次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明のトナーの製造方法は、耐圧容器内で界面活性剤を合成する合成工程及びその耐圧容器内で、合成された界面活性剤を含有する流体(超臨界流体又は亜臨界流体)の中でモノマーを重合する重合工程を少なくとも有し、必要に応じて、他の工程を有してもよい。このとき、重合工程では、結着樹脂を含有する粒子が形成される。本発明においては、合成工程及び重合工程を同一の耐圧容器内で行うため、設備の省設計が可能であり、低コストでトナーを製造することができる。
本発明において、合成工程で得られる界面活性剤としては、フッ素系ビニルモノマーを重合することにより得られる重合体(単独重合体又は共重合体)等が挙げられる。フッ素系ビニルモノマーは、目的に応じて適宜選択することができるが、パーフルオロアルキル基を有するアクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体等が挙げられる。
フッ素系ビニルモノマーを重合することにより得られる重合体は、一般式(1)
で表される構成単位を有することが好ましい。このとき、重合体中の一般式(1)で表される構成単位の組成比は、20〜100モル%であることが好ましい。この組成比が20モル%未満であると、超臨界流体又は亜臨界流体に対する界面活性能が不十分となることがある。また、フッ素系ビニルモノマーは、一般式(2)
で表される化合物であることが好ましい。なお、一般式(1)及び(2)において、R
1は、水素原子又はメチル基であり、R
2は、メチレン基、エチレン基又は2−ヒドロキシプロピレン基であり、R
fは、炭素数が4以上10以下であるパーフルオロアルキル基である。
合成工程で界面活性剤を合成する際は、HCFC225等のフッ素系溶媒中で重合することができるが、超臨界二酸化炭素中で重合するか、あるいは、塊状重合することが好ましい。これにより、環境負荷を低減することができる。
界面活性剤の重量平均分子量は、4.0×103〜2.1×106であることが好ましく、1.0×104〜8.0×106がさらに好ましく、5.0×104〜5.0×106が特に好ましい。重量平均分子量が4.0×103未満である場合及び2.1×106を超える場合は、界面活性能が不十分となることがある。
界面活性剤の数平均分子量及び重量平均分子量は、GPC(gel permeation chromatography)を用いて、以下の条件で測定することができる。
装置:HLC−8220−GPC(東ソー社製)
カラム:TSK−gel GMH HR−M(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:HFIP(ヘキサフルオロプロパノール)
流速:0.2ml/分
試料溶液の注入量:10μl
なお、試料溶液は、CF3COONaの濃度が5mMになるように調製したHFIP(ヘキサフルオロプロパノール)溶液に、濃度が0.15重量%になるように試料を溶解させることにより調製される。次に、以下の測定条件で、GPC測定する。また、分子量校正曲線は、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成される。
本発明において、重合工程で用いられるモノマーは、重合することにより得られる結着樹脂が画像を形成することが可能であれば、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニルモノマー、スチレン等のラジカル重合性モノマーであることが好ましい。なお、このようなモノマーは、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに可溶であることが好ましい。また、このようなモノマーを重合することにより得られる重合物は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶であることが好ましい。
超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。また、亜臨界流体は、臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明において、超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフルオロメタン、ジメチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも二酸化炭素が好ましい。二酸化炭素は、臨界圧力が7.3MPaであり、臨界温度が31℃であるため、容易に超臨界状態にすることができると共に、不燃性であるため、取り扱いが容易である。また、二酸化炭素は、非水系であるため、トナーの特性が良好となる。なお、超臨界流体として用いることができる材料は、亜臨界流体としても用いることができる。また、超臨界流体及び亜臨界流体は、単体であってもよいし、混合物であってもよい。
超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度は、−273〜300℃であることが好ましく、0〜200℃が特に好ましい。
なお、超臨界流体又は亜臨界流体と共に、他の流体を併用することもできる。他の流体としては、トナーを構成する材料の溶解度を制御しやすい流体を用いることが好ましく、例えば、N2O、エタン、プロパン、エチレン等が挙げられる。
また、超臨界流体又は亜臨界流体と共に、エントレーナーとして、有機溶媒を併用することもできる。これにより、トナーを構成する材料の溶解度が制御しやすくなる。エントレーナーは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコール等が挙げられる。
本発明において、モノマーを重合する際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤は、反応温度と10時間半減期を考慮して適宜選択することができ、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエート、過硫酸カリウム等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。なお、重合開始剤は、チオ硫酸ナトリウム、アミン等と併用して用いてもよい。
また、重合開始剤は、モノマーに対して、0.1〜10重量%添加することが好ましい。なお、モノマーを高重合率で重合するためには、5〜40時間重合することが好ましいが、所望の粒径分布を有するトナーを得るためには、重合を途中で停止させてもよい。さらに、分子量を調節するために、連鎖移動定数が大きい化合物を添加して重合を行ってもよい。連鎖移動定数が大きい化合物としては、メルカプト基を有する低分子化合物、四塩化炭素、四臭化炭素等が挙げられる。
重合工程における加圧条件は、8〜100MPaであることが好ましく、10〜50MPaがさらに好ましい。加圧条件が8MPa未満であると、界面活性剤の溶解量が低下し、界面活性能が不足しやすくなることから、安定に結着樹脂を含有する粒子を得ることができなくなることや、反応系内のモノマー濃度を上げられず非効率な製造条件となることがある。100MPaを超える場合は、耐圧設備にかかる装置コストが高くなることや、結着樹脂を含有する粒子が膨潤又は溶解しやすくなることがある。
また、重合工程における加熱条件は、10〜180℃であることが好ましく、30〜150℃がさらに好ましく、35〜130℃が特に好ましい。加熱条件が10℃未満であると、反応時間が長くなったり、重合転化率が低くなったりすることがあり、180℃を超える場合は、安定に結着樹脂を含有する粒子を得ることができなくなることや、製造エネルギー、製造コストが高くなることがある。
本発明において、重合工程における界面活性剤の添加量が少ない程、製造コストが低くなるため、界面活性剤に対するモノマーの重量比は、10〜1.0×104であることが好ましい。この重量比が、10000を超えると、結着樹脂を含有する粒子が得られなくなることがあり、10未満になると、製造コストが高くなり、実用的でなくなる。
本発明において、重合工程で得られる結着樹脂の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、2000〜1.0×107がさらに好ましく、3000〜1.0×106が特に好ましい。結着樹脂の重量平均分子量が1000未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがある。
