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JP5166605B2 - ピストンリングを安定させるための方法および当該方法を実施するための手段および当該方法の使用 - Google Patents
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JP5166605B2 - ピストンリングを安定させるための方法および当該方法を実施するための手段および当該方法の使用 - Google Patents

ピストンリングを安定させるための方法および当該方法を実施するための手段および当該方法の使用 Download PDF

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Description

本発明は、第一の発明の思想では、少なくとも一つのピストンリングを安定させるための方法に関する。当該ピストンリングは、径方向および軸方向に遊びを有して、往復動内燃機関のピストンの、対応するピストンリング溝に受容可能であり、当該ピストンリングの径方向外側の周面は、ピストンを収容するシリンダライナーの摺動面に当接させることができ、当該ピストンリングの径方向内側の周面には、当該ピストンリングの上側に滞留するガス圧を加えることができる。当該ピストンリングおよび/またはピストンリング溝の断面の形成は、負荷のない状態、あるいは上側のガス圧による負荷がほとんどない状態であって、比較的冷たい状態において、ピストンリングの下側が、対応するピストンリング溝の対向する下方支持面に、当該ピストンリングの下側のピストン軸に対向する領域において接触するとともに、当該領域を起点として、当該ピストンリングの下側と、ピストンリング溝の対向する下方支持面との間に、径方向において径方向外側に向かって、高さ方向において開いてゆく間隙が形成されるように行われる。
本発明はさらに、それぞれ少なくとも一つのピストンリング溝を有してなる、ピストンリング、ピストンおよび/またはピストンを作製するための部材として、前記の方法を実施するための手段と、前記の方法の使用とに関する。
往復動内燃機関のピストンには、運転中に、当該ピストンの外側であって燃焼室に隣接する表面領域において熱が供給され、当該ピストンは、当該ピストンの内側の表面領域において、循環する冷却媒体によって冷却される。このとき異なる温度の領域が生じる。当該温度差によってピストンの熱変形が生じ、周囲壁が内側に凹面形に変形され、それによってピストンの下部領域に配置されている個々のピストンリング溝は、シリンダ壁に向かって斜め上方に延在することになる。このとき従来のピストンリングおよびピストンリング溝の構成方法では、すなわち、ピストンリングおよびピストンリング溝の断面が矩形である場合、外側に向かって斜め上方に傾斜するピストンリング溝に配設されるピストンリングは、当該ピストンリング溝の、シリンダ壁に隣接する縁部を形成する材料に当接し、それによって、ピストンリングの下側の比較的大きい部分に、当該ピストンリングの径方向内側の周面に滞留するガス圧が加えられるという状況が生じる。このような理由から、ピストンリングは当該ピストンリングの上側かつ径方向内側の周面に滞留するガス圧によっては、安定化されない。その理由は、当該ピストンリングの下側の比較的大きい部分もまた、当該ガス圧に曝されているからである。ピストンリングの下側に支持がないことによって、ピストンリングとシリンダライナーの表面との摩擦の結果、ピストンリングの捩れもしくはひねりが生じる。当該捩れもしくはひねりは、前記の摩擦力に比例する。当該捩れもしくはひねりの結果、ピストンリング溝の磨耗が早まり、それに応じてピストンの寿命が短くなる。それによって、保守整備コストが嵩むことになる。
特許文献1から知られているピストンリング構造体においては、負荷のない状態で、ピストンリングの下側とピストンリング溝の下方支持面との間に、径方向外側に向かって、高さ方向において開いてゆく間隙が設けられている。このとき、当該間隙は、ピストンが熱い場合も、冷たい状態の場合と同様に存在することが前提となっている。しかしながら、上記のように熱変形によってピストンの変形が引き起こされることを考慮すると、この前提は成り立たない。むしろ、冷たい状態で存在する間隙は、ピストンが運転温度に加熱されると、消失する恐れがある。それによって、ピストンリングは上方から行われる圧力供給によって、まずピストンリング構の径方向外縁に当接し、それによって前記の不利点が生じる。さらにこの場合、ピストンリングの開きが妨げられるとともに、後続のピストンリングへの圧力供給が妨げられる恐れがある。従って、全体として磨耗の恐れが大きくなる。
特許文献2にはピストンが開示され、当該ピストンの上部ピストンリング構は運転温度に加熱されると変形し、それによって、ピストンリング溝の下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、下方に向かってずらされており、その結果、径方向において外側に向かって、ピストンリング溝の下方支持面の下方に向けられた斜面が生じる。ピストンのこのような熱変形の調整は、当該文献において、ピストンリング下側が、加熱されたピストンのピストンリング溝の対応する支持面の斜面と一致する傾斜を有しており、それによって、ピストンが熱いとき、隙間を有さずに対応する支持面に当接することによって行われる。
同様のことは、特許文献3に記載の構成にも当てはまる。当該文献に記載されたピストンにおいて、運転温度に加熱された際の熱変形によって、ピストンリング溝の下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、ピストンリング溝の径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされているが、当該文献においても、熱変形は、対応するピストンリングの下側が傾斜しており、それによって、運転温度に加熱されたピストンにおいて、ピストンリングが隙間を有さずに対応する支持面に当接することによって補償される。
