JP5189459B2 - リチウム電池用セパレータ及びそれを用いたリチウム電池 - Google Patents
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Description
そこで、異常電流による温度の上昇が生じた場合、正・負極の短絡防止のために組み込んだセパレータの電気抵抗を増大させることにより電池反応を遮断し、温度の過昇を防止するようにしている。
特許文献1〜5の多孔質フィルムを電池セパレータとして用いた場合、リチウム電池に組み込まれるセパレータの重要な役割の一つである、異常時に孔閉塞して電流を遮断し、電池の発熱、発火を防ぐヒューズ機能としての効果を得ることができる。
しかしながら、特許文献6のような多孔質フィルムを遮蔽層としたセパレータでは密度が高く、電池内の抵抗が低減できないため、次世代のリチウム電池に必要とされている高出力性をもたらすことができない。
しかしながら、これらのセパレータでは、リチウム電池に求められるシャットダウン特性を発揮できず、実用化に値するものではない。
本発明の別の目的は、電池が異常に加熱した場合、速やかに溶融膜を形成してシャットダウン特性を発揮できるリチウム電池用セパレータを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ナノファイバー層との一体性に優れ、電池を成型する工程での取り扱い性に優れるリチウム電池用セパレータを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高出力であるとともに安全性にも優れているリチウム電池を提供することにある。
耐熱性ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製し、静電紡糸装置に設置した基材に対して、静電紡糸法により紡糸して耐熱性ナノファイバー層を積層して、耐熱性ナノファイバー層と基材層の積層体を形成する第1の静電紡糸工程と、
低融点ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製して、静電紡糸装置に設置した前記積層体に対して、静電紡糸法により紡糸して低融点ナノファイバー層を耐熱性ナノファイバー層の上に積層する第2の静電紡糸工程と、
を備えている。
低融点ナノファイバー層は、融点100〜200℃の低融点ポリマーを含むことが重要である。低融点ナノファイバー層が融点100〜200℃のポリマーを含むことにより、異常電流(リチウムデンドライドによる内部短絡)による電池の温度上昇が生じた場合であっても、低融点ナノファイバー層が溶融して皮膜を形成して抵抗を高め、シャットダウン特性を与えることができる。
これらのポリマーのうち、溶融時の皮膜形成性と、電池内での化学的安定性等の点からポリオレフィン系(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
耐熱性ナノファイバー層は、低融点ナノファイバー層が皮膜を形成する際の支持体として機能し、セパレータ全体の形状を保持する観点から、融点が200℃以上のポリマーおよび熱不融性ポリマーからなる群から選択された少なくとも一種の耐熱性ポリマーを含むことが必要である。
また、セパレータを形成する低融点ポリマーと高融点ポリマーとの融点の差は、例えば、50〜200℃程度、好ましくは60〜180℃程度であってもよい。
本発明のセパレータにおいて、低融点ナノファイバー層と耐熱性ナノファイバー層とを積層できる限り、基材は特に限定されず、織編物、シート、不織布などのいずれであってもよい。これらのうち、セパレート性、機械的性能等の点から、基材としては、不織布が好ましい。
次に本発明を構成するセパレータの製造方法について説明する。本発明のセパレータの製造方法は、基材を静電紡糸装置に設置する設置工程と、耐熱性ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製し、前記基材の上に、静電紡糸法により紡糸して耐熱性ナノファイバー層を積層する第1の静電紡糸工程と、低融点ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製して、前記耐熱性ナノファイバー層の上に、静電紡糸法により紡糸して低融点ナノファイバー層を積層する第2の静電紡糸工程と、を少なくとも備えている。
この溶媒にポリマーを溶解し、均一に粒状ゲル物を無くして溶解したものを紡糸原液とすることができる。
静電紡糸の方法としては特に制限はなく、紡糸原液を供給できる導電性部材に高電圧を印加することで、接地した対極側にナノファイバーを堆積させる方法をとる。これにより、原液供給部から吐出された紡糸原液が帯電分裂され、ついで電場により液滴の一点からファイバーが連続的に引き出され、分割された繊維が多数拡散する。ポリマーの濃度が10%以下であっても、溶媒は繊維形成と細化の段階で乾燥しやすく、原液供給部より数cm〜数十cm離れた設置された捕集ベルトあるいはシートに堆積する。堆積と共に半乾燥繊維は微膠着し、繊維間の移動を防止し、新たな微細繊維が逐次堆積し、緻密なシート状のナノファイバー層が得られる。
第1図において、形成シート引取り装置7の上には、基材が取り付けられている。また、前記に記載した方法で調製された耐熱性ポリマーの紡糸原液は、定量ポンプ1により計量送液され、分配整流ブロック2により均一な圧力と液量となるように分配され口金部3に送られる。