結着樹脂の数平均分子量及び重量平均分子量は、GPCを用いて、以下の条件で測定することができる。
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
試料溶液の濃度:0.05〜0.6重量%
試料溶液の注入量:0.1ml
なお、分子量校正曲線は、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成される。
結着樹脂のガラス転移温度は、30〜85℃であることが好ましく、40〜75℃がさらに好ましい。ガラス転移温度が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、85℃を超えると、低温定着性が不十分になることがある。
本発明のトナーに添加することができる添加剤は、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、着色剤、離型剤、無機粒子、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等が挙げられる。なお、重合工程において、モノマーを重合する際に、流体(超臨界流体又は亜臨界流体)は、着色剤及び離型剤の少なくとも一方をさらに含有することが好ましい。これにより、着色剤及び離型剤の少なくとも一方の分散性が良好なトナーを得ることができる。
着色剤は、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
トナー中の着色剤の含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜15重量%であることが好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。着色剤の含有量が0.1重量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15重量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力及びトナーの電気特性が低下することがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、目的に応じて公知の樹脂の中から適宜選択することができるが、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
マスターバッチは、樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を向上させるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、フラッシング法によりマスターバッチを製造すると、着色剤のウエットケーキを直接用いることができ、乾燥する必要がないことから好ましい。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂に移行させて水分及び有機溶剤を除去する方法である。なお、混合混練には、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることが好ましい。
本発明において、重合工程で得られた結着樹脂を含有する粒子は、エントレーナーを用いて染着することができるが、エントレーナーは、結着樹脂が溶解しない有機溶媒又は若干膨潤させる有機溶媒であることが好ましい。具体的には、エントレーナーと結着樹脂の溶解性パラメータ(以下、SPという)の差が1.0以上であることが好ましく、2.0以上がさらに好ましい。例えば、スチレン−アクリル系樹脂に対しては、SPが高いメタノール、エタノール、n−プロパノール等又はSPが低いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を使用することができる。このとき、SPの差が5を超えると、エントレーナーの結着樹脂を含有する粒子に対する濡れが悪くなり、分散性が低下するため、好ましくない。
染着に使用する染料は、エントレーナーに対する溶解度D1と結着樹脂を溶解することが可能な有機溶媒に対する溶解度D2の比(D1/D2)が0.5以下であればよいが、トナーの粉体抵抗を高くするためには、分散染料、油溶性染料、バット染料等を用いることが好ましく、油溶性染料が特に好ましい。また、着色に応じて、数種の染料を用いることもできる。なお、粉体抵抗が低くなると、転写率が低下することがある。
染着方法としては、耐圧容器内に、結着樹脂を含有する粒子と染料とエントレーナーを入れ、超臨界流体中で処理を行う方法又は耐圧容器内に、結着樹脂を含有する粒子と染料をエントレーナーに溶解又は分散させた液を入れ、超臨界流体中で処理を行う方法が挙げられる。
結着樹脂に対する染料の重量比は、着色度に応じて適宜選択することができるが、通常、1〜50%である。
染料としては、C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105)、C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)、C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158)、C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)、C.I.SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,191,194,195,104)、C.I.SOLVENT GREEN(24,25)、C.I.SOLVENT BROWN(3,9)等が挙げられる。
市販の染料では、愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8(以上、保土ケ谷化学社製)、Sudan染料Yellow−146,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670(以上、BASF社製)、ダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−A(以上、三菱化成社製)、オイルカラーYellow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308,Red−5B,Brown−GR,#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Black−HBB,#803,EB,EX(以上、オリエント化学工業社製)、スミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC(以上、住友化学工業社製)、カヤロンポリエステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルーA−2R(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。
離型剤は、目的に応じて公知の離型剤の中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等を用いることができる。ワックス類としては、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
低分子量ポリオレフィンワックスとしては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が挙げられる。合成炭化水素ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。天然ワックス類としては、蜜ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等が挙げられる。石油ワックス類としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
離型剤の融点は、40〜160℃であることが好ましく、50〜120℃がさらに好ましく、60〜90℃が特に好ましい。融点が40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温定着時にコールドオフセットを起こしやすく、定着機への紙の巻き付き等が発生することがある。
