本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の実施形態について説明する。
なお、基材の少なくとも表面に基材の材料と異なる皮膜用粉末を基材の厚みと同等以下の厚みの層状に構成した異種材料複合部材の層についても皮膜という。
本発明者らは異種材料複合部材の製造方法に関して革新的なコーティング技術であるショットコーティングを開発した。ショットコーティングは、大気中において常温・常圧で金属または非金属を材料とする基材の表面に皮膜用粉末を吹き付けることにより皮膜を形成する処理プロセスである。このプロセスによれば、緻密で密着力に優れた皮膜が異種材料複合部材に得ることができる。また、このプロセスは極めて簡便で低コストかつ環境に優しいプロセスである。
本実施形態では、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けて金属皮膜を形成させる。セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルを使用することで比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生せず、安定した皮膜を形成できる。また、ノズル口が塞がらないだけでなくノズル口の摩耗も低減できる。
ショットコーティングではノズルから皮膜用粉末を吹き付ける際に炭素鋼、超硬だけでなく金属材料を使用した金属ノズルの一般の傾向として、ノズル口が閉塞しやすく、かつ摩耗しやすい現象が見られる。これは、皮膜用粉末と金属ノズルとの間に起こる現象として、凝着やケミカル反応によることが推察される。
これに対して、セラミックスノズルは、金属ノズルに比べて比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。セラミックスノズルの中でも、特に窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスを主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルを使用すると長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しないことを知見した。特に、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルを使用すると長時間にわたりノズル口閉塞現象をさらに改善できることが分かった。
また、窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスを主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルでは、ノズル口の口径が例えば1mm以上、4mm未満のときに皮膜用粉末を基材へ吹き付けることが可能であり、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であり、かつノズル口の閉塞と摩耗が長時間にわたり発生しないことを見出した。
セラミックスノズルと同様に高熱伝導性プラスチックは、金属ノズルに比べて比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。高熱伝導性プラスチックノズルの中でも、特に窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスをフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルを使用すると長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しないことを知見した。特に、炭化ケイ素をフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルを使用すると長時間にわたりノズル口閉塞現象をさらに改善できることが分かった。
また、窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスをフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルでは、ノズル口の口径が1mm以上、4mm未満のときに皮膜用粉末を基材へ吹き付けることが可能であり、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティングの歩留りの最も優れた条件で、ノズル口の閉塞と摩耗が長時間にわたり発生しないことを見出した。
基材の表面に吹き付ける皮膜用粉末には平均粒径が5〜50μmの範囲であるアルミニウム、銅、銀、金、錫、亜鉛、マグネシウム、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金、あるいはそれらを主体とする合金、すなわち金属材料または非金属材料を選択することが好ましい。
さらに、皮膜用粉末を吹き付ける基材にはアルミニウム、銅、銀、金、錫、亜鉛、マグネシウム、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、ジルコニウム、バナジウム、あるいはそれらを主体とする合金、すなわち金属材料または非金属材料を選択することが好ましい。また、この金属材料または非金属材料を表面に有する傾斜金属材料についても選択することができる。
セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けて基材の表面に基材の材料とは異なる材料の皮膜を形成した異種材料複合部材では、形成する皮膜の厚みは基材の厚み以下に薄くする。さらに基材の厚みが15mm以上の際は、皮膜の膜厚が15mmを超えない異種材料複合部材とする。
これは、皮膜の厚みが基材の厚みを超えると、皮膜用粉末の吹き付け速度を小さくしたり、皮膜用粉末の供給量を減らしたりなどしてマイルドにコーティングをしても皮膜が剥がれてしまう傾向が見られるためである。望ましくは、皮膜の厚みは基材の厚みの2/3以下とすることが好ましい。さらに、基材が十分厚い場合でも皮膜の厚みは15mmを超えないように皮膜を形成した異種材料複合部材を条件として材料設計をすることが好ましい。これも、皮膜の膜厚が15mmを超えると、どのような材料の基材と皮膜用粉末の組み合わせによるショットコーティング法により形成した異種材料複合部材おいても皮膜が剥がれる可能性が顕著に高くなり、異種材料複合部材の歩留りが半分以下に低減するためである。望ましくは皮膜の膜厚が10mmまでの異種複合部材は、どのような材料の基材と皮膜用粉末の組み合わせにおいても歩留り良く製造できる。
セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けるために、大気圧より大きく約10kg/cm2以下の圧力の空気または窒素を搬送ガスとする条件でショットコーティングによる皮膜の形成をすることが好ましい。
