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JP5164587B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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JP5164587B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両のシートベルト装置に関し、特に、後部衝突時に乗員が最後方に移動するタイミングでシートベルトを引き締めリバウンドによる前方移動を抑制するのに好適な車両のシートベルト装置に関するものである。
車両のシートベルト装置におけるシートベルト引き締め装置として、従来、シートベルトプリテンショナ装置が実用化され、広く市販車に搭載されている。シートベルト引き締め装置は、衝突検知装置と、当該衝突検知装置の出力する検知信号に基づいてシートベルトの引き締めを行う制御部とから構成されている。シートベルト引き締め装置は、衝突時のシートベルトの弛みを取り除くことにより、座席に座る乗員の前方移動を制限し、前方移動量を低減する。
また上記のシートベルト引き締め装置では、衝突のうち後部衝突の場合には、後部衝突の直前、または後部衝突の発生と同時に、乗員の後頭部や背部をシートバックに拘束する、または近づけることにより、頸部の過伸展(後屈)を緩和するための装置が提案されている(特許文献1,2等)。これらの装置では、後部衝突を予知する装置または後部衝突を検出する装置と、プリテンショナ装置と、予知信号または検出信号に基づきプリテンショナ装置の動作を制御する制御装置とから構成され、乗員の前方移動の動作を拘束する。従来の装置の構成は、後部衝突の予知または検出を行うと、直ちに作動するように制御され、シートベルトに張力を与えて乗員を座席のシートバックに拘束し、車室内の後方への頭部の運動を低減する。
特許第3721451号公報 特許第3837909号公報
車両の衝突のうち特に後部衝突の場合には、乗員は、衝突時の加速度によって車室内後方に運動し、座席のシートバックに押し付けられ、その後、シートバックの弾性によってリバウンドを生じ、前方に移動する。このため、後部衝突の後半ではリバウンドによる車室内二次衝突が発生する可能性がある。特に小柄な乗員あるいは標準的な体型と異なる体格の乗員、例えば胸腹部の突出が平均よりも大きな乗員等では、通常走行時の着座状態において既に前面パネルや操舵ハンドルとの距離が比較的に近いので、リバウンドによる接触の可能性が大きい。
かかる前述の従来の装置を考慮すると、後部衝突の予知または検出の後に直ちにプリテンショナ装置を作動させベルト引き締め制御を完了するようにしているので、作動後に乗員は後方移動し、その結果、シートベルトと乗員との間に弛みが生じることになる。この点については従来装置は全く考慮していない。従って、その後のリバウンドによる乗員の前方移動を十分に抑制する効果を期待することはできない。
加えて、上記の特許文献1に示される装置は、乗員が拘束された状態でのリバウンドによる頸部の過屈曲(前屈)を軽減するため、ベルト巻取り力すなわちシートベルト荷重を低減しているので、結果的に前方移動はさらに大きくなる。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、後部衝突におけるリバウンド後の乗員の前方移動を最小限に抑制し、車室内の二次衝突を軽減することができる車両のシートベルト装置を提供することにある。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
第1の車両のシートベルト装置(請求項1に対応)は、ベルトを巻回したベルトリールと、ベルトリールを回転駆動することによりベルトの巻取りを行うアクチュエータと、車両で生じた後部衝突状態に係る検出信号に基づいてアクチュエータによるベルトの巻取り動作を制御する制御手段とを備え、さらに、ベルトが装備された座席のシートバックに加わる荷重を検出する荷重検出手段を備え、上記の制御手段は、荷重検出手段により検出される荷重が所定値以上になったとき、アクチュエータを作動させる後部衝突時ベルト制御手段を含むように構成されている。ここで、所定値は、座席に座る乗員が後部衝突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときの押圧に基づき荷重検出部が検出する荷重値となるように設定される。
上記の車両のシートベルト装置では、例えば走行中または停止中の車両において追突等の後部衝突が発生したとき、荷重検出手段で検出される荷重の情報に基づき、座席に座る乗員が慣性運動で後方運動を行い最も後方に移動した位置でベルト引き締め動作を行う。これにより、後部衝突時において最適なタイミングでベルト引き締めを行い、後部衝突におけるリバウンド後の乗員の前方移動を最小限に抑制し、車室内の二次衝突を軽減することが可能となる。
