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JP5178917B2 - A/d変換装置、無線装置 - Google Patents
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Description

本発明は、信号処理技術に関し、特にA/D変換装置(ADC)に関する。
容量式D/A変換器(容量式DAC)を用いた逐次比較型A/D変換装置(SARADC:Successive Approximation Routine Analog−to−Digital Converter)では、複数のキャパシタ、キャパシタの接続関係を切り替えるスイッチおよび比較器を用いてA/D変換を行っている。SARADCにおける複数のキャパシタは、それぞれバイナリの重み付けが付された容量値を有しており、それぞれのキャパシタには、参照電圧源やグラウンドなどが切り替えスイッチを介して接続される。すなわち、当該複数のキャパシタそれぞれに蓄えられる電荷を再分配することでA/D変換を実現している。
SARADCの応用としては、複数のSARADCと基本演算回路との組み合わせを多段縦続接続し、パイプライン動作させたパイプライン式SARADCが提案されている(非特許文献1および2参照)。
J.Li, F.Maloberti, "PIPELINE OF SUCCESSIVE APPROXIMATION CONVERTERS WITH OPTIMUM POWER MERIT FACTOR," ISCAS2002, vol.1, pp.17-20, 2002 S.M.Louwsma, A.J.M.van Tuijl, M.Vertreqt, B.Nauta, "A 1.35GS/s, 10b, 175mW Time-Interleaved AD Converter in 0.13um CMOS," JSSC, vol.43, pp.778-786, Apr, 2008
基本演算処理が必要となるSARADCでは、演算誤差を低減するため、参照電圧のセトリング誤差を可能な限りゼロにする必要がある。セトリング誤差は、参照電圧駆動回路のセトリング時間に依存し、その時間短縮のためには、大きなドライブ電流が必要であった。これは、大きなドライブ電流を供給するアンプを必要とするため、回路規模を大きくする原因となっていた。また、消費電力を大きくする一因にもなっていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、消費電力を削減するとともに回路規模を小さくすることのできるA/D変換装置、無線装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明の一つの態様に係るA/D変換装置は、このA/D変換装置は、アナログ入力信号をサンプリングし、所定の参照信号を用いてアナログ入力信号と逐次比較するための比較信号を生成するとともに、アナログ入力信号および比較信号の差分信号を生成するD/A変換部と、参照信号を保持するプリチャージキャパシタ部と、比較信号と基準値とを比較してデジタル信号を生成する比較部と、プリチャージキャパシタ部に保持された参照信号を用いて差分信号を演算および増幅して残差信号を生成する増幅部とを具備する。
本発明によれば、A/D変換装置、無線装置の消費電力を削減するとともに回路規模を小さくすることができる。
第1の実施形態に係るA/D変換装置を示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置の動作を示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のA/D変換装置でのサンプルフェーズを示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置での保持フェーズを示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置での比較フェーズを示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置での残差信号増幅フェーズを示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置の実施例を示す図である。 図5に示すA/D変換装置でのサンプルフェーズを示す図である。 図5に示すA/D変換装置での演算の様子を示す図である。 図5に示すA/D変換装置での基本演算フェーズを示す図である。 第1の実施形態のA/D変換装置の他の実施例を示す図である。 第2の実施形態に係るA/D変換装置を示す図である。 第2の実施形態のA/D変換装置の動作を示す図である。