トナー中の離型剤の含有量は、0〜40重量%であることが好ましく、3〜30重量%がさらに好ましい。離型剤の含有量が40重量%を超えると、低温定着性が低下したり、光沢度が高過ぎることにより、画質が低下したりすることがある。
無機粒子は、目的に応じて公知の無機粒子の中から適宜選択することができるが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
無機粒子の平均一次粒径は、5nm〜2μmであることが好ましく、5〜500nmがさらに好ましい。また、無機粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
トナー中の無機粒子の含有量は、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、0.01〜2.0重量%がさらに好ましい。
なお、無機粒子は、トナーの外添剤として、使用することができる。
帯電制御剤は、公知の帯電制御剤の中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると、色調が変化することがあるため、無色又は白色に近い材料が好ましい。このような材料としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。なお、金属は、目的に応じて適宜選択することができるが、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウム等が挙げられる。
市販の帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(以上、日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸、カルボン酸、4級アンモニウム塩等を有する高分子化合物等が挙げられる。
トナー中の帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、添加剤の種類、分散方法等により適宜選択することができるが、結着樹脂に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%がさらに好ましい。帯電制御剤の含有量が0.1重量%未満であると、トナーの帯電性が低下することがある。また、10重量%を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大することがある。その結果、現像剤の流動性が低下したり、画像濃度が低下したりする。
流動性向上剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。流動性向上剤を用いて、表面処理すると、トナーの疎水性を向上させることができ、高湿度下においても流動性や帯電性の低下を抑制することができる。
クリーニング性向上剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合により得られる樹脂粒子等が挙げられる。樹脂粒子は、粒径分布が狭いことが好ましく、重量平均粒径が0.01〜1μmであることが好ましい。クリーニング性向上剤をトナーに添加すると、感光体や一次転写媒体に残存する転写後のトナーを除去しやすくなる。
添加剤を添加する方法としては、重合工程で添加する方法、マスターバッチと共に溶融混練した後、重合工程で添加する方法、重合工程の後に結着樹脂を含有する粒子の表面に固定させる方法等が挙げられる。
本発明のトナーは、形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、熱特性、画像濃度、平均円形度、重量平均粒径、個数平均粒径等を有することが好ましい。
熱特性は、フローテスター特性とも言われ、軟化温度、流出開始温度、1/2法軟化点等として評価される。これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所社製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
トナーの軟化温度は、50℃以上であることが好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。軟化温度が50℃未満であると、耐熱保存性や低温保存性が低下することがある。
トナーの流出開始温度は、60℃以上であることが好ましく、70〜150℃がさらに好ましい。流出開始温度が60℃未満であると、耐熱保存性や低温保存性が低下することがある。
トナーの1/2法軟化点は、60℃以上であることが好ましく、80〜170℃がさらに好ましい。1/2法軟化点が、60℃未満であると、耐熱保存性や低温保存性が低下することがある。
トナーの平均円形度は、トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在のトナーの周囲長で除した値であり、0.90〜0.98であることが好ましく、0.95〜0.975がさらに好ましい。なお、円形度が0.94未満の粒子が15%以下であることが好ましい。平均円形度が0.90未満であると、転写性が低下したり、画質が低下したりすることがある。また、0.98を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体、転写ベルト等のクリーニング不良が発生することがある。
平均円形度は、トナーを含有する懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法等により計測することができ、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)等を用いて計測することができる。
フロー式粒子像分析装置を使用した測定方法に関して以下に説明する。トナー及び外添剤は、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として、10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水を用いて行う。このような水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、さらに、測定試料を5mg加える。次に、超音波分散器UH−50(STM社製)で20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い、測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚さ約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚さに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
トナーの重量平均粒径Dwは、3〜10μmであることが好ましい。Dwが3μm未満であると、二成分現像剤として用いた場合には、現像装置における長期の撹拌において、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。また、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングが発生したり、トナーが薄層化して、ブレード等の部材へのトナー融着が発生したりすることがある。Dwが10μmを超えると、高解像で高画質の画像を形成することが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒径の変動が大きくなることがある。
トナーの個数平均粒径Dnに対する重量平均粒径Dwの比Dw/Dnは、1.00〜1.25であることが好ましく、1.10〜1.25がさらに好ましい。Dw/Dnが1.25を超えると、二成分現像剤として用いた場合には、現像装置における長期の撹拌において、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。また、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングが発生したり、トナーが薄層化して、ブレード等の部材へのトナー融着が発生したりすることがある。さらに、高解像で高画質の画像を形成することが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
