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JP5174806B2 - 強酸性水相からのアクチニド類の群分離 - Google Patents
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Description

本願発明は強酸性水相中に存在するアクチニド類(III),(IV),(V)及び(VI)のすべてを、同じ相に存在する核分裂生成物、特にランタニド類から、化学分野に関連することなく作用する二つの抽出剤を用いて、収集的に分離するための方法に関する。
この方法は使用済核燃料を再処理する分野で用いられ、ウラン抽出サイクルの下流の、使用済核燃料を溶解させるための溶液から、特にプルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び可能なウランをまとめて、但し核分裂生成物に対して選択的に回収するために用いられる。
現在フランスで採用されている使用済核燃料の再処理方法の戦略は、これらの燃料中に存在するその他の化学元素からのみではなく、それぞれからもウランとプルトニウムを分離するための、そしてそれらを精製するためのPUREXプロセスに基づいている。
長寿命放射核の厳密な分離を行うことを目的とするために、第一に、ネプツニウムも分離できるようにPUREXプロセスを改良すること、及び第二に、核分裂生成物の残渣からアメリシウム、キュリウム及びランタニド類を、次いで、ランタニド類からアメリシウムとキュリウムを、そして、最後にキュリウムからアメリシウムを分離するためにPUREXプロセスの下流に位置させること、が提案されている。
ランタニド類(これらはPUREXプロセスから得られるラフィネート中の三価の酸化状態である)からアメリシウム及びキュリウム(これらもPUREXプロセスから得られるラフィネート中の三価の酸化状態である)を分離するために、化学分野に関連することなく作用する二つの抽出剤、即ち、マロンアミド型で、収集的にアクチニド類(III)とランタニド類(III)を強硝酸酸性を有する水相から分離することができる第一の抽出剤と、酸性型で、アクチニド類(III)とランタニド類(III)を弱硝酸酸性を有する水相から抽出することができる第二の抽出物、との使用に基づいて一つのプロセスが提案された(非特許文献1)。このプロセスはアクチニド類(III)とランタニド類(III)を、ラフィネートから有機溶液へそれらを共に拡散させることにより、概略図のように共抽出すること、そして有機溶液からアクチニド類とランタニド類を引き続き逆抽出することからなる。
プルトニウムを増殖を制限するためには、将来の核燃料のライン製造の観点から、現在、放射核燃料を溶解した溶液に存在するウラン、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム及びキュリウムを、予め取り除いた放射核燃料を溶解した溶液から、まとめて、但し核分裂生成物に対して選択的に回収するためのプロセスを改良しようとしている。
そのようなプロセスの発展は、数々の制約、実際には特に、第一に、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム及びキュリウムが溶液中で、アメリシウム及びキュリウムの三価の酸化状態からプルトニウム、ネプツニウム及びウランの四価の酸化状態の範囲の異なる酸化状態にあり、第二に、ウランの除去がなされていない使用済核燃料が溶解した溶液が、陽イオン、特にプルトニウムを非常に高い総含有量(少なくとも0.1mol/L)で含んでいることを考慮されるべきである。
Baron P.ら,Proceedings of the International Conference on Back-End of the Fuel Cycle: From Research to solutions GLOBAL'01,INIS-FR-1108, [1] ,パリ,フランス,2001年9月9−13日.
