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JP5153082B2 - 半導体素子 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体層が導電性基板に接着された半導体素子に関する。
現在、高価なGaN基板ではなく、安価なサファイア基板に窒化物系半導体層等を含む第1導電型半導体層、活性層、第2導電型半導体層を順次成長させることによって製造される半導体素子が知られている。このようにサファイア基板上に半導体層を成長させた場合、サファイア基板が絶縁性のため、サファイア基板の裏面に第1導電型半導体層と電気的に接続される電極を形成することができない。従って、第1導電型半導体層の一部が露出するように第2導電型半導体層及び活性層をエッチング等によって部分的に除去した後、露出した第1導電型半導体層上に電極を作製している。このように電極を形成した場合、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層に形成される電極が同じ向きの面上に形成されるので、光出力を向上させるためには、電極が形成された面を下面として、電極が形成されていない面から光を照射するように構成されるフリップチップ方式が採用されている。
しかしながら、このようなフリップチップ方式では、この半導体発光素子を発光装置として組み立てる際に、同じ向きの面に両電極が形成されているため、正確に半導体発光素子を配置しなければ両電極が短絡する等の問題が生じるので、組立歩留まりの低下といった問題があった。また、サファイア基板は熱伝導性が低いため、半導体発光素子に大電流を流した際に発熱する熱を充分に逃がすことができず、半導体発光素子が劣化しやすいといった問題があった。
そこで、サファイア基板等の絶縁性の安価な基板に成長させた半導体層を導電性基板に貼りかえることによって作製される半導体素子及びその製造方法が知られている。
例えば、特許文献1に記載の半導体素子の製造方法では、サファイア基板に窒化物系半導体層を含む半導体層を成長させた後、半導体層の一方の全面に渡ってオーミック電極を形成する。次に、導電性接着層を介して、熱伝導性の高いp型GaAs等からなる導電性基板をオーミック電極上に接着した後、サファイア基板を分離する。そして、導電性基板の露出している面と、サファイア基板が分離されて露出した半導体層の面にそれぞれp側電極及びn側電極を形成することによって、p側電極とn側電極が対向する面に形成された半導体素子を作製している。このように特許文献1の半導体素子では、対向する面に両電極を設けることによって、組み立てる際のアライメントを簡単化することができるので、組立歩留まりを向上させることができた。また、熱伝導性の高い導電性基板上に半導体層を接着することによって、放熱性を高め、電圧印加時の熱等による半導体発光素子の劣化を抑制することができた。
特開平9−8403号公報
しかしながら、上記特許文献1の半導体素子では、駆動時間の増大に伴い動作電圧が次第に大きくなるという課題があった。
本発明は、斯かる課題に鑑み創案されたものであり、動作電圧の増加を抑制することのできる半導体素子を提供することを目的としている。
本発明に係る半導体素子は、窒化物系半導体を含む活性層を備える半導体層と、前記半導体層が導電性接着層を介して接着される導電性基板と、前記半導体層の前記導電性基板と対向する一面上に設けられたオーミック電極と、前記オーミック電極と前記導電性接着層との間に設けられ、前記オーミック電極を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜を貫通し、前記オーミック電極と前記導電性基板とを電気的に接続するための接続用電極と、を備え前記オーミック電極は、前記半導体層の一面の一部を露出して設けられており、前記絶縁膜は、前記オーミック電極から露出する前記半導体層の一面上を覆って設けられていることを特徴とする。
また、前記絶縁膜によって前記オーミック電極とは絶縁された反射膜が、前記オーミック電極と前記導電性接着層との間に設けられており、前記活性層で発光される光は、前記半導体層の前記反射膜と対向する面とは反対側の面から外部に取出されることを特徴とする。
また、前記絶縁膜は、前記活性層で発光される光を反射可能な誘電体多層膜を有しており、前記活性層で発光される光は、前記半導体層の前記絶縁膜と対向する面とは反対側の面から外部に取出されることを特徴とする。
