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JP5146643B2 - 含窒素化合物の吸着特性に優れた経口投与吸着剤及びその製造方法 - Google Patents
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JP5146643B2 - 含窒素化合物の吸着特性に優れた経口投与吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

含窒素化合物の吸着特性に優れた経口投与吸着剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含窒素化合物の吸着特性に優れた経口投与吸着剤に関するものであり、より詳細には、ヒト、家畜などの腎機能が低下したときに生体内に蓄積される含窒素化合物を経口投与により有効に吸着除去できる経口投与吸着剤に関する。
豚、鶏、牛、羊などの家畜や犬、猫などのペット(以下、家畜類と呼ぶ)やヒトの排泄物中には、タンパク質代謝の産物として、尿素、クレアチニン、尿酸などの含窒素化合物が排泄物中に含まれている。このような含窒素化合物を、腎臓のろ過分離機能によって生成排泄することにより、有毒物や不要物質の生体内への蓄積を回避し、また体液浸透圧の調節、酸−塩基平衡の調節が行われている。従って、腎機能が低下すると、生体内に上記のような含窒素化合物が蓄積し、尿毒症や意識障害など、生体に障害を生じるようになってしまう。
また、上記の含窒素化合物の中で、特にクレアチニンは、尿中の含有量がほぼ一定しているため、腎機能の有用な指標物質であり、血清クレアチニン値が測定されている。
腎機能が低下したときに、生体内に蓄積される上記のような含窒素化合物を除去する薬剤としては、活性炭が知られており、例えば特許文献1には、活性炭にカルボン酸またはその塩からなる化合物を被覆してなるクレアチニン吸着剤が提案されている。
また、本出願人等は、先に、陽イオン交換能が50ミリイクイバレント/100g以上の層状構造を有する粘土粒子からなる経口投与吸着剤を提案した(特許文献2参照)。
特開昭62−112564号公報 特開2006−89466号公報
しかしながら、特許文献1などに開示されている活性炭系の吸着剤は、主として透析時に使用されるものであり、経口投与には適していない。例えば、このような吸着剤は黒い粉末であり、見映えがよくないばかりか、便秘などの障害を生じやすく、さらに、その吸着力も未だ十分でない。また、猫などのペット用に使用したときには、ペットによる食いつきが悪いという欠点がある。
また、重症の腎不全症などの患者、犬、猫等の動物においては、尿として排泄しきれない各種含窒素化合物等からなる毒素成分の一部を、腸管粘膜を通して血中の毒素成分(クレアチニン、BUN等)を吸着し、排便とともに体外に排出することが望まれているが、このような排出性の点でも、活性炭系の吸着剤は改善の余地がある。
一方、特許文献2で提案されている粘土系の吸着剤は、上記のような活性炭系の吸着剤の欠点が有効に改善されているものであるが、本発明者等の研究によると、アルミニウムが体内で溶出し易いという問題があった。即ち、アルミニウムの体内での蓄積は、アルミニウム脳症(透析痴呆)やアルミニウム骨症などの健康被害をもたらすおそれのあることが知られており、このため、透析療法を受けている患者や腎臓障害のある患者に対しては、アルミニウム含有医薬の使用が制限されている。従って、ペット用においても、このようなアルミニウムが体内で溶出するような剤は、避けた方が好ましい。
従って、本発明の目的は、クレアチニン等の含窒素化合物を、経口投与により有効に吸着除去できるとともに、アルミニウムの体内での溶出が有効に抑制された粘土系の経口投与吸着剤を提供することにある。
本発明者等は、ある種の粘土系鉱物を適度に酸処理したものは、含窒素化合物を有効に吸着除去し得るとともに、アルミニウムを含有していながら、その溶出が有効に抑制されていることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理により得られた活性白土からなり、レーザ回折散乱法により測定される重み付き表面積平均粒子径が10乃至700μmであり、比表面積が100乃至400m/gの範囲にあり、且つ、安息角が40度以下であることを特徴とする経口投与吸着剤が提供される。
本発明によれば、また、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を、鉱酸水溶液を使用して酸処理を行い、酸処理後に水洗することにより、活性白土からなる経口投与吸着剤を製造する方法において、
