以下詳細な本発明の実施例に関して説明する。
図1は本発明の実施の一形態である扉開閉制御システムの機能図である。本実施例は、例えば大規模施設などのように、複数の扉を有する建物において、該複数の扉の開閉を制御する扉開閉制御システムである。一方、ひとつの扉の開閉を制御する場合は、後述するように、錠装置21において扉開閉制御を行うこともできる。
扉開閉制御システムは、扉開閉制御装置1および複数の錠装置(錠装置21、錠装置22・・・)を有する。以降、錠装置を代表して錠装置21を用いて説明する。扉開閉制御装置1と鍵装置21とは通信回線4を介して接続されており、情報提供装置3はさらに公衆回線網5を介して通信回線4に接続する。
地震発生を検知した場合に、扉開閉制御装置1は鍵装置21に命令し、鍵装置21は扉を閉じないようにする。
ここで扉1001について図8を用いて説明する。扉1001は開き戸であって、蝶番1002で止められた部分を軸に弧を描いて開閉するものである。つまり、扉1001が外枠1003に収まっている状態が、扉1001が閉じている状態であり、閉じている状態から扉1001が軸を中心として弧を描いた状態、つまり外枠1003から外れた状態が扉1001が開放している状態である。
また、扉1001は外部から力が加えられていない場合には、常に外枠1003に収まろうとする方向へ向かうものとする。つまり、人によって解放された扉1003は、人によって閉じられなくとも閉鎖される。
錠装置21は通信機能を有するコンピュータである。例えば、錠装置21は電子錠やカード錠等である。そして、錠装置21は扉1001に備えられる錠前の締り機構を制御する。錠前とは錠機能を果たす金具であって、締り機構としてデッドボルト1004やラッチボルト1005を有している。つまりデッドボルト1004やラッチボルト1005によって錠機能が果たされる。1008により囲まれた部分の拡大図を1009内に示す。
デッドボルト1004とは、閂とも言われ、外枠1003側に設けられた受座1006に格納されることで本格的な施錠をする機構であり、鍵やサムターン、電気的な信号によって操作されるボルトである。ラッチボルト1005とは、外枠1003側に設けられた受座1006に格納されることで扉が風などであかないように仮止めする機構であり、ノブや電気的な信号によって操作されるボルトである。
つまり、扉が開放しているときは、デッドボルト1004は扉1001側に格納されており、ラッチボルト1005は突出している。扉1001が閉まるときには、デッドボルト1004は扉1001側に格納されており、外枠に触れたときにラッチボルト1005は扉1001側に格納され、蝶番1002を中心として扉が描く弧の角度がなくなった時点でラッチボルト1005が突出し、受座1006に格納される。そして施錠されると、デッドボルト1004が突出し、受座1006に格納される。
一方、地震などによって建物が歪むことにより外枠1003が変形する場合がある。扉1001が外枠1003に収まった状態で外枠1003が歪むと、ラッチボルト1005やデッドボルト1004の突出状態に関らず、人が扉1001を開放しようとしても外枠1003から扉1001が外れずに、扉1001が開かなくなってしまう。そこで地震の主要動が到達した時点で扉1001が外枠1003から外れておれば、外枠1003が歪んでも扉1001はその後も開放することが出来る。
図1に戻り、情報提供装置3は地震発生を検知して、地震に関る災害発生情報を提供する装置であり、気象庁または民間の企業等に利用される災害情報提供サービスを行うコンピュータ等である。災害発生情報とは地域ごとの災害規模や、発生した地震の主要動到達時間等の予測値を含む情報であり、例えば気象庁が提供する緊急地震速報のように、地震の初期微動を検出し主要動の到達を警報する情報である。
扉開閉制御装置1の機能部について説明する。扉開閉制御装置1は、通信部10と扉開閉制御部13と災害情報データベース(以下DBとする)14と錠情報DB15とを有している。
通信部10は通信回線4に接続しており、受信部11と送信部12との機能部を有している。以降、データを受信する処理は通信部10の受信部11が行い、データを送信する処理は通信部10の送信部12が行うとして説明する。
