図1は本発明による防災監視システムの実施形態を示した説明図である。図1において、防災センタなどに設置された受信機10からは、建物内の警戒区域に向けて火報伝送ライン12が引き出されており、火報伝送ライン12には例えば建物の階別などのエリアA,Bに分けてエリアコントローラ14が配置される。エリアコントローラ14からは受信機10と同様に火報伝送ライン12が引き出され、エリアA,Bの各々に設置している伝送機能を備えた火災感知器16が接続されている。
エリアコントローラ14のそれぞれには固有のコントローラアドレスが予め設定されている。コントローラアドレスは例えば8ビットアドレスであり、したがって火報伝送ライン12の1回線当たり最大255アドレスまで接続可能であるが、エリア数は大規模設備であってもそれほど多くはならないので、アドレス容量としては充分に余裕がある。
エリアコントローラ14からの火報ライン12に接続された火災感知器16のそれぞれにも固有の感知器アドレスが予め設定されている。感知器アドレスは例えば8ビットアドレスであり、したがって火報伝送ライン12の1回線当たり最大255アドレスまでの火災感知器16を接続することができる。しかし、他設備の監視端末によるトラヒックの増加を考慮し、例えば1ライン当りの感知器接続数を最大アドレスの1/4となる64台に制限する。
受信機10とエリアコントローラ14の間、及びエリアコントローラ14と火災感知器16の間の火報伝送ライン12の伝送は、火報ライン伝送プロトコルに従って行う。1対n通信となる火報ライン伝送プロトコルは例えば次の手順に従う。
(1) 上位装置から複数の下位装置を順次指定してポーリング信号を周期的に送信する。
(2) 下位装置において自己アドレスに一致するポーリング信号を受信した時に、送信要求が存在したら割込信号を上位装置に送信する。
(3) 上位装置において割込信号を受信したら、グループアドレスを順次指定したグループ検索コマンド信号を下位装置に順次送信して割込応答信号のあった下位装置のグループを特定する。
(4) 上位装置から特定した下位装置のグループに属するアドレスを順次指定してグループ内検索コマンド信号を送信する。
(5) 下位装置において自己アドレスに一致するグループ内検索コマンド信号を受信した時に送信要求に基づく信号を上位装置に送信する。
この火報ライン伝送プロトコルによる伝送処理をエリアコントローラ14と火災感知器16について具体的に説明すると次のようになる。
エリアコントローラ14は、通常の監視時にあっては、感知器アドレスを順次指定した正常監視用のポーリングコマンドを送信しており、火災感知器16は自己の設定アドレスに一致するポーリングコマンドを受信すると、正常監視応答を行う。このためエリアコントローラ14にあっては、ポーリングコマンドに対し応答がなかった火災感知器16があった場合には、その火災感知器の障害を検出することになる。
火災感知器16は、エリアコントローラ14の全ての感知器アドレスに対するポーリングコマンドの送信周期ごとに繰り返し出力される一括AD変換コマンドを受信した際に、内蔵した火災検出機構における煙濃度や温度などのアナログ検出データをサンプリングし、予め定めた火災レベルと比較し、火災レベルを超えたときに火災を検出するようにしている。
火災感知器16で一括AD変換コマンドに基づくサンプリング結果から火災を判断した場合には、その後の自己の感知器アドレスを指定したポーリングコマンドのタイミングで、エリアコントローラ14に対し割込信号を送信する。割込信号は応答ビットをオール1とするような通常は使用されない信号を送る。
エリアコントローラ14は火災感知器16側からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを発行して、火災検出した火災感知器を含むグループからの割込応答を受信してグループを判別し、続いて、判別したグループに含まれる個々の火災感知器に対し、順次アドレスを指定したポーリングを行い、火災応答を受けることで、火災を検出した火災感知器16の感知器アドレスを認識し、火災検出情報と感知器アドレスから変換したエリア情報を含む火災監視情報を生成し、生成した火災監視情報を受信機10に同じく火報ライン伝送プロトコルに従って伝送し、火災警報を行わせる。
エリアコントローラ14からの火報伝送ライン12に接続される最大64台の火災感知器16は、例えば8台ごとにグループアドレスが設定されており、エリアコントローラ14からのグループ検索コマンドに対し、火災を検出している感知器が含まれるグループから割込応答が行われ、火災を検出している火災感知器16を含むグループを特定できるようにしている。
一方、火報ライン伝送プロトコルによる伝送処理を受信機10とエリアコントローラ14の間の伝送について具体的に説明すると次のようになる。
受信機10は、通常の監視時にあっては、コントローラアドレス14を順次指定した正常監視用のポーリングコマンドを送信しており、エリアコントローラ14は自己の設定アドレスに一致するポーリングコマンドを受信すると、正常監視応答を行う。このため受信機10にあっては、ポーリングコマンドに対し応答がなかったエリアコントローラ14が存在した場合には、そのエリアコントローラ14の障害を検出することになる。
エリアコントローラ14において火災検出情報の生成により送信要求が発生すると、その後の自己のコントローラアドレスを指定したポーリングコマンドのタイミングで、受信機10に対し割込信号を送信する。
受信機10はエリアコントローラ14側からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを発行して、送信要求が発生したエリアコントローラを含むグループからの割込応答を受信してグループを判別し、続いて、判別したグループに含まれる個々のエリアコントローラに対し、順次アドレスを指定したポーリングを行い、アドレス一致でエリアコントローラ14から送信された火災監視情報を受信し、火災監視情報に含まれる火災検出情報とエリア情報に基づき火災警報処理を実行する。
このような火報伝送ライン12を介して受信機10、エリアコントローラ14及び伝送機能を有する火災感知器16を接続した防災監視システムに加え、本実施形態にあっては、同じ施設内に防犯監視システム、省エネルギーシステム、及び入退出管理システムといった他の設備が同時に設置されており、この他設備に対応して他設備監視装置20,22,24が設置されている。
また火災感知器16を設置しているエリアA,B毎の警戒区域には、他設備監視装置20,22,24に対応して監視端末として、非常押釦装置26、人数カウンタ28、電力センサ30、COセンサ32、温度センサ34、カードリーダ36などが設置されている。
これらの監視端末は、所定のイベントを検出した時に、送信先の他設備を特定する宛先識別子となるベンダ識別子と検出情報を含む上りイベント信号を火災感知器16に送信する。また監視端末には表示機能や制御機能が設けられている場合があり、この場合には火災感知器16から制御用のイベント信号を受信して処理を実行する。更に、監視端末以外に、制御専用の制御端末を設ける場合もある。