(第1の実施形態)以下、本発明の一つの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、この実施形態のA/D変換装置1(ADC1)は、第1ADC10および第2ADC20を有したパイプライン式SARADCを構成している。第1ADC10は、入力されたアナログ信号Ainに対して粗いA/D変換処理を実行して、上位ビットに相当するデジタル信号を生成する。第2ADC20は、第1ADC10と対応し、第1ADC10より出力された残差信号に対して細かいA/D変換処理を実行して下位ビットに相当するデジタル信号を生成する。
第1ADC10は、サンプルホールド回路11(S/H11)、容量式DAC12、減算器13および17、比較器14、スイッチ制御部15、プリチャージキャパシタ16(Cpre16)、増幅器18(AMP18)およびスイッチSWを有している。第2ADC20は、第1ADC10とほぼ同様の構成を有しており、サンプルホールド回路21(S/H21)、容量式DAC22、減算器23、比較器24、スイッチ制御部25、およびスイッチSWを有している。
サンプルホールド回路11(S/H11)は、入力されたアナログ信号Ainをサンプリングしてその電位を逐次比較A/D変換開始まで保持する。容量式DAC12は、それぞれバイナリの重み付けが付された容量値を持つ複数のキャパシタと、各キャパシタに参照電圧源VやグラウンドGND(基準電位)などを接続するためのスイッチとを備えており、逐次比較のための電荷分配処理を行う。なお、容量式DAC12は、S/H11の機能を兼ね備えた構成でもよい。この場合、S/H11に必要な回路面積を削減することができる。
減算器13は、S/H11に保持された電位から逐次比較する電位(比較電圧)を減算する。比較器14は、減算器13による減算結果とグラウンドレベル(基準電位)とを比較してA/D変換を実現する。スイッチ制御部15は、SARADCの演算に必要な制御信号を生成するロジック部と比較器14により得られたA/D変換値を一時的に記憶するバッファを備えている。スイッチ制御部15は、容量式DAC12のA/D変換におけるキャパシタの組み合わせを切り替える制御信号を生成して、容量式DAC12に送る機能を持っている。プリチャージキャパシタ16(Cpre16)、は、A/D変換の基本演算(残差増幅)に用いる参照電圧をチャージして、スイッチ制御部15からの指示により電位を供給する。減算器17は、減算器13の出力からCpre16に充電された参照電圧の電位を減算し、得られた残差信号をAMP18に送る。スイッチSWは、基本演算中の比較電圧を参照電圧とグラウンドレベルのいずれかに切り替える。
第2ADC20は、第1ADC10とほぼ同様の構成を有しており、サンプルホールド回路21(S/H21)、容量式DAC22、減算器23、比較器24、スイッチ制御部25、およびスイッチSWを有している。サンプルホールド回路21(S/H21)、容量式DAC22、減算器23、比較器24、スイッチ制御部25、およびスイッチSWは、第1ADC10のS/H11、容量式DAC12、減算器13、比較器14、スイッチ制御部15、およびスイッチSWと同様の構成および機能を有している。この実施形態の第2ADC20は、後段に続くADCが存在しないため、基本演算を行う必要がない。このため、第1ADC10と比較して増幅器、減算器、プリチャージキャパシタを有していない。
(第1の実施形態の動作)次に、図1ないし4を参照して、この実施形態のADC1の動作を説明する。この実施形態のADC1の各回路要素の動作状態は、大きく3つに分けることができる。すなわち、図2中aに示す第1ADC10のサンプルフェーズ、同じくbに示す第1ADC10によるA/D変換フェーズ、同じくcに示すAMP18による残差増幅フェーズ(基本演算フェーズ)、およびdに示す第2ADC20によるA/D変換フェーズである。以下の説明では、容量式DAC12が、S/H11の機能を兼ね備えているものとして説明する。
まず、図4Aに示すように、スイッチ制御部15は、Cpre16の接続および容量式DAC12のキャパシタを切り替えて、Cpre16に参照電圧をチャージ(ステップ31。以下「S31」と称する。)するとともに、S/H11に入力信号Ainをサンプルさせる(S32)。具体的には、スイッチ制御部は、Cpre16の一端をAMP18の入力に接続し、同じく他端を参照電圧Vに接続する。また、スイッチ制御部15は、S/H11としての容量式DAC12のキャパシタの一方をグラウンドに接続し、同じく他方を入力信号(電圧Vin)に接続する。このとき、キャパシタの総容量をC、キャパシタに蓄積される電荷をQとすると、数式1に示す関係が成立する。