独国特許出願公開第10118910号明細書 米国特許出願公開第6131503号明細書 米国特許出願公開第2006/0266322号明細書
従って、本発明は前記の不利点を回避するとともにピストンの長い寿命を保証することを課題とする。
上記の課題を解決するために、以下のような提案がなされる。すなわち、上側にガス圧が加えられていないピストンの温度が、冷たい周囲の状態から運転運度まで上昇するとき、ピストンの少なくとも一つのピストンリング溝の、下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされているピストンであって、ピストンリング溝の下方支持面と、対応するピストンリングの下側との間で、径方向において径方向外側に向かって開いてゆく間隙の高さが、当該間隙の冷たい状態における高さに対して減少しているピストンにおいて、ピストンリングおよびピストンリング溝の断面は、運転条件に応じた高い温度において、ピストンリング溝を含むピストン領域に生じる熱変形を補償するために、相応に形成されており、それによって、前記間隙は、ピストンリングが上側からガス圧を供給されない状態で、温度が上昇した場合でも、径方向においてピストン軸に向かって開いてゆかず、ピストンリング溝の断面は、前記間隙を確定する形状を備える要素がいかなる温度であり、かつ、いかなる変形を生じても、ピストンリングの、径方向内側の周面において、当該ピストンリングの上側に滞留するガス圧が加えられるように構成される。
上記の処置によって、以下の点が確実になる。すなわち、不都合な基本条件においても、例えば、高いピストン頂部を備えるとともに、ピストン裾部の下縁部にピストンリング溝が設けられているピストンであって、当該ピストンリング溝は熱い状態で、熱変形のために、径方向外側に向かって上昇するように延在するピストンにおいて、ピストンリングに上方から圧力が加えられる場合、ピストンリングの下側とピストンリング溝の対向する下方支持面との最初の接触は、少なくともピストンリングの下側の、ピストン軸に対向する領域において開始され、ピストンリングが、ピストンリング溝の下方支持面の径方向外縁に乗ることは避けられる。従って上方からガス圧が加えられるピストンリングは、最初の接触箇所を起点として、徐々にピストンリング溝の下方支持面に当接するので、温度にかかわらず、上方からのガス圧が圧力面全体に作用し、それによって、ピストンリング溝の下方支持面に対して、ピストンリングの下側が安定させられる。ピストンリングの下側と、対応するピストンリング溝の対向する下方支持面との間に形成される間隙が、いかなる状況においても径方向内側に向かって開かないように、常に径方向外側に向かって開いてゆくように配慮することによって、ピストンリング溝は好適に、軸方向においても十分な大きさになり得る。それによっていかなる場合でも、ピストンリングの径方向内側の周面に対して、当該ピストンリングの上側に滞留する圧力を加えることが確実に行われ、それによって、ピストンリングを確実に開くことが保証される。
ピストンリングの下側とピストンリング溝の対向する下方支持面との最初の接触は、好適に、ピストンリングの径方向内縁領域において行われる。これによって確実となるのは、ピストンリングの下側のどの部分にも、上側および径方向内側の周面に滞留するガス圧が加えられないことであり、それによってピストンリングの安定化は極めて確実に行われる。
さらなる有利な処置は以下の通りである。すなわち、ピストンリングの下側の勾配は、変形したピストンの対応するピストンリング溝の下方支持面の、上方に向かって傾斜する勾配よりも大きい。これによって確実となるのは、ピストンリングの下側と、対応するピストンリング溝の下方支持面との最初の接触が、常に望むように行われることである。
上位の処置のさらなる有利な構成は、以下のようなものである。すなわち、ピストンリングの下側と、好適にピストンリング溝の下方支持面とが、少なくとも当該ピストンリング溝の、単独もしくは複数の径方向内縁領域において、補強されている。
図面に基づいて、上位の処置のさらなる有利な構成と、目的に適ったさらなる形成とを、以下、実施形態の説明に記載する。図面に示されているのは以下の通りである。
高いピストン頂部を備えるピストンの図である。 図1に示すピストンのピストン頂部の断面図である。 図2の詳細部IIIを拡大して示す図である。 既知の構成方法によるシリンダ・ピストン集成装置であって、ピストンが変形されていない装置の部分図である。 図4に示す集成装置の、ピストンが変形されているものを示す。 本発明に係るシリンダ・ピストン集成装置であって、ピストンが変形されていない装置の部分図である。 図6に示す集成装置の、ピストンが変形されているものを示す。
本発明の主な応用分野は、大型エンジン、特に2サイクル大型ディーゼルエンジンであって、通常は船舶駆動装置あるいは大型の定置式発電所の駆動装置として用いられる。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。前記の種類のエンジンは通常、複数のシリンダを含んでおり、当該シリンダのそれぞれがピストンを有している。当該ピストンは対応する燃焼室を画定し、当該燃焼室は通常、下方から上方に向かって軸方向に掃気される。このときピストンには下降行程時に燃焼圧力が、上昇行程時に圧縮圧力が、上方から加えられるため、ピストンが長手方向にいかなる運動を行っても、その間、当該ピストンには上側にガス圧が供給されている。
