JP5169517B2 - 導電性接着剤および電子部品 - Google Patents
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Description
このような導電性接着剤として、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とイミダゾール化合物と導電性金属粒子とを含有する導電性接着剤が提案されている(例えば特許文献1)。
また、導電性接着剤に有機カルボン酸などの酸化膜除去剤を配合して導電性金属粒子の表面酸化膜を除去し、導電性を向上させる技術も知られている(例えば特許文献2)。
そこで、本発明者らは、エポキシ樹脂とフェノール樹脂として室温で液状のものを選択することで、製造時の手間や硬化物の接着強度を改善し、さらに、このような導電性接着剤について酸化膜除去剤を配合することで、より高い導電性をも発揮させようとする技術について検討を行っている。
前記アルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸は、前記アルキル基の炭素数が1〜4のグルタル酸であることが好ましい。
前記脂環構造を有する二塩基酸は、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、前記導電性接着剤を用いて製造されたことを特徴とする。
なお、本発明において「室温」とは、10〜40℃の範囲を意味する。
本発明の導電性接着剤は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、反応性希釈剤と、イミダゾール化合物と、導電性金属粒子として作用する銀粉および/または銀コート金属粉とを含有し、さらに酸化膜除去剤として、アルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸および脂環構造を有する二塩基酸の少なくとも一方を含むものである。
このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ナフタレン系、フェノールノボラック系のエポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、フタル酸エステル系のエポキシ樹脂などが挙げられる。中でもビスフェノールF型のエポキシ樹脂、フタル酸エステル系のエポキシ樹脂が好ましい。これらエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量の下限値が上記値より小さくなると、接着強度が弱くなり、接着剤として機能しにくくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、銀粉および/または銀コート金属粉の接続が悪くなり、導電性が得られにくくなる。
また、室温で液状のフェノール樹脂を用いることで、導電性接着剤を無溶剤型の接着剤とすることができる。
フェノール樹脂の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましい。フェノール樹脂の含有量の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤の接着強度を十分に高めることができなくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、高温高湿下やヒートサイクル下での抵抗が上昇する。
室温で固形のフェノール樹脂としては、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、テルペン系フェノール樹脂、トリフェノールメタン系樹脂、フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。
室温で固形のフェノール樹脂の含有量は、室温で液状のフェノール樹脂100質量部に対して、0〜20質量部が好ましい。
イミダゾール化合物が含まれると、導電性接着剤の硬化性が良好となり、その結果、硬化物の耐熱性が向上する。
このようなイミダゾール化合物としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレンビス(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系エポキシ硬化促進剤などが挙げられる。これらイミダゾール化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
銀粉および/または銀コート金属粉の形状は、略球形であっても、フレーク状であってもよいが、フレーク状が好ましい。粒子径には特に制限はないが、導電性の点から、1〜20μmが好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。また、銀粉および/または銀コート金属粉のタップ密度は、好ましくは4.2〜6.0g/cm3、より好ましくは4.5〜5.8g/cm3である。タップ密度の下限値が上記値より小さくなると、得られる導電性接着剤の粘度が高くなり、作業性が低下する。一方、タップ密度の上限値が上記値より大きくなると、銀粉および/または銀コート金属粉の製造自体が難しくなる傾向にある。
