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JP5195801B2 - 無線タグリーダ - Google Patents
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本発明は、無線タグリーダに関するものである。
従来から提供されている無線タグシステムでは、無線タグリーダから無線タグにデータ信号を送信し、その送信信号に対する無線タグからの応答信号(受信信号)を無線タグリーダが受信して読み取り又は書き込みを行っている。例えば、無線タグ側が電源を備えないパッシブタイプでは、無線タグからの応答信号は、無線タグリーダから供給される無変調信号を反射/終端制御してデータ変調することにより生成されるようになっている。
このような無線タグシステムの一例としては例えば特許文献1のような技術が提案されている。この特許文献1には、無線タグからの受信信号を受信して2値化データを生成する受信処理手段と、2値化データのパルス幅を計測する計測手段と、計測したパルス幅を予め定められた正規のパルス幅と比較する比較手段と、比較結果を出力する出力手段とを備え、2値化データから、パルス幅の最大値、最小値、平均値の少なくともいずれかを算出し、2値化データのパルス幅を正規のパルス幅と比較したときに所定の許容範囲を超える場合、そのパルス幅を分割又は合成することにより修正するパルス幅修正処理を行う技術が開示されている。
特開2005−260468号公報
ところで、上記無線タグシステムでは、一般の無線通信技術と比較して受信信号の同期がとりにくいという問題がある。例えば、一般の無線通信技術(例えば、移動体通信など)では、受信信号の周波数が決まっているため、その周波数に同期をとれば受信信号のデコードを容易に行うことができる。これに対し、無線タグの応答信号は、上述したように無線タグリーダから供給される無変調信号を反射/終端制御してデータ変調を行うことで生成されるので、周波数のずれが大きくなる。そのため、無線タグを読み取る無線タグリーダでは、無線タグからの応答信号の周波数ズレを包含するように、周波数に一定幅をもたせて同期をとらなければならず、同期がとりにくいことから応答信号のデコードが難しくなってしまう。
特許文献1では、無線タグからの応答信号によって生成された2値化信号のパルス幅を修正する技術が開示されているが、上述のような応答信号の周波数のズレが考慮されていないため、応答信号の周波数のズレに起因する同期不良の課題が依然として残り、その結果としてデコードができなくなる虞がある。
更に課題を掘り下げると、無線タグでは、所定のプリアンブル期間に所定位相の連続信号を出力し、所定のプリアンブル期間の経過後に連続信号から位相を変化させるように応答信号を出力する方式のものが用いられているが、この種の方式では、所定のプリアンブル期間経過後に位相が変化するため、より同期がとりにくくなってしまうという問題がある。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、無線タグからの応答信号の周波数がずれても同期を維持することができる無線タグリーダを提供することにある。
請求項1の発明は、アンテナと、前記アンテナを介してデータ信号を送信する送信手段と、前記アンテナを介して前記データ信号に対する応答信号を受信する受信手段と、所定のプリアンブル期間に所定位相の連続信号を出力し、前記所定のプリアンブル期間の経過後に前記連続信号から位相を変化させるように前記応答信号を出力する無線タグを読取可能な無線タグリーダであって、前記無線タグからの前記応答信号に対して相関関数を用いたマッチング処理を行うことで相関波形信号を生成する相関処理手段と、前記相関処理手段によって生成された前記相関波形信号のピークを検出するピーク検出手段と、前記相関波形信号における前記所定のプリアンブル期間経過後の位相変化点を検出する位相変化点検出手段と、少なくとも前記位相変化点検出手段によって前記位相変化点が検出された後に、前記相関波形信号に対する同期タイミングの基準となる同期周波数を設定する同期周波数設定手段と、少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記ピーク検出手段によって検出される前記相関波形信号のピークのタイミングと、前記同期周波数に応じて定まる前記同期タイミングとに基づいて補正値を算出する補正値算出手段と、少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記補正値算出手段によって算出された前記補正値に基づいて前記同期周波数設定手段にて設定される前記同期周波数を更新する更新手段と、少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記更新手段によって更新される前記同期周波数に応じた前記同期タイミングで前記相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいてデコードするデコード手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の無線タグリーダにおいて、前記同期周波数設定手段が、前記所定のプリアンブル期間において前記同期周波数を設定可能とされ、前記補正値算出手段が、前記所定のプリアンブル期間において、前記ピーク検出手段によって検出される前記相関波形信号のピークのタイミングと、前記同期周波数に応じて定まる前記同期タイミングとに基づいて前記補正値を算出し、前記更新手段が、前記所定のプリアンブル期間において、前記補正値算出手段によって算出された前記補正値に基づいて前記同期周波数設定手段にて設定される前記同期周波数を更新しており、更に、前記同期周波数設定手段が、前記位相変化点が検出された後の初期の前記同期周波数として、前記所定のプリアンブル期間において前記更新手段によって更新されて得られた前記同期周波数に設定することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の無線タグリーダにおいて、前記補正値算出手段が、前記ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、前記ずれ量算出手段によって算出された前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備え、前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して所定の重み付けを反映して前記補正値を算出しており、前記所定のプリアンブル期間における所定の時間より後期期間の前記重み付けを前記所定の時間より前期期間の前記重み付けよりも低く設定していることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線タグリーダにおいて、前記補正値算出手段が、前記ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、前記ずれ量算出手段によって算出された前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備え、前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して所定の重み付けを反映して前記補正値を算出しており、前記所定のプリアンブル期間における所定の時間より後期期間の前記所定数を前記所定の時間より前期期間の前記所定数よりも大きく設定していることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の無線タグリーダにおいて、前記補正値算出手段は、前記位相変化点が検出された後も、前記ずれ量算出手段により、前記ピーク検出手段によって検出される前記所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求め、前記平均値算出手段により、その求められた前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出し、前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して前記所定の重み付けを反映して前記補正値を算出することを特徴としている。