本発明では、オーミック電極が半導体層を一部露出するように設けられているので、従来に比べ半導体層とオーミック電極との接触面積を低減することができる。このため、駆動のための通電により生じる、オーミック電極材料のマイグレーションの影響を抑制することができる。また、半導体層を導電性接着層によって導電性基板に接着する際の熱によって生じる、半導体層とオーミック電極との間の接触界面の特性劣化を抑制することができる。これらの結果、本発明によれば駆動時間の増大に伴う動作電圧の増大を抑制することができる。
また、オーミック電極を熱伝導性の低い絶縁膜により覆うことによって、導電性接着層を介して導電性基板に半導体層を接着する際に、導電性接着層からオーミック電極へと伝導される熱を抑制することができる。これによって、より熱による半導体層とオーミック電極との界面での劣化を抑制することができる。
また、反射膜をオーミック電極とは電気的に絶縁することによって、電流が反射膜に流れることを抑制することができる。従って、通電に伴う反射膜材料のマイグレーションの影響を低減できるので、反射膜の面積を半導体層の面積と同程度の広い面積に設けることができる。このため、動作電圧の増大を抑制しながら外部に取出される光の量を増大することができる。また、絶縁膜を、活性層で発光される光を反射可能な誘電体多層膜構造とすることによっても、反射膜材料のマイグレーションの影響を低減できるので、同様の効果を奏する。
(第1参考形態)
以下、本発明による第1参考形態の半導体素子(発光ダイオード)について、図面を参照して説明する。図1は、第1参考形態による半導体素子の断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った平面図である。
図1に示すように、半導体素子1は、導電性基板(請求項の基板に相当)2上に、導電性接着層3を介して、p側接続用電極4、絶縁膜5、p側オーミック電極6、p型コンタクト層7、p型クラッド層8、p型キャップ層9、活性層10、n型クラッド層11、n型コンタクト層12、n側電極13が順に積層されている。
p型コンタクト層7〜n型コンタクト層12の積層構造から本参考形態の半導体層が構成される。尚、半導体層の構成はかかる構造に限定されるものではなく、p型層と、窒化物系半導体を有する活性層と、n型層とを有するものであれば良い。例えばp型コンタクト層とp型クラッド層は、コンタクト層及びクラッド層の両方の機能を備えた単層構造であっても良いし、或いは3層以上の層構造としても良い。また、n型コンタクト層とn型クラッド層は、コンタクト層及びクラッド層の両方の機能を備えた単層構造であっても良いし、或いは3層以上の層構造としても良い。また、p型キャップ層を備えないものであっても良い。
また、導電性基板2の裏面には必要に応じて通電用の電極を設けてもよい。
導電性基板2は、導電性を有するGe基板からなる。尚、導電性基板2は、Ge基板に限定されるものではなく、GaP、Si、GaAs、InP、SiC、ZrB、Cu−W、Fe−Ni等からなる導電性の基板を適用することができる。
導電性接着層3は、Au−Snからなり、各層4〜12を導電性基板2に接着するためのものであると共に、p側接続用電極4と導電性基板2とを電気的に接続するためのものである。尚、導電性接着層3には、Au−Ge、Sn、In及びPb−Sn等の材料を適用することができる。
p側接続用電極4は、後述するp側オーミック電極6の接続部6cと電気的に接続されるように形成されている。p側接続用電極4は、例えば、導電性基板2側から、約2000nmの厚みのAu層、約150nmの厚みのPd層及び約30nmの厚みのTi層が順に積層されて構成されているが、この構造に限るものではない。
絶縁膜5は、p側オーミック電極6を覆うように形成されると共に、p側オーミック電極6の接続部6cに対応する位置にはp側接続用電極4が埋設される電極用開口部5aが形成されている。絶縁膜5は、約380nmのSiO膜からなる。尚、絶縁膜5を構成する材料としては、TiO、Ta、Al、ZrO、Nb、HfO等の酸化物やSiN等の窒化物も適用することができる。
p側オーミック電極6には、導電性基板2側から、約10nmの厚みのTi層、約100nmの厚みのAu層及び約20nmのPd層が順に積層されている。尚、p側オーミック電極6を構成する金属材料は特に限定されるものではないが、光吸収の少ない金属を適用することが望ましい。また、p型コンタクト層7と接する部分には、p型コンタクト層7との間のオーミック特性が良好な金属を適用することが好ましい。
