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JP5159795B2 - カバーテープのレコード巻体の包装方法および包装体 - Google Patents
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JP5159795B2 - カバーテープのレコード巻体の包装方法および包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、カバーテープのレコード巻体の包装方法および包装体に関する。本明細書においてカバーテープとは、電子部品を搬送する際に用いられるキャリアテープ用カバーテープを指す。
一般に、IC等のチップ型電子部品を搬送する場合、プラスチックシートをエンボス加工して一定間隔で連続的に凹部を形成したキャリアテープが用いられる。その凹部にチップ型電子部品を挿入し、キャリアテープの上面にカバーテープをヒートシールして該電子部品を封入する。
カバーテープは、広幅の原反から狭幅のテープ状フィルムの形態にスリットされ、そのスリット幅とほぼ同じ幅の巻芯にレコード状に巻き取られた状態、もしくは、スリット幅より広い幅の巻芯にトラバース状に巻き取られた状態で取引される。とりわけ、搬送効率の点から、レコード状に巻き取ったものを複数巻円筒形状に積み重ねた状態で包装することが一般的である。
カバーテープのレコード巻き体を包装する従来方法の一例について、図2を用いて説明する。
図2に記載の方法は、カバーテープ1を巻芯2にレコード状に巻き取ったレコード巻体3を(図2a)、複数巻略同軸に積み重ねた円筒形状の積層体4とし(図2b)、当該積層体4をその外周面に沿って包装用フィルム10で包み(図2c)、包装用フィルム10を粘着テープ11で固定し(図2d)、さらに、包装用フィルム10の両端における余剰部を内側に折りたたんで粘着テープ11で固定する(図2eおよびf)。次いで、得られた包装体をさらに包装用袋12に入れ(図2g)、減圧脱気装置13により包装用袋12内を減圧脱気し(図2h)、脱気状態を維持したまま開口部(ヒートシール部14)に加熱シールを施して、最終的な包装体15を得る(図2i)。
包装体15は、通常はさらに段ボール箱等に梱包されて搬送される。
また、レコード状に巻いたフィルムテープの巻きズレを防止する包装方法として、レコード巻きテープを袋に入れ、袋内部を減圧密封する方法が提案されている(特許文献1)。この包装方法では、減圧密封することで袋の内外の気圧差により袋がレコード巻きテープ全体に密着し、レコード巻きテープを固定すると同時に包装体自体に高い剛性を生じるため、巻きズレを防止できることが記載されている。さらに、必要に応じて、袋の材質を熱収縮性としてもよいこと、その場合には、減圧密封後にテープ外径よりはみ出した袋の弛み(余剰分)を取り除くことができ、包装体の体積を減量できることが記載されている。
特開2005−186959号公報
しかしながら、図2のように幾重に包装を施しても、カバーテープのレコード巻体を輸送する際もしくは保管する際に、温度や湿度、更には振動等の環境影響を受けて巻き取り形状が変形し、極端な場合には巻き崩れや反りを生じ、使用することができなくなる場合があった。
また、特許文献1記載の包装方法をカバーテープに適用し、袋の弛みを取り除く程度に加熱収縮しても、輸送する際もしくは保管する際の巻き取り状態の安定性を確保することは十分ではなかった。
カバーテープは、基材となるフィルム層にヒートシール層を別途形成した構成のテープ状積層構造をとるため、シール層の厚みを厳密に一様とすることが難しく、結果的に厚み斑を有する。このような構造のテープをレコード状に巻き重ねると、上になるテープのシール層と下になるテープのフィルム層との間に空隙が生じ、そこに不可避的に空気を取り込んでしまう。この空隙に取り込まれた空気は、保管・搬送時の温度変化等の影響を強く受けて膨張または収縮するため、レコード巻体に巻き崩れを生じ易くなる。このため、カバーテープをレコード巻きした場合には、単層からなるテープ状フィルムをレコード巻きした場合よりも、環境変化による巻き崩れが顕著となる。
