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JP5188401B2 - タイヤ成形装置及びタイヤ製造方法 - Google Patents
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JP5188401B2 - タイヤ成形装置及びタイヤ製造方法 - Google Patents

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本発明は、複数の押出機から押し出したゴムを、回転する被成形体に同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するタイヤ成形装置及びタイヤ製造方法に関する。
空気入りタイヤは、一般に、タイヤ成形装置により、未加硫ゴム等からなる各タイヤ構成部材を被成形体に順次配置等して未加硫タイヤを成形した後、加硫成型して製造される。また、この未加硫タイヤの成形時には、従来、押出機から押し出したゴムを、回転する被成形体に螺旋状に巻き付けて積層することで、トレッドゴム等のタイヤ各部のゴム部材を形成することが行われている。
ところで、このような従来のタイヤ成形装置では、複数の押出機の各設置位置に被成形体を都度移動させ、各位置でゴム部材を被成形体に順次形成して未加硫タイヤを成形するのが一般的である。そのため、この従来の装置では、ゴム部材を形成する度に、被成形体の移動と回転とを繰り返す必要があり、それに応じて時間とエネルギーとを消費し、成形時間が長くなり、かつ、エネルギーコストが増加する傾向がある。また、次のゴム積層まで待機する間に、押出機内の温度が上昇して内部のゴムに焦げが発生するのを防止するため、待機中に押出機からゴムを押し出す、いわゆる空出し動作を行う必要もある。その結果、空出ししたゴムを押出機で再び練る、練り返し作業を行う必要も生じ、これに伴いゴム屑が発生して廃棄するゴム量が多くなることがある。
これに対し、従来、複数の押出機から押し出したゴムストリップを被成形体に同時に巻き付けてトレッドゴムを形成し、未加硫タイヤ成形の効率を向上させて成形時間やエネルギーコストを低減させたタイヤ成形装置が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この従来のタイヤ成形装置では、各押出機によるゴムの押出速度を、どの押出機の押出速度に合わせるかによって、例えば、一部の押出機の押出速度が速くなり過ぎてゴムに過剰な熱が発生し、そのゴムが架橋温度まで加熱されて架橋が生じる虞がある。特に、異なるゴム部材を形成するときや、異なる種類のゴムを押し出すときは、押出機間の押出速度を調整するのが難しく、ゴムに架橋が生じる虞がより大きくなる。
特開2004−25535号公報
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、ゴムに架橋が生じるのを防止しつつ複数の押出機から押し出したゴムを被成形体に同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形できるようにし、未加硫タイヤの成形時間やエネルギーコストを低減し、かつ、押出機によるゴムの練り返し作業やゴム屑の発生を削減することである。
本発明は、ゴムを押し出して被成形体に同時に供給可能な複数の押出機と、複数の押出機から供給されるゴムを、それぞれ回転する被成形体に巻き付ける巻付手段とを備え、被成形体に供給される各ゴムを同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するタイヤ成形装置であって、複数の押出機による各ゴムの押出上限速度を記憶する手段と、被成形体にゴムを供給する各押出機の押出上限速度を取得して比較する手段と、比較した押出上限速度から最も遅い押出上限速度を判別する手段と、判別した押出上限速度に応じた回転速度で被成形体を回転させる手段と、回転する被成形体に各押出機からゴムを供給させる手段と、判別した押出上限速度の押出機によるゴムの供給終了に伴い、続いてゴムを供給する各押出機中の最も遅い押出上限速度に応じて、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を変更する速度変更手