあるところへ、液体成分を投入して混合することにより液体成分−粉体成分混合物を調製する。
ここで、粉体成分1には、たとえば前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、任意成分のうち粉体状のものが含まれる。液体成分には、たとえば前記(A)成分、任意成分のうち液体状のものが含まれる。
液体成分の投入方法は、特に限定されるものではなく、なかでも噴霧ノズルを用いた混合方式が好ましい。噴霧ノズルを用いることにより、液体成分の局在化が回避され、液体成分と粉体成分とが固化して塊状となることが抑制される。これにより、より短時間で効率的に、均一な液体成分−粉体成分混合物を調製することができる。具体的には、粉体成分1を混合機中に投入し、撹拌しながら液体成分を噴霧ノズルから噴霧する方法が挙げられる。
混合機は、汎用のものを適宜用いることができ、なかでも所望とする安息角、平均粒子径、粒度分布などを有する衣料用粉末洗浄剤組成物が得られやすいことから、リボンミキサー、V型ミキサー、二重円錐型ミキサー等が好ましく用いられる。
噴霧ノズルは、通常使用される噴霧ノズルを用いることができ、なかでも所望とする安息角、平均粒子径、粒度分布などを有する衣料用粉末洗浄剤組成物が得られやすいことから、扇形ノズル、充円錐ノズル、空円錐ノズル等が好ましく用いられる。
その後、液体成分−粉体成分混合物に、残りの粉体成分2を投入して撹拌、混合することにより、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物が得られる。
ここで、粉体成分2には、たとえば酵素、漂白成分、漂白活性化成分などの粉体状の任意成分が含まれる。特に、漂白成分、漂白活性化成分を含有する際、それらは粉体成分2として液体成分−粉体成分混合物に投入することが好ましい。なお、前記(D)成分を、粉体成分2として液体成分−粉体成分混合物に投入してもよい。
また、液体成分−粉体成分混合物と、粉体成分2とを撹拌、混合した後、好ましくは、篩い分け等の分級操作を行うことにより、粗粉および/または微粉が除去された衣料用粉末洗浄剤組成物を得ることもできる。
ドラム式洗浄機としては、たとえば大型のバッチワッシャーや、回転式のドラム槽の複数個が連続的に合わされた連続式洗濯機(連洗機)の洗浄システム等が挙げられる。
かかる衣料用粉末洗浄剤組成物の使用方法は、特に制限されず、たとえば業務用等の各用途における常法により使用することができる。
本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物を用いる際、該衣料用粉末洗浄剤組成物を含む洗浄液の温度は40℃以上であることが好ましく、40〜70℃であることがより好ましく、50〜70℃であることがさらに好ましく、50〜60℃であることが特に好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、洗浄効果がさらに向上する。したがって、本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物は、業務用ドラム式洗浄機用としての使用温度の条件に特に適したものである。
本発明の衣料用粉末洗浄剤組成物の洗浄対象となる被洗物は、特に限定されるものでなく、特にリネンサプライの分野の繊維製品に対して好適に用いることができる。具体的には、ホテルや旅館などの浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランなどのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツ等の繊維製品(色物、白物)に対して好適に用いることができる。
かかる衣料用粉末洗浄剤組成物は、業務用のドラム式洗浄機に特に適し、落ちにくいタンパク汚れに対しても良好な洗浄性能を発揮するものである。
また、かかる衣料用粉末洗浄剤組成物は、環境にやさしい易生分解性ビルダーのアミノカルボン酸塩を含有し、環境への負荷が低いものである。
表1に示す組成の衣料用粉末洗浄剤組成物を、以下の様にして製造した。