なお、ここで繊維径の標準偏差とは、前記平均繊維径を算出するために無作為に選ばれた繊維についての標準偏差を意味する。
本発明の電池用セパレータは、低抵抗かつ遮蔽性、および安全装置としての機能を発現させるために、通常、低融点ナノファイバー層が電解液側(電極側)に配置される。
ガスケットは、ケースと正負の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。たとえば、電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
顕微鏡により倍率5000倍で撮影した不織布構成繊維の断面の拡大写真から、無作為に100本の繊維を選び、それらの繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とした。
試料50mgを示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製:DSC6200)により測定し吸熱ピーク値を融点とした。
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて測定した。
JIS P 8118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。
JIS P 8113「紙及び板紙の引張特性の試験方法」に準じて測定した。
50mm×50mmの試料をプロピレンカーボネート液(23℃)に浴比1/100の条件で30分浸漬し、30秒間自然液切りした後の試料重量を測定し、保液された液体の重量を浸漬前の試料重量で除することによって吸液量を算出した。
JIS−L1906「一般長繊維不織布試験方法」に準じて測定した。
コールターエレクトロニクス社製;colter POROMETERIIにより測定した。
試料を、プロピレンカーボネート電解液((株)富士薬品製:LIPASTE−P/TEMAF18)に30分浸漬し、保液十分な状態(30秒液切りした状態)で、測定雰囲気(20℃×65%RH)にてインピーダンス測定器(国洋電気工業(株)製:KC−547 LCR METER)で測定した。
抵抗値が10Ω以下の試料ならば低抵抗となり、高出力のリチウム電池が作製可能なことから○と判定した。それ以上は抵抗が高すぎ、リチウム電池として劣ったものとなってしまうため×と判定した。
ステンレス製密閉容器内に電解液と試料を投入し、オイルバス中で低融点ナノファイバー層を構成する低融点ポリマーの融点+10℃で30分加熱し、加熱後の試料を、プロピレンカーボネート電解液((株)富士薬品製:LIPASTE−P/TEMAF18)に30分浸漬し、保液十分な状態(30秒液切りした状態)で、測定雰囲気(20℃×65%RH)にてインピーダンス測定器(国洋電気工業(株)製:KC−547 LCR METER)で測定した。
200℃以下で初期抵抗値が3倍以上に向上しているサンプルをシャットダウン特性が発現している○と判定し、それ以下を×とした。
(1)不織布基材の製造
ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン50モル%、2−メチル−1,8−オクタンジアミン50モル%である9T系ポリアミドを合成し(以降PA9T、極限粘度0.73dl/g、末端封止率91%)、溶融紡糸法により繊度0.1dtexのポリアミド繊維の延伸糸を得て、これを3mmにカットした。
まずPA9Tを5質量%となるようにヘキサフルオロイソプロパノール溶媒に投入後、25℃で静置溶解し、紡糸原液を得た。得られた紡糸原液を用い、図1の紡糸装置にて静電紡糸を行った。
まずエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製:EVAL−G)を14質量%となるようにDMSO溶媒に投入後、25℃で静置溶解し、紡糸原液を得た。得られた紡糸原液を用い、図1の紡糸装置にて静電紡糸を行った。
実施例1の低融点ナノファイバー層を形成する低融点ポリマーを、エチレン−ビニルアルコール共重合体に代えて、ポリプロピレンとする以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例2の低融点ナノファイバー層を、ポリエチレン(三井化学製:5202B)に変更すること以外は、実施例2と同様に作製した。得られたセパレータの性能を表1に示す。
実施例1の耐熱性ナノファイバー層のポリマーをポリエステル樹脂に変更すること以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例1の耐熱性ナノファイバー層のポリマーを、PA9Tからポリアミド樹脂に変更すること以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例1の耐熱性ナノファイバー層のポリマーをPA9Tに代えてセルロース樹脂を用いること以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例1の基材層を、ポリエステル系ポリマーで構成すること以外は実施例1と同様に作製した。基材の製造としては、主体繊維としてPET0.5dtex((株)クラレ製:EP043×3)を用い、バインダー繊維としてPET未延伸糸1.1dtex((株)クラレ製:EP101×5)を用い、主体繊維60質量%およびバインダー繊維40質量%を加えて混合して原料とし、これを長網抄紙機にて抄紙し、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して坪量7.9g/m2の湿式不織布基材を得た。得られたセパレータの性能を表1に示す。
