本明細書では、同一人物から取得された第一の動画像データおよび第二の動画像データから、異なる複数の障害状態を表す一の機能画像データを作成する。ここで、第一、二の動画像データは、同一生体における異なる状態の変化を各々捉えた動画像データであり、以下の説明では、第一の動画像データは、肺野領域内における換気の変化(第一の状態変化と把握できる)を捉えた動画像データとする。また、第二の動画像データは、肺野領域内における血液の流れの変化(第二の状態変化と把握できる)を捉えた動画像データであるとする。以下、第一の動画像データを換気動画像データと称し、第二の動画像データを血流動画像データと称する。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る画像表示装置の構成を機能ブロック的に図示した図である。
図1に示す画像表示装置100は、動画像データ取得部10、機能画像データ作成部20、障害判別部30および表示部40を、備えている。ここで、動画像データ取得部10には、換気障害有無提示データ作成部10Aと血流障害有無提示データ作成部10Bとが含まれている。
動画像データ取得部10は、図1に示すように、換気動画像データD1および血流動画像データD2を外部から取得する。そして、動画像データ取得部10内における換気障害有無提示データ作成部10Aは、取得した換気動画像データD1の情報から換気障害有無提示データ(第一の動画像データと把握できる)を作成する。これに対して、動画像データ取得部10内における血流障害有無提示データ作成部10Bは、取得した血流動画像データD2の情報から血流障害有無提示データ(第二の動画像データと把握できる)を作成する。
機能画像データ作成部20では、上記換気障害有無提示データおよび上記血流障害有無提示データの情報を用いて、異なる複数の障害状態を表す一の機能画像データを作成する。
障害判別部30では、上記機能画像データの情報を解析することにより、障害の種別を判断する。
表示部40では、異なる複数の障害状態を表す機能画像を表示する。ここで、表示部40は、前記障害の位置だけで無く、障害の種別情報をも付加した機能画像を表示することができる。
次に、各ブロック10乃至40の動作をより詳細に説明する。
{動画像データ取得部10の動作}
Rie TANAKA,Shigeru SANADA, et al,:Pulmonary perfusion imaging with a dynamic flat−panel detector(FPD),Invent Radiol.2007(文献1)、若しくは、「第35回日本磁気共鳴医学会大会 肺機能ワークショップ 田中理恵“動画対応フラットパネルX線ディテクタ装置による評価”」(文献2)に記されている手法にて、同一人物の肺野における、胸部動態X線換気動画像(換気動画像)および胸部動態X線血流動画像(血流動画像)を撮像し、動画像データ(換気動画像データおよび血流動画像データ)として獲得する。
{換気障害有無提示データ作成部10Aの動作}
上記換気動画像データおよび上記血流動画像データが、動画像データ取得部10に入力されると、換気障害有無提示データ作成部10Aは、以下の手順により換気障害有無提示データを作成する。
換気障害有無提示データ作成部10Aでは、まず、取得した一連の換気動画像データの各々に対して、肺野形状(肺野部の輪郭)を合わせる処理を行う。図2は、当該肺野形状を合わせる処理を説明するための図である。図2において横軸は時間であり、図2の上段には、一連の連続する換気動画像データD1が図示されている。
たとえば、外部操作により、一連の換気動画像データD1の中から、1枚のデータを基準画像Baとして選択する。当該選択は、肺野部の大きさがより大きなものを選択することがより望ましい。次に、当該選択された基準画像Ba以外の画像Laにおける肺野形状を、各々、基準画像Baにおける肺野形状に合わせる。当該肺野形状を合わせる処理後の一連の換気動画像データD’1を、図2の下段に図示する。
ここで、肺野部の輪郭抽出の方法として、たとえば、Rie TANAKA,Shigeru SANADA,et al.:Computerizxed method for determining respiratory phase on dynamic chest radiographs obtained by a dynamic flat−panel detector(FPD) system.Jornal of Digital Imaging,19(1),41−51,2006.または、Rie TANAKA,Shigeru SANADA,et al.:Breathing Chest Radiography using a Dynamic Flat−Panel Detector(FPD) with Computer Analysis for a Screening Examination.Medical Physics,31(8),2254−2262,2004.を採用することができる。若しくは、肺野部の輪郭抽出の方法として、特開昭63−240832号公報、または、平2−250180公報に開示される技術を採用しても良い。
また、上記肺野形状を合わせる方法として、モーフィング処理を用いることができる。モーフィング処理とは次のような処理である。図3は、モーフィング処理を説明するための図である。具体的に、図3は、点Xと点X’の対応関係の求め方を説明するための図である。