搬送ガスの圧力が約10kg/cm2を超える条件では、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けることの優位性が明確でなくなる傾向が見られる。約10kg/cm2以下の圧力の空気または窒素を搬送ガスとする条件では、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルを使用すると金属ノズルに比べて皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であり、かつノズル口の閉塞と摩耗が長時間にわたり発生しないことが分かった。
皮膜の厚膜化にあたり基材と皮膜の密着性を高めるため結合力に優れた中間層を形成することが好ましい。中間層を形成することにより基材と皮膜の界面の密着強度が上がるだけでなく、緻密な皮膜が形成できることが分かった。
ノズル、皮膜用粉末、皮膜用粉末の搬送ガス(空気または窒素)のうち少なくとも一つを加熱して施工することが好ましい。特に、セラミックスノズルの場合、ノズル自体の加熱はもちろん、皮膜用粉末、皮膜用粉末の搬送ガス(空気または窒素)の加熱により緻密な皮膜が製造性良く形成できることを見出した。
本発明は、自動車、家庭電化製品、日用品、電気・電子部品、防護壁、照明器具、航空機内装材、医療器具、電線被覆、コンデンサ、モーター用品、センサー、化学プラント、玩具、照明器具、包装用フィルム等の機能性部品の導電層形成や防滋コーティング、シールコーティングに適用できる。
本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の実施例について比較例を参照して比較しつつ具体的に説明する。
[実施例1]
本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の第1実施例について説明する。
実施例aは、基材にφ50mm・厚み10mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナセラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例bは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナ粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
これとは別に、従来から使用されている金属ノズルを使用する条件で比較例を説明する。
比較例aは、基材にφ50mm・厚み10mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭素鋼を材料とする金属ノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
比較例bは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、超硬合金を材料とする金属ノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例a、bおよび比較例a、bで得られた皮膜の膜質(気孔率)、同一ノズルでのコーティング連続時間、コーティングにおける粉末の歩留りの評価結果を表1に示す。
なお、表中の各特性は、それぞれ次のようにして測定したものである(以下、同じ。)。
皮膜の膜質(気孔率):水銀圧入法とアルキメデス法での密度測定により測定・評価した。気孔率5%以上は×、気孔率3%以上、5%未満は△、気孔率1%以上、3%未満は○、気孔率1%未満は◎とした。
コーティング連続時間:比較例1の炭素鋼を材料とする金属ノズル1本が閉塞するまで連続してコーティングできる時間を1とした際の比率とした。
コーティング歩留り:吹き付けた皮膜用粉末の全体量とコーティングされた皮膜の重量とを測定して比率を計算により求めた。
表1から、実施例aのセラミックスノズルと実施例bの高熱伝導性プラスチックノズルとは、比較例aの金属ノズル(炭素鋼)と比較例bの金属ノズル(超硬金属)と比べて、得られた皮膜の膜質、コーティング連続時間、コーティング歩留りの各観点から優れた特性を示すことがわかる。
一方、比較例a(金属ノズル(炭素鋼))では、実施例a(セラミックスノズル)や実施例b(高熱伝導性プラスチックノズル)と比べて成膜速度は同等であり、皮膜の厚みは厚膜のものまで形成可能であるが、皮膜中には気孔が残り、コーティング連続時間が短く、比較的短時間でノズル口が閉塞し、コーティングの歩留りが低くなる。また比較例b((金属ノズル(超硬金属))では、比較例a(金属ノズル(炭素鋼))より皮膜中の気孔率、コーティング連続時間に若干良い傾向が見られるが、実施例a(セラミックスノズル)や実施例b(高熱伝導性プラスチックノズル)と比べて皮膜中の気孔率が高く、コーティング連続時間が短く、コーティング歩留りが低い。
すなわち、基材に皮膜用粉末をショットコーティング法によりコーティングする際に、セラミックスノズルは金属ノズルに比べて約2.5〜3倍の比較的長時間までノズル口閉塞現象が発生しない。そのため、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれ、コーティングの膜質にも良い影響をおよぼし、コーティングの歩留りが大きく改善される。
また、セラミックスノズルと同様に高熱伝導性プラスチックは金属ノズルに比べて約2〜2.5倍と比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。そのため、セラミックスノズルと同様に、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれ、コーティングの膜質にも良い影響をおよぼし、コーティングの歩留りに大きく改善される。
[実施例2]
本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の第2実施例について説明する。
実施例aは、基材にφ50mm・厚み10mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナセラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例bは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナ粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例cは、基材にφ50mm・厚み10mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、窒化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例dは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例eは、基材にφ50mm・厚み10mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、窒化ケイ素粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例fは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例a、b、c、d、e、fで得られた皮膜の膜質(気孔率)、同一ノズルでのコーティング連続時間、コーティングにおける粉末の歩留りの評価結果を表2に示す。