この監視端末から他設備監視装置20,22,24側に送信するイベント信号を、以下、上りイベント電文(上りイベント信号)という。これに対し、他設備監視装置20,22,24から監視端末に対し送るイベント信号を、以下、下りイベント電文(下りイベント信号)という。
監視端末としての非常押釦装置26、人数カウンタ28、電力センサ30、COセンサ32、温度センサ34、カードリーダ36のそれぞれは、火災感知器16に対し無線回線で接続されている。例えば非常押釦装置26で押ボタン操作によるイベントが発生すると、送信先(宛先)を示すベンダ識別子(ベンダID)と、非常押ボタンのオンオフを示すイベント情報(検出情報)をもつ上りイベント電文が生成されて無線送信され、通信可能エリアに存在する火災感知器16で受信される。
非常押釦装置26からの上りイベント電文を受信した火災感知器16は、上りイベント電文に感知器アドレスを含ませた上りイベント電文に変換してエリアコントローラ14に火報ライン伝送プロトコルに従って送信する。
即ち、火災感知器16が非常押釦装置26から上りイベント電文を受信すると、エリアコントローラ14からの感知器アドレスを指定したポーリングコマンドの受信に対し、火災検出時と同様に割込信号を送信する。
エリアコントローラ14は火災感知器16からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを送信し、上りイベント電文を受信した火災感知器からの割込応答を受信することで、グループアドレスを特定する。
グループアドレスを特定したら、グループ内に含まれる8台の火災感知器16の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行う。このため上りイベント電文を受信している火災感知器16は、受信機10からのグループ内の感知器アドレスを指定したポーリングによる自己アドレスの判別で、感知器アドレスを含ませた上りイベント電文を火報伝送ライン12を介してエリアコントローラ14に送信する。
エリアコントローラ14は火災感知器16から上りイベント電文を受信すると、それまでに受信した自己及び他の監視端末からの情報に基づき、所定のアルゴリズムに従った演算を実行し、集約された監視情報を作成し、これに感知器アドレスなどから作成したエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を生成し、火報ライン伝送プロトコルに従って受信機10に伝送する。
受信機10に対しては、他設備監視装置20,22,24が汎用伝送ライン18を介して接続されている。汎用伝送ライン18としては、例えばRS−232CやRS−485などの伝送インタフェースが適用された伝送ラインを使用する。イーサネット(R)等を使用しても良い。
受信機10はエリアコントローラ14から上りイベント電文を受信すると、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子により指定される送信先である例えば他設備監視装置20に上りイベント電文を送信する。
他設備監視装置20は受信機10から受信した上りイベント電文を解読し、そこに含まれているエリア情報、時刻情報、更に集約された監視情報に基づき、エリアコントローラ14を設置したエリアで発生した監視情報に応じた表示、制御、処理、保存などの処理を行うことになる。
また他設備監視装置20,22,24は、それぞれに対応して設けた監視端末及び制御端末に対し、表示、制御などの適宜の処理のために下りイベント電文を送信することができる。
例えば他設備監視装置20から非常押釦端末装置26に情報を送って表示させたい場合には、この表示情報を制御情報とし、非常押釦端末装置26の設置場所を示すエリア情報を含む下りイベント電文を、汎用伝送ライン18を介して受信機10に送信する。
受信機10は下りイベント電文を受信すると、そのエリア情報から該当するコントローラアドレス14を識別し、そのエリアコントローラ14のポーリングタイミングで、下りイベント電文をアドレス指定されたエリアコントローラ14に送信する。
エリアコントローラ14は下りイベント電文を受信すると、そこに含まれる制御情報を取り出し、所定のアルゴリズムに従って制御情報を解析し、1又は複数の制御端末の処理に必要な端末制御情報に変換し、変換した端末制御情報にエリア情報から変換した感知器アドレスを加えた下りイベント電文を作成し、火報ライン伝送プロトコルに従って対応する1又は複数の火災感知器16に送信する。
火災感知器16は下りイベント電文を受信すると、そのまま下りイベント電文として監視端末又は制御端末に送信する。監視端末又は制御端末は、受信した下りイベント電文に含まれる端末制御情報に基づき、例えば非常押釦装置26における表示動作などを行う。
図2は図1の受信機10、エリアコントローラ14、火災感知器16、監視端末25及び他設備監視装置20の詳細を示したブロック図である。
図2において、受信機10にはCPUのプログラム実行により実現される機能として火災監視部38と受信機中継部39が設けられ、火災監視部38に対して火報伝送部42、汎用伝送部44及びエリア・他設備管理テーブル40が設けられている。
火報伝送部42からは火報伝送ライン12が引き出され、エリアコントローラ14を接続している。汎用伝送部44からは汎用伝送ライン18が引き出され、他設備監視装置20を接続している。
火災監視部38はエリアコントローラ14から火災監視情報を受信した際に、そこに含まれる火災検出情報とエリア情報に基づいて火災警報を行う。受信機中継部39は、エリアコントローラ14から受信した上りイベント電文を、その中のベンダ識別子で指定される他設備監視装置に送信し、また、他設備監視装置から受信した下りイベント電文を、その中のエリア情報に対応したエリアコントローラ14に送信する。
エリア・他設備管理テーブル40には、エリア名をコントローラアドレスに変換するための情報(テーブル)と、ベンダ識別子を設備名に変換するための情報(テーブル)が格納されている。
また受信機10には主電源部45aと予備電源部45bが設けられる。主電源部45aは商用交流電源を入力して直流電源に変換し、所定電圧の直流電源を受信機10内に供給して動作させると共に、火報伝送ライン12によりエリアコントローラ14に電源を供給している。このため火報伝送ライン12は電源兼用信号線として機能する。
予備電源部45bにはバッテリーが設けられており、停電により商用交流電源が断たれると主電源部45aから予備電源部45bに切り替わり、所定時間の間、受信機10、エリアコントローラ14及び火災感知器16に予備電源を供給して監視動作を継続できるようにしている。
エリアコントローラ14にはCPU46が設けられ、プログラムの実行により実現されるエリアコントローラ中継部58の機能として監視演算部60と制御演算部62を設けている。
CPU46に対しては火報伝送部48が設けられ、受信機10から引き出された火報伝送ライン12を接続している。火報伝送ライン12に対しては電源部49が設けられ、コントローラ内の電源供給、及び火報伝送ライン12を経由した火災感知器16に対する電源供給を行っている。