図3(a)では、点P'から点Q'へのベクトル(P'Q'ベクトル)、線分P'Q'から点X'への垂線と合致する点C'から点X'へのベクトル(C'X'ベクトル)、および点P'から点C'へのベクトル(P'C'ベクトル)が示されている。一方、図3(b)では、点Pから点Qへのベクトル(PQベクトル)、線分PQから点Xへの垂線と合致する点Cから点Xへのベクトル(CXベクトル)、および点Pから点Cへのベクトル(PCベクトル)が示されている。
ここで、2次元平面上で、P'Q'ベクトルがPQベクトルに変換される場合に、P'Q'ベクトルとC'X'ベクトルとP'C'ベクトルとの比と、PQベクトルとCXベクトルとPCベクトルとの比が一定になるように、点X'が点Xに変換されるものとする。
このとき、点Xと点X'との間に下式(1)〜(3)の関係が成立する。
なお、uは、線分PCの長さを線分PQの長さで割った(正規化した)スカラーを示している。νは、直線PQから点Xまでの距離を示している。X'は、点X'の座標を示している。(X−P)は、点Xの座標の値から点Pの座標の値を引いた座標の変化値、すなわち点Pから点Xへのベクトル(PXベクトル)を示している。(Q−P)は、点Qの座標の値から点Pの座標の値を引いた座標の変化値、すなわちPQベクトルを示している。Per(Q−P)は、PQベクトルに対して垂直で且つ大きさが等しくCXベクトルと同じ方向を向いたベクトルを示している。Per(Q'−P')は、P'Q'ベクトルに対して垂直で且つ大きさが等しくC'X'ベクトルと同じ方向を向いたベクトルを示している。また、P'は、点P'の座標を示している。
上式(1)の右辺の分子は、PXベクトルとPQベクトルとの内積を示している。上式(1)の右辺の分母は、PQベクトルの大きさの2乗(線分PQの長さの2乗)を示している。上式(2)の右辺の分子は、PXベクトルとPer(Q−P)との内積を示している。上式(2)の右辺の分母は、PQベクトルの大きさ(線分PQの長さ)を示している。また、上式(3)の右辺第3項の分母は、P'Q'ベクトルの大きさ(線分PQの長さ)を示している。
ここで、換気動画像データD1の各画像データにおいて、肺野領域について、多数の特徴点のうちの任意の2点が点P,Qとされ、肺野形状を合わせる処理後の換気動画像データD’1の各画像データにおいて、この2点P,Qに対応する2点が点P',Q'と設定される。そして、換気動画像データD1の各画像データにおける各肺野領域内の任意の1点Xに対して、点Xと点X’との関係が多数求められる。
ただし、各点P,Q(および点P',Q')の設定に対して求められる点Xと点X'との関係は、完全には一致しない。そこで、加重平均を用いる。当該加重平均により、各点Xについて、下式(4)〜(6)で示すような点X'と点Xとの関係が求められる。なお、加重平均としては、たとえば、PQベクトルの大きさや、点P,Qの検出精度や、PQベクトルと点Xとの位置関係等を考慮した重み付けを用いるようにすれば良い。
ここでは、点P,Qをn通り設定されるものとし、上式(4)〜(6)では、n通りの点P,Qの組合せのうち、i番目の点P,Qがそれぞれ点Pi,Qiと示されている。また、Xi’は、点PiからQiへのベクトル(PiQiベクトル)に対して、上式(3)により求められる座標である。さらに、a,b,pは定数であり、a,b,pの値が適宜変更されることで、換気動画像データD1における肺野領域の変形の仕方が調整される。また、上式(4)については、X’は点X’の座標を示し、Xは点Xの座標を示している。ωiは上式(5),(6)で規定される重みを示している。さらに、(Xi’−X)は、点Xから点Xi'へのベクトル(XXi’ベクトル)を示している。
上式(5)で示すように、重みωiは、点Piから点Qiへのベクトル(PiQiベクトル)のb乗を(a+DISTi)で割って、p乗することで求められる。なお、上式(6)で示す条件、u<0は、点Xが線分PQのP側の延長線に対する垂線の上に位置する条件である。0≦u≦1は、点Xが線分PQの垂線の上に位置する条件である。さらに、u<1は、点Xが線分PQのQ側の延長線に対する垂線の上に位置する条件である。
上式(4)で示すように、点Xの座標に対して、右辺第2項のXXi’ベクトルの加重平均が加算されることで、点Xに対応する点X'の座標が求まる。
そして、上式(1)〜(6)で求まる点Xと点X'との関係が、換気動画像データD1の各画像データにおける肺野領域内の全画素について求められると、換気動画像データD1における肺野領域が、換気動画像データD’1における肺野領域に合致するように補正される。このような、2つの画像間のずれの補正は、画像領域の非線形の拡大および縮小を行う画像処理であり、たとえば、非線形のスケーリングを行う処理と称することができる。
なお、上記モーフィング処理は、肺野領域内の画像データに対してのみ行うことが望ましい。これは、肺野領域以外の画像データに対してモーフィング処理を行った場合、上記肺野形状を合わせる処理に長時間要する結果となるからである。
また、肺野形状を合わせる方法として、上記モーフィング処理以外に、特公昭61−14553号公報や特開昭63−278183号公報等、他の公知の方法を採用することもできる。
さて、肺野形状を合わせる処理を行った後、換気障害有無提示データ作成部10Aでは、次に、当該肺野形状を合わせる処理を行った後の換気動画像データD’1を用いて、換気障害有無提示データを作成する。当該換気障害有無提示データは、一連の換気動画像データD1(またはD’1)から得られる。当該換気障害有無提示データを用いて画像表示させると、生体に関する換気障害(第一の障害と把握できる)が存在する第一の障害領域を表示させることができる。
換気障害有無提示データの作成方法を、図4を用いて具体的に説明する。図4の上段は、当該肺野形状を合わせる処理を行った後の換気動画像データD’1を図示している。図4の横方向は、時間軸である。また、図4の下段は、作成される換気障害有無提示データDmである。