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、複数の押出機からゴムを押し出して被成形体に供給し、各ゴムを回転する被成形体に同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するタイヤ製造方法であって、被成形体にゴムを供給する各押出機のゴムの押出上限速度を取得して比較する工程と、比較した押出上限速度から最も遅い押出上限速度を判別する工程と、判別した押出上限速度に応じた回転速度で被成形体を回転させる工程と、回転する被成形体に各押出機からゴムを供給して巻き付ける工程と、判別した押出上限速度の押出機によるゴムの供給終了に伴い、続いてゴムを供給する各押出機中の最も遅い押出上限速度に応じて、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を変更する速度変更工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ゴムに架橋が生じるのを防止しつつ複数の押出機から押し出したゴムを被成形体に同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形でき、未加硫タイヤの成形時間やエネルギーコストを低減し、かつ、押出機によるゴムの練り返し作業やゴム屑の発生を削減することができる。
本実施形態のタイヤ成形装置の概略構成を模式的に示す要部平面図である。 図1から支持体と1つの押出機を抜き出して示す要部側面図である。 本実施形態のタイヤ成形装置によるゴムストリップの巻き付け手順を示すフローチャートである。 ゴムストリップの巻き付けの状態を模式的に示す要部断面図である。 被成形体の回転速度の変化を示すグラフである。
以下、本発明のタイヤ成形装置とタイヤ製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ成形装置は、複数の押出機から供給される各ゴムを、回転する被成形体に同時に巻き付けて、例えばトレッドゴム、サイドウォールゴム、又はゴムチェーファ等、タイヤ各部を構成するゴム部材を形成して未加硫タイヤを成形する。その際、このタイヤ成形装置では、各押出機によるゴムの押出速度等に応じて、被成形体の回転速度やゴムの押出速度を順に変化させる。
図1は、このタイヤ成形装置の概略構成を模式的に示す要部平面図である。
タイヤ成形装置1は、図示のように、軸線が水平に配置された支持体10と、その周囲に配置された複数(ここでは4つ)の押出機21、22、23、24(図では先端部のみ示す)と、装置全体を制御する制御装置40とを備えている。また、タイヤ成形装置1は、支持体10の搬送手段(図示せず)を備え、これにより支持体10を搬送して、外部から押出機21、22、23、24の間に移動(図の矢印S1)させてゴムの巻き付けを行い、巻き付け終了後に逆方向の外部に移動(図の矢印S2)させる。
支持体10は、未加硫タイヤの成形時に、被成形体Hを軸線周りに回転可能に支持する手段であり、例えば拡縮可能な円筒状の成形ドラムや、未加硫タイヤの内面形状に応じた外面形状を有する剛体コア等からなる。ここでは、支持体10は、軸線周りに回転可能な成形ドラムからなり、その外周側に、タイヤ構成部材や押出機21、22、23、24からのゴムが順に配置や積層等されて被成形体Hが形成され、被成形体Hを膨張させた状態で同芯状に保持する。また、支持体10は、モータ等の駆動源や、その回転動力の伝達機構等からなる、回転速度(回転数)を連続して変更可能な回転手段(図示せず)を有する。支持体10は、これにより回転駆動されて、被成形体Hを軸線周りに所定の回転速度で回転(図の矢印K)させて任意の回転角で停止させ、かつ、回転速度を連続して変化させる。
ここで、被成形体Hは、未加硫タイヤの成形時に、押出機21、22、23、24からのゴムが巻き付けられる対象物であり、支持体10上に配置された成形途中段階の未加硫タイヤや仕掛かり品、又は中間成形体等である。或いは、押出機21、22、23、24からのゴムを支持体10上へ直接巻き付けるときには、成形ドラムや剛体コアが被成形体Hを構成する。