更にCPU46に対しては、火災監視データベース52、エリア内管理テーブル54及び履歴管理テーブル56が設けられている。火災監視データベース52には、火災監視に必要な各種の情報、例えば火災感知器16における煙や熱といった種別、更には図示しない制御機器に対する連動情報などが格納されている。エリア内管理テーブル54には、感知器アドレスを、感知器設置場所を示す警戒エリア、ブロック、フロア情報などに変換するためのエリア情報が格納されている。
エリアコントローラ14からの火報伝送ライン12に接続された火災感知器16にはCPU64が設けられ、CPU64にはプログラムにより実行される機能として火災検出部72と感知器中継部74が設けられている。
CPU64に対しては火報伝送部65が設けられ、火報伝送部65に火報伝送ライン12を接続し、エリアコントローラ14との間で電文の双方向伝送を行うようにしている。火災感知器16に設けられた電源部66は、エリアコントローラ14からの火報伝送ライン12による電源供給を受け、感知器内部に電源を供給する。
火災感知器16のCPU64に対しては、更に記憶部67と無線伝送部68が設けられている。記憶部67には予め設定された感知器アドレスが記憶されており、記憶部67としては不揮発性のメモリを使用している。
無線伝送部68は、アンテナ70を介して監視端末25との間で上りイベント電文、下りイベント電文の無線伝送を行う。無線伝送部68は小電力無線局に対応しており、例えば400MHz帯の特定周波数を使用して10ミリワット以下の送信電力で無線送信を行う。
監視端末25は図1の非常押釦装置26、人数カウンタ28、電力センサ30、COセンサ32、温度センサ34、カードリーダ36を代表して示しており、イベント検出部80が各端末に固有な構成となり、それ以外は基本的に共通になる。
監視端末25にはCPU76が設けられ、CPU76にはプログラムの実行により実現される機能として端末処理部78が設けられている。CPU76に対し、この実施形態にあっては、イベント検出部80、表示部88、記憶部86及びアンテナ84を備えた無線伝送部82を設けている。更に、電源部90が設けられる。
監視端末25において、イベント検出部80でイベントが行われると、CPU76の端末処理部78がイベントを検出してイベント情報を生成し、記憶部86に予め記憶されているイベントの伝送先を示す他設備監視装置のベンダ識別子を含めた上りイベント電文を生成し、無線伝送部82から小電力無線局の仕様に従った送信信号を作成して、アンテナ84から送信することになる。
一方、受信機10に対し汎用伝送ライン18を介して接続した他設備監視装置20には、端末監視部92と端末管理テーブル94が設けられている。端末監視部92の機能は、それぞれの設備の監視処理内容に依存した処理手順を持っている。端末管理テーブル94には、それぞれの監視端末または制御端末に対し下りイベント電文を送信するために必要な情報として、端末識別子(端末ID)、種別及びエリア情報が格納されている。
エリアコントローラ14のCPU46に設けた監視演算部60と制御演算部62は、次の監視制御を実行する。
(1)火災監視制御
(2)防犯監視制御
(3)省エネルギー監視制御
(4)入退出監視制御
これらの監視制御機能の詳細を図3〜図6を参照して説明すると次のようになる。
図3は本実施形態におけるエリアコントローラの火災監視演算機能及び火災制御演算機能を示したブロック図である。図3において、エリアコントローラ14には、火災受信機10との間で火報ライン伝送プロトコルにより伝送を行う火報伝送部48と、火災感知器16との間で同じく火報ライン伝送アルゴリズムにより伝送を行う火報伝送部50が設けられ、その間にCPUによるプログラム実行で実現される機能として、火災監視制御を対象として火災監視演算部60−1と火災制御演算部62−1が設けられている。
火災監視演算部60−1及び火災制御演算部62−1は、図2に示したエリアコントローラ14のCPU46に設けた監視演算部60及び制御演算部62の1つの専用機能として設けられており、これ以外に図4の防犯監視制御、図5の省エネルギー監視制御、図6の入退出監視制御のそれぞれの機能が同時に設けられており、これらの演算機能は、その用途に応じた専用エンジンとして実装されることになる。
火災監視演算部60−1に対しては、火災感知器16の火災検出に基づく上りイベント電文、及び火災感知器16を経由したCOセンサ32のCOガス検出に基づく上りイベント電文、更に人数カウンタ38の人数検出に基づく上りイベント電文が入力され、それぞれデータベース55に格納されている。
火災監視演算部60−1は、火災感知器16からの火災検出に基づく上りイベント電文に基づき、データベース55の1つである図2に示したエリア内管理テーブル54を参照し、感知器アドレスをエリア情報に変換し、このエリア情報に火災検出情報を加えた火災監視情報を含む上りイベント電文を火災受信機10に伝送する。
これに加え火災監視演算部60−1にあっては、例えば火災感知器16からの火災検出情報、COセンサ32からのCOガス検出情報、及び人数カウンタ38からの人数情報について、各情報の時間による変化量をデータベース55に蓄積しておき、これらデータベース55に蓄積された情報に対し総合的に判断することにより、例えば危険度のような火災監視に必要な情報に加工する複数の情報を集約して1つの情報にまとめる演算を実行し、その演算結果として得られた例えば火災危険度のような情報を火災受信機10に送信し、火災危険度がプリアラームレベルを超えたときにプリアラームを出し、更に火災レベルを超えたときに火災警報を出すようなことができる。
一方、火災制御演算部62−1は、火災受信機10でエリアコントローラ14からの火災監視情報に基づき火災警報を出した際に、火災が発生したエリア情報に対し防排煙及び避難誘導といった端末制御情報を含む下りイベント信号を受信し、このイベント信号の制御情報を解読することで、エリア内に設置している例えば防排煙機器96、防火戸98及び避難誘導灯100に対する端末制御情報を作成し、対応する火災感知器16のアドレスを指定した下りイベント電文を送信し、防排煙機器96の起動、防火戸98のラッチ解除、更には避難誘導灯100の点灯制御などを行わせる。
即ち火災制御演算部62−1は、火災受信機10からのエリアを対象とした総合的な制御情報を解析して複数の端末制御情報に分配し、分配した端末制御情報を、対応する感知器アドレスを指定した下りイベント電文により送信し、対応する制御機器を動作させる。
また火災制御演算部62−1は、防排煙機器96、防火戸98、避難誘導灯100などの制御機器のみならず、COセンサ32や人数カウンタ38側に例えば表示部などが設けられていた場合には、必要に応じたエリアに対する制御情報を分析して分配し、分配された表示内容を示す制御情報を火災感知器10を介してCO32や人数カウンタ38に送って、所定の情報を端末側に表示させることもできる。
このように、エリアコントローラ14の火災監視演算部60−1にあっては、火災感知器16を含む端末機器からの検出情報の複数を1つに集約して得られた演算結果としての監視情報を作成して火災受信機10側に伝送するため、火災感知器16からの複数の上りイベント電文が1つにまとめられて火災受信機10に送ることができ、これによって火災受信機10に対する伝送のトラフィックを小さくして、火災受信機10の処理負担を低減することができる。