Dw及びDw/Dnは、コールターカウンター法を用いて測定することができる。コールターカウンター法によるトナーの粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(以上、コールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1重量%NaCl水溶液を調製したものであり、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。次に、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、上記の測定装置により、100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径が2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーを用いて形成される画像は、分光計938スペクトロ・デンシトメータ(X−ライト社製)を用いて測定した濃度値が、1.90以上であることが好ましく、2.00以上がさらに好ましく、2.10以上が特に好ましい。濃度値が1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
画像濃度は、imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、トナーの付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を複写紙TYPE6000<70W>(リコー社製)に、定着ローラの表面温度が160±2℃の条件で形成し、ベタ画像の任意の6箇所の画像濃度を、分光計938スペクトロ・デンシトメータを用いて測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
なお、本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いることができる。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択した成分を含有することができる。現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
本発明のトナーを一成分現像剤に用いた場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するために発生するブレード等の部材へのトナーの融着が抑制され、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、本発明のトナーを二成分現像剤に用いた場合、長期に亘るトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
キャリアは、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有することが好ましい。
芯材の材料は、公知の材料の中から適宜選択することができるが、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料等が挙げられ、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当たりを弱くすることができ、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛系材料等の弱磁化材料が好ましい。なお、これらは、二種以上併用してもよい。
芯材の重量平均粒径D50は、10〜150μmであることが好ましく、40〜100μmがさらに好ましい。D50が10μm未満であると、微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低くなって、キャリアが飛散することがあり、150μmを超えると、比表面積が低下して、トナーが飛散することがあり、フルカラー画像では、特に、ベタ画像部の再現性が低下することがある。
樹脂層の材料は、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
アミノ系樹脂としては、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン樹脂としては、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。このような導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。導電粉の個数平均粒径は、1μm以下であることが好ましい。個数平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
樹脂層は、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解又は分散させた塗布液を調製した後、公知の塗布方法により、芯材の表面に塗布液を均一に塗布し、乾燥させた後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。溶剤は、目的に応じて適宜選択することができるが、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート等が挙げられる。焼付は、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれでもよく、外部加熱方式としては、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、内部加熱方式としては、マイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
キャリア中の樹脂層の含有量は、0.01〜5.0重量%であることが好ましい。樹脂層の含有量が0.01重量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0重量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の凝集が発生し、キャリアの粒径の均一性が低下することがある。
なお、二成分現像剤中のキャリアの含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、90〜98重量%であることが好ましく、93〜97重量%がさらに好ましい。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有するので、画像形成時において、帯電性に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法を用いた画像形成に用いることができ、以下の本発明の現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に用いることができる。
本発明の現像剤入り容器は、本発明の現像剤が収容されている容器である。容器は、公知の容器の中から適宜選択することができるが、容器本体とキャップを有する容器等が挙げられる。容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、目的に応じて適宜選択することができるが、形状は、円筒状であることが好ましい。また、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である現像剤を排出口側に移行させることができ、スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有することが特に好ましい。容器本体は、寸法精度がよい材料で構成されていることが好ましく、具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
本発明の現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取り扱い性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能であり、現像剤を補給することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に着脱自在であり、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つの手段並びに像担持体を一体に支持し、必要に応じて、その他の手段をさらに一体に支持してもよい。なお、現像手段は、像担持体に形成された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する。また、現像手段は、本発明の現像剤入り容器を着脱可能であり、現像剤を担持し、搬送する現像剤担持体を少なくとも有することが好ましい。さらに、現像手段は、現像剤担持体に担持されるトナーの層厚を規制する層厚規制部材等をさらに有してもよい。
