JP5196136B2 - 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 - Google Patents
水圧転写用シート、及び水圧転写方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5196136B2 JP5196136B2 JP2008077861A JP2008077861A JP5196136B2 JP 5196136 B2 JP5196136 B2 JP 5196136B2 JP 2008077861 A JP2008077861 A JP 2008077861A JP 2008077861 A JP2008077861 A JP 2008077861A JP 5196136 B2 JP5196136 B2 JP 5196136B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- resin
- layer
- hydraulic transfer
- receiving layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Decoration By Transfer Pictures (AREA)
Description
本発明は、水圧転写を行う際に、水性インクの吸収性のよい受像層を使用し、インクジェット印刷により該受像層に絵柄層を形成しても、水圧転写された絵柄層を有する成形体において白茶けの生じない、優れた水圧転写用シートを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(4)に記載する発明を要旨とする。
(1)水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、
かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする、水圧転写用シート。
(2)前記目止め層(B)が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、硝化綿、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリビニルブチラールから選択される1種又は2種以上の樹脂からなることを特徴とする、前記(1)に記載の水圧転写用シート。
(3)少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)をこの順に形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、その後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
を含む水圧転写法であって、
受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなることを特徴とする、水圧転写法。
(4)前記絵柄層(D)が、インクジェット印刷により形成されることを特徴とする、前記(3)に記載の水圧転写方法。
更に、従来の静電印刷により絵柄層を形成すると、感光体及びトナーが不安定であることから色再現性に問題があったが、インクジェット印刷を採用すると、静電印刷のような色再現性の問題がなく、色再現性が良好であり、成形品に優れた意匠を付与することができる。
また、図2は本発明の水圧転写方法の一例を示す概念図である。図2に示す様に、水圧転写用シート(E)を支持体シート(A)側が水面側を向き絵柄層(D)側が上を向く様にして、水圧転写用シート(E)を水面(W)に浮べると共に、活性剤が塗布された絵柄層(D)の上方から被転写基材(F)を押入れ、該基材の表面に伸展、密着させ、次いで、表面に水圧転写用シート(E)が伸展、密着している被転写基材(F)を水中から引出して、温水シャワー等により支持体シート部分を除去し、続いて乾燥に付して絵柄模様が形成された被転写体(G)を得る。
第一の態様である「水圧転写用シート」は、水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、
受像層(C)が少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする。
支持体シート(A)としては、水溶性又は水膨潤性を有するシートであれば特に制限なく、使用することができる。支持体シート(A)に使用できる具体的な材料として、ポリビニルアルコール樹脂(けん化物を含む)、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。そして、これらの中から選択した1種単独、或いは2種以上の混合物を製膜すれば、支持体シートが得られる。
支持体シート(A)として好ましいのは、鹸化ポリビニルアルコールである。支持体シート(A)の厚さは、10〜100μm程度が好ましい。
目止め層(B)は、本発明の水圧転写用シート(E)に必須の層であり、支持体シート(A)と受像層(C)間に設けられて、水圧転写シート作成工程においては、水性樹脂からなる受像層(C)形成時における主溶媒である水により、支持体シート(A)が水溶または水膨潤することを防ぐ作用を有し、また水圧転写工程においては、水圧転写用シートを水面に浮遊させた際、支持体シート(A)から受像層(C)に水分が透過してくるのを防ぐ作用を有し、また更には水圧転写後の被転写体(G)の表面層を形成する。従って、目止め層(B)を形成する樹脂層は上記作用を発揮させるためには、水分透過性の低い樹脂で、かつ外観性、耐候性等に優れている必要がある。
また、支持体シート(A)上に目止め層(B)を形成する方法としては、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等が挙げられる。これらの中でもインクジェット印刷が好ましい。目止め層(B)は、水分透過性の低い樹脂を有機溶剤に溶解した溶液(目止め層形成塗工液)として、支持体シート(A)上に所望の厚みに塗布後、乾燥して形成される。
目止め層(B)の乾燥後の膜厚は、1〜10μmが好ましく、1〜2μmがより好ましい。
従って、目止め層(B)の形成に使用する樹脂としては、水分透過性が低いこと、受像層(C)との密着性が良好なこと、水圧転写後には表面層を形成するので、透明性、外観性、耐磨耗性、耐候性等に優れていることが必要とされる。尚、水圧転写後に支持体シート(A)は、水に溶解又は水洗等により除去されるので、目止め層(B)と支持体シート(A)間の高い密着性は必要とされない。
(i)アクリル樹脂
アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
ウレタン樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液硬化型(湿気硬化型)ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等が挙げられる。2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネート等が挙げられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体等が挙げられる。なお、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネートは耐候性、耐熱黄変性に優れているので好適に使用することができる。
エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂に脂肪酸を反応した、いわゆるエポキシエステルにカルボキシル基含有ビニルモノマーをグラフト重合し、中和水分散したビニル変性エポキシエステル樹脂等が例示できる。
(iv)アルキド樹脂
アルキド樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応で得られる樹脂であり、本発明においてアルキド樹脂にはアミノアルキド樹脂等の変性アルキド樹脂も含まれる。アミノアルキド樹脂はアミノ樹脂とアルキド樹脂とを配合した樹脂である。また、アミノ樹脂は尿素、メラミン、グラアナミン、アニリン、スルホアミド、或いはアミノ基含有アクリル樹脂等のアミノ基含有化合物のアミノ基にホルムアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、尿素の場合は尿素樹脂、メラミンの場合はメラミン樹脂、グラアナミンの場合はグアナミン樹脂、アニリンの場合はアニリン樹脂等とも呼ばれる。また、アルキド樹脂は、例えば、無水フタル酸等の二塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステルを、更にヒマシ油等の各種の油脂又は脂肪酸で変性したものが代表的であるが、更にロジンやフェノールで変性したロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂等の変性アルキド樹脂等もある。
上記した樹脂のうち、アルキド樹脂と硝化綿を含有することが好ましい。
目止め層形成塗工液に使用される溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等、又はこれらの2種以上の混合物である非水溶性有機溶剤が好適に用いられる。
受像層(C)は、少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなる。
本発明において、受像層(C)を少なくとも水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有する水性樹脂層とするのは、絵柄層(D)をインクジェットにより形成する場合には、その上に絵柄層(D)が掲載される受像層(C)として、インクのにじみを防止してインク吸収性が良好である、上記水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を主成分とする層である水性樹脂層とするのが好ましいからである。水性樹脂層を構成する水性樹脂(S)は、水溶性樹脂(S1)と水分散性樹脂(S2)に分類されるので、水性樹脂層は水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)が主成分である。尚、水性樹脂層は、前記水性樹脂(S)のみから形成することも可能であるが、実用上後述する他の添加剤を配合した水性樹脂組成物(以下、水性樹脂組成物ということがある。)から形成することが好ましい。水性樹脂(S)は、主溶媒が水であり、水に溶解する性質を有する水溶性樹脂(S1)と、水に分散する性質を有する樹脂である水分散性樹脂(S2)に大別される。水分散性樹脂(S2)は水に樹脂を分散させるために通常、乳化剤が使用され、分子中に親水基を有している。
受像層(C)は、目止め層(B)上に塗布・乾燥して形成する際にべとつきがなく、適度の乾燥性を有することが必要とされる。また、乾燥後には、透明で絵柄層の顔料の染み込みが良好で、被転写体(G)との密着性にも優れることが必要とされる。更に、水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させた際に支持体シート(A)の伸展に追従して目止め層(B)と共に受像層(C)が適度に伸展する物性を有することが必要とされる。この場合の受像層(C)に適度の伸展性と追従性を付与するためには、受像層(C)を後述するような適度な厚みに形成することが好ましい。
以下に水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)について説明する。
本発明に使用可能な水溶性樹脂(S1)は、構造と製法に特に制限はない。その具体的な例として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンイミン、ポリアミド、各種の第四級アンモニウム塩基含有水溶性樹脂、デンプン、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
前記水溶性樹脂(S1)の分子量としては、受像層(C)に要求される物性、例えば、皮膜の強度やコーティングに適した受像層形成塗工液の粘度等の観点から、1万〜200万程度が好ましい。
本発明の水性樹脂組成物に使用するPVAとしては、水性樹脂組成物の要求物性に応じて適宜適当なケン化度、重合度のものも使用することができる。PVAの市販品として、種々のケン化の割合(ケン化度)、重合度を有するPVAがあり、これらを利用することができる。例えば、水性樹脂組成物をバリヤーコートに適用する場合は、水、各種溶剤、気体に対するバリヤー性の観点から、ケン化度は90%以上、重合度は500以上が好ましい。