この点は火災制御演算部62−1についても同様であり、火災受信機10からの1つの制御情報を分析して、複数の制御機器あるいは監視端末に対する端末制御情報に分配し、それぞれ下りイベント電文として送信することで、火災受信機10からのトラフィックを小さくして、火災受信機10側の処理負担を低減することができる。
図4は本実施形態におけるエリアコントローラ14の防犯監視演算機能及び防犯制御演算機能を示したブロック図である。図4において、他設備監視装置20は例えば防犯監視システムであり、これに対応して受信機10と火災感知器16の間に設けられたエリアコントローラ14は、監視演算及び制御演算の機能として防犯監視演算部60−2及び防犯制御演算部62−2としての機能を有効としている。
防犯監視演算部60−2に対しては、火災感知器16を経由して例えば非常押釦装置26及び人数センサ28からのイベント検出に基づく上りイベント電文が送られ、防犯監視のためのセンサにおける時間的な変化がデータベース55に保存され、センサ側からの情報が特定のイベント例えば非常押釦操作を判別したとき、そのときのデータベース55に格納している例えば人数センサ28の人数情報に基づき所定の演算を行って、集約された1つの防犯監視情報を生成し、この防犯監視情報を含む上りイベント電文を火災受信機10を経由して他設備監視装置22に送信し、必要な防犯監視のための警報を行う。
また防犯監視演算部60−2は、火災受信機10を経由して他設備監視装置20から受信した防犯制御信号を含む下りイベント電文を解読し、制御端末である例えば防犯制御機器102に対する1または複数の制御情報を所定の演算により生成し、この端末制御情報を含む下りイベント電文を、火災感知器16を介して対応する防犯制御機器102に送信し、侵入者撃退用のアラーム、ドア施錠ロックなどの防犯制御を行う。
この防犯監視システムを対象としたエリアコントローラ14にあっても、非常押釦装置26や人数センサ28といった監視情報は、防犯監視演算部60−2により所定の演算により集約され、1つの防犯監視情報として、火災受信機10を経由して他設備監視装置20に伝送され、これによって火災受信機10を含む他設備監視装置側に対するトラフィックを低減し、火災受信機10及び他設備監視装置22側の処理負担を低減できる。
この点は防災制御演算部62−2についても同様であり、受信機10を経由して他設備監視装置20から盗難発生時などに1つのエリアを対象とした防災制御情報を受信した際に、これを解読し、エリアに設置されている1または複数の防犯制御機器102に対する端末制御情報を生成し、この端末制御情報を含む下りイベント電文を火災感知器16を経由して分配伝送することで、防犯制御を行う。
このような制御についても、火災受信機10を経由して他設備監視装置20から1つの制御情報を送るだけで、端末側で複数の制御情報に分配されて制御でき、火災受信機10を含む他設備監視装置20側の処理負担と伝送トラフィックを小さくすることができる。
図5は本実施形態におけるエリアコントローラの省エネルギー監視演算機能及び省エネルギー制御演算機能を示したブロック図である。図5において、火災受信機10の上位に接続された他設備監視装置22は省エネルギー監視システムを構成しており、これに対応して、エリアコントローラ14には省エネルギー監視演算部60−3と省エネルギー制御演算部62−3の機能が設けられている。
また省エネルギー監視演算部60−3に対応して、火災感知器16を経由して、COセンサ32、電力センサ30及び温度センサ34の各イベント検出に基づく上りイベント電文が伝送され、必要に応じてデータベース55に格納される。
省エネルギー監視演算部60−3は、例えばCOガス濃度、消費電力及び室内温度などを総合的に判断し、対象エリアにおける省エネルギー情報を所定の演算により集約し、演算された省エネルギー情報を含む上りイベント電文を、火災受信機10を介して他設備監視装置22に送る。
このエリアコントローラ14から送られた省エネルギー監視情報に基づき、他設備監視装置22側は現在の省エネルギー状況を判断し、もし更なる省エネルギーを図る必要があれば、省エネルギーを促進させるための制御情報をエリアコントローラ14のコントローラアドレスを指定して、火災受信機10経由で伝送する。この他設備監視装置24からの省エネルギー制御情報につき、省エネルギー制御演算部62−3で解読し、火災感知器16を経由して、省エネルギー制御機器である例えば空調制御機器104、照明制御機器105、電力制御機器106といった端末制御機器に対し、1または複数の端末制御情報を作成して下りイベント電文により送信し、更に省エネを促進するため、空調制御機器104により室内温度を下げ、照明制御機器105により不必要な照明を消灯し、更に電力制御端末106により、エリア内で稼動している電気機器の運転モードを省エネモードに切り替え、省エネルギーの度合を促進させる制御を行う。
このような省エネルギー監視システムを対象とした場合にも、省エネルギー監視演算部60−3にあっては、センサによる複数の端末情報を所定の演算により1つの情報に集約して、火災受信機10を経由して他設備監視装置22に送るため、火災受信機10との間のトラフィックを低減し、且つ火災受信機10及び他設備監視装置22側の処理負担を低減できる。
また省エネルギー制御演算部62−3についても、火災受信機10を経由した他設備監視装置22からの1つの省エネルギー制御情報を解読し、エリアに設置している省エネルギー制御機器に対する1または複数の端末制御情報に分配して送ることで、他設備監視装置22及び火災受信機10側の処理負担とトラフィックを低減することができる。
図6は本実施形態におけるエリアコントローラの入退出監視演算機能及び入退出制御演算機能を示したブロック図である。図6において、他設備監視装置24は入退出管理システムとしての機能を実現しており、これに対応してエリアコントローラ14には入退出監視演算部60−4と入退出制御演算部62−4が設けられている。
入退出演算部60−4は、入退出管理のため、火災感知器16を介して人数カウンタ28とカードリーダ36における人数情報及びカードリーダの読取情報のそれぞれにつき、上りイベント電文を入力し、データベース55に格納する。
入退出監視演算部60−4は、例えばカードリーダ36からカード読取に基づく上りイベント電文を受信するごとに、火災受信機10を経由して他設備監視装置24に上りイベント電文を送るような処理は行わず、例えば予め定めた一定時間例えば10分単位に、データベース55に格納された人数カウンタ28の検出情報やカードリーダ36の読取情報に基づき、現在のエリアコントローラ14の設置エリアにおける人数情報を演算し、これを上りイベント電文に含めて、火災受信機10を経由して他設備監視装置24に伝送する。
これによって、人数カウンタ28やカードリーダ36のイベント検出ごとに火災受信機10を経由して他設備監視装置24に上りイベント電文を送る必要がなく、エリアコントローラ14で集約された情報として送ることができるため、火災受信機10との間のトラフィック及び処理負担を低減することができる。