また、カバーテープは、キャリアテープにヒートシールして使用されるため、熱に対して非常に敏感な挙動を示す。従って、カバーテープを長時間にわたって高温環境に置くと、カバーテープのヒートシール層が熱により軟化して、ブロッキングと呼ばれるカバーテープ同士が密着する現象が引き起こされる。これにより、使用時に、巻き取られた状態のカバーテープが安定して繰り出されなくなるという問題が発生する。このため、カバーテープを熱収縮性の袋等で包装し、これを加熱収縮させるに際しては、熱収縮性の袋等の特性のみならず、カバーテープ自体の耐熱特性についても考慮する必要がある。
しかし、上記特許文献1は、包装の対象としてカバーテープに言及しておらず、このようなカバーテープの特殊性およびカバーテープのレコード巻体を包装する場合の加熱収縮条件等について何ら触れていない。
かくして、厚み斑を有し、かつ、ヒートシール能を備えるカバーテープのレコード巻体について、輸送・保管の際に温度、湿度、振動等の環境影響により巻き取り形状を変形させることのない包装方法および包装体が依然として求められていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、巻き取り形状を変形させることなく、輸送・保管時における巻き崩れの発生を抑制することができるカバーテープのレコード巻体の包装方法および包装体を提供するものである。
本発明者等は、前記課題を解決する方法を鋭意検討した結果、カバーテープのレコード巻体を熱収縮性フィルムで包み込み、当該熱収縮性フィルムを加熱収縮させてレコード巻体間に特定の大きさの圧力を負荷することにより、包装直後の巻き取り形状を変形させることなく、レコード巻体の輸送・保管時の巻き取り状態を安定化できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明によれば、カバーテープのレコード巻体を複数巻まとめて包装する方法であって、前記レコード巻体を略同軸に積み重ねた積層体を熱収縮性フィルムで包み込み、かつ、当該熱収縮性フィルムを加熱収縮させることにより、前記レコード巻体間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の圧力を負荷することを特徴とする、カバーテープのレコード巻体の包装方法を提供する。
驚くべきことに、本発明者等は、カバーテープのレコード巻体間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の圧力を負荷することにより、包装直後の巻き取り状態を変形させることなく、また、高温環境および低温環境にさらしても巻き崩れを防止できることを見出した。
詳しく説明すると、高温環境または低温環境下で保管・搬送した際に巻き崩れの発生を防止するには、レコード巻体間に0.8mN/mm以上の圧力を負荷することが極めて有効であり、当該圧力を負荷するには熱収縮性フィルムを用いて意図的に加圧する必要があることを見出した。特筆すべきことに、従来の包装方法について調べたところでは、減圧密封や熱収縮性フィルムの一般的な使用方法に従って単に袋やフィルムの弛み(余剰分)を取り除いた程度では、レコード巻体間に負荷される圧力が0.8mN/mm未満(約0.3〜0.5mN/mm程度)にとどまることが確認された。すなわち、意図的に加圧しない限り、レコード巻体の形態を安定させるに十分な圧力である0.8mN/mm以上の圧力を負荷することはできないのである。このことから、従来の包装方法を適用した場合に環境変化によるカバーテープの巻き崩れを十分に防止することができなかったのは、恐らく、レコード巻体間に十分な圧力を負荷できなかったことが一因であると考えられる。
さらに、レコード巻体間にかかる圧力が1.2mN/mm以下であれば、熱収縮性フィルムの収縮の際にレコード巻体に及ぼされる引っ張り応力が過度にならず、包装直後のレコード巻体の変形を抑制できることを見出した。すなわち、加熱収縮の際にレコード巻体を積み重ねた積層体にかかる引っ張り応力は必ずしも均一にはならないため、過度に加圧してしまうと局所的な引っ張り応力の差が顕著となり包装直後の巻き取り形状を変形させてしまう。特に、上述したように、カバーテープは厚み斑を有する構造であることからレコード巻きすると空気を取り込んでしまうため、局所的な引っ張り応力の差が小さくても比較的容易に変形を生じてしまう。しかし、レコード巻体間にかかる圧力が1.2mN/mm以下であれば、このような変形を引き起こすには至らない。