今日、それらの研究の方向に従って、本発明者らは化学分野に関係することなく作用する(先に述べた制約が存在することなくランタニド類(III)からアクチニド類(III)を分離するための上述の文献に提案された方法のように)、驚くべきことに、使用済核燃料を溶解させるための溶液中に存在するすべてのアクチニド類の群分離であるが選択的分離を可能にすることができる二つの抽出剤の使用に基づく方法を見出した。
本願発明はこのような研究成果に基づいている。
本願発明の主題の一つは、ランタニド類を含む核分裂生成物を含む強酸性水相中に存在するアクチニド類(III),(IV),(V)及び(VI)の群分離方法であって、以下の工程:
a)強酸性水相を非混合有機相に接触させることによって強酸性水相からアクチニド類、ランタニド類、イットリウム及び可能ないくつかの他の核分裂生成物を共抽出する工程であって、前記非混合有機相が、強酸性水相から前記元素を抽出することができる第一の抽出剤と、弱酸性水相から前記と同じ元素を抽出することができる第二の抽出剤とを含む工程;
b)少なくとも一つの錯化剤を含む弱酸性水相に前記有機相を接触させることによって前記有機相からアクチニド類を選択的逆抽出する工程、
を含む方法である。
上記及び下記において、「強酸性水相」及び「弱酸性水相」なる表現は、使用済核燃料を再処理する分野において通常受け入れ可能な感覚、すなわち、強酸性水相は通常に0より大きくないpHであり、それは例えば1M以上のモル濃度である硝酸水溶液に対応し、一方、弱酸性水相は通常厳密にpHが0より大きく、それは例えば1Mより厳密に小さいモル濃度である硝酸水溶液に対応することを意味する。
上述のとおり、本発明の方法に使用される有機相は二つの異なる抽出剤:
・ 工程a)において強酸性水相が有機相に接触させるとき、そして、この抽出物がランタニド類の抽出物、及びモリブデン、ジルコニウム、イットリウム、ルテニウム、パラジウム、ストロンチウム又は鉄等のその他の可能性のあるいくつかの核分裂生成物の抽出物とを伴う限りにおいて、強酸性水相からアクチニド類の抽出を可能にする機能を有する第一の抽出剤、
・ 工程b)において有機相が弱酸性水相に接触されるとき、有機相中のこれらのランタニド類及びこれらの核分裂生成物を保持し、それによりアクチニド類の選択的な水性の錯体形成を可能とする役割を有する第二の抽出剤、
を含む。
本願発明によると、第一の抽出剤は好ましくは溶解和抽出剤であり、一方、第二の抽出剤は好ましくは酸抽出剤としても知られている陽イオン交換抽出剤である。
上記溶媒和抽出剤は、特に、
− N,N’−ジメチル−N,N’−ジブチルテトラデシルマロンアミド又はDMDBTDMA、N,N’−ジメチル−N,N’−ジオクチルヘキシルエトキシマロンアミド又はDMDOHEMA、及びN,N’−ジメチル−N,N’−ジブチルドデシルマロンアミド又はDMDBDEMA等のマロンアミド類、
− トリオクチルホスフィン酸化物又はTOPO、及びトリブチルホスフィン酸化物又はTBPO等のトリアルキルホスフィン酸化物類、
− ジイソブチルフェニルオクチルカルバモイルメチルホスフィン酸化物又はCMPO、
− トリイソブチルホスフィンスルフィド類、
− カルバモイルホスホン酸類、
− それらの混合物
から選択することができる。
上記の陽イオン交換抽出剤は、特に、
・ モノアルキル−及びジアルキルリン酸類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)リン酸又はHDEHP、ジヘキシルリン酸又はHDHP、ビス(1,3−ジメチルブチル)リン酸又はHBDMBP、及びジイソデシルリン酸又はDIDPA)、モノアルキル−及びジアルキル−ホスホン酸類(例えば、2−エチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホン酸又はHEHEHP)、モノアルキル−及びジアルキルホスフィン酸類、チオリン酸類、チオホスホン酸類、チオホスフィン酸類及びチオリン系の酸類等のリンをベースとする酸類、
・ 脂溶性カルボン酸、
・ ジノニルナフタレンスルホン酸又はHDNNS等のスルホン酸類、
・ ヒドロキサム酸類、
・ 置換された8−ヒドロキシキノリン類、
・ β−ジケトン類、
・ β−ヒドロキシオキシム類、及び
・ それらの混合物、
から選択することができる。
有機希釈剤としては、トルエン、キシレン、tert−ブチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、n−ドデカン、水素化テトラプロピレン又はHTP、又はケロセン等の、使用済核燃料を再処理する分野において液−液抽出を行うために提案されている使用のための、極性又は脂肪族有機希釈剤のいずれかから選択することができる。