なお、表中の配合量の単位は質量%であり、総量が100質量%となるように硫酸Na量を調整した。また、表中に示した成分の説明について下記に示す。
[製造方法]
リボンミキサー1102−1500型(製品名;幅900mm×長さ1800mm×深さ1100mm;吉田製作所製)を用いて、撹拌回転数を60rpmに設定し、常温条件下にて各例の衣料用粉末洗浄剤組成物を製造した。
まず、石鹸、メタケイ酸Na、酵素を除く粉体原料である(B)成分、(C)成分、(D)成分および任意成分を、前記リボンミキサーに投入し、撹拌混合を2分間行った。
次に、撹拌混合後の粉体原料の混合物に、液体成分である(A)成分を、最高級卓上手押噴霧器(中型/中型防水用、91φx240,700mL容、真鍮製クラマタ産業製)を用いて、液体温度50℃にて10〜15分間かけ、均一の圧力で噴霧し、噴霧終了後、撹拌混合を1分間行った。
撹拌混合後、石鹸、メタケイ酸Na、酵素を、撹拌混合しながら順次投入し、投入完了後、撹拌混合を3分間行い、各例の衣料用粉末洗浄剤組成物を得た。
・液体原料
*1:非イオン界面活性剤(R1:炭素数12のアルコールエトキシレートと、炭素数14のアルコールエトキシレートとの混合物、m=5、n=2;ライオン化学製)。
*2:非イオン界面活性剤(R1:炭素数12のアルコールエトキシレートと、炭素数14のアルコールエトキシレートとの混合物、m=15、n=3;ライオン化学製)。
*3:非イオン界面活性剤(R1=炭素数12〜14のアルキル基、m=5、n=4、EOPOノニオン;合成品)。
*4:非イオン界面活性剤(R1=炭素数12〜14のアルキル基、m=15、n=2、EOPOノニオン;合成品)。
*5:MGDA(メチルグリシン二酢酸ナトリウム、商品名:トリロンMパウダー;BASFジャパン製)。
*6:HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウム;日本触媒製)。
*7:MAポリマー(アクリル酸マレイン酸共重合体、商品名:ソカランCP7;BASFジャパン製)。
*8:ホワイトカーボン(無水ケイ酸、商品名:トクシールNP;トクヤマ製)。
*9:LAS−Na(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、商品名:ライポンPS−860;ライオン化学製)。
*10:AS−Na(炭素数14〜18のアルキル硫酸ナトリウム、商品名:サンデットLNM;三洋化成工業製)。
*11:石鹸(高級脂肪酸ナトリウム、商品名:コナバルク70B;ミヨシ油脂製)。
*12:炭酸Na(商品名:ソーダ灰;トーソー製)。
*13:メタケイ酸Na(商品名:無水メタ珪酸ソーダ;オキシデンタルケミカル製)。
*14:PEG♯6000(ポリエチレングリコール、商品名:PEG6000M;ライオン化学製)。
*15:CMC(カルボキシルメチルセルロースナトリウム、商品名:サンローズB1B;日本製紙製)。
*16:亜硫曹(商品名:亜硫酸ソーダ;大東化学製)。
*17:蛍光増白剤(商品名:チノパールCBS−X;チバスペシャルティーケミカルズ製)。
*18:酵素(商品名:エスペラーゼ4.0T;ノボザイムズジャパン製)。
*19:硫酸Na(商品名:無水芒硝;日本化学製)。
得られた各例の衣料用粉末洗浄剤組成物について、以下に示す方法及び評価基準によって評価を行い、その結果を表1に併記した。
(洗浄処理方法)
評価用汚染布(商品名:EMPA116(血液/ミルク/カーボン/綿)、EMPA社製;5cm×5cm/枚;タンパク汚染布)10枚を、綿製の白布1枚に縫い付け、全量が10kgとなるように、チャージ布(評価用汚染布を縫い付けていない一般家庭用シーツ20枚)と合わせて、これを被洗物とした。
ドラム式洗浄機として「ECONOMAT−10機」(製品名、(株)アサヒ製作所製)の実機を使用し、該ドラム式洗浄機の槽内に49リットルの水道水を入れ、次いで、別に調製した各例の衣料用粉末洗浄剤組成物の10質量%溶液1Lを投入した後、前述の被洗物を投入し、中水位(水量49L/水道水)にて下記洗浄工程により洗浄を行った。