Figure 0005178917
続いて、図4Bに示すように、スイッチ制御部15は、入力信号の電圧をサンプルしたキャパシタの極性を切り替え、サンプルした信号を逐次比較A/D変換開始まで保持する(S33)。すなわち、グラウンドに接続されていたキャパシタ全ての上部端子をグラウンドから切り離してAMP18の入力に接続するとともに、同じく下部端子をグラウンドに接続する。この結果、容量式DAC12のキャパシタの上部端子側の電位は−Vinだけシフトする。なお、スイッチ制御部15は、Cpre16の一端をAMP18の入力から切り離してグラウンドに接続して、チャージ状態をそのまま維持する。
図4Bに示す保持フェーズに続いて、スイッチ制御部15は、容量式DAC12が有するキャパシタのうち、容量値の最も大きいもの(例えばC=C/2)の下部端子に参照電圧を接続する(S34)。この様子を図4Cに示す。この動作により、容量式DAC12は、参照電圧を2のべき乗で分割した比較電圧を得るとともに、入力信号の電圧と当該比較電圧との差分を比較器14に与える。
比較器14は、与えられた差分値とグラウンドレベルとを比較してA/D変換を実行する。このとき、得られたデジタルビットが「0」であれば、参照電圧Vの接続を維持し(S36)、スイッチ制御部15は、次に容量値の大きいキャパシタの下部端子に参照電圧を接続する。得られたデジタルビットが「1」であれば、参照電圧に接続されていたキャパシタの端子をグラウンドに接続させる(S37)。
このように、逐次比較A/D変換は、容量式DAC12のキャパシタ、比較器、スイッチ制御部15(SARロジック)により実現される。NビットのA/D変換を行う場合(S38)、スイッチ制御部15は、この一連の動作を最上位ビットから最下位ビットまでN回繰り返して行うよう(例えばC(i=0〜N))容量式DAC12のキャパシタを切り替える(S39、S34〜S38)。
逐次比較A/D変換が終わると(S38のYes)、スイッチ制御部15は、A/D変換結果に基づきプリチャージキャパシタを制御(S40)して基本演算を行う。基本演算中は、比較電圧を0とするため、容量式DAC12のキャパシタの制御端子(ボトムプレート)をグラウンドレベルにする。併せて、スイッチ制御部15は、Cpre16の一端をグラウンドから切り離してAMP18の入力に接続し、同じく他端を参照電位Vから切り離してグラウンドに接続する。
AMP18は、基本演算により得られた残差信号を増幅して次段の第2ADC20のS/H21に送る(S41)。図4Dは、残差信号を増幅する様子を示している。第2ADC20での基本動作は、第1ADCでのステップ31〜40の動作と同じであるが、後段に続くADCが存在しないため、基本演算と増幅を行う必要はない。
このように、この実施形態のADC1では、基本演算で用いる参照電圧の電荷を、サンプルフェーズ、保持フェーズおよび比較フェーズにおいて、プリチャージキャパシタにあらかじめ蓄積させている。プリチャージキャパシタに電荷を蓄積させるために要する時間は、基本演算に要する時間に比べて長いため、基本演算中に参照電圧の電荷全てをキャパシタに蓄積するのに比べて、ADC1全体の消費電力を低減することができる。
(実施例1)続いて、図5を参照して、この実施形態のADC1における第1ADCの実施例を説明する。ADC1の第1ADCおよび第2ADCは、ほぼ共通する構成および機能を有するから、ここでは代表して第1ADCの実施例を説明する。
この実施例の第1ADC10aは、3ビットのSARADCとしての機能を有しており、非反転信号および反転信号からなる作動信号を処理する。すなわち、第1ADC10aは、非反転信号処理回路と反転信号処理回路とを備えている。
非反転信号処理回路(図5中「I」。以下「回路I」と称する。)は、S/H11、容量式DAC12および減算器13として機能するキャパシタCDAC1とスイッチSWDAC1、比較器14、スイッチ制御部15、Cpre16および減算器17として機能するキャパシタCpre1aおよびCpre1bならびにスイッチSWpre1aおよびSWpre1b、AMP18、およびスイッチSW1aを有している。反転信号処理回路(図5中「II」。以下「回路II」と称する。)は、S/H11、容量式DAC12および減算器13として機能するキャパシタCDAC2とスイッチSWDAC2、回路Iと共用する比較器14およびスイッチ制御部15、Cpre16および減算器17として機能するキャパシタCpre2aおよびCpre2bならびにスイッチSWpre2aおよびSWpre2b、回路Iと共用するAMP18、およびスイッチSW1bを有している。