請求項1の発明では、無線タグからの応答信号に対して相関関数を用いたマッチング処理を行うことで相関波形信号を生成する相関処理手段と、相関処理手段によって生成された相関波形信号のピークを検出するピーク検出手段と、相関波形信号における所定のプリアンブル期間経過後の位相変化点を検出する位相変化点検出手段とが設けられているため位相変化点の検出によってプリアンブル期間の経過タイミングを把握できるようになる。
更に、少なくとも位相変化点検出手段によって位相変化点が検出された後に、相関波形信号に対する同期タイミングの基準となる同期周波数を設定する同期周波数設定手段と、少なくとも位相変化点が検出された後に、ピーク検出手段によって検出される相関波形信号のピークのタイミングと、同期周波数に応じて定まる同期タイミングとに基づいて補正値を算出する補正値算出手段と、少なくとも位相変化点が検出された後に、補正値算出手段によって算出された補正値に基づいて同期周波数設定手段にて設定される同期周波数を更新する更新手段と、少なくとも位相変化点が検出された後に、更新手段によって更新される同期周波数に応じた同期タイミングで相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいてデコードするデコード手段とが設けられている。
このようにすると、位相変化点の検出後において、相関波形信号のピークの周期に対する同期周波数のずれを補正できるようになるため、同期がずれやすい位相変化後においても同期ずれを適切に補正することができ、同期を安定的に維持し易くなる。
請求項2の発明では、同期周波数設定手段が、所定のプリアンブル期間において同期周波数を設定可能とされ、補正値算出手段は、所定のプリアンブル期間において、ピーク検出手段によって検出される相関波形信号のピークのタイミングと、同期周波数に応じて定まる同期タイミングとに基づいて補正値を算出し、更新手段は、所定のプリアンブル期間において、補正値算出手段によって算出された補正値に基づいて同期周波数設定手段にて設定される同期周波数を更新している。このようにすると、位相変化点よりも前の所定のプリアンブル期間においても同期ずれを適切に補正することができる。
更に、同期周波数設定手段は、位相変化点が検出された後の初期の同期周波数として、所定のプリアンブル期間において更新手段によって更新されて得られた同期周波数に設定している。所定のプリアンブル期間において適切に補正されて生成された同期周波数を位相変化点検出後の初期の同期周波数として用いることができるため、位相変化点検出後の初期値がずれにくくなる。
請求項3の発明では、補正値算出手段が、ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、ずれ量算出手段によって算出された所定数のずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備えている。そして、平均値算出手段によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出しており、所定のプリアンブル期間における所定の時間より後期期間の重み付けを所定の時間より前期期間の重み付けよりも低く設定している。
所定のプリアンブル期間の前期期間については、ピークタイミングと同期周波数がずれやすく、安定度が低いため、ずれ量を早期に収束させることが求められる。これに対し、請求項3の発明によれば、補正値に対するずれ量(ずれ量の平均値)の重み付けを大きくすることで、ずれ量を補正値に大きく反映することができ、ピークタイミングに対する同期周波数のずれを早期に収束させやすくなる。
一方、所定のプリアンブル期間の後期となるにつれ、ピークタイミングと同期周波数とのずれの補正が進み、ずれ量が抑えられやすいため、安定性を重視した補正が求められる。これに対し、請求項3の発明では、後期期間において、補正値に対するずれ量(ずれ量の平均値)の重み付けを小さくしているため、ずれ量の反映度を抑えた安定的な補正を行うことができる。
請求項4の発明では、補正値算出手段が、ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、ずれ量算出手段によって算出された所定数のずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備えている。そして、平均値算出手段によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出しており、所定のプリアンブル期間における後期期間の所定数を前期期間の所定数よりも大きく設定している。
所定のプリアンブル期間の前期期間については、ピークタイミングと同期周波数がずれやすく、安定度が低いため、ずれ量を早期に収束させることが求められる。これに対し、請求項4の発明によれば、ずれ量の平均値を算出するサンプル数を少なく抑えることができるため、各ずれ量を補正値に対して大きく反映させることができ、ピークタイミングに対する同期周波数のずれを早期に収束させやすくなる。
一方、所定のプリアンブル期間の後期となるにつれ、ピークタイミングと同期周波数とのずれの補正が進み、ずれ量が抑えられやすいため、安定性を重視した補正が求められる。これに対し、請求項4の発明では、後期期間において、ずれ量の平均値を算出するサンプル数を多くしているため、より安定的な補正を行うことができる。
請求項5の発明は、位相変化点が検出された後も、ずれ量算出手段により、ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求め、平均値算出手段により、その求められた所定数のずれ量の平均値を算出し、平均値算出手段によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出している。
このようにすると、位相変化点の検出後において、ずれ量の平均値を反映したより適切な補正を行うことができるようになる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線タグリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図2は、デコード処理部の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図3は、フィルタ部、相関処理部等の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図4は、同期部の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図5は、相関処理部にて生成される相関波形信号を概略的に説明する説明図である。 図6は、デコード処理部で行われるデコードの流れを例示するフローチャートである。 図7は、図6のS9においてデコード部で行われるデコード処理の流れを例示するフローチャートである。 図8は、プリアンブル期間1の前期期間のピーク間検出値、同期周波数、ずれ量等を説明する説明図である。 図9は、プリアンブル期間1の後期期間のピーク間検出値、同期周波数、ずれ量等を説明する説明図である。 図10は、プリアンブル期間2のピーク間検出値、補正前の同期周波数、ずれ量、更新された同期周波数等を説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の無線タグリーダを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(無線タグリーダの全体構成)