本発明の水分散性樹脂(S2)とは、該樹脂が水に完全に溶解した形態をとり得ず、水に分散した形態をとり得る樹脂のことを示す。水分散性樹脂(S2)の具体例は、ウレタンエマルジョンから形成される樹脂であるが、本発明の効果を損なわない範囲で樹脂;スチレン−ブタジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系等の合成ゴム;アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂等のエマルジョンを使用することができる。一般に水分散性樹脂(S2)は、水溶性樹脂(S1)に比べ、高固形分化が容易であるため、両者を併用すると受像層形成塗工液の固形分を増加することができる、すなわち溶媒である水の量を減少させることができる。このため、受像層形成塗工液の加工性向上、例えば塗工後の乾燥時間の短縮、塗工厚の調整の容易性等の効果がある。また水分散性樹脂(S2)は、水溶性樹脂(S1)単独では不足する物性を向上することが出来る。
前記カチオン性基の例としては、第3級アミノ基、これを中和してなる第3級アミン塩、及び4級アンモニウム塩基等を挙げることができる。これらのうち、水分散性樹脂の安定性がより良好となるため、第3級アミン塩、及び4級アンモニウム塩基が好ましい。第3級アミノ基の中和剤の例としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、乳酸等の酸を挙げることができる。
前記ノニオン性基の例としてはエチレンオキシドの繰り返し単位からなる基、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基等を挙げることができる。両性基の例としてはベタイン基等を挙げることができる。 水分散性樹脂(S2)の分子量としては、本発明の受像層形成塗工液の耐久性等の観点から、重量平均で1万以上あることが好ましい。本発明の受像層形成塗工液に強靭性、耐久性、耐水性、各種基材への密着性が重視される場合に対応して、水分散性樹脂(S2)として、ウレタンエマルジョンを使用する。
ウレタン樹脂の水分散体の製造方法としては、例えば、以下の方法(a)〜(c)が挙げられる。
(a)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、必要に応じて中和剤を含む水溶液を混合して水分散体を得る方法。
(b)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤を含む水溶液と混合するか、又は予めプレポリマー中に中和剤を加えた後水を混合して水に分散させた後、ポリアミンと反応させて水分散体を得る方法。
(c)活性水素含有化合物と、親水性基を有する化合物、及びポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤及びポリアミンを含む水溶液と混合するか、又は予めプレポリマー中に中和剤を加えた後、ポリアミンを含む水溶液を添加混合して水分散体を得る方法。
本発明の実施に際しては、一般に市販されている自己分散性ウレタン樹脂の水分散体を使用することができる。かかる市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:「パラコールRSI−001」、「ボンディック」、及び「ハイドラン」、バイエル社製、商品名「インプラニール」等が挙げられる。本発明で用いる自己分散性ウレタン樹脂の水分散体の平均粒子径は、ウレタン樹脂粒子の安定性や、インクジェット受理層の耐水性及び光沢の観点から、3.0μm以下であることが好ましい。
また、水分散性樹脂(S2)として、本発明の効果を損なわない範囲で合成ゴムを使用することができる。合成ゴムの水分散体(合成ゴムラテックス)の製法としては、例えば脂肪族共役ジエン系単量体と、共重合可能な他の重合性単量体とを乳化重合することによって得られる。ここで用いる脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,2−ブタジェン、1,3−ブタジェン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
また、共重合可能な他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アルリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル(例えばマレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノノルマルブチル)等のカルボキシル基を有する不飽和結合含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン等のエチレン性不飽和芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクロニトリル等の不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の如きビニルエステル;塩化ビニリデン臭化ビニリデン等のビニリデンハライド;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;(メタ)アクリルアミド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルミド等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアンモニウムクロライド(ライオン(株)製アーカード12−50)等が挙げられ、さらに両イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
また、受像層(C)に耐光性が要求される場合、水分散性樹脂(S2)として、本発明の効果を損なわない範囲でアクリル樹脂を使用することができる。アクリル樹脂の水分散体(以下、アクリル樹脂エマルジョンということがある)の製法としては、重合開始剤、必要に応じて乳化剤及び分散安定剤の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須の重合性単量体成分とし、さらに必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の重合性単量体の混合物を共重合させることにより得ることができる。
また、アクリル樹脂エマルジョンを製造する際の重合温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等により異なるが、水性媒体中で重合する場合は通常30〜90℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明で用いる水分散性樹脂(S2)はpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョン以外の1種類でも、2種類以上を併用しても良く、要求物性に応じて適宜選択して使用することができる。