本願発明の内容によると、第一の抽出剤として、マロンアミドが最も好ましく用いられ、特に、DMDOHEMAが好ましく、また、第二の抽出剤としては、リンをベースとする酸類、特に、HDEHP又はHEHEHPが好ましい。その理由は、第二の抽出剤が工程a)の間に相改質剤として働くことができ、次いで偏析(demixing;すなわち、有機相のカチオン類を伴う飽和に次ぐ第三の相の発現)が生じやすくし、よって有機相を飽和させるために、強酸性水相の酸性値を上昇させることができることを、驚くべきことに発明者が見出したためである。
工程a)において、特定の核分裂生成物、例えばパラジウム、及びその他の好ましくない陽イオンの核分裂生成物の共抽出は、少なくとも一つの錯化剤を強酸性水相に添加することにより、有利なことに防止又は、非常に少なく、限定することができる。この錯化剤は、特に、ピリジンポリカルボン酸類(例えば、2,6−ピリジンジカルボン酸)、ポリアミドカルボン酸類(例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸又はHEDTA、及びジエチレントリアミン五酢酸又はDTPA)、カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、親水性ポリピリジン類、ジチオホスホン酸類、アミン類、C−Cアルキル鎖でグラフトされたポリアジン類、ヒドロキシオキシム類、スルホン酸類、ヒドロキサム酸類、及びβ−ジケトン類から選択される。
さらには、強酸性水相に、有機相によって予め抽出力を高めるための、ネプツニウム(V)をネプツニウム(IV)に還元し、この形態で安定化させることができる少なくとも一つの還元剤を添加することもできる。
用いられる還元剤として、特に、ヒドラジン誘導体、ヒドロキシアミン誘導体及びスルファミン酸鉄が挙げられる。
上述のとおり、本願方法の工程b)は上述のすべての錯化剤から選択できる少なくとも一つの錯化剤が存在する弱酸性水相を用いて行うことができる。従って、pHが1〜5のときにバッファーとして働くことができる酸、例えばグリコール酸又はクエン酸等のヒドロキシカルボン酸と、前記水相のpHが1.5〜4.5又はより好ましくは2.5〜3.5とする、ナトリウム、ヒドロオキシド、ヒドラジン、アミン又はカルボン酸等のタイプの塩基とを組み合わせて用いられるHEDTA又はDTPA等のアミノポリ酢酸が好ましい。
弱酸性水相は、さらに少なくとも一つの還元剤を、ネプツニウム(VI)を低減する目的のために、また、もし工程a)に還元剤が用いられていないならば、その逆抽出を容易にする目的のために、含むことができる。
このケースでは、還元剤は、有利には、ヒドラジン誘導体、ヒドロキシアミン誘導体、オキシム誘導体及びヒドロキシ尿素から選択される。
有機相を、特に新たなアクチニド類の群分離を行うために、再使用しようとするときには、この方法は、有機相からランタニド類とイットリウムを逆抽出することからなる、工程b)の後に行われる工程をも含む。
これを行うためには、有機相を、例えば希硝酸溶液を、例えば0.1から1のモル濃度で、或いは、対照的に濃硝酸溶液を4以上のモル濃度で、好ましくはいかなる錯化剤をも含まない酸性水相に接触させる。
しかしながら、ポリアミノカルボン酸、リンをベースとする酸、スルホン酸又は親水性ポリアジン等の錯化剤を含む(弱酸又は強酸の)酸性水溶液も用いることができる。
もし、工程a)において、ランタニド類及びイットリウム以外の核分裂生成物も強酸性水相から抽出されるときには、本方法は、一以上のこれらの核分裂生成物を逆抽出することからなる一以上の工程を更に含む。
従って、例えば、マロンアミドが第一の抽出剤として用いられ、リンをベースとする酸を第二の抽出剤として用いられるときには、
* 工程a)と工程b)の間の、有機相からモリブデンを選択的に逆抽出することからなる工程
* ランタニド類とイットリウムを逆抽出する工程の後の、有機相からジルコニウムを逆抽出することからなる工程
を含む方法により、モリブデン及びジルコニウムがアクチニド類、ランタニド類及びイットリウムと伴に共抽出されるようになる。
例えば鉄やクロムのような核分裂生成物の陽イオンではなく、工程a)の間に有機強酸性水相から抽出される陽イオンを除去することを可能とするこれらの逆抽出は、有利には、水相により与えられたpHにおいて逆抽出することを期待される元素を選択的に抽出することができる少なくとも一つの化合物を含む弱酸性水相を用いることにより行われる。
有機相を、特に新たなアクチニド類の群分離を行うために、再使用しようとするときには、この方法は、有機相からランタニド類とイットリウムを逆抽出することからなる、工程b)の後に行われる工程をも含む。
この精製工程は、既に公知技術の中で述べたとおり、これに含まれる不純物及び劣化生成物を選択的に錯化することができる化合物を含む水相で、有機相を洗浄するための一以上の操作を含むことができ、有機相が沈澱を含むならば一以上の濾過操作を行うことなく、第一及び第二の抽出剤の逆抽出を行うこともなく、しかしながら、これらの相の中へそれらを移動させることができる。