前記酸処理前或いは水洗後の何れかの段階で、非破壊的な手段により、レーザ回折散乱法により測定される重み付き表面積平均粒子径を10乃至700μmの範囲に粒度調整する工程を含むことを特徴とする経口投与吸着剤の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
(1)前記非破壊的な手段による粒度調整を、噴霧造粒または転動造粒により行なうこと、
(2)前記酸処理を、酸濃度が20乃至45重量%となるように鉱酸を添加し、且つ80℃以上の温度に加熱することに行うこと、
が好ましい。
本発明の経口投与吸着剤は、後述する実施例に示されているように、含窒素化合物、特にクレアチニンや尿酸に対して、活性炭と同等あるいはそれ以上の高い吸着性を示し、腎機能低下症に対する治療薬乃至予防薬として極めて有用である。また、この吸着剤を構成する活性白土粒子は、基本的には、天然アルミノケイ酸塩であり、親水性を有し、しかも食品添加物としても認可されている。従って、家畜類は勿論のこと、ヒトにも有効に適用できる可能性がある。特に動物用ペットフード等の添加剤として有用である。
しかも重要なことは、本発明の経口投与吸着剤は、後述する実施例に示されているように、モデル胃液(pHが1.5の緩衝液)を用いて測定されたアルミニウム溶出量が1.0mg/g以下と極めて小さい。即ち、本発明では、アルミニウムを含有していながら、アルミニウムの体内での溶出が有効に抑制されており、これが、従来公知の粘土系吸着剤との大きな相違である。
また、本発明の経口投与吸着剤は、従来の粘土系の吸着剤と同様、尿酸に対しても優れた吸着性を示すことから、例えば痛風の予防や治療技術などに対して応用可能な薬剤としても使用できる。
<経口投与吸着剤>
既に述べた通り、本発明の経口投与吸着剤は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を酸処理して得られた活性白土からなる。即ち、このような活性白土においては、スメクタイトと共存しているアルミニウム成分が有効に取り除かれており、残存するアルミニウム成分は、スメクタイト結晶構造中に安定な形で組み込まれている。このため、アルミニウム成分を含有しているにもかかわらず、生体内でのアルミニウムの溶出が有効に抑制されるという性質を有している。
また、酸処理されるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、火山岩や溶岩等が海水の影響下で変成したものと考えられている。その主成分であるスメクタイトは、SiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属で同型置換された三層構造を基本構造(単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオンや水素イオンとそれに配位している水分子が存在している。また、三層構造の八面体層中のAlの一部がMgや2価のFeに置換し、四面体層中のSiの一部がAlに置換しているため、結晶格子はマイナスの電荷を有しており、このマイナスの電荷が単位層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土、ベントナイト、フラーズアースなどがあり、単位層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、単位層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリ側にあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。一方、酸性白土では、単位層間に存在する水素イオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが低く、一般に酸性側にあり、また、水に対して膨潤性を示すものの、ベントナイトと比較すると、その膨潤性は総じて低く、ゲル化には至らない。
このように、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、単位層間に存在する金属陽イオンの種類などによって異なる特性を示すが、本発明において使用する活性白土では、酸処理され、単位層間に存在する金属陽イオンの大部分が水素イオンに置き換えられている。従って、活性白土の製造に使用するジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土としては、特に制限されず、任意のものを使用することができ、例えば酸性白土であってもよいし、また、ベントナイトであってもよい。
このように、本発明において経口投与吸着剤として用いる活性白土は、上記のようなスメクタイト系粘土を酸処理して得られるものであり、下記式:
Al/SiO=5.9×10−2乃至0.12
O/SiO=2.0×10−3乃至2.7×10−2
MO/SiO=2.0×10−2乃至0.11