このとき、ピストンは、多くの場合において、高いピストン頂部を有している(ハイトップランド型式)。このようなピストン1が図1に示されている。図に示す実施例では、ピストン1は、ピストンロッド3の上端部に設けられている下部2と、ピストン頂部4として表されるとともに、当該下部2に固定されている上部とを含んでいる。「ハイトップランド」とは、ピストン頂部4が下部2に対して比較的高いことを意味する。図に示す例において、ピストン頂部4は一つの部材から成っているが、ピストン頂部4を形成するために複数の部材を連続的に載置することも考えられる。ピストン頂部4には少なくとも一つのピストンリング溝5が設けられており、当該ピストンリング溝は対応するピストンリング6に対する支持部として用いられている。図に示す例では、複数のピストンリング溝5と、相応の数のピストンリング6とを備える構成が示されており、当該ピストンリングはいわゆるピストンリングパケットを形成している。単独もしくは複数のピストンリング溝5は、ピストン裾部の下方領域に、すなわち、ピストン頂部4の下縁に隣接する領域に設けられている。ピストン頂部4が複数の構成部材から構成されている限りにおいて、ピストンリング溝5は、単独の部材または複数の部材に対して設けられ得る。
図1に示されるピストン1はクロスヘッド型エンジンに属し、ピストン1はピストンロッド3を介して対応するクロスヘッドに連結されており、当該クロスヘッドは、コンロッドを介してクランク軸と協働する。本発明の主な応用分野は当該構成にあるが、本発明は当該構成に限定されるものではない。本発明に係る処置は、連結されたコンロッドを介してクランク軸と直接的に協働するピストンにおいて用いることもできる。
運転中、ピストン頂部4の上側には、ピストン頂部4によって画定されている燃焼室内で行われている燃焼によって、熱が供給される。同時にピストン頂部4は内側から冷却される。ピストン頂部4の内側には、このために熱を奪う冷却媒体が供給される。このために、ピストン1には冷却装置7が設けられていてよく、図1では、当該冷却装置が、例えばオイルや水のような好適な循環する冷却媒体のための、供給管および排出管によって示されている。
このように熱と冷却媒体とを供給することによって、ピストン頂部4を形成する材料内に、異なる温度を有する領域が生じる。その結果、図2に示されるように、ピストン頂部4の熱変形が生じる。このとき、ピストン頂部4は、当該ピストン頂部の周囲壁8が内側に凹面形状に湾曲するように変形されている。これによって、ピストン頂部4の下方領域に設けられている単独のピストンリング溝5もしくは複数のピストンリング溝5の、ピストン軸に比較的近い領域は、ピストン軸から径方向において遠く離れた溝領域に比べて、低い位置にあるという結果になる。これは、ピストンリング溝5の下方支持面の、径方向において外側、かつ、軸から遠い領域は、ピストンリング溝5の下方支持面の、径方向において内側、かつ、軸に近い領域に対して、高くずらされた位置にあることを意味する。このような理由から、ピストン頂部4の下方領域に設けられている単独のピストンリング溝5もしくは複数のピストンリング溝5、およびそれとともに特に当該ピストンリング溝の単独の下方支持面、もしくは複数の下方支持面は、図3において角βによって示されているように配向されている。すなわち、当該下方支持面が径方向内側から径方向外側に向かって上昇するように傾斜している。
単独のピストンリング溝5もしくは複数のピストンリング溝5の断面の形成は以下のように行われている。すなわち、それぞれ対応するピストンリング6に対して、協働する部材がいかなる温度あるいはいかなる歪みを有しているかに関わらず、当該ピストンリングの径方向内側の周面に、当該ピストンリングの上側に滞留するガス圧が加えられるように形成されている。それによって、当該ピストンリングの外側の周面は、シリンダライナー9の内側に確実に接触する。図4から7から明らかなように、ピストンリング6はこのために、径方向および軸方向の遊びを有して、それぞれ対応するピストンリング溝5内に設けられている。個々のピストンリング6の上方および背面側には、相応に間隙10,11が設けられており、当該間隙は互いに、かつ、ピストン頂部4の周面とシリンダライナー9の摺動面との間に設けられている周面側の間隙12と連通している。間隙12はピストン1の上側によって画定されている燃焼室と連通しており、それによって、燃焼室内の圧力は、間隙12に形成され、また、間隙10,11にも形成される。このときピストンリングパケットのうち、最下のピストンリングは、端部が互いに重なり合う気密なピストンリングとして形成されていてよい。当該最下のピストンリングの上方に設けられているピストンリングは、好適に、スリット入りのピストンリングとして形成されている。
図4および図5に示されている周知の構成において、ピストンリング6は軸対称な矩形の断面を有している。同じことは、周囲温度、すなわち、運転温度を下回る温度にあるピストンリング溝5にも当てはまる。このときピストン頂部4は、図4に示されているように、変形されていない。
図5は、運転温度において変形されたピストン頂部4を示している。このときピストンリング溝5は、すでに述べた通り、径方向内側から径方向外側に向かって上昇するように傾斜している。このような状況において、上側に圧力が加えられた際に下方に移動されたピストンリング6は、まず、対応するピストンリング溝5の、シリンダライナー9に対向する縁13によって支持される。すなわち、このとき、ピストンリング6はピストンリング溝5の径方向外縁13に載置され、ピストンリング6の下側の下方に間隙14が生じ、当該間隙は間隙11,10,12と連通するので、ピストンリング6の下側の比較的大きな部分は、燃焼室内の圧縮圧力または燃焼圧力に曝されている。ピストンリング6の下側の支持が欠落していることによって、図5において二重矢印によって示されているように、ピストンリング6の捩れもしくはひねりが生じる。当該捩れもしくはひねりは、ピストンリング溝5の縁13を形成する材料を速やかに磨耗させる。
