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JP5150182B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、半透過型の液晶表示装置及びその製造方法に関する。
特許文献1には、液晶層に横電界を印加する半透過型IPS(In Plane Switching,面内スイッチング)方式の液晶表示装置が記載されている。この半透過型液晶表示装置は、IPS方式に限らず、例えばTN(Twisted Nematic,ねじれ・ネマティック)方式や、VA(Vertical Alignment,垂直配向)方式を採用したものであっても、1画素中に、透過表示部と反射表示部とが存在する。特許文献1に例示される半透過型液晶表示装置の反射表示部には、リタデーションが2分の1波長の内蔵位相差板が形成されている。さらに、この半透過型液晶表示装置は、その反射表示部の液晶層のリタデーションが4分の1波長に調整されて、明所から暗所を含む広範な環境下での反射表示を可能とし、かつ広視野角で高画質の透過表示を可能としている。内蔵位相差板は、液晶分子等の複屈折を示す分子で形成されている。
かかる液晶表示装置では、カラーフィルタ側の基板において、RGBレジスト層と、当該RGBレジスト層を平坦化するための平坦化層と、内蔵位相差板を配向させるための配向膜と、当該配向膜により配向された内蔵位相差板と、液晶層を配向させるための配向膜とが、この順に積層された構造となっている。
したがって、製造工程では、内蔵位相差板を配向させるための配向膜を形成するために、例えば、ポリイミド系有機物を、塗布焼成して、ラビング法により配向処理する工程が必要となる。
特開平2005−338256号公報
半透過型の液晶表示装置(特に、IPS方式の液晶表示パネル)の量産にあたり、コスト削減、製造時間の短縮が切望され、製造プロセスの工程を減らすことが望まれている。
本発明の目的は、半透過型の液晶表示装置において、製造プロセスの工程を減らすことにある。
上記課題を解決すべく、本発明では、着色レジスト層を平坦化するための平坦化層の位相差板が配される部分に、配向規制力を持たせる。そして、その部分を位相差板の下地層とすることで、配向膜の形成工程を省く。
本発明の第1の態様は、第1基板の位相差板が内蔵された主面と第2基板との間に液晶層を封止し、反射表示部と透過表示部とを備えた半透過型の液晶表示装置の製造方法であって、前記第1基板の主面に前記位相差板の下地層となる光硬化性樹脂組成物を塗布する下地層塗布ステップと、マスク露光により前記塗布された光硬化性樹脂組成物の部分的な硬化処理を行い、当該硬化処理後に、当該光硬化性樹脂組成物の未硬化部分を取り除く現像処理を行い、前記硬化された光硬化性樹脂組成物に、前記未硬化部分の除去による凹凸を有する領域と当該凹凸を有しない平坦な領域とを形成する下地層硬化ステップと、前記硬化された光硬化性樹脂組成物上の前記凹凸を有する領域及び前記平坦な領域に前記位相差板の材料を塗布して加熱硬化し、前記凹凸を形成した領域では、前記凹凸の配向規制力により配向した位相差板を形成し、前記平坦な領域では配向しない残留層を形成する位相差板形成ステップと、前記位相差板及び前記残留層上に、前記液晶層を配向させる配向膜を形成する配向膜形成ステップと、をこの順に行うことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、前記下地層硬化ステップでは、前記凹凸を形成する領域には、露光部分と非露光部分とが線状に交互に並ぶように前記マスク露光を行い、前記凹凸として、並んだ複数の溝が形成されることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、前記凹凸を有する領域は、前記反射表示部に形成され、前記平坦な領域は、前記透過表示部に形成されることを特徴とする。
以下に、本発明の一実施形態が適用された液晶表示装置について説明する。
図1は、本実施形態の液晶表示装置を構成する1画素の上面図である。図2は、図1のA−A方向断面図である。反射光62で示した部分が反射表示部であり、これ以外の透過光61で示した部分が透過表示部である。図1及び図2において、本発明による液晶表示装置はIPS方式の半透過型液晶表示装置として例示されるが、本発明の要旨に照らせば、IPS方式以外の半透過型液晶表示装置にも本発明は適用され得る。
液晶表示装置は、主に、第一の基板31と、第二の基板32と、第一の基板31と第二の基板32とに挟持された液晶層10とから構成される。
第一の基板31は、その反射表示部において、液晶層10側に、カラーフィルタ36と、平坦化層37と、内蔵位相差板38と、段差形成レジスト層39と、第一の配向膜33とを有する。また、第一の基板31は、その透過表示部において、液晶層10側に、カラーフィルタ36と、平坦化層37と、残留層38nと、第一の配向膜33とを有する。第一の基板31は、その主面にカラーフィルタ36が形成されているが故に、当該主面(液晶層10に対向する)に形成された上述の構造物を含めてカラーフィルタ基板とも呼ばれる。
第一の基板31は、イオン性不純物の少ないホウケイサンガラス製であり、厚さは約0.5mmである。
カラーフィルタ36は、ブラックマトリックスと、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色レジスト層がストライプ状に繰り返して配列して構成されている。各ストライプは、信号配線22に平行である。カラーフィルタ36の着色レジストに起因する凹凸は、樹脂製の平坦化層37で平坦化されている。カラーフィルタ36を成す複数の着色レジストや、当該着色レジストとこれらを隔てる遮光層とが形成された第一の基板31の主面には起伏が生じる。後述する「カラーフィルタ36の平坦化」は、樹脂等の絶縁材料で複数の着色レジストやこれらと遮光層とを覆うことにより、当該絶縁膜37の上面の起伏を、その下地膜たるカラーフィルタ36の上面の起伏より低減することを指し、この絶縁膜(平坦化膜)37の上面に若干の起伏を残す処理を排除しない。