回路Iは、入力Vinpが入力され、参照電圧Vrpを用いてVopを出力する。また、回路IIは、入力Vinmが入力され、参照電圧Vrmを用いてVomを出力する。両回路はともに共通の要素を有し対称をなしており、共通の機能を有するから、以下の説明においては、代表して回路Iについて説明する。
キャパシタCDAC1は、容量値Cを基準として容量値C/8のキャパシタ2つ、同じくC/4のキャパシタ1つ、同じくC/2のキャパシタ1つを備えている。ここで容量値の大小関係は、C/2>C/4>C/8である。これら4つのキャパシタは、一端(上端)が互いに接続され、他端(ボトムプレート)がスイッチSWDAC1に接続されている。スイッチSWDAC1は、スイッチ制御部15からの制御信号に基づき、キャパシタCDAC1をなす4つのキャパシタのボトムプレートを参照電圧(VrpまたはVrm)、入力電圧Vinp、基準電位Vcom(グラウンド電位)のいずれかに接続する。
比較器14は、キャパシタCDAC1をなす4つのキャパシタの上端と基準電位Vcomとを比較してA/D変換を行う。
キャパシタCpre1aは、容量値Cを基準として容量値C/8のキャパシタ1つと容量値C/4のキャパシタ1つとを備えている。これら2つのキャパシタは、両端にスイッチSWpre1aが接続されている。SWpre1aは、スイッチ制御部15からの制御信号に基づき、キャパシタCpre1aをなす2つのキャパシタの一端(上端)を、キャパシタCDAC1の上端および基準電位Vcomのいずれか一方に接続し、同じく他端(ボトムプレート)を参照電圧(VrpまたはVrm)および基準電位Vcomのいずれか一方に接続する。
キャパシタCpre1bは、容量値Cを基準として容量値C/2のキャパシタ1つからなる。キャパシタCpre1bの一端(上端)は、AMP18の入力に接続され、同じく他端(ボトムプレート)は、スイッチSWpre1bに接続されている。スイッチSWpre1bは、スイッチ制御部15からの制御信号に基づき、キャパシタCpre1bのボトムプレートを参照電圧VrpまたはAMP18の出力のいずれかに接続する。併せて、スイッチSWpre1bは、スイッチ制御部15からの制御信号に基づき、キャパシタCpre1bの両端を短絡する。
スイッチSWDAC1およびキャパシタCpre1aに接続される参照電圧は、スイッチ制御部15の制御信号に基づき、SWX1およびSWX2(SWX3)により相互に接続、切り離しが行われる。
(実施例1の動作)ここで、図2、図5および図6A〜Cを参照して、図5に示す実施例1の第1ADC10aの動作を説明する。
まず、第1ADC10aは、入力信号Ainをサンプリングするサンプルフェーズとなる。このとき、スイッチ制御部15は、スイッチSWDAC1およびSW1aを制御してCDAC1の全てのキャパシタのボトムプレートをVinpに接続するとともに、CDAC1の上端を基準電位Vcomに接続する。併せて、スイッチ制御部15は、SWpre1aおよびSWpre1bを制御して、プリチャージキャパシタCpre1aおよびCpre1bに逆極性の参照電圧Vrpを印加してプリチャージを行う(図6A)。このときに蓄積される電荷Qは、オペアンプの非反転入力端を正側と考えると、以下の式で与えられる。
Figure 0005178917
サンプリング期間が終わるとき、スイッチ制御部15は、SW1aを開放するとともにSWDAC1を制御して、CDAC1のボトムプレートをVcomに接続し、CDAC1の上端をAMP18の入力に接続する。この結果、CDAC1の電位は−Vinpシフトし、CDAC1の電荷(CVinp)が保持される。
続いて、第1ADC10aは、比較フェーズ(A/D変換フェーズ)となる。スイッチ制御部15は、SWDAC1を制御して容量値C/2のキャパシタからボトムプレートの接続を参照電圧源Vrpまたは基準電位のいずれか一方に切り替え、比較器14は、逐次CDAC1の上端側の電位とVcomとを比較していく。この動作は図3および図4にて示す通常の逐次比較A/D変換と同様である。逐次比較フェーズで得られたビット情報を、それぞれD(最上位ビット:MSB)、D、D(最下位ビット:LSB)とすると、D、D、Dは、それぞれ「0」あるいは「1」の値をとり、得られたビット情報は、スイッチ制御部15の内部のバッファに記憶される。
2つあるプリチャージキャパシタCpre1a、Cpre1bは、逐次比較動作の間、参照電圧Vrpが蓄積された状態を維持している。逐次比較動作終了後、スイッチ制御部15は、A/D変換フェーズによって得られたビット情報D2〜D0を用いて、SWpre1aおよびSWpre1bを制御して、プリチャージキャパシタに蓄えられた電荷を変化させる(図6B)。