上記のような現象を回避するために、ピストンリング6とピストンリング溝5とに対して、以下のような幾何学的な条件が設定される。すなわち、温度が上昇しても、ピストンリング溝5の下方支持面と、対向するピストンリング6であって、上側にガス圧が加えられていないピストンリングの下側との間に、上記のような間隙14が生じず、図6および7に示されるように、ピストンリング6が上側のガス圧を加えられているとき、ピストンリング6の下側とピストンリング溝5の下方支持面との最初の接触は、常にまず、ピストン軸から比較的小さな距離を有しているピストンリング6の領域において行われるように、幾何学的な条件が設定される。いずれにしても、ピストン1の温度に関わらず、上方から圧力が加えられないピストンリング6において、径方向において内側のピストン軸に向かって開いてゆく間隙が生じてはならない。この点は特に、ピストン1の温度が運転温度に一致している場合に当てはまる。
図6および図7に示す実施形態において、ピストンリング6は台形状の断面を有している。当該台形状の断面は、軸対象の矩形断面と異なり、ピストンリング6の断面の下縁16の少なくとも径方向内側の領域は、径方向内縁17に対して斜めに延在し、このときピストンリング溝5の下方支持面に対して、角αの分だけ傾斜しており、それによって、図6から分かるように、径方向外側に向かって、本実施形態においては径方向内縁を起点として径方向外側に向かって、斜めの勾配が生じる。図に示す実施形態において、下縁16の傾斜した領域は、ピストンリング6の全幅にわたって延在しており、それによって、ピストンリング6の下側は、径方向内側から径方向外側に向かって、常に上昇してゆく。従って、本発明に係るピストンリング6は、当該ピストンリングの径方向内縁領域が、当該ピストンリングの径方向外縁領域よりも厚い。このような厚みの差は1%〜5%の大きさであってよい。通常は、1%〜2%の厚みの差で十分であるため、1%〜2%の厚みの差が好ましい。
いずれにしても、ピストンリング6の下側の前記の勾配は、変形したピストン頂部4のピストンリング溝5の下方支持面の勾配よりも小さくはなく、好適にピストンリング溝5の下方支持面の勾配よりも大きい。この目的のために、通常、図6に示される角αは、図3に示される角βよりも大きく、それによって、運転条件においても、すなわち、ピストン頂部4が変形されていても、ピストンリング6の傾斜する下側とピストンリング溝5の傾斜する下方支持面との最初の接触は、常に、図7に示されるように、ピストン軸から比較的小さな距離を有しているピストンリング6の領域において、好ましくはピストンリング6の径方向内縁において、開始する。前記のような構成によって、ピストンリング6の下側と、ピストンリング溝5の対向する下方支持面との間に、径方向において径方向外側に向かって開いてゆく間隙が形成され、当該間隙のクリアランスは、図6と図7とを比較すると分かるように、ピストン温度が周囲温度から運転温度に上昇する際に減少するものの、当該クリアランスはピストンリング6に負荷がかかっていないとき、完全に消失してはいけない。
図6および図7に示す実施形態において、ピストンリング6のみが、傾斜した下側を備えており、従って台形状の断面を有している。ピストンリング溝5の断面は、本実施形態の場合、図6に示されるように、ピストン頂部4の運転温度を下回る周囲温度においては矩形であって、すなわち拡張が生じていない。ピストンリング6を、径方向外側領域よりも径方向内側領域における厚みが大きくなるように形成する代わりに、ピストンリング溝5の形成を以下のように行ってもよい。すなわち、当該ピストンリング溝のクリアランスは、運転温度を下回る周囲温度において、当該ピストンリング溝の径方向内縁領域よりも、径方向外縁領域における方が大きいようにピストンリング溝を形成する。クリアランスの差も、ピストンリング6の厚みの差に関して述べたように、1%〜5%、好ましくは1%〜2%の大きさであってよい。当然ながら、二つの手段、すなわち、径方向内側から径方向外側に向かって、ピストンリング6の厚みが減少することと、ピストンリング溝5のクリアランスが増大することとが実施されてもよい。このとき、ピストンリング溝5は、下方支持面のみが径方向外側に向かって下降するように傾斜しているか、あるいは、両方の支持面(上方および下方)が反対に傾斜しており、それによって下方の拡張と上方の拡張が生じるように形成されていてよい。
図6および図7において明らかな通り、ピストンリング溝5の下方支持面には好適に外装部もしくは補強部18が設けられていてよい。図に示す実施形態においては、ピストンリング6の下側にも、外装部もしくは補強部19が設けられている。これらの補強部のそれぞれは、ピストンリング溝5もしくはピストンリング6の全幅にわたって延在し得るが、通常は、図6および図7に示すように、ピストンリング溝5および/またはピストンリング6の単独の径方向内側領域もしくは複数の径方向内側領域のみが補強されていれば十分である。
複数のピストンリング6を有するピストンリングパケットにおいて、一つまたは複数の、あるいは好適に全てのピストンリング6は、上記の本発明に係る方法で安定させることができる。しかしながら、ピストンリングパケットのピストンリング6の一部または一つのみを本発明に係る方法で安定させ、残りの複数のピストンリング6もしくは残りの単独のピストンリング6は本発明に係る方法で安定させないことも考えられる。当然ながら、組み立て式ピストンにおいて、一つの部材が複数のピストンリング溝5を有している場合にも、同様のことが当てはまる。
