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JP5196136B2 - 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 - Google Patents
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JP5196136B2 - 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 - Google Patents

水圧転写用シート、及び水圧転写方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種成形体の表面に水圧転写方式にて絵柄層を転写印刷する際に利用される水圧転写用シート、及び水圧により前記絵柄層を各種成形体に転写印刷する、水圧転写方法に関する。
従来から、平面、又は凹凸による立体面を有する成形体の表面に転写印刷により印刷模様を形成するための水圧転写用シート、及びその手段として水圧転写方法が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
一方、近年絵柄の形成として、フルカラー化が容易でかつ印字品質に優れているインクジェット印刷方式が急速に普及してきている。インクジェット印刷は、通常、主に有機溶剤希釈型のインクをノズルから微細な滴とし、被記録材に吹き付けることにより印刷が行われる。しかし、被記録材が紙のように吸水性が非常に高い場合には、インクににじみが生じて精細な画像が得られない、一方、被記録材がプラスチックフィルムの場合には、インクの吸収性が極めて低いため、印刷が困難である。従って、インクジェット記録方式の被記録材にはインクのにじみを防止してインク吸収性が良好である水溶性樹脂又は水分散性樹脂が使用されることが望ましい。
そのため、水圧転写を行う際、絵柄層をインクジェットにより形成する場合には、その上に絵柄層が形成される受像層として、上記水溶性樹脂又は水分散性樹脂が使用されることが望ましい。しかし、水圧転写の場合には支持体シートが水溶性又は水膨潤性樹脂であるために受像層として、水溶性樹脂又は水分散性樹脂を使用すると支持体シートから受像層を介して絵柄層に水分が透過してくるために、水圧転写された絵柄層を有する成形体において該絵柄層に白茶けたぼやけが生ずるという問題があった。
特公昭52−041683号公報 特公平07−555999号公報 特許第2757346号公報
少なくとも支持体シート、受像層、絵柄層を含む水圧転写用シートにおいて、インクジェット印刷方式により、受像層上に絵柄層を形成する際に、インク吸収性のよい水性樹脂からなる受像層を使用しても、前記水圧転写された絵柄層を有する成形体において絵柄層に白茶けたぼやけが生じない、水圧転写用シートは知られていない。
本発明は、水圧転写を行う際に、水性インクの吸収性のよい受像層を使用し、インクジェット印刷により該受像層に絵柄層を形成しても、水圧転写された絵柄層を有する成形体において白茶けの生じない、優れた水圧転写用シートを提供することを目的とする。
本願発明者は、上記問題点の解決について鋭意研究した結果、支持体シート、受像層、絵柄層の順に構成される水圧転写用シートにおいて、支持体シートと受像層間に、水分透過性の低い樹脂層を設けることにより上記問題点が解決できることを見出だし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(4)に記載する発明を要旨とする。
(1)水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、
かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする、水圧転写用シート。
)前記目止め層(B)が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、硝化綿、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリビニルブチラールから選択される1種又は2種以上の樹脂からなることを特徴とする、前記()に記載の水圧転写用シート。
)少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)をこの順に形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、その後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
を含む水圧転写法であって、
受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなることを特徴とする、水圧転写法。
)前記絵柄層(D)が、インクジェット印刷により形成されることを特徴とする、前記()に記載の水圧転写方法。
本発明の水圧転写用シート(E)においては、支持体シート(A)と受像層(C)間に、水分透過性の低い目止め層(B)が形成されているので、インクジェット印刷により受像層(C)上に絵柄層(D)を形成しても、水圧転写後に水圧転写用シート(E)には白茶けたぼやけも生じず、水圧転写用シートとして透明性、外観性等に優れている。
更に、従来の静電印刷により絵柄層を形成すると、感光体及びトナーが不安定であることから色再現性に問題があったが、インクジェット印刷を採用すると、静電印刷のような色再現性の問題がなく、色再現性が良好であり、成形品に優れた意匠を付与することができる。
本発明の水圧転写用シート(E)は、図1に示すように、水溶性又は水膨潤性のシートからなる支持体シート(A)上に、目止め層(B)、受像層(C)を形成しておき、その上からインクジェット印刷等の印刷を行って絵柄層(D)が形成された水圧転写用シート(E)である。尚、絵柄層(D)は受像層(C)表面に全面ベタに形成されていても、部分的に形成されていてもいずれでもよい。
また、図2は本発明の水圧転写方法の一例を示す概念図である。図2に示す様に、水圧転写用シート(E)を支持体シート(A)側が水面側を向き絵柄層(D)側が上を向く様にして、水圧転写用シート(E)を水面(W)に浮べると共に、活性剤が塗布された絵柄層(D)の上方から被転写基材(F)を押入れ、該基材の表面に伸展、密着させ、次いで、表面に水圧転写用シート(E)が伸展、密着している被転写基材(F)を水中から引出して、温水シャワー等により支持体シート部分を除去し、続いて乾燥に付して絵柄模様が形成された被転写体(G)を得る。
〔1〕第1の態様の「水圧転写用シート」について
第一の態様である「水圧転写用シート」は、水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、
受像層(C)が少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする。
(1)支持体シート(A)
支持体シート(A)としては、水溶性又は水膨潤性を有するシートであれば特に制限なく、使用することができる。支持体シート(A)に使用できる具体的な材料として、ポリビニルアルコール樹脂(けん化物を含む)、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。そして、これらの中から選択した1種単独、或いは2種以上の混合物を製膜すれば、支持体シートが得られる。
支持体シート(A)として好ましいのは、鹸化ポリビニルアルコールである。支持体シート(A)の厚さは、10〜100μm程度が好ましい。
(2)目止め層(B)
目止め層(B)は、本発明の水圧転写用シート(E)に必須の層であり、支持体シート(A)と受像層(C)間に設けられて、水圧転写シート作成工程においては、水性樹脂からなる受像層(C)形成時における主溶媒である水により、支持体シート(A)が水溶または水膨潤することを防ぐ作用を有し、また水圧転写工程においては、水圧転写用シートを水面に浮遊させた際、支持体シート(A)から受像層(C)に水分が透過してくるのを防ぐ作用を有し、また更には水圧転写後の被転写体(G)の表面層を形成する。従って、目止め層(B)を形成する樹脂層は上記作用を発揮させるためには、水分透過性の低い樹脂で、かつ外観性、耐候性等に優れている必要がある。