例えば、図6Bに示すように、ビット情報Dが「0」の場合、スイッチ制御部15は、容量値C/2のCpre1bに蓄積した電荷をそのまま保持すべく、SWpre1bを開放する。ビット情報Dが「1」の場合、スイッチ制御部15は、容量値C/2のCpre1bに蓄積した電荷を放電すべく、SWpre1bをオンにしてCpre1bの両端を短絡させる。ビット情報D、Dについても同様に、スイッチ制御部15は、SWpre1aを制御して容量値C/8のキャパシタと容量値C/4のキャパシタからなるCpre1aに蓄えられる電荷の量を制御する。
この結果、第1ADC10が蓄積する電荷Q’は、次式にて表される。
Figure 0005178917
続いて、スイッチ制御部15は、SWDAC1を制御してCDAC1のボトムプレートおよびCpre1aのボトムプレートを基準電位Vcomに接続し、それぞれの上端をAMP18の入力に接続する。併せて、スイッチ制御部15は、SWpre1bを制御してCpre1bの両端をAMP18の入出力端に接続する(図6C)。これにより、第1ADC10aは、基本演算フェーズとなる。このとき、AMP18の入出力端に接続されたCpre1bに蓄積されている電荷Qは、アンプ入力端を正側と考えると、次式となる。
Figure 0005178917
スイッチ制御部15のスイッチ制御による容量DACのサンプルフェーズから基本演算フェーズまでの時間を微小時間とし、蓄積した電荷が減少するパスがないとすると、Q’=Qとみなすことができる。そうすると、基本演算の結果、次段のADCに送られる電圧値Vopは、次式の通りとなる。
Figure 0005178917
このように、図5に示す第1ADC10a(SARADC)によっても、基本演算が実現できる。特に、図5に示すSARADCでは、基本演算フェーズで外部からの参照電圧を一切用いず、プリチャージキャパシタCpre1aおよびCpre1bにチャージした電位を用いて基本演算を実現している。このことは、参照電圧の電荷蓄積を、サンプルフェーズおよび逐次比較フェーズで行えば、基本演算での参照電圧の供給を省略できることを意味しており、参照電圧駆動用バッファの消費電力を抑えることが可能になる。
また、図5に示す実施例では、出力振幅が回路の入力フルスケールに対し、半分となるように構成している。このような構成を採用することで、AMP18に接続された帰還容量をプリチャージキャパシタと共有することが可能となり、回路の小面積化を図ることができる。なお、プリチャージキャパシタとして、C/8およびC/4に加えてC/2を備える構成とすれば、出力振幅が入力フルスケールと等価となる回路も構成可能である。
(実施例2)次に、図7を参照して、この実施形態のADC1の他の実施例を説明する。この実施例における第1ADC10bは、図5に示す実施例と比較してAMP18をデュアル入力アンプ18bとし、入力端同士を短絡および参照電圧(VrpまたはVrm)の供給を担うスイッチSWY1a、SWY2a、SWY1bおよびSWY2bをさらに備えたものである。すなわち、この実施形態によるSARADCは、デュアル入力アンプを用いる場合にも適用することができる。
(第2の実施形態)続いて、図8を参照して第2の実施形態のADCについて説明する。この実施形態のADC2では、第1の実施形態における第1ADC10と比較して、AMPの入力を切り替えるSWおよびAMPの入出力を短絡するSWをさらに備えたものである。そのため、第1の実施形態のADC1と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図8に示すように、第1の実施形態のAMP18に対応するAMP118の入力には、SWが接続されている。SWは、減算器17の出力と参照電圧源Vのいずれか一方をAMP118に入力する。AMP118の出力は、容量式DAC112、容量式DAC122、プリチャージキャパシタ116および次段のS/H21に接続されている。スイッチ制御部15は、SWをさらに制御して、AMP118の入力源を切り替える。また、AMP118の入出力間にはSWが接続される。すなわち、図8に示すように、第2ADC120の容量式DAC122は、参照電圧VをAMP118の出力から得ている。
この実施形態のADC2は、参照電圧VをAMP118で増幅してプリチャージキャパシタをチャージする点において、第1の実施形態のADC1と相違する。図2に示すタイミングチャートからわかるように、図1に示すパイプライン式SARADCでは、サンプルフェーズおよび逐次比較A/D変換フェーズの各フェーズにおいては、基本演算(残差増幅)で用いるアンプを使用していない。図9に示すように、第2の実施形態のADC2では、この区間(a〜b)の間、アンプを参照電圧プリチャージ用のバッファとして機能させる。
すなわち、スイッチ制御部115は、第1ADC110がサンプルフェーズ、保持フェーズおよびA/D変換フェーズにある場合、SWおよびSWを制御して参照電圧VをAMP118に入力して参照電圧Vを増幅させる。