ここで、図2に示すように、p側オーミック電極6は、複数のストライプ部6aと、各ストライプ部6aを連結する連結部6bと、p側接続用電極4が接続される接続部6cとを有する。ストライプ部6aは、約2μmの幅を有し、約6μmの間隔で周期的に配列され、各ストライプ部6aの間には開口部6dが形成され、p型コンタクト層7が露出している。接続部6cは、1辺の長さが約100μmの矩形状に形成されている。また、絶縁膜5は、p側オーミック電極6から露出するp型コンタクト層7上にも形成されている。
p型コンタクト層7は、Mg等のp型の不純物がドープされたp型GaN層からなる。p型クラッド層8及びp型キャップ層9は、Mg等のp型の不純物がドープされたp型AlGaN層からなる。
活性層10は、InGaN層からなる井戸層及び障壁層を含むMQW構造(多重量子井戸構造)を有する。
n型クラッド層11は、Si等のn型の不純物がドープされたn型AlGaN層からなる。n型コンタクト層12は、Si等のn型の不純物がドープされたn型GaN層からなる。
n側電極13は、複数又は単数の金属層、又は、透明導電酸化物層によって構成されている。n側電極13は、外部へ照射される光の進行を妨げないように配置することが望ましい。n側電極13を金属層によって構成する場合には、光を透過できる程度に薄くしても良い。また、n側電極13上には、金線を接続するためのパッド電極(図示略)を形成することが望ましい。
この半導体素子1では、n側電極13及び導電性基板2に電圧が印加されると、n型半導体層11、12を介して電子が活性層10に注入されると共に、開口部6dが形成されたp側オーミック電極6及びp型半導体層7〜9等を介してホールが活性層10に注入される。そして、活性層10に注入された電子及びホールが結合することによって光が発光され、n型コンタクト層12側から光が放射される。
次に、上述した半導体素子の製造方法について、図面を参照して説明する。図3〜図10は、半導体素子の各製造工程における断面図である。
まず、図3に示すように、サファイア基板からなる成長基板21のC(0001)面上にAlGaN若しくはGaNからなるバッファ層22を成長させた後、そのバッファ層22上にアンドープのGaN層23を形成する。尚、サファイア基板の代わりに窒化物系半導体を成長可能な基板を成長基板21として適用することができる。例えば、SiC、Si、GaAs、MgO、ZnO、スピネル及びGaN等からなる基板を成長基板21として適用することができる。次に、GaN層23上にn型コンタクト層12、n型クラッド層11、活性層10、p型キャップ層9、p型クラッド層8、p型コンタクト層7を順次成長させる。その後、熱処理や電子線処理等によって、アクセプタを活性化してp型半導体層7〜9のp型化を行う。
次に、図4に示すように、p型コンタクト層7上に電子ビーム蒸着法及びリソグラフィ技術を用いて、Pd層、Au層及びTi層を順次積層した後、パターニングすることによって、ストライプ部6a、連結部6b、接続部6c及び開口部6dを有するp側オーミック電極6を形成する。
次に、図5に示すように、電子ビーム蒸着法又はスパッタ法によってSiO膜からなる絶縁膜5を成膜した後、リソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、p側接続用電極4に対応する部分を除去して電極用開口部5aを形成する。
次に、図6に示すように、電子ビーム蒸着法又は抵抗加熱蒸着法、及び、リソグラフィ技術を用いて、Ti層、Pd層、Au層が順次積層されたp側接続用電極4を、p側オーミック電極6の接続部6cと電気的に接続されるように形成する。
次に、図7に示すように、加熱された導電性接着層3を介して、Geからなる導電性基板2をp側接続用電極4及び絶縁膜5上に接着する。
次に、図8に示すように、レーザリフトオフ法を用いて、成長基板21を剥離する。尚、研磨法、ドライエッチング及びウェットエッチング等の技術を用いて成長基板21を剥離してもよい。また、サファイア基板からなる成長基板21の代わりにSi及びGaAsからなる成長基板を用いた場合には、ウェットエッチングによって当該成長基板を剥離することが望ましい。
次に、図9に示すように、バッファ層22及びGaN層23を除去してn型コンタクト層12を露出させた後、n型コンタクト層12の所定の領域にn側電極13を形成する。尚、光の取り出し効率を向上させるために、n側電極13が形成されるn型コンタクト層12の領域の面上に凹凸を形成する等の微細加工を行った後、n側電極13を形成してもよい。この微細加工は、n型コンタクト層12上に形成されたSiOやSiN等に行ってもよい。
最後に、図10に示すように、ダイシングブレード等によって素子分離を行い、半導体素子1が完成する。尚、活性層10等の半導体層7〜12のダメージを抑制するために、導電性基板2の分離される領域を部分的に選択エッチングした後、ダイシングブレードで素子分離を行ってもよい。