表1および表2から、セラミックスノズルは、金属ノズルに比べて、比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。セラミックスノズルの中でも、特に窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスを主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルでは、かなり長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。特に、炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルでは、コーティング連続時間が飛躍的に改善する。そのため、さらに、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれ、コーティングの膜質にも良い影響を及ぼし、コーティングの歩留りが大きく改善される。
またセラミックスノズルと同様に高熱伝導性プラスチックノズルは金属ノズルに比べて比較的長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。高熱伝導性プラスチックノズルの中でも、特に窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスをフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルを使用すると長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。特に、炭化ケイ素をフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルでは、コーティング連続時間が飛躍的に改善できる。そのため、セラミックスノズルと同様に、さらに、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれ、コーティングの膜質にも良い影響を及ぼし、コーティングの歩留りが大きく改善される。
なお、実施例a、c、dの他に石英などのシリコン系セラミックスおよび窒化ケイ素や炭化ケイ素を主成分としたセラミックス複合材料を主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルも同様にコーティング連続時間について優れたが飛躍的に改善する。そのため、さらに、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれた傾向を示すことを確認した。そのため、コーティングの膜質にも良い影響を及ぼし、コーティングの歩留りが大きく改善される。
また、実施例b、e、fの他に石英などのシリコン系セラミックスおよび、窒化ケイ素、炭化ケイ素をフィラーの主成分としたプラスチックで製造された高熱伝導性プラスチックノズルも同様にコーティング連続時間について優れたが飛躍的に改善する。そのため、さらに、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性にすぐれた傾向を示すことを確認した。そのため、コーティングの膜質にも良い影響をおよぼし、コーティングの歩留りが大きく改善される。
[実施例3]
本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の第3実施例について説明する。
実施例gは、基材にφ100mm・厚み20mmの炭素鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径30〜50μmの錫粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナセラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により炭素鋼板の表面に錫皮膜を膜厚約15mmでコーティングした。
実施例hは、基材にφ100mm・厚み5mmの錫板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径30〜50μmの亜鉛粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、アルミナ粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により錫板の表面に亜鉛皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例iは、基材にφ100mm・厚み5mmのアルミニウム板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径30〜50μmのマグネシウム合金粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、窒化ケイ素粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりアルミニウム板の表面にマグネシウム合金皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例jは、基材にφ100mm・厚み5mmのマグネシウム合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの銅粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりマグネシウム合金板の表面に銅皮膜を膜厚約2mmでコーティングした。
実施例kは、基材にφ100mm・厚み2mmのシリコン板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径5〜20μmの銀粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりシリコン板の表面に銀皮膜を膜厚約1mmでコーティングした。
実施例lは、基材にφ100mm・厚み2mmのパラジウム板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径5〜20μmの金粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりパラジウム板の表面に金皮膜を膜厚約0.5mmでコーティングした。
実施例mは、基材にφ100mm・厚み5mmのチタン合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのシリコン粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりチタン合金板の表面にシリコン皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例nは、基材にφ50mm・厚み1mmの白金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのチタン粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法により白金板の表面にチタン皮膜を膜厚約1mmでコーティングした。
