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JP5145282B2 - 木造建築物の免震構法 - Google Patents
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Description

本発明は、木造建築物の免震構造に係り、特に、既設の木造建築物に適用する木造建築物の免震構造に関する。
木造建築物の免震構造としては、特許文献1に開示されているように、建築物の躯体と布基礎との間に小型の免震装置を設置する構造、或いは、特許文献2に開示されているように、上側基礎と下側基礎を設け、下側基礎における底部の上面と、上側基礎における基部の下面との間に免震材を積層させる構造などが提案されている。
また、免震支承体については、特許文献1には、免震装置である高減衰性の積層ゴムを用いたものが開示され、特許文献2には、免震材である滑り支承を用いたものが開示されている。
一方、特許文献3には、免震支承用のウレタンエストラマー組成物およびそれを積層した免震支承体が開示されている。このウレタンエストラマー組成物は、せん断弾性係数が低く高強度で、かつ大歪域でも復元力を有する支承体であることが記載されている。
このウレタンエストラマー組成物の一種である親水性ウレタン(ポリイソシアネート化合物)は、水を硬化剤とし、水により溶解分散して尿素結合を起こし、短時間にゴム弾性ゲルを形成するという特性を有する。このため、土木工事などにおいて、軟弱地盤に対処するための地盤強化剤、或いは漏水に対処するための止水剤として活用されている。
また、2液性発泡硬質ウレタンは、イソシアネートを主とする第1の液体と、ポリオールを主とする第2の液体を混合することで硬化する特性を有する。この2液性発泡硬質ウレタンもウレタンエストラマー組成物としてせん断弾性係数が低く高強度で、かつ大歪域でも復元力を有する支承体となる。
特開2000−38856号公報 特開平9−125413号公報 特開2000−35072号公報
木造建築物の免震構造或いは免震方法として、建築物の躯体と基礎との間に免震支承体を設ける構造、或いは上側基礎と下側基礎内に免震支承体を設ける構造などでは、設計時に建物に免震支承体を組み込むように設計しなければならない。また、この免震支承体を建物内に組み込むためにスペースを設けなければならない場合、或いは、この免震支承体を設置するために他の部材に設計上の制約が発生する場合がある。
また、既設の建築物に免震支承体を組み込む工事は、建築物をジャッキアップするなど施工にコストや工期がかかるなどの問題が発生し容易ではない。これは、従来の建築物の免震構造が建物の躯体と基礎との間など、建物の構造内に免震支承体を設置しなければならないことによる。
本願の目的は、かかる課題を解決し、既設の木造建築物においても簡易な方法により免震支承体が組み込める木造建築物免震構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る木造建築物免震構造は、木造建築物の基礎構造の底部の土壌に薬液注入パイプにより注入された、イソシアネートを主とする第1の液体と、ポリオールを主とする第2の液体を混合した2液性発泡硬質ウレタンが硬化して2液性発泡硬質ウレタン層を形成し、前記2液性発泡硬化ウレタン層は、その復元力により木造建築物の基礎構造と地盤とを免震することを特徴とする。
上記構成により、木造建築物免震構造は、木造建築物の基礎構造の底部において、イソシアネートを主とする第1の液体と、ポリオールを主とする第2の液体を混合した2液性発泡硬質ウレタンが硬化して発2液性泡硬化ウレタン層が形成される。この2液性発泡硬化ウレタンにより、既設の木造建築物においても簡易な方法により基礎と地盤との間に免震層を形成することができる。
また、木造建築物免震構造は、液性発泡硬化ウレタンは、第1の液体と第2の液体とが混合することで発泡により体積が増加し、この体積の増加により基礎構造が押し上げられ、木造建造物の重量が2液性発泡硬化ウレタン層に載荷されることが好ましい。これにより、液性発泡硬化ウレタン層は、木造建築物の支承体となることができる。
また、木造建築物免震構造は、基礎構造が、2液性発泡硬化ウレタン層を介して地盤と接触することが好ましい。これにより、本木造建築物免震構造は、地盤から建築物に伝達される地震動に対し、2液性発泡硬化ウレタンの復元力により免震効果を発揮することができる。