受信部11は、通信回線4を介して接続される他のコンピュータからデータを受信する処理を行う処理部である。例えば、受信部11は鍵装置21から、鍵装置21が制御する扉が開放しているか否に関する情報を受信したり、情報提供装置3から災害発生情報を受信したりする。
送信部12は、通信回線4を介して接続される他のコンピュータにデータを送信する処理を行う処理部であって、例えば錠装置21に扉が閉まらないようにさせる命令を送信する。
図8を用いて扉が閉まらない状態について説明する。扉1001が開いている状態でデッドボルト1004もしくはラッチボルト1005を突出させ、突出状態で固定した状態をいう。これにより、デッドボルト1004もしくはラッチボルト1005が外枠1003につかえ、扉1001は完全に閉じることはない。例えば、錠前を施錠するとデッドボルト1004が突出してその状態で固定されることとなるので、扉1001が開いている状態で施錠すると、デッドボルト1004が扉1001につかえ、扉1001が外枠1003に収まらない。
すなわち扉1001が閉じることを防ぐことが出来る。つまり、錠装置21が扉の開閉を制御するとは、扉に備わる錠前の締り機構(デッドボルト1004やラッチボルト1005)の突出状態を制御することである。
図1に戻り、扉開閉制御部13は、錠装置21を特定して、錠装置21が制御する扉を閉じなくする処理部である。例えば、扉開閉制御部13は錠情報DB15を参照して、開放状態にある扉を制御する鍵装置21を特定して、錠装置21に該扉の錠前を制御させる。
災害情報DB14は、扉開閉制御処理を開始する条件を格納する記憶部である。詳細は後述する。災害情報DB14は、扉開閉制御装置に含まれなくてもよく、例えば情報提供装置3と接続した中央管理コンピュータ(図示せず)が有するとしてもよい。この場合は、複数の建物を管理する中央管理コンピュータが、情報提供装置3から災害発生情報を受信し、扉開閉制御を開始すべき建物の扉開閉制御装置1に、扉開閉制御開始命令を送信するものとすればよい。つまり、扉開閉制御装置1の受信部11は中央管理コンピュータと通信回線4を介して接続する。
錠情報DB15は、各々の鍵装置21に関する情報を格納する記憶部である。詳細は後述する。
続いて錠装置21の機能部について説明する。錠装置21は通信部210と制御部213と扉監視部214を有している。後述するように、扉監視部214は錠装置21に含まれなくてもよい。
通信部210は通信回線4に接続しており、受信部211と送信部212の機能部を有している。以降、データを受信する処理は通信部210の受信部211が行い、データを送信する処理は通信部210の送信部212が行うとして説明する。
受信部211は、通信回線4を介して接続される他のコンピュータからデータを受信する処理を行う処理部であって、例えば扉開閉制御装置1から扉が閉まらないようにさせる命令を受信する。
送信部212は、通信回線4を介して接続される他のコンピュータにデータを送信する処理を行う処理部であって、例えば扉開閉制御装置1に自装置が備えられた扉が開放しているか否かに関する情報を通知する。
制御部213は、扉開閉制御装置1から扉が閉まらないようにさせる命令を受信した場合に、自装置21が備えられた扉が閉まらないようするための指示を行う処理部である。例えば、扉が開いている状態で施錠指示を行い、デッドボルトを突出させる。
扉監視部214は、自装置21が制御する扉が開放しているか否かの開放状態を監視する処理部であり、監視した開放状態を制御部213に伝える。
扉の開放状態の監視について図8を用いて説明する。例えば、扉監視部214は扉1001が蝶番1002の軸を中心として一定以上の中心角を持つ弧を描いたことで扉の開放を検出し、前記弧の中心角が一定以下となった時点で扉が閉まったことを検出するセンサである。すなわち、蝶番1002に設けられ、扉1001の開放を検知した場合に、錠装置21の制御部213に伝える。そして制御部213が送信部212へ伝える。