実施例oは、基材にφ100mm・厚み5mmのバナジウム合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのニッケル粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりバナジウム合金板の表面にニッケル皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例pは、基材にφ100mm・厚み5mmのモリブデン板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのステンレス鋼粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりモリブデン板の表面にステンレス鋼皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例qは、基材にφ100mm・厚み5mmの亜鉛板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの炭素鋼粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により亜鉛板の表面に炭素鋼皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例rは、基材にφ100mm・厚み5mmのコバルト合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの純鉄粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりコバルト合金板の表面に純鉄皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例sは、基材にφ100mm・厚み5mmのニッケル基合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのコバルト粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりニッケル基合金板の表面にコバルト皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例tは、基材にφ50mm・厚み2mmのチタン合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径5〜20μmのパラジウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりチタン合金板の表面にパラジウム皮膜を膜厚約0.5mmでコーティングした。
実施例uは、基材にφ100mm・厚み5mmのステンレス鋼板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径5〜20μmの白金粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりステンレス鋼板の表面に白金皮膜を膜厚約0.5mmでコーティングした。
実施例vは、基材にφ100mm・厚み5mmのジルコニウム板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの銅粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法によりジルコニウム板の表面に銅皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例wは、基材にφ100mm・厚み5mmのニオブ合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの銅粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、窒化ケイ素粒子分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりニオブ合金板の表面に銅皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例xは、基材にφ100mm・厚み5mmのクロム合金板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmの銅粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに空気を使用し、搬送ガスの圧力は7〜10kg/cm2とし、炭化ケイ素分散タイプのプラスチックを材料とする高熱伝導性プラスチックノズルを使用する条件で、ショットコーティング法によりクロム合金板の表面に銅皮膜を膜厚約5mmでコーティングした。
実施例g、h、i、j、k、l、m、n、o、p、q、r、s、t、u、v、w、xで得られた皮膜の膜質(気孔率)、同一ノズルでのコーティング連続時間、コーティングにおける粉末の歩留りの評価結果を表3に示す。
表1、表2および表3から、基材の表面に吹き付ける皮膜用粉末には、平均粒径が5〜50μmの範囲であるアルミニウム、銅、銀、金、錫、亜鉛、マグネシウム、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金、あるいはこれらを主体とする合金を選択する。また同時に、皮膜用粉末を吹き付ける基材には、アルミニウム、銅、銀、金、錫、亜鉛、マグネシウム、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、ジルコニウム、バナジウム、あるいはこれらを主体とする合金を選択する。これらの皮膜用粉末と基材とを組み合わせてショットコーティング法により基材の表面に皮膜用粉末を吹き付けて皮膜を形成すると気孔率が少なく緻密な皮膜が安定して得られる。また、この金属材料または非金属材料を少なくとも表面に有する傾斜金属材料についても選択することができる。
セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けて基材の表面に基材の材料とは異なる材料の皮膜を形成した異種材料複合部材では、形成する皮膜の厚みは基材の厚み以下に薄くすること、さらに基材の厚みが15mm以上あっても、皮膜の厚みは15mmを超えない異種材料複合部材とすることが良いことが明らかになった。
これは、皮膜の厚みが基材の厚みを超えると、皮膜用粉末の吹き付け速度を小さくしたり、皮膜用粉末の供給量を減らしたりなどしてマイルドにコーティングをしても皮膜が剥がれてしまう傾向がある。望ましくは、皮膜の厚みは基材の厚みの2/3以下とすることが良い。さらに、基材が十分厚い場合でも皮膜の厚みは15mmを超えないように皮膜を形成した異種材料複合部材を条件として材料設計をすることが好ましい。これも、皮膜の膜厚が15mmを超えると、どのような材料の基材と皮膜用粉末の組み合わせによるショットコーティング法により形成した異種材料複合部材おいても皮膜が剥がれる可能性が顕著に高くなり、異種材料複合部材の歩留りが半分以下に低減する傾向がある。望ましくは皮膜の膜厚が10mmまでの異種複合部材は、どのような材料の基材と皮膜用粉末の組み合わせにおいても歩留り良く製造できることが明らかになった。