また、木造建築物免震構造は、木造建築物免震構造は、2液性発泡硬質ウレタンの混合液は、基礎構造の脇側から略45度の角度に設置された薬液注入パイプにより基礎構造の底部の土壌に注入されることが好ましい。これにより、既設の木造建築物であっても建築物の周囲の空いたスペースである基礎構造の脇側から容易に支承体を形成することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る木造建築物免震構造は、木造建築物の基礎構造の底部の土壌に注入パイプにより注入されて前記土壌を撹拌する高圧水と、薬液注入パイプにより前記土壌に注入された親水性ウレタンとが反応し、基礎構造の底部にゲル化した親水性ウレタン層を形成し、ゲル化した親水性ウレタン層の復元力により木造建築物の基礎構造と地盤とを免震することを特徴とする。
上記構成により、木造建築物免震構造は、木造建築物の基礎構造の底部において、親水性ウレタン層が形成される。そして、高圧水により撹拌された土壌に注入された親水性ウレタンが、基礎構造の底部において水分により硬化してゴム弾性ゲルとなる。このゲル化した親水性ウレタンにより、既設の木造建築物においても簡易な方法により基礎と地盤との間に免震層を形成することができる。
また、木造建築物免震構造は、親水性ウレタンは、高圧水と反応することで膨張して体積が増加し、この体積の増加により基礎構造が押し上げられ、木造建造物の重量が親水性ウレタン層に載荷されることが好ましい。これにより、これにより、親水性ウレタン層は、木造建築物の支承体となることができる。
以上のように、本発明に係る木造建築物免震構造及び免震方法によれば、既設の木造建築物においても簡易な方法により免震支承体が組み込める木造建築物免震構造及び免震方法を提供することができる。
本発明に係る木造建築物免震構造の実施形態の概略構成を示す木造建築物の断面図である。 基礎構造の布基礎の配置に対して薬液注入パイプによる注入位置の例を示す平面図である。
以下に、図面を用いて本発明に係る木造建築物の免震構造の実施形態につき、詳細に説明する。
図1に、本発明に係る木造建築物の免震構造の実施形態の概略構成を示す。木造建築物10には、柱材5及び梁材6から構成される骨組の基礎構造11として布基礎や独立基礎などの基礎7が設けられるのが一般的である。この基礎7は掘削された地盤8に敷かれた栗石又は切込み砕石9の上に設置される。本木造建築物免震構造1は、木造建築物10の基礎構造11である基礎7の底部に2液性発泡硬化ウレタン層2、又は親水性ウレタン層3が形成される。
図2には、基礎構造11の布基礎7の配置に対して薬液注入パイプ4による注入位置の例を示す。薬液注入パイプ4は、外周の布基礎7については、基礎構造11の外側に設置される。また、薬液注入パイプ4は、内部の布基礎7については布基礎7の側面に設置される。そして、ほぼ全ての布基礎7の底部に2液性発泡硬化ウレタン層2、又は親水性ウレタン層3が形成される。
(2液性発泡硬化ウレタン層による木造建築物の免震構造)
図1に示すように、2液性発泡硬化ウレタンは、薬液注入パイプ4により基礎構造11の脇側から略45度の角度で注入される。この2液性発泡硬化ウレタンを構成する、イソシアネートを主とする第1の液体を収納する容器(図示せず)と、ポリオールを主とする第2の液体を収納する容器(図示せず)にはそれぞれ発泡剤が含まれ、これにより液体が容器の外に吐出される。そして、第1の液体と第2の液体とを略1:1に混合して混合液にすることで発熱化学反応が起こりフォームを形成する。混合された混合液を基礎構造11の底部に注入した後、混合液は5〜8倍に発泡し、30秒〜60秒で表面が硬化し、2〜5分で内部まで硬化する。この硬化した2液性発泡硬化ウレタンは土壌においてゴム弾性ゲルの層である2液性発泡硬化ウレタン層2を形成する。
木造建築物10の基礎構造11は、2液性発泡硬化ウレタンの発泡による体積の増加により浮き上がり、この基礎構造11の浮き上がりにより、木造建築物10の重量が2液性発泡硬化ウレタン層2に載荷され、2液性発泡硬化ウレタン層2は木造建築物10の支承体として機能する。
この2液性発泡硬化ウレタン層2は、せん断弾性係数が低く高強度で、かつ大歪域でも復元力を有する。すなわち、地盤に地震動が発生すると、2液性発泡硬化ウレタン層2は、基礎7の底面と地盤8との間でせん断変形し、地震動のエネルギー吸収を行う。そしてその復元力により、木造建築物10の基礎構造11と地盤8とを免震する。すなわち、この2液性発泡硬化ウレタン層2が地震動のエネルギー吸収をすることで、木造建築物10に入力される地震動のエネルギーが減衰され、木造建築物10の破損や倒壊などを防ぐことができる。
