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JP5160127B2 - 鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ - Google Patents
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JP5160127B2 - 鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ - Google Patents

鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ Download PDF

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この発明は、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ、特に、ダンパ機能とアクチュエータ機能とを同時に持たせることによって、鉄道車両が制御振子モードであっても軌道から入力される振動等の外乱が車体に伝達されにくく、乗り心地の悪化を招くことがない鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータに関するものである。
従来、線路の曲線部を走行する際に車体を曲線部の内側に傾斜させて、乗り心地を良くする鉄道車両がある。このような車体の傾斜方式として、制御付き振子式がある。制御付き振子式は、列車の走行速度や線路形状に応じて車体の傾斜角度を制御するものであり、遠心力によって車体を自然に振れさせる自然振子式と比べて、さらに優れた乗り心地が得られる。
特許文献1(特開2004−291897号公報)には、制御付き振子式の鉄道車両の一例が開示されている。以下、この制御付き振子方式の鉄道車両の概略を説明する。
図3に示すように、制御付き振子方式の鉄道車両には、線路上を走行すると共に車体21を支持する台車22が設けられている。台車22には、車輪23設けられている。車輪23同士は、車軸24によって連結されており、車軸24の上部には軸ばね25が設けられている。軸ばね25は、車軸24の振動を緩和した状態で台車枠26を支持している。台車枠26の上部には、ローラ27が設けられ、ローラ27の上部には、車体21を支持する略半円柱状の振子梁28が載置されている。振子梁28は、曲面部を下方に向けて配置されており、ローラ27上を揺動することによって車体21を傾斜させることができるようになっている。振子梁28と車体21との間には、まくらばね29が介在され、振子梁28の振動を緩和している。台車枠26と振子梁28との間には、車体21を傾斜させる車体傾斜用アクチュエータが連結されている。
以下、この車体傾斜用アクチュエータを従来アクチュエータBといい、図面を参照しながら説明する。
図4は、従来アクチュエータBを示す概略図である。
図4に示すように、従来アクチュエータBは、油圧シリンダ1のロッド側とボトム側とを連通させる分流回路2と、分流回路2中に設けた流量可変式絞り弁3および流通弁4と、モータ5により作動する油圧ポンプ6と、油圧回路中に設けられた導入弁7a、7aと、アキュムレータ8とからなっている。
次に、従来アクチュエータBの動作について説明する。
先ず、鉄道車両が制御振子モードとなる場合には、導入7aを開、流通4を閉とする。これにより、油圧ポンプ6から油圧シリンダ1に作動油が導入され、油圧シリンダ1のロッド側とボトム側との間での直接的な作動油の流通が阻止される。
次に、未走行線路の形状と列車の走行速度とに基づいて目標値演算装置(図示せず)が振子傾斜角の目標値を決定する。そして、振子傾斜角の目標値に合わせて従来アクチュエータBが車体21の振子傾斜角を変更する。
すなわち、車体21を図3の水平状態から反時計方向(図中、実線方向)に傾斜させる場合には、まず、制御装置(図示せず)が油圧ポンプ6を作動させて、作動油を油圧シリンダ1のロッド側からボトム側に圧送する。これにより、ピストン1aが油圧シリンダ1のロッド側に移動して、ロッド1bが油圧シリンダ1から突出する。この結果、振子梁28と車体21とは、台車枠26に対して図3中、反時計方向に傾斜する。ここで、油圧シリンダ1は、空気圧シリンダよりも応答速度や周波数応答特性に優れているため、空気圧シリンダによって車体を傾斜させる場合と比較して、振子傾斜角の制御性能は高められる。