平坦化層37は、透明材料であるのが好ましく、その厚さは、着色レジスト層を十分に平坦化する観点から、通常、0.5μmから3μmの範囲である。平坦化層37の内蔵位相差板38に接する部分37は、内蔵位相差板38を配向させることが可能な構造(以下、「配向規制構造」ともいう)となっている。すなわち、微小な凹凸で形成される複数の溝が存在する。配向規制構造は、例えば、平坦化層37の上面(内蔵位相差板38が形成される主面)に、第1方向に各々延在する複数の線状の溝を、当該第1方向と交差する第2方向に並設して形成される。
内蔵位相差板38は、複屈折率を有する液晶物質が硬化した層である。内蔵位相差板38は、接触する平坦化層37の配向規制構造により、配向している。
残留層38nは、製造過程において内蔵位相差板38を形成するために全面に渡り塗布された材料が、位相差性を有しないまま硬化した部分である。
段差形成レジスト層39は、反射表示部と透過表示部に4分の1波長のリタデーション差を形成するために設けられている。図2に示された段差形成レジスト層39は、第一の基板31の主面に形成され、液晶表示装置の外側から第一の基板31に入射した光を液晶層10へ伝搬する。しかし、段差形成レジスト層39やその等価物は、第二の基板32の主面に不透明な層として形成されることもある。
第一の配向膜33は、ポリイミド系有機膜であり、ラビング法により配向処理されており、近接する液晶層10を配向処理方向に向けて配向させる。
なお、内蔵位相差板38及び残留層38nを平坦化するための層が、例えばこれらと第一の配向膜33との間にさらに設けられていてもよい。
第二の基板32は、液晶層10の側に、薄膜トランジスタ(TFT)を有する。薄膜トランジスタは、走査配線21と、信号配線22と、画素電極28に接続されている。薄膜トランジスタは、逆スタガ型構造であり、そのチャネル部は、アモルファスシリコン層25(非晶質珪素層)で形成されている。アモルファスシリコン層25をレーザでアニールして、多結晶シリコンや連続粒界結晶シリコン(Continuous Grain Silicon)のチャネル部に変えてもよい。このとき、薄膜トランジスタは、チャネル部に電界を印加する制御電極(走査配線21,ゲート電極)がチャネル部の下側に配置された逆スタガ型構造より、制御電極がチャネル部の上側に配置された正スタガ型構造を呈するとよい。第二の基板32は、この他に、共通配線23と共通電極29とを有する。走査配線21と信号配線22は、交差している。図1及び図2には示されないが、第二の基板32の主面(液晶層10に対向する)には、複数の画素電極28が二次元的に配置され、第1方向に各々延在する複数の走査配線21が当該第1方向と交差する第2方向に並設され且つ当該第2方向に各々延在する複数の信号配線22が当該第1方向に並設されて画素電極28の各々とこれに隣接する他とを隔てる。薄膜トランジスタの各々は、これに対応する複数の信号配線22の一つと画素電極28との間に設けられ、且つ複数の走査配線21の一つにより制御され、概略これらの走査配線21と信号配線22との交差部に位置している。第二の基板32は、その主面に薄膜トランジスタTFT(破線枠で囲まれた構造)が形成されているが故に、その主面(液晶層10に対向する)に形成された上述の構造物を含めてTFT基板とも呼ばれる。
共通配線23は、走査配線21と同様に第1方向に延在するが、その画素電極28と交差する部分において、画素電極28内に(走査配線21に向けて)張り出た構造を有し、図2中に反射光62で示したように第一の基板31から液晶層10を通してこれに到達した光を反射する。図1及び図2において、共通配線23が画素電極28と重畳する部分が反射表示部であり、これ以外の画素電極28と共通電極29の重畳部では、図2中に透過光61で示したようにバックライトの光を通過して透過表示部となる。第二の基板32に薄膜トランジスタTFTとともに形成された共通配線23は、当該第二の基板32に共通電極29が形成されたIPS方式の液晶表示装置に特有であり、これを含めて成る上記反射表示部は、TN方式やVA方式の半透過型液晶表示装置には見られない。
透過表示部と反射表示部とでは最適な液晶層厚が異なるため、その境界に段差を設けるとよい。透過表示部と反射表示部の境界を短くするため、境界が画素短辺に平行になるように透過表示部と反射表示部を配置した。
共通配線23等の配線を反射板で兼用すれば、夫々に要する製造過程を低減する効果が得られる。共通配線23を高反射率のアルミニウムやタンタル等の金属で形成すれば、より明るい反射表示が得られる。共通配線23をクロムとし、アルミニウムや銀合金の反射板を別途形成しても同様の効果が得られる。
液晶層10は、配向方向の誘電率がその法線方向よりも大きい正の誘電率異方性を示す液晶組成物である。その複屈折率は25℃において0.067であり、室温域を含む広い温度範囲においてネマチック相を示す。また、薄膜トランジスタを用いて周波数60Hzで駆動した時の保持期間中において、反射率と透過率を充分に保持してフリッカを生じない高抵抗値を示す。
上述のように、反射表示部の平坦化層37上には、内蔵位相差板38が形成されている。従来では、平坦化層37上に配向膜を形成させて、その上に内蔵位相差板38を形成することで、液晶分子等の複屈折を示す分子で構成される内蔵位相差板38に配向性を持たせていた。これに対して、本実施形態では、製造プロセスの単純化のために、配向膜の形成を行わない。平坦化層37の内蔵位相差板38に接する部分37aに、配向規制力を持たせ、直接、内蔵位相差板38を形成する。すなわち、本実施形態では、平坦化層37は、カラーフィルタ36を平坦化するという本来の役目のほかに、内蔵位相差板38を配向させるという役目も果たす。