第2の車両のシートベルト装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、荷重検出手段は、シートバックの内部に設けられる荷重検出手段であることを特徴とする。
第3の車両のシートベルト装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、荷重検出手段は、座席を取り付ける部分に設けられる座席下部荷重検出手段と車体加速度検出手段とから構成され、上記の荷重は、車体加速度検出手段から出力される加速度検出値と座席下部荷重検出手段から出力される荷重検出値とを用いた計算から算出されることを特徴とする。
第4の車両のシートベルト装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、後部衝突時ベルト制御手段は、荷重の微分値を計算する荷重微分値演算手段を備え、荷重検出手段の検出信号と荷重微分値演算手段の計算値に基づいてアクチュエータを作動させることを特徴とする。
第5の車両のシートベルト装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、後部衝突時ベルト制御手段は、荷重が所定値を超え、かつ荷重微分値が所定値を下回ったときにアクチュエータを作動させることを特徴とする。
第6の車両のシートベルト装置(請求項6に対応)は、ベルトを巻回したベルトリールと、ベルトリールを回転駆動することによりベルトの巻取りを行うアクチュエータと、車両の後部衝突を検出する後部衝突検出手段と、後部衝突検出手段による検出信号に基づいてアクチュエータによるベルトの巻取り動作を制御する制御手段とを備え、さらに、ベルトが装備された座席のシートバックに加わる荷重を検出する荷重検出手段を備え、上記の制御手段は、後部衝突検知手段が後部衝突を検知した際、荷重検出手段により検出される荷重が所定値以上になったとき、アクチュエータを作動させる後部衝突時ベルト制御手段を含むように構成される。ここで、所定値は、座席に座る乗員が後部衝突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときの押圧に基づき荷重検出部が検出する荷重値となるように設定される。
第7の車両のシートベルト装置(請求項7に対応)は、上記の構成において、好ましくは、後部衝突時ベルト制御手段は、荷重の微分値を計算する荷重微分値演算手段を備え、荷重検出手段の検出信号と荷重微分値演算手段の計算値に基づいてアクチュエータを作動させることを特徴とする。
第8の車両のシートベルト装置(請求項8に対応)は、上記の構成において、好ましくは、後部衝突時ベルト制御手段は、荷重が所定値を超え、かつ荷重微分値が所定値を下回ったときにアクチュエータを作動させることを特徴とする。
第9の車両のシートベルト装置(請求項9に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、さらに車両の後部衝突の可能性を検知する後部衝突予知手段を備え、アクチュエータは、火薬の推力を用いて前記ベルトの巻取りを行う第1のアクチュエータと、モータの駆動力を用いて可逆的にベルトの巻取りを行う第2のアクチュエータとから構成され、後部衝突時ベルト引き締め制御手段は、後部衝突予知手段から出力される検知信号に基づいて第2のアクチュエータを駆動してベルトを予備的拘束状態の駆動態様に制御する第2の制御手段と、後部衝突検出手段によって後部衝突を検出したときに、第2のアクチュエータの出力を増大させた状態に駆動状態を切り替えると共に、荷重が所定値以上になったときに第1のアクチュエータを駆動するように制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、車両のシートベルト装置において、例えば走行中の車両において追突等の後部衝突が発生したとき、シートバック内に設けられた荷重検出部等の荷重検出作用に基づき、座席に座る乗員が慣性運動で後方運動を行い最も後方に移動した位置で正確にベルト引き締め動作を行うようにしたため、後部衝突時において最適なタイミングでベルト引き締めを行い、特にリバウンドが発生する可能性のある時点で乗員拘束するベルトに弛みが生じることがなく、後部衝突におけるリバウンド後の乗員の前方移動を最小限に抑制し、車室内の二次衝突を軽減することができる。
特に、標準的な体型と異なる体格、例えば胸腹部の突出が平均よりも大きな乗員に対する効果を期待することができる。