ここで本発明の発明者が行った動作電圧に関する実験について説明する。この実験では、比較用の半導体素子として、上述のp側オーミック電極が絶縁膜とp型コンタクト層との間に全面に渡って形成された以外は同じ構成からなるものを用いた。そして、本発明による半導体素子1及び比較用の半導体素子に電流を流した際の動作電圧を測定した。図11に、実験によって得られた本発明の半導体素子1及び比較用の半導体素子の電流−電圧特性を示す。尚、図11において、実線が本発明の半導体素子1の実験結果を示し、点線が比較用の半導体素子の実験結果を示す。
図11に示すように、同じ電流で比較すると、本発明による半導体素子1の動作電圧が、比較用の半導体素子の動作電圧よりも低いことがわかる。例えば、約20mAの電流を流した状態では、本発明による半導体素子1の動作電圧が約3.65Vだったのに対し、比較用の半導体素子の動作電圧は、本発明による半導体素子1の動作電圧よりも約0.18V大きい約3.83Vとなった。この結果、本発明の半導体素子1は、p側オーミック電極6に開口部6dを形成することによって、比較用の半導体素子よりも動作電圧を低減できることがわかる。
上述したように、本発明に係る半導体素子1は、p側オーミック電極6を開口部6dには形成せず、この部分でp型コンタクト層7を露出させることによって、p側オーミック電極6とp型コンタクト層7との接触面積を減少させている。これにより通電時に生じるp側オーミック電極材料のマイグレーションの影響を低減できる。また、導電性接着層3を介して導電性基板2を接着する工程における熱や、成長基板21を剥離する際に照射されるレーザ光が成長基板21及び半導体層7〜12を透過してp側オーミック電極6に達することにより発生する熱により生じる、p側オーミック電極6とp型コンタクト層7との接触界面の界面特性劣化の影響を低減できる。これらの結果、本参考形態によれば半導体素子1の動作電圧の増加を抑制できたとものと考えられる。
また、p側オーミック電極6を熱伝導性が低い絶縁膜5によって覆うことにより、導電性基板2を接着する際に、導電性接着層3からp側オーミック電極6に伝導される熱を抑制することができるので、p側オーミック電極6とp型コンタクト層7との間の接触界面の劣化をより抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、p側オーミック電極と導電性接着層との間に反射膜を設けた第2実施形態による半導体素子(LED素子)について、図面を参照して説明する。図12は、第2実施形態による半導体素子の断面構造を示す図である。尚、第1参考形態と同様の構成については同じ符号を付けて説明を省略する。
図12に示すように、第2実施形態による半導体素子1Aは、第1参考形態と比べて更に、反射膜31と、絶縁膜32とを備えている。
反射膜31は、絶縁膜5と絶縁膜32との間であって、p側接続用電極4及び絶縁膜32が形成された領域以外の絶縁膜5の全面を覆うように形成されている。反射膜31は、約200nmの厚みのAg膜からなる。尚、反射膜31の材料としては、他の反射率の高い材料を適用することができ、例えば、Al及びRh、若しくは、Ag、Al及びRhを含む合金を適用することができる。絶縁膜32は、反射膜31をp側接続用電極4、導電性接着層3及びp側オーミック電極6から絶縁するためのものである。絶縁膜32は、例えば、約400nmの厚みのSiO膜からなり、p側接続用電極4に対応する位置に電極用開口部32aが形成されている。
次に、上述した第2実施形態による半導体素子の製造方法について、図面を参照して説明する。図13及び図14は、半導体素子の各製造工程における断面図である。
まず、図13に示すように、第1参考形態と同様の工程によって、成長基板21上にバッファ層22〜絶縁膜5までを順次形成する。その後、絶縁膜5上に電子ビーム蒸着法及びリソグラフィ技術を用いて、反射膜31を形成する。
次に、図14に示すように、電子ビーム蒸着法若しくはスパッタ法によってSiO膜を形成した後、リソグラフィ技術を用いて電極用開口部32aをパターニングして、絶縁膜32を形成する。
その後、第1参考形態と同様の工程によって、p側接続用電極4を形成し、導電性基板2を接着した後、素子分離を行うことによって半導体素子1Aが完成する。
次に、第2実施形態による半導体素子1Aの動作電圧特性及び光出力特性について測定した実験結果について説明する。尚、本実験では、第2実施形態の半導体素子1Aと、第1参考形態の半導体素子1及び上述した第1参考形態における比較用の半導体素子とを比較した。