なお、従来の配向膜を分厚く形成し、平坦化層を兼ねることも考えられるが、配向膜の材料は透明でないので、平坦化のために分厚くすると透過性が損なわれるため現実的ではない。液晶表示置の液晶層(その光の透過率が電界により制御される領域〉を成す液晶分子の初期配向方位(例えば、電界が印加されないときの液晶の光軸の方位)を決める配向膜を厚く形成すると次の弊害が生じる。その一つは、当該配向膜を透過する光(例えば380〜780nmの波長帯域にある可視光)の強度の著しい減衰である。即ち、配向膜の低い透過率は、これが薄く形成れたときは無視できたがこれが厚く形成するに伴い、液晶表示装置の画像表示機能を損ねる。また、他の一つは、当該配向膜を透過する光が望ましからぬ色を帯びるという透過光の着色の問題である。さらに配向膜は、これにより初期方位に配向された液晶分子に、その光軸の方位をそれに印加される電界に応じて変えるような動きを与えねばならない。従って、当該配向膜の材料自体が限られ、その価格も高い。
一方、本発明の内蔵位相差板38は、例えば、液晶分子(液晶ポリマー)等の所謂複屈折を示す分子で構成され、当該分子の有する屈折率の異なる複数の光軸の一つ(例えば、高い屈折率を示す光軸)が特定の方位に向くように、当該分子を平坦化層37により配向させる。しかし、内蔵位相差板38を成す上記分子は、液晶層に印加される電界の強度に関係なく、上記特定方位に配向させることが望まれる。このため、本発明では、内蔵位相差板38を成す分子(光学異方体)を平坦化層37の配向規制構造により配向させる。
<内蔵位相差板の製造工程>
ここで、平坦化層37及び内蔵位相差板38を形成するための、本実施形態の特徴的な製造プロセスについて説明する。
図3は、カラーフィルタ36の形成工程から第一の配向膜33の形成工程までのプロセスを示す図である。
まず、ブラックマトリックスを形成し(S11)、三原色の着色レジスト層を形成する(S12)。次に、平坦化層37の材料である光硬化性樹脂組成物を全面に渡り塗布する(S13)。そして、塗布した光硬化性樹脂組成物を部分的に光硬化させた後(S14)、未硬化部分を取り除くために現像する(S15)。続いて、内蔵位相差板38の材料を全面に渡り塗布した後(S16)、加熱する(S17)。その後、内蔵位相差板38の材料の全体を光照射し硬化させる(S18)。
図4は、平坦化層37の形成工程から内蔵位相差板38の形成工程までを説明するための図である。
まず、カラーフィルタ36(図4には示されない)が形成された第一の基板31に、光硬化性樹脂組成物の平坦化層材料37pを塗布する。この組成物(平坦化層の前駆体)は溶剤等を含むため、その塗布厚は後述する当該組成物のポストベーク後の膜厚(平坦化層の膜厚)が1〜3μmの範囲にあるように、当該膜厚より厚くする。そして、プリベークした後に、図4(A)に示すように、フォトマスク110を配置し、光源120から紫外線(例えば、1000mJ/cm2)を平坦化層材料37pに照射する。その後、平坦化層材料37pのポストベークを200℃で30分間行う。
フォトマスク110は、内蔵位相差板38が配される部分に相当する部分に、複数の線状のマスク閉口部を有する。一方、透過表示部に相当する部分には、マスク閉口部はなく、光源120の光はそのまま透過する。図中、黒い部分が光が遮断されるマスク閉口部である。ただし、図では、理解容易のため、線幅を太めにして、マスク閉口部を他の部分に比べて拡大して描いている。
このようなフォトマスク110を使用することにより、平坦化層材料37pの内蔵位相差板38が配される部分37aで、露光部分と非露光部分とが、線状に交互に並ぶ。すなわち、硬化部分と未硬化部分とが線状に交互に並ぶことになる。
フォトマスク110を用いた露光後、アルカリ有機現像により、平坦化層材料37pの未硬化部分を取り除く。そうすると、図4(B)に示すように、平坦化層37は、反射表示部(内蔵位相差板38が配される部分37a)においては、複数の細かいスリット状のへこみが並んだ構造、いいかえれば、微細な複数の溝が形成される。本実施例では、へこみは1μm以下の深さで形成される。しかし、当該へこみは平坦化層37貫通する複数のスリットとして形成されてもよく、その各々により平坦化層37の下地層(例えばカラーフィルタ36)を露出させてもよい。この微細な複数の溝が内蔵位相差板38を配向させる下地となる。
スリット状のへこみの幅は、内蔵位相差板38に対する配向規制力を持たせるため、2〜5μmであるのが好ましい。また、その間隔は、2〜5μmであるのが好ましい。また、へこみの幅Lと間隔Sは、「L=S」の関係を満たし、または「L+S≦5μm」の関係を満たすように、適宜選択すると良い。また、適切な幅のへこみが適切な間隔で形成できるように、フォトマスク110のマスク閉口部のパターンを定める必要がある。例えば、フォトマスク110の線状のマスク閉口部の幅を2μm、その間隔を2μmとする。
ここで、本実施形態に用いられる平坦化層37の材料について説明する。平坦化層37の材料は、カラーフィルタ36の三原色の着色レジスト層を十分に平坦化し、かつ内蔵位相差板38を適切に配向させるだけの配向規制構造を形成可能なものであれば特に制限はない。
本実施形態では、上記のごとく、部分的な硬化を光により行うので、平坦化層37の材料としては、紫外線などの光エネルギーで重合反応が行われるものが好ましい。
このような平坦化層37の材料としては、例えば、アクリル系樹脂成分、溶剤、光硬化開始剤、熱重合開始剤などを主剤として、紫外線照射及び加熱により硬化する組成物が挙げられる。
アクリル系樹脂成分は、光硬化性を与えるためには、重合性のアクリル基を有する多官能の(メタ)アクリレート又はこれらのオリゴマーを含有することが好ましく、有利にはアクリル系樹脂成分の50重量%以上含有することがよい。重合性のアクリル系樹脂成分として、3官能以上の多官能の(メタ)アクリレート又はこれらのオリゴマーを含有することも好ましく、有利にはアクリル系樹脂成分の20重量%以上含有することがよい。
好ましいアクリル系樹脂成分として、フルオレン骨格を有する多官能の(メタ)アクリレート又はこれらのオリゴマーが挙げられる。