また、支持体シート(A)上に目止め層(B)を形成する方法としては、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等が挙げられる。これらの中でもインクジェット印刷が好ましい。目止め層(B)は、水分透過性の低い樹脂を有機溶剤に溶解した溶液(目止め層形成塗工液)として、支持体シート(A)上に所望の厚みに塗布後、乾燥して形成される。
目止め層(B)の乾燥後の膜厚は、1〜10μmが好ましく、1〜2μmがより好ましい。
水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて転写する際に支持体シート(A)の伸展に追従して目止め層(B)が適度に伸展する物性を有することが必要とされる。この場合の目止め層(B)に適度の伸展性と追従性を付与するためには、目止め層(B)を上記したような適度な厚みに形成することが好ましい。
従って、目止め層(B)の形成に使用する樹脂としては、水分透過性が低いこと、受像層(C)との密着性が良好なこと、水圧転写後には表面層を形成するので、透明性、外観性、耐磨耗性、耐候性等に優れていることが必要とされる。尚、水圧転写後に支持体シート(A)は、水に溶解又は水洗等により除去されるので、目止め層(B)と支持体シート(A)間の高い密着性は必要とされない。
上記目止め層(B)に要求される上記目的と作用効果等から、前記目止め層(B)は、以下に記載するアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂(変性樹脂を含む)、硝化綿、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリビニルブチラールから選択される1種又は2種以上の樹脂から形成されることが好ましい。
(i)アクリル樹脂
アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
(ii)ウレタン樹脂
ウレタン樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液硬化型(湿気硬化型)ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等が挙げられる。2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネート等が挙げられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体等が挙げられる。なお、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネートは耐候性、耐熱黄変性に優れているので好適に使用することができる。
1液硬化型ウレタン樹脂は、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分とする組成物である。プレポリマーは、通常は分子両末端に各々イソシアネート基を1個以上有するプレポリマーであり、具体的には、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、ポリブタジエン骨格、ポリエステル骨格等を骨格とする、ポリイソシアネートプレポリマーである。こうした1液硬化型ウレタン樹脂を用いた場合には、イソシアネート基同士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こし、その結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じる。そして、この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応することにより、目止め層(B)が形成される。
(iii)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂に脂肪酸を反応した、いわゆるエポキシエステルにカルボキシル基含有ビニルモノマーをグラフト重合し、中和水分散したビニル変性エポキシエステル樹脂等が例示できる。
(iv)アルキド樹脂
アルキド樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応で得られる樹脂であり、本発明においてアルキド樹脂にはアミノアルキド樹脂等の変性アルキド樹脂も含まれる。アミノアルキド樹脂はアミノ樹脂とアルキド樹脂とを配合した樹脂である。また、アミノ樹脂は尿素、メラミン、グラアナミン、アニリン、スルホアミド、或いはアミノ基含有アクリル樹脂等のアミノ基含有化合物のアミノ基にホルムアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、尿素の場合は尿素樹脂、メラミンの場合はメラミン樹脂、グラアナミンの場合はグアナミン樹脂、アニリンの場合はアニリン樹脂等とも呼ばれる。また、アルキド樹脂は、例えば、無水フタル酸等の二塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステルを、更にヒマシ油等の各種の油脂又は脂肪酸で変性したものが代表的であるが、更にロジンやフェノールで変性したロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂等の変性アルキド樹脂等もある。
上記した樹脂のうち、アルキド樹脂と硝化綿を含有することが好ましい。
(iv)溶媒
目止め層形成塗工液に使用される溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等、又はこれらの2種以上の混合物である非水溶性有機溶剤が好適に用いられる。
(3)受像層(C)
受像層(C)は、少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂からなる。
本発明において、受像層(C)を少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有する水性樹脂層とするのは、絵柄層(D)をインクジェットにより形成する場合には、その上に絵柄層(D)が掲載される受像層(C)として、インクのにじみを防止してインク吸収性が良好である、上記水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を主成分とする層である水性樹脂層とするのが好ましいからである。水性樹脂層を構成する水性樹脂(S)は、水溶性樹脂(S1)と水分散性樹脂(S2)に分類されるので、水性樹脂層は水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)が主成分である。尚、水性樹脂層は、前記水性樹脂(S)のみから形成することも可能であるが、実用上後述する他の添加剤を配合した水性樹脂組成物(以下、水性樹脂組成物ということがある。)から形成することが好ましい。水性樹脂(S)は、主溶媒が水であり、水に溶解する性質を有する水溶性樹脂(S1)と、水に分散する性質を有する樹脂である水分散性樹脂(S2)に大別される。水分散性樹脂(S2)は水に樹脂を分散させるために通常、乳化剤が使用され、分子中に親水基を有している。
受像層(C)は、水性樹脂(S)(又はさらに添加剤を含む)を水に溶解又は分散した溶液(以下、受像層形成塗工液ということがある。)として、目止め層(B)上に所望の厚みに塗布後、乾燥して形成される。
受像層(C)は、目止め層(B)上に塗布・乾燥して形成する際にべとつきがなく、適度の乾燥性を有することが必要とされる。また、乾燥後には、透明で絵柄層の顔料の染み込みが良好で、被転写体(G)との密着性にも優れることが必要とされる。更に、水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させた際に支持体シート(A)の伸展に追従して目止め層(B)と共に受像層(C)が適度に伸展する物性を有することが必要とされる。この場合の受像層(C)に適度の伸展性と追従性を付与するためには、受像層(C)を後述するような適度な厚みに形成することが好ましい。