先述のように扉が開いているとは、閉じている状態から扉が軸を中心として弧を描いた状態である。しかし本実施例では、所定の場合に錠前を操作して扉が閉まらないようにする必要がある。そこで前記一定の中心角は扉が開放された瞬間(例えば、中心角が限りなく0度に近い)よりも、錠前を制御している間に扉が外枠に収まらない程度に大きなものとすればなお良い。
また、扉監視部214は扉1001と外枠1003にマグネットセンサ1007として設けられ、扉1001と外枠1003に各々設けられたマグネットセンサ1007のマグネットが離れたことで扉の開放を検出し、二つのマグネットが接していることで扉が閉まったことを検出するとしても良い。この場合は、例えば図8のようにマグネットセンサ1007が設けられ、検出した開放状態を錠装置21の制御部213に伝える。そして制御部213が送信部212へ伝える。
災害情報DB14に格納されているデータテーブル例を図2に示す。建物の管理者等は扉開閉制御処理を開始する条件を災害情報DB14に予め格納する。後述する第一の実施例に関するデータテーブル例を(A)に、第二の実施例に関するデータテーブル例を(B)に示す。災害情報DB14はこれらの項目のうち一部を備えても良く、さらに一方の実施例の項目を他方の実施例のデータテーブルが備えるなどしても良い。
図2(A)に示す第一の実施例では、災害情報DB14は項目「災害規模閾値」141を格納する。また、図2(B)に示す第二の実施例では、災害情報DB14は制御対象の建物ごとに、項目「災害規模閾値」141と項目「災害発生時間」142と「開放時間閾値」143とを対応付けて格納する。
災害情報DB14の項目「災害規模閾値」141は、扉開閉制御処理を開始する地震の規模を格納するデータ領域である。例えば、「震度6」などが格納される。受信した災害発生情報に含まれる災害規模が震度6以上であれば、扉開閉制御装置1は扉開閉制御処理を開始する。
また、上述したように、中央管理コンピュータが複数の扉開閉制御装置1を管理する場合には、中央管理コンピュータが有する災害情報DB14はさらに項目「建物ID」、項目「地域」および項目「扉開閉制御装置アドレス」を「建物ID」に対応付けて備えるものとすればよい(図示せず)。
項目「建物ID」は建物を識別するための情報を格納するデータ領域である。例えば、「ABCビル」などの建物名や、建物に一意に付された記号などが格納される。項目「地域」は、建物が存在する地域を識別するための情報を格納するデータ領域である。例えば、「川崎市中原区」などの地名や、地域に一意に付された記号などが格納される。そして、項目「扉開閉制御装置アドレス」は、建物を管理する扉開閉制御装置1のアドレスを格納するデータ領域である。例えば、「11.11.11.11」などのアドレスが格納される。
これによって、中央管理コンピュータが受信した災害発生情報に基づいて、建物IDに対応する「地域」における災害規模が、該建物IDに対応する災害発生規模閾値よりも大きな場合に、該建物IDの扉開閉制御装置アドレスを読み出して、扉開閉制御装置の送信部11に対して扉開閉制御処理の開始命令を送信することが出来る。
災害情報DB14の項目「災害発生時間帯」142は、地震が発生した時間帯に関する情報を格納するデータ領域である。例えば、「0:00から6:00」などが格納される。扉開閉制御装置1が災害発生情報を受信した時間が、「0:00から6:00」に含まれる場合は、災害規模閾値141は「震度5」である。
災害情報DB14の項目「開放時間閾値」143は、一定の時間に関する情報を格納するデータ領域である。例えば、「60秒」などが格納される。後述する錠情報DB15に格納されている錠装置21が制御する扉が開放された最新の日時が、災害発生情報の受信から開放時間閾値を差し引いた時刻よりも後である場合に、扉開閉制御部13は該錠装置2を制御の対象として特定する。すなわち、災害発生情報の受信から開放時間閾値をさかのぼった過去の時刻よりも、前記最新の日時が現在時刻に近い場合に、扉開閉制御部13は該錠装置21を制御の対象として特定する。