この2液性発泡硬化ウレタンは、もともと断熱材として用いられているため、その性能は長期間に亘って持続される。
地盤が軟弱地盤の場合には、基礎7はその側面の土圧によりその横移動を拘束されず免震効果への影響は少ないが、地盤が軟弱地盤ではない場合には、側面の土圧により拘束されて免震効果が減少する場合がある。この場合には、図1の破線(L)に示すように、基礎7の側面の土を切りだして基礎7が2液性発泡硬化ウレタン層2にのみ接触するようにしても良い。これにより、基礎構造11は、2液性発泡硬化ウレタン層2を介してのみ地盤8と接触することになる。
(親水性ウレタン層による木造建築物の免震構造)
図1に示すように、親水性ウレタンは、薬液注入パイプ4により基礎構造11の脇側から略45度の角度で注入される。この親水性ウレタンは、水を硬化剤とし、水により溶解分散して尿素結合を起こし、短時間にゴム弾性ゲルを形成する。親水性ウレタンを注入した後、打ち込み角度を略45度に固定し、水を高圧で注入しながら、基礎7の底部周辺の土壌を撹拌する。注入された高圧水は、親水性ウレタン層3において親水性ウレタンを硬化させる。水により硬化した親水性ウレタンは土壌においてゴム弾性ゲルの層である親水性ウレタン層3を形成する。
木造建築物10の基礎構造11は、親水性ウレタンが水と反応して膨張することによる体積の増加により浮き上がり、この基礎構造11の浮き上がりにより、木造建築物10の重量が親水性ウレタン層3に載荷され、親水性ウレタン層3は木造建築物10の支承体として機能する。
この親水性ウレタン層3は、せん断弾性係数が低く高強度で、かつ大歪域でも復元力を有する。すなわち、地盤に地震動が発生すると、親水性ウレタン層3は、基礎7の底面と地盤8との間でせん断変形し、地震動のエネルギー吸収を行う。そしてその復元力により、木造建築物10の基礎構造11と地盤8とを免震する。すなわち、この親水性ウレタン層3が地震動のエネルギー吸収をすることで、木造建築物10に入力される地震動のエネルギーが減衰され、木造建築物10の破損や倒壊などを防ぐことができる。
親水性ウレタンは、軟弱地盤に強化剤としても用いられるため、その性能は長期間に亘って持続される。
地盤が軟弱地盤の場合には、基礎7はその側面の土圧によりその横移動を拘束されず免震効果への影響は少ないが、地盤が軟弱地盤ではない場合には、側面の土圧により拘束されて免震効果が減少する場合がある。この場合には、図1の破線(L)に示すように、基礎7の側面の土を切りだして基礎7がゲル化した親水性ウレタン層3にのみ接触するようにしても良い。これにより、基礎構造11は、ゲル化した親水性ウレタン層3を介して地盤8と接触することになる。
1 木造建築物免震構造、2 2液性発泡硬化ウレタン層、3 親水性ウレタン層、4 (薬液)注入パイプ、5 柱材、6 梁材、7 基礎又は布基礎、8 地盤、9 栗石又は切込み砕石、10 木造建築物、11 基礎構造。

Claims (4)

  1. 木造建築物における基礎構造の底部の土壌に注入パイプにより注入されて前記土壌を撹拌する高圧水と、薬液注入パイプにより前記土壌に注入された親水性ウレタンとが反応し、基礎構造の底部にゲル化した親水性ウレタン層を形成し、ゲル化した親水性ウレタン層の復元力により木造建築物の基礎構造と地盤とを免震することを特徴とする木造建築物免震構造。
  2. 請求項に記載の木造建築物免震構造であって、親水性ウレタンは、高圧水と反応することで発泡して体積が増加して硬化し、この体積の増加により基礎構造が押し上げられ、木造構造物の重量が親水性ウレタン層に載荷されることを特徴とする木造建築物免震構造。
  3. 請求項又はに記載の木造建築物免震構造であって、基礎構造は、ゲル化した親水性ウレタン層を介して地盤と接触することを特徴とする木造建築物免震構造。
  4. 請求項乃至3のいずれか1に記載の木造建築物免震構造であって、親水性ウレタンは、基礎構造の脇側から略45度の角度に設置された薬液注入パイプにより基礎構造の底部の土壌に注入されることを特徴とする木造建築物免震構造。
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