例えば、下記式(I)又は式(II)で表わされるフルオレン骨格を備えたカルド構造を有する化合物が挙げられる。フルオレン骨格を有する樹脂成分の採用により、樹脂マトリックスの耐熱性を高くすることができる。フルオレン骨格を有する樹脂成分は、有利にはアクリル系樹脂成分の30重量%以上含有することがよい。なお、フルオレン骨格を有する樹脂成分の代りにノボラック樹脂のエポキシアクリレート樹脂を使用することもできる。なお、式(II)で表わされる化合物は、例えば式(III)で表わされるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応で得ることができる。式(I)で表わされる化合物は、例えば式(II)で表わされる化合物と二塩基酸又は四塩基酸の無水物との反応で得ることができ、二塩基酸及び四塩基酸の使用割合は0:100〜100:0の範囲である。
Figure 0005150182
上記式(I)〜(III)において、ベンゼン環に結合するRは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、好ましくは水素原子であり、アクリル基に結合するRは水素原子又はメチル基を表し、n及びmは0〜20の整数を表わす。また、Y及びZは多塩基酸の残基を表わす。ここで、nの平均(平均の繰返し数)は0〜1であることが好ましい。
もちろん、アクリル系樹脂成分以外の他の樹脂成分を平坦化層37の効果を損なわない範囲で使用することができる。これらの他の樹脂成分としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などやオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはこれらを与えるモノマー、硬化剤等の樹脂成分などが挙げられる。
また、平坦化層37の材料は、次に示すような、(A)アルカリ可溶性ポリマー、(B)1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、(C)エポキシ化合物を含有する光硬化性樹脂組成物であってもよい。
かかる光硬化性樹脂組成物は、例えば、(A)アルカリ可溶性ポリマーとして、
式(1)
Figure 0005150182
で示される構造単位(1)または構造単位(1)と下記式(2)
Figure 0005150182
(ここで、R1は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、R2は水素原子、メチル基またはメトキシ基を示す)
で示される構造単位(2)を含有して成りそして構造単位(1)が構造単位(1)と構造単位(2)の合計に基づいて100〜70モル%を占める重合体からなるアルカリ可溶性ポリマー、
(B)下記式(3)
Figure 0005150182
(ここで、3個のDは、同一もしくは異なり、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を示す、但し少なくともそのうちの1個のDは1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基である)
で示される化合物及び下記式(4)
Figure 0005150182
で示される化合物から選ばれる1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、および(C)分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を含有する光硬化性樹脂組成物である。
また、平坦化層37の材料として、(a)光重合性不飽和基を有するアクリル系ポリマー、(b)少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物、(c)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤、を含有する光硬化性樹脂組成物を用いてもよい。
(a)光重合性不飽和基を有するアクリル系ポリマーとしては、その組成や合成方法に特に制限はないが、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル共重合体に、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合物を付加反応させて得られる側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体等を使用することができる。
(b)少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−(ジ(メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なお、例えば、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
また、市販の平坦化層37の材料としては、新日鐵化学株式会社製のV−259PAシリーズ、JSR株式会社製のオプトマーPC(ポジ型感光性)、同社製のNNシリーズ(ネガ型感光性)、日立化成工業株式会社製のCR−600などを用いることができる。
図3に戻って、内蔵位相差板の説明を続ける。
平坦化層37が形成されると、次に、内蔵位相差板38の材料を、平坦化層37の全面に塗布し、100℃で2〜5分ホットプレートなどを用いて加熱し溶剤を除去する。次に、加熱温度を80℃で10分程度保持することで、平坦化層37の配向規制構造37aにより内蔵位相差板38の材料(分子)を所定の方位に配向させる(S17)。内蔵位相差板38の材料は、例えば、光反応性のアクリル基を分子末端に有する液晶と反応開始剤とを含む有機溶媒である。この工程(S17)における上記加熱温度は、内蔵位相差板38の材料の融点(例えば、70℃)より高く、且つ当該材料のネマチック・等方相転移温度(例えば、110℃)以下の値(例えば、約80℃)に設定される。加熱時間は、位相差板の材料が十分配向される時間(例えば、10分)に設定することが必要である。この時点で、内臓位相差板38の材料の「平坦化層37の配向規制構造を備えた部分37a」に接する部分は、特定の配向方位を向いて配向する。これにより、内蔵位相差板38の材料層の当該部分は複屈折性(位相差性)を示す。一方、内臓位相差板38の材料の「平坦化層37の配向規制構造を備えていない部分37b」に接する他の部分は、配向しない。従って、内蔵位相差板38の材料層の当該他の部分は複屈折性(位相差性)を示さない。