また、上述したように、カバーテープは過度に加熱してしまうとヒートシール層が熱により軟化してブロッキングを生じてしまう。そのため、加熱収縮の際には、熱収縮性フィルムの収縮特性のみならず、包装対象であるカバーテープ自体の耐熱性をも考慮する必要がある。種々のカバーテープおよび熱収縮性フィルムの組合せを用いて測定したところでは、カバーテープがブロッキングを生じる程の熱量を要するまでもなく、レコード巻体間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の圧力を負荷することが十分に可能である。
かくして、厚み斑を有しかつヒートシール能を有する特異な性質を有するカバーテープを、巻き取り形状を変形させることなく、かつ、高温・低温環境下でも巻き崩れを発生させずに安定に包装するにあたっては、熱収縮性フィルムを用いてカバーテープのレコード巻体に上記特定範囲の圧力を負荷することが極めて有効であることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、包装直後の巻き取り形状を変形させず、かつ、輸送・保管時に、カバーテープのレコード巻体の巻き崩れや反りの発生を抑制することができる。さらに、従来の包装方法と比較して、作業工程を極端に簡素化することができる。
本発明にかかる包装方法の一例を模式的に示した図である。 従来行われていた減圧包装方法の一例を模式的に示した図である。
符号の説明
1 カバーテープ
2 巻芯
3 レコード巻体
4 積層体
5 熱収縮性フィルム
6 ヒートシール部
7 包装体
10 包装用フィルム
11 粘着テープ
12 包装用袋
13 減圧脱気装置
14 ヒートシール部
15 包装体
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本実施形態のカバーテープのレコード巻体の包装方法を説明する概念図である。
本実施形態のカバーテープのレコード巻体の包装方法は、図1に示すように、主に、カバーテープ1を巻芯2にレコード状に巻き取ったレコード巻体3(図1a)と、熱収縮性フィルム5(図1c)とを用いて行う。
<カバーテープ>
カバーテープ1は、電子部品を搬送する際に一般的に用いられるキャリアテープ用カバーテープを指し、典型的には、基材となるフィルム層と、ヒートシール層とを積層一体化させたテープ状多層構造体である。
前記フィルム層を構成する樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとの混合物などのポリエステル類、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル系樹脂やスチレン系樹脂などを挙げることができる。
また、前記ヒートシール層を構成する樹脂としては、特に限定されないが、オレフィン系樹脂もしくはスチレン系樹脂またはこれらの混合物などを用いることができる。
フィルム層とヒートシール層の間には、オレフィン系樹脂などからなる単層あるいは複層の中間層を設けることもできる。
カバーテープ1の厚みは、特に限定されるものではないが、一般的には0.03mm以上であって、2mm以下、好ましくは0.1mm以下、更に好ましくは0.08mm以下とされる。厚みが0.03mm以上の場合には、巻芯2にカバーテープ1を巻き取る際や、巻き取り状態からカバーテープ1を繰り出す際に、テープ切れ等のトラブルを引き起こし難くなるため好ましい。一方、取り扱い容易性や主な用途の観点から、カバーテープ1の厚みは2mm以下とすることが好ましい。
カバーテープ1の幅は、特に限定されるものではないが、一般的には1mm以上であって、50mm以下、更に好ましくは10mm以下とされる。幅が1mm以上の場合、搬送時または保管時に巻き崩れを生じ難くなるため好ましい。一方、使用時の取り扱い容易性や主な用途の観点から、カバーテープ1の幅は50mm以下とすることが好ましい。
カバーテープ1の長さは、特に限定されるものではないが、取り扱い容易性、主な用途、取引の実情を考慮すると、典型的には100m以上、800m以下とされる。一般的に、巻き取り状態を安定に保つためには、巻き取り長さが短いほど有利であろう。
<巻芯>
巻芯2は、特に限定されないが、紙素材またはプラスチック素材から構成されるものを好適に用いることができる。カバーテープ1を巻き取る際に巻芯2に掛かる応力に対する耐久性の点からプラスチック素材を用いることが好ましい。また、更なる巻芯2の強度向上を目的としてガラス繊維を添加した樹脂を構成材として用いることもできる。
<熱収縮性フィルム>
本実施形態で使用する熱収縮性フィルム5は、単層または多層の何れでもよく、また、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムの何れでもよい。