まず、換気動画像データD’1の肺野領域内に存在する各ピクセルにおいて、ピクセル差分値を求める。ここで、ピクセル差分値の定義は、文献1,2に提示されている通りである(各画素の階調値)。つまり、時系列的に撮像された各換気動画像データD’1において、隣接する換気動画像データD’1同士において、対応する所定の画素間におけるピクセル値(階調値)差分を計算する。
具体的に、第一の換気動画像データD’1の第一の画素のピクセル値と、第二の換気動画像データD’1の第二の画素のピクセル値との差分を計算する。ここで、第二の換気動画像データD’1は、第一の換気動画像データD’1の撮像直後に撮像された動画像データである。また、第一の画素と第二の画素は、同じ座標位置に存する。当該ピクセル値の差分の計算を、換気動画像データD’1における肺野領域内の全画素に対して実施する。さらに、当該ピクセル値の差分の計算を、時系列的に配置されている全換気動画像データD’1に対して実施する。
図4の例では、換気動画像データd’1の画素m1におけるピクセル差分値は、「85」である。換気動画像データd’1の画素m2におけるピクセル差分値は、「5」である。また、換気動画像データd’2の画素m1におけるピクセル差分値は、「10」である。換気動画像データd’2の画素m2におけるピクセル差分値は、「2」である。さらに、換気動画像データd’nの画素m1におけるピクセル差分値は、「−60」である。換気動画像データd’nの画素m2におけるピクセル差分値は、「−1」である。
次に、同じ座標位置に存する画素における上記ピクセル差分値から、分散(普遍分散)を算出する。当該分散の算出は、換気動画像データD’1における肺野領域内の全画素に対して実施する。そして、各画素毎に求めた当該分散の値と、予め換気障害有無提示データ作成部10Aが有している第一の閾値(本実施の形態では、「100」)との、大小関係の比較(第一の閾値<分散→正常、第一の閾値≧分散→異状)により、各画素毎に換気障害(第一の障害と把握できる)があるか否かを判断する。
定性的には、換気の流れが正常だと、階調が大きく変化し、分散が大きくなる。他方、換気の流れが良くないと、階調があまり変化せず、分散が小さくなる。したがって、上記第一の閾値(本実施の形態では「100」)は、換気障害の正常・異状を区別するための閾値である。
たとえば、全換気動画像データd’1〜d’nの画素m1のピクセル差分値から、当該画素m1における分散を求めた結果、分散が「5136.59」であったとする。他方、全換気動画像データd’1〜d’nの画素m2のピクセル差分値から、当該画素m2にける分散を求めた結果、分散が「5」であったとする。
画素m1における分散の値が、「5136.59」であり、第一の閾値100より大きいので、換気障害有無提示データ作成部10Aは、当該画素m1を正常(換気障害なし)と判断する。画素m2における分散の値が、「5」であり、第一の閾値100以下であるので、換気障害有無提示データ作成部10Aは、当該画素m1を異状(換気障害あり)と判断する。
当該正常・異状の判断を肺野領域内の全画素に対して行った結果、図4で示した換気障害有無提示データ(第一の画像データと把握できる)Dmが作成される。図4で示した当該図は、換気障害有無提示データDmを用いて画像表示させた場合に表示される映像である。当該換気障害有無提示データDmにおいて、砂地領域が正常(換気障害なし)と判断された領域であり、斜線領域が異状(換気障害あり)と判断された領域(第一の障害領域と把握できる)である。
なお、本実施の形態では、上記第一の閾値は「100」と規定されている。しかしながら、当該第一の閾値は、対象となる人物が異なった場合、動画像データの撮像装置の仕様等に応じて変化するため、経験則によってまたは実験的に当該第一の閾値は調整されるべき値である。
{血流障害有無提示データ作成部10Bの動作}
上記までは、換気障害有無提示データ作成部10Aにおける換気障害有無提示データDm作成までの動作であるが、当該動作と同様の動作が血流障害有無提示データ作成部10Bにおいても実施される。
具体的に、上記血流動画像データが動画像データ取得部10に入力されると、血流障害有無提示データ作成部10Bは、以下の手順により血流障害有無提示データを作成する。
血流障害有無提示データ作成部10Bでは、まず、図2,3を用いて説明した方法と同様の方法により、肺野形状(肺野部の輪郭)を合わせる処理を行う。つまり、一連の血流動画像データD2から、一連の換気動画像データD’2を得る(図2参照)。その後、血流障害有無提示データ作成部10Bでは、当該肺野形状を合わせる処理を行った後の血流動画像データD’2を用いて、血流障害有無提示データを作成する。
つまり、血流障害有無提示データは、血流動画像データD2(またはD’2)から得られる。当該血流障害有無提示データは、生体に関する血流障害(第二の障害と把握できる)が存在する第二の障害領域を表示させることができる。
血流障害有無提示データの作成方法を、図5を用いて具体的に説明する。
図5の上段は、当該肺野形状を合わせる処理を行った後の血流動画像データD’2を図示している。図5の横方向は、時間軸である。また、図5の下段は、作成される血流障害有無提示データDnである。
まず、血流動画像データD’2の肺野領域内に存在する各ピクセルにおいて、ピクセル差分値を求める。ここで、ピクセル差分値の定義は、文献1,2に提示されている通りである(各画素の階調値)。つまり、時系列的に撮像された各血流動画像データD’2において、隣接する血流動画像データD’2同士において、対応する所定の画素間におけるピクセル値(階調値)差分を計算する。