複数の押出機21、22、23、24は、被成形体Hに巻き付けられて積層されるゴムを押し出し、被成形体Hに同時に供給可能なゴム供給手段であり、被成形体Hを囲んで、それぞれゴムの巻付位置に応じた所定位置に配置されている。また、押出機21、22、23、24は、口金21A、22A、23A、24Aが、押出ヘッドやギアポンプ等(図示せず)を介して、ゴム押出先端部(ゴム吐出口)に取り付けら、それぞれ被成形体Hの外周部に対向して配置されている。これら押出機21、22、23、24は、互いに独立して作動して、それぞれ加熱・混練した未加硫ゴムを口金21A、22A、23A、24Aの開口部から所定速度で押し出し、その開口形状に応じた所定の断面形状に成型する。これにより、押出機21、22、23、24は、リボン状や帯状、又はストリップ状等をなす長尺な押出ゴムを形成しつつ、被成形体Hへ向かって連続して所定速度で供給する。その際、各押出機21、22、23、24は、ゴムの押出速度(単位時間当たりの押出長さや押出量等)を連続して変更可能に構成され、それぞれ予め設定された所定の押出速度でゴムを押し出すとともに、各押出速度を連続して変化させる。
加えて、この押出機21、22、23、24は、口金21A、22A、23A、24Aからのゴムの押し出しが、制御装置40からの制御信号等に基づいて、所定のタイミングで開始及び停止可能になっている。また、各押出機21、22、23、24には、例えば床面に敷設したレール上を走行する手段等、被成形体Hの外面に沿って軸線方向やタイヤ半径方向等に移動する手段、及び、被成形体Hに接近及び離間して口金21A、22A、23A、24Aと被成形体Hとの間の距離を変更する手段(図示せず)が設けられている。これにより、押出機21、22、23、24は、ゴムの押出速度や被成形体Hへの巻付位置等に応じて、互いに独立して各方向に移動し、押し出したゴムを回転する被成形体Hの所定位置に供給する。このように供給される複数のゴムは、押出機21、22、23、24毎に設けられた巻付手段により、それぞれ回転する被成形体Hの各巻付位置に巻き付けられる。
図2は、図1から支持体10と1つの押出機21を抜き出して示す要部側面図であり、ゴム巻き付けの各段階を順に模式的に示している。なお、他の押出機22、23、24も、以下説明する押出機21と同様の巻付手段30を各々備え、それぞれ同様に巻き付け動作を実行する。
巻付手段30は、図示のように、軸線周りに回転可能に支持された一対のローラ31、32と、それらの回転駆動手段(図示せず)とを有し、押出機21と支持体10との間に配置されている。その位置で、巻付手段30は、押出機21から供給されるゴム(ここではゴムストリップ)Gを、回転する一対のローラ31、32間を通過させ、一方のローラ31により被成形体Hに巻き付ける。
ローラ31、32は、円筒状又は円盤状をなし、より大径な下方の下ローラ31が支持体10の外面近傍に対向して配置され、その上方に、より小径な上ローラ32が、互いの外周部間に所定間隔を開けて対向して配置されている。これらローラ31、32(図2A参照)は、それぞれゴムストリップGの巻付(積層)及び圧延ローラであり、軸線を互いに平行にした状態で支持され、それらの間の一方側(図では右側)のゴム入口側に、口金21Aから押し出されたゴムストリップGが導かれて連続的に供給される。
巻付手段30は、これらローラ31、32を互いに逆方向に同期して回転(それぞれ図の矢印参照)させ、供給されるゴムストリップGをローラ31、32の外周部間で圧延して、その外周部間隔に応じた厚さの所定の断面形状に形成する。続けて、巻付手段30は、ローラ31、32間を通過したゴムストリップGを、巻付用の下ローラ31側に誘導し、回転する下ローラ31により保持して被成形体Hへの所定の巻付位置まで移動させ、連動して回転する被成形体Hの外面に押し付けて圧着する。このようにして、巻付手段30は、ゴムストリップGを、被成形体H、例えば支持体10の外面又は下層のゴムストリップGや配置済みのタイヤ構成部材に貼り付け、連続してタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて積層し、所定形状のトレッドゴム等のゴム部材を形成する。
