JP5145652B2 - 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物および有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
低分子材料を用いたものでは、例えば、芳香族ジアミンを含有する正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体を含有する発光層とを設けた有機電界発光素子や、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザー用蛍光色素をドープ材料として含有する有機電界発光素子が開発されている。また、白金錯体やイリジウム錯体等の低分子材料も、発光層の材料として使用されている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、発光効率に優れ、寿命の長い有機電界発光素子を得るために有用な、有機化合物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる有機化合物からなる電荷輸送材料を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、かかる有機化合物を含む有機電界発光素子用組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、発光効率に優れ、寿命の長い有機電界発光素子を提供することにある。
ここで、式(I)が、下記式(II)であることが好ましい。
また、式(II)が下記式(III)であることが好ましい。
さらに、有機化合物の分子量が、500〜5000であることが好ましい。
ここで、かかる電荷輸送材料は、有機電界発光素子に用いられることが好ましい。
ここで、有機電界発光素子用組成物にはさらに溶剤を含有することが好ましい。
また、有機電界発光素子用組成物には燐光性発光色素を更に含有することが好ましい。
ここで、有機発光層が、前述した式(I)〜(III)のいずれか一つで表される有機化合物をホスト材料とし、このホスト材料に対して燐光性発光色素がドープされてなることが好ましい。
本実施の形態が適用される有機化合物は、一分子内に、下記式(I)で表される部分構造を有することを特徴としている。
また、式(I)〜(III)中、R11が、置換基を有していてもよい1価のカルバゾール環または置換基を有していてもよい1価のピリジン環であることが好ましい。
さらに、R11は、置換基を有していてもよい1価の含窒素芳香族5及び6員環から選ばれる任意の基又はジアリールアミノ基を表す。R11は、分子量500以下であることが好ましい。
これらの中でも好ましくは、ピラゾール環、イミダゾール環、カルバゾール環、ピリジン環、オキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環であり、特に好ましくは、ピラゾール環、カルバゾール環、ピリジン環であり、最も好ましくはピリジン環、カルバゾール環である。
R11が、有していても良い置換基としては、通常、分子量2000以下、好ましくは1000以下の置換基が挙げられる。具体的には、アルキル基、芳香族炭化水素基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、芳香族複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基であり、特に好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の1価の基、或いは、それらが複数個連結されて形成された1価の基(例えば、ビフェニレンイル基、ターフェニレンイル基など)である。
このような2価のアリーレン基の環成分の具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、チオフェン環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアナフテン環、フラン環、ベンゾフラン環、インドール環、カルバゾール環、ピロール環、ピラゾール環等が挙げられる。
これらの中でも好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、カルバゾール環、ピラゾール環であり、特に好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環であり、最も好ましくはベンゼン環である。
Lがアリーレン基である場合の有していてもよい置換基は、前記R11が有していてもよい置換基として例示したものと同じである。
このようなアリール基の環成分の具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、チオフェン環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアナフテン環、フラン環、ベンゾフラン環、インドール環、カルバゾール環、ピロール環、ピラゾール環等が挙げられる。
これらの中でも好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、カルバゾール環、ピラゾール環であり、特に好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、カルバゾール環であり、最も好ましくは、ベンゼン環である。
Ar12がアリール基である場合の有していてもよい置換基は、前記R11が有していてもよい置換基として例示したものと同じである。
アルキル基の具体例としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、エイコサニル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、プロピル基である。
アルキルオキシ基の具体例としては、例えば、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、エイコサニルオキシ基等が挙げられ、好ましくはエトキシ基、プロポキシ基である。
該アルキル基又は該アルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。該アルキル基又は該アルキルオキシ基が有していても良い置換基としては、通常、分子量500以下、好ましくは200以下の置換基が挙げられる。具体的には、フッ素、塩素等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基などが挙げられ、好ましくは、フッ素原子、アルキルオキシ基である。特に好ましくは、化学的に不活性なため化合物の安定性が向上する点からフッ素原子である。