本発明の受像層形成塗工液においては、水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)のいずれか、又は両者に、第四級アンモニウム塩基が含有されていることが好ましい。第四級アンモニウム塩基はカチオン性を有しているため、インクジェットインクの色材、即ち染料や顔料中のアニオン性基と静電的に結合し、印刷画像の耐水性を向上させ、にじみを防止することができる。第四級アンモニウム塩基を含有する水溶性樹脂としては、例えばエピクロルヒドリンポリアミド樹脂、アミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン塩含有樹脂、ポリビニルアミン塩含有樹脂、ポリビニルアミジン樹脂、ポリアリルアミン塩含有樹脂、が挙げられる。
その製造方法としては、例えば、第四級アンモニウム塩基を有するモノマー又はポリオールを共重合する方法や、3級アミノ基を有するモノマー又はポリオールを共重合した後、その3級アミノ基部分をアルキルハライド、ジアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸アルキル等のいわゆる4級化剤を用いて4級アンモニウム塩化する方法等を挙げることができる。
本発明の受像層形成塗工液においては、水分散性樹脂(S2)として自己分散性ウレタン樹脂を用いると、印刷画像の発色濃度向上、顔料インク印刷適性付与、基材への密着性向上等の効果がある点から好ましい。
難燃性としては、有機系難燃剤を使用することができ、これらの成分としては、公知の塩素系、臭素系、リン系、シリコーン系、窒素系、リン及びハロゲン系、リン及び窒素系など、好ましくは塩素系、臭素系、リン系およびシリコーン系の有機難燃剤が挙げられる。これらの好ましい配合量はインクの転移性、画像再現性、印字物の濃度等を考慮して適宜決定することができる。
受像層(C)を形成する際に受像層形成塗工液の塗布方法としては、グラビアコーター(グラビアダイレクトコーター、グラビアリバースロールコーターなど)、リバースロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーターなどの公知の方法を用いることができる。
目止め層(B)上への受像層形成塗工液の塗布量は特に制限されるものではないが1〜10g/m2程度が好ましく、塗布後公知の乾燥方法により溶媒を揮発させて乾燥する。
乾燥後の受像層(C)の膜厚は1〜40μmが好ましい。受像層(C)の膜厚が40μmを超えると支持体シートの伸展を1.1〜1.5倍程度に制御するのが困難な場合がある。
受像層(C)面に絵柄層(D)を形成する手段は特に制限はないが、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等により絵柄層(D)として形成される。これらの中でもインクジェット印刷が特に好ましい。
特に、インクジェット印刷は、小ロットの印刷を行う場合、商業印刷等で汎用化されているオンデマンド印刷で絵柄層(D)を形成するのはきわめて効果的である。このオンデマンド印刷は静電印刷(コピー)を応用した方式ではなく、インクジェット印刷を利用して行う。インクジェット印刷に用いる装置としては、インクジェット印刷機、該印刷機の制御及び画像情報処理受用の電子計算機、原稿画像を読込んでAD変換するスキャナ装置、画像情報を記憶用の記憶装置、画像表示装置等から構成される。これらの装置を用いて、画像データを取込、該画像に顧客の要望も取入れてCRT等の画像表示装置に画像を表示してデスクトップ上で色調の調整、画像の補正(不要部分の除去等)、他の画像データとの組合わせ、画像の殖版、画像のエンドレス化等の処理を行い、これを受像層(C)の表面にインクジェット印刷して絵柄層(D)を形成する。
インクジェット印刷は、細いノズルからインキを粒子(液滴)の状態で噴出させて印刷を行なう方法であり、インキの噴出法とインキの粒子の制御法の種類により、荷電制御型、Hertz型、電界制御型、圧力制御型(オンデマンド型)等の方法がある。
上記インクジェットインクとして、特に屋外使用性能に耐え得る非水系のビヒクルに、無機および/または有機顔料を分散した顔料タイプの非水系インクジェットインクが使用可能であり、主溶媒にグリコールエーテル類を含む顔料タイプのインクジェットインクが好ましい。上記のグリコールエーテル類としては、例えば、ジまたはトリエチレングリコールのモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノブチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテルまたはモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールのモノブチルエーテル、ジエチレングリコールのモノヘキシルエーテルなどのエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル、およびそれらの混合物などが挙げられる。なお、上記インクジェットインクとして、公知の染料タイプを使用した水系のインクジェットインクも使用することができる。
インクジェット印刷に用いられるインキとしては、ノズルの目詰り防止、有機溶剤についての防火(防爆)及び衛生管理の煩雑さの回避の点から、水性(水溶液或は水分散エマルジョン)インキを用いることもできる。好ましい形態の一つとして、印刷時は水性とし、印刷後は非水溶性且つ非水膨潤性化せしめる事が挙げられる。このような形態の具体例として、ポリオールとブロックイソシアネートから水性インキを構成してインクジェット印刷し絵柄層(D)を形成し、印刷後(水面に浮べる前までの間)、該絵柄層(D)を加熱してブロック解除し、ポリオールとイソシアネートを架橋させ、絵柄層(D)を非水溶性且つ非水膨潤性化する方法がある。
絵柄層(D)を形成する際の印刷条件は、とくに限定されるものでなく、通常のインクジェットプリンターを使用し、通常の印字スピード、解像度にて、例えば、解像度720dpiにて印刷可能である。
第1の態様の水圧転写用シート(E)における受像層(C)は水性樹脂層からなるので、絵柄層(D)を形成する際に水性インクを使用したインクジェット印刷が可能であり、得られる画像はフルカラー化が容易で、且つ印字品質に優れている。また、支持体シート(A)と受像層(C)間に水分透過性の低い目止め層(B)が設けられているので、支持体シート(A)から受像層(C)への水分の透過が抑制される結果、絵柄層(D)において白茶けたぼやけも生じず、水圧転写用シートとして優れている。