また仮に、シートベルト荷重を低減して乗員の前方への移動を許容しリバウンドによる頸部の前屈を軽減する場合であっても、乗員はもっとも車室後方に運動した状態からベルトによる荷重を受けながら前方移動することになるので、より多くのリバウンドのエネルギを吸収でき、乗員移動量は小さくなり、車室内の二次衝突の可能性を軽減できる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1と図2を参照して本発明に係る車両のシートベルト装置の第1の実施形態を説明する。図1は側面から見た車両の概略全体図と制御装置の構成を示し、図2は制御装置で実行される制御の流れを示す。
車両11は、走行中の例えば乗用自動車であり、運転席用座席(シート)12には乗員(運転者)13が座って走行中の車両11を運転している状態を示している。11Aは車体前部、11Bは車体後部、14は車輪、15は操舵ハンドルである。座席12は、乗員13が座る腰掛け部12aと、背の部分をもたれさせるシートバック12bとを備える。運転席用座席12にシートベルト装置20が装備される。シートベルト装置20は、乗員13の身体を座席12に拘束するベルト(シートベルトまたはウェビング)21を備える。ベルト21は、乗員13の上体を拘束するベルト部分21aと、乗員13の腰部を拘束するベルト部分(図示せず)とから成っている。ベルト21の下側の一端はアンカープレート22により車両11の車室下部の車体部分に固定されている。ベルト部分21aの上側の端部は、乗員13の肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー23で折り返され、その端部はベルト引き締め装置30に連結されている。ベルト引き締め装置30は、ベルト部分21aの端部と連結し、これを巻回したベルトリール31と、当該ベルトリール31を回転駆動することによりベルト21の巻取りを行うアクチュエータ32を備える。
ベルト引き締め装置30の上記のアクチュエータ32は、一般的なプリテンショナ装置と同様な機能を有している。ベルト引き締め装置30のアクチュエータ32としては、例えば、火薬の推力で作動を行う火薬装置、または火薬推力よりも応答速度は小さいが、可逆的(正転または逆転)に巻取り動作を行うことのできる電気モータ等が用いられる。アクチュエータ32には、火薬装置と電気モータのいずれか一方または両方を用いて構成することができる。
制御装置40は、ベルト引き締め装置30のアクチュエータ32の動作を制御する装置である。制御装置40による制御の対象はアクチュエータ32であり、アクチュエータ32は制御装置40の出力側に位置する。制御装置40によるベルト引き締め装置30の制御は、座席12のシートバック12bに加わる荷重を検出する荷重検出部51から出力される検出信号と、車両後部11Bに配置された衝突検出部52から出力される検出信号とに基づいている。
荷重検出部51はシートバック12bの中に埋設されている。荷重検出部51としては歪みゲージ式荷重計および増幅回路等で構成される。荷重検出部51は、乗員13の背もたれ作用によって押し圧を受け、その荷重を検出する。本実施形態では、車両11において後部衝突が生じると、座席12に座った乗員13は慣性作用によって後方へ運動し、シートバック12bを押圧する。荷重検出部51の出力信号は制御装置40の入力部401に入力される。
また衝突検出部52は例えば車両後面部のバンパー部分等の中心部に配置される。車両後部11Bに設置された衝突検出部52は後部衝突(または後面衝突)を検出するためのセンサであり、任意の検出機構を設けることができる。「後部衝突」は、例えば車両11の後方からの他の車両による追突等であり、以下の説明では簡略して「後突」と記す。衝突検出部52から出力される検出信号は制御装置40の入力部401に入力される。
ベルト引き締め装置30のアクチュエータ32の動作を制御する制御装置40は、ベルト引き締め制御部402を含むように構成されている。ベルト引き締め制御部402は、荷重検出部51から出力される検出信号と衝突検出部52から出力される検出信号とに基づいて制御指令信号を生成し出力する。この制御指令信号に基づく駆動信号は、出力部403に経由してアクチュエータ32に供給される。
制御装置40は、実際の製作上、電気回路部とコンピュータ部分で構成される。入力部と出力部にはI/O回路が設けられる。入力信号に基づき制御指令信号の生成するベルト引き締め制御部402は、後述するように後突時にベルト引き締めの制御を行うためのプログラムを実行する演算処理部であり、この演算処理部はコンピュータ(CPU等)で実現される。ベルト引き締め制御部402から出力される制御指令信号に基づいて駆動信号を生成するために、電源回路および増幅回路等を備えている。
なお、図1において制御装置40は、説明の便宜上、車両11の外側に取り出して図示しているが、実際には、車両11上の適宜な箇所に電子制御ユニットとして設置されている。