その際、このタイヤ成形装置1では、押出機21を移動させて、口金21Aのゴム押出先端部を巻付手段30から所定距離を隔てた離間位置(定常巻付位置)Tに配置し、押出機21からゴムストリップGを押し出して供給する。また、押出機21の押出速度に対して、ローラ31、32の回転速度(巻付速度)を相対的に速くして所定の速度差を設け、それらの間のゴムストリップGに張力を作用させて、同ゴムを引っ張り変形させる等して引き延ばす。このようにして、タイヤ成形装置1は、供給されるゴムストリップGを、巻付手段30により引き延ばしながら圧延しつつ、下ローラ31により回転する被成形体Hの外面の所定位置に貼り付ける。この貼り付けを、押出機21と共に巻付手段30を次第に移動させて連続して行い、ゴムストリップGを、被成形Hに一部を重ねながら巻き付けて互いに圧着し、1層又は複数層積層する等して所定形状のゴム部材を形成する。
また、タイヤ成形装置1は、ゴム部材の形成終了に合わせて、押出機21を巻付手段30側に向かって移動(図2B参照)させて、口金21Aと巻付手段30とを所定の近接位置(切断位置)Sまで接近させ、押出機21によるゴムストリップGの押し出しを停止する。その状態で、巻き付け動作を継続する巻付手段30により、口金21Aとの間の押し出し済みのゴムストリップGを、被成形体Hへの巻き付けに応じて引っ張り、同範囲のゴムストリップGに張力を付加する。この張力により、ゴムストリップGを、互いに接近した口金21Aと巻付手段30との間で引きちぎるようにして切断し、口金21Aの先端部側に残るゴムストリップGを短く(少なく)する。一方、巻付手段30側のゴムストリップGは、巻付手段30により圧延されながら切断端まで被成形体Hに貼り付けられる。
タイヤ成形装置1(図1参照)は、2以上の押出機21、22、23、24により同時に、又は、いずれか1つの押出機21、22、23、24により単独で、同様にゴムストリップGを押し出して被成形体Hの各巻付位置に供給して巻き付け、それぞれ積層して各位置のゴム部材を形成する。また、タイヤ成形装置1は、これら押出機21、22、23、24や各巻付手段30に加えて、装置各部に設けられた回転や位置検知手段等の各種センサ(図示せず)を備え、これら装置各部やセンサを、それぞれ制御装置40に接続している。
制御装置40は、例えば各種のデータ処理や解析、演算等を行うマイクロプロセッサ(MPU)41、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)42、及びMPU41が直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)43等を有するコンピュータから構成されている。また、制御装置40は、制御や未加硫タイヤの成形に必要な各種データを記憶するハードディスクドライブ等の記憶手段と、装置各部と接続する接続手段(それぞれ図示せず)とを有し、装置各部と制御信号や各種データを送受信し、未加硫タイヤ成形に関する各動作を各々実行させる。このようにして、制御装置40は、所定のプログラムに基づいて接続された各部を予め設定されたタイミングや条件で関連動作させ、未加硫タイヤを成形(製造)するための各段階の動作(工程)を実行させる。また、この制御装置40は、複数の押出機21、22、23、24の稼働や支持体10の回転を制御して、上記したゴムストリップGの押し出しや巻き付けを同時に、又は順次実行させる。従って、制御装置40は、押出機21、22、23、24や支持体10等と共に、以下説明するゴムストリップGの巻き付けや、未加硫タイヤを成形してタイヤを製造する各手順や動作を実行するための各手段を構成している。
ここで、本実施形態では、制御装置40の上記した記憶手段に、複数の押出機21、22、23、24による各ゴムストリップGの押出上限速度を予め記憶し、それらを制御装置40により比較する等して、ゴムストリップGの押出速度や被成形体Hの回転速度を順次変更しつつ巻き付けや積層を行う。このゴムストリップGの押出上限速度は、押出速度の上昇に伴い押出機21、22、23、24のゴムの温度が上昇するのに対し、各ゴムに架橋が生じないで押し出しが可能な上限となる基準押出速度(積層速度)であり、それぞれに対して予め設定され、その速度以下の押出速度でゴムの押し出しが行われる。また、押出上限速度は、ゴムの温度が、例えば架橋温度になる押出速度や、架橋温度以下の所定の温度で一定になる押出速度を、押出機21、22、23、24毎に事前に調査し、その結果に基づいて設定及び記憶される。その際、押出上限速度には、調査して得た最も速い押出速度や、その押出速度に対してある程度の余裕を設けた押出速度等、それぞれ架橋が生じない適切な押出速度(押出可能速度)が設定される。