具体的に、第一の血流動画像データD’2の第一の画素のピクセル値と、第二の血流動画像データD’2の第二の画素のピクセル値との差分を計算する。ここで、第二の血流動画像データD’2は、第一の血流動画像データD’2の撮像直後に撮像された動画像データである。また、第一の画素と第二の画素は、同じ座標位置に存する。当該ピクセル値の差分の計算を、血流動画像データD’2における肺野領域内の全画素に対して実施する。さらに、当該ピクセル値の差分の計算を、時系列的に配置されている全血流動画像データD’2に対して実施する。
図5の例では、血流動画像データd’11の画素m3におけるピクセル差分値は、「8」である。血流動画像データd’11の画素m4におけるピクセル差分値は、「5」である。また、血流動画像データd’12の画素m3におけるピクセル差分値は、「1」である。血流動画像データd’12の画素m4におけるピクセル差分値は、「2」である。さらに、血流動画像データd’1nの画素m3におけるピクセル差分値は、「−7」である。血流動画像データd’1nの画素m4におけるピクセル差分値は、「−1」である。
次に、同じ座標位置に存する画素における上記ピクセル差分値から、分散(普遍分散)を算出する。当該分散の算出は、血流動画像データD’2における肺野領域内の全画素に対して実施する。そして、各画素毎に求めた当該分散の値と、予め血流障害有無提示データ作成部10Bが有している第二の閾値(本実施の形態では、「10」)との、大小関係の比較(第二の閾値<分散→正常、第二の閾値≧分散→異状)により、各画素毎に血流障害(第二の障害と把握できる)があるか否かを判断する。
定性的には、血液の流れが正常だと、階調が大きく変化し、分散が大きくなる。他方、血液の流が良くないと、階調があまり変化せず、分散が小さくなる。したがって、上記第二の閾値(本実施の形態では「10」)は、換気障害の正常・異状を区別するための閾値である。
たとえば、全血流換気動画像データd’11〜d’1nの画素m3のピクセル差分値から、当該画素m3における分散を求めた結果、分散が「54.84」であったとする。他方、全血流動画像データd’11〜d’1nの画素m4のピクセル差分値から、当該画素m4にける分散を求めた結果、分散が「5」であったとする。
画素m3における分散の値が、「54.84」であり、第二の閾値10より大きいので、血流障害有無提示データ作成部10Bは、当該画素m3を正常(血流障害なし)と判断する。画素m4における分散の値が、「5」であり、第二の閾値10以下であるので、血流障害有無提示データ作成部10Bは、当該画素m4を異状(血流障害あり)と判断する。
当該正常・異状の判断を肺野領域内の全画素に対して行った結果、図5で示した血流障害有無提示データ(第二の画像データと把握できる)Dnが作成される。図5で示した当該図は、血流障害有無提示データDnを用いて画像表示させた場合に表示される映像である。当該血流障害有無提示データDnにおいて、砂地領域が正常(血流障害なし)と判断された領域であり、縦線領域が異状(血流障害あり)と判断された領域(第二の障害領域と把握できる)である。
なお、本実施の形態では、上記第二の閾値は「10」と規定されている。しかしながら、当該第二の閾値は、対象となる人物が異なった場合、動画像データの撮像装置の仕様等に応じて変化するため、経験則によってまたは実験的に当該第二の閾値は調整されるべき値である。
なお、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnの作成に際して、上記では、ピクセル差分値の分散を用いた。しかしながら、各ピクセルにおける差分値の最大値と最小値の差の絶対値(以下、単に絶対値と称する)を用いて、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnを作成しても良い。
たとえば、一連の換気動画像データD’1(または一連の血流動画像データD’2)において、同じ座標に位置する画素Lに着目する。各動画像データ毎に画素Lのピクセル差分値を求めた結果、ピクセル差分値の最大値が「NN」で、ピクセル差分値の最小値が「MM」であったとする。この場合、上記絶対値は、|NN−MM|で求められる。この絶対値と、予め定められた第一の閾値(または第二の閾値)との大小関係を比較することにより、当該画素Lの正常・異状を判断する。
定性的には、換気(血液)の流れが正常だと、階調が大きく変化し、上記絶対値が大きくなる。他方、換気(血液)の流れが良くないと、階調があまり変化せず、上記絶対値が小さくなる。
上記分散値や上記絶対値を用いた方法から分かるように、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnは、一連の換気動画像データD’1(または一連の血流動画像データD’2)における各画素のピクセル差分値の分布状態を用いて作成される。
{機能画像データ作成部20の動作}
次に、機能画像データ作成部20の動作、つまり異なる複数の障害状態を表す一の機能画像データを作成する方法について説明する。
上記で作成された、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnを機能画像データ作成部20が受信すると、当該機能画像データ作成部20は、換気障害有無提示データDmから肺野領域を抽出し、さらに血流障害有無提示データDnから肺野領域を抽出する。