本発明の画像形成方法は、像担持体に形成された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する工程、像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する工程及び被転写体に転写されたトナー像をローラ状又はベルト状の定着部材により、加熱加圧定着する工程を少なくとも有し、静電潜像形成工程、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等の工程をさらに有してもよい。なお、現像工程では、交互電界を印加して、像担持体に担持された静電潜像を現像することが好ましい。これにより、高画質画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体、像担持体を帯電する帯電手段、帯電された像担持体に露光し、静電潜像を形成する露光手段、像担持体に形成された静電潜像を本発明の現像剤で現像して、トナー像を形成する現像手段、像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段及びトナー像を転写した像担持体をクリーニングするクリーニング手段を少なくとも有し、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等の手段をさらに有してもよい。なお、像担持体は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体である。
本発明の画像形成装置は、発熱体を具備する加熱体、加熱体と接触するフィルム及びフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材を有し、トナー像が転写された被転写体をフィルムと加圧部材の間で加熱加圧定着する定着手段をさらに有することが好ましい。これにより、高画質な画像を低温定着させることができる。
像担持体の材質、形状、構造、大きさ等は、公知の像担持体の中から適宜選択することができるが、形状は、ドラム状であることが好ましく、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。中でも、寿命が長いことから、アモルファスシリコン感光体が好ましい。
静電潜像形成工程は、像担持体の表面に静電潜像を形成する工程である。このとき、静電潜像は、像担持体の表面を帯電手段が一様に帯電させた後、露光手段が像担持体の表面に画像データに基づいて露光することにより、形成される。
帯電は、帯電手段を用いて像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
露光は、露光手段を用いて像担持体の表面を露光することにより行うことができる。露光手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光装置が挙げられる。なお、像担持体の裏面から露光を行う光背面方式を用いてもよい。
現像工程は、本発明の現像剤を用いて、像担持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する工程である。このとき、現像手段が現像剤を用いて静電潜像を現像することにより、トナー像を形成することができる。現像手段は、公知の現像手段の中から適宜選択することができるが、本発明の現像剤を収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触で付与することができる現像器を有することが好ましい。このとき、現像器は、本発明の現像剤入り容器を備えることが好ましい。
現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれであってもよく、また、単色用現像器及び多色用現像器のいずれであってもよく、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラを有する現像器等が挙げられる。
二成分現像剤を用いた場合、現像器内では、トナーとキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、像担持体の近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて像担持体の表面にトナー像が形成される。
現像器に収容される本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有するが、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれであってもよい。
転写工程は、トナー像を被転写体に転写する工程であるが、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、トナー像を被転写体上に二次転写することが好ましい。このとき、二色以上のトナーを用いることが好ましく、フルカラートナーがさらに好ましい。この場合、転写工程は、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写工程と、複合転写像を被転写体上に転写する二次転写工程を有する。
なお、転写は、転写手段を用いて、像担持体上のトナー像を帯電することにより行うことができる。転写手段は、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写手段と、複合転写像を被転写体上に転写する二次転写手段を有することが好ましい。なお、中間転写体は、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、転写ベルト等が挙げられる。
転写手段(一次転写手段及び二次転写手段)は、像担持体上に形成されたトナー像を被転写体側へ剥離帯電させる転写器を有することが好ましい。転写器は、単数であってもよいし、複数であってもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。なお、被転写体は、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着工程は、定着手段を用いて、被転写体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、各色のトナーを被転写体に転写する毎に定着させてもよいし、各色のトナーを積層した状態で一度に定着させてもよい。定着手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段を用いることができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。このとき、加熱温度は、80〜200℃であることが好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、上記の定着手段と共に、又は上記の定着手段の代わりに、公知の光定着器を用いてもよい。
除電工程は、除電手段を用いて、像担持体に除電バイアスを印加して除電する工程である。除電手段は、公知の除電器の中から適宜選択することができ、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング工程は、トナー像が転写された後に、像担持体の表面に残留するトナーを、クリーニング手段を用いて除去する工程である。クリーニング手段は、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