制御装置40のベルト引き締め制御部402は、衝突検出部52が後突を検出した際、荷重検出部52により検出される荷重が所定値(予め設定された任意の基準値)以上になったとき、ベルト引き締め装置30のアクチュエータ32を作動させるように機能する。本実施形態に係る車両のシートベルト装置20のためのベルト引き締め制御部402は、車両11において後突が発生した時のベルト引き締め制御手段(後部衝突時ベルト引き締め制御手段)として機能するものである。
図2に、ベルト引き締め制御部402による制御用演算処理の内容を示す。最初のステップS11では、荷重検出部51から出力される荷重検出信号(荷重検出値)と、衝突検出部52から出力される後部衝突検出信号を入力する。次に後部衝突検出信号に基づいて後突を検出したか否かを判定する(ステップS12)。次に、判定ステップS12でYESであるときに、荷重検出信号で得られる荷重検出値が所定値(F1)以上になったか否かを判定する(ステップS13)。この「所定値(F1)」は、好ましくは、座席12に座る乗員13が後突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときの押圧に基づき荷重検出部51が検出する荷重値となるように設定されている。判定ステップS13でYESのときに、アクチュエータ32を作動させるための制御指令信号を出力する(ステップS14)。
上記の第1の実施形態の構成によれば、車両11における後突の場合において乗員13が車室内後方に運動して座席12のシートバック12bに押し付けられた状態でベルト21の引き締めを行うので、リバウンドが発生する可能性のある時点で乗員13を拘束するベルト21に弛みが生じることがなく、リバウンド後の乗員13の前方運動を抑制し、車室内での二次的衝突を軽減することができる。また仮に、シートベルト荷重を低減して乗員13の前方への移動を許容しリバウンドによる頸部の前屈を軽減する場合であっても、乗員13はもっとも車室後方に運動した状態からベルト21による荷重を受けながら前方移動することになるので、より多くのリバウンドのエネルギを吸収でき、乗員移動量は小さくなり、車室内の二次的衝突の可能性を軽減できる。
次に、図3を参照して上記の第1の実施形態の変形例としての第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では衝突検出部52を省略し、その代わりに、荷重検出部51から出力される検出信号のみに基づいてベルト引き締めの制御を行う。第1の実施形態に比較して、第2の実施形態に係る構成は簡略化した構成になっている。さらに第2の実施形態における全体的な装置構成は図1で示した構成と同じである。
第2の実施形態に係るベルト引き締め制御部402による制御用演算処理では、最初のステップS21では、荷重検出部51から出力される荷重検出信号(荷重検出値)を入力する。次に、荷重検出信号で得られる荷重検出値が所定値(F2)以上になったか否かを判定する(ステップS22)。この「所定値(F2)」は、好ましくは、座席12に座る乗員13が後方運動し、後突と判断できる程度に後方に移動したときの押圧に基づき荷重検出部51が検出する荷重値となるように設定されている。判定ステップS22でYESのときに、アクチュエータ32を作動させるための制御指令信号を出力する(ステップS23)。
なお、判定ステップS22での判定基準は、荷重検出信号で得られる荷重検出値の積分値が所定値(F3)以上になったか否かを判定するように構成することもできる。この場合には、処理ステップS21と判定ステップS22との間に、荷重検出値の積分値を算出する積分処理ステップ(図3中、仮的に破線で示したステップS24)が設けられる。また所定値(F3)も荷重検出値の積分値に応じて適宜に設定される。
次に、図4を参照して上記の第1の実施形態の変形例としての第3の実施形態を説明する。第3の実施形態でも衝突検出部52を省略し、その代わりに、荷重検出部51から出力される検出信号のみに基づいてベルト引き締めの制御を行う。第3の実施形態における全体的な装置構成は図1で示した構成と同じである。
第3の実施形態に係るベルト引き締め制御部402による制御用演算処理では、最初のステップS31では、荷重検出部51から出力される荷重検出信号(荷重検出値)を入力する。次に、荷重検出値の微分値(荷重の作用速度)を算出するための微分処理ステップS32が設けられる。その後、荷重検出信号で得られる荷重検出値が所定値(F1)以上になったか否かを判定する(ステップS33)。さらにその後、判定ステップS33でYESのときに、荷重検出値の微分値すなわち荷重の作用速度が基準となる所定値以下になったか否かを判定する(ステップS34)。判定ステップS34でYESのときに、アクチュエータ32を作動させるための制御指令信号を出力する(ステップS35)。荷重検出値が所定値以上であり、かつ、荷重検出値の微分値が所定値以下であるときに限り、ベルト引き締めの制御指令信号を生成し出力する。荷重検出値の微分値が所定値以下であるときには、荷重が最大(または極大)であると判定される。また荷重が最大(または極大)であることを判定するための基準としては、荷重の微分値(時間微分値)が正から負に変化した時点を利用することもできる。このような制御プロセスによれば、シートバック12bの受けパッドが底付きしない場合でも、乗員が最後方に移動した状態を推定することができる。