本発明の第2の態様における「水圧転写法」は、少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)を形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、乾燥後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
を含む水圧転写法であって、
受像層(C)が水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなる、
ことを特徴とする。
以下に、上記「水圧転写用シート形成工程」と「水圧転写工程」について説明する。
(1)水圧転写用シート形成工程
「水圧転写用シート形成工程」は、水溶性若しくは水膨潤性の支持体シート(A)上に透明な透明な目止め層(B)と受像層(C)を形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程である。尚、以下の「水圧転写用シート形成方法」の説明において、第1の態様の「水圧転写用シート」の項に記載したのと同様の部分は記載を省略する場合がある。
支持体シート(A)、上に目止め層(B)、及び受像層(C)については、第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。また、目止め層(B)、及び受像層(C)の形成それぞれ使用する目止め層形成塗工液、受像層形成塗工液、並びに塗工方法についても第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。
受像層(C)面に絵柄層(D)を形成する手段は特に制限はないが、インクジェット印刷、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方式、スクリーン印刷方式、刷毛塗り、へら塗り、吹き付け塗り等により絵柄層として形成される。これらの中でもインクジェット印刷が特に好ましい。
特に、インクジェット印刷は、小ロットの印刷を行う場合、商業印刷等で汎用化されているオンデマンド印刷で絵柄層(D)を形成するのはきわめて効果的である。このオンデマンド印刷は静電印刷(コピー)を応用した方式ではなく、インクジェット印刷を利用して行なう。インクジェット印刷に用いる装置としては、インクジェット印刷機、該印刷機の制御及び画像情報処理受用の電子計算機、原稿画像を読込んでAD変換するスキャナ装置、画像情報を記憶用の記憶装置、画像表示装置等から構成される。これらの装置を用いて、画像データを取込、該画像に顧客の要望も取入れてCRT等の画像表示装置に画像を表示してデスクトップ上で色調の調整、画像の補正(不要部分の除去等)、他の画像データとの組合わせ、画像の殖版、画像のエンドレス化等の処理を行い、これを受像層(C)の表面にインクジェット印刷して絵柄層(D)を形成する。
一般的にインクジェット印刷に用いられるインクについては第1の態様の「水圧転写用シート」に記載したのと同様である。
「水圧転写工程」は、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シートを水面に浮遊させて水圧転写用シートを伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シートの絵柄層(D)面を密着させ、乾燥後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程である。
(イ)被転写基材(F)
本発明方法において、被転写基材(F)としては各種の製品が利用できる。例えば、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の樹脂成形体、鉄、アルミニウム、銅等の金属成形体、木質成形体、硝子、陶磁器、其他各種無機質成形体等の、所定の立体形状に形成されたものが最適に利用できる。
尚、被転写基材(F)の被転写面には水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)又は受像層(C)との密着性を良好ならしめる為の易接着処理を施しておくことができる。易接着処理は、易接着層の形成、或はコロナ放電処理等がある。易接着層は例えば被転写体が(G)ポリスチレン樹脂成形体の場合にはウレタン系やアクリル系の樹脂を用いた塗工組成物を塗工して形成される。
(i)活性剤の塗布
水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)を活性化させるとは、該絵柄層(D)の一部が溶解或は膨潤して、被転写体(G)に付着し易い状態として接着力を付与する事である。このような活性剤としては、絵柄層(D)のバインダー成分を溶解或は膨潤可能な溶剤を含有するものが用いられる。活性剤として用いられる溶剤は、受像層(C)の溶剤として例示したものの中から適宜絵柄層(D)のバインダー成分に応じて選択することができる。
活性剤は上記溶剤のみから構成してもよいが、水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)が被転写基材(F)の被転写面に転写される工程が水面上で完了するまでは蒸発することがなく、さらには被転写基材(F)の表面を浸蝕することのないものであることが好ましい。このような活性剤としては、前記した絵柄層(D)を活性化させる溶剤中に、下記の樹脂を溶剤の5〜60質量%程度となるように添加してなる膨潤化液を用いることができる。上記膨潤化液は、活性剤の粘度調整が容易であり、塗工液の塗付手段が幅広く利用可能であり、転写工程に時間がかかった場合でも安定した接着性を得ることができるといった利点がある。
(i-1)先ず、水圧転写用シートの装飾層面側に活性剤を塗工した後に、水圧転写用シートを支持体シート側が水面側を向く様にして水面上に浮遊させる方法
(i-2)先ず、水圧転写用シートを支持体シート側が水面側を向く様にして、水面上に浮遊させてから、その水圧転写用シートの装飾層面側に活性剤を塗工する方法
水圧転写用シート(E)を水面(W)上に浮遊させる手段は、枚葉の水圧転写用シートを1枚ずつ浮べたり、水を1方向から流した水面上に、連続帯状の水圧転写用シートを連続的に供給して浮べたりする。
水圧転写用シート(E)を水面(W)に浮遊させた際に支持体シート(A)部の伸展を好ましくは1.2〜1.5倍程度になるように制御する。このような制御手段としては、例えば支持体シート(A)の端部を固定する等の物理的手段により容易に行うことが出来る。