そして、前記で抽出した各肺野領域(生体の所定の部位と把握できる)の形状(輪郭)および座標位置を合わせる画像変換処理を実施する。ここで、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnの両方若しくは何れか一方に対して当該画像変換処理を実施することにより、上記肺野領域の形状・位置合わせが可能となる。また、当該画像変換処理は、肺野領域内の各画素に対して実施される。
当該画像変換処理(つまり、肺野領域の形状・位置を合わせる処理)は、上記同様、モーフィング処理、特公昭61−14553号公報に係る技術や特開昭63−278183号公報に係る技術等採用できる。なお、以下において肺野領域の形状等を合わせる処理について言及する場合には、前記で列記した各処理を採用されるものとする。
その後、機能画像データ作成部20は、図6に示すように、上記肺野領域の形状・位置合わせ処理後の換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDn同士を、重ね合わせる。これにより、異なる複数の障害状態を表す一の機能画像データDmnが作成される。ここで、肺野領域の輪郭が合致するように、両データDm,Dnの重ね合わせが実施される。より具体的には、肺野領域内の各画素に付与される各障害の有無を示す情報を、当該各画素毎に重ね合わせる。
機能画像データDmnを用いた画像表示を行ったときには、図6に示すように、異なる複数の障害状態が現れる。具体的に、当該機能画像データDmnにおいて、砂地領域は、換気障害も血流障害も無いと判断された領域であり、斜線領域は換気障害のみがあると判断された領域であり、縦線領域は血流障害のみがあると判断された領域であり、波線領域(障害重複領域と把握できる)は、換気障害も血流障害もあると判断された領域である。
{障害判別部30の動作}
上記で作成された機能画像データDmnを障害判別部30が受信すると、当該障害判別部30は、肺野領域における上記第一の障害領域と上記第二の障害領域の有無およびこれらの領域の重なり有無に応じて、当該機能画像データDmnにおいて障害の種別の判別を行う。
たとえば、図6に示す機能画像データDmnにおいて、砂地領域は、換気障害も血流障害も無いと判断され、正常として判断される。また、斜線領域は、換気障害のみがあると判断された領域であり、当該斜線領域はシャント状態であると判断される。また、縦線領域は、血流障害のみがあると判断された領域であり、当該縦線領域は肺胞死腔であると判断される。さらに、波線領域は、換気障害も血流障害もあると判断された領域であり、当該波線領域は(シャント状態+肺胞死腔)と判断される。
なお、シャント状態とは、肺胞でガス交換が行われず、血流が心臓→肺動脈→肺静脈→心臓へと流れる状態を示す。肺胞死腔とは、肺胞において血流がなくガス交換できない状態を示す。
換気動画像データD1および血流動画像データD2が動画像データ取得部10に入力された場合には、当該換気動画像データD1から作成される上記換気障害有無提示データDmに情報として含まれる第一の障害はシャント状態であること、および、当該血流動画像データD2から作成される上記血流障害有無提示データDnに情報として含まれる第二の障害は肺胞死腔であることが認識できるように、障害判別部30は、設定・構成されている。
具体的には、図7に例示するようなテーブルが画像表示装置100内に予め設定されている。図7は、機能画像データDmnに含まれる各障害を示す領域と、障害の種別との関係が提示されている。具体的に、図7に示すテーブルでは、正常領域(図6の下段を用いて説明した砂地領域)、第一の障害領域(図6の下段を用いて説明した斜線領域)、第二の障害領域(図6の下段を用いて説明した縦線領域)および障害重複領域(図6の下段を用いて説明した波線領域)毎に、障害の各種別(シャント状態等)が列記されている。
障害判別部30は、当該図7に例示するテーブルを用いることにより、機能画像データDmnにおける各障害を示す領域(第一、二の障害領域および障害重複領域)が、どの種別の障害(シャント状態、肺胞死腔、シャント状態+肺胞死腔)に当たるかを判別している。
{表示部40の動作}
表示部40が、上記機能画像データDmnを受信すると、当該機能画像データDmnを用いて、異なる複数の障害状態を区別して表す機能画像を表示する。具体的に、上記例では、機能画像データDmnには、異なる複数の障害状態として、換気障害と血流障害と(換気障害+血流障害)と正常状態とが含まれている。したがって、表示部40が機能画像を表示する場合には、換気障害であることを示す第一の障害領域と血流障害であることを示す第二の障害領域と(換気障害+血流障害)であることを示す障害重複領域と正常領域とを、明確に区別して視認できるように、当該機能画像を表示させる。
たとえば、上記各領域を色分けして表示しても良く、図6に例示するように、複数の異なる模様を用いて各領域を区別しても良い。また、図7に示す表(各領域が何の障害であるかを判別した結果)を、異なる複数の障害状態を区別して表す機能画像と併せて表示しても良い。これにより、ユーザは、各領域がどのような障害を示しているのかを、一見して理解することができる。
以上のように、本実施の形態に係る画像表示装置100は、換気障害有無提示データ(第一の画像データ)Dmと血流障害有無提示データ(第二の画像データ)Dnとを重ねることにより、異なる複数の障害状態(シャント状態、肺胞死腔状態、シャント状態+肺胞死腔状態)を表す一の機能画像データDmnを作成し、当該機能画像データDmnを用いて、異なる複数の障害状態を区別して表す機能画像を表示している。