以下に水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)について説明する。
(i)水溶性樹脂(S1)
本発明に使用可能な水溶性樹脂(S1)は、構造と製法に特に制限はない。その具体的な例として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンイミン、ポリアミド、各種の第四級アンモニウム塩基含有水溶性樹脂、デンプン、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
前記水溶性樹脂(S1)の分子量としては、受像層(C)に要求される物性、例えば、皮膜の強度やコーティングに適した受像層形成塗工液の粘度等の観点から、1万〜200万程度が好ましい。
前記水溶性樹脂(S1)の中でも、PVA及びその誘導体は透明性、皮膜強度、顔料の吸収性に優れる等の特長を有しており、適用可能な用途が幅広いことから好ましい。PVAは一般に、酢酸ビニルポリマーのケン化により得られる。
本発明の水性樹脂組成物に使用するPVAとしては、水性樹脂組成物の要求物性に応じて適宜適当なケン化度、重合度のものも使用することができる。PVAの市販品として、種々のケン化の割合(ケン化度)、重合度を有するPVAがあり、これらを利用することができる。例えば、水性樹脂組成物をバリヤーコートに適用する場合は、水、各種溶剤、気体に対するバリヤー性の観点から、ケン化度は90%以上、重合度は500以上が好ましい。
またPVA誘導体として、各種の変性基を導入した変性PVAも使用することができる。このような変性基としては、アセトアセチル基、シリル基、第四級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、ケトン基、メルカプト基、アミノ基等が挙げられる。これらは必要な物性に応じていかなるものも使用することができる。本発明で用いる水溶性樹脂(S1)は1種類でも、2種類以上を混合して用いることもできる。
(ii)水分散性樹脂(S2)
本発明の水分散性樹脂(S2)とは、該樹脂が水に完全に溶解した形態をとり得ず、水に分散した形態をとり得る樹脂のことを示す。水分散性樹脂(S2)具体例は、ウレタンエマルジョンから形成される樹脂であるが、本発明の効果を損なわない範囲で樹脂;スチレン−ブタジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系等の合成ゴム;アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂等のエマルジョンを使用することができる。一般に水分散性樹脂(S2)は、水溶性樹脂(S1)に比べ、高固形分化が容易であるため、両者を併用すると受像層形成塗工液の固形分を増加することができる、すなわち溶媒である水の量を減少させることができる。このため、受像層形成塗工液の加工性向上、例えば塗工後の乾燥時間の短縮、塗工厚の調整の容易性等の効果がある。また水分散性樹脂(S2)は、水溶性樹脂(S1)単独では不足する物性を向上することが出来る。
水分散性樹脂(S2)は大別して、乳化剤を用いて樹脂を水中に分散させる乳化剤含有タイプと、樹脂内に後述するアニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基、両性基から選ばれる1種以上の親水基を導入し、その親水基の働きで樹脂を水中に分散させた自己分散性タイプがある。これらのうち、得られる製品の耐水性が良好である点から、自己分散性タイプが好ましい。
前記アニオン性基の例としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基;及びこれらの酸基を中和してなるカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、リン酸塩基等の酸基の中和塩を挙げることができる。これらのうち、水分散性樹脂の安定性がより良好となるため、酸基の中和塩が好ましい。これらの酸基の中和剤の例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基やトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類;アンモニア等の揮発性塩基を挙げることができる。
前記カチオン性基の例としては、第3級アミノ基、これを中和してなる第3級アミン塩、及び4級アンモニウム塩基等を挙げることができる。これらのうち、水分散性樹脂の安定性がより良好となるため、第3級アミン塩、及び4級アンモニウム塩基が好ましい。第3級アミノ基の中和剤の例としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、乳酸等の酸を挙げることができる。
前記ノニオン性基の例としてはエチレンオキシドの繰り返し単位からなる基、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基等を挙げることができる。両性基の例としてはベタイン基等を挙げることができる。 水分散性樹脂(S2)の分子量としては、本発明の受像層形成塗工液の耐久性等の観点から、重量平均で1万以上あることが好ましい。本発明の受像層形成塗工液に強靭性、耐久性、耐水性、各種基材への密着性が重視される場合に対応して、水分散性樹脂(S2)として、ウレタンエマルジョンを使用する。
(ii−1)ウレタン樹脂
ウレタン樹脂の水分散体の製造方法としては、例えば、以下の方法(a)〜(c)が挙げられる。
(a)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、必要に応じて中和剤を含む水溶液を混合して水分散体を得る方法。
(b)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤を含む水溶液と混合するか、又は予めプレポリマー中に中和剤を加えた後水を混合して水に分散させた後、ポリアミンと反応させて水分散体を得る方法。
(c)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤及びポリアミンを含む水溶液と混合するか、又は予めプレポリマー中に中和剤を加えた後、ポリアミンを含む水溶液を添加混合して水分散体を得る方法。
前記ウレタン樹脂の製造において用いるポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートのうち、耐光性の点から、脂肪族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネートが好ましい。また本発明の効果を損なわない範囲で、3価以上のポリイソシアネートを併用することもできる。
前記ウレタン樹脂中、ポリイソシアネートに対するポリイソシアネート以外の成分の重量比としては、50重量%以下であることが好ましい、かかる範囲であれば自己分散性のウレタン樹脂としての安定性に優れる。前記活性水素含有化合物は、便宜上重量平均分子量が好ましくは300〜10,000の範囲であり、より好ましくは500〜5,000の範囲である高分子量化合物と、分子量300以下の低分子量化合物の2種類に分けられる。前記高分子量化合物としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これら高分子量化合物は2種以上を併用することもできる。前記ポリエステルポリオールとしては、公知のものを使用することができる。
上記方法(a)〜(c)において、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに乳化剤を用いることができる。かかる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート等のノニオン系乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等のノニオンアニオン系乳化剤が挙げられる。