錠情報DB15に格納されるデータテーブル例を図3に示す。錠情報DB15は「錠ID」151、「錠アドレス」152、「開放情報フラグ」153、「最終開放日時」154を対応付けて格納する。錠情報DB15はこれらの項目のうち一部を備えても良く、実施例において必要な項目を適宜設置するようにすればよい。
錠情報DB15の項目「錠ID」151は、錠装置21を一意に識別するための情報を格納するデータ領域である。例えば、「A」が格納される。錠情報DB15の項目「錠アドレス」152は、錠装置21が有する通信手段のアドレス情報を格納するデータ領域である。例えば、錠装置「A」の通信手段のアドレス「12.34.56.78」が錠装置Aに対応付けて格納される。
錠情報DB15の項目「開放状態フラグ」153は、錠装置21が制御する扉が開放状態であるか否かを示す情報を格納するデータ領域である。実際の処理については後述する。例えば、錠装置「A」が制御する扉が開放状態であるならば「1」が格納され、錠装置「B」が制御する扉が非開放状態(扉が閉じている状態)であるならば「0」が格納される。
錠情報DB15の項目「最終開放日時」154は、錠装置21が制御する扉が最後に開放した日時を格納するデータ領域である。例えば、錠装置「A」が制御する扉が最後に開放(図3においては現在も開放状態)した日時「2009.3.10 12:00:00」が格納されており、「2009年3月10日12時0分0秒」に錠装置「A」が制御する扉が開放されたことを示す。具体的には、扉開閉制御部13が「開放状態フラグ」153に「1」を格納した日時を「最終開放日時」154に格納し、「開放状態フラグ」153に「1」が格納される度に「最終開放日時」154を更新する。
まず、扉開閉制御装置1の受信部11が情報提供装置3から災害発生情報を受信する前の図1に示す各処理部の関連した動きについて、図4を用いて説明する。図4は錠情報DB15の開放状態フラグ153および最終開放日時154に格納される情報を更新するための処理フローである。
鍵装置21の扉監視部214は、自装置が制御する扉の状態を監視する(S21)。そして開放を検知するまで監視を続ける(S22NO)。扉監視部214は、上述のように扉が一定角度以上開いた場合や、扉と外枠に設けられたマグネットが離れたことを開放として認識する。また、このとき開放として認識する角度は監視者が予め設定するなどして、錠装置21の記憶部(図示せず)や扉監視部214の記憶領域に格納するようにすれば良い。
扉監視部214が開放を検知した場合は(S22YES)、扉監視部214は扉が開放状態である旨の情報を含む開放状態通知を制御部213へ伝え、制御部213は開放状態通知の送信を送信部212に命令し、送信部212は扉制御装置1の受信部12に送信する(S23)。なお、扉監視部214が直接送信部212へ開放状態通知の送信を命令しても良い。開放状態通知には、開放した旨の情報とともに、錠装置21の錠IDが含まれる。錠IDの代わりに錠アドレスを含むこととしても良い。続いて、鍵装置21の扉監視部214は自装置を備える扉が非開放状態になるまで監視する(S24)。
一方、扉開閉制御装置1の受信部11は開放状態通知を受信し(S11)、扉開閉制御部13へ受け渡す。扉開閉制御部13は、開放状態通知から錠装置21の錠ID(もしくは錠アドレス)を読み出し、対応する錠状態DB15の項目「開放フラグ」153を「1」へ変更する(S12)。この際、錠状態DB15が項目「最終開放日時」154を備える場合は、開放フラグを「1」に更新した日時を、項目「最終開放日時」154に格納する。そして扉開閉制御装置1は待機する(S13)。
例えば、錠装置A21の扉監視部214は自装置が制御する扉の状態を常に監視し、開放を検知する。そして送信部212は錠ID「A」を含む開放状態通知を扉制御装置1の受信部12に通知する。扉開閉制御装置1の受信部12は開放状態通知を受信し、扉開閉制御部13へ受け渡す。扉開閉制御部13は、開放状態通知から錠装置A21の錠ID「A」を読み出し、錠ID「A」に対応する錠状態DB15の項目「開放フラグ」153を「1」へ変更する。そして、解錠フラグを「1」に更新した日時「2009.3.10 12:00:00」を、項目「最終開放日時」154に格納する。そして、扉開閉制御装置1は待機する。