水圧転写においては、上記活性剤を塗布した後の水面上の水圧転写用シート(E)に対して、被転写基材(F)を上から押圧して、水圧によって該水圧転写用シート(E)を被転写基材(F)に密着させ、絵柄層(D)を被転写基材(F)の被転写面に密着させる。図2は、この工程を概念的に示す説明図である。すなわち、水圧転写においては、水面(W)上に浮遊させた水圧転写用シート(E)の上から、被転写基材(F)をその装飾すべき被転写面が下方となるようにして下降させて、被転写基材(F)を水中に押し込むことで、その被転写面の形状に沿って水圧転写用シート(E)を伸ばし変形させて、水圧によって被転写基材(F)の被転写面に水圧転写用シート(E)を密着させる。
なお、水圧転写用シート(E)を浮べ水圧により転写する為の水は、水圧転写用シート(E)中の支持体シート(A)の種類(例えば水溶性或は水膨潤性の差)等に応じ、適宜水温を調整することが望ましい。例えば、支持体シート(A)が澱粉系シートの場合は水温40〜50℃が良い。また、支持体シート(A)の除去を促進する添加剤を添加しても良く、例えば澱粉系シートの場合はアミラーゼ等を添加することが好ましい。
上記水圧転写の後に、更に脱膜工程を適宜行う。この脱膜工程は、上記水圧転写工程にて、支持体シート(A)も、受像層(C)と絵柄層(D)と共に被転写基材(F)の被転写面に押圧されて被転写基材(F)に密着している場合に、その支持体シート(A)を溶解或いは洗浄で除去し、受像層(C)と絵柄層(D)を被転写基材(F)上に残す工程である。従って、被転写基材(F)を水中に押込み水圧転写するときに、支持体シート(A)が水に完全に溶解して水面上に受像層(C)と絵柄層(D)のみが浮遊している場合には、この脱膜工程は不要な場合もある。脱膜工程では、水圧転写用シート(E)の支持体シート(A)の少なくとも一部が溶解せずに被転写基材(F)上に残存している場合には、被転写基材(F)の被転写面に絵柄層(D)が十分に密着後、その支持体シート(A)を除去する。
支持体シート(A)の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行う。脱膜工程により、被転写面に付着している支持体シート(A)は完全に除去される。なお、シャワー洗浄の条件は、支持体シート(A)の種類等で異なるが、通常は水温15〜60℃、洗浄時間10秒〜5分が好ましい。そして、脱膜工程後、或いは脱膜工程が省略される場合は、前記水圧転写工程後、又は水圧転写工程の最後に、被転写体(G)を十分乾燥し水分を蒸発させれば、被転写体(G)の被転写面に転写された絵柄層(D)によって、所望の意匠が付与された転写物品が得られる。
かくして得られた水圧転写された絵柄層(D)を有する被転写体(G)は、絵柄層(D)のぼやけの発生しない絵柄層(D)が受像層(C)で覆われ、更にその上には表面層を形成する目止め層(B)が存在して耐擦過性に優れるものである。また、絵柄層(D)は伸展が少ないので、印刷模様の色濃度も正確に再現される。
1.原材料
(1)支持体シート
厚さ40μmのポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製:商品名ハイセロンC−300)を支持体シートとして用いた。
(2)目止め層形成塗工液
目止め層の形成方法としては、印刷インキ((株)ザ・インクテック製、商品名:KLCF)を塗工液として用い、グラビアコート法により目止め層を形成した。
なお、このインキ中には、炭酸カルシウムとシリカからなる無機顔料17質量%と、バインダー樹脂(酢酸セルロースとアルキッド樹脂からなるバインダー樹脂)4質量%とを固形分33.5質量%となるように溶解せしめられている。該印刷インキの溶剤としては、イソプロピルアルコール、トルエン、及び酢酸エチルからなる混合溶剤が使用されている。
受像層を形成する塗工液インクとして、下記の水分散性樹脂を含有する受像層形成用塗工液を使用した。
樹脂中にカチオン性基が導入された自己分散性タイプで、pHが7.5〜9.0に保たれたウレタン系樹脂を含有する(大日本インキ(株)製、商品名:パラコール RSI−001)を使用した。
尚、固形分濃度は、35質量%であり、溶剤は水/メタノール(重量比):1/1である。
(4)インキ
インクジェット印刷に使用可能な水性インキである、ローランドDG社製、エコソル MAXインク,品番:MAX−ESL3シリーズを用いた。
(5)活性剤
活性剤は、大橋化学(株)製、CPA−H(成分:フタル酸系アルキッド(樹脂)、マイクロシリカ(顔料)、DBP(添加剤)、溶剤)を用いた。
(6)被転写基材
ABS成形体を使用した。
(イ)受像層の形成性の評価について
支持体シート上にインクジェット印刷にて受像層を形成し、以下の項目の評価を行った。
(i)受像層の印刷性:塗工ムラ、転移性について評価した。評価基準は下記の通りとした。
◎:塗工ムラと転移性が全く観察されない。
○:ルーペによる観察で塗工ムラと転移性がかすかに認められたが実用上問題ないレベルである。
×:塗工ムラ及び/又は転移性が観察される。
(ii)受像層の透明性:白濁感の有無について評価した。評価基準は下記の通りとした。
○:白濁感は観察されない。
×:白濁感が観察される。
(ロ)受像層への絵柄層の印刷性の評価について
受像層にインクジェットによる印刷を行い、受像層における印刷性として、グラデーションと絵柄の印刷性について評価した。
(i)グラデーション:インキの泳ぎ(ムラ)と転移性について評価した。評価基準は下記の通りとした。
◎:インキの泳ぎがなく、転移性もない。
○:インキの泳ぎが若干みられるものの、転移性は実用上問題のないレベルでる。
×:インキに泳ぎが有り、転移性がある。
(ii)絵柄の印刷性:インキの泳ぎと、転移性について評価を行った。評価基準は下記の通りとした。
◎:インキの泳ぎがなく、転移性もない。
○:インキの泳ぎが若干みられるものの、転移性は実用上問題のないレベルである。
×:インキに泳ぎが有り、転移性がある。
(iii)受像層印刷後の割れ:水圧転写後、1日経過してから、受像層の割れの有無を目視にて監査した。評価基準は下記の通りとした。
◎:割れが全く観察されない。
○:ごく僅かな割れが観察されたが、実用上問題のないレベルである。
×:割れが観察される。
(i)水面上でのシワの発生:水面にて受像層の伸展に起因するシワ発生の有無の評価(表1中に該評価項目を「水面」と記載する)を行った。評価の基準は下記の通りとした。
◎:受像層にシワが観察されなかった。
○:受像層にごく僅かなシワは観察されたが実用上問題のないレベルである。
×:受像層にシワが観察された。
(ii)伸展性:水面にて受像層の伸び、及び支持体シートの伸展性について評価した。評価の基準は下記の通りとした。
◎:水面にてフィルムが適度に伸び、基材に十分伸展される。
○:水面にてフィルムが適度に伸び、基材に伸展される。
×:水面にてフィルムが伸び難い、または伸び過ぎたため、基材に十分伸展されない。