銀粉および/または銀コート金属粉の含有量は、当該導電性接着剤100質量%中、70〜92質量%が好ましく、75〜90質量%がより好ましい。銀粉および/または銀コート金属粉の含有量の下限値が上記値より小さくなると、銀粉および/または銀コート金属粉の接続が悪くなり、導電性が得られにくくなる。一方、含有量の上限値が上記値より大きくなると、接着強度が弱くなると共に、必要以上にコストが上がってしまう。
なお、導電性金属粒子としては、銀粉および/または銀コート金属粉の他に、ニッケル粉、銅粉などの他の粒子を特性が損なわれない範囲で使用してもよい。
このような二塩基酸が配合された導電性接着剤では、導電性接着剤の製造時や使用前にゲル化や増粘が起こることなく、高い導電性が発揮され、接着強度も高く維持することができる。
このように導電性接着剤の製造時や使用前にゲル化や増粘が起こらない理由は、これら二塩基酸の有するアルキル基や脂環構造の立体障害のためと考えられる。すなわち、これら二塩基酸を導電性接着剤に配合した時点では、立体障害のために二塩基酸がエポキシ樹脂と反応したり、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の反応に対して促進剤的に作用したりしない。その一方で、これら二塩基酸が配合された導電性接着剤を使用時において加熱、硬化させた場合には、加熱により二塩基酸の反応性が増して酸化膜除去剤として作用し、導電性向上効果が発現すると考えられる。
また、これら二塩基酸のうちでは、特に脂環構造を有する二塩基酸を使用すると、より高い導電性向上効果が得られるとともに、接着強度も良好となる傾向がある。
なお、芳香族環を有する二塩基酸を使用した場合、脂環構造を有する三塩基酸および四塩基酸を使用した場合などでは、導電性向上効果も得られなくなる傾向にある。その理由は明らかではないが、これらを使用すると、銀粉および/または銀コート金属粉の酸化膜は除去されるものの、導電性接着剤の硬化、収縮が妨げられて、銀粉および/または銀コート金属粉同士の接触が不十分になるためと推察される。
このようにアルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸および脂環構造を有する二塩基酸の少なくとも一方を配合すると、導電性接着剤の導電性が向上するため、一定の導電性を得るために使用する銀粉および/または銀コート金属粉の量を低く抑えることができ、コスト的に有利な導電性接着剤を提供することも可能となる。
脂環構造を有する二塩基酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸などが挙げられるが、なかでもシクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
また、本発明においては、溶剤を含有させて溶剤型の接着剤としてもよい。この場合、溶剤としては、接着剤用として用いられるものであれば特に制限されず、公知のものを使用できる。
ただし、本発明の導電性接着剤は、上述したようにエポキシ樹脂として室温で液状のエポキシ樹脂とフェノール樹脂として室温で液状のフェノール樹脂を含有するので、溶剤を含まない無溶剤型の接着剤として用いることができる。本発明の導電性接着剤は、無溶剤型であっても、溶剤型であってもよいが、無溶剤型の接着剤として用いるのが好ましい。
ただし、ディスペンサーを用いた塗布方法は、通常、粘度の低い導電性接着剤を塗布するのに適しているため、塗布後に電極上などで導電性接着剤が広がりやすくなる。一方、スクリーン印刷やメタルマスク印刷は、粘度の高い導電性接着剤にも対応できるので、導電性接着剤を塗布する場合は、スクリーン印刷やメタルマスク印刷にて塗布するのが好ましい。中でも、スクリーン印刷が好ましい。
このような導電性接着剤では、フェノール樹脂として室温で液状のものを使用しているため、予めエポキシ樹脂を加温しておく必要はないし、反応性希釈剤を多量に使用しなくてもよい。よって、簡便な製造と接着強度の改善が可能となる。
さらに、酸化膜除去剤としては、アルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸および脂環構造を有する二塩基酸の少なくとも一方を配合している。よって、導電性接着剤の製造時や使用前には、酸化膜除去剤とエポキシ樹脂との間で反応が進行するなどしてゲル化、増粘してしまうことがなく、23℃で72時間保持した後の粘度も80〜800dPa・sに維持され、導電性接着剤の塗工性は良好に保たれる。そして、導電性接着剤を加熱、硬化させた場合には、加熱により二塩基酸が酸化膜除去剤として作用し、導電性の優れた導電性接着剤とすることができる。
本発明の電子部品は、上述した導電性接着剤を用いることにより製造されるので、接着強度が高い。電子部品の用途としては、例えば、コンデンサ、コイル、トランス等の受動部品や、LSI(大規模集積回路)、ダイオード、トランジスタ等の半導体デバイス部品などが挙げられる。
なお、電子素子チップとしては、コンデンサ素子、CSP、BGA、FC等の半導体チップなどが挙げられる。また、導電性接着剤を塗布する外部電極としては特に制限されないが、例えば、金、銀、スズ、銅などの金属を含む電極が挙げられる。