経験上、異なるピストンリングの断面は、極めて類似している可能性があり、そのため、視覚的な方法で区別することは非常に困難であるか、むしろ、全く不可能である。従って、選択が必要な場合は、間違った選択が行われる恐れがある。しかしながら誤ったピストンリングの選択は深刻な結果をもたらし得る。同様のことは、ピストンもしくはピストンリング溝を有するピストン部材に当てはまる。ピストンもしくはピストンリング溝を有するピストン部材においても、異なるピストンリング溝の断面は非常に似ているので、同様に視覚による選択は困難であり、それによって誤った選択を行う危険がある。従って、好適に、ピストンリング側および/またはピストン側および/またはピストン部材側に付けられたマーキングが設けられていてよい。当該マーキングは、ピストンリングおよび/またはピストンおよび/またはピストン部材を一義的に同定するために記憶されたデータを含んでいる。この場合、好適に無線自動識別マーキングであってよい。
船級協会あるいは他の組織、例えば国際海事機関によって行われる、ピストンリングおよび/またはピストンおよび/またはピストン部材の受け入れ検査に関連して、環境保護規則などに関して蓄積されてゆくデータの量は、経験上、増大の一途をたどっている。それによって、刻印などを介して設けることは、極めて面倒であろうし、もしくは、実際には不可能である。従ってマーキングは好適に、非接触式に取り付け可能および/または読み取り可能なマーキングとして形成されている。
マーキングは、好適には、運転条件下で温度が180℃またはそれを下回る温度に保持され得る領域に設けられる。当該温度は、経験上、ピストンリングおよび/またはピストンの下側で行われる、対応するピストンリング溝もしくは下方のピストン領域の支持面の集中的な冷却の結果として、当該ピストンリングおよび/またはピストンの下側におけるものと予想される。従って、マーキングは、好適には、ピストンリングもしくはピストンの下側に設けられている。マーキングを含んでいるデータ媒体は、好適には、平坦かつ細長い外形を有しており、それによってピストンリングもしくはピストンの平坦かつ閉鎖された縁部の凹所内に設けることが可能である。それによって、互いに接触する部材が相互に当接することおよび密閉すること、および柔軟性が妨げられない。マーキングをピストンの下側に設けることは、さらに、データを設けるもしくは補足するために、またはデータを読み取るために、対応するシリンダライナーの掃気スリットを介して通過可能なマーキング機器および/または読み取り機器が使用できるという有利点を有する。このように、データの補足は、例えば検査の後に容易に行うことができる。
通常は、新たなエンジンを製造する際にすでに、本発明に係るピストンリング溝を有する、本発明に係る新しいピストンリングおよび/またはピストンもしくはピストン部材が用いられるが、このような部材を、使用されたエンジンに、例えば保守整備および/または修理などの際に組み込み、それによって品質を向上させることも想定される。
以上は、本発明の好適な実施形態を詳しく述べたものであるが、すでに示されたように、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明は以下の請求の範囲において特定されている。
1 ピストン
2 下部
3 ピストンロッド
4 ピストン頂部
5 ピストンリング溝
6 ピストンリング
7 冷却装置
8 周囲壁
9 シリンダライナー
10 上方間隙
11 背面側間隙
12 周面側間隙
13 径方向外縁
14 下方間隙
15 捩れ方向もしくはひねり方向
16 下縁
17 径方向内縁
18 補強部
19 補強部

Claims (47)

  1. ピストンリング(6)を安定させるための方法であって、
    当該ピストンリングは、径方向および軸方向に遊びを有して、往復動内燃機関のピストン(1)の、対応するピストンリング溝(5)に受容可能であり、
    前記ピストンリング(6)の径方向外側の周面は、前記ピストン(1)を収容するシリンダライナー(9)の摺動面に当接させることができ、前記ピストンリングの内側の周面には、前記ピストンリングの上側に滞留するガス圧を加えることができ、
    前記ピストンリング(6)および/または前記ピストンリング溝(5)の断面の形成は、前記ピストンリング(6)に対して負荷のない状態、あるいは上側のガス圧による負荷がほとんどない状態であり、かつ、前記ピストンリングが比較的冷たい状態において、当該ピストンリングの下側が、対応する前記ピストンリング溝(5)の対向する下方支持面に、前記ピストンリング(6)の下側のピストン軸に対向する領域において接触するとともに、当該領域を起点として、前記ピストンリング(6)の下側と、前記ピストンリング溝(5)の前記対向する下方支持面との間に、径方向において外側に向かって、高さ方向において開いてゆく間隙が形成される、ように行われる方法において、
    ピストン(1)において、上側にガス圧が加えられていない状態で、冷たい周囲の状態から運転運度まで温度が上昇することによって、少なくとも一つのピストンリング溝(5)の、下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされており、
    このとき前記ピストンリング溝(5)の前記下方支持面と、対応する前記ピストンリング(6)の下側との間で、径方向において径方向外側に向かって開いてゆく前記間隙の高さは、当該間隙の冷たい状態における高さに対して減少しており、
    前記ピストンリング(6)および前記ピストンリング溝(5)の断面は、運転条件に応じた高い温度において、前記ピストンリング溝(5)を含むピストン領域に生じる熱変形を補償するために、相応に形成されており、それによって、前記間隙は、前記ピストンリング(6)が上側からガス圧を加えられない状態で、前記ピストンの温度が上昇した場合でも、径方向において外側に向かって開かれており、