その後、内蔵位相差板38の材料の全面を露光し、硬化させる(S18)。これにより、図4(C)に示すように、位相差性を備えた内蔵位相差板38と、位相差性を有しない残留層38nとが形成される。
内蔵位相差板38の形成後は、第一の基板31の主面(当該主面に形成された内蔵位相差板38及び残留層38nの上面)の全域に保護膜(絶縁膜、図示せず)を形成するとよい。保護膜は、例えば、先述した平坦化層と同じ材料又は光開始剤を含まない透明材料で形成される。残留層38n(又はその上に形成された保護膜)の上面に段差形成レジスト層39を形成した(図3のS19)後、液晶層10を配向させるための配向膜33を形成する(S20)。なお、配向膜33の形成前に、下地を平坦化するために平坦化層を形成し、その平坦化層上に配向膜33を形成するようにしてもよい。
以上、第一の基板31における、カラーフィルタ36の形成工程から、配向膜33の形成工程までのプロセスを説明した。
その後の製造プロセスは、図2を参照して下記のとおり説明される。
第一の基板31の第一の配向膜33と、第二の基板32の第二の配向膜34とを信号配線22に対して15度をなすようにラビング処理した後に、第一の基板31と第二の基板32を対向させて組み立て、液晶材料を封入して液晶層10を形成する。さらに、第一の基板31と第二の基板32の外側に、第一の偏光板41と第二の偏光板42を配置する。第一の偏光板41と第二の偏光板42の透過軸は、液晶配向方向に対してそれぞれ直交、平行になるように配置する。
なお、第一の偏光板41の粘着層には、その内部に屈折率が粘着材とは異なる透明な微小球を多数混入した光拡散性の粘着層43を用いる。粘着材と微小球の界面において両者の屈折率が異なることによって生じる屈折の効果を利用して、入射光の光路を拡大する作用を有する。これにより、画素電極28と共通電極29における反射光の干渉で生じる虹色の着色を低減することができる。
<本発明による液晶表示装置の形態1>
上記のように構成される液晶表示装置について、その機能を説明する。
図1に示したように、可視光線に対して透明なガラス等の材料から成る第二の基板32の主面には、画素毎に、共通電極29と画素電極28とがこの順に積層されている。第二の基板32の主面には、上記第1方向に延在する走査配線21と共通配線23とが上記第2方向に交互に繰り返して並設され、走査配線21及び共通配線23とを覆う絶縁層51上には当該第2方向に延在する複数の信号配線22が当該第1方向沿いに並設される。第二の基板32の主面には、複数の画素の各々に対応した複数の薄膜トランジスタTFTが設けられる。図1及び図2に破線枠で囲まれて示される薄膜トランジスタTFTは、信号配線22の一部と入出力電極24とに接合された半導体層(上述したアモルファスシリコン層)25と、この半導体層25に電界を印加して「信号配線22の一部と入出力電極24との間のキャリア(電子や正孔)の流れ」を制御する電極(走査配線21の一部でもある)とを備えた電界効果型トランジスタとして構成される。信号配線22の一部と入出力電極24とは、これらの間に介在する半導体層25内でのキャリアの流れに応じ、その一方がソース電極と呼ばれ、且つその他方がドレイン電極と呼ばれる。絶縁層51を介して半導体層25に電界を印加する上記走査配線21の一部は、ゲート電極や制御電極とも呼ばれ、絶縁層51はゲート絶縁膜とも呼ばれる。
信号配線22は、所定の周期(例えば、フレーム期間やフィールド)毎に画素電極28に取り込まれるべき映像信号を伝送する。走査配線21には当該周期毎に半導体層25内にキャリアの流れを生じさせる信号(走査信号)が印加され、信号配線22で伝送された映像信号は半導体層25、入出力電極24を通して画素電極28に供給される。薄膜トランジスタTFTの入出力電極24と画素電極28とは、入出力電極24上に積層された絶縁層52及び絶縁層53を貫通し且つ入出力電極24を露出するスルーホール26の内壁に形成された導電膜により、電気的に接続される。この導電膜は、画素電極28とともに形成されてもよい。一方、共通配線23の電位は、走査配線21や信号配線22に比べて変動が小さく、基準電位(一定の電位、例えば接地電位)に保たれることが多い。共通配線23と共通電極29とは、共通配線23上に積層された絶縁層51及び絶縁層52を貫通し且つ共通配線23の一部を露出するスルーホール27の内壁に形成された導電膜により、電気的に接続される。この導電膜は、共通電極29とともに形成されてもよい。
共通電極29、及び画素電極28は、ともにITO(Indium−Tin−Oxide)やIZO(Indium−Zinc−Oxide)等の可視光線を透過させる導電性材料(いわゆる透明導電膜)から成る。画素電極28及び共通電極29は概ね矩形の輪郭を有し、図1の平面図に示される如く、画素電極28の外周は共通電極29の外周により囲まれている。共通電極29の一部には、上記スルーホール26に形成された導電膜との電気的短絡を避けるための開口(不図示)がスルーホール26を囲むように形成されている。
各画素において、共通電極29が1枚のシート状に形成される一方、画素電極28は当該共通電極29上において、櫛歯状(Comb−teethshaped)に形成される。図1に示される画素電極28には、矩形の透明導電膜に第1方向(走査配線21の延在方向)に延在する複数の開口(線状開口)30が、第2方向(信号配線22の延在方向)に並べて形成されている。これらの開口30により、画素電極28を成す透明導電膜は第1方向に延在する複数のストライプに分かれ、これらのストライプが櫛歯の如く第2方向に並ぶ。
画素電極28と共通電極29とは、その間を隔てる絶縁層53により電気的に分離され、画素電極28と共通電極29との間の電位差により生じた電気力線は、画素電極28の「櫛歯」の各々から当該「櫛歯」間(透明導電膜の開口30)を通して共通電極29に到る。
この電気力線は、画素電極28の「櫛歯」からその「櫛歯」を隔てる隙間に向けて、第二の基板32の主面に概ね平行に延びる。この第二の基板32の主面に概ね平行な電気力線が、当該第二の基板32に形成された第二の配向膜34を通して、TFT基板32とカラーフィルタ基板31との間に封入(Seal)された液晶層10に染み出し、液晶層10内の液晶分子を動かす。