本発明の主題は、上に定義されたアクチニド類(III),(IV),(V)及び(VI)の群分離のための方法の使用であって、ウラン抽出サイクルの下流の、使用済核燃料を溶解させるための溶液から、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び可能なウランをまとめて、但し核分裂生成物に対して選択的に回収するための使用を含む使用済核燃料の再処理方法にもある。
本発明は、添付図を参照する下述の実施例の記載によって、より明確に理解される。
これらの実施例は本発明の主題の説明として単に記載するものであって、その主題の限定としていかなる方法によって解釈されるべきものではないことは言うまでもない。
図1は、本発明方法の実施例を示すフローダイアグラムである。
この図において、長方形1,2,3,4及び5は概略的に、使用済核燃料の再処理に用いられる汎用型の抽出器、例えば多段混合デカンティング抽出装置(multiple mixing-decanting extractor)を示す。
これらの抽出器への溶液相の流入及び流出の流れは二重線で、一方、水相の流入及び流出の流れは単線で示される。
実施例1 本発明の実施例の詳細な説明
含有するウランを抽出した後に、使用済核燃料を溶解させるための溶液から生じる核分裂生成物に微量に存在するプルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及びウランを群分離するために設計された、本発明の方法の実施例を概略的に説明する図1について述べる。
この溶液は強酸性の水溶液、例えば、2〜5Mの硝酸溶液であって、アクチニド類、ランタニド類(ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム等)、ランタニド類以外の核分裂生成物(例えばイットリウム、モリブデン、ジルコニウム、ルビジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ストロンチウム及びロジウム)、及び核分裂生成物ではない陽イオン(例えば、鉄及びクロム)を含んでいる。
この実施例においては、第一及び第二の抽出剤はそれぞれ、
− 例えば0.5から0.6mol/Lの濃度で用いられるN,N’−ジメチル−N,N’−ジブチルテトラデシルマロンアミド(DMDBTDMA)、又は、N,N’−ジメチル−N,N’−ジオクチルヘキシルエトキシマロンアミド(DMDOHEMA)等のマロンアミド類、及び
− 例えば0.3から0.6mol/Lの濃度で用いられるモノアルキル−及びジアルキルリン酸類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)リン酸(HDEHP)、又はモノアルキル−及びジアルキル−ホスホン酸類(例えば、2−エチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホン酸(HEHEHP))等のリンをベースとする酸類、
である。
従って、この方法は、以下の工程:
*強酸性水相からアクチニド類をランタニド類、イットリウム、モリブデン、ジルコニウム及び鉄と供に有機相で抽出するための共抽出工程;
*有機相からモリブデンを選択的に逆抽出する工程;
*有機相からアクチニド類を選択的に逆抽出する工程;
*有機相からランタニド類とイットリウムを逆抽出する工程;
*同一の有機相からジルコニウム類を逆抽出する工程であって、この逆抽出が鉄の逆抽出をも可能とする工程;及び
* 有機相の精製工程、
を含む。
第一の工程(共抽出)において、図1で「チャージ(CHARGE)」と称する強酸性水相は、有機希釈剤中、有利には水素化テトラプロピレン中の二つの上記抽出剤を含み、水と混合しない有機相に、カウンター−カレント方式(counter-currentwise)で、接触される。
強酸性水相には、特定の核分裂生成物(例えばパラジウム)又は他の好ましくない陽イオン又はを共抽出を防ぐ又は非常に低減させることができる一以上の錯化剤、及びネプツニウム(V)をネプツニウム(IV)に還元し、その形態で安定化させることができる一以上の還元剤を任意に添加することができる。
錯化剤は、特に、ピリジンポリカルボン酸類、例えば0.3mol/Lの濃度で用いられる2,6−ピリジンポリカルボン酸、及びポリアミノカルボン酸類、例えば0.01mol/Lの濃度で用いられるN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、又はジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)から選択することができる。
しかしながら、カルボン酸類、ヒドロキシオキシム類、スルホン酸類、ヒドロキサム酸類及びβ−ジケトン類から選択されてもよい。
還元剤は、硝酸ヒドラジン類、硝酸ヒドロキシルアミン類、及びスルファミン酸鉄から選択できる。
第一の工程は先行技術としてよく知られるように、有機相を多様な酸性水相、例えば第一溶液が2.8mol/Lの硝酸と0.015mol/LのHEDTTYで、第二溶液が0.5mol/L硝酸、に接触させることによって行われる有機相を浄化するための操作も含んでいる。