    前記ピストンリング溝(5)の断面は、前記間隙を確定する形状を備える要素がいかなる温度であり、かつ、いかなる変形を生じても、前記ピストンリング(6)は、当該ピストンリングの径方向内側の周面において、当該ピストンリングの上側に滞留するガス圧が加えられるように形成されていることを特徴とする方法。
  2. 前記安定させるべきピストンリング(6)は、往復動内燃機関のピストン(1)に配設されており、当該往復動内燃機関は、通常運転時に、前記ピストン(1)が長手方向にいかなる運動を行う間も、当該ピストンの上側にガス圧が加えられているように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 単独かつ同一のピストン(1)の複数のピストンリング(6)が安定化されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. ピストン(1)の、一部の数の前記ピストンリング(6)のみが安定化され、前記ピストン(1)は少なくともさらに一つの他のピストンリングを有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)は、ピストン(1)の独自の部材のピストンリング溝(5)に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)は、ピストンの下部に対して比較的高いピストン頂部(4)を有するピストン(1)に配設されており、当該ピストン頂部は当該ピストン頂部の下方縁部領域に設けられた少なくとも一つのピストンリング溝(5)を有しており、当該ピストンリング溝は前記ピストン(1)が運転温度に加熱されるとき変形され、それによって、前記ピストンリング溝の下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、前記ピストンリング溝の径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)の断面は、軸対称な矩形断面とは異なるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)に対応するピストンリング溝(5)の断面は、軸対称な矩形断面とは異なるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)と、対応するピストンリング溝(5)との断面は、軸対称な矩形断面とは異なるように形成されることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、
    少なくとも一つのピストンリング溝(5)であり、前記ピストン(1)が運転温度に加熱されることにより、前記ピストン(1)が変形される場合、前記ピストンリング溝は変形され、それによって前記ピストンリング溝の下方支持面の、径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、前記ピストンリング溝の径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされている、ピストンリング溝と、
    当該ピストンリング溝(5)に配設されているピストンリング(6)と、を有するピストン(1)を有して成る装置において、
    前記ピストンリング(6)の下側は、前記ピストンリング(6)の下側と、対応する前記ピストンリング溝(5)の前記下方支持面との間に、径方向において径方向外側に向かって高さ方向において開いてゆく間隙が形成されるように、径方向内側から径方向外側に向かって延在し、前記間隙は、ピストンリング(6)に負荷がかかっていないとき、前記ピストン(1)の温度に関わらず、外側に向かって開かれたままであることを特徴とする装置。
  11. 請求項10に記載の装置であり、前記ピストン(1)が運転温度に加熱されることにより、前記ピストン(1)が変形される場合、前記少なくとも一つのピストンリング溝(5)は、径方向内側から径方向外側に向かって上昇するように延在する装置において、
    少なくとも前記ピストンリング(6)の下側の径方向内側領域は、径方向内側から径方向外側に向かって上昇しており、それによって、前記ピストンリング(6)の下側と、前記対応するピストンリング溝(5)の前記下方支持面との間に、径方向において径方向外側に向かって高さ方向において開いてゆく間隙が形成され、前記間隙は、ピストンリング(6)に負荷がかかっていないとき、前記ピストン(1)の温度に関わらず、外側に向かって開かれたままであることを特徴とする装置。
  12. 少なくとも前記ピストンリング(6)の下側の径方向内側領域は、運転条件の下で、少なくとも、前記対応するピストンリング溝(5)の前記下方支持面と同一の、径方向内側から径方向外側に向かう相対的な勾配を有していることを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  13. 少なくとも前記ピストンリング(6)の下側の径方向内側領域は、運転条件の下で、前記対応するピストンリング溝(5)の前記下方支持面よりも大きい、径方向内側から径方向外側に向かう相対的な勾配を有していることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記ピストンリング(6)の下側は、径方向内側縁部から径方向外側縁部に至るまで一貫して、径方向内側から径方向外側に向かって上昇することを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  15. 前記ピストンリングは、前記ピストンリングの径方向内側縁部領域において、前記ピストンリングの径方向外側縁部領域におけるよりも厚いことを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  16. 