続いて、鍵装置21の扉監視部214は自装置が制御する扉の非開放を検知するまで監視を続ける(S25NO)。例えば、扉が開いた角度が一定以下になった場合や、扉と外枠に設けられたマグネットが接したことを非開放として認識する。
非開放を検知した場合は(S25YES)、扉監視部214は自装置が制御する扉が非開放となった旨の情報を含む非開放状態通知を制御部213へ伝え、制御部213は非開放状態通知の送信を送信部212に命令し、送信部212は扉制御装置1の受信部11に送信する(S26)。なお、扉監視部214が直接送信部212へ非開放状態通知の送信を命令しても良い。非開放状態通知には、錠装置2の錠IDや錠アドレスなどが含まれる。続いて、鍵装置21の扉監視部214は自装置が制御する扉の状態を再び監視する(S21)。
一方、扉開閉制御装置1の受信部12は非開放状態通知を受信し(S14)、扉開閉制御部13へ受け渡す。扉開閉制御部13は、非開放状態通知から錠装置2の錠ID(もしくは錠アドレス)を読み出し、対応する錠状態DB15の項目「開放フラグ」153を「0」へ変更する(S15)。そして終了する。
続いて、図1に示す各処理部の関連した動きについて、本発明にかかる第一の実施例を図5を用いて説明する。図5は第一の実施例における扉開閉制御の処理フローを示した図である。
まず、情報提供装置3が地震の初期微動を検出することで災害発生を検知し、災害発生規模および地震の主要動到達時間を含む災害発生情報を公衆回線5を介して扉開閉制御装置1へ送信する(S31)。扉開閉制御装置1の受信部11は災害発生情報を受信し(S41)、扉開閉制御部13へ受け渡す。扉開閉制御部13は災害発生情報から災害規模、到達時間等を読み出すとともに、災害情報DB14を参照して災害規模閾値を取得する(S42)。
そして、扉開閉制御部13は取得した災害閾値と災害発生情報に含まれる災害規模を比較する(S43)。災害規模の方が災害規模閾値よりも小さければ(S43NO)、終了する。災害規模の方が災害規模閾値よりも大きければ(S43YES)、扉開閉制御部13は錠情報DB15を参照して、開放状態にある錠装置21を検索する(S44)。具体的には、開放フラグ153に「1」が格納されている錠装置21を検索する。開放フラグ153に「1」が格納されている錠装置21がなければ(S44NO)、終了する。
一方、扉開閉制御部13が錠情報DB15に開放フラグ153に「1」が格納されている錠装置21が存在すれば、該錠装置21に対応する錠アドレスを読み出す(S44YES)。扉開閉制御部13は送信部12に扉閉鎖禁止命令を送信するよう指示し、送信部12は、前記読み出した錠アドレスに対して扉閉鎖禁止命令を送信する(S45)。扉閉鎖禁止命令とは、錠装置21に扉が閉まってしまうのを禁止させる命令である。
例えば、「予想震度6の地震が発生」という情報を含む災害発生情報を受信部11が受信した場合について説明する。扉開閉制御部13は災害発生情報から災害規模「震度6」を読み出すとともに、災害情報DB14(図2(A))を参照して災害規模閾値「震度6」を取得する。
災害規模閾値「震度6」が災害規模「震度6」以下であるので、扉開閉制御部13は錠情報DB15(図3)を参照して、開放状態にある錠装置21を検出する。扉開閉制御部13は錠情報DB15を参照して、開放フラグ153に「1」が格納されている錠装置「A」の錠アドレス152に格納されている「12.34.56.78」、及び錠装置「E」の錠アドレス152に格納されている「90.12.34.56」を読み出す。そして送信部12は、前記読み出した錠アドレス「12.34.56.78」及び「90.12.34.56」に対して扉閉鎖禁止命令を送信する(S45)。
一方、扉開閉制御装置1の送信部12が扉閉鎖禁止命令を送信した錠アドレスに対応する錠装置21の受信部211は扉閉鎖禁止命令を受信する(S51)。そして受信部211から扉閉鎖禁止命令を受け取った制御部213は錠前に対して扉閉鎖禁止指示を出す(S52)。
