もし、プラスチックフィルム等の可撓性を有する基板の上に有機発光素子(OLED:Organic Light Emitting Device)が形成された発光装置や、液晶表示装置を作製することができれば、厚みが薄く軽量であるということに加えて、曲面を有するディスプレイや、ショーウィンドウ等などにも用いることができる。
よって、その用途は携帯機器のみに限られず、応用範囲は非常に広い。
しかし、プラスチックからなる基板は、一般的に水分や酸素を透過しやすく、有機発光層はこれらのものによって劣化が促進されるので、特に発光装置の寿命が短くなりやすい。そこで従来では、プラスチック基板とOLEDの間に窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜を設け、水分や酸素の有機発光層への混入を防いでいた。
加えて、プラスチックフィルム等の基板は一般的に熱に弱く、窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜の成膜温度を高くしすぎると、基板が変形しやすくなる。
また、成膜温度が低すぎると膜質の低下につながり、水分や酸素の透過を十分防ぐことが難しくなる。また、プラスチックフィルム等の基板上に設けた素子を駆動する際、局所的に発熱が生じて基板の一部が変形、変質してしまうことも問題になっている。
さらに、水分や酸素の透過を防ぐために、窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜の膜厚を厚くすると、応力が大きくなり、クラック(亀裂)が入りやすくなる。また、膜厚を厚くすると、基板を曲げたときに膜にクラックが入りやすくなる。また、基板を剥離する際、被剥離層が曲げられ、被剥離層にクラックが入ることもある。
本発明は上記問題に鑑み、水分や酸素の透過による劣化を抑えることが可能な半導体装置、例えば、プラスチック基板上に形成されたOLEDを有する発光装置、プラスチック基板を用いた液晶表示装置の提供を課題とする。
本発明は、基板上に素子を含む被剥離層を形成した後、支持体に被剥離層を接着して基板から引き剥がして被剥離層を剥離した後、被剥離層に接する薄膜を成膜した後、転写体と貼り合わせる。被剥離層に接する薄膜を成膜することによって、剥離の際に生じるクラックを修復し、被剥離層に接する薄膜として熱伝導性を有する膜、具体的にはアルミニウムの窒化物またはアルミニウムの窒化酸化物を用いることによって、素子の発熱を拡散させて素子の劣化を抑える効果とともに、転写体22、具体的にはプラスチック基板の変形や変質を保護する効果を有する。また、熱伝導性を有する膜は、外部からの水分や酸素等の不純物の混入を防ぐ効果も有する。
本明細書で開示する発明の構成1は、絶縁表面を有する基板上に、陰極と、該陰極上に接する有機化合物層と、該有機化合物層上に接する陽極とを有する発光素子と、前記陽極に接する絶縁膜と、該絶縁膜に接する熱伝導性を有する膜とを有することを特徴とする発光装置である。
また、他の発明の構成2は、絶縁表面を有する基板と、該基板に接する接着層と、該接着層に接する熱伝導性を有する膜と、該熱伝導性を有する膜と接する絶縁膜とを有し、前記絶縁膜上に、陰極と、該陰極上に接する有機化合物層と、該有機化合物層上に接する陽極とを有する発光素子を有することを特徴とする発光装置である。
また、上記各構成において、前記熱伝導性を有する膜は、可視光に対して透明もしくは半透明な膜からなることを特徴としている。
また、上記各構成において、前記熱伝導性を有する膜はアルミニウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化酸化物、またはアルミニウムを含む酸化物からなることを特徴している。また、前記熱伝導性を有する膜として、これらの膜を組み合わせた積層膜を用いてもよい。例えば、窒化アルミニウム(AlN)と窒化酸化アルミニウム(AlNXOY(X>Y))との積層や、窒化酸化アルミニウム(AlNXOY(X>Y))と酸化窒化アルミニウム(AlNXOY(X<Y))との積層を用いてもよい。
また、上記各構成において、前記熱伝導性を有する膜は、少なくとも窒素と酸素を含む膜であって、膜中の窒素に対する酸素の比が0.1%〜30%であることを特徴としている。
また、上記各構成において、前記絶縁表面を有する基板は、プラスチック基板またはガラス基板であることを特徴としている。
また、他の発明の構成3は、 転写体と、該転写体に接する第1の接着層と、該第1の接着層に接する熱伝導性を有する膜と、該熱伝導性を有する膜と接する絶縁膜と、該絶縁膜上に素子を含む層と、前記素子を含む層に接する第2の接着層(シール材など)と、該第2の接着層と接する支持体とを有することを特徴とする半導体装置である。
また、上記構成において、液晶表示装置を作製する場合、前記支持体は対向基板であって、前記素子は画素電極と接続された薄膜トランジスタであり、前記画素電極と、前記転写体との間には液晶材料が充填されていることを特徴としている。なお、前記転写体および前記対向基板としては、プラスチック基板またはガラス基板を用いればよい。
また、上記各構成1〜3に示した構造を実現するための半導体装置の作製方法に関する発明の構成は、基板上に窒化物層を形成する工程と、前記窒化物層上に酸化物層を形成する工程と、前記酸化物層上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に素子を含む層を形成する工程と、前記素子を含む層に支持体を接着した後、該支持体を基板から物理的手段により前記酸化物層の層内または界面において剥離する工程と、前記絶縁層または前記酸化物層に熱伝導性を有する膜を形成する工程と、 前記熱伝導性を有する膜に転写体を接着し、前記支持体と前記転写体との間に前記素子を挟む工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
なお、本明細書中、物理的手段とは、化学ではなく、物理学により認識される手段であり、具体的には、力学の法則に還元できる過程を有する力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を変化させる手段を指している。ただし、物理的手段により剥離する際、支持体との結合力より、酸化物層と窒化物層との結合力が小さくなるようにすることが必要である。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、前記熱伝導性を有する膜は、アルミニウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化酸化物、またはアルミニウムを含む酸化物からなることを特徴としている。また、前記熱伝導性を有する膜として、これらの膜を組み合わせた積層膜を用いてもよい。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、前記窒化物層は、金属材料を含有することを特徴としており、前記金属材料は、Ti、Al、Ta、W、Mo、Cu、Cr、Nd、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの金属または混合物の積層であることを特徴としている。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、前記物理的手段により剥離する前に、加熱処理またはレーザー光の照射を行う処理を施すことを特徴としている。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、前記酸化物層は、酸化シリコン材料または酸化金属材料からなる単層、またはこれらの積層であることを特徴としている。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、前記素子は、半導体層を活性層とする薄膜トランジスタであり、前記半導体層を形成する工程は、非晶質構造を有する半導体層を加熱処理またはレーザー光の照射を行う処理によって結晶化させ、結晶構造を有する半導体層とすることを特徴としている。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、液晶表示装置を作製する場合、前記支持体は対向基板であって、前記素子は画素電極を有しており、該画素電極と、前記対向基板との間には液晶材料が充填されていることを特徴としている。
また、上記半導体装置の作製方法に関する構成において、発光装置として代表される発光装置を作製する場合は、支持体を封止材として、外部から水分や酸素といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐように発光素子を外部から完全に遮断することが好ましい。この場合、前記素子は発光素子であることを特徴としている。