前記ピストンリングは、前記ピストンリングの径方向内側縁部領域において、前記ピストンリングの径方向外側縁部領域におけるよりも、1から2パーセント厚いことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 前記ピストンリングは、四辺形の断面を有しており、当該断面の下縁は少なくとも前記ピストンリングの径方向内縁に対して斜めに延在することを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  18. 前記ピストンリングは、高いピストン頂部(4)を有するピストン(1)に配設されており、当該ピストン頂部は、少なくとも当該ピストン頂部の下方縁部領域において、前記少なくとも一つの安定させるべきピストンリング(6)に対応する、少なくとも一つのピストンリング溝(5)を有しており、当該ピストン頂部の周面は、温度が運転温度に上昇するとき、径方向内側に向かって凹面形状をなすことを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  19. 前記ピストンリングはピストンリングパケットの一部であることを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  20. 前記ピストンリング(6)の下側には、補強部(19)が設けられており、当該補強部は少なくとも前記ピストンリング(6)の下側の前記径方向内側領域にわたって延在することを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  21. 前記ピストンリングは、ピストンリング側に設けられる少なくとも一つのマーキングであって、前記ピストンリング(6)を一義的に特定するために保存されているデータを含むマーキングの、非接触式に検出可能なデータを用いて、同定可能であることを特徴とする請求項10から20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 前記マーキングが、無線自動識別マーキングとして形成されていることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
  23. 少なくとも一つのピストンリング側のマーキングは、データを備えており、当該データは該当する前記ピストンリング(6)を認識するための特定的な詳細を含んでおり、当該認識データは少なくとも、製造データと、試験データと、以前の使用および、可能な使用または計画されている将来の使用に関するデータと、をも含んでいることを特徴とする請求項21または22に記載の装置。
  24. 少なくとも一つのマーキングは前記ピストンリング(6)の下側に、当該マーキングが前記ピストンリング(6)の下側に対して、下方に向かって突出せず、かつ、径方向内側であって、前記対応するピストンリング溝(5)の前記支持面に対向する、円周上の接触領域の中断が生じないように、配置されていることを特徴とする請求項21〜23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 請求項1に記載の方法を実施するためのピストンであって、安定させるべきピストンリング(6)に対応する少なくとも一つのピストンリング溝(5)を有するピストンにおいて、前記少なくとも一つのピストンリング溝(5)は、当該ピストンリング溝の上方支持面領域においても、当該ピストンリング溝の下方支持面領域においても、拡張されていないことを特徴とするピストン。
  26. 請求項1に記載の方法を実施するためのピストンであって、安定させるべきピストンリング(6)に対応する少なくとも一つのピストンリング溝(5)を有するピストンにおいて、前記少なくとも一つのピストンリング溝(5)は、前記ピストン(1)の運転温度を下回る温度のとき、軸対称な矩形とは異なる断面を有していることを特徴とするピストン。
  27. 前記少なくとも一つのピストンリング溝(5)は、当該ピストンリング溝の径方向外側縁部領域において、前記ピストンリング溝の径方向内側縁部領域におけるよりも大きなクリアランスを有していることを特徴とする請求項26に記載のピストン。
  28. 前記ピストンリング溝(5)の、当該ピストンリング溝の径方向外側縁部領域におけるクリアランスが、前記ピストンリング溝の径方向内側縁部領域におけるクリアランスに対して有する差は、1%〜2%であることを特徴とする請求項27に記載のピストン。
  29. ピストンリング溝(5)の構成を有していることを特徴とする請求項25または26に記載のピストンであって、当該ピストンリング溝のうち少なくとも一つのピストンリング溝(5)は、前記ピストン(1)が運転温度に加熱される際に変形され、それによって、前記ピストンリング溝の下方支持面の径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、前記ピストンリング溝の下方支持面の、径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされる、ピストン。
  30. 安定させるべきピストンリング(6)に対応する、個々のピストンリング溝(5)には、少なくとも当該ピストンリング溝の下方支持面の、径方向内側縁部領域において、補強部(18)が設けられていることを特徴とする請求項25または26に記載のピストン。
  31. ピストン側に設けられる少なくとも一つのマーキングであって、前記ピストン(1)を一義的に特定するために保存されているデータを含むマーキングの、非接触式に検出可能なデータを用いて、同定可能であることを特徴とする請求項25から30のいずれか一項に記載のピストン。
  32. 前記マーキングが、無線自動識別マーキングとして形成されていることを特徴とする、請求項31に記載のピストン。