(iii)付き廻り性:支持体シートに対して、受像層の付き廻り性の評価を行った。評価の基準は下記の通りとした。
◎:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が十分である。
○:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が少ないが実用上問題のないレベルである。
×:基材に対して、フィルムが付き廻り(密着)が十分でない。
(iv)絵柄層における白茶けの発生:水圧転写後に乾燥して得られる被転写体を1日間放置後の白茶けの発生有無を観察した。
◎:白茶けは全く観察されなかった。
○:白茶けが僅かに観察されたが、実用上問題のない程度である。
×:白茶けが目視で明らかに観察された。
(i)支持体シート上に、目止め層、受像層の形成
支持体シート上に、グラビアコート法により目止め層形成塗工液を塗工量2g/m2塗布し、乾燥して目止め層を形成した。次に、インクジェット印刷機(ローランドDG社製、ソルジェットSC−545EXW)を用いて、目止め層上に水分散性樹脂を含む受像層形成用塗工液を塗工量4g/m2塗布して乾燥し、受像層を形成した。
(ii)絵柄層の形成
インクジェット印刷機(ローランドDG社製、ソルジェットSC−545EXW)と前記インキを用いて該受像層上に、解像度720dpiにて印刷を行い、水圧転写用シートを作製した。
得られた水圧転写用シートについて、(i)受像層の印刷性、(ii)受像層の透明性、(iii)印刷性(グラデーション、人物(又は木目)、受像層印刷後の割れ)を評価した結果をまとめて表1に示す。
(i)絵柄層上に活性剤の塗工
水圧転写用シートの製造で得た水圧転写用シートの絵柄層上に前記活性剤を3g/m2塗工し、室温下で乾燥した。
(ii)水圧転写
前記活性剤を塗布して得られた水圧転写用シートを水温30℃の水面上に前記転写シートの支持体シート側が水面側を向く様にして水面に浮遊せしめ、1分間経過後に、該支持体シートが膨潤した状態に於いて、被転写基材を水圧転写用シートの上方から押入れ、該成形体の表面に延展、密着させた。次いで、表面に水圧転写用シートが延展、密着している被転写基材を水中から引出した
(iii)支持体シートの除去、乾燥
表面に転写用シートが延展、密着している被転写基材を40℃の温水で30分間シャワーした後、さらに清水でシャワーし、転写用シートのポリビニルアルコールと澱粉から成る支持体シートを除去し、続いて乾燥に付し、印刷模様が形成されたポリスチレン樹脂成形体を得た。
水圧転写における、(i)転写性、(ii)付き廻り性、(iii)伸展性、及び(iv)白茶け発生の有無を評価した。
評価結果をまとめて表1に示す。
目止め層を形成しなかった以外は、実施例1に記載したと同様に、水圧転写用シートを作製し、得られた水圧転写用シートを用いて水圧転写し、被転写体を得た。
これらの水圧転写用シートと被転写体について、実施例1に記載したと同様の評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
B 目止め層
C 受像層
D 絵柄層
E 水圧転写用シート
F 被転写基材
Claims (4)
- 水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)の一方の面に、少なくとも透明な目止め層(B)と受像層(C)、及び印刷手段により形成される絵柄層(D)がこの順に形成された水圧転写用シート(E)であって、
受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、
かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂からなることを特徴とする、水圧転写用シート。 - 前記目止め層(B)が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、硝化綿、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリビニルブチラールから選択される1種又は2種以上の樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の水圧転写用シート。
- 少なくとも水溶性又は水膨潤性の支持体シート(A)上に、透明な目止め層(B)と受像層(C)をこの順に形成し、更に受像層(C)面に絵柄層(D)を印刷後、乾燥して得られる水圧転写用シート(E)を形成する工程(水圧転写用シート形成工程)、
次いで、絵柄層(D)面に活性剤を塗布後、該絵柄層(D)が上の面となるように水圧転写用シート(E)を水面に浮遊させて水圧転写用シート(E)を伸展させると共に被転写基材(F)を絵柄層(D)面に押し付けて水圧により被転写基材(F)の要転写部分に水圧転写用シート(E)の絵柄層(D)面を密着させ、その後水圧転写用シート部分から支持体シート(A)を水による洗浄又は溶解により除去して被転写体(G)を得る工程(水圧転写工程)
を含む水圧転写法であって、
受像層(C)が水分散性樹脂(S2)、又は水溶性樹脂(S1)及び水分散性樹脂(S2)を含有していて、該水分散性樹脂(S2)がpH7.5〜9.0のウレタンエマルジョンから形成される、水性樹脂層からなり、かつ目止め層(B)が水分透過性の低い樹脂層からなることを特徴とする、水圧転写法。 - 前記絵柄層(D)が、インクジェット印刷により形成されることを特徴とする、請求項3に記載の水圧転写方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008077861A JP5196136B2 (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008077861A JP5196136B2 (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009226860A JP2009226860A (ja) | 2009-10-08 |
| JP5196136B2 true JP5196136B2 (ja) | 2013-05-15 |
Family
ID=41242837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008077861A Active JP5196136B2 (ja) | 2008-03-25 | 2008-03-25 | 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP5196136B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| TWI668108B (zh) * | 2018-08-14 | 2019-08-11 | 億豪納米科技股份有限公司 | 具環保及免使用活化劑之水轉膜及其轉印方法 |