(上記式中、Rはアルカリ金属、Mはアルカリ土類金属である)
で表されるモル組成を有している。即ち、酸処理前のスメクタイト系粘土に比して、Al/SiOモル比は比較的小さく、且つRO/SiOモル比及びMO/SiOモル比はかなり小さい。これは、酸処理によって、アルミニウム成分、アルカリ金属成分及びアルカリ土類成分がかなり除去されているからである。
また、本発明において、上記のような酸処理は、胃液によって容易に溶出し得るアルミニウム成分を除去する程度に行われるものであるが、その程度は、スメクタイトに特有の層構造が維持される程度でなければならず、例えば、本発明で得られる活性白土は、スメクタイトに特有の[001]面に由来するX線回折ピークを、2θ=3乃至10度の領域に有している。標準スメクタイトの[001]面の回折ピーク面積を100%とした時の、該ピークの相対面積強度比をスメクタイト含有率とすると、本発明の経口投与吸着剤のスメクタイト含有率は1乃至12%好ましくは2乃至10%以上の範囲にある。
即ち、スメクタイト系粘土は、その特有の層構造に由来して、カチオン交換容量やプロトン放出能を有しており(特許文献2参照)、このため、各種含窒素化合物等からなる毒素成分、例えば、クレアチニンや尿酸に対して優れた吸着性を示すばかりか、それ自体、親水性であるため、経口投与した場合においても便秘等の不都合を生じないという特性を示す。さらに、スメクタイト系粘土は、pHが4.8以上の領域で高い負のζ電位を示し、従って、クレアチニンや尿素等の含窒素化合物の分子を、腸内環境下(pHが中性ないし弱アルカリ領域である)で水素結合或いは双極子相互作用によって吸着するという特性をも示す。
上記の説明から理解されるように、本発明で得られる活性白土は、スメクタイト系粘土に特有の構造がある程度残存しているため、クレアチニンや尿素等の含窒素化合物を吸着し得るという特性を示すものであり、例えば、前述した[001]面のX線回折ピーク面積が、前記範囲よりも小さい場合には、酸処理が必要以上に行われたこととなり、含窒素化合物に対する吸着性が不満足となってしまい(極端な場合には、シリカと同レベルになってしまう)、また、前記範囲よりも大きい場合には、酸処理が不十分であり、アルミニウム溶出量の増大を招いてしまうこととなる。
また、本発明で経口投与吸着剤として用いる活性白土は、比較的粗大な粒径を有していることも必要であり、具体的には、レーザ回折散乱法により測定される重み付き表面積平均粒子径が10乃至700μm、好ましくは10乃至100μmである。なお、本発明の平均粒子径とは、JIS-Z-8819-2に規定されている重み付き表面積平均粒子径(ザウター径、体面積平均径)である。また、体積基準ふるい下粒度分布から、5μm以下の微粒子含有率が12体積%以下の範囲に抑制されていることが好ましい。即ち、このような比較的粗大な粒子径を有していることにより、含窒素化合物に対する吸着性を損なうことなく、アルミニウム溶出量を抑制することができる。前述した説明から理解されるように、本発明で得られる活性白土では、スメクタイトの単位層構造が残存しているため、アルミニウム成分も残存している。従って、平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には、経口投与したとき、これら粒子と胃液(胃酸)との接触頻度が高くなりすぎ、この結果、アルミニウム溶出量の増大を招いてしまうからである。また、平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には、含窒素化合物に対する吸着性が低下し、また、ペットの食いつき性も低下し、ペットに対する経口投与が困難になることもある。
さらに、本発明で得られる活性白土は、酸処理によって比表面積が増大しており、その比表面積が100乃至400m/g、好ましくは150乃至350m/gの範囲にある。このため、含窒素化合物に対する吸着性は損なわれず、酸処理前のスメクタイト系粘土と同等の吸着性を示す。例えば、比表面積が、上記範囲よりも大きいときには、通常、酸処理が必要以上に行われたこととなり、スメクタイト構造に由来する含窒素化合物に対する吸着性が低下してしまう。また、比表面積が上記範囲よりも小さいときには、通常、酸処理が不十分であり、このため、アルミニウム溶出量が増大してしまうという不都合を生じる。
上述した経口投与吸着剤として用いる活性白土は、アルミニウム溶出量を低減させるという観点から、その安息角が40度以下である。即ち、この安息角は、粒子を積み上げたときに、自由表面が限界応力状態にある場合、その面と水平面とがなす角度である(JIS-R-1600)。従って、安息角が上記範囲であることは、粒子が積み上がり難いこと、換言すると、活性白土の粒子が丸みを帯び、圧縮、衝撃、せん断、摩擦、切断などの力を活性白土に与え破壊させることによって粒度調整されたものではないことを示し、さらには、新破断面が露出していないことを示している。本発明では、このような安息角を示す活性白土を使用することにより、アルミニウム成分の表面露出が抑制され、アルミニウム溶出量を一層有効に抑制することが可能となるのである。