また、式(III)において、R25及びR35は、炭素数が2〜30のアルキル基又はアルキルオキシ基である。R25及びR35の具体例としては、前記R21〜R23と同じものが挙げられる。また、その置換基も同じものが挙げられる。
尚、中間体が一般に入手可能である場合、合成の前段階を省くことができることは言うまでもない。
以下の反応式中、Ar1〜Ar2は、置換基を有していてもよい任意の1価のアリール基を表し、Rは任意の有機基を表す。
Xは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を表す。
Yは、−B(OH)2、−B(OR)2、−MgX基、−ZnX基、−SnX2基等の有機金属化合物を表す。
Zは、置換基を有していても良い1価の含窒素芳香族を表す。
構造式中にXを持つハロゲン化物と構造式中にYを持つ有機金属化合物とを、Pd2(dba)3(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)2、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム触媒と、BINAP(=2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’−ビナフチル))、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf(=1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン)等のリガンド類の組合せ等の0価のパラジウム錯体、或いはPdCl2(dppf)2等のパラジウム塩化物錯体等の触媒(Xに対して0.001〜1当量程度)と、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基性物質(通常、Xに対して、2〜100当量)存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミン、ピリジン等の溶媒(通常、目的物例5の1モルに対して、0.1〜100リットル)中、0〜200℃で1〜60時間かけて撹拌することにより、対応するカップリング化合物が合成できる。
不活性ガス雰囲気下、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、DME等のエーテル系溶媒またはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非芳香族炭化水素溶媒に溶解または懸濁させた構造式中にXを持つハロゲン化物に、温度範囲が−100℃〜25℃でマグネシウム、リチウム金属または、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の塩基性の高い有機金属化合物をXに対して1から2当量加え、温度範囲が−100℃〜60℃で1時間から12時間攪拌することにより、有機マグネシウムまたは有機リチウム化合物が合成できる。
また、得られた有機リチウム化合物を温度範囲が−100℃〜25℃で塩化亜鉛、ホウ酸エステルをXに対して1から5当量加え、温度範囲が−100℃〜25℃で1時間から12時間攪拌する事により対応する有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物が合成できる。
構造式中にアルデヒド基を持つ化合物1モルとアセチル基を持つ化合物0.8〜1.2モルを極性溶媒中に溶解又は懸濁させ、触媒として酸を0.01〜0.1モル加え、温度範囲が0℃〜200℃で1時間から12時間攪拌することにより、対応する不飽和ケトンが合成できる。
不飽和ケトン1モル、アシルピリジニウムブロマイド0.8〜1.2モル、酢酸アンモニウム1〜50モルを極性溶媒に溶解又は懸濁させ、触媒として酸を0.01〜1モル加え、温度範囲が0℃〜200℃で1時間から12時間攪拌することにより、対応するピリジン化合物が合成できる。
次に、有機電界発光素子用組成物について説明する。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子用組成物は、少なくとも上述した有機化合物を含有する。通常、溶剤を含有し、好ましくは発光材料を含有する。
(1)発光材料
発光材料とは、有機電界発光素子用組成物において、主として発光する成分を指し、有機ELデバイスにおけるドーパント成分に当たる。有機電界発光素子用組成物から発せられる光量(単位:cd/m2)の内、通常10〜100%、好ましくは20〜100%、より好ましくは50〜100%、最も好ましくは80〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
ML”(q−j)L’j (V)
(一般式(V)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L”およびL’は二座配位子を表す。jは0、1または2を表す。)
一般式(V)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、一般式(V)中の二座配位子L”およびL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
一般式(VI)中、Mdは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環がさらに任意の置換基を有していても良い。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子組成物に含まれる溶剤としては種々の溶剤が適用可能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
次に、有機電界発光素子について説明する。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極およびこれらの両極間に設けられた発光層を有するものであって、本発明の有機化合物を含有する層を有することを特徴とする。この層は、本発明の組成物を用いて湿式製膜法により形成された層であることが好ましく、特にこの層は発光層であることが好ましい。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3または発光層4等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
正孔注入層3は陽極2から発光層4へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。
さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいても良い。
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物である。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
正孔注入層3の上には、通常、発光層4が設けられる。発光層4は例えば前述の発光材料を含む層であり、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極6から電子注入層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。発光層4は発光材料(ドーパント)と1種または2種以上のホスト材料を含むことが好ましく、発光層4は本発明の有機化合物をホスト材料として含むことがさらに好ましく、真空蒸着法で形成しても良いが、本発明の組成物を用い、湿式製膜法によって作製された層であることが特に好ましい。
電子注入層5は陰極6から注入された電子を効率よく発光層4へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層5を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属が用いられる。
電子注入層5の膜厚は0.1〜5nmが好ましい。
陰極6は、発光層側の層(電子注入層5または発光層4等)に電子を注入する役割を果たす。陰極6として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本実施の形態においては、有機電界発光素子における陽極2および陰極6と発光層4との間には、その性能を損なわない限り、上記説明にある層の他にも、任意の層を有していてもよく、また発光層4以外の任意の層を省略しても良い。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層4上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
このため、電子阻止層も湿式製膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、上述した有機電界発光素子組成物の他、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
さらに、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV2O5等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
(合成例1)
式(I)で表される部分構造(I)を有する有機化合物(目的物I−1)の合成例(Step1〜Step4)を以下に示す。
窒素気流中、1,3−ジブロモベンズアルデヒド(15g)、4−エチルフェニルボロン酸(25g)、ジメトキシエタン(150ml)の混合物に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(3.86g)、2M炭酸カリウム水溶液(115ml)を順次投入し、加熱還流下、5時間撹拌した。得られた溶液に食塩水を加えてから、トルエンで抽出後、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて、撹拌後、濾過、濃縮して得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物A(9.14g)を得た。
不活性ガス雰囲気下、化合物A(9.14g、29.1mmol)とm−ブロモアセトフェノン(6.4g、32.0mmol)の酢酸(30mL)溶液を50℃に加温し、硫酸(8.5g、85mmol)と酢酸(20mL)の混合溶液を滴下し、50℃で8時間攪拌した。反応混合物をメタノールに注ぎ、析出したオイルをデカンテーションして分離し、塩化メチレンに溶解させて、飽和重曹水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し化合物B(10.7g、74%)を得た。
酢酸アンモニウム(8.48g、110mmol)、フェナシルピリジニウムブロマイド(3.06g、11.0mmol)の酢酸(5mL)−DMF(5mL)溶液に化合物B(5.2g、10.5mmol)の酢酸(5mL)−DMF(5mL)溶液を室温で滴下した。反応混合物を還流条件下で8時間攪拌し、室温まで放冷後、水にあけた。析出した結晶をデカンテーションにより分離し、塩化メチレンに溶解させ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、化合物C(3.9g、63%)を得た。
窒素雰囲気下、ジ(ベンジリデンアセトン)ジクロロパラジウム・クロロホルム付加体(339mg、0.328mmol)のトルエン(40mL)溶液にトリ(ターシャリーブチル)ホスフィン(200mg、0.984mmol)を室温で加え、40℃で20分間攪拌し錯体を形成させた。不活性ガス雰囲気下、化合物C(5.2g、10.5mmol)、ジフェニルカルバゾール(3.1g、9.84mmol)、ターシャリーブトキシナトリウム(1.9g、19.7mmol)のトルエン溶液に(40mL)に先に調整した錯体のトルエン溶液を40℃で滴下した。溶液を加温し、還流条件下で8時間攪拌し、室温まで放冷後、水にあけた。析出した結晶をデカンテーションにより分離し、塩化メチレンに溶解させ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、目的物I−1(3.5g、64%)を得た。
ガラス転移温度:132℃
質量分析値(DEI法、M+):833
式(I)で表される部分構造(I)を有する有機化合物(目的物I−2)の合成例を以下に示す。
この目的物I−2の物性は以下の通りである。
ガラス転移温度:117℃
質量分析値(DEI法、M+):811
[有機電界発光素子の製造・評価]
尚、図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス製の基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
溶媒 アニソール
塗布液濃度 PB−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 2000rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×5.5時間