TFT基板32及びカラーフィルタ基板31の外面(Outer Surface、液晶層とは反対側の主面)には夫々偏光板(フィルム)42、41が設けられる。
液晶層10内の液晶分子は、これに電界が印加されない状態において、その光軸が上記偏光板41,42の光軸とずれる(例えば、直交する)方位に設定されている。第一の配向膜33、第二の配向膜34は、液晶分子を斯様な方位に設定する。ここでいう光軸は、液晶分子や偏光板41、42が、これらを透過する光に対して、例えば高い屈折率を示す方位として記される。
これに対し、画素電極の「櫛歯」から共通電極29に向けて第二の基板32の主面に概ね平行に形成される上記電界が強まるに伴い、液晶分子の各々の光軸の方位は上記偏光板41,42の光軸のそれに徐々に近づく。即ち、第二の基板32内(ln−plane)に形成された電界が強まるほど、液晶層を透過する光の量が増す。これが、図示された画素構造を、面内スイッチング(In−plane Switching)型、略してIPS型と呼ぶ所以である。
画素電極28の電位が薄膜トランジスタからの出力(画像情報)に応じて変化する一方、共通電極29の電位は共通配線23から印加される言わば基準電圧に応じて決まる。即ち、或る一つの共通配線23に接続される共通電極29を夫々備えた画索の一群において、夫々の画素電極の電位が互いに異なるときも、夫々の共通電位は概ね同じ電位を示す。
共通配線23は、アルミニウムやタンタル等の金属で形成することにより、画素電極や共通電極に比べて、これに入射する光を反射し易くするとよい。図示された共通配線23は、これと共通電極29とが接するスルーホール27から、画素内に向けて延在する。従って、共通配線23の延伸部分は、画素電極28及び共通電極29の下側に配置されて、カラーフィルタ基板31から液晶層10、画素電極28、及び共通電極29を通過して当該延伸部分(その上面)に入射した光を、カラーフィルタ基板31に向けて反射する。このような領域が画素毎に形成されている構造が、半透過型(Transflective)の液晶表示装置の特徴である。
以上、本発明の一実施形態について説明した。
上記実施形態によれば、製造プロセスにおいて、透過表示部と反射表示部の全面に渡り塗布して形成する平坦化層において、反射表示部の部分においてのみ、光硬化時の工夫により配向規制力をもたせる。そして、全面に渡り塗布した内蔵位相差板の材料のうち、反射表示部に相当する部分のみ、配向させ、位相差性を保持させる。すなわち、内蔵位相差板38を配向させるための配向膜の塗布工程及びそれに伴うラビング工程を省略することが出る。したがって、プロセス削減により、製造にかかる時間の短縮、材料費の削減が図られる。
また、従来では、ラビング処理を行う際に発生するラビング布や配向膜の剥離異物が生じて、その後に洗浄工程を付加せざるを得なく、さらに、洗浄を実施しても後工程への流れ込みは避けられず、歩留を低下させる原因となっていた。それに対して、本実施形態の製造プロセスでは、内蔵位相差板38を配向させるための配向膜のラビング工程がないので、ラビング異物は発生せず、歩留の低下の危惧もない。
さらに、本実施形態の液晶表示装置においては、内蔵位相差板38を配向させるための配向膜がなくなることにより、透過表示部及び反射表示部の透過率が向上する。
なお、本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、様々な変形が可能である。
<本発明による液晶表示装置の形態2>
上述した液晶表示装置の形態1の変形として、本発明によるVA方式の半透過型液晶表示装置を、図6を参照しながら説明する。図6(a)は、VA方式の半透過型液晶表示装置に形成された画素の一つの断面構造を示し、図6(b)は当該一つの画素の平面構造を示す。図6(a)は、液晶表示装置(その一画素)を、図6(b)に示されるA−A’線で切断した断面として描かれる。図6に示された構成要素のうち、その等価物が図1又は図2でも示されたものについては、図1や図2の等価物と同じ参照番号を付し、説明の重複を避ける。一つの画素は、ブラックマトリクス(遮光膜)35の開口35hで囲まれた領域として定義しても、カラーフィルタ(着色レジスト)36の輪郭(外周)で囲まれた領域として定義してもよい。図6(b)において、信号配線22aは、図示された画素の薄膜トランジスタTFTに接続されていないこと以外、信号配線22と同様に形成されている。図6(b)において、その輪郭が点線枠で示される半導体層25上には、信号配線22の一部と入出力電極24とが互いに対向するように形成されている。信号配線22の一部は、U字状に彎曲して入出力電極24を囲む。
まず、VA方式の半透過型液晶表示装置の、IPS方式の半透過型液晶表示装置との相違について説明する。VA方式による液晶表示装置では、共通電極29は第一の基板31に形成され、画素毎に設けられた反射表示部及び透過表示部の各々には、共通電極29の開口(Opening)29hが形成される。この開口29hは、画素電極28の形状に応じて、スリット(Slit)や切り欠き(Notch)として形成される。図6(a)には、画素電極28と共通電極29との間の電界が印加された液晶分子100と、この電界が印加されない(換言すれば、初期配向された)液晶分子100nとが長楕円で図示される。画素電極28と共通電極29との間に生じる電界は、破線の矢印として示される。液晶層10を介して対向した画素電極28と共通電極29との間に生じる電界は、共通電極の開口29hにより、第一及び第二の基板31,32を隔てる方向(以下、セルギャップ,図6(a)のg,g)に対して所定の角度で傾く。画素電極28と共通電極29との間に電界が生じないとき、一軸性の複屈折率を有する液晶分子100nは、その分子軸(上記「長楕円」の長軸)がセルギャップに沿うように初期配向される。斯様な液晶分子100nの初期配向は「垂直配向(VA)」と呼ばれる。液晶分子100nが初期配向された液晶層10は、これに入射する光の透過を遮る。画素電極28と共通電極29との間の電界強度に応じて、垂直配向された液晶分子100nの分子軸は、液晶分子100のそれの如く、セルギャップに対して傾き、その傾斜に応じて液晶層10における光の透過量は増える。