上記の第3の実施形態では、基本的に、荷重検出部51から出力される荷重検出信号と荷重微分値演算手段による荷重微分値に基づいてアクチュエータを作動させる構成を採用している。
上記の第1から第3の実施形態において、シートバック12bの内部に設けた荷重検出部51については、例えば、座席12のリクライニング機構の回動支持部、座席12の下部の取り付け部等に設けることができる。また荷重検出部51の代わりにスマートエアバックに用いられる乗員体重検出用センサを転用することができる。
図5と図6を参照して本発明に係る車両のシートベルト装置の第4の実施形態を説明する。図5は側面から見た車両の概略全体図と制御装置の構成を示し、図6は制御装置で実行される制御の流れを示す。第4の実施形態の構成では、上記荷重検出部51の代わりに座席12の下部の取り付け部に設けた荷重検出部(乗員体重検出部)71を用い、かつ衝突検出部52の代わりに車両11の前部側に設けた車体加速度検出部72を用いる。
荷重検出部71が検出する荷重(荷重検出信号SIG11)は、座席12の質量が発生する慣性力と乗員13がシートバック12bを押圧する荷重とを合成したものである。また車体加速度検出部72は、車両11の前後方向の衝突による加速度を検出し、加速度検出信号SIG12を出力する。車両11の前後方向の衝突は前述の後突を含む。
その他の構成は図1で説明した構成と同じであり、図5において図1で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。第4の実施形態に係る車両のシートベルト装置でのベルト引き締め制御部402では、図6に示される通りの制御処理が実行される。
図6を参照して、本実施形態に係るベルト引き締め制御部402による制御用演算処理の内容を説明する。最初のステップS41では、荷重検出部71から出力される荷重検出信号SIG11と、車体加速度検出部72から出力される加速度検出信号SIG12を入力する。本実施形態に係る荷重検出部71で得られる荷重検出信号SIG11は、前述した通り、座席12の質量が発生する慣性力と乗員13がシートバック12bを押圧する荷重とを合成したものである。そこで、次のステップS42での演算によって、乗員13がシートバック12bを押圧する荷重のみが求められる。
ステップS42の計算では、まず最初に、車体加速度検出部72で検出した加速度(加速度検出信号SIG12の値)と、シートバック12bの質量を乗算し、車両走行中の状態で発生する可能性のあるシートバック12bの慣性力を推定する。次に、荷重検出部71で検出された荷重検出値(荷重検出信号SIG11の値)から、推定されたシートバック12bの慣性力を減算する。これにより乗員13がシートバック12bを押圧する荷重、すなわち押圧荷重値のみが計算される。この押圧荷重値は、第1の実施形態において荷重検出部51によって検出した荷重検出値に相当するものである。従って、本実施形態の場合には、第1の実施形態で説明したごとくシートバック12b内に荷重検出部51を設けなくとも押圧荷重値を得ることができる。
その後は、図3を参照して説明した第2の実施形態におけるステップS22のごとく、得られた押圧荷重検出値が所定値以上であるか否かが判定され(ステップS43)、判定ステップS43でYESのときにはアクチュエータ32を作動させるための制御指令信号を出力する(ステップS44)。ここでの所定値は、座席12に座る乗員13が後突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときに対応する所定値である。
上記の第4の実施形態の構成によれば、第1実施形態の場合と同様に、車両11における後突で乗員13が車室内後方に運動して座席12のシートバック12bに押し付けられた状態でベルト21の引き締めを行うので、リバウンドが発生する可能性のある時点で乗員13を拘束するベルト21に弛みが生じることがなく、リバウンド後の乗員13の前方運動を抑制し、車室内での二次的衝突を軽減することができる。また仮に、シートベルト荷重を低減して乗員13の前方への移動を許容しリバウンドによる頸部の前屈を軽減する場合であっても、乗員13はもっとも車室後方に運動した状態からベルト21による荷重を受けながら前方移動することになるので、より多くのリバウンドのエネルギを吸収でき、乗員移動量は小さくなり、車室内の二次的衝突の可能性を軽減できる。