次に、タイヤ成形装置1により、複数のゴムストリップGを被成形体Hに同時に巻き付けてタイヤ各部のゴム部材を形成し、未加硫タイヤを成形してタイヤを製造する手順や動作について説明する。なお、ここでは、トレッドゴムの内層部のベースゴム(ベーストレッド)と両タイヤビード部のゴムチェーファを同時に形成した後、トレッドゴムの外層部のキャップゴム(キャップトレッド)と両タイヤ側面のサイドウォールゴムを同時に形成する例を説明する。
図3は、タイヤ成形装置1によるゴムストリップGの巻き付け手順を示すフローチャートであり、それぞれ制御装置40により制御等されて実行される。
このタイヤ成形装置1では、図示のように、まず、制御装置40の上記した記憶手段から、被成形体HにゴムストリップGを供給する各押出機(ここでは、押出機22、23、24)の押出上限速度を取得する(S101)。次に、取得した押出上限速度と、各押出機22、23、24がゴムストリップGを巻き付ける位置の被成形体Hの半径等から、それぞれ押出上限速度でゴムストリップGが押し出されたときに、各ゴムストリップGの適切な巻き付けが可能な被成形体Hの対応する回転速度を算出する(S102)。また、取得した複数の押出上限速度同士を比較し(S103)、比較結果に基づいて、比較した押出上限速度の中から相対的に最も遅い押出上限速度(以下、最遅押出上限速度という)を判別する(S104)。
続いて、この判別した最遅押出上限速度に対応する被成形体Hの回転速度を、上記のように算出した複数の回転速度から選択し、支持体10(図1参照)を回転させて、被成形体Hを最遅押出上限速度に応じた回転速度で所定方向に回転させる(S105)。また、押出機22、23、24を同期して稼動し、それぞれ押出上限速度以下の所定の押出速度で各ゴムストリップGを押し出す。このときの押出速度は、各ゴムストリップGの巻付位置における被成形体Hの移動速度(周方向速度)に合わせて、それぞれ算出する。
具体的には、ここでは、一対の押出機22、23から押し出したゴムストリップGを、一対のタイヤビード部にそれぞれ巻き付けてゴムチェーファを形成し、他の押出機24から押し出したゴムストリップGを、タイヤショルダ部からトレッド部(外周部)に巻き付けてベースゴムを形成する。その際、一対の押出機22、23の押出上限速度が最遅押出上限速度であり、これに合わせて被成形体Hを回転させつつ、一対の押出機22、23から押出上限速度(又は、それに近い押出速度)でゴムストリップGを押し出す。これに対し、他の押出機24は、よりタイヤ周方向の移動速度が速い被成形体Hの外周部側にゴムストリップGを押し出すため、その速度に合わせた、かつ一対の押出機22、23よりも速い押出速度でゴムストリップGを押し出す。
タイヤ成形装置1は、このように最も押出上限速度が遅い押出機22、23に合わせて、各押出機22、23、24からゴムストリップGを押し出し、回転する被成形体Hに同時に供給させて(S106)、それぞれ被成形体Hに巻き付ける。即ち、タイヤ成形装置1は、最遅押出上限速度の押出機22、23によるゴムストリップGの押し出しに同期して、支持体10及び被成形体Hを回転させ、更に、この回転に同期して他の押出機24から所定の押出速度でゴムストリップGを押し出す。これら押し出したゴムストリップGを、巻付手段30(図2参照)により、それぞれ被成形体Hの各巻付位置に巻き付け、その外面に沿って押出機22、23、24等を移動させて順次積層し、複数のゴム部材を同時に形成する。
その状態で、タイヤ成形装置1は、いずれかの押出機22、23、24から供給されるゴムストリップGの巻き付けが終了するまで、被成形体Hの回転とゴムストリップGの供給を継続する(S107、NO)。これにより、1以上の巻き付けが終了したときに(S107、YES)、その押出機(ここでは、押出機22、23)によるゴムストリップGの押し出しを停止し、上記のようにゴムストリップGを切断して供給を終了する(S108)。また、他の押出機24による巻き付けも同時に終了し、そのゴムストリップGの供給を継続しないときには(S109、NO)、押出機24も押し出しを停止し、全ての巻き付け(ゴム部材の形成)が終了したか否かを判定する(S112)。一方、押出機24によりゴムストリップGの供給を継続するときには(S109、YES)、より速い押出機24の押出上限速度に基づき、その速度に応じて、被成形体Hの回転速度を変更して速くし(S110)、かつ、押出機24による押出速度も変更して速くする(S111)。