一方、入退出制御演算部62−4にあっては、他設備監視装置27からエリアコントローラ14を設置しているエリアの入退出開始時刻と入退出終了時刻などの1つのまとまった制御情報が出されることから、この制御情報を含む下りイベント電文を入退出制御演算部62−4で受信解読し、エリアに設置している例えばドア開閉装置107やゲート開閉装置108に対する端末制御情報を1または複数生成し、火災感知器16を経由して下りイベント信号を送信し、入退出の開始及び入退出の終了に伴うドア開閉装置107やゲート開閉装置108の制御を行う。
この場合にも、他設備監視装置24側からの1つの制御情報を送るだけで、エリアコントローラ14においてエリアに設置している複数の端末制御情報に分配して転送制御でき、火災受信機10及び他設備監視装置27側のトラフィックと処理負担を低減することができる。
なお本実施形態におけるエリアコントローラを使用した監視演算機能及び制御演算機能は、他設備監視装置における防災監視、省エネルギー監視、入退出管理などの適宜の用途に応じ専用の演算を行うエンジンを準備すればよく、図4〜図6のシステムに限定されず、適宜のシステムを対象とすることができる。
またエリアコントローラ14における各種システムに対応した監視演算部及び制御演算部としては、1つのエリアコントローラ14におけるCPUのエンジンとして複数エンジンを設けるようにしてもよいし、監視演算及び制御演算の機能ごとにエリアコントローラを別々に設置して並列的に動作させるような形態をとってもよい。
また図3〜図6の実施形態にあっては、エリアコントローラ14に設けたデータベース55に端末側のセンサ情報や端末情報を格納し、その内容から1つの集約した監視情報を求める演算を行うようにしているが、データベース55に予め必要なデータをダウンロードして保存しておき、これに端末側のセンサ情報を加えて、総合的な判断により、まとまった監視情報を作成して上位側に伝送するようにしてもよい。
また監視演算部及び制御演算部として機能する判断ロジックのエンジンについては、追加、削除、バージョンアップなど、火災受信機10を経由した上位側の他設備監視装置20からのダウンロードにより行うことが可能である。
図7は本実施形態の上位装置(受信機)と下位装置(火災感知器)の間の火報ライン伝送プロトコルで伝送される呼出電文と応答電文のフォーマットを示した説明図である。図7(A)は上位装置から下位装置に送信する呼出電文110であり、8ビットのコマンド、アドレス及びチェックサムで構成されており、それぞれの先頭にスタートビットが設けられ、また末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
図7(B)は下位装置から上位装置に送信される応答電文112である。応答電文112は8ビットのデータとアドレス+チェックサムで構成されており、それぞれの先頭にスタートビットが設けられ、末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
図7(A)の呼出電文110で使用するコマンドとしては、通常監視時に感知器の正常応答を求めるポーリングコマンド、火災割込みに対しグループ検索を行うグループ検索コマンドなどが主なものである。
図8及び図9は本実施形態における上りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図8(A)は監視端末25から火災感知器16に送信される上りイベント電文114−1である。この上りイベント電文114−1は、電文の宛先を示す他設備を表すベンダ識別子116と、押ボタンスイッチのオンオフ情報などを含むイベント情報118で構成される。また、上りイベント電文114−1の先頭にはスタートビットが設けられ、末尾にはパリティビットとストップビットが配置されている。
上りイベント電文114−1におけるベンダ識別子116とイベント情報118は、図7(A)の応答電文112のデータに対応して8ビットであるが、この8ビットのデータ部は必要に応じて可変することができ、イベント情報118としてオンオフ情報以外に画像などのデータも送ることができる。
図8(B)は火災感知器16からエリアコントローラ14に送信される上りイベント電文114−2を示す。上りイベント電文114−2はデータ120とアドレス+チェックサム122で構成され、これは図7(B)の応答電文112に対応している。上りイベント電文114−2のデータ120には、図8(A)の監視端末側から受信した上りイベント電文114−1に含まれているベンダ識別子116とイベント情報118が配置される。
図9(C)はエリアコントローラ14から受信機10に送信される上りイベント電文114−3を示す。データ120の部分には、図8(B)の上りイベント電文114−2のデータ120を構成しているベンダ識別子116と監視演算により求めた監視情報125イに加え、上りイベント電文114−2の感知器アドレスから変換したエリア情報126と、上りイベント電文114−2の受信時刻に対応したタイムスタンプなどを用いた時刻情報128を付加している。
図9(D)は受信機10から他設備監視装置20に送信される上りイベント電文114−4を示す。上りイベント電文114−4は、汎用伝送ライン18の伝送インタフェースである例えばRS−232Cに対応したフォーマットとして、ヘッダ130、データ132及びCRC134で構成されている。
データ132の部分には、ベンダ識別子116、エリア情報126、時刻情報128、ベンダ識別子116及び監視情報125が含まれている。
図10は本実施形態における下りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図10(A)は他設備監視装置20から受信機10に送信される下りイベント電文136−1を示す。下りイベント電文136−1は、汎用伝送ライン18の伝送インタフェースである例えばRS−232Cに対応したヘッダ138、データ140及びCRC142で構成されている。
データ140の部分には、宛先の監視端末25の設置場所を示すエリア情報144、送信時刻を示すタイムスタンプなどの時刻情報146、送信元を示すベンダ識別子148、及び監視端末25に対する表示や制御の内容を示す制御情報150で構成されている。なお時刻情報146については、監視端末25側で処理が必要ない場合には除くことができる。
図10(B)は受信機10からエリアコントローラ14に送信される下りイベント電文136−2を示す。下りイベント電文136−2は、8ビット構成を取るコマンド152、アドレス154、データ156及びチェックサム158で構成され、それぞれの先頭にはスタートビットが配置され、末尾にはパリティビットPRとストップビットが配置されている。
データ156には、図10(A)に示す他設備監視装置から受信した下りイベント電文136−1に含まれるベンダ識別子148と制御情報150が配置される。またアドレス154は、図10(A)の下りイベント電文136−1に含まれるエリア情報144をエリア内管理テーブル54の参照により変換したコントローラアドレスが配置される。
図10(C)はエリアコントローラ14から火災感知器16に送信される下りイベント電文136−3を示す。下りイベント電文136−3は、8ビット構成を取るコマンド160、アドレス162、データ164及びチェックサム166で構成され、それぞれの先頭にはスタートビットが配置され、末尾にはパリティビットPRとストップビットが配置されている。