次に、図7を参照して上記の第4の実施形態の変形例としての第5の実施形態を説明する。第5の実施形態では、図6で示したフローチャートで、ステップS41〜S44に加えてステップS51,S52が追加されている。ステップS51はステップS42とステップS43の間に設けられ、ステップS52はステップS43とステップS44との間に設けられる。ステップS41〜S44については前述した通りであり、ここでは詳細な説明は省略する。また第5の実施形態における全体的な装置構成は図5で示した構成と同じである。
第5の実施形態に係る車両のシートベルト装置の制御の仕方によれば、ステップS42で算出された押圧荷重値について、追加された次のステップS51でその微分値を計算する。また追加された判定ステップS52により、前段の判定ステップS43においてYESである場合に、押圧荷重値の微分値が所定値以上であるか否かが判定される。判定ステップS52でYESのときに、アクチュエータ32を作動させるための制御指令信号を出力する(ステップS44)。
第5の実施形態の制御の仕方では、押圧荷重検出値が所定値以上であり、かつ、押圧荷重値の微分値が所定値以下であるときに限り、ベルト引き締めの制御指令信号を生成し出力する。押圧荷重値の微分値が所定値以下であるときには、荷重が最大(または極大)であると判定される。また荷重が最大(または極大)であることを判定するための基準としては、押圧荷重値の微分値(時間微分値)が正から負に変化した時点を利用することもできる。このような制御プロセスによれば、シートバック12bの受けパッドが底付きしない場合でも、乗員が最後方に移動した状態を推定することができる。
第5の実施形態に係る車両のシートベルト装置によっても、前述した実施形態と同様な効果を達成することができる。
次に図8と図9を参照して本発明に係る車両のシートベルト装置の第6の実施形態を説明する。本実施形態は第1の実施形態の変形例である。図8は、図1と同様な図であり、側面から見た車両の概略全体図と制御装置の構成を示している。図8において、図1で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また図9は制御内容を示すフローチャートである。なお第6の実施形態に係る特徴的な構成部分は、上記の第2から第5の各実施形態の特徴的構成と組み合わせることもできる。
第6の実施形態に係る車両のシートベルト装置では、車両11の後部11Bに、車両11の後部衝突の可能性を検知する後部衝突予知装置81が設けられる。後部衝突予知装置81としては、検知機能部はレーダー装置やカメラ装置等である。後部衝突の予知を行うためには制御装置40すなわちコンピュータでの演算処理が必要とされる。後部衝突予知装置81によって後方の車両等との衝突の可能性が予知されたとき、制御指令信号が生成される。またベルト引き締め装置30は第1のアクチュエータ321と第2のアクチュエータ322を備えている。第1のアクチュエータ322は推力を用いてベルト21の巻取りを行う火薬装置であり、第2のアクチュエータ321は可逆的にベルト21の巻取りを行う電気モータである。第2のアクチュエータ321では、クラッチ機構等が内蔵されている。第2のアクチュエータ321によるベルト引き締め制御では、その引き締め力は運転操作に影響を与えない荷重に設定することが望ましい。
また制御装置40では、第1ベルト引き締め制御部402Aと第2ベルト引き締め制御部402Bを備えている。第1ベルト引き締め制御部402Aは、第1の実施形態で説明したベルト引き締め制御部402に対応するものである。従って、入力部401、第1ベルト引き締め制御部402A、および出力部403の構成・作用は第1の実施形態の場合の構成と同じである。この場合、入力信号は荷重検出部51と衝突検出部52からの検出信号であり、制御の対象は第1のアクチュエータ321である。また第2ベルト引き締め制御部404Bについても入力部411と出力部412が設けられている。第2ベルト引き締め制御部402Bは、後部衝突予知装置81から出力される予知検出信号が入力され、当該予知検出信号に基づいて第2のアクチュエータ322を駆動し、ベルト引き締めの制御を行う。
図9に従って、第1ベルト引き締め制御402Aと第2ベルト引き締め制御部402Bに基づく制御の処理フローを説明する。第1ベルト引き締め制御402Aによる制御内容は基本的に第1の実施形態の場合と実質的に同じであり、図9において、図2と同様にステップS11,S12,S13,S14が示されている。