洗浄工程:洗浄温度60℃・10分間→脱水1分間→すすぎ40℃・3分間→脱水1分間→すすぎ30℃・2分間→脱水2分間。
洗浄後、被洗物から洗浄後の評価用汚染布を取り出して乾燥させ、以下の評価方法により洗浄力を評価した。
また、上記洗浄工程において、洗浄温度の60℃を、40℃(実施例2)、50℃(実施例3)、70℃(実施例5)にそれぞれ変えて、上記と同様の洗浄処理方法により洗浄を行い、以下の評価方法により洗浄力を評価した。
前記洗濯操作1工程を終えた評価用汚染布の反射率を、色差計(商品名:SE200型、日本電色(株)製)により測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出し、下記評価基準に基づいて洗浄力を評価した。
なお、式中の「清浄布」とは、上記チャージ布であって、洗浄処理を施していないものを示す。
洗浄率(%)=[(洗浄後の評価用汚染布の反射率)−(洗浄前の評価用汚染布の反射率)]/[(清浄布の反射率)−(洗浄前の評価用汚染布の反射率)]×100
<評価基準>
◎ :洗浄率が50%以上。
○ :洗浄率が45%以上50%未満。
△ :洗浄率が40%以上45%未満。
×:洗浄率が40%未満。
評価基準は、上述の式により算出される洗浄率(%)が45%以上(○または◎)であれば、洗浄力が良好であると判定した。なお、洗浄率(%)は、評価用汚染布10枚の平均値を用いた。
(洗浄処理方法)
各例の衣料用粉末洗浄剤組成物を3°DH硬水に溶解して、0.2質量%の評価用洗浄液900mLを調製した。
評価用汚染布(商品名:EMPA116(血液/ミルク/カーボン/綿)、EMPA社製;5cm×5cm/枚;タンパク汚染布)10枚と、チャージ布(評価用汚染布とほぼ同等のサイズに切り揃えた綿メリヤス布)とを、Terg−O−Tometer機(U.S.Testing社製)内に投入し、浴比30倍になる様に前記の評価用洗浄液を入れた。
そして、120rpmで、60℃・10分間撹拌した後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水した。その後、3分間25℃での流水すすぎを行い、1分間脱水をした後、風乾し、以下の評価方法により洗浄力を評価した。
また、上記洗浄工程において、洗浄温度の60℃を、40℃(実施例2)、50℃(実施例3)、70℃(実施例5)にそれぞれ変えて、上記と同様の洗浄処理方法により洗浄を行い、以下の評価方法により洗浄力を評価した。
前記洗濯操作1工程を終えた評価用汚染布の反射率を、色差計(商品名:SE200型、日本電色(株)製)により測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出し、下記評価基準に基づいて洗浄力を評価した。
なお、式中の「清浄布」とは、上記チャージ布(綿メリヤス布)であって、洗浄処理を施していないものを示す。
洗浄率(%)=[(洗浄後の評価用汚染布の反射率)−(洗浄前の評価用汚染布の反射率)]/[(清浄布の反射率)−(洗浄前の評価用汚染布の反射率)]×100
<評価基準>
◎ :洗浄率が50%以上。
○ :洗浄率が45%以上50%未満。
△ :洗浄率が40%以上45%未満。
×:洗浄率が40%未満。
評価基準は、上述の式により算出される洗浄率(%)が45%以上(○または◎)であれば、洗浄力が良好であると判定した。なお、洗浄率(%)は、評価用汚染布10枚の平均値を用いた。
各例の衣料用粉末洗浄剤組成物を3°DH硬水に溶解して、0.2質量%の評価用洗浄液を調製し、該評価用洗浄液を60℃に加温した。60℃の該評価用洗浄液を、エプトン管(容積100mL、高さ25cm;目盛り付き)にそれぞれ5mL採り、該エプトン管を上下に、約30cm程の振幅で激しく10秒間振った。その後、直ちに静置させ、1分後の起泡している泡の高さ(mm)を測定し、下記評価基準に基づいて抑泡性能を評価した。
また、評価用洗浄液を40℃(実施例2)、50℃(実施例3)、70℃(実施例5)にそれぞれ加温したものについて、上記と同様の方法により泡の高さ(mm)を測定し、下記評価基準に基づいて抑泡性能を評価した。
<評価基準>
◎ :10mm未満。
○ :10mm以上15mm未満。