このように本発明の経口投与吸着剤は、胃酸などによるアルミニウム溶出が有効に抑制されているため、経口投与によるアルミニウムの体内への蓄積を有効に回避することができ、しかも経口投与により、腎機能などの低下により体内に蓄積され、或いは腸内で産生されたり、腸肝循環により消化管内に排泄されたり、腸壁が一種の透析膜となって腸壁から分泌される尿毒症などの毒素成分及び毒素成分の前駆体、例えばクレアチニン、尿酸、インドキシル硫酸、メチルグアニジンなどを、消化管内で吸着し、便とともに体外に排出することができる。特にクレアチニンや尿酸に対して有効に作用し、これらを吸着し、体外に排出することができる。
例えば、クレアチニンは下記式(1)、また尿酸は下記式(2)に示すようにケト−エノール互変異性を示し得る含窒素環状化合物であり、後述の実施例からも分かるように、クレアチニンの吸着は、ほぼ100%である。
Figure 0005146643
Figure 0005146643
また、経口投与吸着剤として用いる活性白土は、天然アルミノケイ酸塩であるスメクタイト系粘土の酸処理物であり、食品添加物として認可されているばかりか、化学組成上、MgO含量が少なく、胃酸によりそれらの成分が抽出されることが少ないので、尿から析出する結晶の一つであるStruviteのMg源ともなりにくく、腸内で安定に吸着作用を示すという利点がある。
<活性白土の製造>
本発明において、上述した活性白土は、前述した種々のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を、鉱酸水溶液を使用して酸処理を行い、酸処理後に水洗することにより製造されるが、特に重要な点は、酸処理前或いは酸処理された後の水洗後の何れかの段階で、非破壊的な手段により、スラリー中の粒子を、前述した重み付き表面積平均粒子径が10乃至700μm、好ましくは10乃至100μmの範囲となるように粒度調整を行うことが重要である。ここで、非破壊的な手段による粒度調整とは、摩砕などによる剪断力を伴う物理的な手段を用いず、粉体の凝集あるいは固体粒子表面の被覆によって粒径を増大させる方法で造粒する手段を意味するものであり、例えば、転動造粒、流動層造粒や噴霧造粒が、これに相当する。即ち、このような手段により粒度調整を行うことにより、特に新破断面を発生させることなく、前述した粒度を有する活性白土粒子を得ることができ、このような粒子は、例えば安息角が前述した範囲となり、アルミニウム溶出量を著しく低減させることができる。また、このような方法で、上記のような平均粒径に調整されたものは、一般に、体積基準ふるい下粒度分布から、5μm以下の微粒子含有率も前述した12体積%以下の範囲となる。一例として、実施例1で得られた試料の重み付き表面積平均粒子径は14μmであり、微粒子含有率は6%の粒子であった。
以下、このような 粒度調整手段を考慮しながら、その製造工程を説明する。
先ず、原料として用いるスメクタイト系粘土は、必要により石砂分離、浮力選鉱、磁力選鉱、水簸、風簸等の精製操作に賦した後、酸処理を行うが、酸処理に先立って、上記で述べたように、転動造粒や噴霧造粒などの非破壊的手段によって粒度調整を行うことができる。また、このような粒度調整を、酸処理がなされた後の水洗後に行う場合には、通常の破壊的手段、例えばボールミルなどの粉砕機を用いた粉砕などによって、適度な粗粒(例えば、重み付き表面積平均粒子径が10乃至700μm程度の範囲)に予備的に粒度調整しておくとことが好適である。即ち、この際の粘土粒径が必要以上に大きいと、酸処理を均一に行うことが困難となるおそれがあるからである。
転動造粒により、前述した範囲に粒度調整する場合には、粘土の塊状物を造粒機内に投入し、塊状物を転がしながら水を噴霧していけばよい。一方、噴霧造粒する場合には、原料粘土を水に分散させたスラリーを調製し(通常、1乃至15重量%程度)、このスラリーを噴霧することにより、前述した範囲に粒度調整することができる。この場合、スラリー濃度や噴霧圧力などによって粒子径を調整することができるが、原料粘土としてベントナイトを用いた場合には、スラリー濃度をあまり高くすると粒子の膨潤及びゲル化を生じてしまうが、噴霧造粒する場合のスラリー濃度はかなり低濃度であるため、このような不都合は回避することができる。
