JP5172015B2 - 通信管理装置、通信ノードおよびデータ通信方法 - Google Patents
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Description
【0001】
この発明は、リング状に伝送路で接続された通信ノード間でトークンフレームを用いて通信を行う通信管理装置、通信ノードおよびデータ通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
伝送路に右回りまたは左回りに情報を流すことを切り替える第1と第2のポート、および第1と第2のポートのオン/オフ状態を制御する制御手段を有する親局と、伝送路に右回りまたは左回りに情報を流すことを切り替える第1と第2のポートを有する子局と、からなる通信装置が、第1のポートと隣接する他の通信装置の第2のポートとを接続するように、各通信装置間を伝送路でリング状(ループ状)に接続した通信システムにおいて、親局の制御手段が、いずれかの通信装置の第1または第2のポートをオフ状態とすることで、バス型の構成で通信を行うことを可能にした技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この通信システムでは、通信を始める前に、断線の発生の有無や子局の故障の有無などを調べ、適切なバス型伝送路への再構成を行う処理が行われる。まず、親局の制御手段は、第1のポートをオフ状態とし、第2のポートをオン状態として、リング状の伝送路を強制的にバス型伝送路にし、すべての子局の第1のポートをオン状態とし、第2のポートをオフ状態とする。この状態で、親局の制御手段は、送信指令を送信すると、親局の第2のポートに接続される第1の子局のみから応答が返ってくる。そこで、この第1の子局の番号を、接続順序がわかるように子局位置認識エリアに格納する。
【0004】
ついで、親局の制御手段は、応答が返ってきた第1の子局に対して、オフにしている第2のポートをオン状態とするように制御し、新たに送信指令を送信する。その結果、第1の子局の第2のポートに接続される第2の子局のみから応答が返ってくるので、親局の制御手段は、第1の子局のつぎに第2の子局が接続されていることを子局位置認識エリアに格納する。このような処理を繰り返し行い、子局からの新たな応答がない場合には、最後に応答を返した子局を末端の子局であると判断する。その後、親局の制御手段は、第1のポートをオン状態とし、第2のポートをオフ状態として、同じ処理を行って、通信システムの構成を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】
特開2000−278295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、再構成処理の際に、上記したように親局に接続されている子局を1回の処理で1台しか認識することができない。そのため、たとえば通信システムが数十台または数百台以上の通信装置で構成される場合には、再構成処理に要する時間が増大してしまうという問題点があった。そのため、このような通信システムを、数十台単位または数百台単位の通信装置が相互に接続されるFA(Factory Automation)システムに適用することは難しいという問題点があった。また、各通信装置について、右回りに情報を送信する回路と左回りに情報を送信する回路を設ける必要があり、ハードウエアの製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
【0007】
また、特許文献1に記載の通信システムで、ケーブルが断線しかけている状態で、断線(異所)や活線(正常)の状態が交互に短時間に変化するようなケーブル状態が不安定な状態の場合についての対処法が示されていない。そのため、このような場合に確実にネットワークを制御することができないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、通信装置が伝送路でリング状に接続された通信システムで、データフレームの送受信処理をライン型の接続の場合と同様に行うことができる通信システムにおいて、ネットワークの構成を把握する処理に要する時間を従来に比して短くすることができるとともに、装置構成を簡略化することができる通信管理装置、通信ノードおよびデータ通信方法を得ることを目的とする。また、ケーブル状態が不安定な状態でも確実にネットワークを制御することができる通信管理装置、通信ノードおよびデータ通信方法を得ることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、この発明にかかる通信管理装置は、複数の通信ノードが伝送路を介してリング状に接続されたネットワーク内におけるトークンパッシング方式でのデータの送信を管理する通信管理装置であって、隣接する前記通信ノードと伝送路を介して接続する2つのポートと、自装置を含む前記ネットワーク上の通信ノードのいずれかのポートを、フレーム送受信不可能な無効の状態と、フレーム送受信可能な有効の状態とを切り替える指示を与えるライン接続管理手段と、前記ネットワーク内に存在する前記通信ノードを認識するネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信し、前記通信ノードに隣接する通信ノードとそのポートの関係を含むネットワーク存在確認応答フレームを受信して、前記通信ノード間の接続状態を示すネットワーク接続情報を生成するネットワーク存在確認処理を行うネットワーク存在確認手段と、前記ネットワーク接続情報を用いてトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定手段と、前記トークン巡回順序に基づいて、前記ネットワーク内の前記各通信ノードに対して、該通信ノードのつぎに前記送信権を与える通信ノードを通知するセットアップ処理を行うセットアップ処理手段と、トークンフレームを用いたデータフレームの送受信を行うデータフレーム通信処理手段と、を備え、前記ライン接続管理手段は、前記ネットワーク接続情報によって前記ネットワークがリング構成であると認識した場合には、前記ネットワークの接続状態がリング状とならないように、前記ネットワーク内のいずれかの通信ノードのいずれかのポートを無効化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、通信装置が伝送路でリング状に接続された通信システムで、データフレームの送受信処理をライン型の接続の場合と同様に行うことができる通信システムにおいて、ネットワーク構成を把握する処理に要する時間を従来に比して短くすることができるとともに、装置構成を従来に比して簡略化することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この実施の形態1によるトークンを用いて通信が行われる通信システムの一例を模式的に示す図である。
【図2−1】図2−1は、管理局の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図2−2】図2−2は、スレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図3−1】図3−1は、ネットワーク存在確認フレームのフォーマットの一例を示す図である。
【図3−2】図3−2は、ネットワーク存在確認応答フレームのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1による起動時のデータ通信方法の一例を示すシーケンス図である。
【図5】図5は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。
【図6】図6は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。
【図7】図7は、生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。
【図8−1】図8−1は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その1)。
【図8−2】図8−2は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その2)。
【図8−3】図8−3は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その3)。
【図8−4】図8−4は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である(その4)。
【図9】図9は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。
【図10】図10は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。
【図11】図11は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態2によるスレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図13】図13は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。
【図14】図14は、実施の形態2による起動時のデータ通信方法の一例を模式的に示すシーケンス図である。
【図15】図15は、通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、ケーブルが断線した場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【図17】図17は、実施の形態4による管理局の機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【図18】図18は、通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【図19】図19は、ケーブルが断線した場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【図20】図20は、スレーブ局が復旧した場合のデータ通信方法の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図21】図21は、トークン方式によるデータフレームの送信中の状態を示す図である。
【図22】図22は、図21の状態からケーブルの接続を変更した状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信管理装置、通信ノードおよびデータ通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1によるトークンを用いて通信が行われる通信システムの一例を模式的に示す図である。この通信システムは、複数の通信ノードX,A〜Dが伝送路101でリング状に接続された同一セグメントのネットワークによって構成される。また、通信ノードX,A〜Dは、それぞれ2つのポートを有し、各通信ノードのポート間は、同軸ケーブルなどの半二重通信またはツイストペアケーブルや光ファイバなどの全二重通信が可能なケーブルを介して接続される。ここでは、イーサネット(登録商標、以下同じ)によって各通信ノードX,A〜D間が接続されるものとする。また、この例では、通信ノードX,A〜Dとして、同一セグメントのネットワーク内におけるデータ(フレーム)の送受信を管理する通信管理装置としての1台の管理局Xと、管理局Xによる設定に基づいてデータ(フレーム)の送信を行う4台のスレーブ局A〜Dとが設けられる場合を示している。
【0014】
この図1に示されるように、管理局Xの第1のポートX1にはスレーブ局Aの第2のポートA2が接続される。また、スレーブ局Aの第1のポートA1にはスレーブ局Bの第2のポートB2が接続され、スレーブ局Bの第1のポートB1にはスレーブ局Cの第2のポートC2が接続され、スレーブ局Cの第1のポートC1にはスレーブ局Dの第2のポートD2が接続される。そして、スレーブ局Dの第1のポートD1には管理局の第2のポートX2が接続され、各通信ノードがリング状に接続される構成となっている。別の見方をすると、管理局Xとスレーブ局A〜Dとがライン状に接続されており、管理局Xとスレーブ局Dとの間に冗長の伝送路101を設けた構成となっている。
【0015】
また、ここで、各通信ノードのMAC(Media Access Control)アドレス(図中、MAC_ADと表記)は、以下のように設定されているものとする。
管理局X=100
スレーブ局A=1
スレーブ局B=2
スレーブ局C=3
スレーブ局D=4
【0016】
この実施の形態1では、各通信ノードX,A〜D間がリング(ループ)状にイーサネットで接続された通信システムにおいて、起動時に管理局Xが各通信ノード(管理局Xとスレーブ局A〜D)の接続関係を把握し、通信システムがリング状である場合に、いずれかの通信ノードの一つのポートを無効として強制的にライン型の接続構成として通信を行うようにするものである。なお、この通信システムでは、トークンと呼ばれるデータ送信権を得るためのフレーム(トークンフレーム)を通信システム内の各通信ノードに順番に送信し、そのトークンを獲得した通信ノードが他の通信ノードに対してデータの送信を行う場合を例に挙げて説明する。
【0017】
このように、通信システムは、物理的なネットワーク構成ではリング構成を有しているが、そのうちの少なくとも1つの通信ノードのポートを無効化することによって、データの送信処理は、各通信ノードがライン状に接続されたものとして処理を行えるようにしている。
【0018】
図2−1は、管理局の機能構成を模式的に示すブロック図である。管理局は、隣接する通信ノード(スレーブ局)との間でイーサネットケーブルを接続するための2つのポート11−1,11−2と、ポート11−1,11−2を介したフレームの送受信処理や、ネットワークの接続構成を認識し、トークンフレームの送信順序を確立する処理などを行う通信処理部20と、を備える。
【0019】
ポート11−1,11−2は、第1のポート11−1と第2のポート11−2の2つのポートから構成される。これらの2つのポート11−1,11−2は、ともに隣接するスレーブ局のポートと接続される。
【0020】
通信処理部20は、タイマ21と、ネットワーク存在確認処理部22と、ネットワーク接続情報記憶部23と、ライン接続管理部24と、トークン巡回順序決定部25と、トークン巡回順序情報記憶部26と、セットアップ処理部27と、トークンフレーム処理部28と、データフレーム通信処理部29と、を備える。
【0021】
タイマ21は、通信処理部20内の処理部によって起動され、所定の時間を計測する機能を有する。この実施の形態1では、ポート11−1,11−2でスレーブ局からのネットワーク存在確認応答フレームを受信してから、所定の時間以上が経過したかを計時する。
【0022】
ネットワーク存在確認処理部22は、自装置の電源がオンされた後に、または後の実施の形態で説明するように予め定められた状態が発生した後に、通信システム(同一セグメントのネットワーク)を構成する通信ノードの接続状態を検出するためのネットワーク存在確認処理を行い、ネットワーク内における通信ノードの接続状態を認識する処理を行う。具体的には、ネットワーク存在確認フレームを作成してブロードキャストで送信し、通信システム内に存在する通信ノードからのネットワーク存在確認フレームに対する応答であるネットワーク存在確認応答フレームに含まれる情報から、ネットワークに存在する通信ノード間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成する。なお、この明細書では、ネットワーク接続情報の生成は、ネットワーク存在確認応答フレームを受信するたびに行うものとする。
【0023】
図3−1は、ネットワーク存在確認フレームのフォーマットの一例を示す図である。ネットワーク存在確認フレーム200は、イーサネットフレームであり、宛先MACアドレス(以下、DAという)201と、送信元MACアドレス(以下、SAという)202と、イーサネットタイプ(type)203と、上位層のデータを格納するデータ204と、自フレームのDA201からデータ204までに格納されている情報にエラーが存在するか否かのチェック結果を格納するFCS(Frame Check Sequence)208と、を有する。
【0024】
この実施の形態1では、データ204の一部に、フレーム種別情報205と、管理局のMACアドレス情報206と、自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報207と、を格納している。
【0025】
フレーム種別情報205は、自イーサネットフレームがどのような種類のフレームであるかを識別するための情報である。ここでは、このフレーム種別情報205には、ネットワーク存在確認フレーム200であることを示す情報が格納される。この例では、ネットワーク存在確認フレームを「TestData」と表記するものとする。
【0026】
管理局のMACアドレス情報206には、管理局XのMACアドレスが格納される。また、自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報207には、通信ノードがネットワーク存在確認フレーム200をどのポートから送信するかを示すポート情報を格納する。
【0027】
図3−2は、ネットワーク存在確認応答フレームのフォーマットの一例を示す図である。このネットワーク存在確認応答フレーム220も、イーサネットフレームであり、データ224に、この実施の形態1で使用される情報を定義している。すなわち、データ224の一部に、フレーム種別情報225と、受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報226と、ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報227と、を格納している。
【0028】
ここで、フレーム種別情報225には、ネットワーク存在確認応答フレーム220であることを示す情報が格納される。この明細書では、ネットワーク存在確認応答フレームを「TestDataACK」と表記するものとする。また、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」226には、通信ノード(スレーブ局)が受信したネットワーク存在確認フレーム200のSA202エリアに格納されているMACアドレスが格納される。さらに、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」227には、通信ノード(スレーブ局)が受信したネットワーク存在確認フレーム200中のデータ204エリアの「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」207に格納されているポート情報が格納される。
【0029】
ネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認応答フレーム220を受信すると、データ224内の「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」226と「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」227とを、受信したネットワーク存在確認応答フレーム220の「SA」222に対応付けたネットワーク存在情報を生成する。そして、ネットワーク存在情報を用いて、自局に接続される通信ノードのポートを含めたつながり関係を、ネットワーク接続情報として作成する。
【0030】
ネットワーク接続情報記憶部23は、ネットワーク存在確認処理部22によって生成されたネットワーク接続情報を記憶する。ネットワーク接続情報は、自装置の第1のポート11−1の先に接続される通信ノード列と、第2のポート11−2の先に接続される通信ノード列と、を含む。または、これらの通信ノード列を1つにまとめたものである。これらの通信ノード列には、ネットワーク内の通信ノードのポート間の接続関係も含まれる。
【0031】
ライン接続管理部24は、物理的にリング状に接続されたネットワークでフレームが周回してしまうことを防ぐために、ネットワーク接続情報に基づいてライン状の接続となるように、通信ノードのポートの有効化/無効化を行う。自装置以外の通信ノードのポートの有効化/無効化の処理は、どのポートを有効化/無効化するかを指定したポート制御フレームを、その通信ノード宛に送信することによって行う。なお、この実施の形態1では、ネットワーク接続情報によってネットワーク構成がリング状である場合には、ライン接続管理部24は、自局の第1および第2のポート11−1,11−2のいずれか一方を無効化するものとする。ここで、ライン接続管理部24によって、ポートが無効化されると、そのポートでのフレーム(データリンク層のフレーム)の送受信ができなくなる。また、ネットワーク接続情報によって、ネットワークがリング状でない場合には、ライン状の接続となるように各通信ノードのポートの有効化/無効化を制御する。
【0032】
トークン巡回順序決定部25は、ネットワーク存在確認処理部22によるネットワーク存在確認処理の後、ネットワーク接続情報記憶部23に記憶されているネットワーク接続情報を用いて、論理リングを構成する処理、すなわちトークンフレームの巡回順序を決定する処理を行う。トークンフレームの巡回順序は、どのように決定してもよいが、たとえばトークン巡回順序を決定する時点で有効化されている管理局のポートに接続されるスレーブ局の順とすることができる。決定されたトークンフレームの巡回順序は、トークン巡回順序情報としてトークン巡回順序情報記憶部26に記憶される。
【0033】
セットアップ処理部27は、トークン巡回順序決定部25によってトークン巡回順序情報が決定されると、そのトークン巡回順序情報を用いて、通信システム内の各通信ノード(スレーブ局)に対して、その通信ノードのつぎに送信権が与えられる通信ノードの情報を含むセットアップフレームを生成し、各通信ノードに送信する。また、セットアップ処理部27は、セットアップフレームに対する応答であるセットアップ応答フレームがすべての通信ノードから受信されたかを判定し、すべての通信ノードからセットアップ応答フレームを受信した場合には、その旨をトークンフレーム処理部28に通知する。
【0034】
すべての通信ノードからセットアップフレームを受信したか否かを確認するには、たとえばネットワーク接続情報記憶部23のネットワーク接続情報の対応するスレーブ局に、セットアップ応答フレームを受信したこと示すフラグを立てることによって行うことができる。
【0035】
トークンフレーム処理部28は、セットアップ処理部27によって、通信システム内のすべての通信ノードからセットアップ応答フレームを受信した旨の通知を受けると、トークン巡回順序情報記憶部26のトークン巡回順序情報にしたがって、トークンフレームを生成し、自局の有効に設定されているポートから送信する。
【0036】
また、トークンフレーム処理部28は、他の通信ノードから送信されたトークンフレームを受信すると、自局に送信権を与えるものであるか否かを判定する。その結果、自局に送信権を与えるものである場合には、データフレーム通信処理部29によるデータフレームの送信処理が行われ、データフレームの送信処理後に、トークン巡回順序情報に基づいてつぎに送信権を得る通信ノードにトークンフレームが取得されるように送信する。また、自局に送信権を与えるものでない場合には、まだ送信権を得ないものと判定し、受信したトークンフレームは、受信したポートでない他のポートから転送(リピート)する。
【0037】
データフレーム通信処理部29は、データフレームの送受信処理を行う。たとえば、FAネットワークにおいては、管理局に接続されるコントローラが、各スレーブ局A〜Dに設定するデータを所定の周期で演算しており、そのデータをデータフレーム化して各スレーブ局A〜Dに送信する。また、スレーブ局A〜Dから送信されたデータフレームを受信したり、スレーブ局A〜Dが他のスレーブ局に宛てたデータフレームを転送(リピート)したりする機能も有する。
【0038】
なお、上述した図3−1〜図3−2に示される各フレームのフレーム種別情報205,225には、それぞれのフレームを識別するために「TestData」や「TestDataACK」などを格納する場合を示したが、それぞれのフレームに対して、そのフレームを一意に識別する数値を設定し、フレーム種別情報205,225にはその数値を格納するようにしてもよい。
【0039】
図2−2は、スレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。スレーブ局は、隣接する通信ノード(管理局またはスレーブ局)との間でイーサネットケーブルを接続するための2つのポート51−1,51−2と、ポート51−1,51−2を介したフレームの送受信処理を行う通信処理部60と、を備える。
【0040】
ポート51−1,51−2は、管理局と同様に、第1のポート51−1と第2のポート51−2の2つのポートから構成される。これらの2つのポート51−1,51−2は、他の通信ノードと接続される。
【0041】
通信処理部60は、制御フレーム応答部61と、ポート送受信制御部62と、トークン巡回先情報記憶部63と、トークンフレーム処理部64と、データフレーム通信処理部65と、を備える。
【0042】
制御フレーム応答部61は、管理局からのネットワーク存在確認フレーム200やポート制御フレーム、セットアップフレームなどの制御フレームに対する応答を行う。たとえば、ネットワーク存在確認フレーム200を受信すると、図3−2に示されるネットワーク存在確認応答フレーム220を生成して、管理局に返信する。また、自局宛のポート制御フレームを受信すると、ポート制御フレーム内のポートの有効/無効についての指示をポート送受信制御部62に渡し、ポート送受信制御部62でのポートの有効/無効処理が終了すると、ポート制御応答フレームを生成して、管理局に返信する。
【0043】
さらに、自局宛てのセットアップフレームを受信すると、セットアップフレーム内からつぎにトークンフレームを送信する通信ノードを示すトークン巡回先情報を取得し、トークン巡回先情報記憶部63に記憶するとともに、セットアップ応答フレームを生成して、管理局に返信する。なお、この明細書では、ネットワーク存在確認処理や論理リング構成処理のときに管理局とスレーブ局との間でやり取りされるフレームのことを制御フレームといい、論理リングが構成された後に、トークンフレームを獲得することによって送信されるフレームのことをデータフレームというものとする。
【0044】
また、制御フレーム応答部61は、管理局または他のスレーブ局から受信する制御フレームのフレーム種別に応じて、フレームを再構成して送信したり、単にリピートしたりする機能も有する。たとえば、管理局や他のスレーブ局からネットワーク存在確認フレーム200を受信すると、受信したネットワーク存在確認フレームの図3−1に示されるSA202と、データ204内の自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報207と、を書き換える処理を行って、ネットワーク存在確認フレームを再構成し、受信ポート以外のポートから出力する。
【0045】
さらに、たとえば、管理局からのセットアップフレームや他のスレーブ局からのネットワーク存在確認応答フレーム220、ポート制御応答フレーム、セットアップ応答フレームを含む制御フレームを受信した場合には、そのフレームに対する処理を何も行わず、単にリピートする機能を有する。
【0046】
ポート送受信制御部62は、管理局からのポート制御フレームによってポートの有効/無効の指示を受け取ると、その指示に基づいてポートの有効/無効を制御する機能を有する。このポート送受信制御部62によって、ポートが無効化されると、そのポートではデータフレーム(データリンク層のフレーム)の送受信ができなくなる。管理局からの指示に基づいてポートの有効/無効を行うと、その処理を完了したことを制御フレーム応答部61に通知する。
【0047】
トークン巡回先情報記憶部63は、自通信ノード(スレーブ局)のつぎに送信権を得る通信ノードのMACアドレスを記憶する。これは、上述したように、管理局から受信したセットアップフレームから取得される。ここでは、つぎにトークンを送信すべき通信ノードのMACアドレスのみを記憶するものとする。これによって、管理局Xが保持するトークン巡回順序記憶情報に比してデータ量を少なく抑えることができる。
【0048】
トークンフレーム処理部64は、他の通信ノードから送信されたトークンフレームを受信すると、自局に送信権を与えるものであるか否かを判定する。その結果、自局に送信権を与えるものである場合には、データフレーム通信処理部65によるデータフレームの送信処理が行われ、データフレームの送信処理後に、トークン巡回順序情報に基づいてつぎに送信権を得る通信ノードにトークンフレームが取得されるように送信する。また、自局に送信権を与えるものでない場合には、まだ送信権を得ないものと判定し、受信したトークンフレームは、受信したポートでない他のポートから転送(リピート)する。
【0049】
データフレーム通信処理部65は、データフレームの送受信処理を行う。具体的には、管理局や他のスレーブ局との間のデータフレームの送受信処理を行う。
【0050】
つぎに、このような通信システムにおけるデータ通信方法について説明する。図4は、実施の形態1による起動時のデータ通信方法の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0051】
まず、管理局Xとスレーブ局A〜Dがイーサネットケーブルで接続された後、スレーブ局A〜Dの電源がオンにされる。この状態で、スレーブ局A〜Dは、管理局Xからのネットワーク存在確認フレームの受信待ち状態となる。また、これらのスレーブ局A〜Dの第1と第2のポートはともに有効とされている。
【0052】
その後、管理局Xの電源がオンにされると、管理局Xは、管理局Xを含む同一セグメントのネットワーク上に接続されているスレーブ局を認識するために、以下の処理を行う。初めに、管理局Xの通信処理部20のライン接続管理部24は、自局の一方のポート、ここでは第2のポートX2を無効化し、第1のポートX1でのみフレームの送受信が可能な状態とする(ステップS11)。
【0053】
ついで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認フレームを生成し、第1のポートX1からブロードキャストで送信する(ステップS12)。図5は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図である。管理局Xの第1のポートX1から送信されるネットワーク存在確認フレーム501では、「DA」にブロードキャストアドレス(たとえば2バイト表記であれば「FFFF(オールF)」)が設定され、「SA」に管理局XのMACアドレス「100」が設定され、「フレーム種別情報」には「TestData」が格納され、「管理局のMACアドレス情報」には、自局のMACアドレス「100」が格納され、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」には、第1のポートを示す「X1」が設定される。
【0054】
上記したように、各通信ノードはリング状に接続されているので、ネットワーク存在確認フレーム501は最初にスレーブ局Aに到達する。スレーブ局Aは、第2のポートA2でネットワーク存在確認フレームを受信すると、制御フレーム応答部61は、ネットワーク存在確認応答フレームを生成し、管理局Xに対して、ネットワーク存在確認フレーム501を受信した第2のポートA2から返信する(ステップS13)。
[0055]
図6は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。スレーブ局Aの第2のポートA2から送信されるネットワーク存在確認応答フレーム601では、「DA」に管理局XのMACアドレス「100」が設定され、「SA」に自局のMACアドレス「1」が設定され、「フレーム種別情報」には「TestDataACK」が格納され、「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」と、「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」には、受信した図5のネットワーク存在確認フレーム501の「SA」と「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を参照して、それぞれ「100」と「X1」が設定される。
[0056]
その後、スレーブ局Aの制御フレーム応答部61は、第2のポートA2から受信したネットワーク存在確認フレーム501を書き換えたネットワーク存在確認フレーム502を生成し、第1のポートA1から書き換えたネットワーク存在確認フレーム502を送信する(ステップS14)。図5に示されるように、ネットワーク存在確認フレーム502は、受信したネットワーク存在確認フレーム501の「SA」を自局のMACアドレス「1」に書き換え、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」を「A1」に書き換えたものである。
[0057]
その後、ネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局B,C,Dと順にリピートされる。そして、各スレーブ局B,C,Dは、ネットワーク存在確認フレーム502〜504を受信すると、上述したスレーブ局Aでの処理と同様の処理を行う。つまり、ネットワーク存在確認フレーム502〜504を受信した各スレーブ局B,C,Dの制御フレーム応答部61は、ネットワーク存在確認応答フレーム602〜604を生成し、管理局Xに対して、ネットワーク存在確認フレーム502〜504を受信した第2のポートから返信する(ステップS15,S17,S19)。また、スレーブ局B,C,Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートから受信したネットワーク存在確認フレーム502〜504の「SA」と、「自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報」とを書き換えたネットワーク存在確認フレーム503〜505を生成し、第1のポートから書き換えたネットワーク存在確認フレームを送信する(ステップS16,S18,S20)。
【0058】
ここで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認応答フレームを受信するとタイマ21を起動し、所定の時間内に他のスレーブ局からのネットワーク存在確認応答フレームを受信するか否かを判定する。そして、所定の時間内にネットワーク存在確認応答フレームを受信した場合には、タイマ21をリセットし、計時し直す。ここでは、スレーブ局Dの先には他のスレーブ局が接続されていないので(スレーブ局Dの先には自局の無効化されている第2のポートが接続されているので)、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレーム604の受信後にはネットワーク存在確認応答フレームを受信しない。つまり、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレーム604を受信してタイマ21をリセットすると、タイムアウトとなる(ステップS21)。
【0059】
また、ネットワーク存在確認処理部22は、各スレーブ局A〜Dからネットワーク存在確認応答フレームを受信するたびに、ネットワーク存在情報を生成し、さらにネットワーク接続情報を生成、更新し、ネットワーク接続情報記憶部23に記憶する。
【0060】
図7は、生成したネットワーク存在情報の一例を示す図である。このネットワーク存在情報は、SA、受信したネットワーク存在確認フレーム内のネットワーク存在確認フレーム内のSA情報、およびネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報の各項目を含む。管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、受信したネットワーク存在確認応答フレームから、上記の各項目が定義されたエリアからそれぞれの情報を取得する。
【0061】
図8−1〜図8−4は、ネットワーク接続情報の生成方法の手順の一例を模式的に示す図である。スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレーム601を受信した時点のネットワーク存在情報は、図7のレコード701のみである。これより、ネットワーク存在確認処理部22は、図8−1に示されるようなネットワーク接続情報を生成する。つまり、自局のMACアドレス「100」と、自局の有するポートのうち第1のポート「X1」を選択し、図7のレコード701から自局の第1のポートX1に接続される通信ノードのMACアドレス「1(スレーブ局A)」を取得する。そして、たとえば図8−1に示される接続関係をネットワーク接続情報として記録する。
【0062】
また、スレーブ局Bからネットワーク存在確認応答フレーム601を受信した時点のネットワーク存在情報は、図7のレコード701,702である。これより、ネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク接続情報の末端の通信ノードのMACアドレス「1」と同じ「受信したネットワーク存在確認フレーム内のSA情報」があるか調べ、そのレコード702の「SA」の値「2」を、末端の通信ノードに接続される通信ノードのMACアドレスとして取得する。また、そのレコード702の「ネットワーク存在確認フレームを送信した局のポート情報」の値「A1」を、上記で取得した新たな末端の通信ノードに接続される側のポートとして取得する。そして、たとえば図8−2に示されるポートの位置を含む接続関係をネットワーク接続情報として更新して記録する。
【0063】
ネットワーク存在確認応答フレームを受信すると同様の処理を行い、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームを受信した時点では、図7のレコード701〜704を用いて、図8−3に示されるネットワーク接続情報が生成される。
【0064】
管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレーム受信後に設定したタイマ21によってタイムアウトが検出されると(ステップS21)、第1のポートX1を無効化し、第2のポートX2を有効にする処理を行う(ステップS31)。そして、第1のポートX1について行った上記のステップS12〜S20と同じ処理を、第2のポートX2についても行う(ステップS32〜S40)。
【0065】
つまり、管理局のネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認フレームを生成し、第2のポートからブロードキャストで送信する(ステップS32)。この場合には、ネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局D,C,B,Aの順に到達する。ネットワーク存在確認フレームを受信した各スレーブ局A,B,C,Dの制御フレーム応答部61は、ネットワーク存在確認応答フレームを生成し、管理局Xに対して、ネットワーク存在確認フレームを受信した第1のポートから返信する(ステップS33,S35,S37,S39)。また、スレーブ局A,B,C,Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートから受信したネットワーク存在確認フレームのSAと、自局のネットワーク存在確認フレームの送信ポート情報とを書き換えたネットワーク存在確認フレームを生成し、第1のポートから書き換えたネットワーク存在確認フレームを送信する(ステップS34,S36,S38,S40)。図9は、ネットワーク存在確認フレームの一例を示す図であり、図10は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。図に示されるネットワーク存在確認フレームとネットワーク存在確認応答フレームが作成され、流される。
【0066】
また、ネットワーク存在確認処理部22は、各スレーブ局D〜Aからネットワーク存在確認応答フレームを受信するたびに、ネットワーク存在情報を生成し、さらにネットワーク接続情報を生成し、ネットワーク接続情報記憶部23に記憶する。このとき生成されるネットワーク存在情報は、図7のレコード705〜708に示されており、このネットワーク存在情報から生成されるネットワーク接続情報は、図8−4に示されている。なお、ネットワーク接続情報の作成は、上記した方法と同様であるので、その説明を省略する。
【0067】
そして、ネットワーク存在確認処理部22は、図8−3と図8−4の結果を用いて、最終的なネットワーク接続情報を構築する。図11は、ネットワーク接続情報の一例を示す図である。図8−3と図8−4の各通信ノードとポートの接続関係から、図11に示される接続関係が得られる。なお、第2のポートX2を無効化したときのネットワーク接続情報(図8−3)と、第1のポートX1を無効化したときのネットワーク接続情報(図8−4)の通信ノードの並び順が一致しているので、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワークが冗長リング構成であることを認識する。また、ネットワーク接続情報を作成する際に、通信ノードは2つのポートしか有さないことを前提として、図8−3と図8−4の結果から得られないポートも付加している。
【0068】
なお、一方のポートを無効化したときの第1のネットワーク接続情報を決定した後、他方のポートを無効化したときの第2のネットワーク接続情報を決定する際に、管理局Xに接続されるスレーブ局が、第1のネットワーク接続情報の最後(末端)のスレーブ局である場合には、トークン巡回順序決定部25は、ネットワークはリング構成であると認識して処理してもよい。
【0069】
また、第2のポートX2を無効化したときのネットワーク接続情報と、第1のポートX1を無効化したときのネットワーク接続情報とが一致しない場合には、ネットワーク存在確認処理部22は、リング構成となっていないと判定する。この場合には、ライン接続管理部24は、第1と第2のポートX1,X2を有効化して通信を行うことになる。
【0070】
ステップS41でのタイムアウト検出後、トークン巡回順序決定部25は、図11に示されるネットワーク接続情報から、トークン巡回順序を決定する(ステップS51)。この実施の形態1では、ネットワークがリング構成である場合を前提としているので、トークン巡回順序として、管理局Xを起点として、現在有効化されているポート(第2のポートX2)に接続されるスレーブ局の順とする。つまり、この例では、管理局X→スレーブ局D→スレーブ局C→スレーブ局B→スレーブ局A→管理局Xの順とする。ただし、これは一例であり、他の方法によってトークン巡回順序を決定してもよい。決定されたトークン巡回順序はトークン巡回順序情報記憶部26に記憶される。
【0071】
ついで、管理局Xのセットアップ処理部27は、トークン巡回順序情報記憶部26に記憶されているトークン巡回順序を用いて、各通信ノードの送信権の巡回情報(トークンフレームを受信し送信権を獲得した通信ノードのつぎに送信権を与える通信ノードを示す情報)を通知するためのセットアップ処理を行う(ステップS52)。この実施の形態1では、管理局Xは、セットアップフレームを用いて各スレーブ局A〜Dにトークン巡回順序を通知し、各スレーブ局A〜Dは、セットアップ応答フレームを用いて、セットアップフレームを受信したことを管理局Xに通知する。
【0072】
その後、管理局Xのトークンフレーム処理部28とデータフレーム通信処理部29は、正常にセットアップ処理が終了すると、トークン巡回順序情報に基づいて、トークンフレームを用いた通信を開始する(ステップS53)。ここでは、管理局Xは第1のポートX1を無効化したまま第2のポートX2からトークンフレームを用いた通信を行う。これによって、管理局Xの第1のポートX1とスレーブ局Aの第2のポートA2とはケーブルで接続されていないのと同じ状態となり、ライン型トポロジの接続と同じ送受信処理を行うことができる。
【0073】
なお、以上のステップS11〜ステップS41までの処理が、ネットワークを構成する通信ノードとその配列状態を確認するためのネットワーク存在確認処理である。
【0074】
この実施の形態1によれば、リング型トポロジを有するイーサネットネットワークにおいて、起動時にいずれか一方のポートを無効化し、一方のポートでのみ通信するようにしたので、物理的にはリング型トポロジのネットワークをライン型トポロジでのプロトコルを用いて通信を行うことができるという効果を有する。
【0075】
また、管理局Xは、ネットワーク存在確認処理のときに、それぞれのポートから一度だけネットワーク存在確認フレームを送信すればよく、背景技術で説明した特許文献1の場合のように、ネットワークに接続される通信ノードの1台1台についてネットワークに接続されているかを確認するための情報を送信する必要がない。その結果、ネットワーク存在確認処理を特許文献1の場合に比して短時間で終了することができるという効果を有する。
【0076】
さらに、特許文献1のように、データを右回りと左回りで回すための回路を構成する必要がなく、装置を構成するコストを従来に比して抑えることができるという効果も有する。
【0077】
実施の形態2.
この実施の形態2では、実施の形態1とは異なる方法で起動時のシステム構成認識処理を行う場合について説明する。
【0078】
図12は、実施の形態2によるスレーブ局の機能構成を模式的に示すブロック図である。このスレーブ局は、実施の形態1の構成において、通信処理部60Aにリンク状態確認部66をさらに備える。このリンク状態確認部66は、ポートに接続される伝送路状態が正常であるか否か、つまり、隣接する通信ノードとの間でリンク状態が正常であるか否か、をポートごとにリンク状態信号を用いて確認する機能を有する。なお、このリンク状態の確認は、たとえば10Mbpsのイーサネットケーブルを使用する場合には、物理層でやり取りされるリンクパルスによって行うことができる。リンク状態には、隣接する通信ノードとの間でリンク状態信号のやり取りを行うことができ、通信可能な状態である正常状態と、隣接する通信ノードとの間でリンク状態信号のやり取りを行うことができず、通信不可能な状態である異常状態と、の2つの状態がある。
【0079】
また、制御フレーム応答部61は、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、受信した時点におけるリンク状態確認部66で確認された各ポート51−1,51−2のリンク状態をネットワーク存在確認応答フレームに設定し、管理局に送信する機能を有する。図13は、ネットワーク存在確認応答フレームの一例を示す図である。この図に示されるように、ネットワーク存在確認応答フレーム220Aのデータ224の一部には、リンク状態情報228が設けられ、このリンク状態情報228にリンク状態確認部66で確認されたリンク状態が格納される。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。また、実施の形態2で用いられる管理局は実施の形態1で用いられるものと同一であるので、その説明を省略している。
【0080】
つぎに、このような通信システムにおけるデータ通信方法について説明する。図14は、実施の形態2による起動時のデータ通信方法の一例を模式的に示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0081】
管理局Xとスレーブ局A〜Dがイーサネットケーブルで接続された後、スレーブ局A〜Dの電源がオンにされ、さらにその後、管理局Xの電源がオンにされると、管理局Xは、管理局Xを含む同一セグメントのネットワーク上に接続されているスレーブ局を認識するために、以下の処理を行う。初めに、管理局Xの通信処理部のライン接続管理部24は、自局の一方のポート、ここでは第2のポートX2を無効化し、第1のポートX1でのみフレームの送受信が可能な状態とする(ステップS111)。
【0082】
ついで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認フレームを生成し、第1のポートX1からブロードキャストで送信する(ステップS112)。上記したように、ここでは、各通信ノードはリング状に接続されているので、ネットワーク存在確認フレームは最初にスレーブ局Aに到達する。
【0083】
スレーブ局Aの制御フレーム応答部61は、第2のポートA2でネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを生成し、管理局Xに対してネットワーク存在確認フレームを受信した第2のポートA2から返信する(ステップS113)。なお、このとき、送信されるネットワーク存在確認応答フレーム220Aのリンク状態情報228には、リンク状態確認部66がネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間に取得した第1と第2のポートA1,A2のリンク状態が設定されている。
【0084】
また、スレーブ局Aの制御フレーム応答部61は、受信したネットワーク存在確認フレームの内容を一部書き換え、第1のポートA1から書き換えたネットワーク存在確認フレームを送信する(ステップS114)。
【0085】
その後、ネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局B,C,Dと順に到達し、各スレーブ局B,C,Dは、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、上述したスレーブ局Aでの処理と同様の処理を行う。つまり、ネットワーク存在確認フレームを受信した各スレーブ局B,C,Dの制御フレーム応答部61は、ネットワーク存在確認応答フレーム220Aを生成し、管理局Xに対して、ネットワーク存在確認フレームを受信した第2のポートから返信する(ステップS115,S117,S119)。また、スレーブ局B,C,Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートから受信したネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えたネットワーク存在確認フレームを、第1のポートから送信する(ステップS116,S118,S120)。
【0086】
ここで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認応答フレーム220Aを受信するとタイマ21を起動し、所定の時間内にネットワーク存在確認応答フレーム220Aを受信するか否かを判定する。そして、所定の時間内にネットワーク存在確認応答フレーム220Aを受信した場合には、タイマ21をリセットして計時し直す。ここでは、スレーブ局Dの先には他のスレーブ局が接続されていないので(スレーブ局Dの先の管理局Xの第2のポートX2は無効とされているので)、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレーム220Aを受信してタイマをリセットすると、タイムアウトとなる(ステップS121)。
【0087】
また、ネットワーク存在確認処理部22は、各スレーブ局A〜Dからネットワーク存在確認応答フレーム220Aを受信するたびに、実施の形態1で説明したように、ネットワーク接続情報を生成し、ネットワーク接続情報記憶部23に記憶する。このとき、すべてのスレーブ局A〜Dからのリンク状態が正常である場合には、管理局Xは、ネットワーク構成が冗長リング構成であることを把握する(ステップS122)。
【0088】
その後、実施の形態1と同様に、管理局Xは、トークン巡回順序を決定し(ステップS123)、セットアップ処理を行った後に(ステップS124)、トークンフレームを用いたデータフレームの通信処理を開始する(ステップS125)。
【0089】
この実施の形態2によれば、スレーブ局がネットワーク存在確認応答フレーム220Aに2つのポート51−1,51−2のリンク状態を格納するようにしたので、管理局Xの一方のポート11−1,11−2から送出したネットワーク存在確認フレームによる応答のみでリング構成であるか否かを判定することができる。つまり、ネットワーク状態を認識するためのネットワーク存在確認フレームの発行回数が1回となり、ネットワーク存在確認処理に要する時間を実施の形態1の場合に比して短縮することができるという効果を有する。
【0090】
実施の形態3.
この実施の形態3では、トークンを用いた通信中に通信ノードがダウンした場合またはケーブル断が発生した場合のリング再構成処理(ネットワーク存在確認処理)について説明する。
【0091】
この実施の形態3で使用される管理局は実施の形態1で使用されるものと同じであり、スレーブ局は実施の形態2で使用されるものと同じである。ただし、各スレーブ局のデータフレーム通信処理部65は、データフレームを送信するまでの間にリンク状態確認部66で確認された2つのポート51−1,51−2のリンク状態を、データフレームに埋め込み、出力する機能を有している。なお、この場合のデータフレームには、実施の形態2の図13のネットワーク存在確認応答フレームのフォーマットのところで説明したように、データの一部に、リンク状態確認部66で確認されたリンク状態を格納するリンク状態情報が設けられている。
【0092】
まず、通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理(ネットワーク存在確認処理)について説明する。図15は、通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0093】
まず、このネットワークでは、管理局Xとスレーブ局A〜Dはケーブルによってリング型に接続されているが、管理局Xの第1のポートX1を無効化することによって(ステップS211)、管理局X−スレーブ局D−スレーブ局C−スレーブ局B−スレーブ局Aのライン型トポロジとして、つぎの(1)の順番でトークンフレームを用いたデータフレームの送受信が行われているものとする。
管理局X→スレーブ局D→スレーブ局C→スレーブ局B→スレーブ局A→管理局X ・・・(1)
【0094】
スレーブ局Dがトークンフレームを獲得する直前に、スレーブ局Cが何らかの原因によってダウン(電源オフ)したものとする(ステップS212)。このとき、スレーブ局Dのリンク状態確認部66は、物理層で定期的に隣接する通信ノードとの間でやり取りされるリンクパルスなどのリンク確認信号が、スレーブ局Cから得られないので、スレーブ局Cがリンク断したこと(すなわち、スレーブ局Cの電源がオフしたこと、またはスレーブ局Cとの間のケーブル断が発生したこと)を認識する(ステップS213)。なお、スレーブ局Bも同様に、スレーブ局Cがリンク断したことを認識する。
【0095】
その後、スレーブ局Dが、予め定められたトークン巡回順序にしたがってトークンフレームを獲得すると、スレーブ局Dのデータフレーム通信処理部65は、データフレーム中のリンク状態情報に、スレーブ局Cがリンク断したことを示す情報を格納して、管理局Xに送信する(ステップS214)。具体的には、データフレームのリンク状態情報に、第1のポートD1は正常であるが第2のポートD2は異常であることを格納し、管理局Xに送信する。
【0096】
ついで、管理局Xは、スレーブ局Dからのデータフレームを受信し、通常の受信処理をするが、このとき、リンク状態情報にスレーブ局Cがリンク断したことを示す情報が含まれているので、スレーブ局Cが離脱したことを認識する(ステップS215)。
【0097】
そして、管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Cのリンク断を知らせてきたスレーブ局Dのスレーブ局C側の第2のポートD2を無効にするポート制御フレームを、スレーブ局Dに対して送信する(ステップS221)。スレーブ局Dのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第2のポートD2を無効化する処理を行う(ステップS222)。そして、スレーブ局Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートD2の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS223)。
【0098】
管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Dからポート制御応答フレームを受信すると、第1のポートX1を有効にする(ステップS224)。これは、第1のポートX1を無効のままとしておくと、管理局Xはスレーブ局Dとしか通信できないからである。これによって、管理局Xは第1と第2のポートX1,X2がともに有効となり、スレーブ局Dの他に、スレーブ局A,Bとも通信可能な状態となる。
【0099】
その後、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、第1と第2のポートX1,X2からネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する(ステップS231,S233)。
【0100】
第2のポートX2から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS232)。このネットワーク存在確認応答フレームには、リンク状態確認部66で確認されたネットワーク存在確認フレームを受信した時点における各ポートのリンク状態が含まれている。また、スレーブ局Dでは、第2のポートD2が無効化されているので、受信したネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dの第2のポートD2の先に接続されるスレーブ局Cには送信されない。
【0101】
なお、このとき、スレーブ局Cが一瞬復旧する場合も考えられる。この場合には、スレーブ局Dの第2のポートD2とスレーブ局Cの第1のポートC1との間の伝送路では、物理層でリンク確認信号のやり取りが行われるが、データリンク層ではスレーブ局Dの第2のポートD2は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームがスレーブ局Cにリピートされることはない。そのため、不安定な動作のスレーブ局Cがリング再構成処理のときにネットワーク内に入ってきてしまうことを防ぐことができる。また、スレーブ局Dの第2のポートD2を無効化しなかった場合には、管理局Xとスレーブ局A〜Dのポートのすべてが有効となるリング構成となってしまい、フレームがネットワーク内を永遠に回り続けてしまうので、このような事態の発生も防ぐことができる。
【0102】
一方、管理局Xの第1のポートX1から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Aで受信され、スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレームが管理局Xに返される(ステップS234)。また、スレーブ局Aは、ネットワーク存在確認フレームの内容を一部書換えて、第2のポートA2から第1のポートA1にリピートする(ステップS235)。同様に、スレーブ局Bでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信し(ステップS236)、ネットワーク存在確認フレームの内容を一部書き換えて第2のポートB2から第1のポートB1へとリピートする(ステップS237)。しかし、スレーブ局Cはダウンしているので、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。また、スレーブ局A,Bが送信するネットワーク存在確認応答フレームには、ネットワーク存在確認応答フレーム送出時までにリンク状態確認部66で確認された各ポートのリンク状態が含まれている。
【0103】
スレーブ局Bからネットワーク存在確認応答フレームを受信した管理局Xは、タイマ21で計時を開始する。この例の場合、上記したように、ダウンしているスレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレームは出されないので、スレーブ局Bからのネットワーク存在確認応答フレームを受信してから所定の時間が経過し、タイマ21がタイムアウトする(ステップS238)。その結果、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、スレーブ局C(スレーブ局Bに隣接するスレーブ局)がネットワークから離脱したことを認識する(ステップS239)。
【0104】
なお、管理局Xは、各スレーブ局A,B,Dからネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、受信した時点における通信ノード間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成している。
【0105】
その後、管理局Xのライン接続管理部24は、最後に受信したネットワーク存在確認応答フレームの送信元であるスレーブ局Bの第1のポートB1を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Bに対して送信する(ステップS241)。スレーブ局Bのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第1のポートB1を無効化する処理を行う(ステップS242)。そして、スレーブ局Bの制御フレーム応答部は、第1のポートB1の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS243)。
【0106】
その後、管理局Xは、実施の形態1で説明したように、トークン巡回順序を決定し(ステップS251)、各通信ノードに対してトークンフレームの送信順序を設定するセットアップ処理を行う(ステップS252)。その後、ネットワーク内でトークンフレームを用いたデータフレームの送信処理を開始する(ステップS253)。このとき、スレーブ局Bの第1のポートB1からスレーブ局Dの第2のポートD2までは未接続と同じ動きとなり、スレーブ局Cを除いた管理局X、スレーブ局A,B,Dでデータフレームの通信が行われる。
【0107】
以上では、ノードがダウンした場合のリング再構成処理について説明したが、ケーブルが切断した場合も基本的に上記のリング再構成処理と同様である。図16は、ケーブルが断線した場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0108】
まず、このネットワークでは、管理局Xとスレーブ局A〜Dはケーブルによってリング型に接続されているが、管理局Xの第1のポートX1を無効化することによって(ステップS311)、管理局X−スレーブ局D−スレーブ局C−スレーブ局B−スレーブ局Aのライン型トポロジとしてトークンフレームを用いて、上記(1)に示される順番でデータフレームの送受信が行われているものとする。
【0109】
スレーブ局Dがトークンフレームを獲得する直前に、スレーブ局Dとスレーブ局Cとの間のケーブルが何らかの原因によって断線したものとする(ステップS312)。このとき、スレーブ局Dのリンク状態確認部66は、物理層で定期的に隣接する通信ノードとの間でやり取りされるリンクパルスなどのリンク確認信号が、スレーブ局Cから得られないので、スレーブ局Cがリンク断したこと(すなわち、スレーブ局Cがダウンしたこと、またはケーブル断が発生したこと)を認識する(ステップS313)。なお、同様にスレーブ局Cのリンク状態確認部66も、スレーブ局Dがリンク断したこと(すなわち、スレーブ局Dがダウンしたこと、またはケーブル断が発生したこと)を認識する(ステップS314)。
【0110】
その後、スレーブ局Dが、予め定められたトークン巡回順序(1)にしたがってトークンフレームを獲得すると、スレーブ局Dのデータフレーム通信処理部65は、データフレーム中のリンク状態情報に、スレーブ局Cが離脱したことを示す情報を格納して、管理局Xに送信する(ステップS315)。具体的には、データフレームのリンク状態情報に、第1のポートD1は正常であるが第2のポートD2は異常であることを格納し、管理局Xに送信する。
【0111】
ついで、管理局Xは、スレーブ局Dからのデータフレームを受信し、通常の受信処理をするが、このとき、リンク状態情報にスレーブ局Cがリンク断したことを示す情報が含まれているので、ライン接続管理部24はスレーブ局Cが離脱したことを認識し(ステップS316)、リング再構成処理に移る。
【0112】
そこで、まず、管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Cの離脱を知らせてきたスレーブ局Dの、スレーブ局C側の第2のポートD2を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Dに対して送信する(ステップS321)。スレーブ局Dのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第2のポートD2を無効化する処理を行う(ステップS322)。そして、スレーブ局Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートD2の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS323)。
【0113】
また、管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Dからポート制御応答フレームを受信すると、自局の第1のポートX1を有効にする(ステップS324)。これによって、管理局Xは第1と第2のポートX1,X2がともに有効となる。その後、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、第1と第2のポートX1,X2からネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する(ステップS331,S333)。
【0114】
管理局Xの第2のポートX2から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS332)。このネットワーク存在確認応答フレームには、ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間にリンク状態確認部66で確認された各ポートのリンク状態が含まれている。また、スレーブ局Dでは、第2のポートD2が無効化されているので、受信したネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dの第2のポートD2の先に接続されるスレーブ局Cにはリピートされない。
【0115】
なお、このとき、スレーブ局Cとの間のケーブルが一瞬復旧する場合も考えられる。この場合には、スレーブ局Dの第2のポートD2とスレーブ局Cの第1のポートC1との間の伝送路では、物理層でリンク確認信号のやり取りが行われるが、データリンク層ではスレーブ局Dの第2のポートD2は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームがスレーブ局Cにリピートされることはない。そのため、スレーブ局Cがリング再構成処理のときにスレーブ局Dの側から入ってきてしまうことを防ぐことができる。もし、第2のポートD2が無効化されなかった場合には、管理局Xとスレーブ局A〜Dとがリング構成となってしまい、フレームがネットワーク内を永遠に回り続けてしまう。つまり、第2のポートD2を無効化することで、このような事態の発生を防ぐことができる。
【0116】
一方、管理局Xの第1のポートX1から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Aで受信され、スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS334)。また、スレーブ局Aは、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて、第2のポートA2から第1のポートA1にリピートする(ステップS335)。同様に、スレーブ局B,Cでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信し(ステップS336,S338)、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて、第2のポートから第1のポートへとリピートする(ステップS337,S339)。なお、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが断線している状態であるので、スレーブ局Dにはネットワーク存在確認フレームは到達せず、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。また、各スレーブ局A,B,Cから送信されるネットワーク存在確認応答フレームには、ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間にリンク状態確認部66で確認された各ポートのリンク状態が含まれている。
【0117】
スレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレームを受信した管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、タイマ21で計時を開始する。この例の場合、上記したように、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが断線しているので、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。その結果、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームを受信してから所定の時間が経過し、タイマ21がタイムアウトする(ステップS340)。そして、管理局Xのライン接続管理部24は、今まで受信したネットワーク存在確認応答フレーム中の情報から、スレーブ局Cとスレーブ局Dの間のケーブルが断線したことを認識する(ステップS341)。
【0118】
なお、管理局Xは、各スレーブ局A〜Dからネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、受信した時点における通信ノード間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成している。
【0119】
その後、ライン接続管理部24は、最後にネットワーク存在確認応答フレームを受信したスレーブ局Cの第1のポートC1を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Cに対して送信する(ステップS351)。スレーブ局Cのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第1のポートC1を無効化する処理を行う(ステップS352)。そして、スレーブ局Cの制御フレーム応答部61は、第1のポートC1の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS353)。
【0120】
その後、管理局Xは、実施の形態1で説明したように、トークン巡回順序を決定し(ステップS361)、各通信ノードに対してトークンフレームの送信順を設定するセットアップ処理を行う(ステップS362)。その後、トークンフレームを用いたデータフレームの通信が開始される(ステップS363)。このとき、障害発生前と同じ管理局X、スレーブ局A〜Dでデータフレームの通信が行われるが、ライン型に接続される経路が障害発生前と異なっている。つまり、スレーブ局Dの第2のポートD2からスレーブ局Cの第1のポートC1までは未接続と同じ動きとなる。
【0121】
なお、上述した説明では、データフレームにリンク状態確認部66で確認されたリンク状態を格納するようにしていたが、データフレームに限られず、トークンフレームやその他のフレームに格納するようにしてもよい。
【0122】
この実施の形態3によれば、トークンフレームの受信時に各スレーブ局がすべてのポートのリンク状態をデータフレームに埋め込んで管理局Xに通知するようにした。これによって、トークンフレームを受信したスレーブ局に隣接する通信ノード(スレーブ局)がダウンしたり、ケーブルが切断したりする傷害が発生した場合に、障害発生部分でトークンフレームが消失して所定の時間経過するまで待つ場合に比して、速やかに異常を管理局Xに通知して、リング再構成処理を行うことができる。また、ネットワーク存在確認フレームを送信する回数が1回であるので、リング再構成処理の時間短縮を図ることができるという効果を有する。
【0123】
また、リング再構成処理を行う際に、障害が発生した部分に接する通信ノードのポートを無効化するようにしたので、リング再構成処理中に障害が発生した通信ノードが復旧したり、ケーブル状態が不安定な状態(断線(異所)や活線(正常)の状態が交互に短時間に変化している状態であり、ケーブルが断線しかけている状態)となったりする場合でも、障害が発生した部分を除いてリング再構成処理を行うことができる。その結果、リング再構成処理中に、復旧した通信ノードや、ケーブル状態が不安定なケーブルに隣接する通信ノードを含めて、すべての通信ノードのポートが有効化して、ネットワーク内をフレームが流れ続けてしまう自体を防ぐこともできるという効果を有する。
【0124】
実施の形態4.
実施の形態3の場合では、障害が発生した箇所に隣接するスレーブ局にトークンフレームが送信された場合には有効であるが、トークンフレームを受信した際にそのスレーブ局やケーブルに故障が発生する場合や、トークンフレームを受信したスレーブ局と管理局とを結ぶ経路上のスレーブ局がダウンしたりケーブルが断線したりする場合には、実施の形態3の場合では対応できない。そこで、この実施の形態4では、このような場合のリング再構成処理について説明する。
【0125】
図17は、実施の形態4による管理局の機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。管理局は、実施の形態1の図2−1の構成において、通信処理部20Aにネットワーク監視部30をさらに備える。
【0126】
ネットワーク監視部30は、ネットワーク内に流れるフレームを検出すると、タイマ21を起動させ、ネットワーク内を流れるフレームを監視する。タイマ21を起動してから所定の時間が経過するまでの間に、第1のポート11−1または第2のポート11−2にフレームが入力された場合には、タイマ21をリセットして新たに計時し直す。また、タイマ21を起動してから所定の時間が経過するまでの間に、第1のポート11−1または第2のポート11−2にフレームが入力されない場合、すなわちタイムアウトを検出した場合には、ネットワーク(通信システム)内でフレームが消失したものと判断し、ネットワーク存在確認処理部22にネットワーク存在確認処理を行うように指示を与える。ここで、監視対象のフレームとしてはすべてのフレームを対象としてもよいし、トークンフレームを対象としてもよい。
【0127】
なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。また、この実施の形態4で使用されるスレーブ局の構成は、実施の形態1で説明したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0128】
つぎに、この実施の形態4によるデータ通信方法について説明するが、最初に、ネットワーク中の通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理について説明する。図18は、通信ノードがダウンした場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0129】
まず、このネットワークでは、管理局Xとスレーブ局A〜Dはケーブルによってリング型に接続されているが、管理局Xの第1のポートX1を無効化することによって(ステップS411)、管理局X−スレーブ局D−スレーブ局C−スレーブ局B−スレーブ局Aのライン型トポロジとして、上記(1)の順番にしたがってトークンフレームを用いたデータフレームの送受信が行われているものとする。
【0130】
スレーブ局Cは、トークンフレームを獲得した後に、何らかの原因によって電源がオフになったものとする(ステップS412)。このとき、スレーブ局Dの第2のポートD2は通信できない状態となる(ステップS413)。スレーブ局Bも同様に、スレーブ局Cと接続される第1のポートB1は通信できない状態となる。
【0131】
また、スレーブ局Cにトークンフレームが回る際には、そのトークンフレームはネットワーク上全体にも流れている。そのため、管理局Xのネットワーク監視部30は、トークンフレームがネットワーク上を流れたことを検出すると、タイマ21をセットする。そして、トークンフレームを獲得したスレーブ局Cの電源がオフになったので、タイマ21がタイムアウトするまでの間、ネットワーク上を他のフレームが流れないことになる。
【0132】
管理局Xのネットワーク監視部30は、タイムアウトにより所定の時間ネットワーク上をフレームが流れないことを検出すると(ステップS414)、ネットワーク上でトークンフレームが消失したことを認識し、ネットワーク存在確認処理部22に対してネットワーク存在確認処理を行うように指示を出す。そして、ネットワーク存在確認処理部22は、現在のポートの有効/無効状態のまま、すなわち第1のポートX1が無効で第2のポートX2が有効である状態のままで、ネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する(ステップS421)。
【0133】
管理局Xの第2のポートX2から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS422)。また、スレーブ局Dでは、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書換えて第1のポートD1から第2のポートD2へとリピートするが(ステップS423)、スレーブ局Cは電源オフの状態にあるので、スレーブ局Dの第2のポートD2の先に接続されるスレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレームは返されない状態となる。
【0134】
管理局Xは、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、タイマ21を起動し、所定の時間の計時を開始する。しかし、スレーブ局Dのつぎに接続されているスレーブ局Cの電源がオフの状態であるので、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームは到達しない。その結果、所定の時間を経過し、タイムアウトとなる(ステップS424)。これによって、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、スレーブ局Cがリンク断したこと、すなわちスレーブ局Dまでしかデータフレームを送信することができない状態であることを認識する(ステップS425)。
【0135】
その後、ライン接続管理部24は、最後にネットワーク存在確認応答フレームを受信したスレーブ局Dの第2のポートD2を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Dに対して送信する(ステップS431)。ポート制御フレームを受信したスレーブ局Dのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームの指示にしたがって、第2のポートD2をデータリンク層以上でのデータフレームの通信を無効化する処理を行う(ステップS432)。この第2のポートD2の無効化処理が終了すると、制御フレーム応答部61は、ポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS433)。
【0136】
なお、この一連の処理の中で、スレーブ局Cが一瞬復旧する場合も考えられる。この場合には、スレーブ局Dの第2のポートD2とスレーブ局Cの第1のポートC1との間の伝送路では、物理層でリンク確認信号のやり取りが行われるが、データリンク層ではスレーブ局Dの第2のポートD2は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームがスレーブ局Cにリピートされることはない。そのため、不安定な動作のスレーブ局Cがリング再構成処理のときにネットワーク内に入ってきてしまうことを防ぐことができる。また、スレーブ局Dの第2のポートD2を無効化しなかった場合には、管理局Xとスレーブ局A〜Dとがリング構成となり、リング再構成処理で流されるフレームがネットワーク内を永遠に回り続けてしまうので、このような事態の発生も防ぐことができる。
【0137】
ポート制御応答フレームを受信した管理局Xのライン接続管理部24は、自局の第1のポートX1を有効にする処理を行う(ステップS434)。これによって、管理局Xは、2つのポートX1,X2でデータフレームの送受信を行うことが可能な状態となる。
【0138】
ついで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで同一セグメントのネットワーク上のスレーブ局に対して送信する(ステップS441,S443)。第2のポートX2から送信されるネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dは、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信する(ステップS442)。なお、スレーブ局Dの第2のポートD2は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームのリピートは行われない。
【0139】
管理局Xの第1のポートX1から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Aで受信され、スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS444)。また、スレーブ局Aは、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて第2のポートA2から第1のポートA1にリピートする(ステップS445)。同様に、スレーブ局Bでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信し(ステップS446)、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて第2のポートB2から第1のポートB1へとリピートする(ステップS447)。しかし、スレーブ局Cはダウンしているので、スレーブ局Cにネットワーク存在確認フレームは到達せず、またスレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。
【0140】
スレーブ局Bからネットワーク存在確認応答フレームを受信した管理局Xは、タイマ21で計時を開始する。この例の場合、上記したように、スレーブ局Cはダウンしているので、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームは出されないので、スレーブ局Bからのネットワーク存在確認応答フレームを受信してから所定の時間が経過し、タイマ21がタイムアウトする(ステップS448)。その結果、管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局C(スレーブ局Bに隣接するスレーブ局)がネットワークから離脱したことを認識する(ステップS449)。
【0141】
その後、ライン接続管理部24は、最後にネットワーク存在確認応答フレームを受信したスレーブ局Bの第1のポートB1を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Bに対して送信する(ステップS451)。スレーブ局Bのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第1のポートB1を無効化する処理を行う(ステップS452)。そして、スレーブ局Bの制御フレーム応答部61は、第1のポートB1の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS453)。
【0142】
なお、管理局Xは、各スレーブ局からネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、受信した時点における通信ノード間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成している。
【0143】
その後、管理局Xは、実施の形態1で説明したように、トークン巡回順序を決定し(ステップS461)、各通信ノードA,B,Dに対してトークンフレームの送信順を設定するセットアップ処理を行う(ステップS462)。そして、トークンフレームを用いたデータフレームの通信が開始される(ステップS463)。このとき、スレーブ局Cを除いた管理局X、スレーブ局A,B,Dでデータフレームの通信が行われる。
【0144】
つぎに、ケーブルが切断した場合のリング再構成処理について説明するが、基本的には通信ノードがダウンしたときと同様の処理である。図19は、ケーブルが断線した場合のリング再構成処理の手順の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0145】
まず、このネットワークでは、管理局Xとスレーブ局A〜Dはケーブルによってリング型に接続されているが、管理局Xの第1のポートX1を無効化することによって(ステップS511)、管理局X−スレーブ局D−スレーブ局C−スレーブ局B−スレーブ局Aのライン型トポロジとして、上記(1)の順序にしたがってトークンフレームを用いたデータフレームの送受信が行われているものとする。
【0146】
スレーブ局A〜Cのいずれかのスレーブ局がトークンフレームを獲得しているときに、スレーブ局Dとスレーブ局Cとの間のケーブルが何らかの原因によって断線したものとする(ステップS512)。このとき、スレーブ局Dの第2のポートD2は通信できない状態となる(ステップS513)。また、スレーブ局Bも同様に、スレーブ局Cと接続される第1のポートB1は通信できない状態となる(ステップS514)。さらに、管理局Xのネットワーク監視部30は、最後にネットワーク上を流れたフレームを検出すると、タイマ21を用いて計時を行う。その後、ここでは、ケーブルが切断してしまったので、ネットワーク上を他のフレームが流れない状態が所定の時間以上継続することになる。
【0147】
管理局Xのネットワーク監視部30は、タイムアウトにより所定の時間ネットワーク上をフレームが流れないことを検出すると(ステップS515)、ネットワーク上でトークンフレームが消失したことを認識し、ネットワーク存在確認処理部22に対してネットワーク存在確認処理を行うように指示を出す。そして、ネットワーク存在確認処理部22は、現在のポートの有効/無効状態のまま、すなわち第1のポートX1が無効で第2のポートX2が有効である状態のままで、ネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する(ステップS521)。
【0148】
管理局Xの第2のポートX2から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS522)。また、スレーブ局Dでは、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書換えて第1のポートD1から第2のポートD2へとリピートするが(ステップS523)、スレーブ局Dとスレーブ局Cとの間のケーブルが切断した状態にあるので、スレーブ局Dの第2のポートD2の先に接続されるスレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレームは返されない状態となる。
【0149】
管理局Xは、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、タイマ21を起動し、所定の時間の計時を開始する。しかし、スレーブ局Dとスレーブ局Cとのケーブルが切断した状態にあるので、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームは到達しない。その結果、所定の時間を経過し、タイムアウトとなる(ステップS524)。管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、スレーブ局Cがリンク断したこと、すなわちスレーブ局Dまでしかデータフレームを送信することができない状態であることを認識する(ステップS525)。
【0150】
その後、ライン接続管理部24は、最後にネットワーク存在確認応答フレームを受信したスレーブ局Dの第2のポートD2を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Dに対して送信する(ステップS531)。ポート制御フレームを受信したスレーブ局Dのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームにしたがって、第2のポートD2について、データリンク層以上でのデータフレームの通信を無効化する処理を行う(ステップS532)。この第2のポートD2の無効化処理が終了すると、制御フレーム応答部は、ポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS533)。
【0151】
なお、この一連の処理の中で、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが一瞬復旧する場合も考えられる。この場合には、スレーブ局Dの第2のポートD2とスレーブ局Cの第1のポートC1との間の伝送路では、物理層でリンク確認信号のやり取りが行われるが、データリンク層ではスレーブ局Dの第2のポートD2は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームがスレーブ局Cにリピートされることはない。そのため、管理局Xの第2のポートX2のリング再構成処理のときにスレーブ局Cがネットワーク内に入ってきてしまうことを防ぐことができる。また、第2のポートD2を無効化しなかった場合には、管理局Xとスレーブ局A〜Dとがリング構成となり、リング再構成処理で流されるフレームがネットワーク内を永遠に回り続けてしまうので、このような事態の発生も防ぐことができる。
【0152】
その後、ポート制御応答フレームを受信した管理局Xのライン接続管理部24は、自局の第1のポートX1を有効にする処理を行う(ステップS534)。これによって、管理局Xは、2つのポートX1,X2でデータフレームの送受信を行うことが可能な状態となる。
【0153】
ついで、ネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで同一セグメントのネットワーク上のスレーブ局に対して送信する(ステップS541,S543)。管理局Xの第2のポートX2から送信されるネットワーク存在確認フレームについての処理は、上記した図18のステップS441〜S442と同様である(ステップS541〜S542)。
【0154】
管理局Xの第1のポートX1から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Aで受信され、スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS544)。また、スレーブ局Aは、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて第2のポートA2から第1のポートA1にリピートする(ステップS545)。同様に、スレーブ局B,Cでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信し(ステップS546,S548)、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて第2のポートから第1のポートへとリピートする(ステップS547,S549)。なお、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが断線している状態であるので、スレーブ局Dにはネットワーク存在確認フレームは到達せず、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。
【0155】
スレーブ局Cからネットワーク存在確認応答フレームを受信した管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、タイマ21で計時を開始する。この例の場合、上記したように、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが断線しているので、スレーブ局Dからのネットワーク存在確認応答フレームは出されない。その結果、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームを受信してから所定の時間が経過し、タイマ21がタイムアウトする(ステップS550)。そして、管理局Xのライン接続管理部24は、今まで受信したネットワーク存在確認応答フレーム中の情報から、スレーブ局Cとスレーブ局Dとの間のケーブルが断線したことを認識する(ステップS551)。
[0156]
なお、管理局Xは、各スレーブ局からネットワーク存在確認応答フレームを受信すると、受信した時点における通信ノード間の接続状態であるネットワーク接続情報を生成している。
[0157]
その後、ライン接続管理部24は、最後にネットワーク存在確認応答フレームを受信したスレーブ局Cの第1のポートC1を無効にするポート制御フレームをスレーブ局Cに対して送信する(ステップS561)。スレーブ局Cのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第1のポートC1を無効化する処理を行う(ステップS562)。そして、スレーブ局Cの制御フレーム応答部は、第1のポートC1の無効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS563)。
[0158]
その後、管理局Xは、実施の形態1で説明したように、トークン巡回順序を決定し(ステップS571)、各通信ノードA〜Dに対してトークンフレームの送信順序を設定するセットアップ処理を行う(ステップS572)。その後、トークンフレームを用いたデータフレームの通信処理が開始される(ステップS573)。このとき、障害発生前と同じ管理局X、スレーブ局A〜Dでデータフレームの通信が行われるが、ライン型に接続される経路が障害発生前と異なっている。つまり、スレーブ局Dの第2のポートD2からスレーブ局Cの第1のポートC1までは未接続と同じ動きとなる。
[0159]
なお、ここでは、実施の形態1の場合において、管理局Xにネットワーク監視部30を設ける場合を示したが、実施の形態2,3の場合において、管理局Xにネットワーク監視部30を設けるようにしてもよい。
【0160】
この実施の形態4によれば、管理局Xが最後にフレームを検出してから所定の時間内につぎのフレームを検出しない場合には、ネットワークに異常が発生したものとして、ネットワーク存在確認処理(リング再構成処理)を行うようにした。これによって、障害が発生した箇所に隣接する通信ノードが送信権を得たとき以外の場合にも、トークンフレームの消失を検出することができるという効果を有する。また、ネットワーク内の通信ノードの電源がオン状態とオフ状態を短い周期で繰り返したり、一度電源がオフになった通信ノードが再度すぐにオン状態となったりする場合でも、ネットワーク存在確認処理中には、不安定な通信ノードに接するスレーブ局のポートを無効にするようにしたので、リング状に接続されたネットワーク内をフレームが流れ続けるフレームストームの発生を防止しながらリカバリすることができるという効果を有する。
【0161】
また、リング再構成処理を行う際に、障害が発生した部分に接する通信ノードのポートを無効化するようにしたので、リング再構成処理中に障害が発生した通信ノードが復旧したり、ケーブル状態が不安定な状態(断線(異所)や活線(正常)の状態が交互に短時間に変化している状態であり、ケーブルが断線しかけている状態)となったりする場合でも、障害が発生した部分を除いてリング再構成処理を行うことができる。その結果、リング再構成処理中に、復旧した通信ノードや、ケーブル状態が不安定なケーブルに隣接する通信ノードを含めて、すべての通信ノードのポートが有効化して、ネットワーク内をフレームが流れ続けてしまう自体を防ぐこともできるという効果を有する。
【0162】
実施の形態5.
実施の形態3,4では、ネットワーク内の通信ノード(スレーブ局)が何らかの原因によってネットワークから離脱した場合のリング再構成処理について説明した。この実施の形態5では、逆に離脱した通信ノード(スレーブ局)が復帰した場合のネットワーク存在確認処理について説明する。
【0163】
実施の形態5における管理局とスレーブ局の構成は、実施の形態2,3で説明したものと同じ構成であるものとする。
【0164】
図20は、スレーブ局が復旧した場合のデータ通信方法の処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、ここでは、管理局Xに4台のスレーブ局A〜Dがリング状に接続される構成を示しているが、これは例示であって、管理局Xに任意の台数のスレーブ局が接続される場合も、以下に説明する処理と同様の方法でデータ通信を行うことができる。
【0165】
まず、このネットワークでは、管理局Xとスレーブ局A〜Dはケーブルによってリング型に接続されていたが、スレーブ局Cが障害によって電源オフの状態となっており(ステップS611)、管理局Xとスレーブ局A,B,Dの間でトークンフレームを用いたデータフレームの送受信が行われているものとする。つまり、スレーブ局Bの第1のポートB1は無効化され、第2のポートB2は有効化されており、スレーブ局Dの第1のポートD1は有効化され、第2のポートD2は無効化されており、これらのスレーブ局B,Dが末端の通信ノードとなっている(ステップS612)。
【0166】
スレーブ局Dまたはスレーブ局Bがトークンフレームを獲得する前に、スレーブ局Cが復旧し、電源がオンになったものとする(ステップS613)。このとき、スレーブ局D,Bのリンク状態確認部66は、物理層で定期的に隣接する通信ノードとの間でやり取りされるリンクパルスなどのリンク確認信号が、スレーブ局Cから得られることによって、スレーブ局Cが電源オフの状態から復旧したことを認識する(ステップS614)。
【0167】
その後、スレーブ局Dまたはスレーブ局Bが、予め定められたトークン巡回順序にしたがってトークンフレームを獲得し、データフレームを送信するが、このときデータフレーム通信処理部65は、データフレーム中のリンク状態情報に、スレーブ局Cが復旧したことを示す情報を格納する(ステップS615)。具体的には、スレーブ局D,Bがトークンを獲得した場合には、データフレームのリンク状態情報に、第1および第2のポートが正常であることを格納し、管理局Xに送信する。
【0168】
ついで、管理局Xは、スレーブ局Dまたはスレーブ局Bからのデータフレームを受信し、通常の受信処理をするが、このとき、リンク状態情報にスレーブ局Cが復旧したことを示す情報が含まれているので、ライン接続管理部24はスレーブ局Cが復旧したことを認識する。なお、以下では、スレーブ局Dがトークンフレームを獲得し、管理局Xに対してスレーブ局Cの復旧を通知した場合について説明を行う。
【0169】
管理局Xのライン接続管理部24は、スレーブ局Cの復旧を知らせてきたスレーブ局Dのスレーブ局C側の第2のポートD2を有効にするポート制御フレームをスレーブ局Dに対して送信する(ステップS621)。スレーブ局Dのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第2のポートD2を有効化する処理を行う(ステップS622)。そして、スレーブ局Dの制御フレーム応答部61は、第2のポートD2の有効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS623)。
【0170】
管理局Xのネットワーク存在確認処理部は、スレーブ局Dからポート制御応答フレームを受信すると、第1と第2のポートX1,X2からネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信する(ステップS631,S635)。
【0171】
管理局Xの第1のポートX1から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Aで受信され、スレーブ局Aからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS632)。また、スレーブ局Aでは、ネットワーク存在確認フレームの内容を一部書き換えて第2のポートA2から第1のポートA1にリピートする(ステップS633)。スレーブ局Bでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信するが(ステップS634)、スレーブ局Bの第1のポートB1は無効化されているので、ネットワーク存在確認フレームのリピートは行われない。なお、スレーブ局A,Bから送信されるネットワーク存在確認応答フレームには、ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間にリンク状態確認部66で確認された各ポートのリンク状態が含まれている。
【0172】
一方、管理局Xの第2のポートX2から送信されたネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Dで受信され、スレーブ局Dからネットワーク存在確認応答フレームが返される(ステップS636)。また、スレーブ局Dでは、ネットワーク存在確認フレームの内容を一部書換えて第1のポートD1から第2のポートD2にリピートする(ステップS637)。同様に、スレーブ局Cでも、ネットワーク存在確認フレームを受信すると、ネットワーク存在確認応答フレームを管理局Xに送信し(ステップS638)、ネットワーク存在確認フレームの内容の一部を書き換えて第1のポートC1から第2のポートC2へとリピートする(ステップS639)。しかし、スレーブ局Bの第1のポートB1は無効化されているので、受信したネットワーク存在確認フレームは、スレーブ局Bには到達しない。なお、スレーブ局C,Dから送信されるネットワーク存在確認応答フレームには、ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間にリンク状態確認部66で確認された各ポートのリンク状態が含まれている。
【0173】
ここで、管理局Xのネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認応答フレームを受信するとタイマ21を起動し、所定の時間内にネットワーク存在確認応答フレームを受信するか否かを判定する。そして、所定の時間内にネットワーク存在確認応答フレームを受信した場合には、タイマ21をリセットし、計時し直す。ここでは、スレーブ局Cの先には他のスレーブ局が接続されていないので(スレーブ局Cの先のスレーブ局Bの第1のポートB1は無効とされているので)、スレーブ局Cからのネットワーク存在確認応答フレームを受信してタイマをリセットすると、タイムアウトとなる(ステップS640)。
【0174】
また、ネットワーク存在確認処理部22は、各スレーブ局A〜Dからネットワーク存在確認応答フレームを受信するたびに、実施の形態1で説明したように、ネットワーク接続情報を生成し、ネットワーク接続情報記憶部23に記憶する。このとき、すべてのスレーブ局A〜Dからのリンク状態情報が正常である場合には、管理局Xは、ネットワーク構成が冗長リング構成であることを把握する(ステップS641)。
【0175】
その後、管理局Xのトークン巡回順序決定部25は、ネットワーク接続情報を用いてトークン巡回順序を決定し(ステップS651)、トークン巡回順序情報記憶部26に記憶する。ついで、管理局Xのセットアップ処理部27は、トークン巡回順序情報記憶部26に記憶されているトークン巡回順序を用いて、各通信ノードのトークン巡回先情報を通知するためのセットアップフレームを生成し、各スレーブ局A〜Dに対して送信する(ステップS652)。その後、各スレーブ局A〜Dの制御フレーム応答部61が、受信したセットアップフレームに対するセットアップ応答フレームを生成し、管理局Xに対して送信する(ステップS653)。
【0176】
ついで、管理局Xは、すべてのスレーブ局A〜Dからのセットアップ応答フレームを受信し、管理局Xが発行したセットアップフレームがスレーブ局A〜Dに正常に届いたことを認識すると、ライン接続管理部24は、自局(管理局)の第2のポートX2を無効化するとともに(ステップS661)、スレーブ局Bの第1のポートB1を有効化するポート制御フレームを送信する(ステップS662)。その後、スレーブ局Bのポート送受信制御部62は、ポート制御フレームを受信すると、その内容にしたがって、第1のポートB1を有効化する処理を行う(ステップS663)。さらに、スレーブ局Bの制御フレーム応答部は、第1のポートB1の有効化を完了したことを示すポート制御応答フレームを管理局Xに対して送信する(ステップS664)。そして、管理局Xは、トークンフレームを用いた通信を開始する(ステップS671)。
【0177】
なお、上述した説明では、スレーブ局の電源復旧時について説明したが、ケーブル復旧時にも同様にして処理を行うことが可能である。
【0178】
この実施の形態5によれば、何らかの原因でネットワークから離脱したスレーブ局が復旧した場合に、その復旧を速やかに検出してネットワーク存在確認処理を行うことができるという効果を有する。
【0179】
実施の形態6.
図21は、トークン方式によるデータフレームの送信中の状態を示す図である。この図21では、1台の管理局Xと5台のスレーブ局A〜Eが、伝送路でリング状に接続された状態にあり、スレーブ局Cの第1のポートC1とスレーブ局Dの第2のポートD2とが無効化され、ライン型としてデータフレームの送受信を行っている。
【0180】
図22は、図21の状態からケーブルの接続を変更した状態を模式的に示す図である。ここでは、図21の状態から、スレーブ局Dの第1のポートD1に接続されていたケーブル101Aと、スレーブ局Cの第2のポートC2に接続されていたケーブル101Bと、を同時に素早くハブ110のそれぞれ異なるポートに差し替えた場合を示している。このような場合として、ケーブル101A,101Bの差し替えが、リンク確認信号でケーブルが外されたことが検出される前に完了した場合や、ケーブル101A,101Bの差し替えが検出されたが、リンク確認信号が管理局Xへの経路の途中で消失した場合などがある。図21のネットワーク状態では、スレーブ局Eの第2のポートE2と、スレーブ局Bの第1のポートB1とが、それぞれ有効となっているので、図22でもスレーブ局Eの第2のポートE2と、スレーブ局Bの第1のポートB1とは有効となっている。その結果、ネットワークは、リング型トポロジとなってしまい、同じフレームがリング型伝送路を回り続けるフレームストームが発生してしまう。
【0181】
このようなフレームストームは、トークンフレームが消失し、タイムアウトが発生した場合にも、またはトークンフレームを受信した場合にも、管理局Xに送信されてくるフレームが存在する状態である。このような状態になると、伝送路は、常に使用中となってしまうために、ネットワークが機能しなくなってしまう。そこで、この実施の形態6では、このようなフレームストーム状態となった場合にも対応できる通信システムについて説明する。
【0182】
この実施の形態6の管理局Xは、図17と同一の構成を有するが、ネットワーク監視部30に、フレームストーム状態の発生を監視する機能を持たせ、ライン接続管理部24に、ネットワーク監視部30でフレームストームの発生が検出された場合に、第1と第2のポート11−1,11−2間のリピート機能を停止する機能を持たせている。また、ネットワーク監視部30は、第1と第2のポート11−1,11−2間のリピート機能を停止した後、所定の時間管理局に送信されるフレームがないことを確認すると、ライン接続管理部24とネットワーク存在確認処理部22にその旨を通知する機能も有する。ネットワーク監視部30からのフレームストームが収まった旨の通知を受けると、ライン接続管理部24は、第1と第2のポート11−1,11−2間のリピート機能の停止を解除し、またネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認処理を開始する。なお、その他の構成については、上記した実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0183】
つぎに、実施の形態6によるフレームストーム回避処理の手順について説明する。まず、図21の状態から図22に示されるように、ケーブル101A,101Bの付け替えによって、すべての通信ノードのすべてのポートが有効状態のリング型トポロジとなる。その後、管理局Xのネットワーク監視部30は、トークンフレーム消失のタイムアウトが発生しても、またはトークンフレームを受信しても、管理局Xに送られてくるフレームが存在するので、フレームストーム状態となったことを認識する。
【0184】
その後、ネットワーク監視部30によってフレームストーム状態の発生が検出されると、ライン接続管理部24は、第1のポートX1と第2のポートX2との間のリピート機能を停止する。
【0185】
その後、ネットワーク監視部30は、所定の時間管理局Xに送信されるフレームが存在しないことを確認すると、ライン接続管理部24は、第1のポートX1と第2のポートX2との間のリピート機能の停止を解除し、ネットワーク存在確認処理部22は、ネットワーク存在確認処理を行う。なお、ネットワーク存在確認処理は、実施の形態1,2で説明したような手順で行われるので、ここでは、その詳細を省略する。
【0186】
この実施の形態6によれば、無効化されているポートがネットワーク内に存在しないようにケーブルの差し替えが素早く行われ、フレームストームが発生してしまった場合でも、ネットワークを正常な状態に戻すことができるという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0187】
以上のように、この発明にかかる通信システムは、リング状に伝送路で接続された通信ノード間でライン状に接続されたネットワークとして通信を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0188】
11−1,11−2,51−1,51−2 ポート
20,20A,60,60A 通信処理部
21 タイマ
22 ネットワーク存在確認処理部
23 ネットワーク接続情報記憶部
24 ライン接続管理部
25 トークン巡回順序決定部
26 トークン巡回順序情報記憶部
27 セットアップ処理部
28,64 トークンフレーム処理部
29,65 データフレーム通信処理部
30 ネットワーク監視部
61 制御フレーム応答部
62 ポート送受信制御部
63 トークン巡回先情報記憶部
66 リンク状態確認部
101 伝送路
101A,101B ケーブル
110 ハブ
A,B,C,D スレーブ局
X 管理局
Claims (13)
- 複数の通信ノードが伝送路を介してリング状に接続されたネットワーク内におけるトークンパッシング方式でのデータの送信を管理する通信管理装置であって、
隣接する前記通信ノードと伝送路を介して接続する2つのポートと、
自装置を含む前記ネットワーク上の通信ノードのいずれかのポートを、フレーム送受信不可能な無効の状態と、フレーム送受信可能な有効の状態とを切り替える指示を与えるライン接続管理手段と、
前記ネットワーク内に存在する前記通信ノードを認識するネットワーク存在確認フレームをブロードキャストで送信し、前記通信ノードに隣接する通信ノードとそのポートの関係を含むネットワーク存在確認応答フレームを受信して、前記通信ノード間の接続状態を示すネットワーク接続情報を生成するネットワーク存在確認処理を行うネットワーク存在確認手段と、
前記ネットワーク接続情報を用いてトークン巡回順序を決定するトークン巡回順序決定手段と、
前記トークン巡回順序に基づいて、前記ネットワーク内の前記各通信ノードに対して、該通信ノードのつぎに送信権を与える通信ノードを通知するセットアップ処理を行うセットアップ処理手段と、
トークンフレームを用いたデータフレームの送受信を行うデータフレーム通信処理手段と、
を備え、
前記ライン接続管理手段は、前記ネットワーク接続情報によって前記ネットワークがリング構成であると認識した場合には、前記ネットワークの接続状態がリング状とならないように、前記ネットワーク内のいずれかの通信ノードのいずれかのポートを無効化することを特徴とする通信管理装置。 - 前記ネットワーク存在確認手段は、前記2つのポートのそれぞれについてネットワーク存在確認処理を行ってネットワーク接続情報を生成し、2つの前記ネットワーク接続情報が同じである場合に、前記ネットワークはリング構成であると判定することを特徴とする請求項1に記載の通信管理装置。
- 前記ライン接続管理手段は、当該通信管理装置の起動時に、それぞれのポートについてネットワーク接続情報が得られるように自装置の1つのポートのみが有効化されるように順に設定することを特徴とする請求項2に記載の通信管理装置。
- 所定時間前記ネットワーク内にフレームが流れなくなる状態を監視するフレーム監視手段をさらに備え、
前記ネットワーク存在確認手段は、データフレーム送受信中に前記フレーム監視手段によって所定時間前記ネットワーク内にフレームが流れないことが検出された場合にも、前記ネットワーク存在確認処理を行う機能を有し、
前記ライン接続管理手段は、前記検出後に、一方のポートについての第1のネットワーク接続情報と、他方のポートについての第2のネットワーク接続情報と、を得るように、自装置のポートの切替えを行うとともに、前記第1のネットワーク接続情報生成時と第2のネットワーク接続情報生成時に、それぞれ前記第1および第2のネットワーク接続情報で末端となる通信ノードの未接続状態のポートを無効化するポート制御フレームを送信することを特徴とする請求項2に記載の通信管理装置。 - 前記ネットワーク存在確認応答フレームには、該フレームを送信した通信ノードに伝送路を介して他の通信ノードが通信可能に接続されている状態を正常とし、接続されていない状態を異常とするリンク状態が含まれ、
前記ネットワーク存在確認手段は、ネットワーク存在確認処理実行時点における自装置の有効化されているポートからブロードキャストで前記ネットワーク存在確認フレームを送信して得られる前記ネットワーク存在確認応答フレームを用いて前記ネットワーク接続情報を生成するとともに、受信したすべての前記ネットワーク存在確認応答フレームの前記リンク状態が正常である場合に、前記ネットワークはリング構成であると認識することを特徴とする請求項1に記載の通信管理装置。 - 前記ライン接続管理手段は、当該通信管理装置の起動時に、自装置の一方の前記ポートを有効化し、他方のポートを無効化し、
前記ネットワーク存在確認手段は、前記ライン接続管理手段で設定された前記ポートの状態で前記ネットワーク存在確認処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の通信管理装置。 - 複数の通信ノードが伝送路を介してリング状に接続されたネットワーク内に配置され、前記通信ノードの一つである通信管理装置によって決定されたトークン巡回順序にしたがって流されるトークンフレームを獲得してデータの送信を行う通信ノードであって、
隣接する前記通信ノードと伝送路を介して接続する2つのポートと、
前記通信管理装置から送信される前記ネットワーク内に存在する前記通信ノードを認識するネットワーク存在確認フレームを受信すると、リピートするとともに、前記ネットワーク存在確認フレームの送信元通信ノードとそのポートとを含むネットワーク存在確認応答フレームを前記通信管理装置に送信する制御フレーム応答手段と、
自装置のつぎに送信権を与える通信ノードであるトークン巡回先情報を記憶するトークン巡回先情報記憶手段と、
トークンフレームを用いたデータフレームの送受信を行うデータフレーム通信処理手段と、
前記通信管理装置から送信され、フレーム送受信不可能な無効化の状態、またはフレーム送受信可能な有効化の状態への前記ポートの切替え指示に基づいて、前記ポートの無効/有効の状態を切り替えるポート送受信制御手段と、
を備えることを特徴とする通信ノード。 - 前記ポートに伝送路を介して他の接続ノードと通信可能に接続される状態を正常とし、そうでない状態を異常とするリンク状態を、前記各ポートについて確認するリンク接続確認手段をさらに備え、
前記制御フレーム応答手段は、前記ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間に前記リンク接続確認手段によって確認された前記各ポートの前記リンク状態を、前記ネットワーク存在確認応答フレームに含めて送信する機能をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の通信ノード。 - 前記ポートに伝送路を介して他の接続ノードと通信可能に接続される状態を正常とし、そうでない状態を異常とするリンク状態を、前記各ポートについて確認するリンク接続確認手段をさらに備え、
前記データフレーム通信処理手段は、前記データフレームを送信するまでの間に前記リンク接続確認手段によって確認された前記各ポートの前記リンク状態を、前記データフレームに含めて送信する機能をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の通信ノード。 - 2つのポートを有する複数の通信ノードが伝送路を介してリング状に接続されたネットワーク内におけるトークンパッシング方式でのデータの送信を管理し、前記通信ノードの1つである通信管理装置と、前記ネットワーク内におけるその他の通信ノードであるスレーブ局と、を備える通信システムでの前記通信ノードのデータ通信方法であって、
前記通信管理装置は、前記ネットワーク内に存在する前記通信ノードを認識するネットワーク存在確認フレームに該フレームを送信するポート情報を含めてブロードキャストで送信するネットワーク存在確認フレーム送信工程と、
前記スレーブ局は、前記ネットワーク存在確認フレームを受信すると、自局に隣接する通信ノードとそのポートの関係を含むネットワーク存在確認応答フレームを、前記通信管理装置に送信するとともに、受信した前記ネットワーク存在確認フレームをリピートする応答工程と、
前記通信管理装置は、受信した前記ネットワーク存在確認応答フレームの該フレームを送信したスレーブ局に隣接する通信ノードとそのポートの関係から、前記通信ノード間の接続状態を示すネットワーク接続情報を生成するネットワーク接続情報生成工程と、
前記通信管理装置は、前記ネットワーク接続情報に基づいてトークン巡回順序を決定し、つぎに送信権を与える通信ノードを含むトークン巡回先情報を前記スレーブ局に通知するセットアップ工程と、
トークンフレームを用いてデータフレームの送信を行うデータフレーム送信工程と、
を含み、
前記ネットワーク存在確認フレーム送信工程で、前記通信管理装置は、前記ネットワーク存在確認フレームを送信する前に、前記ネットワーク上の通信ノードのいずれかのポートを、フレーム送受信不可能な無効化の状態にする処理を行うことを特徴とするデータ通信方法。 - 前記通信管理装置の起動時には、
前記通信管理装置の第1のポートを有効にし、第2のポートを無効にした状態で、前記ネットワーク存在確認フレーム送信工程から前記ネットワーク接続情報生成工程までの処理を行って第1のネットワーク接続情報を生成した後、
前記通信管理装置の第2のポートを有効にし、第1のポートを無効にした状態で、前記ネットワーク存在確認フレーム送信工程から前記ネットワーク接続情報生成工程までの処理を行って、第2のネットワーク接続情報を生成し、前記第1および第2のネットワーク接続情報を用いて前記ネットワークがリング構成か否かを判定することを特徴とする請求項10に記載のデータ通信方法。 - 前記スレーブ局は、自局のポートに他の通信ノードが通信可能に接続されている状態を正常とし、そうでない場合を異常とするリンク状態を確認するリンク状態確認工程をさらに含み、
前記応答工程で、前記スレーブ局は、前記ネットワーク存在確認応答フレームを送信するまでの間に確認された前記リンク状態を前記ネットワーク存在確認応答フレームに含めて送信し、
前記ネットワーク接続情報生成工程では、前記通信管理装置は、すべてのスレーブ局から受信した前記ネットワーク存在確認応答フレーム中の前記リンク状態が正常である場合に、前記ネットワークはリング構成であると認識することを特徴とする請求項10に記載のデータ通信方法。 - 前記通信管理装置の起動時に、前記通信管理装置は、
前記ネットワーク存在確認フレーム送信工程では、前記通信管理装置の一方のポートを有効にし、他方のポートを無効にした後に、前記ネットワーク存在確認フレーム送信し、
前記ネットワーク接続情報生成工程で、前記ポートの状態で前記ネットワーク接続情報を生成した後に前記セットアップ工程以降の処理を行うことを特徴とする請求項12に記載のデータ通信方法。
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