一方、車体21を図3中、時計方向(図中、点線方向)に傾斜させる場合には、まず、上記制御装置が油圧ポンプ6を逆方向に動作させて、作動油を油圧シリンダ1のボトム側からロッド側に圧送する。これにより、ピストン1aが油圧シリンダ1のボトム側に移動して、ロッド1bが油圧シリンダ1内に収納される。この結果、振子梁28と車体21とは、台車枠26に対して図中、時計方向に傾斜する。
次に、鉄道車両が自然振子モード、すなわち、油圧シリンダ1や上記目標値演算装置等に異常が生じた場合の、従来アクチュエータBの動作について説明する。
先ず、上記制御装置が、油圧シリンダ1や上記目標値演算装置等の異常を検知すると、導入弁7aを閉、流通4を開とする。これにより、油圧ポンプ6から油圧シリンダ1への作動油の導入が阻止され、絞り弁3を介して油圧シリンダ1のボトム側とロッド側との間で直接的に作動油が流通可能となる。そのため、車体21が振動する場合には、油圧シリンダ1のボトム側とロッド側との間で直接的に作動油が所定の流量で流通するため、車体21の振動が適切な減衰力で減衰される。この場合、絞り弁3の開度を調節して、作動液体の流量を変えれば、車体21の振動をより適切な減衰力で減衰させることができる。
特開2004−291897号公報
以上のように、従来アクチュエータBを備えた鉄道車両によれば、鉄道車両が制御振子モードの場合には、油圧シリンダ1を用いて車体21を傾斜させるので、空気圧シリンダを用いる従来の場合と比較して、応答速度や周波数応答特性等に関し、振子傾斜角を高い精度で制御することができる。また、流通4を閉じて油圧シリンダ1のボトム側とロッド側との間での作動油の直接的な流通を阻止することにより、油圧シリンダ1に導入される作動油の量をモータ5および油圧ポンプ6の動作によって制御することができるため、分流回路2を設けたことによる振子傾斜角の制御性能の低下を防止することができる。従って、線路の形状に関わらず、乗り心地が改善されるように車体21を傾斜させることができる。
また、鉄道車両が自然振子モードの場合には、油圧シリンダ1と一体に設けられた分流回路2、絞り弁3および流通弁4を用いることにより、車体21の振動を適切な減衰力で減衰させることができる、つまり、従来の振子ダンパと同様の機能を得ることができる。従って、空気圧シリンダと振子ダンパとを別個に設ける従来の場合と比較してアクチュエータを小型化することができる。
しかしながら、従来アクチュエータBは、以下のような問題があった。
鉄道車両が制御振子モードの場合には、油圧シリンダ1を用いて車体21を傾斜させるので、空気圧シリンダを用いる従来の場合と比較して、応答速度や周波数応答特性等に関し、振子傾斜角を高い精度で制御することはできるが、制御振子モードの場合の油圧シリンダ1は、ダンパとして機能しないために、軌道から入力される振動等の外乱が車体21に伝達されやすくなって、乗り心地の悪化を招く恐れがあった。
このような乗り心地の悪化を招く主な周波数成分は、1から2Hz程度の比較的高周波の振動成分である。一方、車体傾斜動作に必要なアクチュエータの応答周波数は、乗り心地の悪化を招く周波数帯域より一般に低いことが多く、例えば、0.05Hz程度であり、乗り心地の悪化を招く主な周波数成分とは明確に判別可能である。
従って、この発明の目的は、油圧シリンダにダンパ機能とアクチュエータ機能とを同時に持たせることによって、従来アクチュエータBの利点を有し、さらに、鉄道車両が制御振子モードであっても軌道から入力される振動等の外乱が車体に伝達されにくく、乗り心地の悪化を招くことがない、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータを提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。この結果、以下の知見を得た。
鉄道車両が制御振子モードになった場合にも流通弁を開いて、微小流量の作動油をリークさせて油圧シリンダ内で循環させれば、一般に乗り心地に影響を与える高周波振動はその振幅が大きくないので、油圧シリンダを介して車体に伝達する振動を大幅に減少させることができる。但し、振動減少性能と同時に振子アクチュエータとしての車体傾斜性能も要求されるので、作動油の流量を過大にすることは不可能である。
また、油圧シリンダのストロークに必要な油量に加えて、作動油の流量を補償する油圧ポンプの吐出流量が必要となるために、油圧シリンダとしての作動効率は低下する。すなわち、油圧シリンダで一定の負荷を支持させる場合、作動油のリークが無い場合には、油圧ポンプを停止させた状態で負荷を支持すことができるが、作動油のリークが生じている状態では一定回転速度で油圧ポンプを回して、リークした体積分の作動油を常時補償する必要がある。