また、上記各構成において、さらに剥離を助長させるため、前記物理的手段により剥離する前に、加熱処理またはレーザー光の照射を行う処理を行ってもよい。この場合、窒化物層にはレーザー光を吸収する材料を選択し、窒化物と酸化物層の界面を加熱させることによって、剥がれやすくしてもよい。ただし、レーザー光を用いる場合は、基板として透光性のものを用いる。
また、剥離を助長させるため、窒化物層上に粒状の酸化物を設け、該粒状の酸化物を覆う酸化層を設けることによって、剥がれやすくしてもよい。
なお、本明細書中において、転写体とは、剥離された後、被剥離層と接着させるものであり、特に限定されず、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、いかなる組成の基材でもよい。また、本明細書中において、支持体とは、物理的手段により剥離する際に被剥離層と接着するためのものであり、特に限定されず、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、いかなる組成の基材でもよい。また、転写体の形状および支持体の形状も特に限定されず、平面を有するもの、曲面を有するもの、可曲性を有するもの、フィルム状のものであってもよい。また、軽量化を最優先するのであれば、フィルム状のプラスチック基板、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)
、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプラスチック基板が好ましい。
また、本発明は剥離方法に限定することなく、実施することが可能であり、上記各構成1〜3に示した構造を実現するための半導体装置の作製方法に関する他の発明の構成は、基板上に素子を含む被剥離層を形成する工程と、前記被剥離層に支持体を接着する工程と、前記支持体を前記基板から物理的手段により剥離する工程と、前記剥離層に接して熱伝導性を有する膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
上記構成において、剥離方法としては、被剥離層と基板との間に分離層を設け、該分離層を薬液(エッチャント)で除去して被剥離層と基板とを分離する方法や、被剥離層と基板との間に非晶質シリコン(またはポリシリコン)からなる分離層を設け、基板を通過させてレーザー光を照射して非晶質シリコンに含まれる水素を放出させることにより、空隙を生じさせて被剥離層と基板を分離させる方法など公知の技術を用いることが可能である。なお、レーザー光を用いて剥離する場合においては、剥離前に水素が放出しないように熱処理温度を410℃以下として被剥離層に含まれる素子を形成することが望ましい。
なお、本明細書においてレーザー光とは、YAGレーザーやYVO4レーザーなどの固体レーザーや、エキシマレーザーなどの気体レーザーをレーザー光源とするレーザー光を指し、レーザー発振の形態は、連続発振またはパルス発振のどちらでもよく、ビーム形状に関しても線状照射、スポット照射など、どんな形状であってもよく、走査方法も特に限定されない。
また、上記各構成1〜3に示した構造を実現するための半導体装置の作製方法に関する他の発明の構成は、基板上に素子を含む被剥離層を形成する工程と、前記被剥離層に支持体を接着する工程と、前記被剥離層の一部にFPCを貼り付ける工程と、前記FPCと前記被剥離層との接続部分を有機樹脂で覆って前記支持体と固定する工程と、前記支持体を前記基板から物理的手段により剥離する工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
また、上記構成おいて、前記剥離する工程の後に、前記剥離層に接して熱伝導性を有する膜を形成する工程と、 前記熱伝導性を有する膜に転写体を接着し、前記支持体と前記転写体との間に前記被剥離層を挟む工程を有することを特徴としている。
本発明の熱伝導性を有する膜により、素子の発熱を拡散させて素子の劣化を抑えるとともに、転写体、具体的にはプラスチック基板の変形や変質を防ぎ、基板を保護することができる。また、本発明の熱伝導性を有する膜により、外部からの水分や酸素等の不純物の混入を防ぎ、素子を保護することができる。
また、物理的手段によって基板から被剥離層を剥離する際、被剥離層にクラックが生じても、本発明の熱伝導性を有する膜によって修復することができるため、歩留まりを向上でき、素子の信頼性も向上することができる。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
以下に本発明を用いた代表的な発光装置の製造手順を簡略に図1、図2を用いて示す。
図1(A)中、10は基板、11は窒化物層、12は酸化物層、13は下地絶縁層、14a〜14cは素子、15はOLED、16は層間絶縁膜である。
図1(A)において、基板10はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板を用いても良い。
まず、図1(A)に示すように基板10上に窒化物層11を形成する。窒化物層11として、金属材料を含む窒化物を用いる。金属材料として代表的な一例はTi、Al、Ta、W、Mo、Cu、Cr、Nd、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの積層、であり、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層、またはこれらの積層を窒化物層11として用いればよい。
また、窒化物層11に代えてタングステンからなる金属層を用いてもよい。
次いで、窒化物層11上に酸化物層12を形成する。酸化物層12として、代表的な一例は酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化金属材料を用いればよい。
なお、酸化物層12は、スパッタ法、プラズマCVD法、塗布法などのいずれの成膜方法を用いてもよい。
本発明においては、この酸化物層12の膜応力と、窒化物層11の膜応力とを異ならせることが重要である。各々の膜厚は、1nm〜1000nmの範囲で適宜設定し、各々の膜応力を調節すればよい。また、図1では、プロセスの簡略化を図るため、基板10に接して窒化物層11を形成した例を示したが、基板10と窒化物層11との間にバッファ層となる絶縁層や金属層を設け、基板10との密着性を向上させてもよい。
次いで、酸化物層12上に被剥離層を形成する。被剥離層は、TFTを代表とする様々な素子(薄膜ダイオード、シリコンのPIN接合からなる光電変換素子やシリコン抵抗素子)を含む層とすればよい。また、基板10の耐え得る範囲の熱処理を行うことができる。なお、本発明において、酸化物層12の膜応力と、窒化物層11の膜応力が異なっていても、被剥離層の作製工程における熱処理によって膜剥がれなどが生じない。ここでは、被剥離層として、下地絶縁層13上に、駆動回路23の素子14a、14b、および画素部24の素子14cを形成し、画素部24の素子14cと電気的に接続するOLED15を形成し、OLEDを覆うように膜厚10nm〜1000nmである層間絶縁膜16を形成する。
(図1(A))
また、窒化物層11や酸化物層12によって表面に凹凸が形成された場合、下地絶縁層を形成する前後に表面を平坦化してもよい。平坦化を行った方が、被剥離層においてカバレッジが良好となり、素子を含む被剥離層を形成する場合、素子特性が安定しやすいため好ましい。なお、この平坦化処理として、塗布膜(レジスト膜等)を形成した後エッチングなどを行って平坦化するエッチバック法や機械的化学的研磨法(CMP法)等を用いればよい。
次いで、層間絶縁膜16上に熱伝導性を有する膜17を形成する。(図1(B))ここでは層間絶縁膜16上に熱伝導性を有する膜17を設けた例を示したが、OLED15に接して熱伝導性を有する膜17を形成してもよい。OLED15に接して形成する場合には、熱伝導性を有する膜17は、絶縁膜であることが好ましい。熱伝導性を有する膜17としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化酸化アルミニウム(AlNXOY(X>Y))、酸化窒化アルミニウム(AlNXOY(X<Y))、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ベリリウム(BeO)等を用いることができる。窒化酸化アルミニウム(AlNXOY(X>Y))を用いる場合、膜中の窒素に対する酸素の比が0.1%〜30%であることが望ましい。また、熱伝導性を有する膜17は、可視光に対して透明もしくは半透明な膜であることが好ましい。ここでは、透光性を有し、熱伝導率が2.85W/cm・Kと非常に高く、エネルギーギャップが6.28eV(RT)である窒化アルミニウム(AlN)をスパッタ法で形成する。例えば、窒化アルミニウム(AlN)ターゲットを用い、アルゴンガスと窒素ガスが混合した雰囲気下にて成膜する。また、アルミニウム(Al)ターゲットを用い、窒素ガス雰囲気下にて成膜してもよい。また、熱伝導性を有する膜17は、外部から水分や酸素といったOLED15の劣化を促す物質が侵入することを防ぐ効果も有している。