このように、タイヤ成形装置1は、最初に判別した最遅押出上限速度の押出機22、23によるゴムストリップGの供給終了に伴い、続いてゴムストリップGを供給する残りの各押出機の押出上限速度を比較する。この比較結果に基づき、その中の最も遅い押出上限速度を再び判別し、この新たな最遅押出上限速度に応じて、制御装置40により制御して、被成形体Hの回転速度と各押出機(ここでは、押出機24)によるゴムストリップGの押出速度を、変更前よりも速い速度に変更する。従って、制御装置40は、各速度を変更する速度変更手段を構成し、各押出上限速度に基づき、最も遅い押出機22、23によるゴムストリップGの積層が終了し次第、次に遅い押出機24の押出速度を押出上限速度以下の所定速度まで上昇させ、同時に、被成形体Hの回転速度を同期して上昇させる。タイヤ成形装置1は、このようにして、被成形体Hの回転速度とゴムストリップGの押出速度を、押し出しを継続するものの中で、相対的に最も遅い押出上限速度に合わせて変更し、より速い速度に順に移行させる。ここでは、押出機24の押出速度を速くしてゴムストリップGを押し出し、被成形体Hに、より速い速度で巻き付けて積層を続行し、それによるゴム部材の形成を終了させる。
図4は、各ゴムストリップGの巻き付けの状態を模式的に示す要部断面図であり、被成形体Hの幅方向断面の一部を示している。また、図5は、被成形体Hの回転速度の変化を示すグラフであり、横軸が時間、縦軸が回転速度である。
タイヤ成形装置1は、図4に示すように、一対の押出機22、23から、それらの押出上限速度に応じた押出速度D1でゴムストリップGAを押し出し、同期して所定速度で回転(図の矢印K)する被成形体Hに供給する。このゴムストリップGAを、被成形体Hの一対のタイヤビード部V(図では一方のみ示す)の外面に、タイヤ半径方向内側から外側(図では下側から上側)に向かって順に巻き付けて積層し、所定形状のゴムチェーファを形成する。
同時に、タイヤ成形装置1は、他の押出機24から所定の押出速度D2でゴムストリップGBを押し出し、被成形体Hのタイヤショルダ部SHに、タイヤ半径方向内側から外側に向かって順に巻き付けてトレッド部Tまで積層する。また、ゴムストリップGAによるゴムチェーファの形成が終了したときに、押出機24によるゴムストリップGBの押出速度を、より速い押出速度D3に変更するとともに、図5に示すように、被成形体Hの回転速度も同期して速い速度に変更する。このように、ゴムストリップGBの押出速度と被成形体Hの回転速度を、巻き付けの途中(図4、図5のZ)で変更し、ゴムストリップGBをタイヤ幅方向(図4では右方向)に向かってトレッド部Tに巻き付け、他方側のタイヤショルダ部SHまで積層して、所定形状のベースゴムを形成する。
その際、このタイヤ成形装置1では、巻付手段30により、各押出機22、23、24から同時に供給されるゴムストリップGA、GBを、回転する被成形体Hの外面に沿う同じ方向(図4の各矢印参照)に向かって順に巻き付けて、各ゴム部材を形成する。また、各速度を変更するときには、速度変更手段である制御装置40により制御して、被成形体Hの回転速度と各押出機によるゴムストリップG(ここでは押出機24によるゴムストリップGB)の押出速度を、それぞれ変更前の速度から変更後の速度まで、一定の上昇率(図5参照)で連続して変化させる。この連続した速度変化の間に、ゴムストリップGAの供給を終了した押出機22、23により、各ゴムストリップGAの切断動作を連動して実行させる。
次に、タイヤ成形装置1(図3参照)は、押出機24によるゴムストリップGの巻き付けが終了したときに、全てのゴムストリップGの巻き付けが終了したか否かを判定し、全ての巻き付けが終了(S112、YES)するまで、上記各手順を繰り返す(S112、NO)。ここでは、続いて、押出機21等からゴムストリップGを押し出して、同様に、キャップゴムとサイドウォールゴムを同時に各位置に形成し、全てのゴムストリップGの巻き付けが終了する。この終了により、タイヤ成形装置1は、被成形体Hの回転を停止して、各押出機21、22、23、24を被成形体Hの移動を妨げない位置に移動させる等、巻き付け終了後の各動作を行い(S113)、被成形体Hを外部まで移動させて巻付工程を終了する。このように、タイヤ成形装置1は、複数の押出機21、22、23、24からゴムストリップGを押し出して被成形体Hに供給し、各ゴムストリップGを回転する被成形体Hに同時に巻き付ける等して未加硫タイヤを成形する。その後、成形した未加硫タイヤを加硫成型して製品タイヤが製造される。