また、エマルジョンの安定性を高めるためにpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンを使用する
本発明の実施に際しては、一般に市販されている自己分散性ウレタン樹脂の水分散体を使用することができる。かかる市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:「パラコールRSI−001」、「ボンディック」、及び「ハイドラン」、バイエル社製、商品名「インプラニール」等が挙げられる。本発明で用いる自己分散性ウレタン樹脂の水分散体の平均粒子径は、ウレタン樹脂粒子の安定性や、インクジェット受理層の耐水性及び光沢の観点から、3.0μm以下であることが好ましい。
(ii−2)合成ゴムラテックス
また、水分散性樹脂(S2)として、本発明の効果を損なわない範囲で合成ゴムを使用することができる。合成ゴムの水分散体(合成ゴムラテックス)の製法としては、例えば脂肪族共役ジエン系単量体と、共重合可能な他の重合性単量体とを乳化重合することによって得られる。ここで用いる脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,2−ブタジェン、1,3−ブタジェン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
また、共重合可能な他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アルリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル(例えばマレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノノルマルブチル)等のカルボキシル基を有する不飽和結合含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン等のエチレン性不飽和芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクロニトリル等の不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の如きビニルエステル;塩化ビニリデン臭化ビニリデン等のビニリデンハライド;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;(メタ)アクリルアミド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルミド等が挙げられる。
水分散性樹脂(S2)として用いることのできる合成ゴムラテックスは、乳化剤、フリーラジカル発生触媒等の存在下に水性媒体中で上記単量体を乳化重合することにより得ることができる。この際2段重合法を採用することもできる。乳化剤としては、各種の陰イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤などを使用することができる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアンモニウムクロライド(ライオン(株)製アーカード12−50)等が挙げられ、さらに両イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
(ii−3)アクリル樹脂
また、受像層(C)に耐光性が要求される場合、水分散性樹脂(S2)として、本発明の効果を損なわない範囲でアクリル樹脂使用することができる。アクリル樹脂の水分散体(以下、アクリル樹脂エマルジョンということがある)の製法としては、重合開始剤、必要に応じて乳化剤及び分散安定剤の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須の重合性単量体成分とし、さらに必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の重合性単量体の混合物を共重合させることにより得ることができる。
上記アクリル樹脂エマルジョンの製造に使用することができる重合性単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アルリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボキシル基を有する不飽和結合含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル樹脂エマルジョンの製造の際に使用する乳化剤としては、上記乳化剤を用いることができる。また、アクリル樹脂エマルジョンを製造する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶剤を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物が使用できる。
アクリル樹脂エマルジョンの製造する際に用いる重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤が用いられる。また、アクリル樹脂エマルジョンの重合体の分子量を調整する必要がある場合は、分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物を添加してもよい。かかる分子量調整剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、又は、α−メチルスチレン・ダイマー等が挙げられる。
また、アクリル樹脂エマルジョンを製造する際の重合温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等により異なるが、水性媒体中で重合する場合は通常30〜90℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明で用いる水分散性樹脂(S2)はpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョン以外の1種類でも、2種類以上を併用しても良く、要求物性に応じて適宜選択して使用することができる。
(iii)受像層形成塗工液
本発明の受像層形成塗工液においては、水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)のいずれか、又は両者に、第四級アンモニウム塩基が含有されていることが好ましい。第四級アンモニウム塩基はカチオン性を有しているため、インクジェットインクの色材、即ち染料や顔料中のアニオン性基と静電的に結合し、印刷画像の耐水性を向上させ、にじみを防止することができる。第四級アンモニウム塩基を含有する水溶性樹脂としては、例えばエピクロルヒドリンポリアミド樹脂、アミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン塩含有樹脂、ポリビニルアミン塩含有樹脂、ポリビニルアミジン樹脂、ポリアリルアミン塩含有樹脂、が挙げられる。
第四級アンモニウム塩基を含有する水分散性樹脂(S2)としては、その主骨格としてアクリル樹脂;スチレン−ブタジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系等の合成ゴム;ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の骨格を有しているものが挙げられる。
その製造方法としては、例えば、第四級アンモニウム塩基を有するモノマー又はポリオールを共重合する方法や、3級アミノ基を有するモノマー又はポリオールを共重合した後、その3級アミノ基部分をアルキルハライド、ジアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸アルキル等のいわゆる4級化剤を用いて4級アンモニウム塩化する方法等を挙げることができる。