△ :15mm以上20mm未満。
×:20mm以上。
評価基準は、測定される泡の高さ(mm)が15mm未満(○または◎)であれば低泡性であり、抑泡性能が良好であると判定した。なお、泡の高さ(mm)は、上記測定3回の平均値を用いた。
角度の目盛りが記入されたアクリル製測定器(高さ10cm×奥行10cm×幅3cm)を平らな場所に置き、該測定器の横蓋(10cm×3cm側の一側面)を閉じた状態で、該測定器の上面からの高さが1〜2cmの位置より各例の衣料用粉末洗浄剤組成物を流し入れ、該測定器の上面からの高さが0〜1cm程の山盛り状になるまで充填した。
次いで、横蓋を静かに開き、充填された衣料用粉末洗浄剤組成物を、重力により自然に排出させた。その後、該測定器内に残った衣料用粉末洗浄剤組成物の表面と水平面とのなす角度(°;傾斜角)を該測定器側面の目盛りから読み取り、安息角(°)の値とした。この操作を3回繰り返し、その平均値を求め、下記評価基準に基づいて流動性を評価した。
<評価基準>
◎ :70°未満。
○ :70°以上80°未満。
△:80°以上90°未満。
×:90°以上。
評価基準は、測定される安息角(°)が80°未満(○または◎)であれば、流動性が良好であると判定した。
特に、実施例1〜5、7、9は、いずれの評価項目も優れていることが確認できた。
(B)成分と(C)成分との混合割合が質量比で6/4の実施例4、7、9は、該混合割合が3/7の実施例6に比べて、洗浄力(A)、洗浄力(B)、抑泡性能がより優れていることが確認できた。
高起泡性界面活性剤であるLAS−Na、AS−Naを含有する実施例10は、抑泡性能が若干劣り、それに伴ってドラム式洗浄機を用いた評価の洗浄力(A)が若干劣り、○レベルとなることが確認できた。
(B)成分としてMGDAを用いた実施例4は、HIDSを用いた実施例8に比べて洗浄力(A)、洗浄力(B)がより優れていることが確認できた。
(D)成分のホワイトカーボンを含有する実施例1、4、6〜9は、ホワイトカーボンを含有しない実施例11に比べて流動性がより優れていることが確認できた。
(B)成分と(C)成分との合計の含有量が11質量%未満の比較例2は、洗浄力(A)、洗浄力(B)が悪いことが確認できた。
Claims (3)
- 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有し、
(B)成分と(C)成分との合計の含有量が11質量%以上であり、かつ(B)成分と(C)成分との混合割合が、質量比で7/3〜3/7であることを特徴とする衣料用粉末洗浄剤組成物。
(A)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル。
(B)下記一般式(II)および/または一般式(III)で表される化合物。
(C)アクリル酸単量体から誘導される構成単位と、マレイン酸単量体から誘導される構成単位とを有する共重合体。
[式中、R1は炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;−(EO)−はエチレンオキシドの付加単位を示し;−(PO)−はプロピレンオキシドの付加単位を示し;mはエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、3〜15の数であり;nはプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、1〜8の数である。ただし、エチレンオキシドの付加単位とプロピレンオキシドの付加単位との順序は異なっていてもよい。]
[式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。]
[式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。] - 吸油性粉体(D)をさらに含有する請求項1記載の衣料用粉末洗浄剤組成物。
- 業務用ドラム式洗浄機用である請求項1または2に記載の衣料用粉末洗浄剤組成物。
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