このとき、皮膜の厚膜化にあたり、基材と金属皮膜層の密着性を高めるため、結合力に優れた中間層を形成すると、10mm以上の皮膜も安定して形成できることも確認されている。
セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けるために、10kg/cm2以下の圧力の空気または窒素を搬送ガスとする条件でショットコーティングによる皮膜の形成をすることができた。
また、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルのノズル口の口径が1mm以上、4mm未満であるノズルを使用した場合、ノズル口の口径が1mm未満または4mmを超えるノズルよりも皮膜用粉末を基材へ吹き付けることが可能であり、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であることが確認されている。
[実施例4]
本発明に係る異種材料複合部材の製造方法の第4実施例について説明する。
実施例yは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は1〜3mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例zは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径1〜5μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は1〜3mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例aaは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径55〜75μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は1〜3mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例abは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は11〜14kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は1〜3mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例acは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は4mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例adは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は0.5mmとし、皮膜用粉末と搬送ガスとノズルとのうち少なくとも一つを加熱する条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例aeは、基材にφ50mm・厚み10mmの銅板を使用し、皮膜用粉末に平均粒径20〜40μmのアルミニウム粉末を使用し、室温・大気中の環境で、搬送ガスに窒素を使用し、搬送ガスの圧力は5〜8kg/cm2とし、炭化ケイ素セラミックスを材料とするセラミックスノズルを使用し、ノズル口の口径は1〜3mmとする条件で、ショットコーティング法により銅板の表面にアルミニウム皮膜を膜厚約5〜10mmでコーティングした。
実施例d、y、z、aa、ab、ac、adで得られた皮膜の膜質(気孔率)、同一ノズルでのコーティング連続時間、コーティングにおける粉末の歩留りの評価結果を表4に示す。
表1、表2、表3および表4から、セラミックスノズルは、金属ノズルに比べて、長時間までノズル口閉塞現象が発生しない。セラミックスノズルの中でも、特に窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスを主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルを使用すると、長時間にわたりノズル口閉塞現象が発生しない。特に、炭化ケイ素を主成分とした材料で製作されたセラミックスノズルを使用すると、飛躍的に改善できることが明らかになった。
また、窒化ケイ素や炭化ケイ素などのシリコン系セラミックスを主成分とするセラミックスで製作されたセラミックスノズルでは、ノズル口の口径が1mm以上、4mm未満のときに皮膜用粉末を基材へ吹き付けることが可能であり、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であり、かつノズル口の閉塞と摩耗が長時間にわたり発生しないことが明らかになった。
また、基材表面に吹き付ける皮膜用粉末として平均粒径が5μmから50μmの範囲であることが、より好ましいことが明らかになった。皮膜用粉末の平均粒径が5μmより小さいと、皮膜用粉末の吹き付け速度が加速されにくいとともに、皮膜用粉末どうしが干渉し、皮膜用粉末の吹き付け速度が低減し、コーティング歩留りが低減した。他方、50μmより大きいと、基材のエロージョンが観察され、ノズル口の摩耗が観察される傾向にあり、同様にコーティング歩留りが低減する傾向が見られた。
セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けるために、10kg/cm2以下の圧力の空気または窒素を搬送ガスとする条件でショットコーティングによる皮膜の形成をすることが好ましい。
搬送ガスの圧力が10kg/cm2を超える条件では、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルから皮膜用粉末を基材へ吹き付けることの優位性が明確でなくなる傾向が見られる。10kg/cm2以下の圧力の空気または窒素を搬送ガスとする条件では、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルを使用すると金属ノズルに比べて皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であり、かつノズル口の閉塞と摩耗が長時間にわたり発生しないことが明らかになった。
ノズル、皮膜用粉末、皮膜用粉末の搬送ガス(空気または窒素)のうち少なくとも一つを加熱して施工することが好ましい。特に、セラミックスノズルの場合、ノズル自体の加熱はもちろん、皮膜用粉末、皮膜用粉末の搬送ガス(空気または窒素)の加熱により緻密な皮膜が製造性良く形成できることが明らかになった。
また、セラミックスノズルまたは高熱伝導性プラスチックノズルのノズル口の口径が1mm以上、4mm未満であるノズルを使用した場合、ノズル口の口径が1mm未満または4mmを超えるノズルよりも皮膜用粉末を基材へ吹き付けることが可能であり、皮膜用粉末の吹き付け速度の安定性が向上し、コーティング歩留りの最も優れた条件でコーティングか可能であることが確認されている。