酸処理は、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を用いて行われるが、取り扱い性、酸処理速度などの観点から、硫酸が最も好適に使用される。また、このような鉱酸は、酸濃度が20乃至45重量%となるように、上記の粘土粒子(或いは粘土粒子の水性スラリー)と混合し、且つ80℃以上、特に85乃至95℃の範囲に加熱することにより酸処理を行うことが好適である。即ち、このような条件で酸処理を行うことにより、適度な時間(1乃至20時間程度)での処理により、前述したようにスメクタイト系粘土に特有の構造を維持しつつ、アルミニウム成分等を除去することができるからである。例えば、上記の条件を外れるような範囲で酸処理を行うと、適度な酸処理に必要以上の時間を要したり、或いは酸処理が迅速に進行したりしてしまい、そのコントロールが困難となるおそれがあるからである。
上記のような酸処理後は、水洗して酸や酸処理によって生成した不要な塩を除去する。
この場合、酸処理前に粒度調整を行っておけば、酸処理工程では、その粒度は、実質上、そのまま維持されるため、直ちに乾燥を行って製品とすることができる。かかる乾燥は、熱風乾燥等の任意の手段により行うことができる。
一方、酸処理前に、予備的な粒度調整のみしか行われていない場合には、水洗後に非破壊的な手段によって前述した範囲に粒度調整が行われる。この場合の非破壊的な粒度調整は、転動造粒や噴霧造粒によって行われる。
このようにして得られる活性白土粒子は、前述した組成、粒度分布及び比表面積を有しており、クレアチニンや尿酸等の含窒素化合物に対する吸着性に優れ、さらにはアルミニウム溶出量も低減されており、経口投与吸着剤として、含窒素化合物などからなる毒素成分を除去するためにヒトやペットなどに使用される。
尚、本発明の経口投与吸着剤は、必要により、食品添加物として認可されている可食性有機酸やその塩などと混合して使用することにより、尿結石症の治療・予防剤としての効果を持たせることも可能であり、また、制酸性を高めるために、炭酸カルシウムと併用することもできる。しかしながら、他の成分との混合は、新破断面を生成しない方法に限定される。従って、本発明の経口投与吸着剤は、他の成分とは混合せず、単独で使用することが最も好適である。
(1)粒度分布測定
レーザ回折式粒度分布測定装置Mastersizer Hydro 2000Gで水を分散媒とし、ポンプ速度2000rpm、攪拌速度500rpm、チップ移動50%の条件で、試料を添加し事前分散無しで粒度分布を測定した。得られた体積基準ふるい下粒度分布から、5μm以下の微粒子含有率(体積%)とJIS-Z-8819-2に規定されている重み付き表面積平均粒子径(D[3,2])を算出した。
(2)比表面積
カルロエルバ社製Sorptomatic Series 1900を使用し、窒素吸着等温線を測定した。比圧0.2以下の吸着枝側窒素吸着等温線からBET法で比表面積を求めた。
(3)安息角
ホソカワミクロン(株)製パウダテスタ PT-Rを用いて安息角を測定した。
(4)スメクタイト含有率
試料1gに10vol%エチレングリコール/エタノール溶液を加え、50℃で一晩乾燥させる。得られた試料を、日本フィリップス(株)製のX線回折装置PW1830を用いて測定した。
ターゲット Cu
フィルター Ni
検出器 プロポーショナルカウンター
電圧 40KVP
電流 50mA
走査速度 1°/min
スリット DS:1/4° RS:0.1mm SS:1/4°
照射角 6°
走査範囲 3〜10°
スメクタイト含有率は、日本粘土学会標準粘土試料JCSS-3101のX線回折図のピーク面積を100%とし、各試料のそれの相対面積強度比(%)で示した。
(5)クレアチニン吸着試験
試料各400mgに濃度0.1g/Lの標準液0.5mLを加え、pH6.86緩衝液3.0mLを加え振り混ぜた。室温で10分間放置してから2500rpmで15分間、遠心分離した。
上清を2.0mL採取し、30℃の水槽につけた。ピクリン酸試液(8.7mmol/L)、0.75N水酸化ナトリウム溶液を1.0mLずつ加え、攪拌した。30℃の水槽に20分間放置した後、505nmの吸光度を測定した。
(6)Al溶出試験
1N-HClを41.4mL採取し、KClを3.73g添加し、1000mLにメスアップして調製したモデル胃液25mLに試料0.5gを添加した。恒温槽中に設置したEyela Shaker "MINI"SS-80を用い、目盛5で37℃5時間振盪した。2500rpmで15分間、遠心分離して得られた上澄み液中のAl濃度を原子吸光光度計で測定した。
(実施例1)
新潟県胎内市羽黒山産酸性白土を肉引き器で粗砕してから転動造粒機を用いて造粒した(造粒物Aとする)。この造粒物A40.7gに75%硫酸45.6gと72mlの水を加え、スラリーを調製した。時々かき混ぜながら90℃で6時間加熱した。その後、塩基性成分が沈殿しないようにろ過、水洗し110℃で一晩乾燥し試料を得た。このものは、流動性の良い細粒であった。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で得た造粒物A33.4gに75%硫酸27.7gと67mlの水を加え、スラリーを調製した。その後は実施例1と同様にして行い、試料を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(実施例3)