上述したように、扉が開放状態にある場合に、デッドボルトもしくはラッチボルトが突出すれば、扉が外枠に収まらずに、扉が閉じることを防ぐことが出来る。よって、制御部213が施錠することで、デッドボルトを突出させ、デッドボルトを外枠に支えさせることができる。また、制御部213が錠前のラッチボルトを突出させることでも、同様にして扉が閉じることを防ぐことが出来る。
この実施例では、錠装置21の制御部213が扉閉鎖禁止指示を生成する処理を行ったが、扉開閉制御装置1が扉閉鎖禁止命令に扉閉鎖禁止指示を含むように生成するとしても良い。
例えば、錠アドレス「12.34.56.78」に対応する錠装置A21の受信部211は、扉開閉制御装置1から扉閉鎖禁止命令を受信する。そして、制御部213は錠前を施錠して、デッドボルトを突出状態とし、扉が閉じることを防ぐ。
以上の構成から、特許文献1のように避難する人に装置を携帯させることなく、人が付近に存在する可能性の高い扉を特定することができる。 なぜなら、扉が開放されているということは、そこを通行するために人が扉を開けている可能性が高く、つまり人が付近に存在している可能性が高いからである。
特定した扉を閉じないように制御することで地震による建物の歪みで扉が開かなくなることを防ぐことができる。そして、扉はデッドボルトもしくはラッチボルトがつかえ外枠に完全に収まることを防止しているにすぎないため、空気が通れる隙間はとても狭い。よって、空気の流れによる火災拡大を防ぐことができる。
さらに、開放状態にある扉のラッチボルトやデッドボルトを突出させるという処理により扉の閉鎖を防ぐことができるため、特許文献1のように扉の開放を行う装置を新たに設ける必要がなく、容易に避難経路の確保が出来る。
図4は扉開閉制御装置1の受信部11が災害発生情報を受信する前の図1に示す各処理部の関連した動きとして説明したが、この処理を災害発生情報受信後(図5)も行うこととしても良い。その場合は、図5に示すS45以降、扉開閉制御装置1が図4のS11の開放状態通知を受信する度に、開放状態通知に含まれる錠アドレスに対して扉閉鎖禁止命令を送信するようにしても良い。
この構成によって、扉開閉制御装置1は災害発生情報を受信してから主要動が到達するまでの間に開放された扉を制御する錠装置21も制御の対象とすることが出来る。よって、初期微動の検出から主要動到達までの時間に開放された扉も閉じないようにすることができる。つまり、初期微動の検出から主要動到達までの時間を行った人が付近に存在する扉を閉じないようにして、避難経路を確保することが出来る。
ところで、気象庁の緊急地震速報を利用して地震の主要動の到達前に危険発生を抑止するための対策をとることが行われている。つまり緊急地震速報の受信後は、危険発生抑制のための制御信号が増大し、通信回線の負荷が増大することが考えられる。更には、通信回線の負荷増大により通信速度が低下することで、主要動到達前に各種対策が取れなくなるという事態が発生する恐れがある。そこで、通信回線の負荷となるような無駄な命令を送信することを避けたい。
上述したような簡単な処理により、扉開閉制御装置1が災害発生情報を受信した時点で、人が付近に存在する扉を特定して、扉を閉じないようにすることができるため、無駄な命令を送信して通信回線の負荷をいたずらに増大させることを避けることが出来る。
図1に示す各処理部の関連した動きについて、本発明にかかる第二の実施例を図6を用いて説明する。第一の実施例は開放状態にある扉のみを閉じないように命令することで、避難経路を確保するものであったが、第二の実施例は一定時間以内に開放された扉も閉じないようにすることで、より確実に避難経路を確保するものである。
図6に示すS31・S61は図5におけるS31・S41と各々同様であるため、説明を割愛する。扉開閉制御部13は災害発生情報から災害規模、発生時間等を読み出すとともに、災害情報DB14を参照して災害規模閾値および開放時間閾値を取得する(S42)。
そして、扉開閉制御部13は取得した災害規模閾値と災害発生情報に含まれる災害規模を比較する(S63)。災害規模閾値の方が災害規模よりも大きければ(S63NO)、終了する。