第6の実施形態に係る車両のシートベルト装置による後突時のベルト制御によれば、初期の段階では第2ベルト引き締め制御部402Bによる制御が実行される。まず後部衝突予知装置81から出力される予知に係る検出信号に基づいて、第2ベルト引き締め制御部402Bの制御動作により第2のアクチュエータ322を駆動してベルト21を予備的拘束状態の駆動態様にする。すなわち、後部衝突予知装置81から出力される信号を入力する(ステップS61)。次に判定ステップS62で、当該出力信号において予知検出信号があるか否かが判定され、NOの場合にはステップS61に戻り、YESの場合には次のステップS63を実行する。ステップS63では、読み込まれた予知検出信号に基づいて電気モータ等のアクチュエータ322の動作を制御し、ベルト巻取り量を調整する。このベルト引き締めの制御では、引き締め力が運転操作に影響を与えないようにすることが望ましい。こうして第2ベルト引き締め制御部402Bによって予備的拘束状態の駆動態様が形成される。
次に、予備的拘束状態において、ベルトリールの回転軸等に付設された回転検出手段等によってベルト巻取り量を読み出し(ステップS64)、かつ当該ベルト巻取り量を管理・制御する(ステップS65)。ベルト巻取り量の管理・制御の内容としては、例えば、予備的拘束状態におけるベルト巻取り量を或る一定量を必ず超えるように、制御する。この理由は、次の段階で第1のアクチュエータ321が作動するときに、必要なストロークと作動時間とを確保するためである。仮にベルト巻取り量が少なく弛み量が多すぎると、調整されたベルト巻取り量を1のアクチュエータ321が作動してもベルト弛みが生じる可能性があるので、ベルト巻取り量を適切に調整しておく。
その後、衝突検出部52による後突を検出を基礎にして第1ベルト引き締め制御部402Aに基づくベルト引き締めのための制御、すなわち前述したステップS11,S12,S13,S14が実行される。この際に、後突が検出されたときには、第2のアクチュエータ322の出力は上記ステップS65により増大され適切に調整されている。また判定ステップS12でNOの場合には、最初のステップS61に戻る。ステップS14に基づいて、第1のアクチュエータ321の推力によりベルト21を巻き取る。
第6の実施形態に係る車両のシートベルト装置による後突時のベルト制御によれば、まず後部衝突予知装置81から出力される予知に係る検出信号に基づいて、第2ベルト引き締め制御部402Bの制御動作により第2のアクチュエータ322を駆動してベルト21を上記のごとき予備的拘束状態の駆動態様にする。なお、このベルト引き締めの制御では、引き締め力が運転操作に影響を与えないようにすることが望ましい。その後に、荷重検出部51と衝突検出部52によって後突を検出したときには、第1ベルト引き締め制御部402Bにより、第1のアクチュエータ321の推力によりベルト21を巻き取る。
上記の第6の実施形態において、第1のアクチュエータ321に火薬装置を用いる場合には、第2のアクチュエータ322に対して独立に設けられる。なお、第1のアクチュエータ321に電気モータを用いる場合には、その出力状態を適切に変化させ、火薬装置の場合と同様に変化させるものとする。
なお本発明に係る車両のシートベルト装置は、上記の第1から第6の実施形態の特徴的構成を適宜に組み合わせることにより、必要に応じて任意に構成することができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、乗用自動車等で後部衝突の場合に最適なベルト締め付けを行いリバウンドによる二次衝突を防止するのに利用される
本発明に係る車両のシートベルト装置の第1の実施形態を示し、側面から見た車両の概略全体図と制御装置の内部構成を示す図である。 第1の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例である第2の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例である第3の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係る車両のシートベルト装置の第4の実施形態を示し、側面から見た車両の概略全体図と制御装置の内部構成を示す図である。 第4の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 第4の実施形態の変形例である第5の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係る車両のシートベルト装置の第6の実施形態を示し、側面から見た車両の概略全体図と制御装置の内部構成を示す図である。 第6の実施形態における制御内容を示すフローチャートである。
符号の説明
11 車両
12 座席
13 乗員
20 シートベルト装置
21 ベルト
30 ベルト引き締め装置
31 ベルトリール
32 アクチュエータ
40 制御装置
51 荷重検出部
52 衝突検出部
71 荷重検出部
72 車体加速度検出部
81 後部衝突予知装置
402 ベルト引き締め制御部
402A 第1ベルト引き締め制御部
402B 第2ベルト引き締め制御部

Claims (9)