まず、図1を参照して第1実施形態に係る無線タグリーダの全体構成を概説する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線タグリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図1に示すように、無線タグリーダ1は、ハードウェア的には例えば公知のRFIDリーダライタとして構成されており、後述する無線タグTaに記録されたデータの読み取り、或いは無線タグTaに対するデータの書き込みを行う構成をなしている。この無線タグリーダ1は、主として、制御部10、送信回路20、受信回路30、アンテナ40、サーキュレータ41などによって構成されている。
制御部10は、無線タグリーダ1の全体的制御を司るものであり、CPUやFPGAなどによって構成されている。この制御部10には、送信回路20に対して送信データを与える送信データ生成部11や、受信回路30からの二値化データを取得してデコードするデコード処理部12などが設けられている。
送信回路20は、周波数シンセサイザ21、D/Aコンバータ22、ベースバンド帯フィルタ23、変調器24、RF帯フィルタ25、パワーアンプ26などによって構成されている。
周波数シンセサイザ21は、所定周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、D/Aコンバータ22は、制御部10の送信データ生成部11にて生成された送信データ(デジタル信号)をアナログ信号に変換することで、ベースバンド信号を生成している。ベースバンド帯フィルタ23は、所定のベースバンド帯域に制限する帯域制限フィルタ(アナログフィルタ)として構成されており、D/Aコンバータ22から出力される信号のうち、所定のベースバンド帯域から外れた信号部分を制限している。
変調器24は、ベースバンド帯フィルタ23から出力されるベースバンド信号を周波数シンセサイザ21からの発振信号によって変調し、被変調信号(RF信号)に変換している。RF帯フィルタ25は、変調器24から出力される信号の帯域を所定のRF帯域に制限する帯域制限フィルタとして構成されており、変調器24から出力される信号のうち、所定のRF帯域から外れた信号部分を制限している。
パワーアンプ26は、入力信号(変調器24によって変調され、RF帯フィルタ25から出力された被変調信号)を所定のゲインで増幅している。このパワーアンプ26から出力されるRF帯の信号がサーキュレータ41及びアンテナ40を介して送信電波として出力されるようになっている。
一方、受信回路30は、RF帯フィルタ31、復調器33、ベースバンド帯フィルタ34a、34b、A/Dコンバータ35a、35bなどによって構成されている。
RF帯フィルタ31は、所定のRF帯域に制限する帯域制限フィルタとして構成されており、アンテナ40及びサーキュレータ41を介して入力される受信信号のうち、所定のRF帯から外れた信号部分を制限している。また、復調器33は例えば直交復調器として構成されており、RF帯フィルタ31から出力された信号を周波数シンセサイザ21から分配された無変調搬送波(基準信号)に基づいて同相成分と直交成分とを抽出し、I信号とQ信号とに変換している。
また、ベースバンド帯フィルタ34a、34bは、いずれも所定のベースバンド信号の帯域に制限する帯域制限フィルタとして構成されており、それぞれ、復調器33で変換されたI信号、Q信号に対して、所定のベースバンド帯域から外れた信号部分を制限している。また、これらベースバンド帯フィルタ34a、34bからのI信号、Q信号の出力がそれぞれA/Dコンバータ35a、35bにおいてデジタル信号に変換され、デコード処理部12に入力されるようになっている。
本実施形態では、制御部10及び送信回路20が「送信手段」の一例に相当し、アンテナ40を介してデータ信号を送信するように機能する。また、制御部10及び受信回路30が「受信手段」の一例に相当し、アンテナ40を介してデータ信号に対する応答信号を受信するように機能する。
なお、制御部10には、図示しない入力キーや液晶表示器などからなる表示部なども接続されている。更に、制御部10にはROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリも設けられており各種情報を記憶できるようになっている。
(デコード処理部の構成)
次に、デコード処理部12について詳述する。
図2は、デコード処理部12の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。また、図3は、フィルタ部、相関処理部等の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。更に、図4は、同期部の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
デコード処理部12は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などによって構成されており、主として、フィルタ部51、相関処理部52、ピーク検出部53、同期部54、デコード部55とを備えている。
図3に示すように、フィルタ部51は、ローパスフィルタ51a,51bから構成されている。ローパスフィルタ31aは、ADコンバータ35aから出力されたI信号に含まれるノイズを除去する。また、ローパスフィルタ51bは、ADコンバータ35bから出力されたQ信号に含まれるノイズを除去する。
相関処理部52は、フィルタ部51のローパスフィルタ51a、51bからそれぞれ出力されたI信号とQ信号とを合成した後に、予め設定しておいた相関パターンを当該IQ合成波形信号に乗算することにより、相関関数を用いたマッチング処理を行うことで波形を変換して相関波形信号を生成した後に、デコード部33に出力する。その結果、I信号とQ信号とを合成した合成波形信号は、正弦波形に近似した信号から三角波形に近似した信号(図3、図5参照)に変換される。この相関処理部52では、例えば、前記合成波形信号のサンプリング値と所定の波形パターン(相関パターン)を有する基準データとの相関値を算出し、これら相関値の信号として相関波形信号を得ており、相関値の設定方法や相関波形信号の生成方法は公知の方法(例えば特開2008−193576号公報、特開154178号公報)を用いることができる。
本実施形態では、相関処理部42は「相関処理手段」の一例に相当し、無線タグからの応答信号に対して相関関数を用いたマッチング処理を行うことで相関波形信号を生成するように機能する。
ピーク検出部は、相関処理部32にて生成された相関波形信号のピークを検出する部分であり、図5に示すように各山のピーク位置を検出し得る構成をなしている。なお、ピーク検出部53は「ピーク検出手段」の一例に相当し、相関処理部52によって生成された相関波形信号のピークを検出するように機能する。