したがって、複数の障害(シャント状態、肺胞死腔)が重なることにより生じる別種の障害(シャント状態+肺胞死腔)を見つけることができる画像表示装置100を提供することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置100は、換気障害を示す第一の障害領域と血流障害を示す第二の障害領域と上記障害重複領域とを、少なくとも表す機能画像データDmnを作成する。
したがって、各障害領域を明確に区別された機能画像の表示が可能となる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置100は、ピクセル差分値の分布状態(たとえばピクセル差分値の分散や当該差分値から得られる所定の絶対値量)を用いて、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnを作成している。
したがって、換気障害有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnを、正確に作成することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置100は、生体の肺野領域(所定の部位)の形状・位置を合わせる画像変換処理を換気有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnの少なくとも何れかに施し、当該画像変換処理後の換気有無提示データDmおよび血流障害有無提示データDnを重ね合わせることにより、機能画像データDmnを作成している。
したがって、当該機能画像データDmnを用いて機能画像を表示させることにより、ユーザは障害重複領域の位置を正確に把握することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置100は、図7に示すテーブルを用いて、機能画像データDmnに含まれる各障害領域が如何なる障害の種別に当たるのかをを判別している。
したがって、各障害領域がどのような障害に該当するかの解析が可能となる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、第一の閾値および第二の閾値と分散(または上記絶対値)とを用いて、換気障害と正常状態とを2値化で示す換気障害有無提示データDmと血流障害と正常状態とを2値化で示す血流障害有無提示データDnとを作成していた。
これに対して、本実施の形態では、当該第一の閾値や当該第二の閾値や上記絶対値を用いずに、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを作成する場合について説明する。
具体的に、実施の形態1と同様に、図4の上段に例示した一連の換気動画像データD’1を用いて、肺野領域における各画素についてピクセル差分値の分散を求める。次に、換気障害有無提示データ作成部10Aは、当該分散の値を各画素の情報として付与された画像データを、換気障害有無提示データとして作成する。図8は、当該作成された換気障害有無提示データDoを示す図である。
図8に示すように、換気障害有無提示データ(第一の画像データと把握できる)Doを用いて画像を表示させた場合には、肺野領域において上記分散の値の大小がグラデーション的に表示される。つまり、換気障害(第一の障害と把握できる)の有無の度合いをグラデーション的に表示される(当該グラデーションの領域が第一の障害領域と把握できる)。
図8の例では、分散の値が大きいほど階調が濃く表示され、分散の値が小さいほど階調が薄く表示されている。換気障害有無提示データDoから、階調がより濃い程、正常状態である可能性がより高く、階調がより薄い程、換気障害の可能性(若しくは換気障害の悪化のレベル)がより高いことが判別できる。
また、図5の上段に例示した一連の血流動画像データD’2を用いて、肺野領域における各画素についてピクセル差分値の分散を求める。次に、血流障害有無提示データ作成部10Bは、当該分散の値を各画素の情報として付与された画像データを、血流障害有無提示データとして作成する。図9は、当該作成された血流障害有無提示データDpを示す図である。
図9に示すように、血流障害有無提示データ(第二の画像データと把握できる)Dpを用いて画像を表示させた場合には、肺野領域において上記分散の値の大小がグラデーション的に表示されている。つまり、血流障害(第二の障害と把握できる)の有無の度合いをグラデーション的に表示される(当該グラデーションの領域が第二の障害領域と把握できる)。
図9の例では、分散の値が大きいほど階調が濃く表示され、分散の値が小さいほど階調が薄く表示されている。血流障害有無提示データDpから、階調がより濃い程、正常状態である可能性がより高く、階調がより薄い程、血流障害の可能性(若しくは血流障害の悪化のレベル)がより高いことが判別できる。
ここで、換気障害有無提示データDoのグラデーションと血流障害有無提示データDpのグラデーションとは、色分けされている。たとえば、換気障害有無提示データDoは青色のグラデーション情報として構成されており、血流障害有無提示データDpは赤色のグラデーション情報として構成されている。
上記で作成された、換気障害有無提示データDoおよび血流障害有無提示データDpを機能画像データ作成部20が受信する。すると、実施の形態1と同様に、当該機能画像データ作成部20は、換気障害有無提示データDoから肺野領域を抽出し、さらに血流障害有無提示データDpから肺野領域を抽出する。
そして、実施の形態1と同様に機能画像データ作成部20は、前記で抽出した各肺野領域(生体の所定の部位と把握できる)の形状(輪郭)および座標位置を合わせる画像変換処理を実施する。ここで、当該画像変換処理は、換気障害有無提示データDoおよび血流障害有無提示データDpの両方若しくは何れか一方に対して、実施する。