本発明の受像層形成塗工液においては、水溶性樹脂(S1)として、PVA及び/又はその誘導体を用いることが、インクッジェットインクの吸収性が良好であるため好ましい。PVAのケン化度、重合度としてはインクッジェットインクの吸収性の観点から、ケン化度が75〜99%、重合度が300〜5000のものが好ましい。さらに好ましくは、ケン化度が80〜95%、重合度が500〜3500のものである。さらに、水溶性樹脂(S1)がアセトアセチル基を有するPVAであると特に耐水性が良好であり、顔料インク印刷適性が良好である点から好ましい。
本発明の受像層形成塗工液においては、水分散性樹脂(S2)として自己分散性ウレタン樹脂を用いると、印刷画像の発色濃度向上、顔料インク印刷適性付与、基材への密着性向上等の効果がある点から好ましい。
また、本発明の受像層形成塗工液には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、両性系の各種界面活性剤や、顔料の分散剤、シリコーン系、フッ素系、アセチレンジオール系等の各種レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤等が挙げられる。これら添加剤の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定しないが、通常受像層形成塗工液中に固形分含有率で0.01〜5重量%の範囲が好ましい。また、本発明の受像層形成塗工液には、顔料インク印刷適性を更に向上させるため、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム等の水溶性の金属塩も添加してもよい。これらの水溶性金属塩の添加量としては、前記受像層形成塗工液中に固形分含有率で1〜20重量%の範囲が好ましい。
また、本発明の受像層形成塗工液には、例えば、シリカ、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム等の各種多孔質顔料を添加することもできる。このような多孔質顔料を添加することにより、インクジェット受理層に適度な白度を与え、インク吸収性を向上させることができる場合がある。前記多孔質顔料の添加量としては、受像層形成塗工液中に固形分含有率で10〜90重量%の範囲が好ましい。
難燃性としては、有機系難燃剤を使用することができ、これらの成分としては、公知の塩素系、臭素系、リン系、シリコーン系、窒素系、リン及びハロゲン系、リン及び窒素系など、好ましくは塩素系、臭素系、リン系およびシリコーン系の有機難燃剤が挙げられる。これらの好ましい配合量はインクの転移性、画像再現性、印字物の濃度等を考慮して適宜決定することができる。
本発明の受像層(C)には、レベリング剤、スリップ剤および分散剤を添加することができる。レベリング剤としては、例えば、金属石けん系、ポリアミド系、アクリル系、ビニル系、シリコーン系など、また、スリップ剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、シリコーン、ポリエチレンワックスなど、また、分散剤としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系などの高分子分散剤や、アルミニウムキレートなどが挙げられる。これらのレベリング剤およびスリップ剤の好ましい添加量は、受像層(C)中で0.01〜3.0質量%となる量である。
(iv)塗布方法と乾燥後の厚み
受像層(C)を形成する際に受像層形成塗工液の塗布方法としては、グラビアコーター(グラビアダイレクトコーター、グラビアリバースロールコーターなど)、リバースロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーターなどの公知の方法を用いることができる。
目止め層(B)上への受像層形成塗工液の塗布量は特に制限されるものではないが1〜10g/m程度が好ましく、塗布後公知の乾燥方法により溶媒を揮発させて乾燥する。
乾燥後の受像層(C)の膜厚は1〜40μmが好ましい。受像層(C)の膜厚が40μmを超えると支持体シートの伸展を1.1〜1.5倍程度に制御するのが困難な場合がある。
(4)絵柄層(D)
受像層(C)面に絵柄層(D)を形成する手段は特に制限はないが、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等により絵柄層(D)として形成される。これらの中でもインクジェット印刷が特に好ましい。
特に、インクジェット印刷は、小ロットの印刷を行う場合、商業印刷等で汎用化されているオンデマンド印刷で絵柄層(D)を形成するのはきわめて効果的である。このオンデマンド印刷は静電印刷(コピー)を応用した方式ではなく、インクジェット印刷を利用して行う。インクジェット印刷に用いる装置としては、インクジェット印刷機、該印刷機の制御及び画像情報処理受用の電子計算機、原稿画像を読込んでAD変換するスキャナ装置、画像情報を記憶用の記憶装置、画像表示装置等から構成される。これらの装置を用いて、画像データを取込、該画像に顧客の要望も取入れてCRT等の画像表示装置に画像を表示してデスクトップ上で色調の調整、画像の補正(不要部分の除去等)、他の画像データとの組合わせ、画像の殖版、画像のエンドレス化等の処理を行い、これを受像層(C)の表面にインクジェット印刷して絵柄層(D)を形成する。
インクジェット印刷により形成される絵柄層の図柄は特に限定されず、木目柄、石目柄、布目柄、文字、図形、記号、絵柄等の任意の形状に形成されるものである。絵柄層(D)は、受像層(C)の表面に、全面ベタに形成されていても、部分的に形成されていてもいずれでもよい。絵柄層(D)の厚さは、通常1〜10μm程度に形成する。
インクジェット印刷は、細いノズルからインキを粒子(液滴)の状態で噴出させて印刷を行なう方法であり、インキの噴出法とインキの粒子の制御法の種類により、荷電制御型、Hertz型、電界制御型、圧力制御型(オンデマンド型)等の方法がある。
以下に主にインクジェット印刷に使用されるインクジェットインクの成分である、非水系のビヒクル(定着樹脂)に無機顔料および/または有機顔料を分散した顔料、とこれに使用する溶剤について説明する。
上記インクジェットインクとして、特に屋外使用性能に耐え得る非水系のビヒクルに、無機および/または有機顔料を分散した顔料タイプの非水系インクジェットインクが使用可能であり、主溶媒にグリコールエーテル類を含む顔料タイプのインクジェットインクが好ましい。上記のグリコールエーテル類としては、例えば、ジまたはトリエチレングリコールのモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノブチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテルまたはモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールのモノブチルエーテル、ジエチレングリコールのモノヘキシルエーテルなどのエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル、およびそれらの混合物などが挙げられる。なお、上記インクジェットインクとして、公知の染料タイプを使用した水系のインクジェットインクも使用することができる。
上記の非水系インクのビヒクル(樹脂類)は、上記のグリコールエーテル類を含むインク媒体に混合分散できる公知のインクジェットインク用のビヒクルであればいかなるものでも使用することができる。該ビヒクル(樹脂)としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体および繊維素系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、必要に応じて、可塑剤、分散剤、ワックス、界面活性剤、帯電防止剤、粘度調整剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの公知の添加剤を添加することができる。