まず、動作電圧特性の実験結果について説明すると、約20mAの電流を流した際の第2実施形態による半導体素子1Aの動作電圧は、約3.63Vであった。これは、上述した20mAでの第1参考形態の動作電圧(約3.65V)と略同じであり、比較用の半導体素子の動作電圧(約3.83V)よりも低いことがわかる。これによって、第2実施形態による半導体素子1Aにおいても、第1参考形態の半導体素子1と同様に、半導体素子1の動作電圧の増加を抑制できることがわかる。
次に、光出力特性の実験結果について説明すると、約20mAの電流を流した場合では、第2実施形態による半導体素子1Aの光出力が約3.5mWとなったのに対し、第1参考形態の半導体素子1の光出力は約2.5mW、比較用の半導体素子の光出力は約2.8mWとなった。この結果、絶縁膜5及び32によって絶縁された反射膜31を形成することによって、第2実施形態による半導体素子1Aは光出力を増加させることができることがわかる。
これは、第1参考形態による半導体素子1では、p側オーミック電極6によって光が反射されるが、p側オーミック電極6は開口部6dが形成され反射される光が少ないために光出力が低下したものと考えられる。また、比較用の半導体素子ではp側コンタクト層の全面に渡って形成されたp側オーミック電極によって光が反射されるが、p側オーミック電極には電流が流れるので、p側オーミック電極は通電により生じるマイグレーションの影響を受けて劣化する。また、比較用の半導体素子のp側オーミック電極はp型コンタクト層の全面に渡って形成されているため、導電性基板を接着する際に多くの熱が伝導されるので、p側オーミック電極が劣化する。このためp側オーミック電極による反射率が低下して、光出力が低下したためと考えられる。
一方、第2実施形態による半導体素子1Aでは、反射率は高いが通電により生じるマイグレーションの影響を受けやすいAgによって反射膜31を形成しているが、絶縁膜5及び32によって反射膜31を絶縁することによって、通電により生じるマイグレーションによる劣化を防ぐことができる。また、反射膜31と導電性接着層3との間に熱伝導性の低い絶縁膜32を形成することによって、加熱された導電性接着層3を接着する際に反射膜31に伝導される熱を抑制することができるので、反射膜31の劣化を抑制することができる。これらにより、反射膜31の反射率を維持することができるので、光出力が向上したものと考えられる。
上述したように第2実施形態による半導体素子1Aは、p型コンタクト層7上に部分的に形成されたp側オーミック電極6を備えているので、第1参考形態による半導体素子1と同様の効果を奏することができると共に、絶縁膜5及び32によって絶縁された反射膜31を設けることによって、通電により生じるマイグレーション及び熱による反射膜31の劣化を防ぐことができるので、反射率を維持することができ、光出力を向上させることができる。
また、反射膜31をp側オーミック電極6とは別に設けることによって、p側オーミック電極6を反射率が高いが通電により生じるマイグレーションの影響を受け易いAg等によって構成する必要がないので、p側オーミック電極6を通電により生じるマイグレーションの影響を受けにくい金属材料によって構成することができる。これによって、p側オーミック電極6の劣化をより抑制することができると共に、p側オーミック電極を通電により生じるマイグレーションの影響を受け易いAg等の金属によって構成した場合に半導体層中に樹枝形状のAg等が形成されることを防ぐことができるので、p型半導体層とn型半導体層の短絡を抑制することができる。
以上、上記実施形態及び参考形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲内で変更して実施することができる。即ち、本明細書の記載は、一例であり、本発明を何ら限定的な意味に解釈させるものではない。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
(第1変更形態)
例えば、上述の第1参考形態において、絶縁膜5を反射可能な膜として機能するように構成してもよい。尚、このように構成する場合、活性層10によって発光された光のうち90%以上の光を絶縁膜5によって反射できるように構成することが望ましい。例えば、活性層10から発光される光の波長が405nmの場合には、p型コンタクト層7側から、69.8nmのSiO膜、及び、42.9nmのTiO膜を5ペア積層させた誘電体多層膜を反射可能な絶縁膜5として適用することができる。尚、誘電体多層膜をAl、ZrO等の他の誘電体層によって構成してもよいし、積層するペアの数を変更してもよい。