その後、機能画像データ作成部20は、図10に示すように、上記肺野領域の形状・位置合わせ処理後の換気障害有無提示データDoおよび血流障害有無提示データDp同士を、重ね合わせる。これにより、異なる複数の障害状態を表す一の機能画像データDopが作成される。ここで、肺野領域の輪郭が合致するように、両データDo,Dpの重ね合わせが実施される。
なお、上記の通り、換気障害有無提示データDoのグラデーションと血流障害有無提示データDpのグラデーションとは、色分けされている。したがって、機能画像データDopでは、異なる色情報に応じて異なる複数の障害状態が判別でき、グラデーション情報に応じて、障害の可能性(若しくは障害の悪化のレベル)が判別できる。
その後、表示部40は、作成された機能画像データDopに基づいて、たとえば色分けされたグラデーション表示にて、異なる複数の障害状態を区別して表す機能画像を表示する。当該機能画像が表示されることにより、この画像を基にユーザは障害状態をより詳細な部位まで判別できる。
<実施の形態3>
本実施の形態は、生体に関するモデルデータを用いて、実施の形態1で説明した機能画像データに含まれる各障害領域(第一の障害領域、第二の障害領域および障害重複領域)の範囲を補正することができる技術に関するものである。
具体的に、第一のモデルデータと機能画像データとを比較し、各障害のある部位を当該第一のモデルデータ上で特定する。そして、当該特定結果に応じて、複数の第二のモデルデータの中から所定の第二のモデルデータを抽出する。そして、当該抽出した第二のモデルデータを用いて、機能画像データにおける各障害の範囲を補正する。以下、図面を用いて具体例として説明する。
本実施の形態では、図1に示した構成に加えて、上記第一,二のモデルデータ(生体に関するモデルデータと把握できる)を格納する記憶部をさらに備えている。
本実施の形態では、記憶部には、第一のモデルデータとして図11に示す「肺野血管・気管支区域モデル」が予め格納されている。さらに、当該記憶部には、第二のモデルデータとして図12に示す「肺区画モデル」が予め格納されている。
なお、図11,12では、説明容易化の観点で描写されている。したがって、本来のモデルと比較すると正確性には欠けている。より正確で詳細な「肺野血管・気管支区域モデル」は、新版 胸部単純X線診断 p.16に開示されている。また、より正確で詳細な「肺区画モデル」は、http://www.lab.toho−u.ac.jp/med/peds・text/chestx−ray.bmpに開示されている。これら開示されている各モデルデータは、先見的知識により得られたものである。また、図11では、説明簡略化のために、気管支のみを図示している、しかしながら、本来、肺野領域には、当該気管支だけが枝分かれして拡がっているので無く、動脈および静脈も枝分かれして拡がっている。
図11で示される各気管支は、S1〜S5の何れかで規定される。図11においてS1で規定される気管支が枝分かれして、肺野領域の一部領域である第一の領域を占める。当該第一の領域が、図12(A)で示す斜線を付した領域S1である。同様に、図11においてS2で規定される気管支が枝分かれして、肺野領域の一部領域である第二の領域を占める。当該第二の領域が、図12(B)で示す斜線を付した領域S2である。他のS3〜S5においても、同様の関係が図11と図12との間で成立している(図11および図12(C),(D),(E)参照)。つまり、図11においてSiで規定される気管支が枝分かれして、肺野領域の一部領域である所定の領域を占める。当該所定の領域が、図12で示す斜線を付した領域Siである(ここで、iは1〜5である)。
なお、上記の通り、図11は気管支のみを図示しているが、動脈や静脈も同じS1〜S5で規定される。そして、たとえばSで規定される動脈および静脈は、図12で示す領域S1において網羅されている。つまり、Siで規定される静脈(または動脈)が枝分かれして、肺野領域の一部領域である所定の領域を占める。当該所定の領域が、図12で示す斜線を付した領域Siである(ここで、iは1〜5である)。
次に、本実施の形態に係る発明の動作を、例示を用いて具体的に説明する。
実施の形態1で説明した方法により、機能画像データ作成部20が機能画像データDmnを作成したとする。当該作成した機能画像データDmnを用いて画像表示を行った場合には、図13に示すように、右肺野領域の正常領域(砂地領域)の内部に1部、換気障害領域(斜線領域)Anが存しているものとする。なお、実施の形態1で説明したように、縦線領域は血管障害領域であり、波線領域は換気障害および血管障害が重複する領域である。
次に、機能画像データ作成部20は、記憶部から図11に示した第一のモデルデータを読み出す。そして、機能画像データ作成部20は、上記で作成した機能画像データDmn(図13参照)に含まれる肺野領域および第一のモデルデータ(図11参照)に含まれる肺野領域を抽出する。そして、当該抽出した各肺野領域の輪郭(形状)を合わせるために、機能画像データ作成部20は、機能画像データDmnに対して上記モーフィングを実施する。
次に、機能画像データ作成部20は、肺野形状の輪郭が同じとなった上記抽出した両肺野領域を対比する。具体的に、機能画像データ作成部20は、たとえば斜線領域Anが存する図13の座標位置を特定し、図11上において当該特定した座標位置と同じ座標位置には、S2で規定される気管支が存在すると判断する。
すると、機能画像データ作成部20は、記憶部に格納されている複数の第二のモデルデータの中から、図12(B)に示すS2で規定される領域を表す第二のモデルデータを読み出す。