熱収縮性フィルム5の材質は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂(HDPE,LLDPE等)、ポリプロピレン系樹脂(PP)、ポリブテン−1系樹脂(PB)、ポリ−4−メチルペンテン−1系樹脂をはじめとするポリオレフィン系樹脂(PO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メタクリレート共重合体樹脂(EMA等)、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂(EVOH等)をはじめとするポリオレフィン系樹脂変性物(PO変性物)、ポリエチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PET等)、ポリブチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PBT等)又はポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂をはじめとする脂肪族成分のポリエステル系樹脂(PEST)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)をはじめとする塩素系樹脂、スチレン−ブタジエン型ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体、スチレン−ブチル(メタ)アクリレート系共重合体等のポリスチレン系樹脂(PS)、αオレフィン−一酸化炭素共重合系樹脂(含同水添樹脂)、αオレフィン(エチレン、他)−スチレン共重合樹脂(含同水添樹脂)、エチレン−環状炭化水素系化合物共重合樹脂(含同水添樹脂)、ポリアミド系樹脂(Ny)、カプロラクトン系樹脂等からなるものを挙げることができる。
本実施形態の包装方法においては、熱収縮性フィルム5を加熱シールした際のシール強度が高く、収縮応力が高い点、強度等において優れる点から、ポリエチレン系樹脂、塩素系樹脂またはポリスチレン系樹脂が特に好適に用いられる。
また、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、滑剤、可塑剤、無機充填剤、着色剤、顔料等を添加してもよい。
熱収縮性フィルム5の寸法は、カバーテープのレコード巻体3を複数巻積層した積層体4の全体を包み込める大きさであれば特に限定されるものではないが、経済的観点、作業効率の観点、並びに、十分な圧力をレコード巻体3に負荷する観点から、最小限の寸法にとどめることが好ましい。
熱収縮性フィルム5の厚みは、0.01mm以上であって、0.03mm以下が好ましく、更に好ましくは0.02mm以下とされる。厚みが0.01mm以上の場合には、取り扱いが容易となり、また加熱収縮に伴う破れ等のトラブルを防止できるため好ましい。一方、加熱収縮時間の短縮が可能になり、カバーテープがブロッキングし難くなるという観点から、熱収縮性フィルム5の厚みは0.03mm以下とすることが好ましい。
本実施形態で使用する熱収縮性フィルム5は、90℃で2分間放置した場合の加熱前の寸法に対する加熱収縮率が4.0%以上、35.0%以下であることが好ましい。加熱収縮率が4.0%以上であれば、カバーテープのレコード巻体3の間に十分な圧力を負荷することができるため、レコード巻体3の巻き取り状態の変形や巻き崩れや反りの発生を抑制することができる。一方、後述するように、積層体4を包み込んだ後であって加熱収縮を実施する前に熱収縮性フィルム5の開口部をヒートシールするが、そのシール部の剥離を抑制するという観点から、加熱収縮率は35.0%以下であることが好ましい。
以上の点から、熱収縮性フィルム5としては、とりわけ、以下の(1)〜(3)の条件:
(1)熱収縮性フィルムがポリエチレン系樹脂、塩素系樹脂またはポリスチレン系樹脂からなること;
(2)熱収縮性フィルムの厚みが0.01mm以上、0.03mm以下であること;および
(3)熱収縮性フィルムを90℃で2分間放置した場合の加熱前の寸法に対する加熱収縮率が4.0%以上、35.0%以下であること;
を同時に満たすものが好ましい。この場合には、カバーテープのレコード巻体3にブロッキングを引き起こす程の熱量を必要とすることなく、レコード巻体3間に必要な圧力を負荷することを、より確実に実現できる。
<包装方法>