第1参考形態ではp側オーミック電極6の開口部6dに入射された光は反射されないために光出力が低下したが、このように絶縁膜5を反射可能な誘電体多層膜によって構成することにより、p側オーミック電極6の開口部6dに入射した光をも誘電体多層膜からなる絶縁膜5によって反射することができるので、光出力を向上させることができる。また、絶縁膜5は通電により生じるマイグレーションの影響を受けることもないので、絶縁膜5の反射率の低下を防ぐことができる。更に、絶縁膜5に反射機能を持たすことによって、別途、反射膜を設ける場合に比べて構成を簡単化及び小型化することができる。
(第2変更形態)
また、上述の第2実施形態において、p側オーミック電極6を活性層によって発光された光の多くを透過可能に構成してもよい。例えば、p側オーミック電極6を、p型コンタクト層7側から、約2nmの厚みのPd層、約4nmの厚みのAu層、約1nmの厚みのTi層によって構成することによって約50%の光を透過することが可能となる。尚、p側オーミック電極6を、オーミックコンタクトを形成することができ、且つ、光を透過可能な材料、例えば、Pd、Pt、Au、Ni、Rh、Ti、Al、Siからなるグループから選択された少なくとも1種の材料によって構成してもよい。
このように構成することによって、p側オーミック電極6によって吸収される光を低減させて、多くの光を透過させることができる。この結果、より多くの光を反射膜31に到達させて反射させることができるので、光出力を更に向上させることができる。
(その他の変更形態)
また、上述の第1参考形態では、発光ダイオードに本発明を適用した例を示したが、本発明は発光ダイオード以外の半導体発光素子や半導体受光素子等の半導体素子に適用してもよい。
第1参考形態による半導体素子の断面図である。 図1のII−II線に沿った平面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 本発明及び比較用の試料の動作電圧を示す図である。 第2実施形態による半導体素子の断面構造を示す図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。 半導体素子の各製造工程における断面図である。
1、1A 半導体素子
2 導電性基板
3 導電性接着層
4 p側接続用電極
5 絶縁膜
6 p側オーミック電極
6a ストライプ部
6b 連結部6c 接続部
6d 開口部
7 p型コンタクト層
8 p型クラッド層
9 p型キャップ層
10 活性層
11 n型クラッド層
12 n型コンタクト層
31 反射膜
32 絶縁膜

Claims (2)

  1. 窒化物系半導体を含む活性層を備える半導体層と、
    前記半導体層が導電性接着層を介して接着される導電性基板と、
    前記半導体層の前記導電性基板と対向する一面上に設けられたオーミック電極と、
    前記オーミック電極と前記導電性接着層との間に設けられ、前記オーミック電極を覆う第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜を貫通し、前記オーミック電極と前記導電性基板とを電気的に接続するための接続用電極と、を備え、
    前記オーミック電極は、前記接続用電極が接続されない複数のストライプ部及び前記複数のストライプ部を連結する連結部と、前記接続用電極が接続される接続部とを有し、前記複数のストライプ部の間には開口部が形成され、前記開口部から前記半導体層の一面の一部露出しており、
    前記第1絶縁膜は、前記オーミック電極から露出する前記半導体層の一面上を覆って設けられ、
    前記第1絶縁膜によって前記オーミック電極とは絶縁された反射膜が、前記オーミック電極と前記導電性接着層との間に設けられており、
    前記反射膜と前記導電性接着層との間に、前記反射膜を前記導電性接着層及び前記接続用電極から絶縁する第2絶縁膜が形成され、
    前記反射膜は、前記接続用電極及び前記第2絶縁膜が形成された領域以外の前記第1絶縁膜の全面を覆うように形成されており、
    前記活性層で発光される光は、前記半導体層の前記反射膜と対向する面とは反対側の面から外部に取出されることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記反射膜は、Ag膜からなることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
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