図8に示すように、アンプ118の出力は、容量式DAC112、容量式DAC122およびプリチャージキャパシタ116に接続されているから、サンプルフェーズ、保持フェーズおよびA/D変換フェーズにおいて、AMP118は、参照電圧Vを増幅してプリチャージキャパシタをチャージするとともに、容量式DAC112および容量式DAC122に参照電圧Vを供給する。また、スイッチ制御部115は、第1ADC110が残差増幅フェーズにある場合、SWを制御して入力信号と比較信号との差分を増幅して(基本演算を行って)次段の第2ADC20へ送る。
第2の実施形態のADC2によれば、参照電圧バッファのために特別なオペアンプを必要とせず、また参照電圧が小さくてもよいので、低消費電力、小面積化を可能とする。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明は、デジタル回路を用いた電子機器に用いることができる。
1…ADC1、10…第1ADC、11…サンプルホールド回路、12…容量式DAC、13…減算器、14…比較器、15…スイッチ制御部、16…プリチャージキャパシタ、17…減算器、18…増幅器、20…第2ADC、21…サンプルホールド回路、22…容量式DAC、23…減算器、24…比較器、25…スイッチ制御部。

Claims (9)

  1. アナログ入力信号をサンプリングし、所定の参照電圧に基づき前記アナログ入力信号を逐次比較して得た第1の差分信号を生成する第1のD/A変換部と、
    前記参照電圧を保持するプリチャージキャパシタ部と、
    前記第1の差分信号と基準値とを比較して第1のデジタル信号を生成する第1の比較部と、
    前記プリチャージキャパシタ部に保持された参照電圧を用いて前記差分信号を演算して残差信号を生成する増幅部と
    を具備したことを特徴とするA/D変換装置。
  2. 前記第1のD/A変換部は、
    前記参照電圧を用いて前記アナログ入力信号と逐次比較するための比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記アナログ入力信号および前記比較電圧の差分から前記第1の差分信号を生成する差分信号生成部と
    を具備したことを特徴とする請求項7記載のA/D変換装置。
  3. 前記第1のD/A変換部は、
    それぞれ一端が相互に接続された複数のキャパシタからなる第1のキャパシタ部と、
    前記第1のキャパシタ部をなす複数のキャパシタそれぞれの他端に、前記アナログ入力信号、前記参照電圧および前記基準値のいずれかを与える第1のスイッチと
    を具備したことを特徴とする請求項8記載のA/D変換装置。
  4. 前記プリチャージキャパシタ部は、
    前記参照電圧を保持する複数のキャパシタからなる第2のキャパシタ部と、
    前記第2のキャパシタ部に対する前記参照電圧の供給を制御する第2のスイッチと、
    前記デジタル信号に基づいて前記第2のキャパシタ部の複数のキャパシタを短絡させる第3のスイッチと
    を具備したことを特徴とする請求項9記載のA/D変換装置。
  5. 前記第1のキャパシタ部および前記第2のキャパシタ部は、それぞれバイナリの重み付けが付された異なる容量値をもつ複数のキャパシタを有することを特徴とする請求項10記載のA/D変換装置。
  6. 前記第2のキャパシタ部は、前記D/A変換部が前記アナログ入力信号をサンプリングしてから前記第1の差分信号を生成するまでの間、前記参照電圧を保持することを特徴とする請求項11記載のA/D変換装置。
  7. 前記第1の差分信号および前記参照電圧のいずれか一方を前記増幅部に与える第4のスイッチをさらに具備し、
    前記増幅部は、前記D/A変換部が前記比較電圧を生成している期間中、前記参照電圧を増幅して前記D/A変換部に与えること
    を特徴とする請求項12記載のA/D変換装置。
  8. 前記残差信号をサンプリングし、前記参照電圧に基づき前記残差信号を逐次比較して得た第2の差分信号を生成する第2のD/A変換部と、
    前記第2の差分信号と前記基準値とを比較して第2のデジタル信号を生成する第2の比較部と
    をさらに具備したことを特徴とする請求項13記載のA/D変換装置。
  9. アンテナから受けた受信信号を増幅する高周波増幅部と、
    前記受信信号をベースバンド信号へ変換する周波数変換部と、
    前記ベースバンド信号をA/D変換する請求項14記載のA/D変換装置と
    を具備したことを特徴とする無線装置。
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