本実施形態の包装方法について、図1を用いて説明する。
まず、カバーテープのレコード巻体3を略同軸に複数積層して円筒形状の積層体4を得る(図1b)。積層体4を構成するレコード巻体3の積層数は、特に限定されるものでないが、2巻以上、30巻以下が好ましい。更には5巻以上、20巻以下が好ましい。2巻未満であると、積層体4の剛性が低いため、熱収縮性フィルム5によるレコード巻体3に対する局所的な引っ張り応力が僅かに不均一となっただけで、レコード巻体3に反り等の変形を発生させてしまうことがある。また、包装効率や搬送効率、経済性等の観点からも現実的ではない。一方、積層数が30巻を越えると、カバーテープのレコード巻体3の一巻あたりにかかる熱収縮性フィルム5の熱収縮による締め付け圧の微妙な調節が困難になり、レコード巻体3の巻き取り状態の安定化を十分に図れない場合がある。
次いで、積層体4の全体を包み込むに十分な寸法の熱収縮性フィルム5を用いて、積層体4を包み込む(図1c)。本実施形態では、熱収縮性フィルム5を二つ折りし、その間に積層体4を挟み込む包装形態としたが、積層体4を構成する複数のカバーテープのレコード巻体3間に、後述する所定の圧力を負荷することができれば、当該包装形態以外であってもよい。
さらに、積層体4を包み込んだ状態で熱収縮性フィルム5の開口部(ヒートシール部6)を加熱シールする(図1d)。このとき、熱収縮性フィルム5の開口部の全体を加熱シールして完全密封してしまうと、包装体を加熱収縮した際に、包装体に包含されている空気が外に逃げ出すことができず熱収縮性フィルム5が風船状になり、積層体4を構成するレコード巻体3間に所定の圧力を負荷することができなくなってしまう。そのため、空気抜き用に僅かながら開口部をシールせずに残しておくか、あるいは、熱収縮性フィルム5に微小孔を複数設ける必要がある。
シール後、得られた包装体を加熱炉に通し、熱収縮性フィルム5を収縮させる。このとき、熱収縮性フィルム5を加熱収縮して積層体4を締め付けることにより積層体4を構成する複数のレコード巻体3の間に所定の圧力が負荷されるよう、後述のように加熱条件を適宜設定する。
かくして加熱収縮して得られた包装体7は、さらに虫や埃等の異物の混入を防止することを目的として包装用袋に入れてもよい。また、搬送の際には、従来と同様に、段ボール箱等に梱包して搬送することができる。
<加熱収縮条件>
(加熱条件)
熱収縮性フィルム5を使用して加熱収縮包装する際の加熱条件としては、使用するカバーテープ1の材質や熱収縮性フィルム5の材質および加熱収縮率等にもよるが、典型的には、カバーテープ1のブロッキングを引き起こすことなく、かつ、熱収縮性フィルム5のヒートシール部6の剥離を抑制する点から、雰囲気温度が120℃以上、140℃以下であることが好ましく、加熱時間が8秒以上、さらには10秒以上であり、かつ、15秒以下、さらには12秒以下とすることが好ましい。
(圧力の測定および調節)
レコード巻体3間にかかる圧力を測定する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、弾性体を媒体として、その弾性体が受ける圧力とその媒体の弾性変形による歪との関係を利用することが好ましい。尚、より簡易に圧力を測定するためには、フィルム状圧力センサ等を用いてもよい。
レコード巻体3間にかかる圧力を調節するには、例えば、積層体4を構成するレコード巻体3の間に上記弾性体を挟み込み、当該積層体4を所定の熱収縮性フィルム5で包み込んで種々の条件で加熱し、弾性体の潰れ度合いからその加熱条件における加圧効果を割り出し、その熱収縮性フィルム5に固有の加熱条件−加圧効果の標準曲線を事前に求めておく。かくして得られた加熱条件−加圧効果の標準曲線をもとに、熱収縮性フィルム5および加熱条件を適宜選択することによって、カバーテープのレコード巻体3の間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の所望とする圧力を負荷することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記実施の形態では、熱収縮性フィルム5を二つ折りし、その間に積層体4を挟み込む包装形態としたが、積層体4を平面状の2枚の熱収縮性フィルム5で挟んで、その四方を加熱シールしてもよい。この場合には、熱収縮性フィルム5を二つ折りにする手間が省けるため、包装ラインの効率化をさらに図ることが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜2)