データ164には、図10(A)に示す他設備監視装置1から受信した下りイベント電文136−1に含まれるベンダ識別子148と、制御情報150に基づいて所定の演算で求めた端末制御情報151が配置される。またアドレス162には、制御情報150に基づく制御演算で求めた端末制御情報151の宛先となる制御機器に通信可能な感知器アドレスが配置される。
図10(D)は火災感知器16から監視端末25に送信される下りイベント電文136−4を示す。下りイベント電文136−4は、図10(C)の下りイベント電文136−3のデータ164に配置されているベンダ識別子148と端末制御情報151を含み、先頭にスタートビットを配置し、末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
なお、図10の下りイベント電文136−1〜136−4における制御情報150,端末制御情報151についても、オンオフ情報以外に画像データなどを送ることが可能であり、したがって制御情報150,端末制御情報151としては、8ビット単位に適宜に増減可能な可変長のデータとすることができる。
図11は図2のエリアコントローラ14に設けたエリア内管理テーブル54の詳細を示した説明図であり、エリアを1F〜nFの階別に分けてエリアコントローラを設置し、この場合に各エリアコントローラに設けられるn個のエリア内管理テーブル54−1〜54−nに分けて示している。
図11において、例えば1Fのエリア内管理テーブル54−1を例にとると、1つのエリアにつき感知器アドレス001〜064が割り当てられ、感知器アドレスのそれぞれに対応して、エリア情報として建物のフロアや部屋名が登録されている。
このため、感知器アドレスによりエリア管理テーブル54−1を参照することでエリア情報に変換することができ、またエリア情報によりエリア管理テーブル54−1を参照することで感知器アドレスに変換することができる。
図12は図2の受信機10に設けたエリア・他設備管理テーブル40の詳細を示した説明図であり、図12(A)のエリア管理テーブル40−1と図12(B)の他設備管理テーブル40−2に分けて示している。
図12(A)のエリア管理テーブル40−1はエリア名とコントローラアドレスの関係を登録している。このため下りイベント電文に含まれるエリア名によりエリア管理テーブル40−1を参照することで、対応するエリアコントローラ14のアドレスを取得して伝送することができる。
図12(B)の他設備管理テーブル40−2は他設備を示すベンダ識別子と設備名で構成されている。したがって、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子により他設備管理テーブル34を参照することで、宛先となる設備名を特定することができる。設備名としては、特定の名称であってもよいし、伝送回線15のRS−232Cインタフェースにおけるネットワークアドレスなどであってもよい。
図13は図2の他設備監視装置20に設けた端末管理テーブル94の詳細を示した説明図である。図13において、端末管理テーブル94には、監視端末や制御端末を示す端末識別子、端末側におけるセンサ、表示、制御といった種別、更に端末側の設置場所を示すエリア情報が予め登録されている。
このため、他設備監視装置20で特定の制御端末や監視端末に対し制御や表示といった制御情報を送りたい場合には、端末管理テーブル94の端末識別子からエリア情報を取得し、取得したエリア情報を用いて、図10(A)に示す下りイベント電文136−1を作成して受信機側に送信すればよい。
図14は本実施形態におけるエリアコントローラと火災感知器における通常監視時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図14にあっては、エリアコントローラ14に対し4台の火災感知器16−1〜16−4を示しており、火災感知器16−1〜16−4のアドレスをアドレス1〜4としている。
エリアコントローラ14は、一括AD変換コマンド170を送信した後、一定間隔で255の最大感知器数に対応したアドレスを順次指定したポーリングコマンド172−1〜172−255を送信し、その後、再び一括AD変換コマンド170を送信する。
一括AD変換コマンド170を受信した火災感知器16−1〜16−4は、一斉に火災検出情報のサンプリング174−1〜174−4を行い、サンプリングしたデータと火災レベルを比較し、火災検出の有無を判断している。
ポーリングコマンド172−1〜172−4のそれぞれに対しては正常監視動作を示す応答175−1〜175−4を送信する。もし火災感知器側から応答が得られない場合には、エリアコントローラ14にあっては、その火災感知器を障害として処理することになる。
図15は本実施形態における火災発生時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図15において、一括AD変換コマンド170による火災感知器16−1〜16−4のサンプリング174−1〜174−4において、例えば火災感知器16−1で火災判断が行われたとすると、次のポーリングコマンド172−1のタイミングで割込信号178を送信する。
この割込信号178を受けてエリアコントローラ14は、グループ検索コマンドによるポーリング176を行う。グループ検索コマンドのポーリング176に対し、火災感知器16−1を含むグループアドレスが判別され、その内、火災を検出している火災感知器16−1がグループ応答として割込応答180を送信する。
この割込応答180によりエリアコントローラ14は、火災感知器16−1を含む8台の火災感知器のグループで火災検出が行われることを認識し、火災感知器16−1のアドレス1からアドレス8までを順次指定しながらグループ内検索のためのポーリングコマンド182−1,182−2,・・・を送信する。
このとき1番目のポーリングコマンド182−1に対し、火災を検出している火災感知器16−1が火災応答184を行う。これによってエリアコントローラ14は、アドレス1の火災感知器16−1で火災検出が行われたことを認識し、感知器アドレスからエリア情報に変換し、火災監視演算により火災検出情報及びエリア情報を含む上りイベント電文を作成して受信機10に送信し、火災警報表示を行わせることになる。
図16は本実施形態のエリアコントローラと火災感知器における火災発生時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図16において、エリアコントローラ14は、ステップS1で一括AD変換コマンドを送信し、これを受けて火災感知器16が、ステップS2でAD変換により検出データを取得し、ステップS3で火災レベルを超えることで火災を検出したとする。
続いて、火災感知器16のアドレスを指定したエリアコントローラ14からのステップS4におけるポーリングコマンドに対し、ステップS5で火災感知器16が割込応答を送信する。これを受けて、ステップS6でエリアコントローラ14はグループ1の検索コマンドを送信する。ここで、火災を検出した火災感知器がグループ2に所属していたとすると、ステップS6のグループ1の検索コマンドに対し、火災感知器16はステップS7で無応答となる。