画素電極28には共通電極29の如く、スリット、切り欠き、又は開口を形成する必要はないが、本形態の画素電極28は、図6(b)に示す如く、共通電極の開口29h毎に1つの反射型画素電極28Rと2つの透過型画素電極28Tに分けられている。薄膜トランジスタTFTの入出力電極24はスルーホール26を通して反射型画素電極28Rに電気的に接続され、更に反射型画素電極28Rと透過型画素電極28T、及び透過型画素電極28T間は、接続部28Cで夫々電気的に接続される。反射型画素電極28Rは、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属膜や、アルミニウム、チタン、タンタル等を含む合金膜で形成され、透過型画素電極28Tは、ITO(インジウム−錫−酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛−酸化物)、ATO(アンチモン添加酸化錫)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)等の透明な導電性酸化物で形成される。
薄膜トランジスタTFTは、先述の形態1と同様、信号配線22と入出力電極24とを接続する半導体層25を走査配線の一部(制御電極)21の上部に絶縁層51を介して配置した所謂逆スタガ型構造を有するが、半導体層25を絶縁層51で覆い且つ当該絶縁層51上に制御電極21を配置してもよい。半導体層25は、アモルファスシリコン(非晶質珪素)、多結晶シリコン、信号配線22との接合部から入出力電極24との接合部に向けて延在する結晶粒(帯状単結晶)を複数個並設して成る連続粒界結晶シリコンのいずれで形成されてもよく、半導体材料としてシリコン(珪素)以外の元素や分子も利用できる。
薄膜トランジスタTFTの最上層(図6では信号配線22と入出力電極24)の上面には、絶縁層52、段差形成レジスト層(絶縁層)39R、及び反射型画素電極28Rがこの順に積層されている。段差形成レジスト層39Rは、形態1のそれと異なり、第二の基板32(TFT基板)に形成される。段差形成レジスト層39Rは、形態1の絶縁層53と同様の位置に、絶縁層51,52の各々の2倍超の厚さで形成される。即ち、段差形成レジスト層39Rの厚さは、反射表示部における第一の基板31の最上面(図6では共通電極29の上面)と第二の基板32の最上面(図6では反射型画素電極28Rの上面)との間隙gが、透過表示部における第一の基板31の最上面(共通電極29の上面)と第二の基板32の最上面(図6では透過型画素電極28Tの上面)との間隙gよりも小さく、望ましくは間隙gの概ね1/2となるように調整される。フォトリソグラフィ等により段差形成レジスト層39Rを成形する際、その上面に波状のパターン(例えば、コルゲート・パターン)を形成して、当該パターンを反射型画素電極28Rの上面に形成してもよい。反射型画素電極28Rで反射された光は、その上面の波状パターンにより、当該反射型画素電極28Rが設けられた画素内で適度に拡散される。
第一の基板31は、ガラスやプラスチック等の可視領域(380nm〜780nmの波長帯域)の光を透過させる材料(以下、透明な材料)から成り、その主面上には、複数のカラーフィルタ(着色レジスト)36とその隣接する一対を隔てる遮光膜35とが形成される。図2に示された液晶表示装置の形態1においても、カラーフィルタ36間に遮光膜35が形成される。カラーフィルタ36は、例えば顔料、染料、及び蛍光材料の少なくとも一つを含む樹脂材料(例えば、レジスト材料等の有機材料)で形成される。遮光膜35は、クロム(Cr)等の金属や合金等の無機薄膜、又はカーボン、コバルト酸化物、黒色顔料等の光吸収率の高い粒子が分散された樹脂の薄膜(有機薄膜)として形成される。遮光膜35は、その可視領域の光の透過率がカラーフィルタ36のそれに比べて低いため、不透明であるとも記される。
本形態2においても、カラーフィルタ36とその間に配置された遮光膜35により第一の基板31の主面に生じた起伏を均す平坦化層37が形成される。さらに平坦化層37の一部(37a)には、形態1と同様に、平坦化層37の上面に供給される内蔵位相差板38の原料(前駆体)の分子を所望の方位に配向させる「配向規制力」が付与される。従って、平坦化層37の配向規制力が付与された部分37aの上面には内蔵位相差板38(配向した分子から成る有機膜)が、平坦化層37の配向規制力が付与されない部分37bの上面には内蔵位相差板の残留層38n(配向しない分子から成る有機膜)が夫々形成される。内蔵位相差板38及びその残留層38nの上面の起伏は、その下地となる平坦化層37により抑えられ、当該上面には開口29hを備えた共通電極29が形成される。電子顕微鏡による形状観察にて、内蔵位相差板38とその残留層38nとは、一つの有機薄膜として形成されているように見られ、同じ組成を有するとも認識される。しかし、内蔵位相差板38が示す「複屈折(位相差性)」を、その残留層38nが示し得ないことで、これらは確実に識別できる。図6(b)に示す如く、内蔵位相差板38(太線枠)は、第一の基板31の主面内において、反射型画素電極28Rに各々対向する複数のアイランドとして、その残留層38n内に分布している。
なお、内蔵位相差板38とその残留層38nとは、開口29hを備えた共通電極29の上側に上記平坦化層37を介して形成することもできる。また、第一の基板31の最上層(図6では共通電極29)及び第二の基板32の最上層(図6では画素電極28R,28T)の少なくとも一方に液晶層10の液晶分子100,100nを配向させる配向膜(不図示)を形成してもよい。
<内蔵位相差板形成に好適な材料>
例えば、内蔵位相差板38の形成工程において、内蔵位相差板38を形成する材料、これに照射される光の波長、及びこれに添加される光重合開始剤を適宜選択することにより、内蔵位相差板38及び残留層38nの着色を抑制することができる。