16μmの厚みのポリエチレンテレフタレートからなる基材層と、38μmの厚みのポリエチレン系樹脂からなる中間層と、8μmの厚みのスチレン系樹脂からなるヒートシール層を積層一体化してなる幅440mmの原反から、約5mmの幅となるようにスリットしたカバーテープを、半径が46.5mmのスチレン系共重合合成樹脂製の巻芯に、50m/minの巻き取り速度でレコード状に巻き取った。このカバーテープのレコード巻体を20巻積層した積層体を、厚み0.02mm、加熱収縮率が10 %であるポリエチレン系樹脂からなる熱収縮性フィルム(シールドエアー社製「D−955」)を二つ折りして挟み込み、開口部を加熱シールした後に、雰囲気温度130℃で、種々の加熱時間で加熱収縮させて包装体を得た。
(比較例3)
上記と同様のカバーテープの積層体を、ポリエチレン系樹脂からなる包装用袋(サンポリ社製「ポリ規格袋No.20」)に入れて、通常の減圧密封と同様に袋の弛み(余剰分)を取り除く程度に減圧脱気し、脱気状態を維持したままヒートシールして包装体を得た。
<包装体の評価>
上記実施例1〜4および比較例1〜3で得られた包装体について、以下のような評価を実施した。
包装直後の巻き取り状態評価
包装した直後のカバーテープのレコード巻体について、その巻き取り状態を下記の判定基準により官能評価もしくは目視評価した。
○(良) : カバーテープの密着度合いや巻き取り状態が包装前と差異がない。
△(可) : カバーテープの巻き取り状態に僅かな変形が認められるが、実用上許容できるレベルにある。
×(不良): カバーテープの巻き取り状態に顕著な変形が認められ、カバーテープ間にブロッキングが認められる。
高温環境投入試験
包装体を、厚さが約7mmの段ボールからなる、内寸が縦約220mm×横約220mm×高さ約180mmの箱に収容し、80℃のオーブン内に2時間放置した。オーブンから取り出して、温度23℃×湿度50%の環境下に24時間以上放置した後に、箱から取り出して、カバーテープのレコード巻体について、その巻き取り状態を下記の判定基準により目視評価した。
○(良) : 巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視により確認されない。
△(可) : 巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視によりわずかに確認されるが、実用上許容できるレベルにある。
×(不良): 顕著な巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視により確認される。
低温環境投入試験
包装体を、段ボール箱に収容せず、3℃の冷蔵庫内に30分間放置後、温度23℃×湿度50%の環境下に取り出し、4.3Hzで30分間振動試験を行った。その後、温度23℃×湿度50%の環境下に24時間以上放置した後に、カバーテープのレコード巻体について、その巻き取り状態を下記の判定基準により目視評価した。
○(良) : 巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視により確認されない。
△(可) : 巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視によりわずかに確認されるが、実用上許容できるレベルにある。
×(不良): 顕著な巻き弛みや巻き崩れ、反りが目視により確認される。
各実施例および比較例について、加熱収縮時間、レコード巻体間に負荷された圧力、並びに、上記評価結果を以下の表1に示す。
Figure 0005159795
注)上記表1中「不実施」とあるのは、包装直後の状態において既に顕著な変形およびブロッキングが認められたことから、その後の高温環境試験および低温環境試験を実施しなかったことを意味する。
表1の結果から、使用したカバーテープと熱収縮性フィルムとの組合せでは、積層体を構成するレコード巻体間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の圧力を負荷することにより、包装直後の巻き取り状態を変形させることなく、高温環境および低温環境にさらしても巻き崩れを防止することができた(実施例1〜4)。