以上説明したように、本実施形態では、複数のゴムストリップGを被成形体Hに同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するため、被成形体Hを都度移動等させることなく、複数のゴム部材を同時に形成することができる。これに伴い、巻き付け工程に要する時間を短縮して、消費されるエネルギーを低減でき、未加硫タイヤ成形の効率を向上させることができる。また、次のゴム積層までの待機時間も短縮できるため、各押出機21、22、23、24内のゴムの温度上昇を抑制でき、上記したゴム焦げ防止のために待機中に行う空出し動作を少なくして、空出ししたゴムの練り返しや、それに伴うゴム屑の発生を削減でき、廃棄するゴム量を減少させることもできる。
その際、このタイヤ成形装置1では、ゴムストリップGを供給する各押出機21、22、23、24の中の最遅押出上限速度に応じた回転速度で被成形体Hを回転させ、その速度に合わせた押出速度で、各押出機21、22、23、24からゴムストリップGを押し出して被成形体Hに同時に巻き付ける。そのため、各押出速度が速くなり過ぎず、ゴムに発生する熱を抑制して、ゴムが架橋温度まで加熱されて架橋が生じるのを防止でき、特に、異なるゴム部材を形成するときや、異なる種類のゴムを押し出すときに、各押出速度を適切に調整することができる。また、最遅押出上限速度の押出機(ここでは、押出機22、23)によるゴムストリップGの供給終了に伴い、続いてゴムストリップGを供給する各押出機(ここでは、押出機24)中の最も遅い押出上限速度に応じて、被成形体Hの回転速度とゴムストリップGの押出速度を変更する。これにより、架橋の発生を確実に防止しつつ、ゴムストリップGの巻付速度を順次速くでき、巻き付けに要する時間を適宜短縮して、未加硫タイヤの効率的な成形を確保することができる。
従って、本実施形態によれば、ゴムに架橋が生じるのを防止して品質を維持しつつ、複数の押出機21、22、23、24から押し出したゴムストリップGを被成形体Hに同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形できる。その結果、未加硫タイヤの成形時間やエネルギーコストを低減し、かつ、押出機21、22、23、24によるゴムの練り返し作業やゴム屑の発生を削減することができる。
また、ここでは、被成形体Hの回転速度と各押出機21、22、23、24によるゴムストリップGの押出速度を、それぞれ変更前の速度から変更後の速度まで連続して変化させ、それらを一旦停止することなくゴムストリップGの巻き付けを連続して実行する。そのため、押出機21、22、23、24の停止に伴うウォームアップのための熱入れ作業も不要となり、それらに要する時間を短縮することができる。併せて、各速度を変更する間に、ゴムストリップGの供給を終了する押出機21、22、23、24では、ゴムストリップGの切断動作(図2参照)を行い、同時に、他の押出機21、22、23、24では、徐々に押出速度を調整して変化させる。このように、押出機21、22、23、24毎の動作を、同時に連続して実行できるため、各動作を円滑かつ効率的に行え、ゴムストリップGの巻き付け作業の効率を向上させることができる。
ここで、被成形体Hに同時に巻き付ける複数のゴムストリップGは、上記したように、回転する被成形体Hの外面に沿う同じ方向(図4参照)に向かって順に巻き付けるのが望ましい。このようにすることで、例えば隣接するゴム部材を同時に形成するときに、巻き付けの開始部や終了部で、互いに干渉することなく円滑かつ適切に巻き付けを開始や終了でき、端部同士を設定通りに欠陥なく重ねて巻き付けて、重なり部分での不良の発生を効果的に防止することができる。ただし、複数のゴムストリップGは、それらの巻付位置、又は、形成する各ゴム部材の被成形体H内での位置や形状等によっては、一部又は全部を、被成形体Hの外面に沿う異なる方向に向かって巻き付けるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、被成形体Hを囲んで4つの押出機21、22、23、24を設置したが、2つや3つ、又は5つ以上の押出機を設置して、それらによりゴムストリップGを同時に押し出して被成形体Hに巻き付けるようにしてもよい。その際、複数のゴムストリップGの同時巻き付けに加えて、その前後に1つのゴムストリップGのみの巻き付けを実行し、或いは、3つ以上のゴム部材を同時に形成し、1つの形成終了毎に被成形体Hの回転速度と各押出速度を順次変更する等、任意の形成パターンによりゴム部材を形成して未加硫タイヤを成形すればよい。