また、本硬化時間は、特に制限されないが、例えば5〜60分間が好ましく、10〜40分間がより好ましい。本硬化時間の下限値が上記値より小さくなると、導電性接着剤の硬化が不十分となり、電極と電子素子との密着性が低下する傾向にある。一方、本硬化時間の上限値が上記値より大きくなると、必要以上にコストが上がってしまう。
(導電性接着剤の製造)
表に示す配合量(質量%)にて、室温で液状のエポキシ樹脂としてビスフェノールF型のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、「EP807」)と、室温で液状のフェノール樹脂として液状ノボラック型フェノール樹脂(明和化成(株)製、「MEH8005」)と、反応性希釈剤としてグリシジルオルトトルイジン(日本化薬(株)製、「GOT」)と、イミダゾール化合物(硬化促進剤)としてイミダゾール系エポキシ硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「2PHZ」)と、導電性金属粒子として、フレーク銀粉((株)フェロジャパン製、「SF38」、タップ密度:4.8g/cm3)と、表に示す各酸化膜除去剤をロールミルで混合して、導電性接着剤を製造した。
得られた導電性接着剤について、初期粘度と23℃×72時間保持した後の粘度とを下記方法にて測定した。
また、得られた導電性接着剤をガラス板上に幅1cm、長さ8cm、厚さ30μmになるようにしごき塗りして、180℃×10分間の条件下で硬化させ、硬化物の鉛筆硬度、比抵抗を下記方法にて測定した。なお、各導電性接着剤を用いて製造した電子部品についての測定結果は、これら導電性接着剤についての各測定結果と同様の傾向を示す。よって、各導電性接着剤についての測定を電子部品についての測定の代用試験とする。
初期粘度は、各試験例で得られた導電性接着剤について、TV形粘度計(東機産業(株)製)により測定した。なお、TV形粘度計での測定は、3°コーンを用い、回転数を5rpm、測定温度を23℃として実施した。
23℃×72時間保持後の粘度は、各試験例で得られた導電性ペーストを23℃×72時間の条件で保持した後、初期粘度と同様の方法で測定した。
結果を表に示す。なお、○を合格とする。
○:80dPa・s以上800dPa・s未満
×:80dPa・s未満または800dPa・s以上
硬化物について、JIS K5600に準拠して鉛筆硬度を測定した。
結果を表に示す。なお、○を合格とする。
○:F以上
×:HB以下
導電性接着剤をガラス板上に幅1cm、長さ8cm、厚さ30μmとなるようにしごき塗りして、その上に5個のステンレスナット(西精工(株)製、「M3」)を並べ、180℃×10分間の条件で硬化させた。室温に戻した後、アイコーエンジニアリング社製のプッシュプルゲージの軸の先端をナットの1つの面に垂直になるようにあて、水平方向に5±0.5mm/分の速度でナットを押して、剥がれた時点での強度を求めた。5個のナットについて同様に強度を求め、5個の平均値を接着強度とした。
○:5N/mm2以上
×:5N/mm2未満
硬化物について、抵抗値(R)、膜厚(A)、電極幅(B)、電極間距離(C)を測定し、下記式にて比抵抗を算出した。なお、抵抗値は、ADVANTEST社製のデジタルマルチメーター(商品名:R6581D)、膜厚は(株)小坂研究所製の表面粗さ計(商品名:SE3500)を用いて測定した。
ρ=R×{(A×B)/C}
○:3×10−5Ω・cm未満
×:3×10−5Ω・cm以上
表に示すように、室温で液状のエポキシ樹脂として、フタル酸エステル系のエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、「AK601」)を使用した以外は、実施例1と同様にして、導電性接着剤を製造した。
一方、酸化膜除去剤として、立体障害のないジカルボン酸を配合した比較例ではゲル化が顕著であり、脂環構造を有する三塩基酸および四塩基酸を使用した比較例などでは、ゲル化は認められないものの、比抵抗が上がり導電性が低下した。
Claims (4)
- 室温で液状のエポキシ樹脂と、室温で液状のフェノール樹脂と、反応性希釈剤と、イミダゾール化合物と、銀粉および/または銀コート金属粉と、二塩基酸とを含有する導電性接着剤であって、
前記二塩基酸は、アルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸および脂環構造を有する二塩基酸の少なくとも一方であり、当該導電性接着剤中に0.01〜3質量%含まれることを特徴とする導電性接着剤。 - 前記アルキル基からなる側鎖を有する二塩基酸は、前記アルキル基の炭素数が1〜4のグルタル酸であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
- 前記脂環構造を有する二塩基酸は、シクロヘキサンジカルボン酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性接着剤。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性接着剤を用いて製造されたことを特徴とする電子部品。
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