図5は、内蔵位相差板38を形成する液晶物質の着色が生じる波長について説明するための図である。内蔵位相差板38を形成するための液晶物質によっては、300nm未満の波長の光を吸収すると着色を生じる。したがって、300nm未満の波長の光が照射されないようにした方がよい。
そこで、特定波長の光が照射可能なランプを用いるとよい。例えば、300nm以上の波長の強度が強く、300nm未満の波長の光の強度が極めて弱いランプを用いる。
または、300nm未満の波長の光を遮断するフィルタを用いてもよい。例えば、短波長光を遮断する短波長カット紫外線フィルタなどを用いる。また、内蔵位相差板38を形成する液晶物質の吸収波長を全てカットするようなフィルタを用いのがよい。例えば、帝人デュポンフィルム製のテイジンテトロンフィルムG2を用いることができる。
また、300nm以上の光を照射するため、内蔵位相差板38の材料は、300nm以上の波長の光の照射により硬化する必要がある。そこで、光重合開始剤は、300〜400nmに吸収があるものを選択するのが好ましい。好ましくは、内蔵位相差版38の材料(これに含まれる溶剤又は光重合開始剤の溶媒であるメタノール)中での吸光係数が、365nmで1000ml/gcm以上、405nmで100ml/gcm以上の範囲にある開始剤である。
内蔵位相差板38を形成する材料としては、次に示すような、光反応性のアクリル基を分子末端に有する液晶モノマーを用いることができる。
Figure 0005150182
Figure 0005150182
光重合開始剤は、加熱露光に配慮して、不揮発性であるのが好ましい。例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製のイルガキュア(IRUGACURE(R))907、イルガキュア369、イルガキュア819、イルガキュア127、DAROCUR(R) TPO、イルガキュアOXE01などを選ぶことができる。特にイルガキュア819は着色が防げ、揮発性が低いことから、露光量も少なくて済む。
Figure 0005150182
上記のように、内蔵位相差板38の材料、照射する光の波長、光重合開始剤を適宜選択することにより、内蔵位相差板38及び残留層38nの透過率をそれぞれ、可視光(Visible Light,例えば、400nm乃至800nmの範囲にある波長の光)に対して90%以上の範囲にすることができ、これらの着色を抑制することができる。即ち、内蔵位相差板38及び残留層38nが、これに入射する可視光領域(例えば、400nm乃至800nmの波長帯域)の光を、90%以上を透過させれば、液晶表示装置の表示輝度が十分な高さに保たれる。
図1は、液晶表示装置の1画素の上面図である。 図2は、図1のA−A方向断面図である。 図3は、製造プロセスの一部を示す図である。 図4は、平坦化層および内蔵位相差板の形成工程を説明するための図である。 図5は、光源の波長と重合開始剤の吸収波長と着色が生じる波長の関係を示す図である。 図6は、別の液晶表示装置における1画素の断面図と上面図である。
符号の説明
10・・・液晶層
21・・・走査配線
22・・・信号配線
23・・・共通配線
25・・・アモルファスシリコン層
26・・・スルーホール
27・・・スルーホール
28・・・画素電極
29・・・共通電極
30・・・スリット
31・・・カラーフィルタ基板
31・・・第一の基板
32・・・第二の基板
33・・・第一の配向膜
34・・・第二の配向膜
36・・・カラーフィルタ
37・・・平坦化層
37p・・・平坦化層材料
38・・・内蔵位相差板、38n・・・残留層
39・・・レジスト層
41,42・・・偏光板
43・・・粘着層
51,52,53・・・絶縁層
61・・・透過光
62・・・反射光

Claims (5)

  1. 第1基板の位相差板が内蔵された主面と第2基板との間に液晶層を封止し、反射表示部と透過表示部とを備えた半透過型の液晶表示装置の製造方法であって、
    前記第1基板の主面に前記位相差板の下地層となる光硬化性樹脂組成物を塗布する下地層塗布ステップと、
    マスク露光によ前記塗布された光硬化性樹脂組成物の部分的な硬化処理を行い該硬化処理後に、当光硬化性樹脂組成物の未硬化部分を取り除く現像処理を行い、前硬化された光硬化性樹脂組成物に、前記未硬化部分の除去による凹凸を有する領域と当該凹凸を有しない平坦な領域とを形成する下地層硬化ステップと、
    前記硬化された光硬化性樹脂組成物上の前記凹凸を有する領域及び前記平坦な領域に前記位相差板の材料を塗布して加熱硬化し、前記凹凸を形成した領域では、前記凹凸の配向規制力により配向した位相差板を形成し、前記平坦な領域では配向しない残留層を形成する位相差板形成ステップと
    前記位相差板及び前記残留層上に、前記液晶層を配向させる配向膜を形成する配向膜形成ステップと、
    をこの順に行うことを特徴とする半透過型の液晶表示装置の製造方法。
  2. 前記下地層硬化ステップでは、前記凹凸を形成する領域には、露光部分と非露光部分とが線状に交互に並ぶように前記マスク露光を行い、前記凹凸として、並んだ複数の溝が形成されることを特徴とする請求項1記載の半透過型の液晶表示装置の製造方法。
  3. 前記位相差板形成ステップ、前記位相差板の材料の融点より高く、かつ前記位相差板の材料のネマチック・等方相転移温度より低い温度で加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半透過型の液晶表示装置の製造方法。
  4. 前記第1基板は、カラーフィルタを有するとともに、当該カラーフィルタ上に前記下地層が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半透過型の液晶表示装置の製造方法。
  5. 前記凹凸を有する領域は、前記反射表示部に形成され、前記平坦な領域は、前記透過表示部に形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半透過型の液晶表示装置の製造方法。
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