そこで、油圧シリンダのロッド側とボトム側とを連通させる分流回路中に、外部からの指令により作用油の流量を任意に可変可能な絞り弁を設け、車両の揺動状態に応じて絞り弁の開度制御と、油圧ポンプを回転させるモータの制御とを協調させれば、高い振動減衰性能とアクチュエータとしての機能とを両立させることができるといった知見を得た。
この発明は、上記知見に基づきなされたものであり、下記を特徴とする。
請求項1記載の発明は、液圧シリンダのロッド側とボトム側とを連通させる分流回路中に、前記分流回路中を流れる作動液体の流量を可変可能な絞り弁を設けた、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータにおいて、前記液圧シリンダと前記絞り弁とに作動液体を同時に供給し、前記絞り弁は、外部からの電気的指令信号によって作動液体の流量を可変可能な制御弁からなり、前記液圧シリンダへの作動液体の供給量と、前記絞り弁への作動液体の供給量とを協調制御可能なコントローラを備え、前記コントローラは、前記液圧シリンダの予め求めた目標伸縮量と、前記液圧シリンダの実際の伸縮量との間の偏差を求め、前記偏差に基づいて、前記液圧シリンダへの作動液体の供給量と、前記絞り弁への作動液体の供給量とを協調制御することに特徴を有するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コントローラは、車体の振動周波数に基づいて、前記絞り弁への作動液体の供給量を制御することに特徴を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記振動周波数は、1から2Hzであり、この範囲の周波数の振動が車体に生じた場合に、前記コントローラは、作動液体の流量を増加させる指令を前記絞り弁に出すことに特徴を有するものである。

この発明によれば、上記従来アクチュエータの利点、すなわち、線路の形状に関わらず、乗り心地が改善されるように車体を傾斜させることができ、しかも、車体傾斜装置を小型化することができ、さらに、鉄道車両が制御振子モードであっても軌道から入力される振動等の外乱が車体に伝達されにくく、乗り心地の悪化を招くことがない、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータを提供することができる。
この発明の、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ(以下、本発明アクチュエータAという)の一実施形態を、液圧シリンダとして油圧シリンダを例にあげて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明アクチュエータAを示す概略図、図2は、本発明アクチュエータAの制御ブロック図である。
図1に示すように、本発明アクチュエータAは、油圧シリンダ1のロッド側とボトム側とを連通させる分流回路2と、分流回路2中に設けた流量可変式絞り弁3と、モータ5により作動する油圧ポンプ6と、アキュムレータ8に接続された油圧回路中に設けられた導入弁7a、7aと、コントローラ9とから構成されている。
コントローラ9は、絞り弁3の開度を調整する絞り弁制御装置10とモータ5を制御するモータ制御装置11とを制御する。絞り弁3は、外部からの電気的指令信号によって作動油の流量を可変可能な制御弁からなっている。
コントローラ9は、予め求めた目標値、すなわち、振子目標傾斜角度に対応する油圧シリンダ1の目標伸縮量と油圧シリンダ1の実際の伸縮量(実変位)との間の偏差を求め、前記偏差に基づいて、油圧シリンダ1への作動油の供給量と、絞り弁3への作動油の供給量とを協調制御する。
すなわち、車体21(図3参照)のロール方向揺動あるいは左右振動加速度を検出し、1から2Hz程度の高周波振動が検出された場合には、コントローラ9は、絞り弁3による作動油の流量を増加させる指令を絞り弁制御装置10に出し、モータ制御装置11には、リークした作動油を補償するようにモータ5を回転させる指令を出す。これにより、車体21に生じた高周波振動が減衰して、乗り心地の悪化を招くことがなくなる。