第一の工程の第一生成物は、その一方、有機相で抽出不能な核分裂生成物(FPs)を含む水相であり、一方、有機相にはプルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム、微量のウラン、及びランタニド類、イットリウム、モリブデン、ジルコニウム、及び鉄が含まれている。
第二の工程(モリブデンの選択的逆抽出)では、有機相は、1以上の高いpHにおいて選択的にモリブデンに錯化することができる一以上の化合物を含む弱酸性溶液へ逆流法(counter-currentwise)により導入される。そのような溶液としては、例えば0.5mol/Lのクエン酸溶液を水酸化ナトリウムで約pH3に中和したものが挙げられる。
第二の工程はこのように、モリブデンを充たした水相と、モリブデンが取り除かれた有機相を生産する。
第三の工程(アクチニド類の選択的逆抽出)では、有機相は、1以上の高いpHにおいて選択的にアクチニド類に錯化することができる一以上の化合物を含む弱酸性溶液へ逆流法(counter-currentwise)により接触される。そのような溶液として、例えばpH3の0.01mol/Lジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が挙げられる。
アクチニド類の選択的逆抽出は弱酸性水相に存在する錯化剤の働きにより可能となるが、有機相中のランタニド類及び他の元素の保持を可能とする有機相に存在する酸性抽出剤の働きよっても可能となる。
このように第三の工程はプルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び可能な微量のウラン、及びこれらの元素から取り除かれた有機相を含む水相を生産する。
第四の工程(ランタニド類とイットリウムの選択的逆抽出)では、有機相は、ランタニド類とイットリウムに対して有機相の抽出力が最小になるpH範囲内の酸性度を有する酸性溶液へ逆流法(counter-currentwise)により接触される。そのような溶液として、例えば0.5−1mol/Lの硝酸溶液が挙げられる。
このように第四の工程はランタニド類とイットリウムを有機相から除去し、それらの元素を充たした水相を生産する。
第五の工程(ジルコニウムと鉄の選択的逆抽出)では、有機相は、0より高いpHでジルコニウムと鉄に選択的に錯化することができ一以上の剤を含有する弱酸性溶液へ逆流法(counter-currentwise)により接触される。そのような溶液として、例えば、pH0の1Mの硝酸溶液及び0.8Mシュウ酸水溶液が挙げられる。
最終的に、第六の工程では、有機相は、例えばpHが8以上の強塩基の水溶液(例えば炭酸ナトリウム、又は水酸化ナトリウムの溶液(0.1−0.3mol/L))により一回以上の洗浄により、又追加して、沈澱物を含む場合には一以上の濾過によって精製(浄化)される。
この精製された有機相は、引き続きサイクルを行うために再利用することができる。
実施例2 実証
1)共抽出
この工程は
* 0.6mol/LのDMDOHEMAを溶媒和抽出剤として、及び0.3mol/LのHDEHPを酸性抽出剤としてHTP中に含む有機相、及び、
* 3M硝酸水溶液(使用済核燃料を溶解するための溶液の典型的酸性に対応する)からなる四つの水相であって、それらは第一の相にウラン(VI)、第二相に(ネプツニウム(VI)、第三相にネプツニウム(V)及びプルトニウム(IV)、及び第四相にネプツニウム(IV)、プルトニウム(III)、アメリシウム(III)、及びキュリウム(III)をアクチニド類として、さらに、セリウム(III)及びユーロピウム(III)をランタニド類として含有している水相
を用いて実証された。
すべての元素は、ごく微量、すなわち、1.5×10−3mol/Lの濃度で存在するネプツニウム及び10−2mol/Lの濃度で存在するウランを除いて、10−5−10−6mol/Lのオーダーの濃度で、水相中に存在した。
あらかじめ3M硝酸で酸平衡状態にされた有機相は、厳密に同じ条件下、すなわち1容量部の水相に対して、有機相1容量部を25℃で1時間攪拌しながら、それぞれの水相へと接触された。
有機相及び水相のデカンテーションと分離の後、様々な元素の活性又は濃度は、有機相及び水相の二つの相で、それらの分配係数Dを決定するために測定された。
元素Mの分配係数Dは、有機相中の元素Mの活性又は濃度と水相中の同一元素の活性又は濃度の間の比に対応する。
プルトニウム、ネプツニウム、及びキュリウムの活性はα分光測定法により測定された。
アメリシウム、セシウム、及びユーロピウムの活性はγ分光測定法により測定され、一方、ウランの濃度は蛍光分析により決定された。
表1は、水相中に最初に存在する各元素から得られた分配定数Dを示している。
Figure 0005174806
この表は、水相中に最初に存在するすべてのアクチニド類及びランタニド類は5以上の分配係数を有しており、それは実際に有機相中のDMDOHEMA/HDEHP混合物によってそれらが抽出されたことを意味することを示している。