上記のインクジェットインクに使用する顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、群青、紺青、酸化鉄、亜鉛華、弁柄などの無機顔料、アリリド系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、キナクリドン系、チオインジゴ系、インダストロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キノフタロン系などの有機顔料が挙げられる。また、本発明の被記録材料は、必要とされる用途に応じて、上記の顔料以外の染料タイプのインクジェットインクにも適用できる。該染料としては、例えば、アゾ染料、キノリン染料、インジゴ染料、ナフトキノン染料、ニトロ染料、金属錯塩染料などの染料が挙げられる。
本発明の絵柄層(D)の形成に、上述したように顔料タイプの非水系インクジェットインクを使用すると耐候性、印字濃度および画像再現性に優れるものとなる。
インクジェット印刷に用いられるインキとしては、ノズルの目詰り防止、有機溶剤についての防火(防爆)及び衛生管理の煩雑さの回避の点から、水性(水溶液或は水分散エマルジョン)インキを用いることもできる。好ましい形態の一つとして、印刷時は水性とし、印刷後は非水溶性且つ非水膨潤性化せしめる事が挙げられる。このような形態の具体例として、ポリオールとブロックイソシアネートから水性インキを構成してインクジェット印刷し絵柄層(D)を形成し、印刷後(水面に浮べる前までの間)、該絵柄層(D)を加熱してブロック解除し、ポリオールとイソシアネートを架橋させ、絵柄層(D)を非水溶性且つ非水膨潤性化する方法がある。
絵柄層(D)を形成する際の印刷条件は、とくに限定されるものでなく、通常のインクジェットプリンターを使用し、通常の印字スピード、解像度にて、例えば、解像度720dpiにて印刷可能である。
(5)水圧転写用シート(E)
第1の態様の水圧転写用シート(E)における受像層(C)は水性樹脂層からなるので、絵柄層(D)を形成する際に水性インクを使用したインクジェット印刷が可能であり、得られる画像はフルカラー化が容易で、且つ印字品質に優れている。また、支持体シート(A)と受像層(C)間に水分透過性の低い目止め層(B)が設けられているので、支持体シート(A)から受像層(C)への水分の透過が抑制される結果、絵柄層(D)において白茶けたぼやけも生じず、水圧転写用シートとして優れている。
〔2〕第2の態様の「水圧転写法」について
本発明の第2の態様における「水圧転写法」は、少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)を形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、乾燥後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
を含む水圧転写法であって、
受像層(C)が水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなる、
ことを特徴とする。
尚、第2の態様で使用する支持体シート(A)、目止め層(B)、受像層(C)、及び絵柄層(D)は上記第1の態様に記載したのと基本的に同様である。
以下に、上記「水圧転写用シート形成工程」と「水圧転写工程」について説明する。
(1)水圧転写用シート形成工程
「水圧転写用シート形成工程」は、水溶性若しくは水膨潤性の支持体シート(A)上に透明な透明な目止め層(B)と受像層(C)を形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程である。尚、以下の「水圧転写用シート形成方法」の説明において、第1の態様の「水圧転写用シート」の項に記載したのと同様の部分は記載を省略する場合がある。
(i)支持体シート(A)上に目止め層(B)と受像層(C)の形成
支持体シート(A)、上に目止め層(B)、及び受像層(C)については、第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。また、目止め層(B)、及び受像層(C)の形成それぞれ使用する目止め層形成塗工液、受像層形成塗工液、並びに塗工方法についても第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。
(ii)受像層(C)面に絵柄層(D)の形成
受像層(C)面に絵柄層(D)を形成する手段は特に制限はないが、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等により絵柄層として形成される。これらの中でもインクジェット印刷が特に好ましい。
特に、インクジェット印刷は、小ロットの印刷を行う場合、商業印刷等で汎用化されているオンデマンド印刷で絵柄層(D)を形成するのはきわめて効果的である。このオンデマンド印刷は静電印刷(コピー)を応用した方式ではなく、インクジェット印刷を利用して行なう。インクジェット印刷に用いる装置としては、インクジェット印刷機、該印刷機の制御及び画像情報処理受用の電子計算機、原稿画像を読込んでAD変換するスキャナ装置、画像情報を記憶用の記憶装置、画像表示装置等から構成される。これらの装置を用いて、画像データを取込、該画像に顧客の要望も取入れてCRT等の画像表示装置に画像を表示してデスクトップ上で色調の調整、画像の補正(不要部分の除去等)、他の画像データとの組合わせ、画像の殖版、画像のエンドレス化等の処理を行い、これを受像層(C)の表面にインクジェット印刷して絵柄層(D)を形成する。
インクジェット印刷により形成される絵柄層の図柄は特に限定されず、木目柄、石目柄、布目柄、文字、図形、記号、絵柄等の任意の形状に形成されるものである。絵柄層(D)は、受像層(C)の表面に、全面ベタに形成されていても、部分的に形成されていてもいずれでもよい。絵柄層(D)の厚さは、通常1〜10μm程度に形成する。
一般的にインクジェット印刷に用いられるインクについては第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。
(2)水圧転写工程
「水圧転写工程」は、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シートを水面に浮遊させて水圧転写用シートを伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シートの絵柄層(D)面を密着させ、乾燥後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程である。
(イ)被転写基材(F)
本発明方法において、被転写基材(F)としては各種の製品が利用できる。例えば、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の樹脂成形体、鉄、アルミニウム、銅等の金属成形体、木質成形体、硝子、陶磁器、其他各種無機質成形体等の、所定の立体形状に形成されたものが最適に利用できる。
尚、被転写基材(F)の被転写面には水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)又は受像層(C)との密着性を良好ならしめる為の易接着処理を施しておくことができる。易接着処理は、易接着層の形成、或はコロナ放電処理等がある。易接着層は例えば被転写体が(G)ポリスチレン樹脂成形体の場合にはウレタン系やアクリル系の樹脂を用いた塗工組成物を塗工して形成される。
(ロ)水圧転写工程
(i)活性剤の塗布
水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)を活性化させるとは、該絵柄層(D)の一部が溶解或は膨潤して、被転写体(G)に付着し易い状態として接着力を付与する事である。このような活性剤としては、絵柄層(D)のバインダー成分を溶解或は膨潤可能な溶剤を含有するものが用いられる。活性剤として用いられる溶剤は、受像層(C)の溶剤として例示したものの中から適宜絵柄層(D)のバインダー成分に応じて選択することができる。
