JP5201316B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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〔1〕コアと、これを被覆する包囲層と、これを被覆する中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成された内層及び外層の2層からなり、外層コアが内層コアよりも硬く形成され、上記の包囲層,中間層及びカバーの厚さが、 カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たし、包囲層の厚さが1.2〜2.0mmであり、中間層の厚さが1.1〜2.0mmであり、かつ包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(ショアD硬度)が、 包囲層材料硬度 < 中間層材料硬度 > カバー材料硬度 の条件を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
〔2〕上記包囲層の樹脂材料が、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(c)分子量が228〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5〜80質量部と、
(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜17質量部
とを必須成分として配合した混合物である〔1〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔3〕上記コア全体における表面と中心との硬度差がJIS−C硬度で23以上50以下であり、コア全体に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(A)、内層コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(B)とすると、(A)/(B)が0.50以上0.75以下である〔1〕又は〔2〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔4〕上記内層コア及び/又は外層コアに有機硫黄化合物を含有した〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔5〕上記内層コアの直径が15mm以上28mm以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔6〕上記コアのゴム材に、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたポリブタジエンゴムを含む〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔7〕上記カバーの樹脂材料が、(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とする単一な樹脂配合物を射出成形して形成されるものであり、上記樹脂配合物中には、少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存してなるポリイソシアネート化合物が存在する〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔8〕包囲層の表面硬度からコアの表面硬度を引いた値が、JIS−C硬度で0以上20以下である〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔9〕包囲層の表面は中間層表面よりも軟らかく形成され、その硬度差がJIS−C硬度で3以上20以下である〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔10〕ボールの表面硬度から中間層の表面硬度を引いた値が、JIS−C硬度で1以上10以下である〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔11〕カバーの厚さが0.7mm以上1.5mm以下である〔1〕〜〔10〕のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図1に示されているように、内層コア1a及び外層コア1bと、該コアを被覆する包囲層2と、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層を被覆するカバー4とを有する5層又はそれ以上の多層を有するゴルフボールGである。なお、上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されるものである。コア1又は中間層3は単層には限られず2層以上の複数層に形成することができる。
包囲層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度(ASTM D 2240に基づくタイプDデュロメータによる測定値)で好ましくは40以上、より好ましくは47以上、更に好ましくは50以上、であり、上限として、好ましくは62以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは58以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。包囲層の厚さは、1.2mm以上、好ましくは1.4mm以上であり、上限として、2.0mm以下である。その範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度(ASTM D2240に基づくタイプDデュロメータによる測定値)で、好ましくは50以上、より好ましくは55以上、更に好ましくは60以上であり、上限として、好ましくは70以下、より好ましくは66以下、更に好ましくは63以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチの実施時の打感が硬くなりすぎることがある。中間層の厚さは、1.1mm以上であり、上限として、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.7mm以下、更に好ましくは1.4mm以下である。その範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。また、上記範囲よりも小さすぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明では、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さについては、 カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たすことが必要である。コアの直径が31mm以上としたことと併せて、この各層の厚みの適正化により、飛びとコントロール性、耐久性及び打感を両立したゴルフボールを得ることができる。この場合、カバーが中間層よりも厚いと、ボール反発が低くなったり、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、包囲層が中間層よりも薄くなると、低スピン効果が不足し、所望の狙った飛距離が得られなくなることがある。
本発明では、包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(ショアD硬度)が、 包囲層材料硬度 < 中間層材料硬度 > カバー材料硬度 の条件を満たすことが必要とされる。
コアの形成
表1及び表2に示す配合によりゴム組成物を調整した後、155℃、15分間により加硫成形することにより内層コア及び外層コアを作成した。即ち、表1に示す配合により内層コア用のゴム組成物を配合、加硫した後、表2に示した材料からなる外層コアを未加硫状態で内層コアの周囲にくるみ、その球体を加硫成型することにより積層した。
ポリブタジエン
商品名「BR730」、JSR社製
過酸化物
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC−40」日本油脂社製
老化防止剤
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS−6」大内新興化学工業社製
ステアリン酸亜鉛
商品名「ジンクステアレートG」日本油脂社製
次に、表3に示された各種の樹脂成分を配合した包囲層、中間層及びカバーを射出成形法により成形して、2層コアの周囲に包囲層、中間層、カバーを順次被覆・形成した。そして、表4及び図2に示す共通のディンプルを用い、該ディンプルをカバー表面に形成したマルチピースソリッドゴルフボールを作成した。
ハイミラン :三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー樹脂
サーリン :DuPont社製のアイオノマー
ダイナロン6100P:JSR社製 水添ポリマー
ハイトレル4001 :東レ・デュポン社製 ポリエステルエラストマー
ベヘニン酸 :日本油脂社製 NAA222−Sビーズ指定
水酸化カルシウム :白石工業社製 CLS−B指定
ポリテールH :三菱化学社製 低分子量ポリオレフィン系ポリオール
パンデックスT8260、T−8290:
DIC Bayer Polymer社製
MDI−PTMGタイプの熱可塑性ポリウレタン
ポリエチレンワックス:商品名「サンワックス161P」(三洋化成社製)