続いて災害規模閾値が災害規模以下であれば(S63YES)、扉開閉制御部13は災害発生情報の受信時刻から前記取得した開放時間閾値だけ遡った日時を算出する(S64)。扉開閉制御部13は錠情報DB15を参照して、最終開放日時が前記算出した日時よりも後である錠装置21が存在するかを検索する(S65)。存在しなければ(S65NO)、終了する。
そして、扉開閉制御部13は最終開放日時が前記算出した日時よりも後である錠装置2を検出した場合(S65YES)、錠情報DB15を参照して、特定した錠装置21に対応する錠アドレス152に格納されている錠アドレスを読み出し、送信部12に扉閉鎖禁止命令を送信するよう指示する。送信部12は、前記読み出した錠アドレスに対して扉開閉禁止命令を送信する(S66)。
例えば、扉開閉制御装置1が「予想震度6の地震が発生」という災害発生情報を「2009年3月10日 12時00分05秒」に受信した場合について説明する。災害情報DB14(図2(B))の災害発生時間帯142を参照して、災害発生情報を受信した時刻が含まれる災害発生時間帯「6:00から20:00」に対応する、災害規模閾値141に格納された「震度6」および開放時間閾値143に格納された「60秒」を取得する。
災害閾値「震度6」が災害規模「震度6」以下であるので、災害発生情報の受信時刻「2009年3月10日 12時00分05秒」から前記取得した解錠時間閾値「60秒」だけ遡った日時を算出する。算出結果は「2009年3月10日 11時59分05秒」となる。扉開閉制御部13は錠情報DB15を参照して、最終開放日時が前記算出した日時よりも後である錠装置21が存在するかを検索する。
扉開閉制御部13は最終開放日時154に「2009年3月10日 11時59分05秒」以降の日時を有している錠装置「A」「B」「E」に対応する錠アドレス152に格納されている「12.34.56.78」、「34.56.78.90」、及び「90.12.34.56」を読み出す。そして送信部12は、前記読み出した錠アドレス「12.34.56.78」、「90.12.34.56」及び「90.12.34.56」に対して扉閉鎖禁止命令を送信する。
一方、扉開閉制御装置1の送信部12が指定した錠アドレスに対応する錠装置21の受信部211は扉閉鎖禁止命令を受信する(S71)。そして受信部211から扉閉鎖禁止命令を受け取った制御部213は錠前に対して扉閉鎖禁止指示を出す(S72)。扉閉鎖禁止指示とは、錠装置21が制御する扉が開放状態であれば、第一の実施例と同様に制御部213はデッドボルトもしくはラッチボルトを突出させる扉閉鎖禁止指示を行う。
一方、錠装置21が備わる扉が非開放状態であれば、制御部213は錠前に対して解錠を指示し、扉を開放し、さらにデッドボルトもしくはラッチボルトを突出させる扉閉鎖禁止指示を行う。第二の実施例では、錠装置21は扉に対して物理的な力を加え扉を開放させる装置を備える必要がある。そして開放装置は制御部213の制御の下、動作するものとする。そして開放装置により開放された扉が、再び外枠に収まる前にデッドボルトもしくはラッチボルトを突出させることで、扉が閉じることを防ぐことができる。
例えば、錠装置「A」および錠装置「E」の制御部213は扉閉鎖禁止指示として、デッドボルトを突出させる。一方、錠装置「B」の制御部213は扉閉鎖禁止指示として、錠前に解錠を命令してデッドボルトを格納し、開放装置に扉を開放させ、再び外枠に収まる前にデッドボルトもしくはラッチボルトを突出させる指示である。一連の扉閉鎖禁止指示によって、錠装置「B」が制御する扉は閉じることはない。
ここでは、錠装置21の制御部213が扉閉鎖禁止命令に基づいて扉閉鎖禁止指示の内容を判断すると説明したが、扉開放装置1で扉閉鎖禁止命令に含まれる内容を、開放状態フラグによって錠装置2ごとに変更して生成して、送信することとしても良い。
以上のような構成により、一定時間以内に開放された履歴を有する錠装置21を扉開閉制御処理の対象として、扉が閉じないようにすることができる。よって、より確実に避難経路を確保することができる。
そして、特定した扉を閉じないように制御することで地震による建物の歪みで扉が開かなくなることを防ぐことができる。そして、扉はデッドボルトもしくはラッチボルトが支えており、空気が通れる隙間はとても狭いため、空気の流れによる火災拡大を防ぐことができる。また、無駄な命令を送信して通信回線の負荷をいたずらに増大させることを避けることが出来る。