同期部54は、相関処理部42にて生成された相関波形信号と同期をとるための同期タイミングを生成する部分であり、具体的には、図4に示すように、位相比較部61、データバッファ部62、平均値処理部63、補正値調整部64、同期タイミング生成部65、パラメータ制御部66、位相変化点検出部67、所定周期検出部68、同期タイミングバッファ部69などによって構成されている。
このうち、位相比較部61は、相関ピーク値と同期タイミングとを比較し、その差(ずれ量)の値を取得する部分である。なお、本実施形態では、位相比較部61が「ずれ量算出手段」の一例に相当し、ピーク検出部53によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期タイミング生成部65で設定される所定数の同期タイミングとの各ずれ量(各ピークに対応する各同期タイミングのずれ量)を求めるように機能する。
また、データバッファ部62は、位相比較部61にて生成された相関ピーク値と同期タイミングと差(ずれ量)を記憶する部分である。本実施形態では、少なくともパラメータ制御部66で設定されたn個分の直近のデータが格納されている。
また、平均値処理部63は、位相比較部61で生成された(ずれ量)に基づいてずれ量の平均値を算出する部分である。この平均値処理部63では、パラメータ制御部66で設定された個数(n)分の直近のずれ量のデータをデータバッファ部62から取得し、このn個分のずれ量のデータの平均値を求めている。なお本実施形態では、平均値処理部63が「平均値算出手段」の一例に相当し、ずれ量算出手段によって算出された所定数nのずれ量の平均値を算出するように機能する。
パラメータ制御部66は、各種パラメータを制御する部分であり、上述のように、データバッファ部62にて記憶される「ずれ量」の直近の数n(データ数)を定めている。また、パラメータ制御部66は、上述のように平均値処理部63で平均値の生成に用いられる標本数n(ずれ量のサンプル数)も設定しており、平均値処理部63は、このずれ量のサンプル数n個(所定数)についてのずれ量の平均値を算出している。また、パラメータ制御部66は、補正値調整部64で用いる重み付けの値mも設定しており、補正値調整部64は、このパラメータ制御部66で設定される重み付けの値mに基づいて補正値を生成している。なお、補正値の具体的な生成方法は後述する。
位相変化点検出部67は、相関処理部52で生成された相関波形信号の位相変化点を検出する部分である。
ここで、相関処理部32から出力される相関波形信号について説明する。図5は、相関処理部32から出力された相関波形信号を示す説明図である。本実施形態では、無線タグTaから、応答信号として、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)に所定位相の連続信号が出力され、所定のプリアンブル期間の経過後に連続信号から位相を変化させるように応答信号が出力されるようになっている。具体的には、図5に示す相関波形信号のプリアンブル期間1において、受信側での同期タイミングを取るため短い波形データ0が連続するようになっており、その期間が経過したときに、長い波形データ1(位相変化点)が表れるようになっている。更に、その後のプリアンブル期間2では、フレーム同期を取るため長い波形データ1(位相変化点)と短い波形データ0とが含まれており、予め決まったパターンのデータとして構成されている。
位相変化点検出部67は、上記のような位相変化点を検出しており、この位相変化点を検出したときに、パラメータ制御部66などに検出信号を出力している。位相変化点検出部67は「位相変化点検出手段」の一例に相当し、相関波形信号における所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)経過後の位相変化点を検出するように機能する。
所定周期検出部68は、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)において、周期が所定周期(例えば20周期)に達したか否かを判断する部分であり、達した場合には、パラメータ制御部66に対して検出信号を出力している。
補正値調整部64は、平均値処理部63で生成された平均値(ずれ量の平均値)と、パラメータ制御部66で設定された重み付けの値mに基づいて補正値を調整する部分である。この補正値調整部64は、「補正値算出手段」の一例に相当し、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)、及び位相変化点が検出された後(プリアンブル期間2)において、ピーク検出部53によって検出される相関波形信号のピークのタイミングと、同期周波数に応じて定まる同期タイミングとに基づいて補正値を算出するように機能する。
同期タイミング生成部65は、補正値調整部64によって生成された補正値に基づいて同期周波数を求め、同期タイミングを決定する部分である。また、同期タイミングバッファ部69は、同期タイミング生成部65で生成された同期タイミングを一時的に格納する部分である。
本実施形態では、同期タイミング生成部65及び同期タイミングバッファ69が「同期周波数設定手段」の一例に相当し、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)、及び当該所定のプリアンブル期間の後に位相変化点検出部67によって位相変化点が検出された後(即ちプリアンブル期間2)において、相関波形信号に対する同期タイミングの基準となる同期周波数を設定するように機能する。また、同期タイミング生成部65及び同期タイミングバッファ69は「更新手段」の一例にも相当し、少なくともプリアンブル期間1後の位相変化点が検出された後(即ち、プリアンブル期間2)において、補正値調整部64によって算出された補正値に基づいて、既に設定されている同期周波数を更新するように機能する(具体的には、後述するS8の処理にて更新を行っている)。
デコード部55は、同期タイミング生成部65で設定された同期タイミングで相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいて波形に重畳されているデータを解読する。このデコード部55は「デコード手段」の一例に相当し、少なくともプリアンブル期間1後の位相変化点が検出された後に、更新手段によって更新される同期周波数に応じた同期タイミングで相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいてデコードするように機能する。
(デコード処理部での処理内容)
次に、デコード処理部12でのデコードについて説明する。
図5は、相関処理部52にて生成される相関波形信号を概略的に説明する説明図である。図6は、デコード処理部で行われるデコードの流れを例示するフローチャートである。図7は、図6のS9においてデコード部で行われるデコード処理の流れを例示するフローチャートである。図8は、プリアンブル期間1の前期期間のピーク間検出値、同期周波数、ずれ量等を説明する説明図である。図9は、プリアンブル期間1の後期期間のピーク間検出値、同期周波数、ずれ量等を説明する説明図である。図10は、プリアンブル期間2のピーク間検出値、補正前の同期周波数、ずれ量、更新された同期周波数等を説明する説明図である。
デコード処理部12では、上述のように相関処理部52にて相関波形信号が生成され、ピーク検出部53によってこの相関波形信号のピーク位置が検出される。このとき、同期部54の位相比較部61において、相関波形信号のピーク値(相関ピーク値)と同期タイミングとが比較され(具体的にはピーク値間の周期と同期周波数とが比較され)、その周期の差(ずれ量)が算出される。例えば、図5に例示するように、最初に検出されたピーク間の1周期が「70」であり、同期タイミング生成部65での同期周波数の初期値が「64」である場合、ずれ量が6(70−64=6)と算出される。