上記条件のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、発光層4を以下のように湿式塗布法によって形成した。発光層4の材料として、有機化合物(I−1)(目的物I−1)を、下記に示す構造式のイリジウム錯体(D−1)と共に用い、下記の条件でスピンコートした。
溶媒 キシレン
塗布液濃度 I−1 2.5重量%
D−1 0.13重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 130℃×60分(減圧下)
上記のスピンコートにより膜厚45nmの均一な薄膜が形成された。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が1.8×10−6Torr(約2.4×10−4Pa)以下になるまで排気した。電子注入層5として、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01〜0.06nm/秒、真空度2.0×10−6Torr(約2.6×10−4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、真空度3.0〜6.8×10−6Torr(約4.0〜9.0×10−4Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極6を完成させた。以上の2層型陰極6の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。素子の発光スペクトルの極大波長は513nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.307,0.625)であった。
実施例1で使用した有機化合物(I−1)(目的物I−1)を下記有機化合物(I−2)(目的物I−2)に変更し、それ以外は実施例1と同様な条件で素子を作成した。素子の発光スペクトルの極大波長は513nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.321,0.615)であった。
実施例1で使用した有機化合物(I−1)を下記有機化合物(I−3)に変更し、それ以外は実施例1と同様な条件下で素子を作成した。素子の発光スペクトルの極大波長は512nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.312,0.618)であった。
図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス製の基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3を以下のように湿式塗布法によって形成した。正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する高分子化合物(PB−2(重量平均分子量:29400,数平均分子量:12600))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A−2)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 PB−2 2.0重量%
A−2 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×3時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、発光層4を以下のように湿式塗布法によって形成した。発光層4の材料として、T−1とT−2を、下記に示す構造式のイリジウム錯体(D−2)と共に用い、下記の条件でスピンコートした。
溶媒 クロロホルム
塗布液濃度 T−1 1.0重量%
T−2 1.0重量%
D−2 0.1重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 80℃×60分(減圧下)
上記のスピンコートにより膜厚100nmの均一な薄膜が形成された。
次に、電子輸送層7として下記に示すET−2を蒸着した。この時、蒸着時の真空度は1.79〜1.71×10−4Pa(約1.3×10−6Torr)、蒸着速度は0.09〜0.1nm/秒で膜厚は20nmとした。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。素子の発光スペクトルの極大波長は514nmであり、イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.308,0.621)であった。
表1において、輝度/電流、電圧は輝度100cd/m2での値を、半減寿命は1000cd/Aでの値を各々示す。
このため、この有機化合物よりなる電荷輸送材料、この有機化合物を含む電荷輸送材料組成物及びこの有機化合物を用いた有機電界発光素子によれば、高輝度、高効率かつ長寿命な有機電界発光素子が提供される。
Claims (9)
- 下記式で表される構造を有することを特徴とする有機化合物。
(式中、Lは、直接結合または2価のアリーレン基を表す。Ar 1 は、置換基を有していてもよい任意の1価のアリール基を表す。Ar 2 は、置換基を有していてもよい任意の2価のアリール基を表す。R21〜R23,R31〜R33は、互いに独立に、水素原子または炭素数が2〜30のアルキル基又はアルキルオキシ基を表す。該アルキル基または該アルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。Rは、水素原子または置換基を有していてもよいアリール基を表す。但し、R21〜R23,R31〜R33の何れか少なくとも1つが、炭素数が2〜30のアルキル基又はアルキルオキシ基である。) - 請求項1または2に記載の有機化合物からなる、電荷輸送材料。
- 有機電界発光素子に用いられる、請求項3に記載の電荷輸送材料。
- 請求項1または2に記載の有機化合物を含有する、有機電界発光素子用組成物。
- さらに溶剤を含有する、請求項5に記載の有機電界発光素子用組成物。
- さらに、燐光性発光色素を含有する請求項5または6に記載の有機電界発光素子用組成物。
- 基板上に、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた有機発光層を有する有機電界発光素子であって、
請求項1または2に記載の有機化合物を含有してなる層を有することを特徴とする有機電界発光素子。 - 前記有機発光層が、請求項1または2に記載の有機化合物をホスト材料とし、該ホスト材料に対して、燐光性発光色素がドープされてなる請求項8に記載の有機電界発光素子。
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