さらに、時間帯により扉開閉制御処理を実行する条件を変動させることができる。例えば、救助が遅れることが予測される深夜には、扉開放制御処理を災害規模が小さな場合にも扉開閉制御処理を実行することや、より長い時間以内に開放された履歴を有する扉も開放の対象として特定することができる。したがって、より確実に避難経路を確保することができる。
なお本発明の実施形態は上記に限られるものではない。
例えば、錠装置21のみで扉の開閉制御を行うことも可能である。受信部211が情報提供装置3と接続しており、該情報提供装置3から災害発生情報を受信する。災害発生情報を受信したときに、扉監視部214が扉の開放を検知していれば、制御部213はデッドボルトもしくはラッチボルトを突出させるようにすればよい。つまり、錠装置21が扉開放制御装置1として作用する。
このような構成によって、記憶部を必要としない簡易な装置各々によって扉開閉制御を行うことができる。例えば、住居の扉に接続して、小規模に扉の開閉を制御するような場合にも適用できる。
例えば、扉開閉制御装置1は図1に示す全ての処理部を1つの筐体上に備える必要はなく、互いに通信可能に接続される他のコンピュータ上に一又はいくつかの処理部が搭載されていても構わない。
以下では、図7を用いて、上記の実施例に示した扉開閉制御装置1および扉開閉制御装置1と同様の機能を有する扉開閉制御プログラムを実行するコンピュータを一例として説明する。図7は扉開閉制御装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。扉開閉制御装置1はCPU101、ROM102、RAM103、通信部104、HDD105、入力部106、媒体読取部107を有しており、各部はバス108を介して相互に接続されている。そしてCPU101による管理下で相互にデータの送受を行うことができる。
CPU101は、この扉開閉制御装置1全体の動作制御を司る中央処理装置である。通信部104は外部からの信号を受信し、その信号の内容をCPU101に渡すとともに、CPU101からの指示に応じて外部に信号を送信するものである。
HDD105には、上記の実施例に示した扉開閉制御装置1と同様の機能をコンピュータに発揮させるプログラムとして、少なくとも図5のS44・S45、若しくは図6のS64・S65・S66の処理をコンピュータに実行させるプログラムが記憶されている。そして、CPU101がこのプログラムをHDD105から読み出して実行することで、図1に示す扉開閉制御部13として機能するようになる。このプログラムはCPU101とアクセス可能なROM102またはRAM103に格納されていても良い。
さらにHDD105にはCPUの管理下で図1に示す災害情報DB14及び扉情報DB15が記憶される。プログラム同様、これらDBはCPU101とアクセス可能なROM102またはRAM103に格納されても良い。そして入力部106はCPU101の管理下でデータの入力を受付ける。
上記フローチャートに示した処理内容を記述したプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)などがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto − Optical disk)などがある。このプログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売されることが考えられる。
そして上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば媒体読取部107が、上記フローチャートに示した処理内容を記述したプログラムを記録した記録媒体から、該プログラムを読み出す。CPU101は、読み出されたプログラムをHDD105若しくはROM102、RAM103に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。