リサイクル工程は、クリーニング工程で除去されたトナーを、リサイクル手段を用いて現像手段に搬送して、リサイクルする工程である。リサイクル手段としては、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御工程は、制御手段を用いて、各工程を制御する工程である。制御手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図1に、本発明の画像形成装置一例を示す。画像形成装置100Aは、像担持体としての感光体ドラム10(以下、感光体10という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70を備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50に所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、被転写体としての転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50の接触部と、中間転写体50と転写紙95の接触部の間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンタ用現像器45M及びシアン用現像器45Cから構成されている。なお、ブラック用現像器45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kを備えており、イエロー用現像器45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yを備えており、マゼンタ用現像器45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mを備えており、シアン用現像器45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
画像形成装置100Aにおいて、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。次に、露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。さらに、感光体10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像してトナー像を形成する。トナー像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、さらに転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は、除電ランプ70により一旦、除去される。
図2に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。なお、図2においては、図1に示した画像形成装置と同一の構成については、同一符号を付して、説明を省略する。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を備えておらず、感光体10の周囲に、ブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンタ用現像器45M及びシアン用現像器45Cが直接対向して配置されていること以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。
図3に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置である。画像形成装置100Cは、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400を備えている。複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能である。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18が対向して並置されたタンデム型画像形成部120が配置されている。タンデム型画像形成部120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50の、タンデム型画像形成部120が配置された側の反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27を備えている。
なお、画像形成装置100Cにおいては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型画像形成部120によるフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットする。あるいは、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して、読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報となる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型画像形成部120における各画像形成ユニット18(ブラック用画像形成ユニット、イエロー用画像形成ユニット、マゼンタ用画像形成ユニット及びシアン用画像形成ユニット)にそれぞれ伝達され、各画像形成ユニットにおいて、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー像が形成される。すなわち、各画像形成ユニット18は、図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電器59と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に感光体10を露光(図4中、L)し、感光体10上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置21と、静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64を備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色のトナー像(ブラックトナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像及びシアントナー像)を形成することができる。このようにしてブラック用感光体10K上に形成されたブラックトナー像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロートナー像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタトナー像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアントナー像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上に順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上でブラックトナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像及びシアントナー像が重ね合わされてカラートナー像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ48を回転させ、手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用するが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用してもよい。
そして、中間転写体50上に形成されたカラートナー像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22の間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22によりカラートナー像(カラー転写像)をシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、シート(記録紙)上にカラートナー像(カラー転写像)が形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラートナー像(カラー転写像)が転写されたシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力によりカラートナー像(カラー転写像)がシート(記録紙)上に定着される。その後、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、上記と同様にして裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。