なお、本実施形態では、相関波形信号について予め設定された所定時間毎(例えば一定の短時間毎)にサンプリングを行っており、以下では、そのサンプリング数を周期として表わしている。従って、周期が「70」であれば、70回のサンプリングに相当する時間ということになる。
S1の後には、所定周期検出部68により、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の開始後、所定周期(例えば20周期)経過しているか否かが判断される。所定周期経過していない場合とは、即ち、図5に示すプリアンブル期間1の前期期間(所定周期経過するまでの期間)であるということであり、このような場合、所定周期検出部68から検出信号は出力されず、パラメータ制御部66は、データバッファ部62でのバッファ数及び平均値処理部63での平均値算出の標本数であるnの値を「2」に設定している。そして、この場合、S2でNoと判断され、S15では、データバッファ部62にて2つ分のデータ(ずれ量のデータ)が記憶され、S16では、その格納された2つ分のデータの平均値が算出される。なお、本実施形態では、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の開始後、所定周期(例えば20周期)経過した時点を「所定の時間」としている。
上記平均値の算出について具体的に説明すると、図8のように、初回のピーク間期間A1の場合には、データバッファ部に2つ分のデータがバッファできず、この場合、S15では例外的に1つ分のデータ(即ちSP1−T1)が格納され、S16では、このデータそのもの(即ちSP1−T1)が平均値として用いられる。一方、2番目のピーク間期間A2となると、データバッファ部62には、その2番目のピーク間期間A2のずれ量のデータ(即ちSP2−T2)と、1つ前のピーク間期間A1のずれ量のデータ(即ちSP1−T1)とが記憶されているため、S16では、これらずれ量の平均値、即ち、((SP1−T1)+(SP2−T2))/2が算出される。また、3番目のピーク間期間A3となったときも同様であり、この場合、データバッファ部62には、その3番目のピーク間期間A3のずれ量のデータ(即ちSP3−T3)と、1つ前のピーク間期間A2のずれ量のデータ(即ちSP2−T2)とが記憶されているため、S16では、これらずれ量の平均値、即ち、((SP2−T2)+(SP3−T3))/2が算出される。このように、各ピーク間期間の経過毎に、S16では、そのピーク間期間のずれ量と一つ前のピーク間期間のずれ量との平均値が算出されることになる。
S16でずれ量の平均値が算出された後には、補正値調整部64にて補正値が算出される(S17)。補正値調整部64では、S16において平均値処理部63で算出された平均値(ずれ量の平均値)に対してパラメータ制御部で設定された重み付けを掛け合わせ、得られた値を補正値として決定する。なお、パラメータ制御部66では、所定周期検出部68から検出信号が出力されておらず、位相変化点検出部67から検出信号が出力されていない場合(即ち、S2でNoとなる場合)、重み付けを所定の第1の値(図6では1/2)に設定している。
例えば、図6のように重み付けが1/2で設定される場合、上記のように2番目のピーク間期間A2においてずれ量の平均値が((SP1−T1)+(SP2−T2))/2と算出されたときには、これに1/2を掛け合わせた値、((SP1−T1)+(SP2−T2))/4が補正値として決定されることになる。
更に補正値調整部64では、S17で算出された補正値が許容範囲に入っていない場合に、用いる補正値を一定値に飽和させている(S18)。具体的には、S17で算出された補正値が+2を超える場合には、補正値を+2とし、S17で算出された補正値が−2未満の場合には、補正値を−2としている。S17で算出された補正値が+2以下であり且つ−2以上である場合には、S17で算出された補正値を用いている。
そして、現在(S19の処理前)設定されている同期周波数に上記補正値を加えた値を次のピーク間期間の同期周波数として設定する。例えば、2番目のピーク間期間A2では現在の同期周波数がT2であり、そのピーク間期間A2で算出された補正値が、((SP1−T1)+(SP2−T2))/4であるため、S17で算出された補正値が+2以下であり且つ−2以上である場合にはT2にその補正値を加えた値、即ち、T2+((SP1−T1)+(SP2−T2))/4を次のピーク間期間A3の同期周波数として決定する。なお、((SP1−T1)+(SP2−T2))/4が+2を超える場合には、T3は、T2+2となり、((SP1−T1)+(SP2−T2))/4が−2未満である場合には、T3は、T2−2となる。
このようにして、次の期間の同期周波数T3が得られた後には、3番目のピーク間期間A3においてこの補正された同期周波数T3が用いられ。このピーク間期間A3では、上記のようにして生成された同期周波数T3が用いられると共に、データバッファ部62において2つのずれ量(即ち、「SP3−T3」、「SP2−T2」)が格納され(S15),平均値処理部にて、それら2つ分の平均値、即ち、((SP2−T2)+(SP3−T3))/2が算出されることになる。そして、上記期間A2と同様に、この平均値に1/2を掛け合わせて重み付けをした値、即ち、((SP2−T2)+(SP3−T3))/4が補正値として算出される(S17)。なお、この場合も、S17で算出された補正値、即ち、((SP2−T2)+(SP3−T3))/4が許容範囲(−2以上+2以下)に入っていない場合に一定値に飽和される(S18)。そして、T3に上記補正値を加えた値、即ち、T3+((SP2−T2)+(SP3−T3))/4を次のピーク間期間4の同期周波数として決定する。なお、((SP2−T2)+(SP3−T3))/4が+2を超える場合には、T4は、T3+2となり、((SP2−T2)+(SP3−T3))/4が−2未満である場合には、T4は、T3−2となる。
次に、S2でYesとなる場合(即ち、所定周期を経過している場合)について説明する。所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の開始後、所定周期経過している場合とは、即ち、図5に示すプリアンブル期間1の後期期間(所定周期経過した後の期間)であり、この場合、所定周期検出部68から検出信号が出力され、パラメータ制御部66は、データバッファ部62でのバッファ数及び平均値処理部63での平均値算出の標本数であるnの値を「4」に設定する。この場合、S2でYesと判断され、位相変化点が検出されるまではS3でNoと判断される。そして、S11では、データバッファ部62にて4つ分のデータ(ずれ量のデータ)が記憶され、S12では、その記憶された4つ分のデータの平均値が算出される。
上記平均値の算出について具体的に説明すると、例えば、4番目のピーク間期間B4となった場合、データバッファ部62には、その4番目のピーク間期間B4のずれ量のデータ(即ちSQ4−U4)と、これより前3つのピーク間期間B1〜B3のずれ量のデータ(即ちSQ1−U1、SQ2−U2、SQ3−U3))が記憶されているため、S12では、これらずれ量の平均値、即ち、((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/4が算出される。また、5番目のピーク間期間B5となった場合も同様であり、データバッファ部62には、その5番目のピーク間期間B5のずれ量のデータ(即ちSQ5−U5)と、これより前3つのピーク間期間B2〜B4のずれ量のデータ(即ちSQ2−U2、SQ3−U3、SQ4−U4))が記憶されているため、S12では、これらずれ量の平均値、即ち、((SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4)+(SQ5−U5))/4が算出される。