続いてエリアコントローラ14は、ステップS8でグループ2の検索コマンドを送信し、火災を検出している火災感知器16はグループ2に属することから、ステップS9で割込応答を送信する。ステップS9の割込応答を受信したエリアコントローラ14は、ステップS10でグループアドレス内の感知器アドレスの第1番目を指定し、グループ内第1検索コマンドを送信する。
ここで、エリアコントローラ14がグループ内の第2アドレスであったとすると、ステップS11で無応答となる。次にエリアコントローラ14は、ステップS12でグループ内第2検索コマンドを送信する。これに対し、火災感知器16は自己アドレスを判別し、ステップS13で火災応答を送信する。ステップS13の火災応答に対し、エリアコントローラ14は、ステップS14で火災を検出した感知器アドレスを認識する。
続いてグループ内の第3アドレス〜第7アドレスにつき同様な処理を行うが、無応答さなり、ステップS15でグループ内の最終アドレスの検索コマンドを送り、ステップ S16で無応答となると、ステップS17で火災監視演算により作成した火災監視情報を含む上りイベント電文を火報ライン伝送アルゴリズムに従って受信機10に送信する火災情報送信処理を実行する。
受信機10はステップS18でエリアコントローラ14からの上りイベント信号を受信し、ステップS19で火災検出情報とエリア情報に基づき火災警報処理を実行する。
図17は本実施形態における上りイベント電文の伝送処理を示したタイムチャートである。図17において、監視端末25がステップS21で非常押釦操作などによりイベントが発生すると、ステップS22で図8(A)に示した上りイベント電文114−1を作成し、火災感知器16に無線送信する。
火災感知器16は、ステップS23で監視端末25からの上りイベント電文114−1を受信し、エリアコントローラ14に送信する図8(B)に示した上りイベント電文114−2を作成する。続いて、火災感知器16のステップS24とエリアコントローラ14のステップS25において、火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理が行われ、これによって火災感知器16から上りイベント電文114−2がエリアコントローラ14に送信される。
続いて火災感知器16は、ステップS26で図示しない他の監視端末から上りイベント電文114−1を受信してエリアコントローラ14に送信する上りイベント電文114−2を作成し、火災感知器16におけるステップS27とエリアコントローラ14におけるステップS28の処理により、火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理を実行し、上りイベント電文114−2をエリアコントローラ14に送信する。
更に火災感知器16は、ステップS29で図示しない他の監視端末からの上りイベント電文を受信し、エリアコントローラ14に送信する上りイベント電文114−2を作成し、ステップS30及びステップS31で火報ライン伝送アルゴリズムに従った電文送信処理と電文受信処理を行い、ステップS29で作成した上りイベント電文114−2をエリアコントローラ14に送信する。
エリアコントローラ14にあっては、ステップS25,S28及びS31の3回の上り電文受信処理で受信した火災感知器16からの上りイベント電文114−2に含まれている3つのイベント情報を対象に、ステップS32で監視情報を生成する所定の演算を実行し、図9(C)に示す上りイベント電文114−3を作成し、エリアコントローラ14におけるステップS34と受信機10におけるステップS35の火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理により、ステップS32の演算で作成した監視情報を含む上りイベント電文114−3を受信機10に送信する。
受信機10にあっては、ステップS35で受信した上りイベント電文114−3に基づき、図9(D)に示す他設備監視装置20に送信するための上りイベント電文114−4を作成し、ステップS36で汎用ラインの上り電文送信処理により他設備監視装置20に送信し、これを他設備監視装置20がステップS30で汎用ラインの上り電文送信処理により受信し、受信した上りイベント電文114−4に含まれるエリア情報126、時刻情報128、ベンダ識別子116、更に監視情報125に基づき、例えば防災監視のための受信警報処理などを実行する。
図18は本実施形態における下りイベント電文伝送処理を示したタイムチャートである。図18において、他設備監視装置20において監視端末25に対する制御情報を送信するためのイベントがステップS41で発生すると、ステップS42で図10(A)に示した下りイベント電文136−1を作成し、汎用ラインの下り電文送信処理により受信機10に送信する。
受信機10は、ステップS43で他設備監視装置20からの下りイベント電文136−1を受信し、これに基づき、図10(B)に示すエリアコントローラ14に対する下りイベント電文136−2を作成し、ステップS44における受信機10における火報ラインの下り電文送信処理と、エリアコントローラ14におけるステップS45の火報ラインの下り電文受信処理との連携により、火報ライン伝送アルゴリズムに従って、下りイベント電文136−2をエリアコントローラ14に送信する。
エリアコントローラ14は、ステップS46で、受信した下りイベント電文136−2の制御情報150に基づき、自分のエリアに存在する制御端末を対象とした端末制御情報を演算し、図10(C)に示す火災感知器16に送信するための下りイベント電文136−3を作成し、ステップS47で火報ラインの下り電文送信処理と、火災感知器16のステップS48における火報ラインの下り電文受信処理の連携により、火報ライン伝送アルゴリズムにより、下りイベント電文136−3をエリアコントローラ14から火災感知器16に送信する。
火災感知器16はステップS49で、エリアコントローラ14から受信した下りイベント電文136−3に含まれる制御情報151を持つ図10(D)に示す下りイベント電文136−4を作成し、監視端末25に無線により下り電文を送信する。監視端末25は、ステップS50で火災感知器16から受信した下りイベント電文136−4を解読し、その端末制御情報151に基づく処理を実行する。
一方、エリアコントローラ14にあっては、ステップS46の端末制御情報の演算において、監視端末25のみならず他の監視端末や制御端末に対する端末制御情報も同時に演算しており、このように演算した他の端末制御情報につき、ステップS51及びS52のそれぞれで火報伝送ラインの下り電文送信処理の実行により、端末制御情報を含む下りイベント電文136−4を、対応する監視端末または制御端末に無線により送信して、端末制御情報に基づく処理を実行させる。
図19は図2の監視端末25のCPU76に設けた端末処理部78による端末処理を示したフローチャートである。図19において、端末処理は、ステップS61でイベント発生を判別すると、ステップS62に進み、イベントデータを読み込み、ステップS63でベンダ識別子を付加した上りイベント電文を作成し、ステップS64で電文を火災感知器16に送信する。
一方、ステップS65で火災感知器16から下りイベント電文を受信した場合には、ステップS66で電文を解読し、電文の端末制御情報に基づき、ステップS67でイベント端末装置における処理を実行する。
図20は図2の火災感知器16のCPU64に設けた火災検出部72及び感知器中継部74による感知器処理を示したフローチャートである。図20において、感知器処理は、ステップS71でエリアコントローラ14からのポーリングを判別すると、ステップS72で正常応答を送信する。
続いてステップS73で上りイベント電文を監視端末から受信したことを判別すると、ステップS74で感知器アドレスを付加した上りイベント電文を作成し、ステップS75で自己の感知器アドレスを指定したポーリングに対し割込応答を送信する。
続いてステップS76でグループ検索コマンドを受信すると、ステップS77で割込応答を送信する。続いてステップS78で自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信すると、ステップS79において上りイベント電文を送信する。続いてステップS80で下りイベント電文の受信を判別すると、ステップS81で感知器アドレスを外した下りイベント電文を作成し、ステップS82で下りイベント電文を監視端末に送信する。
続いて、テップS83で火災検出を判別した場合には、ステップS84で火災情報送信処理を実行する。この火災情報送信処理はステップS75〜S79と基本的に同じであり、ステップS79における処理が火災応答の送信となる。
図21は図2のエリアコントローラ14に設けたCPU46のエリアコントローラ中継部58による処理を示したフローチャートである。図21のエリアコントローラ処理において、ステップS91で正常監視のためのポーリングコマンドの送信を行っており、ステップS92で正常監視応答が受信されない場合には、ステップS93で、そのポーリングコマンドの感知器アドレスについて感知器障害処理を行う。
続いてステップS94で火災感知器側からの割込受信を判別すると、ステップS95で割込感知器の検索処理を実行する。この検索処理は、まずグループ検索コマンドを送信し、応答が得られたグループにつき、グループ内の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行い、割込みを発生した火災感知器を検索する。続いてステップS96で、検索した火災感知器にポーリングコマンドを送信し、上りイベント電文を送信させる。
続いてステップS97で火災感知器からの電文が上りイベント電文の受信であることを判別すると、ステップS98に進み、上りイベント電文を読み込んでそれまでに受信した他のイベント電文の内容と合わせた所定の演算により集約した監視情報を生成し、ステップS99で感知器アドレスからエリア情報を生成し、またステップS100で時刻情報を生成し、ステップS101でエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を作成し、ステップS102で火報ライン伝送アルゴリズムの送信処理により上りイベント電文を受信機10に送信する。
またステップS105で受信機10から下りイベント電文が受信されたことを判別すると、ステップS106で下りイベント電文を読み込んで解読し、更に所定の演算により1又は複数の制御端末に対する端末制御情報を求め、ステップS107でエリア情報から感知器アドレスを生成し、ステップS108で、生成した感知器アドレス及び端末監視情報を含む下りイベント電文を、対応する感知器アドレスのポーリングタイミングで火災感知器16に送信する。
一方、ステップS97でポーリングコマンドに対する応答が上りイベント電文でなかった場合には、ステップS103に進み、上り火災電文の受信か否かチェックし、上り火災電文であった場合には、ステップS104で火災検出情報及び感知器アドレスを含む上り火災電文を作成し、火報ライン伝送プロトコルの電文送信処理により受信機10に送信する。
図22は図2の受信機10に設けた火災監視処理部38及び受信機中継部39による受信機処理を示したフローチャートである。図22の受信機処理において、ステップS111で正常監視のためのポーリングコマンドの送信を行っており、ステップS112で正常監視応答が受信されない場合には、ステップS113で、そのポーリングコマンドのアドレスについてエリアコントローラの障害処理を行う。
続いてステップS114でエリアコントローラ14側からの割込受信を判別すると、ステップS115で割込要求を出したエリアコントローラ14の検索処理を実行する。この検索処理は、まずグループ検索コマンドを送信し、応答が得られたグループにつき、グループ内の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行い、割込みを発生したエリアコントローラ14を検索する。続いてステップS116で、検索したエリアコントローラ14にポーリングコマンドを送信し、上りイベント電文を送信させる。
続いてステップS117でエリアコントローラ14からの電文が上りイベント電文の受信であることを判別すると、ステップS118に進み、上りイベント電文を読み込んでベンダ識別子から宛先となる他設備を認識し、ステップS119で認識した他設備に対し汎用ラインの上り電文送信処理により上りイベント電文を送信する。
またステップS122で他設備監視装置から下りイベント電文が受信されたことを判別すると、ステップS123で下りイベント電文を読み込んで解読し、ステップS136でエリア情報からコントローラアドレスを生成し、ステップS124で、生成したコントローラアドレスのポーリングタイミングで火報ライン伝送プロトコルに従った下り電文送信処理により下りイベント電文をエリアコントローラ14に送信する。
一方、ステップS117でポーリングコマンドに対する応答が上りイベント電文でなかった場合には、ステップS120進み、上り火災電文の受信か否かチェックし、上り火災電文であった場合には、ステップS121で火災受信警報処理を実行することになる。
なお、上記の実施形態にあっては、火災感知器16と監視端末25,22との間を電波回線で接続するようにしているが、これ以外に赤外線や超音波などの回線で接続するようにしてもよい。
また上記の実施形態にあっては、通常監視時は火災感知器を順次ポーリングして正常監視応答を求め、火災検出時には割込信号を送信して、グループ検索及びグループ内検索により火災を検出した火災感知器を特定して火災応答を出させるという火報ライン伝送プロトコルを使用しているが、本発明は、この火報用の伝送プロトコルに限定されず、受信機一台に対し複数台の火災感知器を接続して、1対nのポーリング伝送を行う適宜の伝送プロトコルを利用してイベント電文の上り及び下りの双方向伝送を行わせても良い。
また上記の実施形態にあっては、エリアコントローラ14に対する電源供給を、受信機からの火報ラインにより行っているが、エリアコントローラ14に受信機10と同様に主電源部と予備電源部を設け、受信機10から独立した電源供給としても良い。
また本発明における防災監視システムに組み合わせる他設備としては、同じ建物や施設内に設置する設備であれば、その用途や種類による限定は受けない。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。