また、膜厚100nmにおけるAlNXOY膜の透過率を図15に示す。図15に示すように、AlNXOY膜は透光性が非常に高く(可視光領域で透過率80%〜90%)、発光素子からの発光の妨げにならない。
本発明において、AlNXOY膜は、スパッタ法を用い、例えば、窒化アルミニウム(AlN)ターゲットを用い、アルゴンガスと窒素ガスと酸素ガスを混合した雰囲気下にて成膜する。AlNXOY膜は、窒素を数atm%以上、好ましくは2.5atm%〜47.5atm%含む範囲であればよく、スパッタ条件(基板温度、原料ガスおよびその流量、成膜圧力など)を適宜調節することによって窒素濃度を調節することができる。なお、得られたAlNXOY膜のESCA(Electron Spectroscopy for Analysis)での分析による組成を図16に示す。また、アルミニウム(Al)ターゲットを用い、窒素ガス及び酸素ガスを含む雰囲気下にて成膜してもよい。なお、スパッタ法に限定されず、蒸着法やその他の公知技術を用いてもよい。
また、AlNXOY膜による水分や酸素のブロッキング効果を確認するため、膜厚200nmのAlNXOY膜が設けられたフィルム基板でOLEDを封止したサンプルと、膜厚200nmのSiN膜が設けられたフィルム基板でOLEDを封止したサンプルとを用意して、85度に加熱した水蒸気雰囲気中での経時変化を調べる実験を行ったところ、SiN膜のサンプルに比べ、AlNXOY膜のサンプルのほうがOLEDの寿命が長く、長時間の発光が可能であった。この実験結果から、AlNXOY膜は、SiN膜よりも装置外から水分や酸素などの不純物といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防げる材料膜であることが読み取れる。
また、AlNXOY膜によるアルカリ金属のブロッキング効果を確認するため、シリコン基板上に膜厚50nmの熱酸化膜を設け、その上に膜厚40nmのAlNXOY膜を設け、その上にLiを含むアルミニウム電極を設け、これらの膜が設けられた面とは反対側のシリコン基板面にSiを含むアルミニウム電極を設けて300℃、1時間の熱処理を行った後、BTストレス試験(±1.7MV/cm、150℃、1時間)を行いMOS特性(C−V特性)を測定した。実験結果を図17に示す。図17に示したC―V特性は、プラスの電圧を印加した時、即ち+BTの時、プラス側にシフトしていることから、シフトした原因はLiではなく、AlNXOY膜によるアルカリ金属のブロッキング効果が有ることが確認できた。比較のため、MOSの上方に絶縁膜(膜厚100nmの窒化シリコン膜)を介してAlLi合金を形成し、同様にそのMOSの特性変動を調べた。結果を図18に示す。プラスの電圧を印加した時、即ち+BTの時、図18に示したC−V特性変動は大きくマイナス側にシフトしており、その原因は、主にLiが活性層へ混入したことであると考えられる。
次いで、基板10を物理的手段により引き剥がすために被剥離層を固定する支持体19をエポキシ樹脂などの接着層18で貼りつける。(図1(C))ここでは、被剥離層の機械的強度が不十分であると仮定した例を示しているが、被剥離層の機械的強度が十分である場合には、被剥離層を固定する支持体なしで剥離することもできる。
次いで、窒化物層11が設けられている基板10を物理的手段により引き剥がす。酸化物層の膜応力と、窒化物層11の膜応力が異なっているため、比較的小さな力で引き剥がすことができる。窒化物層と酸化物層との結合力は、熱エネルギーには耐え得る強さを有している一方、窒化物層と酸化物層で互いの膜応力は異なり、窒化物層と酸化物層との間には応力歪みを有しているため、力学的エネルギーに弱く、剥離するには最適である。こうして、酸化物層12上に形成された被剥離層を基板10から分離することができる。剥離後の状態を図2(A)に示す。なお、この剥離方法は、小さな面積を有する被剥離層の剥離だけでなく、大きな面積を有する被剥離層を全面に渡って歩留まりよく剥離することが可能である。また、窒化物層11に代えてタングステンからなる金属層を用いても同様に剥離することが可能である。
次いで、引き剥がした面に再度、熱伝導性を有する膜20を形成する。(図2(B))この熱伝導性を有する膜20は、剥離の際に生じるクラックを修復することができる。熱伝導性を有する膜20としては、窒化アルミニウム(AlN)
、窒化酸化アルミニウム(AlNXOY(X>Y))、酸化窒化アルミニウム(AlNXOY(X<Y))、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ベリリウム(BeO)等を用いることができる。また、熱伝導性を有する膜20は、可視光に対して透明もしくは半透明な膜であることが好ましい。ここでは、熱伝導率が2.85W/cm・Kと非常に高く、エネルギーギャップが6.28eV(RT)である窒化アルミニウム(AlN)をスパッタ法で形成する。また、熱伝導性を有する膜20は、外部から水分や酸素といったOLED15の劣化を促す物質が侵入することを防ぐ効果も有している。
このように、2層の熱伝導性を有する膜17、20でOLED15を挟む構造とすること外部から完全に遮断することができる。ここでは2層を用いた例を示したが、どちらか一方だけ設ける構造としてもよい。
また、2層の熱伝導性を有する膜17、20のいずれにおいても、膜厚は、20nm〜4μmの範囲で適宜設定すればよい。
次いで、被剥離層をエポキシ樹脂などの接着層21により転写体22に貼り付ける。ここでは、転写体22をプラスチックフィルム基板とすることで、軽量化を図っている。ただし、機械強度が十分であれば、特に転写体を設ける必要はない。
このようにしてフレキシブルなプラスチック基板上に形成されたOLEDを有する発光装置が完成する。この発光装置は、2層の熱伝導性を有する膜17、20で素子14a〜14cおよびOLED15を挟む構造であるので、OLED15や素子14a〜14cにより発生する発熱を発散することができる。加えて、熱伝導性を有する膜17、20は、水分や酸素の透過による劣化を抑えることが可能である。そして、必要があれば、支持体或いは転写体を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を用いてFPC(図示しない)を貼りつける。また、ここでは被剥離層の剥離後にFPCを貼り付ける例を示したが、剥離前にFPCを貼りつけ、さらにFPCと被剥離層との接着部を覆う有機樹脂などを形成して固定し、機械強度を上げてもよい。
なお、本明細書中において、転写体とは、剥離された後、被剥離層と接着させるものであり、特に限定されず、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、いかなる組成の基材でもよい。また、本明細書中において、支持体とは、物理的手段により剥離する際に被剥離層と接着するためのものであり、特に限定されず、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、いかなる組成の基材でもよい。また、転写体の形状および支持体の形状も特に限定されず、平面を有するもの、曲面を有するもの、可曲性を有するもの、フィルム状のものであってもよい。また、軽量化を最優先するのであれば、フィルム状のプラスチック基板、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)
、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプラスチック基板が好ましい。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
本発明の実施例を図3〜図5を用いて説明する。ここでは、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS回路を同時に作製する方法について詳細に説明する。
まず、基板100上に窒化物層101、酸化物層102、下地絶縁膜103を形成し、結晶構造を有する半導体膜を得た後、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層104、105を形成する。
基板100としては、ガラス基板(#1737)を用いる。
また、窒化物層101としては、Ti、Al、Ta、W、Mo、Cu、Cr、Nd、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの積層の窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層、またはこれらの積層を用いればよい。ここではスパッタ法で膜厚100nmの窒化チタン膜を用いる。なお、基板100と密着性が悪い場合にはバッファ層を設ければよい。
また、酸化物層102としては、酸化シリコン材料または酸化金属材料からなる単層、またはこれらの積層を用いればよい。ここではスパッタ法で膜厚200nmの酸化シリコン膜を用いる。この金属層101と酸化物層102の結合力は熱処理には強く、膜剥がれ(ピーリングとも呼ばれる)などが生じないが、物理的手段で簡単に酸化物層の層内、あるいは界面において剥離することができる。
また、下地絶縁膜103としては、プラズマCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を50nm(好ましくは10〜200nm)形成する。次いで、表面をオゾン水で洗浄した後、表面の酸化膜を希フッ酸(1/100希釈)で除去する。次いでプラズマCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を100nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに積層形成し、さらに大気解放せずにプラズマCVD法で成膜温度300℃、成膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半導体膜(ここではアモルファスシリコン膜)を54nmの厚さ(好ましくは25〜80nm)で形成する。
本実施例では下地膜103を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。また、半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiXGe1-X(X=0.0001〜0.02))合金などを用い、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により形成すればよい。また、プラズマCVD装置は、枚葉式の装置でもよいし、バッチ式の装置でもよい。また、同一の成膜室で大気に触れることなく下地絶縁膜と半導体膜とを連続成膜してもよい。
次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸化膜を形成する。
次いで、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布する。塗布に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法を用いてもよい。
次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶構造を有する半導体膜を形成する。
この加熱処理は、電気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃で4〜24時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜を得る。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶化を行ったが、ランプアニール装置で結晶化を行ってもよい。なお、ここではシリコンの結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用いた結晶化技術を用いたが、他の公知の結晶化技術、例えば固相成長法やレーザー結晶化法を用いてもよい。
次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、結晶化率を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するための第1のレーザー光(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、または酸素雰囲気中で行う。レーザー光には波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。第1のレーザー光は、パルス発振であってもよいし、連続発振でもよい。パルス発振の場合、繰り返し周波数10〜1000Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー光を光学系にて100〜500mJ/cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を走査させればよい。ここでは、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度393mJ/cm2で第1のレーザー光の照射を大気中で行なう。なお、大気中、または酸素雰囲気中で行うため、第1のレーザー光の照射により表面に酸化膜が形成される。
次いで、第1のレーザー光の照射により形成された酸化膜を希フッ酸で除去した後、第2のレーザー光の照射を窒素雰囲気、或いは真空中で行い、半導体膜表面を平坦化する。このレーザー光(第2のレーザー光)には波長400nm以下のエキシマレーザー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調波を用いる。第2のレーザー光のエネルギー密度は、第1のレーザー光のエネルギー密度より大きくし、好ましくは30〜60mJ/cm2大きくする。ここでは、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度453mJ/cm2で第2のレーザー光の照射を行ない、半導体膜表面における凹凸のP―V値(Peak to Valley、高さの最大値と最小値の差分)が50nm以下となる。このP−V値は、AFM(原子間力顕微鏡)
により得られる。
また、本実施例では第2のレーザー光の照射を全面に行ったが、オフ電流の低減は、画素部のTFTに特に効果があるため、少なくとも画素部のみに選択的に照射する工程としてもよい。
次いで、オゾン水で表面を120秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。
次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッタリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質シリコン膜を膜厚150nmで形成する。本実施例のスパッタ法による成膜条件は、成膜圧力を0.3Paとし、ガス(Ar)流量を50(sccm)
とし、成膜パワーを3kWとし、基板温度を150℃とする。なお、上記条件での非晶質シリコン膜に含まれるアルゴン元素の原子濃度は、3×1020/cm3〜6×1020/cm3、酸素の原子濃度は1×1019/cm3〜3×1019/cm3である。その後、ランプアニール装置を用いて650℃、3分の熱処理を行いゲッタリングする。
次いで、バリア層をエッチングストッパーとして、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除去することが望ましい。ここではゲッタリングを行った例を示したが、特に限定されず、他のゲッタリング方法でもよい。
次いで、得られた結晶構造を有するシリコン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層104、105を形成する。半導体層を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜106となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。本実施例では、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
次いで、図3(B)に示すように、ゲート絶縁膜106上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜107と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜108とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜106上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層する。
第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、、AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。また、単層構造であってもよい。
次に、図3(C)に示すように光露光工程によりレジストからなるマスク109を形成し、ゲート電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。エッチングにはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)
エッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4などを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、NF3などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用いることができる。
第1のエッチング処理では、レジストによるマスクの形状と、基板側に印加するバイアス電圧の効果により端部をテーパー形状とすることができる。テーパー部の角度は15〜45°となるようにする。また、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされる。こうして、第1のエッチング処理により第1導電膜と第2導電膜から成る第1形状の導電層110、111(第1の導電層110a、111aと第2導電層110b、111b)を形成する。
112はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなる。
そして、第1のドーピング処理を行いn型の不純物(ドナー)をドーピングする。(図3(D))その方法はイオンドープ法若しくはイオン注入法で行う。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014/cm2として行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。この場合、第1形状の導電層110、111はドーピングする元素に対してマスクとなり、加速電圧を適宣調節(例えば、20〜60keV)して、ゲート絶縁膜112を通過した不純物元素により不純物領域(n+領域)113、114を形成する。例えば、不純物領域(n+領域)におけるリン(P)濃度は1×1020〜1×1021/cm3の範囲となるようにする。
次いで、図4(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げ高加速電圧の条件でn型の不純物(ドナー)をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行い、図3(D)で半導体層に形成された第1の不純物領域の内側に不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の導電膜110b、111bを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電膜110a、111aの下側の領域に不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第1の導電膜110a、111aと重なる不純物領域(n−領域)115、116が形成される。この不純物領域は、第2の導電層110a、111aがほぼ同じ膜厚で残存していることから、第2の導電層に沿った方向における濃度差は小さく、1×1017〜1×1019/cm3の濃度で形成する。
次いで、図4(B)に示すように第2のエッチング処理を行う。エッチングはICPエッチング法を用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2を混合して、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF電力(13.56MHz)を供給してプラズマを生成する。基板側(試料ステージ)には50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧を印加する。このような条件によりタングステン膜を異方性エッチングし、第1の導電層である窒化タンタル膜またはチタン膜を残存させるようにする。こうして、第2形状の導電層117、118(第1の導電膜117a、118aと第2の導電膜117b、118b)を形成する。119はゲート絶縁膜であり、第2の形状の導電層117、118で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされて膜厚が薄くなる。
そして、図4(C)に示すように、レジストによるマスク120を形成し、pチャネル型TFTを形成する半導体層にp型の不純物(アクセプタ)をドーピングする。典型的にはボロン(B)を用いる。不純物領域(p+領域)121、122の不純物濃度は2×1020〜2×1021/cm3となるようにし、含有するリン濃度の1.5〜3倍のボロンを添加して導電型を反転させる。
以上までの工程でそれぞれの半導体層に不純物領域が形成される。第2形状の導電層117、118はゲート電極となる。その後、図4(D)に示すように、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜から成る保護絶縁膜123をプラズマCVD法で形成する。そして導電型の制御を目的としてそれぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。
さらに、窒化シリコン膜124を形成し、水素化処理を行う。その結果、窒化シリコン膜124中の水素が半導体層中に拡散させることで水素化を達成することができる。
次いで、層間絶縁膜125を形成する。層間絶縁膜125は、ポリイミド、アクリルなどの有機絶縁物材料で形成する。勿論、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Ortho silicate)を用いて形成される酸化シリコン膜を適用しても良いが、平坦性を高める観点からは前記有機物材料を用いることが望ましい。
次いで、コンタクトホールを形成し、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)
、タンタル(Ta)などを用いて、ソース配線またはドレイン配線126〜128を形成する。
以上の工程で、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS回路を得ることができる。
pチャネル型TFTにはチャネル形成領域130、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域121、122を有している。
nチャネル型TFTにはチャネル形成領域131、第2形状の導電層から成るゲート電極118と重なる不純物領域116a(Gate Overlapped Drain:GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される不純物領域116b(LDD領域)
とソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域119を有している。
このようなCMOS回路は、アクティブマトリクス型の発光装置やアクティブマトリクス型の液晶表示装置における駆動回路の一部を形成することを可能とする。それ以外にも、このようなnチャネル型TFTまたはpチャネル型TFTは、画素部のトランジスタに応用することができる。
このようなCMOS回路を組み合わせることで基本論理回路を構成したり、さらに複雑なロジック回路(信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアンプ、γ補正回路など)をも構成することができ、さらにはメモリやマイクロプロセッサをも形成することが可能である。
ここでは、上記実施例1で得られるTFTを用いてOLEDを有する発光装置を作製した例について図5を用い、以下に説明する。
同一の絶縁体上に画素部とそれを駆動する駆動回路を有した発光装置の例(但し封止前の状態)を図5に示す。なお、駆動回路には基本単位となるCMOS回路を示し、画素部には一つの画素を示す。このCMOS回路は実施例1に従えば得ることができる。
図7において、200は基板、201は窒化物層、202は酸化物層であり、その素子形成基板上に設けられた下地絶縁層203上にはnチャネル型TFTとpチャネル型TFTからなる駆動回路204、pチャネル型TFTからなるスイッチングTFTおよびnチャネル型TFTからなる電流制御TFTとが形成されている。また、本実施例では、TFTはすべてトップゲート型TFTで形成されている。
nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTの説明は実施例1を参照すれば良いので省略する。また、スイッチングTFTはソース領域およびドレイン領域の間に二つのチャネル形成領域を有した構造(ダブルゲート構造)となっているpチャネル型TFTである。なお、本実施例はダブルゲート構造に限定されることなく、チャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
また、電流制御TFTのドレイン領域206の上には第2層間絶縁膜208が設けられる前に、第1層間絶縁膜207にコンタクトホールが設けられている。これは第2層間絶縁膜208にコンタクトホールを形成する際に、エッチング工程を簡単にするためである。第2層間絶縁膜208にはドレイン領域206に到達するようにコンタクトホールが形成され、ドレイン領域206に接続された画素電極209が設けられている。画素電極209はOLEDの陰極として機能する電極であり、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含む導電膜を用いて形成されている。本実施例では、リチウムとアルミニウムとの化合物からなる導電膜を用いる。
次に、213は画素電極209の端部を覆うように設けられた絶縁膜であり、本明細書中ではバンクと呼ぶ。バンク213は珪素を含む絶縁膜もしくは樹脂膜で形成すれば良い。樹脂膜を用いる場合、樹脂膜の比抵抗が1×106〜1×1012Ωm(好ましくは1×108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン粒子もしくは金属粒子を添加すると、成膜時の絶縁破壊を抑えることができる。
また、OLED210は画素電極(陰極)209、有機化合物層211および陽極212からなる。陽極212は、仕事関数の大きい導電膜、代表的には酸化物導電膜が用いられる。酸化物導電膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれらの化合物を用いれば良い。
なお、本明細書中では発光層に対して正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層もしくは電子阻止層を組み合わせた積層した層の総称を有機化合物層と定義する。但し、有機化合物層には有機化合物膜を単層で用いた場合も含むものとする。
また、発光層としては、有機化合物材料であれば特に限定されないが、高分子材料や低分子材料を用いてもよく、例えばニ重項励起により発光する発光材料からなる薄膜、あるいは三重項励起により発光する発光材料からなる薄膜を用いることができる。
なお、ここでは図示しないが陽極212を形成した後、OLED210を完全に覆うようにしてパッシベーション膜を設けることは有効である。パッシベーション膜としては、熱伝導性を有する膜、例えば、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、または酸化ベリリウムからなる膜が適している。また、他のパッシベーション膜としては、DLC膜、窒化珪素膜もしくは窒化酸化珪素膜を含む絶縁膜を用いてもよく、これらを組み合わせた積層を用いてもよい。
次いで、OLED210を保護するため、実施の形態に示したように支持体を貼りつけて封止(または封入)工程まで行った後、窒化物層201が設けられた基板200を引き剥がす。その後の発光装置について図6(A)、図6(B)を用いて説明する。実施の形態における転写体22がフィルム基板600に対応する。
図6(A)は、ELモジュールを示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−A’で切断した断面図である。図6(A)において、可撓性を有するフィルム基板600(例えば、プラスチック基板等)に、熱伝導性を有する膜601(例えば、窒化アルミニウム膜)が設けられ、その上に画素部602、ソース側駆動回路604、及びゲート側駆動回路603を形成されている。これらの画素部や駆動回路は、上記実施例1や実施例2に従えば得ることができる。
また、618は有機樹脂、619は保護膜であり、画素部および駆動回路部は有機樹脂618で覆われ、その有機樹脂は保護膜619で覆われている。さらに、接着剤を用いてカバー材620で封止されている。カバー材620は、支持体として剥離前に接着される。熱や外力などによる変形に耐えるためカバー材620はフィルム基板600と同じ材質のもの、例えばプラスチック基板を用いることが望ましく、図6(B)に示す凹部形状(深さ3〜10μm)に加工されたものを用いる。さらに加工して乾燥剤621が設置できる凹部(深さ50〜200μm)を形成することが望ましい。また、多面取りでELモジュールを製造する場合、基板とカバー材とを貼り合わせた後、CO2レーザー等を用いて端面が一致するように分断してもよい。
なお、608はソース側駆動回路604及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。フィルム基板600上に熱伝導性を有する膜601が設けられ、その上に絶縁膜610が設けられ、絶縁膜610の上方には画素部602、ゲート側駆動回路603が形成されており、画素部602は電流制御用TFT611とそのドレインに電気的に接続された画素電極612を含む複数の画素により形成される。また、ゲート側駆動回路603はnチャネル型TFT613とpチャネル型TFT614とを組み合わせたCMOS回路を用いて形成される。
これらのTFT(611、613、614を含む)は、上記実施例1のnチャネル型TFT、上記実施例1のpチャネル型TFTに従って作製すればよい。
なお、実施例1、実施例2に従って同一基板上に画素部602、ソース側駆動回路604、及びゲート側駆動回路603形成した後は、実施の形態に従って、支持体(ここではカバー材)を接着した後、基板(図示しない)を剥離し、絶縁膜610に熱伝導性を有する膜601(例えば、窒化アルミニウム膜)を形成した後、フィルム基板600を貼りつけている。なお、熱伝導性を有する膜601とフィルム基板600との間には互いを接着する接着層があるがここで図示しない。
また、カバー材620を図6(B)に示す凹部形状とした場合、支持体となるカバー材620を接着した後、剥離する際には配線引き出し端子の部分(接続部分)が絶縁膜610のみとなり機械強度が弱くなるため、剥離前にFPC609を貼りつけ、さらに有機樹脂622で固定することが望ましい。
なお、TFTとOLEDの間に設ける絶縁膜としては、アルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等の不純物イオンの拡散をブロックするだけでなく、積極的にアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等の不純物イオンを吸着する材料が好ましく、更には後のプロセス温度に耐えうる材料が適している。これらの条件に合う材料は、一例としてフッ素を多く含んだ窒化シリコン膜が挙げられる。
窒化シリコン膜の膜中に含まれるフッ素濃度は、1×1019/cm3以上、好ましくは窒化シリコン膜中でのフッ素の組成比を1〜5%とすればよい。窒化シリコン膜中のフッ素がアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等と結合し、膜中に吸着される。また、他の例としてアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等を吸着するアンチモン(Sb)化合物、スズ(Sn)化合物、またはインジウム(In)化合物からなる微粒子を含む有機樹脂膜、例えば、五酸化アンチモン微粒子(Sb2O5・nH2O)を含む有機樹脂膜も挙げられる。なお、この有機樹脂膜は、平均粒径10〜20nmの微粒子が含まれており、光透過性も非常に高い。この五酸化アンチモン微粒子で代表されるアンチモン化合物は、アルカリ金属イオン等の不純物イオンやアルカリ土金属イオンを吸着しやすい。
画素電極612は発光素子(OLED)の陰極として機能する。また、画素電極612の両端にはバンク615が形成され、画素電極612上には有機化合物層616および発光素子の陽極617が形成される。
有機化合物層616としては、発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて有機化合物層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、低分子系有機化合物材料や高分子系有機化合物材料を用いればよい。また、有機化合物層616として一重項励起により発光(蛍光)する発光材料(シングレット化合物)からなる薄膜、または三重項励起により発光(リン光)する発光材料(トリプレット化合物)からなる薄膜を用いることができる。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