| JP7183905B2 (ja) * | 2019-03-26 | 2022-12-06 | 大日本印刷株式会社 | 水圧転写フィルム、水圧転写フィルムの製造方法、及び加飾成形品の製造方法 |
| KR102887717B1 (ko) * | 2024-11-22 | 2025-11-18 | 주식회사 마이팝엠에프지 | 3d 입체 물품에 이미지를 전사할 수 있는 이미지 전사용 수용성 필름 및 이미지 전사 방법 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH1111002A (ja) * | 1997-06-23 | 1999-01-19 | Oji Paper Co Ltd | インクジェット記録用シート |
| JPH11180030A (ja) * | 1997-12-22 | 1999-07-06 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録シート |
| JP2000141992A (ja) * | 1998-11-13 | 2000-05-23 | Dainippon Printing Co Ltd | 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法 |
-
2008
- 2008-03-25 JP JP2008077861A patent/JP5196136B2/ja active Active
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2009226860A (ja) | 2009-10-08 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5077680B2 (ja) | 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 | |
| TWI451979B (zh) | 水壓轉印用膜 | |
| CN106042701A (zh) | 转印材料,记录物,制造记录物的方法,图像记录设备和制造记录物的设备 | |
| US12194767B2 (en) | Method for producing transfer sheet, and aqueous adhesive liquid | |
| JPH09295496A (ja) | 画像形成方法及び記録物 | |
| US20240034025A1 (en) | Method for producing transfer sheet, aqueous adhesive liquid, and method for producing transferred product | |
| JP7251308B2 (ja) | インクジェット記録液セット、画像形成方法および印刷物 | |
| JP5196136B2 (ja) | 水圧転写用シート、及び水圧転写方法 | |
| JP7074920B1 (ja) | 前処理液、インキセット、及び、印刷物 | |
| JP2019162741A (ja) | 画像形成物、インクセットおよび画像形成方法 | |
| KR102397257B1 (ko) | 스크린 인쇄용 잉크 및 이의 용도 | |
| JP7364120B2 (ja) | 脱離可能な皮膜形成用組成物 | |
| JP5115007B2 (ja) | 水圧転写方法及び水圧転写加飾成型品 | |
| JP4442718B2 (ja) | 油性顔料インク用インクジェット受理剤、油性顔料インク用インクジェット記録媒体及び印刷物 | |
| JPH1035196A (ja) | 水圧転写用シート、該水圧転写用シートによる転写層を有する成形体の製造方法、及び該水圧転写用シートによる転写層を有する成形体 | |
| JP6988915B2 (ja) | インクジェット記録用前処理液、その製造方法、インクジェット記録液セット、印刷物及びインクジェット記録方法 | |
| JPH08238897A (ja) | 水圧転写に使用される活性剤組成物 | |
| JP3792815B2 (ja) | コーティング組成物及びその製造法、用途 | |
| JP5205728B2 (ja) | 水圧転写用フィルム | |
| JP5169698B2 (ja) | 水圧転写方法及び水圧転写加飾成型品 | |
| JP4941057B2 (ja) | 水圧転写方法及び水圧転写加飾成型品 | |
| JP7092150B2 (ja) | 水性インクジェットインク、水性インクジェットインクの製造方法、印刷物及びインクジェット記録方法 | |
| JP2000326621A (ja) | インクジェット印刷の受像層形成用組成物及び記録媒体 | |
| JP5263422B2 (ja) | 水圧転写フィルム用活性剤組成物 | |
| JP2005239804A (ja) | 液圧転写用水系塗料組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110117 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120426 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120501 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20120627 |
|
| A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120702 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120726 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130109 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130122 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5196136 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |