以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、本発明に係る通信装置を複数の車両夫々に配設して車両間で通信を行なう車両間通信に適用した場合を例に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における通信装置の構成を示すブロック図である。通信装置1は、前方車群内通信部11、後方車群内通信部12、車群間通信部13、情報処理部14、記憶部15、車内通信部16、及び通信線17を含んで構成される。通信装置1の各構成部は夫々、車両内に配されている。
前方車群内通信部11は、ミリ波、UWB(Ultra Wide Band)、赤外光等の指向性を有する通信媒体により近接する前方の車両、特に直前を走行中の車両(前接車両という)に配される通信装置1との無線通信を実現する。後方車群内通信部12は、前方車群内通信部11に対応する構成部であり、後方の車両、即ち直後を走行中の車両(後接車両という)に配される通信装置1との無線通信を実現する。つまり、前方車群内通信部11と、前接車両の後方車群内通信部12とで接続を確立する。前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12の通信速度は例えば1Mbpsである。勿論1Mbpsには限らない。そして通信範囲は最大で例えば約50メートル以内とする。前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12は、通信線17を介して車内通信部16と接続され、情報処理部14へ各種情報を送受信する。
車群間通信部13は、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波によりCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式で他の車両に配される通信装置1,1,…との無線通信を実現する。したがって、一の通信装置1が車群間通信部13により情報を送信している期間は、通信範囲内に存在する他の通信装置1,1,…は全て車群間通信部13により送信されている情報を受信する。車群間通信部13は、前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12の通信範囲よりも広範囲での通信を実現する。車群間通信部13の通信速度は例えば10Mbpsであり、通信範囲は例えば400メートル以内とする。勿論、通信速度は10Mbpsに限らず、通信範囲も限定されない。
情報処理部14は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)を含むマイクロコンピュータ(マイコン)を利用し、前方車群内通信部11、後方車群内通信部12及び車群通信部による各種情報の送受信を制御する。また、送受信した各種情報の記憶部15への記憶を制御する。
記憶部15は、揮発性のメモリを利用し、情報処理部14によって作成される車群情報、車群間通信部13により受信した車群情報、前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12により受信した車両情報を含む各種情報を記憶する。
車内通信部16は、情報処理部14による通信線17を介した前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12との通信を実現する。
情報処理部14、車群間通信部13、記憶部15、及び車内通信部16は、一のECU(Electronic Control Unit)内の各構成部であって相互に内部バスにより接続されている。なお、夫々異なるECUに配され、通信線17を介して相互に情報を送受信することにより処理を実行する構成としてもよい。又は、情報処理部14、車群間通信部13、記憶部15、車内通信部16、前方車群内通信部11、及び後方車群内通信部12を一の筐体に含み、内部バスにより相互に接続される構成としてもよい。
通信線17は、LAN(Local Area Network)ケーブルを利用し、車載LANを実現する。例えば、情報処理部14は、図示しない車両の走行を制御する他の制御装置へ車内通信部16により各種情報を送信可能である。
図2は、本実施の形態における通信装置1の記憶部15に記憶される各種情報の内容例を示す説明図である。図2(a)は、通信装置1が配される車両の状況を示す車両情報の内容例を示す。車両情報は、各車両を特定するための車両ID(Identification Data)、車両の位置、車速、及び進行方位を含む。その他、操舵角、連続走行時間等の情報を含んでもよい。また車両情報には、各車両における前方車群内通信部11での前接車両の通信装置1との接続確立の成否を示す前接リンク、及び後方車群内通信部12での後接車両の通信装置1との接続確立の成否を示す後接リンクを含む。なお、車両情報は例えば、100バイトのデジタルデータで表わすことが可能である。通信装置1は、自身が配される車両の車両情報を一定周期で更新し続ける。ここで更新周期はT(例えば100ミリ秒)とする。
図2(b)は、通信装置1が前方車群内通信部11により送信する車両情報を抜粋した車両要約情報の内容例を示す。車両要約情報は、車両情報の内、少なくとも車両ID及び位置を含み、更に少なくとも後接リンクを含む。また、車両要約情報には時間の経過に応じて増加(又は減少)する数値又は記号で表わされるエージ情報が含まれる。なお、車両要約情報は例えば、100バイトのデジタルデータで表わされる車両情報に対し、20バイトのデジタルデータで表わすとする。
図2(c)は、通信装置1が配される車両が属する車群の状況を示す車群情報の内容例を示す。車群情報は、車群の先頭に位置する車両(リーダー車両という)、即ち自身が備えられている車両の車両情報、及びリーダー車両の後方に続く従属車両の車両要約情報(従属車両要約情報)を、従属車両の数x分含む。なお、従属車両要約情報は、リーダー車両からの各車両の車群内における位置の順序1,2,…,xで含められる。例えば、リーダー車両の後接車両の従属車両要約情報は1番目に含められる。また、車群情報には時間の経過に応じて増加(又は減少)する数値又は記号で表わされるエージ情報が含まれる。
通信装置1は、前方車群内通信部11により図2(b)に示した自身が配される車両の車両情報(自車両情報)を、接続確立の成否を判定するために前接車両及び後接車両へ送信する。また、各通信装置1,1,…は、車両要約情報を前方車群内通信部11により送信し、後方車群内通信部12により受信した車両要約情報を前方車群内通信部11により転送する。そして、各通信装置1,1,…は、図2(c)に示した自身が配される車両が属する車群の車群情報(自車群情報)を車群間通信部13により他の通信装置1,1,…へ送信する。また通信装置1は、他の通信装置1,1,…が属する車群の車群情報(他車群情報)を車群間通信部13により受信する。
図3は、本実施の形態における通信装置1が車両情報、車両要約情報及び車両要約情報を送信する際に用いる各情報を含むパケットの内容例を示す説明図である。
図3(a)は、通信装置1が自車両情報を送信するために用いる車両情報パケットの内容例を示す。車両情報パケットは、上述したように前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12により送受信される。車両情報パケットは、先頭にパケットのタイプ(種類)、即ち車両情報を含むことを識別するタイプ情報を含み、宛先となる前接車両又は後接車両の車両ID及び車両情報を含む。
図3(b)は、通信装置1が車両要約情報を送信するために用いる車両要約情報パケットの内容例を示す。車両要約情報パケットは、上述したように前方車群内通信部11で送信され、後方車群内通信部12で受信される。車両要約情報パケットは、先頭にパケットのタイプ、即ち車両要約情報を含むことを識別するタイプ情報を含み、送信又は転送(中継)する通信装置1が配される車両の車両ID(中継車両ID)、中継回数、及び送信元の車両の車両要約情報を含む。通信装置1は、車両要約情報を前方車群内通信部11により送信するに際し、車両要約情報パケットの転送回数を1ずつ加算する。送信元の車両の通信装置1から送信される時点では、転送回数は0である。
図3(c)は、通信装置1が車群情報を送信するために用いる車群情報パケットの内容例を示す。車群情報パケットは、上述したように車群間通信部13により送信される。車群情報パケットは、先頭にパケットのタイプ、即ち車群情報を含むことを識別するタイプ情報と車群情報とを含む。
図3に示したパケットに含められて通信装置1,1,…間で送受信され、夫々の記憶部15に記憶される車両情報、車両要約情報、及び車群情報の具体例を示す。図4は、車群を形成する各車両の記憶部15に記憶されている車両情報及び車群情報の内容例を示す説明図である。図4の説明図の中央に、走行中の複数の車両を上方から見た任意の一時点tにおける様子を模式的に示す。時点tで、車両V1,V2,V3,V4により車群が形成されている。車群は、車両V1を先頭に、車両V2、車両V3、車両V4の順に隊列をなすようにして形成されている。
図4の説明図に示すように車群が形成される場合、車両V2の通信装置1は直前を走行中の車両V1の車両情報を受信し、記憶部15に前接車両の車両情報(前接車両情報)として記憶している。車両V1は時点tで先頭の車両であって前接車両が存在せず、車両V1の通信装置1は前接車両の通信装置1との接続を確立していないが、後接車両V2の通信装置1との接続は確立している。したがって、車両V2の記憶部15に時点tで記憶されている前接車両情報の前接リンクはFalseであって、後接リンクはTrueである。また、車両V2の通信装置1は直後を走行中の車両V3の車両情報を受信し、記憶部15に後接車両の車両情報(後接車両情報)として記憶している。車両V3の通信装置1は時点tで車両V2の通信装置1及び車両V4の通信装置1と夫々接続を確立している。したがって、車両2の記憶部15に時点tで記憶されている後接車両情報の前接リンク及び後接リンクはいずれもTrueである。
なお、前接車両情報及び後接車両情報は、通信装置1では前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12における接続確立の成否の判定のために主に用いられる(後述にて説明)。しかしながら、前接車両情報及び後接車両情報は判定のためのみならず、車両の走行を制御する走行制御装置が前後の車両との追突防止を制御するために、前後の車両との距離の把握に用いられる。
また、車両V2の通信装置1へは、車両V3及び車両V4の通信装置1,1からの車両要約情報が送信及び転送される。したがって、車両V2の通信装置1の情報処理部14は時点tで、車両V2の車両情報をリーダー車両情報とし、車両V3及び車両V4の通信装置1,1から受信した車両要約情報を従属車両要約情報とする車群情報を作成して記憶部15に記憶する。なお、車両V3及び車両V4の通信装置1,1から送信される車両要約情報は、車両要約情報パケットによって送信される。車両V2の通信装置1が車両V3の車両要約情報を受信した場合、車両要約情報パケットに含まれる転送回数は0であるので、情報処理部14は転送回数に1を加算した順番1で車両V3の従属車両要約情報を車群情報に含める。そして車両V4の車両要約情報を受信した場合、車両要約情報パケットに含まれる転送回数は1であるので、車両V4の従属車両要約情報を2(=1+1)番目の従属車両要約情報として車群情報に含める。
車両V3の通信装置1でも同様に、前接車両情報及び後接車両情報が記憶される。車両V3の通信装置1の記憶部15に記憶される前接車両情報は車両V2の車両情報であり、後接車両情報は車両V4の車両情報である。
車両V3の通信装置1へは、車両V4の通信装置1からの車両要約情報が送信される。車両V3の通信装置1の情報処理部14は時点tで、車両V3の車両情報をリーダー車両情報とし、車両V4の通信装置1から受信した車両要約情報を従属車両要約情報とする車群情報を作成して記憶部15に記憶する。
図4に示すように、同じ群に属する車両V2及びV3の通信装置1,1の記憶部15に記憶される車群情報は一致しなくともよい。各車両の通信装置1,1,…は夫々、自身が配される車両の車両情報をリーダー車両情報とする車群情報を作成して記憶する。各通信装置1,1,…は車群情報を一定周期で作成する。この際の周期は自身の車両情報を更新する周期Tと同一とする。車群情報は、車両の走行を制御する走行制御装置が、自群以外に属する車両との衝突を防止するために用いられる。したがって、車両V2と車両V3とで通信装置1,1によって得られる車群情報の内容が一致している必要は必ずしもない。例えば、車両V2の通信装置1で得られる車群情報が示す車群は、車両V2をリーダー車両とする車両V2、車両V3及び車両V4からなる。車両V3の通信装置1で得られる車群情報が示す車群は、車両V3自身をリーダー車両とする車両V3及び車両V4からなる。車両V3では、車両V2を同じ群に属する車両として認識しなくとも、車両V3の走行制御の上では前接車両として正しく認識するので問題ない。車両V2が他の群の車両として認識されるとしても、受信される他の群の車群情報に含まれていれば、走行制御で問題とならない。また、形成される車群は時々刻々と変化するので各通信装置1,1,…の車群情報の内容を一致させる処理を実行することは現実的でない。
そして、車両V2及び車両V3の通信装置1,1は夫々、他車群情報を受信して記憶部15に記憶している。車群情報は、各群のリーダー車両の通信装置1,1,…が車群間通信部13により送受信する。ただし、上述のように全車両の通信装置1,1,…が夫々自身をリーダー車両とする車群情報を作成している。全車両の通信装置1,1,…が夫々車群情報を送信する構成とした場合、車群情報に含まれる車両情報及び車両要約情報は重複し、車群間通信部13による送受信は衝突する。例えば、車両V2及び車両V3の通信装置1,1が夫々車群情報を送信する場合、夫々の車群情報に含まれる車両V3及び車両V4の車両情報、車両要約情報が重複する。本実施の形態では車群情報を他の通信装置1へ送信する通信装置1を制限する。基本的には、各通信装置1は、自身が配される車両を従属車両とする他車群情報を受信できていない場合、自身が作成した車群情報を車群間通信部13により他の通信装置1,1,…へ送信する。
車群情報を送信する通信装置1を制限しても、各通信装置1,1,…で受信した他車群情報と自身により作成した自車群情報とでは、含まれる車両情報が重複する。例えば、車両V2の通信装置1が自車群情報を送信する場合は、以下のように重複する。車両V3の通信装置1が自身で作成する車群情報が示す車群は、車両V3自身をリーダー車両とする車両V3及び車両V4からなる。車両V2の通信装置1から受信する他車群情報が示す車群は、車両V2をリーダー車両とする車両V2、車両V3及び車両V4からなり、車両V3及び車両V4が重複する。そこで、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14は、自身が作成した車群情報と他車群情報とを統合し、重複分をなくすように処理して自身の走行制御で問題とならない情報とする。
ここで、代表となる通信装置1が車群間通信部13による通信を行なう効果を具体的に示す。車群情報の送受信に必要な帯域は、以下の式1のように定義できる。
必要帯域=車群数×車群情報バイト数/送信周期…(1)
また、車群情報を送信する通信装置1を制限せずに、夫々が車両情報を送受信する場合に必要とする帯域は、以下の式2のように定義できる。
非車群通信必要帯域=車両数×車両情報バイト数/送信周期…(2)
車群情報を送信する通信装置1を制限して車群間で通信するとした場合に、各車群に属する車両の数(車群車両数)は、以下の式3で定義できる。
車群車両数=全車両数/車群数…(3)
なお、式1における車群情報バイト数は、式4のように定義できる。
車群情報バイト数=車両情報バイト数(リーダー車両の車両情報のバイト数)
+従属車両数×車両要約情報バイト数…(4)
従属車両の車両情報を車両要約情報にして車群情報に含めることによる要約率は、式5のように定義できる。
要約率=車両要約情報バイト数/車両情報バイト数…(5)
上述の式1は、式2乃至式5を用いて以下の式6に示すように変形可能である。
必要帯域=(車群数)×(車群情報バイト数)/送信周期
=(全車両数/車群車両数)×(車両情報バイト数+従属車両数×車両要約情報バイト数)/送信周期
=(全車両数×車両情報バイト数/送信周期)×(1+従属車両数×車両要約情報バイト数/車両情報バイト数)×(1/車群車両数)
=非車群通信必要帯域×{1+(車群車両数−1)×要約率}×(1/車群車両数)
=非車群通信必要帯域×{(1−要約率)/車群車両数+要約率}…(6)
式6の最終形の中カッコ内、即ち{(1−要約率)/車群車両数+要約率}が、車群間通信を行なうことによる帯域の削減率である。要約率を例えば20%とし、一の車群に属する車両数(車群車両数)を例えば10とすると、削減率は以下の式7のようになる。
削減率=(1−0.2)/10+0.2=0.28…(7)
このように、車両間での通信に必要とする帯域を28%に削減可能である。
具体例として、車群間通信範囲内の全車両数を1000台とし、車両情報のバイト数を100バイトとし、送信周期を100ミリ秒毎とする(「平成19年度 電波資源拡大のための研究開発に係る提案公募 提案要領」、報道資料、総務省、平成19年3月1日、別紙3<基本計画書>「安全運転を支援する車車間通信の実現に向けた周波数高度利用技術の研究開発」参照)。この場合、非車群通信必要帯域は、8Mbps(=1000×100(バイト)/100(ミリ秒))となる。これに対し、車群車両数を10とし、要約率を20%とした車群間通信による場合、式7により削減率は0.28となる。したがって必要帯域は2.24Mbpsである。車群車両数を5とした場合は削減率が0.36となり必要帯域は2.88Mbps、4とした場合も削減率は0.4となって必要帯域は3.2Mbpsである。CSMA方式による通信では、利用可能な帯域は通信帯域の約30%であるから通信帯域は、約3Mbpsを30%とする10Mbpsでよい(車群間通信部13による通信速度)。
次に、上述のように構成される各通信装置1が、車両情報、車両要約情報、及び車群情報を効率的に且つ漏れなく送受信し、走行制御で問題とならない車群情報とするために行なう処理の詳細をフローチャートを参照して説明する。
図5及び図6は、本実施の形態における通信装置1が行なう処理手順の全体の概略を示すフローチャートである。なお、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順は一例である。
通信装置1は起動して電力供給装置からの電力の供給を受けると、初期設定を行なう(ステップS101)。通信装置1は初期設定として例えば、自身が配される車両の車両情報(自車両情報)をリセットして記憶部15に記憶する。詳細には、通信装置1はの自車両情報に含まれる前接リンク及び後接リンクをいずれもFalseに設定する。
通信装置1は、自身が配される車両の速度、位置及び進行方位を取得して自車両情報を更新する(ステップS102)。通信装置1は、自車両情報を前方車群内通信部11により前接車両へ送信する(ステップS103)。なお、この時点で前接車両の存在の有無は不明である。したがって送信する車両情報パケットの宛先車両IDを使用せずに送信するか、又は未定等を示す情報として送信する。そしてこのとき、通信装置1は、前接車両が自身が配されている車両(自車両)と同じ群に属しているか否かによらず、送信を行なう。したがってこの場合、前接車両との通信は車群内通信ではない可能性がある。
通信装置1は、自車両情報を前方車群内通信部11により送信してから期間t1が経過したか否かを判断する(ステップS104)。このときの期間t1は、前接車両からの応答待ち時間の上限である。期間t1を、通信装置1が自車両情報を更新する周期Tの1割、例えば周期Tが100ミリ秒であれば10ミリ秒とする。
通信装置1は、自車両情報を前方車群内通信部11により送信してから期間t1が経過していないと判断した場合(S104:NO)、前接車両から前方車群内通信部11により前接車両から送信される自車両情報(前接車両の車両情報)を受信したか否かを判断する(ステップS105)。詳細には、通信装置1は前接車両から受信した自車両情報パケットの宛先車両IDが、自車両の車両IDと一致するか否かを判断し、一致する場合に受信したと判断する。即ち、通信装置1は自身宛の車両情報パケットを前接車両から受信したか否かを判断する。
通信装置1は、ステップS105において前接車両から車両情報を受信したと判断した場合(S105:YES)、前接車両から受信した車両情報の処理を行ない(ステップS106)、期間t1が経過したか否かを判断する(ステップS107)。ステップS106における処理により、通信装置1は前接車両の通信装置1との接続を確立したか否かを判定することが可能である。ステップS106における処理の詳細は後述にて説明する(図7参照)。
通信装置1は、前接車両から車両情報を受信していないと判断した場合(S105:NO)、後接車両又は他の車両から受信する情報の処理を行ない(ステップS108)、処理をステップS104へ戻す。通信装置1は、前接車両の車両情報を受信して処理を行ない(S106)、期間t1が未だ経過していないと判断した場合も(S107:NO)、後接車両又は他の車両から受信する情報の処理を行ない(S108)、処理をステップS107へ戻す。
通信装置1は、ステップS104又はステップS107において、期間t1が経過したと判断した場合(S104:YES、S107:YES)、車群情報統合処理(ステップS109)、自車群情報の送信処理(ステップS110)、及び自車両要約情報の送信処理を行なう(ステップS111)。なお、ステップS109、ステップS110、及びステップS111の処理の詳細は後述にて説明する(図10乃至図15参照)。
次に通信装置1は、記憶部15の自車群情報に含まれる従属車両要約情報夫々に含まれるエージを1加算し(ステップS112)、所定値(B1)以上のエージの従属車両要約情報は古いので削除する(ステップS113)。なお所定値B1を例えば5として周期Tが繰り返される都度、加算されるエージがB1以上となった場合、即ち従属車両要約情報が所定値B1×周期T以上前の情報となった場合に削除されるようにする。通信装置1は、記憶部15の他車群情報夫々に含まれるエージについても1加算し(ステップS114)、所定値(A)以上のエージの他車群情報は古いので削除する(ステップS115)。なお、所定値Aを3として周期Tが繰り返されると都度、加算されるエージがA以上となった場合、即ち車群情報が所定値A×周期T以上前の情報となった場合に削除されるようにする。
通信装置1は、ステップS102及びステップS103で自車両情報を更新して送信してから、期間Tが経過したか否かを判断する(ステップS116)。通信装置1は、期間Tが経過していないと判断した場合(S116:NO)、後接車両又は他の車両から受信する情報の処理を行ない(S108)、処理をステップS116へ戻す。各通信装置1,1,…からの自車群情報及び自車両要約情報の送信タイミングは同期されていないためである。
通信装置1は、ステップS116において期間Tが経過したと判断した場合(S116:YES)、処理をステップS102へ戻し、ステップS102からの処理を繰り返す。これにより、各処理が一定周期Tで実行される。なお、通信装置1への電力の供給がされなくなった場合に、通信装置1は処理を終了する。
図7は、本実施の形態における通信装置1が行なう前接車両から受信した車両情報の処理の詳細を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理手順は、図5及び図6のフローチャートに示したステップS106の処理の詳細に相当する。
通信装置1は、前方車群内通信部11により受信した前接車両からの車両情報に基づき、前接車両が新規であるか、又は変更がないか否かを判断する(ステップS201)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により記憶部15に未だ前接車両の車両情報を記憶していない場合、前接車両は新規であると判断する。また、通信装置1は情報処理部14により記憶部15に前接車両の車両情報を記憶しており、今回前方車群内通信部11により受信した車両情報が含む車両IDと記憶部15に記憶してある前接車両の車両情報が含む車両IDとが一致する場合、前接車両に変更がないと判断する。
通信装置1は、前接車両が新規であるか又は変更がないと判断した場合(S201:YES)、受信した車両情報を前接車両情報として記憶部15に記憶する(ステップS202)。そして通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立しているか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、自車両情報の前接リンクがTrueであるか否かを判断する。通信装置1は記憶部15に記憶してある自車両情報の前接リンクがTrueである場合に、前接車両と接続を確立していると判定する。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立していると判定した場合(S203:YES)、そのまま、接続確立を継続させて図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS107へ処理を戻す。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立していないと判定した場合(S203:NO)、即ち記憶部15に記憶してある自車両情報の前接リンクがFalseである場合、前接車両の通信装置1からの連続応答回数を1加算する(ステップS204)。連続応答回数は、初期的にはゼロに設定してある。通信装置1は、前接車両の通信装置1からの連続応答回数が所定回数(例えば、5)以上であるか否かを判断し(ステップS205)、所定回数未満であると判断した場合(S205:NO)、接続確立途中であるとして、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS107へ処理を戻す。
通信装置1は、前接車両の通信装置1からの連続応答回数が所定回数以上であると判断した場合(S205:YES)、前接車両の通信装置1との接続の確立を確定させる(ステップS206)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、記憶部15に記憶してある自車両の車両情報(自車両情報)の前接リンクをTrueに設定する。この場合、通信装置1は、連続応答回数をゼロに設定してリセットし(ステップS207)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS107へ処理を戻す。
通信装置1は、ステップS201において、前接車両は新規でなく前接車両に変更があると判断した場合(S201:NO)、既存の前接車両の通信装置1との接続を解除する(ステップS208)。具体的には通信装置1は情報処理部14により、前方車群内通信部11により受信した車両情報が含む車両IDと、記憶部15に記憶してある前接車両情報が含む車両IDとが一致しない場合、前接車両に変更があると判断する。そして、既に記憶部15に記憶していた前接車両情報を記憶部15から削除し、自車両情報の前接リンクをFalseに設定する。そして通信装置1は、今回前方車群内通信部11により受信した車両情報を前接車両情報として記憶部15に記憶する(ステップS209)。通信装置1は、当該前接車両からの連続応答回数を1にし(ステップS210)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS107へ処理を戻す。
通信装置1は図7のフローチャートに示した処理手順により、自身が送信した自車両情報を受信した前接車両の通信装置1が、自身宛に車両情報を複数回(例えば、5回)以上連続して送信し、通信装置1がこれを受信できた場合には、前接車両の通信装置1との通信が安定しているので接続を確立したと判定する。そして、前接車両の通信装置1との接続を確立している場合に通信装置1は基本的に、自車両は前接車両又は更に前方を走行中の車両が先頭(本当のリーダー車両)であると判断することが可能である。逆に通信装置1は、同じ前接車両の通信装置1から1回も、又は連続して複数回に亘って車両情報を受信できない場合には前接車両の通信装置1との通信が不安定なので接続を確立していないと判定する。この場合通信装置1は基本的に、自車両が先頭(本当のリーダー車両)であると判断することが可能である。
なお、通信装置1は前方車群内通信部11により、自身宛の車両情報を受信したのみで前接車両の通信装置1との接続を確立したと判定してもよい。
又は、以下のような条件により前接車両と確定するか否かを判断し、前接車両と確定しない場合には、通信装置1は前接車両に変更がないと判断したときでも(S201:YES)、距離が所定距離を超過し、前接車両と確定すべきでないときは連続応答回数をゼロに設定し、接続を確立していても接続を解除する。例えば、通信装置1は前接車両から受信した車両情報に含まれる前接車両の位置と自車両情報に含まれる自車両の位置との距離を算出し、距離が所定距離以下である場合に前接車両と確定する。この場合の所定距離は例えば、自車両の車両情報に含まれる速度に応じた適正車間距離とする。また、前接車両の進行方位と自車両の進行方位との角度差が所定角度(例えば30°)以内である場合に前接車両と確定する。更に、前接車両と自車両とが適正車間距離以内で同一車線上を走行しているか否かを判断し、同一車線上を走行している場合に前接車両と確定する。具体的には、前接車両及び自車両夫々の車両情報が含む位置に基づき、進行方位と直交する横方向における前接車両と自車両との距離が、例えば1メートル以内であるか否かを判断し、1メートル以内である場合に同一車線上を走行している前接車両と確定する。上述のような条件を満たす車両が複数ある場合には、車間距離が最も短い車両を前接車両と確定する。更に通信装置1は、自車両における方向指示器、アクセル、ブレーキ、変速機、ハンドル等の操作情報、カーナビゲーションの経路情報、又は各ECUの制御情報に基づき、自車が車線変更を予定しているなど、上述の条件を満たさなくなることが推定できる場合には前接車両を確定しないようにしてもよい。また、運転者によって前方の車両を前接車両又は後接車両としないように設定できるようにしてもよい。
図8は、本実施の形態における通信装置1が行なう後接車両又は他の車両から受信する情報の処理の詳細を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理手順は、図5及び図6のフローチャートに示したステップS108の処理の詳細に相当する。
通信装置1は、後方車群内通信部12により後接車両の通信装置1から車両情報を受信したか否かを判断する(ステップS301)。つまり、図5及び図6のフローチャートに示したように、各通信装置1,1,…は自車両情報を前方車群内通信部11により送信するので、通信装置1はこれを受信したか否かを判断する。
通信装置1は、後接車両の通信装置1から車両情報を受信したと判断した場合(S301:YES)、受信した車両情報(後接車両が送信した自車両情報)を後接車両情報として記憶部15に記憶する(ステップS302)。そして通信装置1は、後接車両の通信装置1から受信した車両情報に含まれる接続確立判断の結果を自身の後接車両との接続確立の判定に採用する(ステップS303)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、後接車両の通信装置1から受信した車両情報に含まれる前接リンクの値を自車両情報の後接リンクに複製する。後接車両の通信装置1が、自車両を前接車両として確定して接続を確立していると判定している場合には、後接車両の車両情報の前接リンクはTrueであるはずであり、確立途中である場合はFalseである。
次に通信装置1は、後接車両の通信装置1へ自車両情報を後方車内通信部16により送信し(ステップS304)、後接車両の通信装置1との接続を確立しているか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305において詳細には、通信装置1は自車両情報の後接リンク(後接車両情報の前接リンク)がTrueであるか否かを判断することにより、後接車両の通信装置1との接続を確立しているか否かを判定する。
通信装置1は、後接車両の通信装置1と接続を確立していると判定した場合(S305:YES)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS108へ処理を戻す。一方、後接車両の通信装置1と接続を確立していないと判定した場合(S305:NO)、通信装置1は情報処理部14により、記憶部15に記憶している自車群情報に従属車両要約情報が含まれているときには各従属車両要約情報に含まれているエージを所定値B2(エージ最大値B1よりも例えば2少ない値(B2=B1−2))に調整しておき(ステップS306)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理を戻す。なお、ステップS306における処理は、後接車両との接続が確立していない場合は従属する車両が存在しないときであるため、従属車両要約情報が削除されるようにするためである。ただし、情報処理部14は従属車両要約情報を直ぐに削除せずに、エージをエージ最大値B1よりも若干少ない値(例えば、B1よりも1〜3少ない値)に設定しておき、後の処理で適切に削除されるようにしておく。
通信装置1は、ステップS301で後接車両から車両情報を受信していないと判断した場合(S301:NO)、前回の周期で後接車両から車両情報を受信してから期間t2が経過したか否かを判断する(ステップS307)。期間t2は、各通信装置1,1,…が夫々自車両情報を更新して送信する周期Tと、前接車両からの車両情報に対する応答待ち時間の上限t1との和とする(t2=T+t1)。同じ後接車両からの車両情報が送信されるのであれば、前回受信時から周期Tで送信されるはずであるからである。
通信装置1は、期間t2が経過したと判断した場合(S307:YES)、前回の車両情報の送信元である通信装置1が配される後接車両が、車群から離脱したなどが推定できるので既存の後接車両の通信装置1との接続を解除する(ステップS308)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、既に記憶部15に記憶してある後接車両情報を記憶部15から削除し、自車両情報の後接リンクをFalseに設定する。そして通信装置1は、後接車両が存在しないから、情報処理部14により、記憶部15に記憶している自車群情報に従属車両要約情報が含まれている場合に各従属車両要約情報に含まれているエージを所定値B2に調整しておき(S306)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理を戻す。
通信装置1は、期間t2が経過していないと判断した場合(S307:NO)、後方車群内通信部12により後接車両から車両要約情報を受信したか否かを判断する(ステップS309)。具体的に通信装置1は情報処理部14により、車両要約情報パケットの中継車両IDと後接車両情報の車両IDとが一致する場合に、後接車両から車両要約情報を受信したと判断する。
通信装置1は、車両要約情報を受信したと判断した場合(S309:YES)、車両要約情報の送信元の後接車両の通信装置1(中継した通信装置1)との接続を確立する(ステップS310)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により自車両情報の後接リンクをTrueとする。車群要約情報を送信してきたということは、後接車両の通信装置1が前接車両(自車両)との接続を確立していると判定しており、通信装置1は後接車両における判定結果を採用するからである(ステップS303参照)。そして通信装置1は、後接車両から車両要約情報を受信した場合の処理を行ない(ステップS311)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理を戻す。なお、ステップS311における処理の詳細は後述にて詳細を説明する(図9参照)。
通信装置1は、ステップS309で車両要約情報を受信していないと判断した場合(S309:NO)、他車両から送信される車群情報を車群間通信部13により受信したか否かを判断する(ステップS312)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、車群間通信部13により受信した車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが、自車両情報の車両IDと一致しない場合に受信したと判断する。
通信装置1は、他車両から送信される車群情報を車群間通信部13により受信したと判断した場合(S312:YES)、情報処理部14により他車群情報として記憶部15に記憶し(ステップS313)、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理を戻す。なお、受信した車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDと、既に記憶部15に他車群情報として記憶してある車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが一致する場合、受信した車群情報によって上書きし、一致しない場合に新規の他車群情報として記憶する。
通信装置1は、ステップS312において、他車両からされる車群情報を車群間通信部13により受信していないと判断した場合(S312:NO)、そのまま図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理を戻す。
なお、ステップS301において後接車両の通信装置1から車両情報を受信したか否かの判断においては、上述の前接車両と確定するか否かの条件を満たすか否かを同様に判断し、後接車両と確定できる場合に、後接車両の通信装置1から車両情報を受信したと判断するようにしてもよい。つまり、例えば車両情報の送信元の通信装置1が配されている車両との車間距離が所定距離以内であって、進行方位の差異が所定角度以内であって、更に同一車線上を走行中である場合に後接車両であると確定する。また、複数の後接車両の通信装置1,1,…から車両情報を受信した場合、最も車間距離が短い車両を後接車両と確定する。
図9は、本実施の形態における通信装置1が行なう車両要約情報の受信処理の詳細を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理手順は、図8のフローチャートに示したステップS311の処理の詳細に相当する。
通信装置1は、後方車群内通信部12により後接車両の通信装置1から車両要約情報を受信した場合、車両要約情報パケットに含まれる中継回数に1を加算した値が所定回数S(例えば、20)以下であるか否かを判断する(ステップS401)。
通信装置1は、中継回数に1を加算した値が所定回数Sを超過すると判断した場合(S401:NO)、そのまま処理を戻す。したがって、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理が戻される。これにより、後接車両の通信装置1から車両要約情報を受信しても、当該車両要約情報が従属車両数の限度を超える車両の通信装置1からのものである場合はその送信元の通信装置1が配される車両は従属車両とならない。
通信装置1は、中継回数に1を加算した値が所定回数S以下であると判断した場合(S401:YES)、送信元の車両の車両要約情報に位置情報が含まれているときには位置情報が示す位置と、自車両の車両情報に含まれる位置情報が示す位置との間の直線距離が所定距離L以下であるか否かを判断する(ステップS402)。この場合の所定距離Lは、例えば、車群間通信部13による通信範囲400メートルの半分200メートルとする。自車群の最後尾の車両が車群通信部による通信範囲以上離れた後方に位置する場合、それよりも後方を走行中である他の車群に属する車両の通信装置1からの車群情報を受信できないからである。
通信装置1は、直線距離が所定距離L以下であると判断した場合(S402:YES)、受信した車両要約情報を車両要約情報パケットに含まれる中継回数に1を加算した順番で自車群情報に含まれる従属車両要約情報として記憶する(ステップS403)。これにより、自車群情報が適宜作成される。そして通信装置1は、車両要約情報の送信元の通信装置1が配される車両は車群の最後尾であるか否かを判断する(ステップS404)。具体的には、通信装置1は情報処理部14により、受信した車両要約情報に含まれる後接リンクがFalseであると判断した場合に、送信元の通信装置1が配される車両が車群の最後尾であると判断する。
通信装置1は、送信元の通信装置1が配される車両は車群の最後尾でないと判断した場合(S404:NO)、自車両情報の前接リンクを参照して自身が前接車両の通信装置1と接続を確立しているか否かを判定する(ステップS405)。通信装置1は情報処理部14により、自車両情報に含まれる前接リンクがTrueであると判断した場合、自身が前接車両の通信装置1と接続を確立していると判定する。通信装置1は前接車両と接続を確立していると判定した場合(S405:YES)、受信した車両要約情報を、中継回数を1加算し、中継車両IDを自車両情報の車両IDとして車両要約情報パケットに含めて前方車群内通信部11により前接車両へ中継し(ステップS406)、処理を戻す。これにより、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理が戻される。
通信装置1は、ステップS405において前接車両と接続を確立していないと判定した場合(S405:NO)、中継を行なわずに処理を戻す。これにより、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理が戻される。
通信装置1は、ステップS404において送信元の車両は車群の最後尾であると判断した場合(S404:YES)、既に自車群情報として記憶している車群情報に含まれる従属車両要約情報の内、送信元の車両よりも後方に相当する車両の従属車両要約情報のエージを所定値(B2)に調整し(ステップS407)、処理をステップS405に進める。具体的には通信装置1は情報処理部14により、自車群情報に含まれるステップS403で特定した(中継回数+1)番目よりも順番が後ろとなる従属車両要約情報のエージを所定値B2とする。後の処理により、これらの従属車両要約情報は削除されることとなるので、それまで従属車両であった車両の速度が低下して車間距離が長くなった場合など、該車両の通信装置1の前方車群内通信部11における前接車両との通信が不安定となったときには新たな車群に属することになるのでこれに対応できる。
通信装置1は、ステップS402において車両要約情報の送信元の通信装置1が配される車両と自車両との直線距離が所定距離L以下でないと判断した場合(S402:NO)、自車群情報に含まれる従属車両要約情報の内、送信元の車両以降の従属車両要約情報のエージを所定値(B2)に調整し(ステップS408)、処理を戻す。これにより、図5及び図6のフローチャートに示す処理手順の内のステップS104、S107又はS116へ処理が戻される。ステップS408において具体的には、通信装置1は情報処理部14により、自車群情報に含まれる(中継回数+1)番目以降の従属車両要約情報のエージを所定値B2とする。
なお、ステップS401における中継回数に1加算した数が所定回数S以下であるか否かの判断処理により、一の車群に含まれる車両数が所定回数Sと同数以下に制限される。車両要約情報の送信及び中継は、各車両の通信装置1,1,…が後方車群内通信部12により受信して前方車群内通信部11により送信することで為される。即ち、マルチホップ通信により実現される。したがって中継回数が多い車両要約情報ほど、後方の車両の通信装置1から送信される情報である。一の車群に含まれる車両数が多すぎる場合、最後尾の車両の通信装置1から送信される車両要約情報を受信するまでに要する時間がかかる。車両情報を更新、送信する周期T内に処理を終了するためには、最後尾の車両の通信装置1からの車両要約情報を受信するまでに要する時間を周期Tの20%程度に抑えることが望ましい。また、古い車両要約情報を用いる構成では走行制御に無効となる。
一の車両の通信装置1から前接車両の通信装置1への車両要約情報の送信、即ち後方車群内通信部12により受信してから前方車群内通信部11により送信を完了するまでに要する時間は、以下の式8のように算出される。
後方車群内通信部12及び前方車群内通信部11による通信速度=1Mbps、
車載LANにおける通信線17の通信速度=1Mbps又は500kbps、
車両要約情報のサイズ=20バイト、
後方から前方への送信完了までに要する時間
=20バイト/1Mbps+2×(20バイト/1Mbps)
=480マイクロ秒…(8)
周期Tが100ミリ秒とし、車群の最後尾の車両の通信装置1から送信される車両要約情報を受信するまでに要する時間を20ミリ秒に抑えるとした場合、中継回数の制限についての所定回数を、20ミリ秒の半分の期間10ミリ秒に中継を完了する回数とし、以下式9のように算出する。
所定回数=周期T×20%/2/一回の送信完了までに要する時間
=100ミリ秒×0.2/2/480マイクロ秒
=20…(9)
この場合、所定数Sを20とすることにより中継回数は19回に制限され、一の車群に属する車両数の制限は20台となる。
図7乃至図9のフローチャートに示した処理手順により、図5及び図6のフローチャートに示した処理の内の車群情報統合処理(S109)の手前までに、通信装置1は、車両情報の送受信によって前接車両及び後接車両の通信装置1,1との接続の確立の成否を判定し、前接車両の通信装置1との接続を確立している場合には他の装置から受信した車両要約情報を中継する。そして他の装置から受信した車両要約情報により自車群情報を適宜更新する。また、他の装置から車群情報を受信した場合には、夫々記憶部15に他車群情報として記憶する。このようにして、車群情報統合処理(S109)の手前までに通信装置1は、最新の自車群情報及び他車群情報を記憶部15に記憶している。自車群情報及び他車群情報には重複する自車両情報又は従属車両要約情報が含まれている可能性があるので、通信装置1は情報処理部14により、次の図10乃至図14のフローチャートに示す処理を行ない車両情報が重複しないように分離・結合を行なう。
図10乃至図12は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14が行なう車群情報統合処理の詳細を示すフローチャートである。図10乃至図12のフローチャートに示す処理手順は、図5及び図6のフローチャートに示したステップS109の処理の詳細に相当する。
情報処理部14は、作成及び更新されて記憶部15に記憶されている自車群情報を一時的に複製し、内部自車群情報として記憶部15に記憶する(ステップS501)。なお、内部自車群情報は、後述するように車群間通信部13により他車群へ送信する自車群情報と区別される情報である。当該通信装置1が配される車両の走行制御装置は、車群の状況に応じた処理を行なう際、内部自車群情報を使用する。
情報処理部14は、記憶部15に記憶されている自車群情報及び他車群情報の内、以下の条件を満たす車群情報を集合hとして抽出する(ステップS502)。ここでの条件とは、車群情報が示す車群が他の車群の後部に重ならないこと、又は車群情報が示す車群のリーダー車両が前接車両と接続を確立していることである。情報処理部14はステップS502において、上述の二つの条件のいずれかを満たす車群情報を抽出する。具体的には、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが、他の車群情報に含まれる従属車両要約情報の車両IDと一致しない場合に、当該車群情報を抽出する。又は、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の前接リンクがTrueである車群情報を抽出する。
ステップS502で情報処理部14が、車群情報が示す車群が他の車群の後部に重ならないもののみを抽出するのでなく、車群情報が示す車群のリーダー車両が前接車両と接続を確立しているものを抽出するのは、前接車両と接続を確立しているリーダー車両とする車群の車群情報は、ステップS504における抽出処理に漏れるためである。
情報処理部14は、ステップS502で抽出した車群情報の集合hの内、以下に示すステップS504以降の処理を未だ行なっていない車群情報を車群情報iとして注目する(ステップS503)。情報処理部14は、注目する車群情報iに対し、以下の条件を満たす他の車群情報を集合jとして抽出する(ステップS504)。条件とは、車群情報が示す車群が、注目する車群情報iが示す車群の後部に重なること、且つ車群情報が示す車群のリーダー車両が前接車両の通信装置1と接続を確立していないことである。情報処理部14はステップS504において上述の二つの条件の両方を満たす車群情報を抽出する。具体的には、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが、車群情報iに含まれる従属車両要約情報1,2,…,xのいずれかの車両IDと一致し、且つリーダー車両情報の前接リンクがFalseである車群情報を抽出する。
情報処理部14は、ステップS504で抽出した車群情報の集合jの内、未処理の車群情報が有るか否かを判断する(ステップS505)。情報処理部14は、集合jが空でなく、未処理の車群情報が有ると判断した場合(S505:YES)、集合jから以下の条件を満たす車群情報kを抽出する(ステップS506)。ここで条件とは、集合jの車群情報の内、車群情報iの車群と重なる車両の先頭の車群情報iが示す車群における位置が最も前方であることである。具体的には情報処理部14は、上述のステップS504において車群情報iに含まれる従属車両要約情報1,2,…,xのいずれかの車両IDと一致する車両IDを持つリーダー車両情報を含む車群情報の集合jを抽出した。ステップS506において情報処理部14は、最も順番が小さい従属車両要約情報の車両IDと一致する車両IDを持つリーダー車両情報を含む車群情報kを抽出する。
情報処理部14は、ステップS506で抽出した車群情報kと、重複する車両情報を含む車群情報iとを分離する処理を行ない(ステップS507)、分離処理後の車群情報kを車群情報iの集合である集合hに追加する(ステップS508)。ステップS507における車群情報分離処理については後述にて詳細を説明する(図13参照)。
情報処理部14は、このときに注目されている車群情報iが自身が配される車両をリーダー車両とする自車群情報であるか否かを判断する(ステップS509)。具体的には、情報処理部14は、車群情報iに含まれるリーダー車両情報の車両IDが、自車両情報の車両IDと一致するか否かにより判断し、一致する場合は自車群情報であると判断する。情報処理部14は、車群情報iが自車群情報であると判断した場合(S509:YES)、処理をステップS505へ戻し、集合jに含まれる他の車群情報について処理を行なう。一方、情報処理部14は、車群情報iが自車群情報でないと判断した場合(S509:NO)、処理を次のステップS510へ進める。
なおステップS509の処理は以下の理由で行なう。後述するように、車群情報i及び車群情報kに対するステップS507の車群情報分離処理は、車群情報iが示す車群の従属車両から、後部が重なる車群情報kが示す車群の車両を分離して新たな車群情報iとする処理である。したがって、最も前方で重なる車群情報kとの分離処理を行なうことにより、ステップS504で抽出した集合jの他の車群情報が示す車群はいずれも新たな車群情報iとは重複しなくなるので、車群情報iについての分離処理は終了する。ただし、ステップS507の車群情報分離処理では、車群情報iが自車群情報である場合は当該車群情報iに重複部分があっても自車群情報自体は分離しないように制御される。したがって、車群情報iはそのまま分離されずに残り、ステップS504で抽出した車群情報の集合jの各車群情報は、いずれも未だ車群情報iと重複する分を有したままとなる。そこで、自車群情報である車群情報iが示す車群の後部に重なる車群を示す車群情報全てに対し、車群情報処理を行なう必要があるので、ステップS509の判断処理を行なう。
次に、ステップS505で情報処理部14が車群情報の集合jに未処理の情報が無いと判断した場合(S505:NO)、又はステップS509で車群情報iが自車群情報でないと判断した場合(S509:NO)、情報処理部14は車群情報の集合hに、未処理の車群情報が有るか否かを判断する(ステップS510)。情報処理部14は、未処理の車群情報が有ると判断した場合(S510:YES)、処理をステップS503へ戻し、他の未処理の車群情報を車群情報iとしてステップS504以降の処理を行なう。
情報処理部14は、ステップS510で未処理の車群情報が無いと判断した場合(S510:NO)、集合hを削除し、改めて以下の条件を満たす車群情報を集合hとして抽出する(ステップS511)。なおここでの対象の車群情報は、上述のステップS504からステップS509までの処理を行ない分離処理された後の車群情報も対象である。またステップS511における抽出の条件は、車群情報が示す車群が他の車群の後部に重ならないこと、又は車群情報が示す車群のリーダー車両が前接車両と接続を確立していないことである。情報処理部14はステップS511において、上述の二つの条件のいずれかを満たす車群情報を抽出する。具体的には、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが、他の車群情報に含まれる従属車両要約情報の車両IDと一致しない場合に、当該車群情報を抽出する。又は、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の前接リンクがFalseである車群情報を抽出する。
情報処理部14は、ステップS511で抽出した車群情報の集合hの内、以下に示すステップS513以降の処理を未だ行なっていない車群情報を車群情報iとして注目する(ステップS512)。情報処理部14は、注目する車群情報iに対し、以下の条件を満たす他の車群情報を集合jとして抽出する(ステップS513)。ここでの条件とは、車群情報が示す車群が、注目する車群情報iが示す車群の後方に重なること、且つ車群情報が示す車群のリーダー車両が前接車両の通信装置1と接続を確立していることである。情報処理部14はステップS513において上述の二つの条件の両方を満たす車群情報を抽出する。具体的には、情報処理部14は、車群情報に含まれるリーダー車両情報の車両IDが、車群情報iに含まれる従属車両要約情報1,2,…,xのいずれかの車両IDと一致し、且つリーダー車両情報の前接リンクがTrueである車群情報を抽出する。
次に情報処理部14は、ステップS513でで抽出した車群情報の集合jの内、未処理の車群情報が有るか否かを判断する(ステップS514)。情報処理部14は、集合jが空でなく、未処理の車群情報が有ると判断した場合(S514:YES)、集合jから以下の条件を満たす車群情報kを抽出する(ステップS515)。ここで条件とはステップS506同様に、集合jの車群情報の内、車群情報iの車群と重なる車両の先頭の車群情報iが示す車群における位置が最も前方であることである。
情報処理部14は、ステップS515で抽出した車群情報kを車群情報iと結合した場合、車群の従属車両数が所定数S以内となるか否かを判断する(ステップS516)。具体的には情報処理部14は、車群情報iの車群と重複する車両の先頭の車群情報iが示す車群における順番と、車群情報kが示す車群の車両数との合計が所定数以内となるか否かを判断する。ここで、結合した場合に車両数の合計が所定数S以内となるか否かを判断する意義は、車両要約情報の中継回数の限度を所定回数S以内としたことと同様であって、従属車両の数に制限を与えるためである。
情報処理部14は、ステップS516において所定数S以内となると判断した場合(S516:YES)、車群情報kを車群情報iへ結合する処理を行ない(ステップS517)、処理をステップS514へ戻し他の車群情報についての処理を継続する。ステップS517における車群情報結合処理については後述にて詳細を説明する(図14参照)。
情報処理部14は、ステップS516において所定数S以内とならないと判断した場合(S516:NO)、車群情報kは自車群情報であるか否かを判断する(ステップS518)。具体的に情報処理部14は、車群情報kに含まれるリーダ車両情報の車両IDが自車両情報の車両IDと一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合に自車両情報であと判断する。情報処理部14は、車群情報kが自車群情報であると判断した場合(S518:YES)、自車両について前接車両の通信装置1との接続を解除する(ステップS519)。具体的には自車両情報の前接リンクをFalseに設定し、連続応答回数をゼロに設定しなおす。自車群情報を他の車群情報iを結合した場合に従属する車両数が所定数Sを超えるときには自車群情報は、独立した車群を示す車群情報のままとなるようにリーダー車両の前接リンクをFalseに設定しておく。
そして情報処理部14は、車群情報iと車群情報kに対して車群情報分離処理を行なう(ステップS507)。ステップS518において情報処理部14が車群情報kが自車群情報でないと判断した場合も(S518:NO)、車群情報分離処理を行なう(ステップS507)。次に情報処理部14は、分離処理後の車群情報kを車群情報の集合hに追加し(ステップS520)、集合hに未処理の車群情報が有るか否かを判断する(ステップS521)。
なお情報処理部14は、ステップS514において集合jが空か、又は未処理の車群情報が無いと判断した場合も(S514:NO)、処理をステップS521へ進めて集合hに未処理の車群情報が有るか否かを判断する(S521)。
情報処理部14は、集合hに未処理の車群情報が有ると判断した場合(S521:YES)、処理をステップS512へ戻し、他の車群情報を車群情報iとしてステップS513以降の処理を行なう。情報処理部14は、集合hに未処理の車群情報が無いと判断した場合(S521:NO)、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS110へ処理を戻す。
次に、図10乃至図12のフローチャートに示した車群情報統合処理の内の、車群情報分離処理及び車群情報結合処理について詳細を説明する。図13は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14が行なう車群情報分離処理の詳細を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す処理手順は、図10乃至図12のフローチャートに示したステップS507の処理の詳細に相当する。
情報処理部14は、抽出した車群情報kに対し、注目する車群情報iは自車群情報であるか否かを判断する(ステップS61)。車群情報iが自車群情報であるか否かは、リーダー車両情報の車両IDが自車両情報の車両IDと一致するか否かにより判断する。
情報処理部14は、ステップS61で車群情報iは自車群情報でなく他車群情報であると判断した場合(S61:NO)、他車群情報iから重なる車両に相当する従属車両要約情報を削除し(ステップS62)、図10乃至図12のフローチャートに示した処理手順の内のステップS508又はS520へ処理を戻す。
情報処理部14は、ステップS61で車群情報iが自車群情報であると判断した場合(S61:YES)、自車群情報自体からは従属車両情報を削除しない。この場合、情報処理部14は、自車群情報iの内の車群情報kと重なる車両に相当する従属車両要約情報の内容を、車群情報kに含まれる対応する従属車両要約情報に書き換える(ステップS63)。そして情報処理部14は、自車両情報iの内の車群情報kと重なる車両に相当する従属車両要約情報のエージを所定値B2に調整して後の処理で削除されるようにする(ステップS64)。次に情報処理部14は、図10乃至図12のフローチャートのステップS501に示したように予め自車群情報を複製しておいた内部自車群情報から、車群情報kと重なる車両に相当する従属車両要約情報を削除し(ステップS65)、図10乃至図12のフローチャートに示した処理手順の内のステップS508又はS520へ処理を戻す。
図13のフローチャートに示した車群情報分離処理により、車群情報iと車群情報kとで車両情報が重複しないように分離される。ただし、車群情報iが自車群情報である場合には、予め複製しておいた内部自車群情報を分離するようにして他の通信装置1,1,…へ送信する自車群情報自体は最新情報となるように更新するのみにしておき、他の通信装置1,1,…が漏れなく車群情報を受信できるようにしておく。
図14は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14が行なう車群情報結合処理の詳細を示すフローチャートである。図14のフローチャートに示す処理手順は、図10乃至図12のフローチャートに示したステップS517の処理の詳細に相当する。
情報処理部14は、注目する車群情報iと車群情報kとで重なる車両の従属車両要約情報を新しく書き換える(ステップS71)。車群情報iが自車群情報である場合は、内部自車群情報についても車群情報iと同様の処理を行なう。具体的には情報処理部14は、車群情報iと車群情報kとで同一の車両IDを有する従属車両要約情報を参照し、夫々車群情報のエージと従属車両要約情報のエージとの和を算出する。情報処理部14は、車群情報kにおける和が車群情報iにおける和よりも小さい場合に、車群情報kの従属車両要約情報により車群情報iの従属車両要約情報を書き換える。このときエージは車群情報のエージと従属車両要約情報のエージとの和が保存されるように、車群情報kのエージから車群情報iのエージを差し引いた値と、車群情報kの従属車両要約情報のエージの和とする。また、車群情報iの従属車両要約情報の車両IDと、車群情報kのリーダー車両情報の車両IDとが一致する場合は、従属車両要約情報のエージと車群情報iのエージとの和と、車群情報kのエージとを比較する。情報処理部14は、車群情報kのエージが小さいと判断できる場合は、車群情報kのリーダー車両情報で車群情報iの従属車両要約情報を書き換える。このときエージは、車群情報のエージと従属車両要約情報のエージとの和が保存されるように、車群情報kのエージから車群情報iのエージを差し引いた値とする。
なお、車群情報iと車群情報kとを比較して車群情報iに抜けがある場合には、車群情報kに含まれる従属車両要約情報を車群情報iの抜けを埋めるように追加する。このときエージは、車群情報のエージと従属車両要約情報のエージとの和が保存されるように、車群情報kのエージから車群情報iのエージを差し引いた値と、車群情報kの従属車両要約情報のエージとの和とする。車群情報kが示す車群が、車群情報iが示す車群に実際に結合しつつある状況では、車群情報iの車群のリーダー車両は車群情報kの車群に含まれる従属車両の内の一部からのみ車両要約情報を受信している状態にある可能性があるからである。
次に情報処理部14は、車群情報kが示す車群は、車群情報iが示す車群よりも後方へ伸びているか否かを判断する(ステップ72)。具体的には情報処理部14は、車群情報iのn番目の従属車両要約情報の車両IDと、車群情報kのリーダー車両情報の車両IDとが一致する場合、車群情報iの車群車両数からnを引いた数と、車群情報kの従属車両数とを比較する。情報処理部14は、車群情報iの車群車両数からnを引いた数よりも車群情報kの従属車両数が多い場合に、車群情報kが示す車群は、車群情報iが示す車群よりも後方へ伸びていると判断する。
情報処理部14は、ステップS72において車群情報kが示す車群は車群情報iが示す車群よりも後方へ伸びていると判断した場合(S72:YES)、車群情報kに含まれる従属車両要約情報の内の、車群情報iよりも伸びている後方分の従属車両要約情報を車群情報iへ追加し(ステップS73)、処理をステップS74へ進める。
ただしステップS73において、情報処理部14は車群情報iが自車群情報である場合には車群情報iには後方分の従属車両要約情報を追加することなしに、予め複製してある内部自車群情報に追加する。
情報処理部14は、ステップS72において車群情報kが示す車群は車群情報iが示す車群よりも後方へ伸びていないと判断した場合も(S72:NO)、処理をステップS74へ進める。そして情報処理部14は、車群情報kは自車群情報であるか否かを判断する(ステップS74)。情報処理部14は、車群情報kのリーダー車両情報の車両IDが自車両情報の車両IDと一致する場合、車群情報kは自車群情報であると判断する。情報処理部14は、車群情報kは自車群情報でないと判断した場合(S74:NO)、車群情報kを記憶部15から削除し(ステップS75)、図10乃至図12のフローチャートに示した処理手順の内のステップS514へ処理を戻す。
情報処理部14は、車群情報kは自車群情報であると判断した場合(S74:YES)、車群情報kは自車群情報として維持したまま内部車群情報を削除し(ステップS76)、図10乃至図12のフローチャートに示した処理手順の内のステップS514へ処理を戻す。
なお、ステップS74で車群情報kが自車群情報であると判断した場合に(S74:YES)、自車群情報は維持したまま内部車群情報を削除する処理を行なう。これは、通信装置1は情報処理部14により、各通信装置1,1,…から送信された車両要約情報を中継回数に対応付けて自車群情報を作成する。この際通信装置1は自情報処理部14により、車両要約情報の中継回数に1を加算した数が所定数Sを超える場合には当該車両要約情報を従属車両要約情報としない制御(図9、S401)、及び距離がL以下でない場合も従属車両要約情報としない制御(図9、S402)を行なっている。自車群情報が示す車群が他車群情報が示す車群に実際に結合しつつある場合でも、この時点で自車群情報自体を削除する構成では、自車群情報が示す車群の末尾の車両が従属車両数の制限によって他の車群情報から漏れる可能性が考えられる。重複する車両情報は、各通信装置1,1,…が夫々統合処理を行なって重複しないように調整するので問題ない。したがって、自身の走行制御に用いられる内部自車群情報のみ削除し、自車群情報は他の通信装置1,1,…へ送信するために削除せずに維持しておく。
図14のフローチャートに示した車群情報結合処理により、車群情報kは車群情報iに結合され、走行制御に用いられる車群情報では重複するリーダー車両情報又は従属車両要約情報がなくなる。
次に、図10乃至図14のフローチャートに示した処理手順によって車群情報を分離及び/又は結合した後に、通信装置1が自車群情報及び自車両要約情報を他の通信装置1へ送信する処理について説明する。
図15は、本実施の形態における通信装置1が行なう自車群情報の送信処理の詳細を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示す処理手順は、図5及び図6のフローチャートに示したステップS110の処理の詳細に相当する。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立しているか否かを判定する(ステップS81)。具体的には通信装置1は、記憶部15の自車両情報の前接リンクがTrueである場合に前接車両の通信装置1と接続を確立していると判定する。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立していないと判定した場合(S81:NO)、記憶部15に記憶している自車群情報を車群間通信部13により他の通信装置1,1,…へ送信し(ステップS82)、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS111へ処理を戻す。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立していると判定した場合(S81:YES)、最新の自車両情報の要約を従属車両要約情報として含む他車群情報が有るか否かを判断する(ステップS83)。具体的には通信装置1は情報処理部14により、自車両情報の車両IDと、記憶部15の他車群情報に含まれる従属車両要約情報の車両IDとが一致し、且つ当該他車群情報のエージ及び当該従属車両要約情報のエージがゼロである場合、最新の自車両情報の要約を従属車両要約情報として含む他車群情報が有ると判断する。最新の自車両情報の要約を含む他車群情報が他の通信装置1から送信されているということは、自身が配されている車両は前方の車両をリーダー車両とする車群に属しており、自身が自車群情報を送信せずとも、そのリーダー車両から送信されるのでよいと判断できるからである。
通信装置1は、ステップS83において最新の自車両情報の要約を従属車両要約情報として含む他車群情報が有ると判断した場合(S83:YES)、そのまま処理を図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS111へ戻す。通信装置1は、ステップS83において最新の自車両情報の要約を従属車両要約情報として含む他車群情報が無いと判断した場合(S83:NO)、自車群情報を車群間通信部13により送信し(S82)、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS111へ処理を戻す。この場合、自車両を従属車両として車群情報を送信している通信装置1が存在しないので、車群情報を相互に漏れなく送受信するためには自身が送信すべきだからである。
図16は、本実施の形態における通信装置1が行なう自車両要約情報の送信処理の詳細を示すフローチャートである。図16のフローチャートに示す処理手順は、図5及び図6のフローチャートに示したステップS111の処理の詳細に相当する。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立しているか否かを判定し(ステップS91)、接続を確立していると判定した場合に(S91:YES)、前方車群内通信部11により前接車両へ、自車両情報を抜粋した自車両要約情報を送信し(ステップS92)、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS112へ処理を戻す。
通信装置1は、前接車両の通信装置1との接続を確立していないと判定した場合(S91:NO)、自車両要約情報の送信を行なうことなしに、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS112へ処理を戻す。
このように通信装置1は、上述の図7乃至図16のフローチャートに示した各サブルーチンにおける処理を行ないながら、図5及び図6のフローチャートに示した処理のステップS102からステップS116までの処理を周期Tで行なう。これにより、各通信装置1,1,…は、自身の最新の車両情報を更新し、通信装置1自身又は通信装置1が配される車両を従属車両とする車両の通信装置1がその最新の車両情報を含む車群情報を送受信する。また、自身が作成した自車群情報及び他の通信装置1,1,…から受信した他車群情報をリーダー車両情報又は従属車両要約情報が重複しないように分離・結合することにより、時々刻々と変化する各時点における車群の状況にあった車群情報とすることができる。したがって、走行制御装置は適切な車群情報を用いて走行制御を行なうことができる。
次に、情報処理部14による車群情報統合処理を具体例を挙げて説明する。
図17は、本実施の形態における通信装置1による車群内通信及び車群間通信を模式的に示す説明図である。図17は、交差点及びその近傍を走行する複数の車両の、ある時点での様子を上方から示している。車両V1の通信装置1は、車両V2の通信装置1からの車両要約情報、並びに車両V3,V4,V5夫々の通信装置1,1,1から送信されてマルチホッピング通信により中継された車両要約情報を受信し、夫々を従属車両要約情報として含む自車群情報を記憶している。
また、図17の説明図に示すように車両V1の通信装置1は、車両V1,V2,V3,V4,V5からなる車群の状況を示す自車群情報のみならず、車両V7の通信装置1からは車両V7をリーダー車両として2台分の従属車両要約情報を含む他車群情報を受信して記憶する。同様に、車両V8の通信装置1から車両V8をリーダー車両とする他車群情報を受信し、車両V9の通信装置1から車両V9をリーダー車両とする他車群情報を受信し、車両V10の通信装置1からも車両V10をリーダー車両とする他車群情報を受信して記憶する。そして車両V6の通信装置1からも他車群情報を受信する。
これにより、車両V1の走行制御装置は、車両V1,V2,V3,V4,V5からなる車群を一の長い車両とみなして走行制御を行なう。他の車群についても例えば車両V7をリーダー車両とする3台の車群、車両V8をリーダー車両とする3台の車群、車両V9をリーダー車両とする5台の車群及び車両V10をリーダー車両とする4台の車群を夫々一台の長い車両とみなして、夫々との衝突等を回避すべく走行制御を行なう。これにより、各通信装置1,1,…間で夫々通信を行なう場合よりも通信負荷が低減されると共に、各車両夫々との距離を算出して処理を行なう場合よりも、制御処理の負荷が軽くなることが期待される。混雑した道路でも、帯域不足が解消され、且つ各走行制御装置での事故防止のための走行制御がスムーズに行なわれることが期待される。
図17の説明図に示したように自車群情報及び他車群情報を用いて走行制御が可能となる。しかしながら、各車両V1,V2,…は夫々走行中である。したがって、例えば車両V5が減速する、又は車両V3が左折する等により、車群は時々刻々とその編成を変化させる。各車両V1,V2,…の通信装置1,1,…は夫々図5乃至図16のフローチャートに示した処理を行なって、自車群情報及び他車群情報に対する統合処理を行なうことにより、時々刻々と変化する車群の状況に対応した車群情報とする。
図18は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14による車群情報の統合処理の過程を模式的に示す説明図である。図18の上部から下部へ時間の経過を表わし、左半分に車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例、右半分に車両V9の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例を模式的に示している。なお、車両V1と車両V9とは、図17の説明図に示したような位置関係で走行しており、夫々異なる車群に属しているとする。
ある時点で、車両V1の通信装置1は、自身が配される車両V1をリーダー車両とし、車両V2,V3,V4,V5を従属車両とする車群を示す車群情報を自車群情報と記憶部15に記憶している。車両V1の通信装置1が、前接車両の通信装置1との接続を確立しておらず、又は自身の最新情報を要約として含む他車群情報を受信していない場合(図15、S81:NO、S83:NO)、他の通信装置1,1,…へ自車群情報を送信するので(同、S82)、車両V9も受信して他車群情報として記憶している。
その後の時点で車両V4が減速したことにより、車両V4の通信装置1がそれまで前接車両として確定していた車両V3の通信装置1との通信が不安定となり、接続を解除したとする。この場合車両V4は、前接車両(車両V3)の通信装置1との接続を確立していないと判定して(同、S81:NO)、自車群情報として車両V4をリーダー車両として車両V5を従属車両とする車群情報を送信する(同、S82)。車両V1の通信装置1も、車両V9の通信装置1も車両V4の通信装置1から送信された車群情報を受信し、他車群情報として記憶する。
そして車両V1の通信装置1及び車両V9の通信装置1は夫々、自車群情報及び他車群情報に対する統合処理を以下のように行なう。ただし、車両V1の通信装置1の処理では、車両V4から受信した他車群情報と自車群情報とが重複するので単純に分離・結合処理を行なわない。
車両V9の通信装置1の情報処理部14は、車両V1をリーダー車両とする車群情報iが示す車群の後部に、車両V4をリーダー車両とする車群情報が示す車群が重なり、且つ車両V4の通信装置1が前接車両の通信装置1と接続を確立していないので当該車群情報を車群情報の集合jとして抽出する(図10、S504)。そして、車両V4から送信された車群情報を車群情報kとして抽出し(同、S506)、車群情報分離処理を行なう(同、S507)。車両V9の通信装置1の情報処理部14は車群情報分離処理内で、車群情報iを自車群情報でないと判断するので(図13、S61:NO)、車両V1をリーダー車両とする車群情報から、車群情報kと重複する車両V4及び車両V5の従属車両要約情報を削除し(同、S62)、車群情報iとする。これにより、車両V9の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報は、車両V1,V2,V3からなる車群を示す他車群情報1と、車両V4,V5からなる車群を示す他車群情報2となり、現実の状況に即した情報となる。
車両V1の通信装置1の情報処理部14でも、車両V1をリーダー車両とする車群情報iに対し、車両V4の通信装置1から送信された車群情報を車群情報kとして抽出し(図10、S506)、車群情報分離処理を行なう(同、S507)。しかしながら、車両V1の通信装置1では車群情報分離処理内で、情報処理部14は車群情報iを自車群情報と判断するので(図13、S61:YES)、図18に示すように自車群情報は分離せず、内部自車群情報から重複する車両V4及び車両V5の従属車両要約情報を削除する(同、S65)。なおこのとき、自車群情報の車両V4及び車両V5夫々の従属車両要約情報の内容は、車群情報kのリーダー車両情報及び従属車両要約情報の内容に書き換える(同、S63)。これにより、車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報は、車両V1,V2,V3,V4,V5からなる自車群情報と、車両V4,V5からなる車群を示す他車群情報と、車両V1,V2,V3からなる車群を示す内部自車群情報となる。車両V1の走行制御装置が車群情報を使用する場合に自車群情報を使用するときには、内部自車群情報を使用する。これにより制御に用いられる車群情報は現実の車群の状況に即した情報となる。