特に、ウラン(VI)、ネプツニウム(IV)及びプルトニウム(III及びIV)はこの混合物によって非常に強力に抽出された。
一般的には主な溶媒和抽出剤によってごく僅かしか抽出されないネプツニウム(V)(以下、Np(V)ともいう。)は、一時間の攪拌後、7より大きい分配係数を示した。分光測定による検討によって、Np(V)が未変化のものと、DMDOHEMA/HDEHP混合物によってNp(IV)及びNp(VI)の形態で抽出されたものについて示すことができた。
さらには、水相の硝酸の含有量が3から3.8mol/Lに増加することによって、その分配係数が7から32に上昇するため、Np(V)の抽出に非常に良好な効果を得た。このように、有機相と水相間の接触時間及び/又は水相の酸性度を増大させることによって、水相に還元剤や酸化剤を添加することなく、ネプツニウム(V)を非常に効果的に抽出できることが可能となった。
セシウムの場合にも、HTP中でのDMDOHEMA/HDEHP混合物の充填容量(charge capacity)はそれぞれ0.60mol/L及び0.3mol/Lであり、それはこのステップでも評価された。それを行うために、有機相は、0.14mol/Lのセリウムを含む3M硝酸溶液からなる水相に、水相と有機相の体積比を1から4に変化させながら、数回接触させた。0.11mol/Lの有機相に存在するセリウムの量にかかわらず、デミキシングは観測されなかった。
DMDOHEMA/HDEHP混合物の充填容量が、それぞれHTP中で0.6mol/L及び0.3mol/Lで、3mol/Lの水相の硝酸含有量で、将来の核燃料を溶解させるための溶液中に存在するアクチニド類及びランタニド類の濃縮に充分に耐えうることを、それらは示している。
水相の酸性度に対する偏析の限界も、HTP中の0.5mol/LのDMDOHEMA及び0.3mol/LのHDEHPを含む有機相を用いて評価された。この偏析が7.5Mより高いHNO濃度(有機相中の1.4Mより高いHNO濃度に相当)で起こり、一方、同条件の下、DMDOHEMA単独で、HTP中に0.5mol/Lでは、5.3Mより高い水相のHNO濃度(すなわち、0.66Mの有機相のHNO濃度)に耐えられないので、水相にHNOが高濃度で存在するときにHDEHPが偏析限界を強力に引き戻せるようにすることを、この実験は示すことができた。
HDEHPによりここに代表される、酸性抽出剤は、このようにアクチニド類及びランタニド類共抽出工程の中の相緩和特性を有し、それは高硝酸酸性でおこなわれ、その中の優れた抽出剤はDMDOHEMAで代表される溶媒和抽出剤である。
それらがすべてのアクチニドの抽出を、それらの、特にネプツニウムの分配係数を増大させ、有機相と水相の流量の比を低減させるために、従って用いられる有機物を限定し、非常に強力な酸性水相を用いて抽出を行えるようにするので、これらの特性は非常に有利である。
2)モリブデンの逆抽出
この工程は、
* HTP中に0.6mol/LのDMDOHEMA及び0.3mol/LのHDEHPを含む二つの有機相であって、第一の相:本実施例の1)に記載の水相から共抽出されるモリブデン類(VI)及びランタニド類、第二の相:本実施例の1)に記載の水相から共抽出されるプルトニウム(IV)、アメリシウム(III)、セリウム(III)及びユーロピウム(III)、を含む有機相;及び
* 水酸化ナトリウムでpH3に中和された0.5mol/Lのクエン酸溶液からなる水相、
を用いて実証された。
水相は、それぞれの有機相に対して、厳密に同じ条件下、すなわち、1容量部の有機相に対して、5容量部の水相を、25℃で15分間攪拌しながら接触させた。
有機相と水相のデカンテーションと分離の後、様々な元素の活性又は濃度は、有機相及び水相の二つの相で、それらの分配係数Dを決定するために測定された。
上述のとおり、プルトニウム活性はα分光測定法によって測定され、一方、アメリシウム、ユーロピウム及びキュリウムはγ分光分析法によって測定され、モリブデン濃度はICP−AESによって測定された。
表2は、いくつかの元素から得られた分配係数Dを示す。
Figure 0005174806
この表は、モリブデンがアクチニド類及びランタニド類に対して非常に良好な選択性により有機相から実際に逆抽出されたことを示している。
DMDOHEMA/HDEHP混合物の充填容量も、セリウムの場合に、この工程において、決定された。これを行うために、HTP中で0.6mol/LのDMDOHEMA及び0.3mol/LのHDEHPを含み、さらに3mol/Lの水相の酸性度で抽出された0.11mol/Lのセリウムをも含む有機相は、0.45mol/Lのテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを含みpH3の0.5Mクエン酸溶液へ、この工程で逆抽出される傾向にある有機硝酸酸性を中和するために、接触された。偏析は観察されなかった。