このように、各ピーク間期間の経過時には、S12では、そのピーク間期間のずれ量と前3つのピーク間期間のずれ量との平均値が算出されることになる。なお、ここでは、4番目のピーク間期間B4の経過時の例を説明したが、3番目以前のピーク間期間B1〜B3のときには、当該後期期間で4つ分のずれ量のデータを確保できなくなる。この場合には、前期期間分も含めて4つ分のずれ量のデータをバッファし、これに基づいて平均値を算出してもよく、例外的に少ない数(例えば3番目のピーク間期間B3であれば3つ)のずれ量のデータをバッファしてこれに基づいて平均値を算出してもよい。
S12でずれ量の平均値が算出された後には、補正値調整部64にて補正値が算出される(S13)。この場合も、補正値調整部64では、平均値処理部63で算出された平均値(ずれ量の平均値)に対してパラメータ制御部で設定された重み付けを掛け合わせ、得られた値を補正値として決定する。なお、パラメータ制御部66では、所定周期検出部68から検出信号が出力されており、位相変化点検出部67から検出信号が出力されていない場合(即ち、S2でYes、S3でNoとなる場合)、重み付けを所定の第2の値(図6では1/8)に設定している。
例えば、図6のように重み付けが1/8で設定される場合、上記のように4番目のピーク間期間B4においてずれ量の平均値が((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/4と算出されたときには、これに1/8を掛け合わせた値、((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/32が補正値として決定されることになる。
更に補正値調整部64では、S13で算出された補正値が許容範囲に入っていない場合に一定値に飽和させている(S14)。具体的には、S13で算出された補正値が+1を超える場合には、補正値を+1とし、S13で算出された算出された補正値が−1未満の場合には、補正値を−1としている。
そして、現在(S19実行前)の同期周波数に補正値を加えた値が次のピーク間期間の同期周波数として設定される(S19)。例えば、4番目のピーク間期間B4では現在の同期周波数がU4であり、そのピーク間期間B4に基づいて算出された補正値は、((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/32であるため、現在の同期周波数U4にその補正値を加えた値、即ち、U4+((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/32が次のピーク間期間B5の同期周波数として設定される。なお、((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/32が+1を超える場合には、U5は、U4+2となり、((SQ1−U1)+(SQ2−U2)+(SQ3−U3)+(SQ4−U4))/32が−1未満である場合には、U5は、U4−2となる。
次に、S3でYesとなる場合について説明する。S3でYesとなる場合とは、即ち、プリアンブル期間1が終わり、位相変化点が検出された場合である。この場合、所定周期検出部68及び位相変化点検出部67からそれぞれ検出信号が出力され、パラメータ制御部66は、データバッファ部62でのバッファ数及び平均値処理部63での平均値算出の標本数であるnの値を「4」に設定する。この場合、S2でYesと判断されると共に、S3でもYesと判断される。
S3でYesとなると、S4では、同期周波数(同期タイミングを特定するための値)を直前の値(即ち、S3でYesとなる前の一番新しい直近の値)に設定する。例えば、プリアンブル期間1の終了後に最初に用いられる同期周波数V1(図10)については、プリアンブル期間1で最後に設定されていた同期周波数(即ち、位相変化点の検出時に同期タイミングバッファ部69に格納されている最新の同期周波数)に設定される。
そして、S4では、データバッファ部62にて4つ分のデータ(ずれ量のデータ)がバッファされ(S5)、S6では、そのバッファされた4つ分のデータの平均値が算出される。
上記平均値の算出について具体的に説明すると、例えば、4番目のピーク間期間C4となった場合、データバッファ部62には、その4番目のピーク間期間C4のずれ量のデータ(即ちSR4−V4)と、これより前3つのピーク間期間C1〜C3のずれ量のデータ(即ちSR1−V1、SR2−V2、SR3−V3))が記憶されているため、S6では、これらずれ量の平均値、即ち、((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/4が算出される。また、5番目のピーク間期間C5となった場合も同様であり、データバッファ部62には、その5番目のピーク間期間C5のずれ量のデータ(即ちSR5−V5)と、これより前3つのピーク間期間C2〜C4のずれ量のデータ(即ちSR2−V2、SR3−V3、SR4−V4))が記憶されているため、S5では、これらずれ量の平均値、即ち、((SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4)+(SR5−V5))/4が算出される。このように、各ピーク間期間の経過時には、S6では、そのピーク間期間のずれ量と前3つのピーク間期間のずれ量との平均値が算出されることになる。
S6でずれ量の平均値が算出された後には、補正値調整部64にて補正値が算出される(S7)。この場合も、補正値調整部64では、平均値処理部63で算出された平均値(ずれ量の平均値)に対してパラメータ制御部で設定された重み付けが掛け合わされ、得られた値が補正値として決定される。なお、パラメータ制御部66では、所定周期検出部68から検出信号が出力されており、位相変化点検出部67からも検出信号が出力されている場合(即ち、S2でYes、S3でYesとなる場合)、重み付けを所定の第3の値(図6では1/4)に設定している。
例えば、図6のように重み付けが1/4で設定される場合、上記のように4番目のピーク間期間C4においてずれ量の平均値が((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/4と算出されたときには、S7ではこれに1/4を掛け合わせた値、((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/16が補正値として決定されることになる。