なお、車両V1の通信装置1では自車群情報については分離しないのは、以下の理由による。上述の説明では車両V9の通信装置1は車両V4から送信された車群情報を受信して他車群情報2として記憶した。しかしながら、通信装置1,1,…間の通信は無線により実現され、車両が多数近接して走行している場合には必ず送受信が成功するとは限らない。車両V1の通信装置1が、自車群情報と重複する従属車両要約情報を含む他車群情報を受信した時点で直ぐに、自車群情報から重複分の従属車両要約情報を削除して他の通信装置1,1,…へ送信する構成とした場合、車両V9の通信装置1が車両V4から送信された車群情報を受信できなかったときには、車両V9の通信装置1は車両V4及び車両V5の車両要約情報を受信できない。この場合、車両V9の走行制御に対して、車両V4及び車両V5の情報が漏れることによって危険な状態となる可能性もある。この点、図13の処理によって漏れなく車群情報が送受信される。重複する車群情報が送信されても、各通信装置1,1,…が夫々統合処理を行ない、重複分を分離するので支障をきたさない。
次に、車群情報分離処理の具体例を場合を分けて説明する。図19は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14による車群情報分離処理の具体例を示す説明図である。なお、図19の説明図は、図17の説明図に示した位置関係で走行している車両V1,V2,…,V9,…の内の車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例を模式的に示すものである。
図19(a)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、車両V9の通信装置1から受信した車群情報と車両V12の通信装置1から受信した車群情報とに基づいて車群情報を分離する処理の例を示す。図19(b)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、車両V21の通信装置1から受信した車群情報と自車群情報とに基づいて車群情報を分離する処理の例を示す。図19(c)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、自車群情報と車両V4から受信した車群情報とに基づいて車群情報を分離する処理の例を示す。
図19(a)に示すように、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、車両V9の通信装置1から受信した車群情報iに対し、車両V12の通信装置1から受信した車群情報を車群情報kとして抽出する(図10、S506)。車両V12の通信装置1から受信した車群情報が示す車群(車両V12,V13,V14,V15)が、車群情報iが示す車群(車両V9,V11,V12,V13,V14)の後部に重なるからである。なお、他に車群情報iが示す車群(車両V9,V11,V12,V13,V14)の後部に重なる車群を示す車群情報が集合jに有る場合であっても、その車群が例えば車両V13を先頭とする車群である場合は、車群情報iが示す車群ににおける位置が最も前方となる車群は依然として、車両V12の通信装置1から受信した車群情報が示す車群である。
情報処理部14は、車群情報i及び車群情報kはいずれも他車群情報であるので(図13、S61:NO)、車群情報iから重複する車両V12,V13,V14の分の従属車両要約情報を削除する(同、S62)。これにより、車群情報iは車両V9,V11からなる車群を示し、車群情報kは車両V12,V13,V14,V15からなる車群を示す。
図19(b)に示す例の場合、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、車両V21(図17には図示せず)から受信した車群情報iに対し、自車群情報を車群情報kとして抽出する。自車群情報が示す車群(車両V1,V2,V3,V4,V5)が、車両V21の通信装置1から受信した車群情報が示す車群(車両V21,V22,V1,V2,V3)の後部に重なるからである。情報処理部14は、車群情報iは自車群情報でないので(図13、S61:NO)、車群情報iから重複する車両V1,V2,V3の分の従属車両要約情報を削除する(同、S62)。このように、他車群情報から自車群情報を分離する際には自車群情報及び内部自車群情報はそのまま維持される。
図19(c)に示す例の場合、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、自車群情報である車群情報iに対し、車両V4の通信装置1から受信した車群情報を車群情報kとして抽出する。車両V4の通信装置1から受信した車群情報が示す車群(車両V4,V5,V6)が、自車群情報が示す車群(車両V1,V2,V3,V4,V5)の後部に重なるからである。情報処理部14は、車群情報iが自車群情報であるので(図13、S61:YES)、車群情報iはそのまま残し、車群情報iの複製である内部自車群情報から重複する車両V4及び車両V5の分の従属車両要約情報を削除する(同、S65)。そして、上述したように車群情報iの車両V4及び車両V5の分の従属車両要約情報は、車群情報kに含まれる車両V4のリーダー車両情報の内容及び車両V5の従属車両要約情報の内容のエージ以外に書き換える(同、S63)。そして自車群情報である車群情報iの車両V4及び車両V5のエージを調整する(同、S64)。このように、自車群情報から他車群情報を分離する処理を行なう際には、自車群情報については重複分の内容のみ更新して残す、内部自車群情報から重複分を削除するようにする。
図20は、本実施の形態における通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報が車群情報分離処理によって状況に即した情報となる過程を模式的に示す説明図である。なお、図20の説明図は図18の説明図同様に、上部から下部へ時間の経過を表わし、車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例、車両V4の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例、及び車両V9の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例を模式的に示している。なお、車両V1と車両V4と車両V9とは、図17の説明図に示したような位置関係で走行している。なお、図20における車群情報の分離処理による過程は図18及び図19で説明した過程と同様であり、重複するので詳細な説明は省略する。
図20で注目すべきは、各時点で車両V1、車両V4及び車両V9夫々の通信装置1,1,1の記憶部15に記憶されている自車群情報及び他車群情報の内容は必ずしも一致していないが、内部自車群情報と他車群情報とは夫々、現実の車群の状況の推移に即した内容となっていることである。車両V1が自車群情報から重複する車両V4及び車両V5の従属車両要約情報を削除せず送信したとしても、各通信装置1,1,1が統合処理を行なうことによって夫々で走行制御に用いる情報は現実に即したものとなる。そして、上述で説明したとおり、車両V9が車両V4から送信される車群情報(他車群情報2)を受信できない場合であっても、車両V1の通信装置1から車両V4及び車両V5の車両情報を従属車両情報として含む車群情報が送信されるので、漏れがない。車両V6についても他の通信装置1から送信されている可能性が高い。
なお、車両V1の通信装置1が記憶している自車群情報に含まれる車両V4及び車両V5の従属車両要約情報は、通信装置1が車両V4から車両V4及び車両V5からなる車群を示す車群情報を受信した場合、夫々のエージは所定値B2となっている。所定値B2は、削除対象となる従属車両要約情報のエージ最大値B1よりも2少ない値とした。したがって、当該周期でエージが1加算されるので(図6、S112)、次の周期が到来した時点でエージが所定値B1以上となり、削除される(同、S113)。このように他車群情報と重複する従属車両要約情報でも直ぐに削除せずに送信する自車群情報には残しておくことにより、漏れのない送受信が可能となる。
次に、車群情報結合処理の具体例を場合を分けて説明する。図21は、本実施の形態における通信装置1の情報処理部14による車群情報結合処理の具体例を示す説明図である。なお、図21の説明図は、図17の説明図に示した位置関係で走行している車両V1,V2,…,V9,…の内の車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例を模式的に示すものである。
図21(a)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、車両V9の通信装置1から受信した車群情報と車両V12の通信装置1から受信した車群情報とに基づいて車群情報を結合する処理の例を示す。図21(b)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、車両V21の通信装置1から受信した車群情報と自車群情報とに基づいて車群情報を結合する処理の例を示す。図21(c)は、車両V1の通信装置1が情報処理部14により、自車群情報と、車両V4から受信した車群情報とに基づいて車群情報を結合する処理の例を示す。
図21(a)に示すように、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、車両V9の通信装置1から受信した車群情報iに対し、車両V12の通信装置1から受信した車群情報を車群情報kとして抽出する(図11、S515)。ただし、車両V12の通信装置1から受信した車群情報が示す車群(車両V12,V13,V14,V15)が、車群情報iが示す車群(車両V9,V11,V12,V13,V14)の後部に重なり、且つ車両V12の通信装置1から受信した車群情報のリーダー車両V12が、前接車両(V11)の通信装置1と接続を確立している場合である。
情報処理部14は、抽出した車群情報kが示す車群、車群情報iが示す車群よりも後方に伸びていると判断し(図14、S72:YES)、車両V15の従属車両要約情報を車群情報iに追加する(同、S73)。そして情報処理部14は、車群情報kとして抽出した車群情報は自車群情報でないので(同、S74:NO)、車群情報kを記憶部15から削除する(同、S75)。これにより、車両V9の通信装置1から受信した車群情報iと車両V12の通信装置1から受信した車群情報kとが結合される。
図21(b)に示す例の場合、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、車両V21(図17には図示せず)から受信した車群情報iに対し、自車群情報を車群情報kとして抽出する。ただし、自車群情報が示す車群(車両V1,V2,V3,V4,V5)が、車両V21から受信した車群情報が示す車群(車両V21,V22,V1,V2,V3)の後部に重なり、且つ自車両V1が前接車両(V22)との接続を確立している場合である。
情報処理部14は、車群情報kとして抽出した自車群情報が示す車群は、車群情報iが示す車群よりも後方に伸びていると判断し(図14、S72:YES)、自車群情報の車両V4及び車両V5の従属車両要約情報を車群情報iに追加する(同、S73)。情報処理部14は、車群情報kが自車群情報であるので(同、S74:YES)、車群情報kはそのまま維持し、複製しておいた内部自車群情報は削除する(同、S76)。これにより、記憶部15には、車両V21,V22,V1,V2,V3,V4,V5からなる車群を示す車群情報と、車両V1,V2,V3,V4,V5からなる車群を示す車群情報とがいずれも記憶される。車両V1の走行制御装置が車群情報を用いる場合、自身は他の車群に属していると判断しつつ、自車群情報を用いて他車群情報が示す車群との衝突を回避する制御を行なうことが可能である。
図21(c)に示す例の場合、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、自車群情報である車群情報iに対し、車両V4から受信した車群情報を車群情報kとして抽出する。ただし、車両V4から受信した車群情報が示す車群(車両V4,V5,V6)が、自車群情報が示す車群(車両V1,V2,V3,V4,V5)の後部に重なり、且つ車両V4が前接車両(V3)との接続を確立している場合である。
情報処理部14は、車両V4の通信装置1から受信した車群情報が示す車群は、自車群情報である車群情報iが示す車群よりも後方に伸びていると判断する(図14、S72:YES)。ただし、車群情報iは自車群情報であるので内部自車群情報に、後方分の車両V6の従属車両要約情報を追加する(同、S73)。そして情報処理部14は、車群情報kは自車群情報でないので削除する(同、S74:NO、S75)。これにより、車両V4の通信装置1から受信した車群情報が内部自車群情報へ結合される。