陽極617は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線608を経由してFPC609に電気的に接続されている。さらに、画素部602及びゲート側駆動回路603に含まれる素子は全て陽極617、有機樹脂618、及び保護膜619で覆われている。
なお、有機樹脂618としては、できるだけ可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるのが好ましい。また、有機樹脂618はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
また、有機樹脂618を用いて発光素子を完全に覆った後、すくなくとも図6に示すように保護膜619を有機樹脂618の表面(露呈面)に設けることが好ましい。また、基板の裏面を含む全面に保護膜を設けてもよい。ここで、外部入力端子(FPC)が設けられる部分に保護膜が成膜されないように注意することが必要である。マスクを用いて保護膜が成膜されないようにしてもよいし、CVD装置でマスキングテープとして用いるテフロン(登録商標)等のテープで外部入力端子部分を覆うことで保護膜が成膜されないようにしてもよい。保護膜619として、601と同じ熱伝導性を有する膜を用いてもよい。
以上のような構造で発光素子を熱伝導性を有する膜601及び保護膜619で封入することにより、発光素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素等の有機化合物層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。加えて、熱伝導性を有する膜により発熱を発散することができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
また、画素電極を陽極とし、有機化合物層と陰極を積層して図6とは逆方向に発光する構成としてもよい。図7にその一例を示す。なお、上面図は同一であるので省略する。
図7に示した断面構造について以下に説明する。フィルム基板700上に絶縁膜710が設けられ、絶縁膜710の上方には画素部702、ゲート側駆動回路703が形成されており、画素部702は電流制御用TFT711とそのドレインに電気的に接続された画素電極712を含む複数の画素により形成される。なお、実施の形態に従って、基板上に形成した被剥離層を剥離した後、フィルム基板700が貼りつけられる。なお、熱伝導性を有する膜701とフィルム基板700との間には互いを接着する接着層があるがここで図示しない。また、ゲート側駆動回路703はnチャネル型TFT713とpチャネル型TFT714とを組み合わせたCMOS回路を用いて形成される。
これらのTFT(711、713、714を含む)は、上記実施例1のnチャネル型TFT201、上記実施例1のpチャネル型TFT202に従って作製すればよい。
画素電極712は発光素子(OLED)の陽極として機能する。また、画素電極712の両端にはバンク715が形成され、画素電極712上には有機化合物層716および発光素子の陰極717が形成される。
陰極717は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線708を経由してFPC709に電気的に接続されている。さらに、画素部702及びゲート側駆動回路703に含まれる素子は全て陰極717、有機樹脂718、及び保護膜719で覆われている。また、カバー材720と接着剤で貼り合わせている。また、カバー材には凹部を設け、乾燥剤721を設置する。
また、カバー材720を図7に示す凹部形状とした場合、支持体となるカバー材720を接着した後、剥離する際には配線引き出し端子の部分が絶縁膜710のみとなり機械強度が弱くなるため、剥離前にFPC709を貼りつけ、さらに有機樹脂722で固定することが望ましい。
また、図7では、画素電極を陽極とし、有機化合物層と陰極を積層したため、発光方向は図7に示す矢印の方向となっている。
また、ここではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
また、実施例2ではトップゲート型TFTを用いた例を示したが、ボトムゲート型TFTを用いることも可能である。ここではボトムゲート型TFTを用いた例を図8に示す。
図8中に示したようにnチャネル型TFT913、pチャネル型TFT914、nチャネル型TFT911を全てボトムゲート構造とする。これらのボトムゲート構造は、公知の技術を用いて作製すればよい。なお、これらのTFTの活性層は、結晶構造を有する半導体膜(ポリシリコン等)であってもよいし、非晶質構造を有する半導体膜(アモルファスシリコン等)であってもよい。
また、図8中、900は、可撓性を有するフィルム基板(例えば、プラスチック基板等)、901は、熱伝導性を有する膜(例えば、窒化アルミニウム膜)、902は画素部、903はゲート側駆動回路、910は絶縁膜、912は画素電極(陰極)、915はバンク、916は有機化合物層、917は陽極、918は有機樹脂、919は保護膜、920はカバー材、921は乾燥剤、922は有機樹脂である。なお、熱伝導性を有する膜901とフィルム基板900との間には互いを接着する接着層があるがここで図示しない。
また、nチャネル型TFT913、pチャネル型TFT914、nチャネル型TFT911以外の構成は、実施例3と同一であるのでここでは説明を省略する。
本実施例はインクジェット方式で有機化合物層を形成するときに、該有機化合物層を複数の画素に渡って連続して設ける。具体的には、m行n列にマトリクス状に配列された画素電極に対して、選択されたある一列または一行に対し、有機化合物層をストライプ状に形成する例を示す。また、各画素電極に対応して長円形或いは長方形に有機化合物層を形成する。
図9は本実施例を説明する図である。図9(A)は、基板801上に画素部802と走査線側駆動回路803、データ線側駆動回路804が設けられている構成を示している。画素部802にはストライプ状に分離層805が設けられ、各分離層の間に有機化合物層が形成されている。分離層805はインクジェット方式で有機化合物層を形成する場合において、隣接する有機化合物層が相互に混ざり合わないようにするために設けてある。
有機化合物層806は、インクヘッド807から有機化合物材料を含む溶液を吐出して形成される。有機化合物層の材料は特に限定されるものではないが、カラー表示を行うには赤、緑、青に対応した有機化合物層806R、806G、806Bを設ければ良い。
図9(B)は図9(A)で示した概念図の断面構造図であり、基板801上に走査線側駆動回路803、画素部802が形成されている様子を示している。画素部802には分離層805が形成され、各分離層の間に有機化合物層806R、806G、806Bが形成されている。インクヘッド807はインクジェット方式のものであり、制御信号に応じて赤、緑、青の各色に対応したインクドット808R、808G、808Bが吐出される。吐出されたインクドット808R、808G、808Bは基板上に付着し、その後の乾燥或いは焼成工程を経て有機化合物層として機能する。インクヘッドは一列または一行毎に一方向に走査させれば良いので、有機化合物層の形成にかかる処理時間を短縮することができる。
図9(C)は画素部をさらに詳細に説明する図であり、基板上に電流制御用TFT810と、該電流制御用TFT810に接続する画素電極812が設けられ、各画素電極上に有機化合物層806R、806G、806Bが分離層805の間に形成されている。画素電極812と電流制御用TFT810との間にはアルカリ金属に対するブロッキング効果を有する絶縁膜811が形成されていることが望ましい。
本実施例は、実施の形態、実施例2、または実施例3における有機化合物層の形成方法のひとつとして適用することができる。
本実施例では、実施例1に示したTFTを用いてアクティブマトリクス基板を作製し、基板を剥離した後、プラスチック基板を貼り合わせてアクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図10を用いる。
図10(A)において、400は基板、401は窒化物層、402は酸化物層、403は下地絶縁層、404aは駆動回路413の素子、404bは画素部414の素子404b、405は画素電極である。ここで素子とは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置において、画素のスイッチング素子として用いる半導体素子(典型的にはTFT)もしくはMIM素子等を指す。なお、スイッチング素子の活性層は、結晶構造を有する半導体膜(ポリシリコン等)であってもよいし、非晶質構造を有する半導体膜(アモルファスシリコン等)であってもよい。