一方、熱収縮性フィルムの一般的な使用方法に従って単に熱収縮性フィルムの弛み(余剰分)を取り除く程度の加熱収縮を施した場合(比較例1)や、包装体の体積を低減する程度の減圧包装を施した場合(比較例3)には、十分な巻き取り状態の安定化を図ることができなかった。これらの場合、レコード巻体間に負荷された圧力が0.8mN/mmに満たないことが確認された。
さらに、必要以上に加熱しても、カバーテープがブロッキングを生じてしまい、却ってカバーテープに変形を生じたり、巻き取り状態を不安定化したりすることが確認された(比較例2)。もっとも、実施例4に示されているように、積層体を構成するレコード巻体間に1.12mN/mmの圧力が負荷されると、包装直後のレコード巻体に対して、実用上許容できるレベルではあるが僅かながら変形を生じることから、それ以上の加圧、すなわち加熱はもはや不要であることがわかる。
(実施例5および比較例4〜6)
さらに、上記と同様のカバーテープのレコード巻体および熱収縮性フィルムを用いて、レコード巻体の積層巻数、処理温度、処理時間を変えて加熱収縮し、上記と同様に包装直後の巻き取り状態、高温環境および低温環境での巻き取り状態の安定性について評価した。
評価結果を以下の表2に示す。
Figure 0005159795
表2の結果から、使用したカバーテープと熱収縮性フィルムとの組合せでは、加熱温度が140℃で12秒間加熱しても包装直後の巻き取り状態を変形させることなく、高温環境および低温環境にさらしても巻き崩れを発生することがないが、150℃で10秒間加熱するとブロッキングを生じて包装直後の巻き取り状態を変形させてしまうことが確認された(実施例5および比較例4)。
さらに、レコード巻体の積層巻数が1本のみの場合には、レコード巻体の剛性が低いため、収縮に伴って巻き取り状態が変形してしまい(比較例5)、一方、積層数が35巻になると、カバーテープのレコード巻体の一巻あたりにかかる熱収縮性フィルムの熱収縮による締め付け圧が不十分になり、高温環境および低温環境にさらした際に巻き崩れを発生することが確認された(比較例6)。
なお、具体的なデータは示さないが、上記の熱収縮性フィルムに代えて、厚み0.015mm、加熱収縮率8.0 %であるポリエチレン系樹脂からなる熱収縮性フィルム(シールドエアー社製「D−940」)、厚み0.015mm、加熱収縮率27%であるポリ塩化ビニル系樹脂からなる熱収縮性フィルム(日本カーバイド社製「ハイエスフィルム」)、厚み0.02mm、加熱収縮率30%であるポリスチレン系樹脂からなる熱収縮性フィルム(東興資材工業社製「ニューハン・ハイチューブOPS」)を使用した場合にも、上記実施例1〜5と同様に、120℃〜140℃の雰囲気温度で0.8mN/mm〜1.2mN/mmの範囲の圧力を負荷することができ、その場合に、包装後の巻き取り状態を変形させることなく、また、高温環境および低温環境にさらしても巻き崩れを生じないことが確認された。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

Claims (5)

  1. カバーテープのレコード巻体を複数巻まとめて包装する方法であって、
    前記レコード巻体を略同軸に積み重ねた積層体を熱収縮性フィルムで包み込み、かつ、
    当該熱収縮性フィルムを加熱収縮させることにより、前記レコード巻体間に0.8mN/mm以上、1.2mN/mm以下の圧力を負荷することを特徴とする、カバーテープのレコード巻体の包装方法。
  2. 前記加熱収縮を、120℃以上、140℃以下の雰囲気温度で、かつ、8秒以上、15秒以下の加熱時間で行うことを特徴とする請求項1に記載の包装方法。
  3. 前記熱収縮性フィルムが下記(1)〜(3)の条件:
    (1)該熱収縮性フィルムがポリエチレン系樹脂、塩素系樹脂またはポリスチレン系樹脂からなること;
    (2)該熱収縮性フィルムの厚みが0.01mm以上、0.03mm以下であること;および
    (3)該熱収縮性フィルムを90℃で2分間放置した場合の加熱前の寸法に対する加熱収縮率が4.0%以上、35.0%以下であること;
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の包装方法。
  4. 前記レコード巻体の積層数が2巻以上、30巻以下であることを特徴とする、請求項1記載の包装方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の包装方法により包装された包装体。
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