図22は、本実施の形態における通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報が車群情報結合処理によって状況に即した情報となる過程を模式的に示す説明図である。図22の説明図は、上部から下部へ時間の経過を表わし、車両V1の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例、車両V3の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例、及び車両V9の通信装置1の記憶部15に記憶される車群情報の例を模式的に示している。なお、車両V1と車両V3と車両V9とは、図17の説明図に示したような位置関係で走行している。
ある時点で、車両V3の通信装置1は、自身が配される車両V3をリーダー車両とし、車両V4,V5,V6を従属車両とする車群を示す車群情報を自車群情報として記憶部15に記憶している。そして車両V3の通信装置1は自車群情報を他の車両の通信装置1,1,…へ車群間通信部13により送信した。したがって車両V1及び車両V9の通信装置1,1夫々でも車両V3の通信装置1から送信された車群情報を受信し、他車群情報として記憶部15に記憶している。この時点で、車両V3から送信された車群情報のリーダー車両V3は、前接車両の通信装置1と接続を確立していないとする。したがって、各車両V1、車両V3及び車両V9で記憶している車群情報(車両V3,V4,V5,V6からなる車群)のリーダー車両情報(V3)の前接リンクはFalseである。
次の時点で、車両V1の通信装置1も、自身が配される車両V1をリーダー車両とし、車両V2を従属車両とする車群を示す車群情報を自車群情報として記憶部15に記憶すると共に、車群間通信部13により他の通信装置1,1,…へ送信した。したがって車両V3及び車両V9の通信装置1,1夫々でも車両V1の通信装置1から送信された車群情報を受信し、他車群情報として記憶部15に記憶している。
そして次の時点で車両V3が車両V2に接近して、車両V3の通信装置1が車両V2の通信装置1との接続を確立したとする。この場合、車両V3の通信装置1における自車群情報のリーダー車両情報の前接リンクがTrueとなる。車両V3の通信装置1がリーダー車両情報の前接リンクがTrueとなった自車群情報を他の通信装置1へ送信した場合、車両V1及び車両V9が受信して記憶する。そしてこのとき、車両V3が車両V2に接近して車両V3の通信装置1が車両V2の通信装置1との接続を確立するので、車両V3の通信装置1は車両V2の通信装置1へ自車両情報を送信している。したがって、車両V2の通信装置1でも車両V3の通信装置1から送信される車両情報が示す前接リンクTrueを、自車両情報の後接リンクに書き込んで後接車両(V3)との接続を確立していると判定している。更に、車両V3の通信装置1は、車両V2の通信装置1へ車両要約情報を送信する。車両V2の通信装置1は車両V3から送信された車両要約情報を車両V1の通信装置1へ中継している。
更に図22の例では、車両V3のみならずその従属車両であった車両V4,V5,V6からの車両要約情報がマルチホッピング通信により送信される。車両V1の通信装置1は、車両V4の通信装置1から送信されて車両V3及び車両V2によって中継されるべき車両要約情報は受信できなかった。ただし車両V1の通信装置1は、車両V5の通信装置1から送信されて車両V4、車両V3及び車両V2により中継された車両要約情報を受信し、(中継回数4+1)番目の従属車両要約情報として自車群情報を作成したとする。
この場合、車両V1の通信装置1の情報処理部14は、車両V1,V2,V3,V5からなる車群を示す自車群情報と、車両V3の通信装置1から受信した車両V3,V4,V5,V6からなる車群を示す他車群情報とに基づいて車群情報結合処理を行なう。車両V1の通信装置1の情報処理部14は、自車群情報が示す車群の後部と、他車群情報が示す車群が重なり、且つ後部に相当する他車群情報のリーダー車両情報の前接リンクがTrueであり、結合した場合の車両数が所定数S(例えば20)以内となるので結合処理を行なう。
車両V1の通信装置1の情報処理部14は結合処理において、他車群情報に含まれる車両V6の従属車両要約情報を内部自車群情報に追加すると共に(図14、S73)、受信できなかった車両V4の車両要約情報を他車群情報に含まれる従属車両情報を、自車群情報及び内部自車群情報の4番目に追加することによって補完する。
そして車両V1の通信装置1は、このように結合処理によって得られた自車群情報を車両V3及び車両V9の通信装置1,1へ送信する。車両V9の通信装置1は、車両V1から送信された新たな車群情報(車両V1,V2,V3,V4,V5からなる車群)を受信して他車群情報2として記憶し、既に車両V3の通信装置1から受信して記憶してある他車群情報1と結合処理を行なう。他車群情報1が示す車群は、他車群情報2が示す車群の後部に重なり、且つ他車群情報1のリーダー車両情報(車両V3)の前接リンクがTrueであるからである。車両V9の通信装置1の情報処理部14により、他車群情報1は他車群情報2に結合されて一つの他車群情報として記憶部15に記憶される。
同様に車両V3の通信装置1も、車両V1から送信された新たな車群情報(車両V1,V2,V3,V4,V5からなる車群)を受信して他車群情報として記憶する。車両V3の通信装置1の情報処理部14は、自車群情報が示す車群が他車群情報が示す車群の後部に重なり、且つ自車群情報のリーダー車両情報の前接リンク即ち自車両情報の前接リンクがTrueであることから、他車群情報と自車群情報との結合処理を行なう。車両V3の通信装置1の情報処理部14は、車両V1から受信した他車群情報に自車群情報に含まれる車両6の従属車両要約情報を追加する(図14、S73)。ただし、重なる車群情報が自車群情報であるので(同、S74:YES)、自車群情報はそのまま維持する。
図22の説明図に示したように、車群情報結合処理により、各時点で車両V1、車両V3及び車両V9夫々の通信装置1,1,1の記憶部15に記憶されている自車群情報及び他車群情報の内容は必ずしも一致していないが、内部自車群情報と他車群情報とは夫々、現実の車群の状況の推移に即した内容となっている。これにより、制御に用いられる車群情報は現実の車群の状況に即した情報となる。
上述の実施の形態では、ミリ波、UWB、赤外光等により前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12を実現する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、車群内通信をDSRC(Dedicated Short Range Communication)技術を利用してもよい。この場合、指向性制御及び送信パワーの制御機能を前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12内部に備えることにより、近接する車両間の直接通信及びマルチホッピング通信が実現可能である。
(変形例)
また、上述の実施の形態では、ミリ波、UWB、赤外光等により前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12を実現する構成としたが、可視光通信を利用して車群内通信を実現してもよい。図23は、本実施の形態の変形例における通信装置1の構成を示すブロック図である。変形例における通信装置1は、前方送信部21、前方受信部22、後方送信部23、後方受信部24、車群間通信部13、情報処理部14、記憶部15、車内通信部16及び通信線17を含んで構成される。上述の実施の形態と共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前方送信部21及び後方送信部23は、LED(Light Emitting Diode)等を用いた発光部と変調部を備えて各種情報パケットの送信を実現する。つまりヘッドライト、テールライトに変調装置を加えて通信機能を追加する。前方受信部22及び後方受信部24は可視光カメラ、可視光センサを用い、前方送信部21又は後方送信部23から発光される光を受光して復調し、送信された各種情報パケットを取り出す機能を備える。前方受信部22及び後方受信部24には、監視カメラを用いてもよい。これにより、各車両に配されている既存の装置を用いて車群内通信を実現することが可能である。
変形例においても、通信装置1は車両情報を前方送信部21により送信し、前接車両から応答として送信される車両情報を前方受信部22で受信できるまで待機する。また、通信装置1は後接車両から送信される車両情報を後方受信部24により受信し、応答として車両情報を後方送信部23により後接車両へ送信する。更に、後接車両から送信される車両要約情報を後方受信部24により受信して前方送信部21により中継する。通信装置1の情報処理部14による処理は上述の実施の形態における処理と同様である。
本実施の形態及び変形例により、時々刻々と変化する車両の状況を示す車両情報を要約してまとめた車群情報を一定周期で更新し、送受信して統合処理を行ない、車群の状況に即した情報とした。各車両の走行制御装置は、通信装置1の情報処理部14により図5及び図6のフローチャートに示したステップS109の車群情報統合処理の結果を用いることが好ましい。これにより、各走行制御装置は車群間の位置関係、車群内の車両の位置関係、車速、進行方位を利用して危険状態を検知することが可能となり、交通事故を防止するための走行制御を行なうことができる。
なお、本実施の形態では車群情報に含まれる従属車両の車両情報を車両要約情報として車群間通信に必要な帯域を削減した。しかしながら本発明は、必ずしも車両情報を抜粋した車両要約情報によって車群内通信を行なう構成に限られない。通信装置1は前接車両との接続を確立した場合に要約でない自車両情報を送信し、後接車両の通信装置1から受信した自車両情報を前接車両の通信装置1へ中継するようにしてもよい。
本実施の形態では、各通信装置1,1,…が図5及び図6のフローチャートに示した処理手順を行なうタイミングは、周期Tが共通でも周期の起点は様々である。したがって、各通信装置1,1,…が他の通信装置1,1,…から受信して得る他車群情報及び自車群情報は、最大で周期Tの時間差を生じている可能性がある。そこで、通信装置1が車両情報を更新するに際して、更新時点を示す時間情報を車両情報に付加するようにしてもよい。この場合の時間情報は、絶対時刻によって表わされることが好ましい。走行制御を行なう時点から更新時点までのミリ秒単位の正確な時間が認識できればよい。これにより、周期T分過去の車群情報であっても、車群情報に含まれる各車両情報及び車両要約情報時間情報が示す車両の位置、進行方位を用いて現在の車両の位置を補正して取得することが可能となる。詳細には通信装置1は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信する機能を備える車載装置から受信するか、又は通信装置1自身がGPS受信機能を備えるかにより、各通信装置1,1,…で同期した絶対時刻情報を取得可能な構成とし、自車群情報送信時、及び自車両要約情報送信時における時間を付加して送信すればよい。なお、各通信装置1,1,…が取得可能な絶対時刻情報は必ずしも高精度に同期されている必要はない。
なお、本実施の形態では、情報処理部14は車内通信部16及び通信線17を介して前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12と接続される構成とした。また変形例でも、情報処理部14は車内通信部16及び通信線17を介して、前方送信部21、前方受信部22、後方送信部23及び後方受信部24と接続される構成とした。しかしながら、本発明は情報処理部14は車内通信部16を介して通信線17に接続される構成に限られず、前方車群内通信部11又は後方車群内通信部12のいずれかと一体化されて内部バスにより通信が可能な構成としてもよい。また変形例においても情報処理部14は、前方送信部21及び前方受信部22、又は後方送信部23及び後方受信部24と一体化されて内部バスにより通信が可能な構成としてもよい。これにより、通信線17を介した通信を行なうよりも高速に通信が可能となり、より確実性の高い通信が可能となる。
本実施の形態では、車両に配される通信装置に本発明に係る通信装置を適用した例を示した。そこで車群の形成を定義するに際し、安全走行のための制御に車群情報を利用するという目的から、隊列走行する複数の車両を一の車両群とみなした。したがって、近接する車両との車群内通信を前方及び後方夫々へ向けた前方車群内通信部11及び後方車群内通信部12により実現する構成とし、数珠つなぎのマルチホッピング通信を行なう構成とした。しかしながら、本発明の通信装置1は、車両のみならず移動手段を備えるロボット群の連携に適用することも可能である。この場合、群の定義によっては前方及び後方のロボットとの間の通信ではなく左右のロボットとの間でのマルチホッピング通信を行なうように車群内通信部を構成してもよい。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。