更に補正値調整部64では、S7で算出された補正値が許容範囲に入っていない場合に一定値に飽和させた上で、同期周波数を生成している。具体的には、S7で算出された補正値が+1を超える場合には、補正値を+1とし、S7で算出された補正値が−1未満の場合には、補正値を−1としている。そして、S4で同期タイミングバッファ部69に保存されている同期周波数に対して最終的に得られた補正値を加えた値をデコードに用いる同期周波数として設定する(S8)。例えば、4番目のピーク間期間C4では現在の同期周波数がV4であり、そのピーク間期間C4で算出された補正値が、((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/16であるため、V4にその補正値を加えた値、即ち、V4+((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/32をデコードに用いる同期周波数V5として決定する。なお、((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/32が+1を超える場合には、V5は、T4+1となり、((SR1−V1)+(SR2−V2)+(SR3−V3)+(SR4−V4))/32が−2未満である場合には、V5は、V4−1となる。なお、この同期周波数V5は、同期タイミングバッファ部69に格納され、後述するデコードに用いられることとなり、更に、次のピーク間期間C5でのずれ量算出、平均値算出に用いられることとなる。
このように同期周波数が設定された後には、S9においてデコード部に同期周波数が渡され、デコード処理が行われる。そして、データが終了するかエラーが発生しなければS10においてNoと判断される。この場合には、S1以降の処理が繰り返されることとなる。一方、データが終了するかエラーが発生した場合には、S10でYesとなり、デコード処理部12での当該受信処理が終了する。
デコード部55では、S9のデコード処理を例えば図7のような流れで行っている。このデコード処理では、S8で生成された同期周波数によって定まる同期タイミングで、受信波形(相関波形信号)をサンプリングし、そのサンプリング値が予め定められた閾値に照らしてH、0、Lのいずれに該当するかを判断している(S20)。そして、このように、当該同期タイミングにおいてS20で取得したデータに加え、過去に取得した前7回分のデータを併せて8個分のデータをバッファに格納し(S21)、この8個分のデータをデコード判定表に照らしてデコードする(S22)。そして、デコードしたビットデータを図示しない受信バッファに格納する(S23)。
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る無線タグリーダ1では、無線タグからの応答信号に対して相関関数を用いたマッチング処理を行うことで相関波形信号を生成する相関処理部52と、相関処理部52によって生成された相関波形信号のピークを検出するピーク検出部53と、相関波形信号における所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)経過後の位相変化点を検出する位相変化点検出部68とが設けられているため位相変化点の検出によってプリアンブル期間1の経過タイミングを把握できるようになる。
更に、少なくとも位相変化点検出部68によって位相変化点が検出された後に、相関波形信号に対する同期タイミングの基準となる同期周波数を設定する同期タイミング生成部65と、少なくとも位相変化点が検出された後に、ピーク検出部53によって検出される相関波形信号のピークのタイミングと、同期タイミング生成部65によって設定される同期周波数に応じて定まる同期タイミングとに基づいて補正値を算出(S7等)する補正値算出手段と、少なくとも位相変化点が検出された後に、補正値算出手段によって算出された補正値に基づいて同期タイミング生成部65にて設定される同期周波数を更新(S8)する更新手段と、少なくとも位相変化点が検出された後に、更新手段によって更新される同期周波数に応じた同期タイミングで相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいてデコード(S9)するデコード部55とが設けられている。
このようにすると、S4〜S8のように位相変化点の検出後において、相関波形信号のピークの周期に対する同期周波数のずれを補正できるようになるため、同期がずれやすい位相変化後においても同期ずれを適切に補正することができ、同期を安定的に維持し易くなる。
また、本実施形態では、同期タイミング生成部65が、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)において同期周波数を設定可能とされ、補正値調整部64は、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)において、ピーク検出部53によって検出される相関波形信号のピークのタイミングと、同期周波数に応じて定まる同期タイミングとに基づいて補正値を算出し(S13、S14、S17、S18等)、更新手段は、所定のプリアンブル期間において、補正値調整部64によって算出された補正値に基づいて同期タイミング生成部65にて設定される同期周波数を更新している(S19)。このようにすると、位相変化点よりも前の所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)においても同期ずれを適切に補正することができる。
更に、同期タイミング生成部65は、位相変化点が検出された後の初期の同期周波数として、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)において更新手段によって更新されて得られた同期周波数に設定している。所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)において適切に補正されて生成された同期周波数を位相変化点検出後の初期の同期周波数として用いることができるため、位相変化点検出後の初期値がずれにくくなる。
また、本実施形態では、補正値調整部64が、ピーク検出部53によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、ずれ量算出手段によって算出された所定数のずれ量の平均値を算出する平均値処理部63とを備えている。そして、平均値処理部63によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出しており、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)における所定の時間より後期期間の重み付けを所定の時間より前期期間の重み付けよりも低く設定している(S13、S17参照)。
所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の前期期間については、ピークタイミングと同期周波数がずれやすく、安定度が低いため、ずれ量を早期に収束させることが求められる。これに対し、本実施形態によれば、補正値に対するずれ量(ずれ量の平均値)の重み付けを大きくすることで、ずれ量を補正値に大きく反映することができ、ピークタイミングに対する同期周波数のずれを早期に収束させやすくなる。
一方、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の後期となるにつれ、ピークタイミングと同期周波数とのずれの補正が進み、ずれ量が抑えられやすいため、安定性を重視した補正が求められる。これに対し、本実施形態では、後期期間において、補正値に対するずれ量(ずれ量の平均値)の重み付けを小さくしているため、ずれ量の反映度を抑えた安定的な補正を行うことができる。
本実施形態では、補正値調整部64が、ピーク検出部53によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、ずれ量算出手段によって算出された所定数のずれ量の平均値を算出する平均値処理部63とを備えている。そして、平均値処理部63によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出しており、所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)における後期期間の所定数(平均値算出用の標本数)を前期期間の所定数(平均値算出用の標本数)よりも大きく設定している(S11、S15参照)。