新潟県新発田市小戸産酸性白土Aを肉引き器で粗砕した。この酸性白土1kgを水11Lに分散し遠心分離して固形分4.9%の懸濁液を得た。この懸濁液を噴霧乾燥して顆粒440gを得た。次に、2Lの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、水750mL、続いて濃硫酸(96%)500gをゆっくりと添加し、さらに先ほど得た顆粒を200g分散させ、90℃まで2時間かけて昇温し、8時間その温度を維持した後、1時間で50℃まで冷却した。このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を4リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を3回繰り返した。回収したケーキを110℃で一晩乾燥した。乾燥後の重量は134gであった。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(実施例4)
新潟県胎内市産酸性白土を原料として用い、この原料を粗砕、混練し5mm径に造粒した。次に、ビーカーに34重量%の硫酸水溶液0.2リットルに、造粒した固形分62%の原料粘土を150g添加し、酸処理を95℃で14時間行い、濾過、水洗後の水洗上がり品を得た。それを28メッシュ篩に通し、水分28%に調整後、転動造粒機で成粒し、試料を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例1)
水澤化学工業(株)製活性白土であるガレオンアースV2を用いた。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例4において、硫酸水溶液の濃度を52重量%にし、酸処理を95℃で24時間に変更した以外は、同様にして行い得られた水洗上がり品を乾燥、粉砕し、試料を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例3)
新潟県胎内市産酸性白土を原料として用い、この原料を粗砕、混練し5mm径に造粒した。次に、ビーカーに12.5重量%の硫酸水溶液0.15リットルに、造粒した固形分62%の原料粘土を225g添加し、酸処理を90℃で15時間行い、濾過、水洗後の水洗上がり品を得た。次に、この水洗上がり品を水に分散し固形分10%に調整してから、チューブミルで粉砕し、篩い分けした後ろ過し得られたケーキをスピンフラッシュドライヤーで乾燥し試料を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例4)
新潟県新発田市小戸産酸性白土Bを孔径0.8mmのダイスを有する押出成形機で成形し試料得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例5)
新潟県新発田市小戸産酸性白土Bを乳鉢で粉砕し試料を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
(比較例6)
日本薬局方に準拠した合成珪酸アルミニウムを用いた。物性測定を行い、結果を表1に示す。
Figure 0005146643

Claims (4)

  1. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理により得られた活性白土からなり、レーザ回折散乱法により測定される重み付き表面積平均粒子径が10乃至700μmであり、比表面積が100乃至400m/gの範囲にあり、且つ、安息角が40度以下であることを特徴とする経口投与吸着剤。
  2. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を、鉱酸水溶液を使用して酸処理を行い、酸処理後に水洗することにより、活性白土からなる経口投与吸着剤を製造する方法において、
    前記酸処理前或いは水洗後の何れかの段階で、非破壊的な手段により、レーザ回折散乱法により測定される重み付き表面積平均粒子径を10乃至700μmの範囲に粒度調整する工程を含むことを特徴とする経口投与吸着剤の製造方法。
  3. 前記非破壊的な手段による粒度調整を、噴霧造粒または転動造粒により行なう請求項に記載の製造方法。
  4. 前記酸処理を、酸濃度が20乃至45重量%となるように鉱酸を添加し、且つ80℃以上の温度に加熱することにより行う請求項2または3に記載の方法。
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