有機相によって抽出されたセリウムの量は0.06mol/L、すなわちアクチニド類及びランタニド類(水相内に通したモリブデン)を抽出するために充分な値、を超えた。
モリブデンの逆抽出工程において、HTP中でそれぞれ0.6mol/LのDMDOHEMA及び0.3mol/LのHDEHPのときの、DMDOHEMA/HDEHP混合物の充填容量は、将来使用されるであろう核燃料の溶解に用いる溶液を処理するために充分であることを明らかにした。
3)アクチニド類の選択的逆抽出
この工程は、
* HTP中に0.6mol/LのDMDOHEMA及び0.3mol/LのHDEHPを含む二つの有機相であって、第一の相:本実施例の1)に記載の水相から共抽出されるネプツニウム(V)及びプルトニウム(IV)、第二の相:本実施例の1)に記載の水相から共抽出されるネプツニウム(IV)、プルトニウム(III)、アメリシウム(III)、キュリウム(III)、セリウム(III)及びユーロピウム(III)、を含む有機相;及び
* 水酸化ナトリウム及び0.01mol/LのDTPAでpH3に中和された0.5mol/Lのクエン酸溶液からなる水相、
を用いて実証された。
水相は、それぞれの有機相に対して、厳密に同じ条件下、すなわち、1容量部の有機相に対して、1容量部の水相を、25℃で1時間攪拌しながら接触させた。
有機相及び水相のデカンテーションと分離の後、様々な元素の活性又は濃度は、有機相及び水相の二つの相で、それらの分配係数Dとその時の分離係数SFEu/Am及びSFCe/Amを決定するために測定された。
SFM1/M2と記される二つの元素、M1及びM2、の間の分離係数は、それら二つの元素の各分配係数DM1及びDM2の比率として定義される。M1及びM2の二つの元素間の分離は、分離係数SFM1/M2が10より大きいときに充分におこなわれたと考慮される。
上述のとおり、プルトニウム活性はα分光測定法によって測定され、一方、アメリシウム、ユーロピウム及びキュリウムの活性はγ分光分析法によって測定された。
表3は、いくつかの元素から得られた分配係数D及び、分離係数SFEu/Am及びSFCe/Amを示す。
Figure 0005174806
この表は、アクチニド類がランタニド類に対して非常に良好な選択性により有機相から実際に逆抽出されたことを示している。
4)ランタニド類とイットリウムの逆抽出
ランタニド類とイットリウムは、DMDOHEMA/HDEHP混合物の抽出力がこれらの元素に対して最小限である酸性範囲の、0.5−1mol/Lの硝酸溶液により構成される水相へ接触することにより有機相から量的に逆抽出されてもよい。
これらの条件下で、ランタニド類とイットリウムの分配係数は1に近く、それは水相及び有機相間の流量比が2より大きなとき、これらの元素を逆抽出するのに充分な値である。
本発明方法の実施例を示すフローダイアグラムである。

Claims (24)

  1. ランタニド類を含む核分裂生成物を含む強酸性水相中に存在するアクチニド類(III),(IV),(V)及び(VI)の群分離方法であって、以下の工程:
    a)強酸性水相を非混合有機相に接触させることによって強酸性水相からアクチニド類、ランタニド類、イットリウム及び可能ないくつかの他の核分裂生成物を共抽出する工程であって、前記非混合有機相が、強酸性水相から前記元素を抽出することができる第一の抽出剤と、弱酸性水相から同じ元素を抽出することができる第二の抽出剤とを含む工程;及び、
    b)少なくとも一つの錯化剤を含む弱酸性水相に前記有機相を接触させることによって前記有機相からアクチニド類を選択的に逆抽出する工程、
    を含む方法。
  2. 前記第一の抽出剤が溶媒和抽出剤である、請求項1記載の方法。
  3. 前記第二の抽出剤が陽イオン交換抽出剤である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶媒和抽出剤がマロンアミド類、トリアルキルホスフィン酸化物、カルバモイルホスフィン酸化物類、トリイソブチルホスフィン硫化物類及びカルバモイルホスホン酸塩類、及びそれらの混合物から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記陽イオン交換抽出剤がリンをベースとする酸類、脂溶性のカルボン酸類、スルホン酸類、ヒドロキサム酸類、置換された8−ヒドロキシキノリン類、β−ジケトン類及びβ−ヒドロキシオキシム類、及びそれらの混合物から選択される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記陽イオン交換抽出剤がモノアルキル及びジアルキルリン酸類、モノアルキル及びジアルキルホスホン酸類、モノアルキル及びジアルキルホスフィン酸類、チオリン酸類(thiophosphoric acids)、チオホスホン酸類、チオホスフィン酸類及びチオリン酸類(thiophosphorus