イソシアネート化合物:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
なお、イソシアネート化合物は射出成形時にパンデックスと混合して用いられた。
イソシアネート混合物:商品名「クロスネートEM30」大日精化工業(株)製のイソシ
アネートマスターバッチで4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネートを30%含有したもの。JIS−K1556によるアミ
ン逆滴定イソシアネート測定濃度5〜10%、マスターバッチベ
ース樹脂はポリエステルエラストマーを使用した。
直径:ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ:ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
V0 :ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし
、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値
SR:ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディ
ンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率
VR:ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、デ
ィンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占める比率
コアを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときのコアのたわみ量(mm)。
(2)コアの表面硬度
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度(JIS−K6301規格)により、コアの表面の2点をランダムに測定した値の平均値。
(3)包囲層の材料硬度
包囲層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に作成し、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により測定した。
(4)包囲層を被覆した球体の表面硬度
球面である包囲層表面に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度に従って計測した。
(5)中間層の材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(6)中間層を被覆した球体の表面硬度
球面である中間層表面に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度に従って計測した。
(7)カバーの材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(8)ボールの表面硬度
ボール表面のディンプルが無い部分に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度に従って計測した。
(9)ドライバーによる飛び性能
クラブ(ブリヂストンスポーツ社製,「TourStage X-Drive 410(2007モデル)」(ロフト角9.5°)を打撃ロボットに装着し、ヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した時のキャリー及びトータルについての飛距離を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は打撃直後のボールを初期条件計測装置により測定した値である。
○:トータル飛距離 235m以上
×:トータル飛距離 235m未満
(10)アイアンによる飛び性能
ゴルフ打撃ロボットにアイアン(I#6)、(ブリヂストンスポーツ社製,「TourStage X-Blade(2005モデル)」をつけてヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した時のキャリー及びトータルについての飛距離を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は上記と同様である。
○:トータル飛距離 175m以上
×:トータル飛距離 175m未満
(11)アプローチスピン量
サンドウェッジ(SW)(ブリヂストンスポーツ社製,J's Classical Edition)を用い、HS22m/sにて打撃したときのスピン量を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は上記の飛距離測定と同じ方法により測定した。
○:スピン量 6000rpm以上
×:スピン量 6000rpm未満
(12)耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード40m/sにて1回打撃してボール表面状態を目視観察し、下記基準にて評価した。
○:まだ使える
×:もう使用に耐えない
1b 外層コア
2 包囲層
3 中間層
4 カバー
G ゴルフボール
D ディンプル
Claims (11)
- コアと、これを被覆する包囲層と、これを被覆する中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成された内層及び外層の2層からなり、外層コアが内層コアよりも硬く形成され、上記の包囲層,中間層及びカバーの厚さが、 カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たし、包囲層の厚さが1.2〜2.0mmであり、中間層の厚さが1.1〜2.0mmであり、かつ包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(ショアD硬度)が、 包囲層材料硬度 < 中間層材料硬度 > カバー材料硬度 の条件を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記包囲層の樹脂材料が、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(c)分子量が228〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5〜80質量部と、
(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜17質量部
とを必須成分として配合した混合物である請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記コア全体における表面と中心との硬度差がJIS−C硬度で23以上50以下であり、コア全体に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(A)、内層コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(B)とすると、(A)/(B)が0.50以上0.75以下である請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記内層コア及び/又は外層コアに有機硫黄化合物を含有した請求項1、2又は3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記内層コアの直径が15mm以上28mm以下である請求項1〜4のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記コアのゴム材に、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたポリブタジエンゴムを含む請求項1〜5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記カバーの樹脂材料が、(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とする単一な樹脂配合物を射出成形して形成されるものであり、上記樹脂配合物中には、少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存してなるポリイソシアネート化合物が存在する請求項1〜6のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 包囲層の表面硬度からコアの表面硬度を引いた値が、JIS−C硬度で0以上20以下である請求項1〜7のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 包囲層の表面は中間層表面よりも軟らかく形成され、その硬度差がJIS−C硬度で3以上20以下である請求項1〜8のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- ボールの表面硬度から中間層の表面硬度を引いた値が、JIS−C硬度で1以上10以下である請求項1〜9のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- カバーの厚さが0.7mm以上1.5mm以下である請求項1〜10のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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