まず、実施例1に従い、同一基板上に画素部414には一方の電極を画素電極とするnチャネル型TFTを、駆動回路413にはnチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTをそれぞれ作製し、図10(A)の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図10(A)のアクティブマトリクス基板上に配向膜406aを形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ(図示しない)を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
ここでは、反射型の表示装置を形成するため、画素電極の材料は、AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の優れた材料を用いることが望ましいが、画素電極を透明導電膜で形成すると、フォトマスクは1枚増えるものの、透過型の表示装置を形成することができる。
次いで、支持体407となる対向基板を用意する。この対向基板には、着色層、遮光層が各画素に対応して配置されたカラーフィルタ(図示しない)が設けられている。また、駆動回路の部分にも遮光層を設けた。このカラーフィルタと遮光層とを覆う平坦化膜(図示しない)を設けた。次いで、平坦化膜上に透明導電膜からなる対向電極408を画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜406bを形成し、ラビング処理を施した。
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板400と支持体407とを接着層409となるシール材で貼り合わせる。シール材にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料410を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。(図10(B))液晶材料410には公知の液晶材料を用いれば良い。
次いで、窒化物層または金属層401が設けられている基板400を物理的手段により引き剥がす。(図10(C))酸化物層402の膜応力と、窒化物層401の膜応力が異なっているため、比較的小さな力で引き剥がすことができる。
次いで、引き剥がした面に熱伝導性を有する膜415を形成する。(図11(A))この熱伝導性を有する膜415は、剥離の際に生じるクラックを修復することができる。熱伝導性を有する膜415としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化酸化アルミニウム(AlNO)、酸化ベリリウム(BeO)等を用いることができる。また、熱伝導性を有する膜415は、可視光に対して透明もしくは半透明な膜であることが好ましい。ここでは、熱伝導率が2.85W/cm・Kと非常に高く、エネルギーギャップが6.28eV(RT)である窒化アルミニウム(AlN)をスパッタ法で形成する。
次いで、エポキシ樹脂などの接着層411により転写体412に貼り付ける。
本実施例では、転写体412をプラスチックフィルム基板とすることで、軽量化を図る。
このようにしてフレキシブルな液晶モジュールが完成する。この液晶モジュールは、素子404a〜404cにより生ずる発熱を熱伝導性を有する膜415で発散し、素子の劣化を防止することができる。また、熱伝導性を有する膜415により、熱に弱い転写体の変形や変質を防止することができる。そして、必要があれば、フレキシブルな基板412または対向基板を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を用いて偏光板(図示しない)等を適宜設けた。そして、公知の技術を用いてFPC(図示しない)を貼りつける。また、支持体となる対向基板を接着した後、剥離する際には配線引き出し端子の部分(接続部分)が被剥離層のみとなり機械強度が弱くなるため、剥離前にFPCを被剥離層に貼りつけ、さらに有機樹脂で固定することが望ましい。
実施例5では画素電極が反射性を有する金属材料で形成された反射型の表示装置の例を示したが、本実施例では画素電極を透光性を有する導電膜と、反射性を有する金属材料との両方で形成した半透過型の表示装置の例を図12に示す。
TFTを覆う層間絶縁膜を形成する工程までは実施例5と同じであるので、ここでは省略する。画素部においてTFTのソース領域またはドレイン領域と接する電極の一方を反射性を有する金属材料で形成し、画素電極(反射部)502を形成する。次いで、画素電極(反射部)502と一部重なるように、透光性を有する導電膜からなる画素電極(透過部)501を形成する。透光性を有する導電膜としては、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いればよい。
以上のようにしてアクティブマトリクス基板が形成される。このアクティブマトリクス基板を用い、実施の形態に従って基板を剥離した後、熱伝導性を有する膜507を形成し、接着剤によってプラスチック基板を貼り合わせ、実施例5に従って液晶モジュールを作製する。そして、得られた液晶モジュールにバックライト504、導光板505を設け、カバー506で覆えば、図12にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて貼り合わせる。また、プラスチック基板と対向基板を貼り合わせる際、枠で囲んで有機樹脂を枠と基板との間に充填して接着してもよい。また、半透過型であるので偏光板503は、プラスチック基板と対向基板の両方に貼り付ける。
外光が十分である場合には、反射型として駆動させるため、バックライトをオフ状態としたまま、対向基板に設けられた対向電極と画素電極(反射部)502との間の液晶を制御することによって表示を行い、外光が不十分である場合には、バックライトをオン状態として対向基板に設けられた対向電極と画素電極(透過部)501との間の液晶を制御することによって表示を行う。
ただし、用いる液晶が、TN液晶やSTN液晶の場合、反射型と透過型とで液晶のねじれ角が変わるため、偏光板や位相差板を最適化する必要がある。例えば、液晶のねじれ角の量を調節する旋光補償機構(例えば、高分子液晶などを用いた偏光板)が別途必要となる。
本発明を実施して様々なモジュール(アクティブマトリクス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型ELモジュール、アクティブマトリクス型ECモジュール)を完成させることができる。即ち、本発明を実施することによって、それらを組み込んだ全ての電子機器が完成される。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図13、図14に示す。
図13(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。
図13(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。
図13(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。
図13(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アーム部2303等を含む。
図13(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
図13(F)はデジタルカメラであり、本体2501、表示部2502、接眼部2503、操作スイッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。
図14(A)は携帯電話であり、本体2901、音声出力部2902、音声入力部2903、表示部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907等を含む。
図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。
図14(C)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
ちなみに図14(C)に示すディスプレイは中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画面サイズのものである。また、このようなサイズの表示部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用い、多面取りを行って量産することが好ましい。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。