次に、機能画像データ作成部20は、当該読み出した第二のモデルデータから右側の肺野領域を抽出する。さらに、機能画像データ作成部20は、当該抽出した肺野領域の輪郭と図13に示す右側の肺野領域と輪郭とを合わせるために、当該抽出した第二のモデルデータに対して上記モーフィングを実施する。
次に、機能画像データ作成部20は、図13に示した斜線領域Anを、図12(B)の右側肺野領域の一部領域を示す斜線領域S2と同じ範囲・位置・大きさの領域に置換する。つまり、図12(B)に示す第二のモデルデータに合わせて、斜線領域(第一の領域であり、換気障害領域であると把握できる)Asの面積を広げる補正を、機能画像データ作成部20は行う。
このような補正を行うのは、次のような考えに基づく。上記例では、機能画像データDmn内の右側肺野領域の上記領域Anにおいて、S2で規定される気管支の一部に換気障害が存在することを示している。この場合には、当該気管支より先においてさらに枝分かれている細気管支(当該細気管支もS2で規定される)においても、換気障害のため換気が行われることはない。このことは結果として、図12(B)の右側肺野領域のS2で規定される領域において、換気が正常に行われていないことを意味する。当該考えに基づき、機能画像データDmnにおける上記領域Anを、図12(B)の右側肺野領域のS2で規定される領域へと補正する処理を行うのである。
当該補正処理後の機能画像データD’mnを用いて画像表示を行った場合には、図14に示すように、右側の肺野領域の上部付近において、換気障害が拡大して表示される(斜線領域Bn参照)。
なお、上記補正処理により、第一の障害領域(換気障害領域)が増加し、第二の障害領域(血流障害領域)と重複する領域が一部において生じたと場合には、機能画像データ作成部20は、当該重複領域を重複障害領域(換気障害+血流障害)に情報を変更(補正)する。
また、障害判別部30では、上記各補正処理後の機能画像データD’mnを用いて、実施の形態1で説明した障害の種別を判別する。
機能画像データDmn中において、肺野血管・気管支区域モデルの分岐次数が、たとえば2以下の気管支の領域で換気障害が現れる場合に、上記換気障害領域を変更(補正)する処理を実施するように、システムを設定・構成することが可能である。図15は、当該気管支における分岐次数を定義している図である。なお、上記補正を行うか否かの判断基準である分岐次数の値は、対象となる人物が異なった場合には他の値が適切なこともある。したがって、分岐次数は2以下に限定するのでは無く、測定対象の人物に応じて当該分岐次数の値を調整することが望まれる。
なお、上記では、換気障害の場合について換気障害領域(第一の障害領域)を補正する旨の説明を行った。しかしながら、今までの説明内容は、血流障害に関しても血流障害領域(第二の障害領域)を補正する場合にも同様に適用することができる。
このように、本実施の形態では、モデルデータを用いて、機能画像データに含まれる第一,二の障害領域を拡げる補正を行うことができる。したがって、補正前の機能画像データ上では確認できなかった潜在的な障害を発見することができる。
<変形例>
胸部動態X線画像を用いて撮像された換気動画像データおよび血流動画像データにより、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを取得する場合について説明した。しかしながら、3Heの空間的および時間的な分散を画像として表示することにより、換気および血流(灌流)の状態を示す換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを取得することもできる(特表2002−511329号公報参照)。または、CT画像より肺全体の換気分布状態を得、この換気分布状態より、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを取得することもできる(特開2005−28121号公報参照)。
このように、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データは様々な手法、装置によって得られる。したがって、撮影装置(モダリティ)によらずに、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを取得することが可能である。よって、複数のモダリティから、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データを取得しても良い。
また、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データから、表示部40で表示させる目的で、換気障害有無提示画像(たとえば図4の下段や図8に示す画像)や血流障害有無提示画像(たとえば図5の下段や図9に示す画像)を、機能画像データを作成する前等に、一旦作成しても良い。またはこれとは異なり、当該換気障害有無提示画像および血流障害有無提示画像を作成することなく、換気障害有無提示データおよび血流障害有無提示データから、直接、機能画像データを作成しても良い。
また、図1の構成を、各実施の形態で説明した上記各動作を実現するために、各回路ブロックから成るハードウェア構成とすることができる。しかしながら、本発明は、ソフトウェア構成により実現することもできる。つまり、上記各動作・手順を規定するプログラムを作成し、当該プログラムを記録媒体に記憶し、当該記録媒体からコンピュータが当該プログラムを読み取り・実行する。これにより、当該コンピュータを上記各実施の形態に係る画像表示装置として機能させることができ、本願発明をソフトウェア構成として実現できる。