  1. ベルトを巻回したベルトリールと、前記ベルトリールを回転駆動することにより前記ベルトの巻取りを行うアクチュエータと、車両で生じた後部衝突状態に係る検出信号に基づいて前記アクチュエータによる前記ベルトの巻取り動作を制御する制御手段とを備える車両のシートベルト装置において、
    前記ベルトが装備された座席のシートバックに加わる荷重を検出する荷重検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記荷重検出手段により検出される前記荷重が所定値以上になったとき、前記アクチュエータを作動させる後部衝突時ベルト制御手段を含み、
    前記所定値は、前記座席に座る乗員が後部衝突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときの押圧に基づき前記荷重検出部が検出する荷重値となるように設定されることを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記荷重検出手段は、前記シートバックの内部に設けられる荷重検出手段であることを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記荷重検出手段は、座席を取り付ける部分に設けられる座席下部荷重検出手段と車体加速度検出手段とから構成され、前記荷重は、前記車体加速度検出手段から出力される加速度検出値と前記座席下部荷重検出手段から出力される荷重検出値とを用いた計算から算出されることを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記後部衝突時ベルト制御手段は、前記荷重の微分値を計算する荷重微分値演算手段を備え、前記荷重検出手段の検出信号と前記荷重微分値演算手段の計算値に基づいて前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
  5. 前記後部衝突時ベルト制御手段は、前記荷重が所定値を超え、かつ前記荷重微分値が所定値を下回ったときに前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
  6. ベルトを巻回したベルトリールと、前記ベルトリールを回転駆動することにより前記ベルトの巻取りを行うアクチュエータと、車両の後部衝突を検出する後部衝突検出手段と、前記後部衝突検出手段による検出信号に基づいて前記アクチュエータによる前記ベルトの巻取り動作を制御する制御手段とを備える車両のシートベルト装置において、
    前記ベルトが装備された座席のシートバックに加わる荷重を検出する荷重検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記後部衝突検知手段が前記後部衝突を検知した際、前記荷重検出手段により検出される前記荷重が所定値以上になったとき、前記アクチュエータを作動させる後部衝突時ベルト制御手段を含み、
    前記所定値は、前記座席に座る乗員が後部衝突によって後方運動し、もっとも後方位置に移動したときの押圧に基づき前記荷重検出部が検出する荷重値となるように設定されることを特徴とする車両のシートベルト装置。
  7. 前記後部衝突時ベルト制御手段は、前記荷重の微分値を計算する荷重微分値演算手段を備え、前記荷重検出手段の検出信号と前記荷重微分値演算手段の計算値に基づいて前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項6記載の車両のシートベルト装置。
  8. 前記後部衝突時ベルト制御手段は、前記荷重が所定値を超え、かつ前記荷重微分値が所定値を下回ったときに前記アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項6または7記載の車両のシートベルト装置。
  9. さらに前記車両の後部衝突の可能性を検知する後部衝突予知手段を備え、
    前記アクチュエータは、火薬の推力を用いて前記ベルトの巻取りを行う第1のアクチュエータと、モータの駆動力を用いて可逆的に前記ベルトの巻取りを行う第2のアクチュエータとから構成され、
    前記後部衝突時ベルト引き締め制御手段は、前記後部衝突予知手段から出力される検知信号に基づいて前記第2アクチュエータを駆動して前記ベルトを予備的拘束状態の駆動態様に制御する第2の制御手段と、前記後部衝突検出手段によって後部衝突を検出したときに、前記第2のアクチュエータの出力を増大させた状態に駆動状態を切り替えると共に、前記荷重が所定値以上になったときに前記第1のアクチュエータを駆動するように制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
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