活性剤は上記溶剤のみから構成してもよいが、水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)が被転写基材(F)の被転写面に転写される工程が水面上で完了するまでは蒸発することがなく、さらには被転写基材(F)の表面を浸蝕することのないものであることが好ましい。このような活性剤としては、前記した絵柄層(D)を活性化させる溶剤中に、下記の樹脂を溶剤の5〜60質量%程度となるように添加してなる膨潤化液を用いることができる。上記膨潤化液は、活性剤の粘度調整が容易であり、塗工液の塗付手段が幅広く利用可能であり、転写工程に時間がかかった場合でも安定した接着性を得ることができるといった利点がある。
膨潤化液に添加される樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体;ポリスチレン及びスチレン誘導体から得られる重合体;ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸のエステル誘導体から得られる重合体;前記不飽和カルボン酸等のニトリル誘導体又は該酸等の酸アミド誘導体から得られる重合体;前記不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN-メチロール誘導体及び該N-アルキルメチロールエーテル誘導体;グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2-ヒドロキシエチル-(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル-(メタ)アクリレート、エチレン、エチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート等の単量体の単独又は共重合体等の熱可塑性樹脂;初期縮合物、天然樹脂、ロジン及び其の誘導体、セルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂等の樹脂が挙げられる。尚、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
活性剤の絵柄層(D)上への塗工手段としては、グラビアオフセットコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、超音波コート等を用いることができ、活性剤の塗工量は好ましくは1〜30g/m2程度、より好ましくは1〜10g/m2程度である。水圧転写用シートの装飾層面側に活性剤を施す方法としては、代表的には次の2方法があり、いずれかを選択することができる。
(i-1)先ず、水圧転写用シートの装飾層面側に活性剤を塗工した後に、水圧転写用シートを支持体シート側が水面側を向く様にして水面上に浮遊させる方法
(i-2)先ず、水圧転写用シートを支持体シート側が水面側を向く様にして、水面上に浮遊させてから、その水圧転写用シートの装飾層面側に活性剤を塗工する方法
(ii)水圧転写用シート(E)の水面浮遊、水圧転写
水圧転写用シート(E)を水面(W)上に浮遊させる手段は、枚葉の水圧転写用シートを1枚ずつ浮べたり、水を1方向から流した水面上に、連続帯状の水圧転写用シートを連続的に供給して浮べたりする。
水圧転写用シート(E)を水面(W)に浮遊させた際に支持体シート(A)部の伸展を好ましくは1.2〜1.5倍程度になるように制御する。このような制御手段としては、例えば支持体シート(A)の端部を固定する等の物理的手段により容易に行うことが出来る。
水圧転写においては、上記活性剤を塗布した後の水面上の水圧転写用シート(E)に対して、被転写基材(F)を上から押圧して、水圧によって該水圧転写用シート(E)を被転写基材(F)に密着させ、絵柄層(D)を被転写基材(F)の被転写面に密着させる。図2は、この工程を概念的に示す説明図である。すなわち、水圧転写においては、水面(W)上に浮遊させた水圧転写用シート(E)の上から、被転写基材(F)をその装飾すべき被転写面が下方となるようにして下降させて、被転写基材(F)を水中に押し込むことで、その被転写面の形状に沿って水圧転写用シート(E)を伸ばし変形させて、水圧によって被転写基材(F)の被転写面に水圧転写用シート(E)を密着させる。
なお、水圧転写用シート(E)を水面(W)に浮べてその支持体シート(A)が水と接した際、該支持体シートが水膨潤性の場合には膨潤し、水溶性の場合は少なくとも一部が溶解する。
なお、水圧転写用シート(E)を浮べ水圧により転写する為の水は、水圧転写用シート(E)中の支持体シート(A)の種類(例えば水溶性或は水膨潤性の差)等に応じ、適宜水温を調整することが望ましい。例えば、支持体シート(A)が澱粉系シートの場合は水温40〜50℃が良い。また、支持体シート(A)の除去を促進する添加剤を添加しても良く、例えば澱粉系シートの場合はアミラーゼ等を添加することが好ましい。
(iii)水洗脱膜
上記水圧転写の後に、更に脱膜工程を適宜行う。この脱膜工程は、上記水圧転写工程にて、支持体シート(A)も、受像層(C)と絵柄層(D)と共に被転写基材(F)の被転写面に押圧されて被転写基材(F)に密着している場合に、その支持体シート(A)を溶解或いは洗浄で除去し、受像層(C)と絵柄層(D)を被転写基材(F)上に残す工程である。従って、被転写基材(F)を水中に押込み水圧転写するときに、支持体シート(A)が水に完全に溶解して水面上に受像層(C)と絵柄層(D)のみが浮遊している場合には、この脱膜工程は不要な場合もある。脱膜工程では、水圧転写用シート(E)の支持体シート(A)の少なくとも一部が溶解せずに被転写基材(F)上に残存している場合には、被転写基材(F)の被転写面に絵柄層(D)が十分に密着後、その支持体シート(A)を除去する。
支持体シート(A)の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行う。脱膜工程により、被転写面に付着している支持体シート(A)は完全に除去される。なお、シャワー洗浄の条件は、支持体シート(A)の種類等で異なるが、通常は水温15〜60℃、洗浄時間10秒〜5分が好ましい。そして、脱膜工程後、或いは脱膜工程が省略される場合は、前記水圧転写工程後、又は水圧転写工程の最後に、被転写体(G)を十分乾燥し水分を蒸発させれば、被転写体(G)の被転写面に転写された絵柄層(D)によって、所望の意匠が付与された転写物品が得られる。
(3)水圧転写された絵柄層を有する被転写体(G)
かくして得られた水圧転写された絵柄層(D)を有する被転写体(G)は、絵柄層(D)のぼやけの発生しない絵柄層(D)が受像層(C)で覆われ、更にその上には表面層を形成する目止め層(B)が存在して耐擦過性に優れるものである。また、絵柄層(D)は伸展が少ないので、印刷模様の色濃度も正確に再現される。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本実施例で使用した原材料、及び評価項目について以下に記載する。
1.原材料
(1)支持体シート
厚さ40μmのポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製:商品名ハイセロンC−300)を支持体シートとして用いた。
(2)目止め層形成塗工液
目止め層の形成方法としては、印刷インキ((株)ザ・インクテック製、商品名:KLCF)を塗工液として用い、グラビアコート法により目止め層を形成した。
なお、このインキ中には、炭酸カルシウムとシリカからなる無機顔料17質量%と、バインダー樹脂(酢酸セルロースとアルキッド樹脂からなるバインダー樹脂)4質量%とを固形分33.5質量%となるように溶解せしめられている。該印刷インキの溶剤としては、イソプロピルアルコール、トルエン、及び酢酸エチルからなる混合溶剤が使用されている。
(3)受像層形成塗工液
受像層を形成する塗工液インクとして、下記の水分散性樹脂を含有する受像層形成用塗工液を使用した。
樹脂中にカチオン性基が導入された自己分散性タイプで、pHが7.5〜9.0に保たれたウレタン系樹脂を含有する(大日本インキ(株)製、商品名:パラコール RSI−001)を使用した。
尚、固形分濃度は、35質量%であり、溶剤は水/メタノール(重量比):1/1である。
(4)インキ