  33. 少なくとも一つのピストン側のマーキングは、データを備えており、当該データは該当する前記ピストン(1)を認識するための特定的な詳細を含んでおり、当該認識データは、少なくとも製造データと、試験データと、以前の使用および、可能な使用または計画されている将来の使用に関するデータと、をも含んでいることを特徴とする請求項31または32に記載のピストン。
  34. 少なくとも一つのマーキングは前記ピストン(1)の下側に配置されており、当該配置は好適に、前記マーキングが、前記ピストン(1)に対応するシリンダの、シリンダライナー(9)における掃気スリットを介して通過可能な認識装置および/またはマーキング機器を用いて、非接触式に読み取り可能および/または取り付け可能であるように選択されていることを特徴とする請求項31〜33のいずれか一項に記載のピストン。
  35. 請求項1に記載の方法を実施するための、複数の部材から構成されたピストン(1)の部材において、当該部材は、少なくとも一つの前記安定させるべきピストンリング(6)に対応する少なくとも一つのピストンリング溝(5)を含んでおり、当該ピストンリング溝は前記部材が運転温度に加熱される際に変形され、それによって前記ピストンリング溝の下方支持面の、径方向外側であり、かつ、軸から離れた領域は、前記ピストンリング溝の径方向内側であり、かつ、軸に近い領域に対して、高さがずらされることを特徴とする部材。
  36. 安定させるべきピストンリング(6)に対応する、個々のピストンリング溝(5)には、少なくとも当該ピストンリング溝の下方支持面の、径方向内側縁部領域において、補強部(18)が設けられていることを特徴とする請求項34に記載の部材。
  37. 請求項20から26のいずれか一項に記載のピストン(1)を構成するための部材を形成するとともに、請求項10から19のいずれか一項に記載のピストンリング(6)を受容するために好適であることを特徴とする請求項35に記載の部材。
  38. 部材側に設けられる少なくとも一つのマーキングであって、該当する前記部材を一義的に特定するために保存されているデータを含むマーキングの、非接触式に検出可能なデータを用いて、同定可能であることを特徴とする請求項35〜37のいずれか一項に記載の部材。
  39. 前記マーキングが、無線自動識別マーキングとして形成されていることを特徴とする、請求項38に記載の部材。
  40. 少なくとも一つの部材側のマーキングは、データを備えており、当該データは該当する前記部材を認識するための特定的な詳細を含んでおり、当該認識データは、少なくとも製造データと、試験データと、以前の使用および、可能な使用または計画されている将来の使用に関するデータと、をも含んでいることを特徴とする請求項38または39に記載の部材。
  41. 少なくとも一つのマーキングは、当該マーキングが、該当する前記ピストン(1)に対応する前記シリンダの、シリンダライナー(9)における掃気スリットを介して通過可能な認識装置および/またはマーキング機器を用いて、非接触式に読み取り可能および/または取り付け可能であるように、部材側に配置されていることを特徴とする請求項35〜40のいずれか一項に記載の部材。
  42. 請求項10から24のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)と、請求項25から34のいずれか一項に記載のピストンおよび/または請求項35から41のいずれか一項に記載の部材とが用いられることを特徴とする請求項1または4に記載の方法。
  43. エンジンの運転時における、請求項1からのいずれか一項に記載の方法の使用であって、当該エンジンに、請求項10から19のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)および/または請求項20から28のいずれか一項に記載の対応するピストン(1)および/または請求項29から41のいずれか一項に記載の対応するピストン部材が組み込まれている、使用。
  44. 未使用のエンジンに、請求項10から19のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)および/または請求項20から28のいずれか一項に記載の対応するピストン(1)および/または請求項29から41のいずれか一項に記載の対応するピストン部材が組み込まれている、請求項40に記載の使用。
  45. 使用されたエンジンに、請求項10から19のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)および/または請求項20から28のいずれか一項に記載の対応するピストン(1)および/または請求項29から41のいずれか一項に記載の対応するピストン部材が組み込まれている、請求項40に記載の使用。
  46. 請求項10から19のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)および/または請求項20から28のいずれか一項に記載の対応するピストン(1)および/または請求項29から41のいずれか一項に記載のピストン部材が、旧型のエンジンの部材として組み込まれている、請求項40に記載の使用。
  47. 請求項10から19のいずれか一項に記載の少なくとも一つのピストンリング(6)および/または請求項20から28のいずれか一項に記載の対応するピストン(1)および/または請求項29から41のいずれか一項に記載の対応するピストン部材が設けられており、当該ピストンリングおよび/またはピストンおよび/またはピストン部材は少なくとも保守整備工程または修理工程以来、組み込まれている、請求項40に記載の使用。
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