また、このタイヤ成形装置1は、生タイヤ(グリーンタイヤ)以外に、ゴムストリップGを巻き付けてトレッドゴム等を形成する未加硫の更生タイヤ等、加硫前の各種タイヤの成形に使用することができる。従って、本発明の未加硫タイヤには、生タイヤに加えて、押し出したゴムを被成形体Hに巻き付けて成形する各種タイヤを含む。
1・・・タイヤ成形装置、10・・・支持体、21、22、23、24・・・押出機、30・・・巻付手段、31・・・下ローラ、32・・・上ローラ、40・・・制御装置、41・・・MPU、42・・・ROM、43・・・RAM、H・・・被成形体、G・・・ゴムストリップ。

Claims (6)

  1. ゴムを押し出して被成形体に同時に供給可能な複数の押出機と、複数の押出機から供給されるゴムを、それぞれ回転する被成形体に巻き付ける巻付手段とを備え、被成形体に供給される各ゴムを同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するタイヤ成形装置であって、
    複数の押出機による各ゴムの押出上限速度を記憶する手段と、
    被成形体にゴムを供給する各押出機の押出上限速度を取得して比較する手段と、
    比較した押出上限速度から最も遅い押出上限速度を判別する手段と、
    判別した押出上限速度に応じた回転速度で被成形体を回転させる手段と、
    回転する被成形体に各押出機からゴムを供給させる手段と、
    判別した押出上限速度の押出機によるゴムの供給終了に伴い、続いてゴムを供給する各押出機中の最も遅い押出上限速度に応じて、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を変更する速度変更手段と、
    を備えたことを特徴とするタイヤ成形装置。
  2. 請求項1に記載されたタイヤ成形装置において、
    巻付手段が、各押出機から同時に供給されるゴムを、回転する被成形体の外面に沿う同じ方向に向かって順に巻き付けることを特徴とするタイヤ成形装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたタイヤ成形装置において、
    速度変更手段が、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を、それぞれ変更前の速度から変更後の速度まで連続して変化させる手段を有することを特徴とするタイヤ成形装置。
  4. 複数の押出機からゴムを押し出して被成形体に供給し、各ゴムを回転する被成形体に同時に巻き付けて未加硫タイヤを成形するタイヤ製造方法であって、
    被成形体にゴムを供給する各押出機のゴムの押出上限速度を取得して比較する工程と、
    比較した押出上限速度から最も遅い押出上限速度を判別する工程と、
    判別した押出上限速度に応じた回転速度で被成形体を回転させる工程と、
    回転する被成形体に各押出機からゴムを供給して巻き付ける工程と、
    判別した押出上限速度の押出機によるゴムの供給終了に伴い、続いてゴムを供給する各押出機中の最も遅い押出上限速度に応じて、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を変更する速度変更工程と、
    を有することを特徴とするタイヤ製造方法。
  5. 請求項4に記載されたタイヤ製造方法において、
    前記巻き付ける工程が、各押出機から同時に供給されるゴムを、回転する被成形体の外面に沿う同じ方向に向かって順に巻き付けることを特徴とするタイヤ製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載されたタイヤ製造方法において、
    速度変更工程が、被成形体の回転速度と各押出機によるゴムの押出速度を、それぞれ変更前の速度から変更後の速度まで連続して変化させる工程を有することを特徴とするタイヤ製造方法。
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