一方、前記偏差が予め設定した値より大きくなった場合には、コントローラ9は、絞り弁3による作動油の流量を減少させる指令を絞り弁制御装置10に出し、モータ制御装置11には、前記偏差が減少するような作動油が油圧シリンダ1に導入されるようにモータ5を回転させる指令を出す。これにより、油圧シリンダ1は、車体21の振子アクチュエータとして機能する。
以上のように構成されている、この発明のアクチュエータによれば、鉄道車両が制御振子モードになった場合に、以下のようにして、車体の振動を減衰させて、乗り心地の悪化を招くことなく、車体を所望の傾斜角度に傾斜させることができる。
図2に示すように、目標値演算装置12は、未走行線路の形状および列車の走行速度に基づいて、車体21の振子傾斜角度の目標値を演算する。コントローラ9は、車体21の振子傾斜角度が目標値になるように、油圧ポンプ6を駆動するモータ5を制御する。
この際、コントローラ9は、1から2Hz程度の車体21の高周波振動が検出された場合には、絞り弁3による作動油の流量を増加させる指令を絞り弁制御装置10に出し、モータ制御装置11には、リークした作動油を補償するようにモータ5を回転させる指令を出す。これにより、車体21に生じた高周波振動が減衰して、乗り心地の悪化を招くことがなくなる。
また、コントローラ9は、予め求めた振子傾斜角度の目標値に対応する油圧シリンダ1の目標伸縮量と、油圧シリンダ1の実際の伸縮量(実変位)との間の偏差を求め、前記偏差が予め設定した値より大きい場合には、絞り弁3による作動油の流量を減少させる指令を絞り弁制御装置10に出し、モータ制御装置11には、前記偏差が減少するような作動油が油圧シリンダ1に導入されるようにモータ5を回転させる指令を出す。これにより、油圧シリンダ1は、車体21の振子アクチュエータとして機能する。油圧シリンダ1が車体21の振子アクチュエータとして機能している間も絞り弁3を通じて若干の作動油がリークするので、従来アクチュエータBのように、軌道から入力される振動等の外乱が車体21に伝達されて、乗り心地の悪化を招く恐れはない。
このように、この発明によれば、油圧シリンダにダンパ機能とアクチュエータ機能とを同時に持たせることによって、従来アクチュエータBの利点を有し、さらに、鉄道車両が制御振子モードであっても軌道から入力される振動等の外乱が車体に伝達されにくく、乗り心地の悪化を招くことがなくなる。
本発明アクチュエータAを示す概略図である。 本発明アクチュエータAの制御ブロック図である。 制御付き振子方式の鉄道車両の概略図である。 従来アクチュエータBを示す概略図である。
符号の説明
1:油圧シリンダ
2:分流回路
3:絞り弁
4:流通弁
5:モータ
6:油圧ポンプ
7a:導入
8:アキュムレータ
9:コントローラ
10:絞り弁制御装置
11:モータ制御装置
12:目標値演算回路
21:車体
22:台車
23:車輪
24:車軸
25:軸ばね
26:台車枠
27:ローラ
28:振子梁
29:まくらばね

Claims (3)

  1. 液圧シリンダのロッド側とボトム側とを連通させる分流回路中に、前記分流回路中を流れる作動液体の流量を可変可能な絞り弁を設けた、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータにおいて、
    前記液圧シリンダと前記絞り弁とに作動液体を同時に供給し、前記絞り弁は、外部からの電気的指令信号によって作動液体の流量を可変可能な制御弁からなり、前記液圧シリンダへの作動液体の供給量と、前記絞り弁への作動液体の供給量とを協調制御可能なコントローラを備え、前記コントローラは、前記液圧シリンダの予め求めた目標伸縮量と、前記液圧シリンダの実際の伸縮量との間の偏差を求め、前記偏差に基づいて、前記液圧シリンダへの作動液体の供給量と、前記絞り弁への作動液体の供給量とを協調制御することを特徴とする、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ。
  2. 前記コントローラは、車体の振動周波数に基づいて、前記絞り弁への作動液体の供給量を制御することを特徴とする、請求項1に記載の、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ。
  3. 前記振動周波数は、1から2Hzであり、この範囲の周波数の振動が車体に生じた場合に、前記コントローラは、作動液体の流量を増加させる指令を前記絞り弁に出すことを特徴とする、請求項2に記載の、鉄道車両の車体傾斜用アクチュエータ。
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