所定のプリアンブル期間(プリアンブル期間1)の前期期間については、ピークタイミングと同期周波数がずれやすく、安定度が低いため、ずれ量を早期に収束させることが求められる。これに対し、本実施形態によれば、ずれ量の平均値を算出するサンプル数を少なく抑えることができるため、各ずれ量を補正値に対して大きく反映させることができ、ピークタイミングに対する同期周波数のずれを早期に収束させやすくなる。
一方、所定のプリアンブル期間の後期となるにつれ、ピークタイミングと同期周波数とのずれの補正が進み、ずれ量が抑えられやすいため、安定性を重視した補正が求められる。これに対し、本実施形態では、後期期間において、ずれ量の平均値を算出するサンプル数を多くしているため、より安定的な補正を行うことができる。
本実施形態では、位相変化点が検出された後も、ずれ量算出手段により、ピーク検出部53によって検出される所定数のピークのタイミングと、同期周波数に基づいて定められる所定数の同期タイミングとの各ずれ量を求め、平均値処理部63により、その求められた所定数のずれ量の平均値を算出し、平均値処理部63によって算出された平均値に対して所定の重み付けを反映して補正値を算出している。
このようにすると、位相変化点の検出後において、ずれ量の平均値を反映したより適切な補正を行うことができるようになる。
1…無線タグリーダ
10…制御部(送信手段、受信手段)
20…送信回路(送信手段)
30…受信回路(受信手段)
40…アンテナ
52…相関処理部(相関処理手段)
53…ピーク検出部(ピーク検出手段)
55…デコード部(デコード手段)
61…位相比較部(補正値算出手段、ずれ量算出手段)
63…平均値処理部(補正値算出手段、平均値算出手段)
64…補正値調整部(補正値算出手段)
65…同期タイミング生成部(同期周波数設定手段、更新手段)
68…位相変化点検出部(位相変化点検出手段)
Ta…無線タグ

Claims (5)

  1. アンテナと、
    前記アンテナを介してデータ信号を送信する送信手段と、
    前記アンテナを介して前記データ信号に対する応答信号を受信する受信手段と、
    所定のプリアンブル期間に所定位相の連続信号を出力し、前記所定のプリアンブル期間の経過後に前記連続信号から位相を変化させるように前記応答信号を出力する無線タグを読取可能な無線タグリーダであって、
    前記無線タグからの前記応答信号に対して相関関数を用いたマッチング処理を行うことで相関波形信号を生成する相関処理手段と、
    前記相関処理手段によって生成された前記相関波形信号のピークを検出するピーク検出手段と、
    前記相関波形信号における前記所定のプリアンブル期間経過後の位相変化点を検出する位相変化点検出手段と、
    少なくとも前記位相変化点検出手段によって前記位相変化点が検出された後に、前記相関波形信号に対する同期タイミングの基準となる同期周波数を設定する同期周波数設定手段と、
    少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記ピーク検出手段によって検出される前記相関波形信号のピークのタイミングと、前記同期周波数に応じて定まる前記同期タイミングとに基づいて補正値を算出する補正値算出手段と、
    少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記補正値算出手段によって算出された前記補正値に基づいて前記同期周波数設定手段にて設定される前記同期周波数を更新する更新手段と、
    少なくとも前記位相変化点が検出された後に、前記更新手段によって更新される前記同期周波数に応じた前記同期タイミングで前記相関波形信号を参照し、その参照結果に基づいてデコードするデコード手段と、
    を備えたことを特徴とする無線タグリーダ。
  2. 前記同期周波数設定手段は、前記所定のプリアンブル期間において前記同期周波数を設定可能とされ、
    前記補正値算出手段は、前記所定のプリアンブル期間において、前記ピーク検出手段によって検出される前記相関波形信号のピークのタイミングと、前記同期周波数に応じて定まる前記同期タイミングとに基づいて前記補正値を算出し、
    前記更新手段は、前記所定のプリアンブル期間において、前記補正値算出手段によって算出された前記補正値に基づいて前記同期周波数設定手段にて設定される前記同期周波数を更新しており、
    更に、前記同期周波数設定手段は、前記位相変化点が検出された後の初期の前記同期周波数として、前記所定のプリアンブル期間において前記更新手段によって更新されて得られた前記同期周波数に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線タグリーダ。
  3. 前記補正値算出手段は、
    前記ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、
    前記ずれ量算出手段によって算出された前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備え、
    前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して所定の重み付けを反映して前記補正値を算出しており、
    前記所定のプリアンブル期間における所定の時間より後期期間の前記重み付けを前記所定の時間より前期期間の前記重み付けよりも低く設定していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線タグリーダ。
  4. 前記補正値算出手段は、
    前記ピーク検出手段によって検出される所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求めるずれ量算出手段と、
    前記ずれ量算出手段によって算出された前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出する平均値算出手段とを備え、
    前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して所定の重み付けを反映して前記補正値を算出しており、
    前記所定のプリアンブル期間における所定の時間より後期期間の前記所定数を前期所定の時間より前期期間の前記所定数よりも大きく設定していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線タグリーダ。
  5. 前記補正値算出手段は、前記位相変化点が検出された後も、
    前記ずれ量算出手段により、前記ピーク検出手段によって検出される前記所定数のピークのタイミングと、前記同期周波数に基づいて定められる前記所定数の前記同期タイミングとの各ずれ量を求め、
    前記平均値算出手段により、その求められた前記所定数の前記ずれ量の平均値を算出し、
    前記平均値算出手段によって算出された前記平均値に対して前記所定の重み付けを反映して前記補正値を算出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の無線タグリーダ。
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