インクジェット印刷に使用可能な水性インキである、ローランドDG社製、エコソル MAXインク,品番:MAX−ESL3シリーズを用いた。
(5)活性剤
活性剤は、大橋化学(株)製、CPA−H(成分:フタル酸系アルキッド(樹脂)、マイクロシリカ(顔料)、DBP(添加剤)、溶剤)を用いた。
(6)被転写基材
ABS成形体を使用した。
2.評価項目
(イ)受像層の形成性の評価について
支持体シート上にインクジェット印刷にて受像層を形成し、以下の項目の評価を行った。
(i)受像層の印刷性:塗工ムラ、転移性について評価した。評価基準は下記の通りとした。
◎:塗工ムラと転移性が全く観察されない。
○:ルーペによる観察で塗工ムラと転移性がかすかに認められたが実用上問題ないレベルである。
×:塗工ムラ及び/又は転移性が観察される。
(ii)受像層の透明性:白濁感の有無について評価した。評価基準は下記の通りとした。
○:白濁感は観察されない。
×:白濁感が観察される。
(ロ)受像層への絵柄層の印刷性の評価について
受像層にインクジェットによる印刷を行い、受像層における印刷性として、グラデーションと絵柄の印刷性について評価した。
(i)グラデーション:インキの泳ぎ(ムラ)と転移性について評価した。評価基準は下記の通りとした。
◎:インキの泳ぎがなく、転移性もない。
○:インキの泳ぎが若干みられるものの、転移性は実用上問題のないレベルでる。
×:インキに泳ぎが有り、転移性がある。
(ii)絵柄の印刷性:インキの泳ぎと、転移性について評価を行った。評価基準は下記の通りとした。
◎:インキの泳ぎがなく、転移性もない。
○:インキの泳ぎが若干みられるものの、転移性は実用上問題のないレベルである。
×:インキに泳ぎが有り、転移性がある。
(iii)受像層印刷後の割れ:水圧転写後、1日経過してから、受像層の割れの有無を目視にて監査した。評価基準は下記の通りとした。
◎:割れが全く観察されない。
○:ごく僅かな割れが観察されたが、実用上問題のないレベルである。
×:割れが観察される。
(ハ)水圧転写性の評価について
(i)水面上でのシワの発生:水面にて受像層の伸展に起因するシワ発生の有無の評価(表1中に該評価項目を「水面」と記載する)を行った。評価の基準は下記の通りとした。
◎:受像層にシワが観察されなかった。
○:受像層にごく僅かなシワは観察されたが実用上問題のないレベルである。
×:受像層にシワが観察された。
(ii)伸展性:水面にて受像層の伸び、及び支持体シートの伸展性について評価した。評価の基準は下記の通りとした。
◎:水面にてフィルムが適度に伸び、基材に十分伸展される。
○:水面にてフィルムが適度に伸び、基材に伸展される。
×:水面にてフィルムが伸び難い、または伸び過ぎたため、基材に十分伸展されない。
(iii)付き廻り性:支持体シートに対して、受像層の付き廻り性の評価を行った。評価の基準は下記の通りとした。
◎:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が十分である。
○:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が少ないが実用上問題のないレベルである。
×:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が十分でない。
(iv)絵柄層における白茶けの発生:水圧転写後に乾燥して得られる被転写体を1日間放置後の白茶けの発生有無を観察した。
◎:白茶けは全く観察されなかった。
○:白茶けが僅かに観察されたが、実用上問題のない程度である。
×:白茶けが目視で明らかに観察された。
(1)水圧転写用シートの製造
(i)支持体シート上に、目止め層、受像層の形成
支持体シート上に、グラビアコート法により目止め層形成塗工液を塗工量2g/m塗布し、乾燥して目止め層を形成した。次に、インクジェット印刷機(ローランドDG社製、ソルジェットSC−545EXW)を用いて、目止め層上に水分散性樹脂を含む受像層形成用塗工液を塗工量4g/m塗布して乾燥し、受像層を形成した。
(ii)絵柄層の形成
インクジェット印刷機(ローランドDG社製、ソルジェットSC−545EXW)と前記インキを用いて該受像層上に、解像度720dpiにて印刷を行い、水圧転写用シートを作製した。
得られた水圧転写用シートについて、(i)受像層の印刷性、(ii)受像層の透明性、(iii)印刷性(グラデーション、人物(又は木目)、受像層印刷後の割れ)を評価した結果をまとめて表1に示す。
(2)水圧転写
(i)絵柄層上に活性剤の塗工
水圧転写用シートの製造で得た水圧転写用シートの絵柄層上に前記活性剤を3g/m塗工し、室温下で乾燥した。
(ii)水圧転写
前記活性剤を塗布して得られた水圧転写用シートを水温30℃の水面上に前記転写シートの支持体シート側が水面側を向く様にして水面に浮遊せしめ、1分間経過後に、該支持体シートが膨潤した状態に於いて、被転写基材を水圧転写用シートの上方から押入れ、該成形体の表面に延展、密着させた。次いで、表面に水圧転写用シートが延展、密着している被転写基材を水中から引出した
(iii)支持体シートの除去、乾燥
表面に転写用シートが延展、密着している被転写基材を40℃の温水で30分間シャワーした後、さらに清水でシャワーし、転写用シートのポリビニルアルコールと澱粉から成る支持体シートを除去し、続いて乾燥に付し、印刷模様が形成されたポリスチレン樹脂成形体を得た。
水圧転写における、(i)転写性、(ii)付き廻り性、(iii)伸展性、及び(iv)白茶け発生の有無を評価した。
評価結果をまとめて表1に示す。
[比較例1]
目止め層を形成しなかった以外は、実施例1に記載したと同様に、水圧転写用シートを作製し、得られた水圧転写用シートを用いて水圧転写し、被転写体を得た。
これらの水圧転写用シートと被転写体について、実施例1に記載したと同様の評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005196136
本発明の水圧転写法に用いられる水圧転写用シートの概略断面図である。 本発明の水圧転写法の一例を示す概念図である。
符号の説明
A 支持体シート
B 目止め層
C 受像層
D 絵柄層
E 水圧転写用シート
F 被転写基材

Claims (4)

  1. 水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、
    受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、
    かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする、水圧転写用シート。
  2. 前記目止め層(B)が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、硝化綿、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリビニルブチラールから選択される1種又は2種以上の樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の水圧転写用シート。
  3. 少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)をこの順に形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
    次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、その後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
    を含む水圧転写法であって、
    受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなることを特徴とする、水圧転写法。
  4. 前記絵柄層(D)が、インクジェット印刷により形成されることを特徴とする、請求項に記載の水圧転写方法。
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