acids)から選択されるリンをベースとする酸類である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第一の抽出剤がマロンアミドであり、前記第二の抽出剤がリンをベースとする酸である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記工程a)において強酸性水相が少なくとも一つの錯化剤を含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記錯化剤がピリジンポリカルボン酸類、アミノポリカルボン酸類、カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、親水性ポリピリジン類、ジチオホスホン酸類、アミン類、C−Cのアルキル鎖がグラフト化されたポリアジン類、ヒドロキシオキシム類、スルホン酸類、ヒドロキサム酸類及びβ−ジケトン類から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記工程a)において強酸性水相が少なくとも一つの還元剤を含む、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記還元剤がヒドラジン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びスルファミン酸鉄から選択される、請求項10記載の方法。
  12. 前記工程b)において弱酸性水相中に存在する錯化剤がピリジンポリカルボン酸類、アミノポリカルボン酸類、カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、親水性ポリピリジン類、ジチオホスホン酸類、アミン類、C−Cアルキル鎖がグラフト化されたポリアジン類、ヒドロキシオキシム類、スルホン酸類、ヒドロキサム酸類及びβ−ジケトン類から選択される、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記工程b)において前記弱酸性水相がアミノポリ酢酸、ヒドロキシカルボン酸、及び塩基を含み、pH1.5から4.5である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ヒドロキシカルボン酸がグリコール酸又はクエン酸であるとき、前記アミノポリ酢酸がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸又はジエチレントリアミン五酢酸である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記工程b)において前記弱酸性水相が少なくとも一つの還元剤を含む、請求項12ないし14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記還元剤がヒドラジン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体、オキシム誘導体及びヒドロキシ尿素から選択される、請求項15記載の方法。
  17. 前記工程b)の後に、前記有機相を酸性水相に接触させることによって、前記有機相からランタニド類及びイットリウムを逆抽出することからなる工程を含む、請求項1ないし16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ランタニド類とイットリウムを逆抽出するために使われる酸性水相が0.1から1の範囲のモル濃度である硝酸溶液、または4以上のモル濃度である硝酸溶液である請求項17に記載の方法。
  19. 前記工程a)において抽出されたランタニド類及びイットリウム以外の可能な核分裂生成物を前記有機相から逆抽出することからなる一以上の工程を含む、請求項1ないし18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 工程a)及び工程b)の間に、前記有機相からモリブデンを選択的に逆抽出する工程を含む、請求項19に記載の方法。
  21. ランタニド類及びイットリウムを逆抽出する工程の後、前記有機相からジルコニウムを逆抽出する工程を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記有機相を精製する工程をも含む、請求項19ないし21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 請求項1ないし22のいずれか一項に記載の方法の実施を含む使用済核燃料の再処理方法。
  24. 請求項1ないし22のいずれか一項に記載の方法を実行することにより、ウラン抽出サイクルの下流の、使用済核燃料を溶解させるための溶液から、プルトニウム、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び可能なウランをまとめて、但し核分裂生成物に対して選択的に回収する、請求項23に記載の方法。
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