耐熱性ナノファイバー層を省略すること以外は実施例1と同様に作製した。得られたセパレータの性能を表1に示す。
低融点ナノファイバー層を省略すること以外は実施例1と同様に作製した。得られたセパレータの性能を表1に示す。
基材層を省略すること以外は実施例1と同様に作製した。得られたセパレータの性能を表1に示す。
二軸押出機にポリエチレン(三井化学(株)製:5202B)100質量部を供給し、流動パラフィン120質量部を二軸押出機のシリンダーに設けた注入口から注入して220℃で十分に溶融混練を行うことによりポリエチレン溶液を調製し、二軸押出機の先端に取り付けたTダイからポリエチレン溶液をシート状に押し出し冷却した。このシートを二軸延伸機にセットし、115℃で7×7倍に同時二軸延伸を行い、メチルエチルケトンで流動パラフィンを抽出してポリエチレン微多孔フィルムを得た。得られた微多孔フィルムの性能を表1に示す。
比較例3のセパレータは強力が低く、セパレータの損傷が発生しやすいため、加工性が悪くリチウム電池のセパレータとしては使用できるものではなかった。
2・・・分配整流ブロック
3・・・口金部
4・・・突出口金
5・・・電気絶縁部
6・・・直流高電圧発生電源
7・・・形成シート引取り装置
Claims (12)
- 基材と、
この基材の上に形成され、融点が200℃以上のポリマーおよび熱不融性ポリマーからなる群から選択された少なくとも一種の耐熱性ポリマーを含む耐熱性ナノファイバー層と、
この耐熱性ナノファイバー層の上に形成され、融点が100〜200℃の低融点ポリマーを含む低融点ナノファイバー層とが、
基材層、耐熱性ナノファイバー層、低融点ナノファイバー層の順に積層一体化されており、前記ナノファイバーの平均繊維径は10〜1000nmであるリチウム電池用セパレータ。 - 請求項1のセパレータにおいて、低融点ナノファイバー層を構成する繊維の平均繊維径(DaL)と、耐熱性ナノファイバー層を構成する繊維の平均繊維径(DaH)との比(DaL/DaH)が、90/10〜10/90であるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1または2のセパレータにおいて、低融点ナノファイバー層および耐熱性ナノファイバー層が、静電紡糸法により形成されているリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から3のいずれか一項のセパレータにおいて、耐熱性ナノファイバー層の目付(WH)に対する低融点ナノファイバー層の目付(WL)の比(WL/WH)は、1.5〜5であるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から4のいずれか一項のセパレータにおいて、基材が、湿式不織布もしくは乾式不織布よりなるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から5のいずれか一項のセパレータにおいて、低融点ナノファイバー層を構成するポリマーがポリオレフィン系またはエチレン−ビニルアルコール共重合体を少なくとも一成分とするポリマーであるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から6のいずれか一項のセパレータにおいて、耐熱性ナノファイバー層を構成するポリマーが、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、セルロース系のいずれかであるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から7のいずれか一項のセパレータにおいて、総目付が5〜40g/m2であり、且つJIS P 8113「紙及び板紙の引張特性の試験方法」に準じて測定した強力が0.3kg/15mm以上であるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から8のいずれか一項のセパレータにおいて、吸液量が2g/g以上であり、且つ通気度が0.1〜3cc/cm2/secであるリチウム電池用セパレータ。
- 請求項1から9のいずれか一項のセパレータにおいて、初期抵抗値が0.5〜10Ωであり、且つ低融点ナノファイバー層を構成する低融点ポリマーの融点+10℃で、30分加熱した後の抵抗値が、加熱前の初期抵抗値の3倍以上であるリチウム電池用セパレータ。
- 耐熱性ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製し、静電紡糸装置に設置した基材に対して、静電紡糸法により紡糸して耐熱性ナノファイバー層を積層して、耐熱性ナノファイバー層と基材層の積層体を形成する第1の静電紡糸工程と、
低融点ポリマーを溶融または溶媒に溶解させて紡糸原液を調製して、静電紡糸装置に設置した前記積層体に対して、静電紡糸法により紡糸して低融点ナノファイバー層を耐熱性ナノファイバー層の上に積層する第2の静電紡糸工程と、
を備えている請求項1〜10のいずれか一項に記載されたリチウム電池用セパレータを製造する方法。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載された電池用セパレータを使用したリチウム電池。
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