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JP5202896B2 - 体毛処理刃物構造、及び刃物 - Google Patents
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Description

本発明は、体毛を切断するための体毛処理刃物構造、及びこの体毛処理刃物構造等に用いられる刃物に関する。
電動式のバリカンや女性用の産毛剃り器等の体毛処理装置は、一般的に、前端部分に櫛状刃を有する固定刃と、前端部分に固定刃と同様の櫛状刃を有する可動刃とを備え、固定刃に対して可動刃が摺動することによって、体毛を切断する。このように固定刃に対して可動刃を摺動させるので、可動刃と固定刃との摺接面で焼き付き等が発生し、切れ味が低下することがある。
切れ味の低下を防止する刃物としては、例えば、その表面にダイヤモンド等を含む薄膜をコーティングしたものが挙げられる(特許文献1参照)。また、基材を保護する保護膜としては、例えば、セグメントに分割したダイヤモンド状炭素(DLC)膜等が挙げられる(特許文献2参照)。
特開昭63−19179号公報 特開2003−147525号公報
特許文献1によれば、刃物の表面にコーティングされている薄膜(潤滑性硬質皮膜)が、ダイヤモンド等を含み、切れ味を維持できる耐磨耗性に富む素材からなっていることが開示されている。しかしながら、例えば、相手方刃物の潤滑性硬質皮膜等と摺動させると、摺動摩擦によって、少しずつ磨耗する。このため、潤滑性硬質皮膜は、焼き付きが発生するまでの焼き付き寿命を確保するためには、一定以上の膜厚が必要である。従って、膜厚の薄い潤滑性皮膜では、焼き付き寿命を確保することは困難である。
一方、この潤滑性硬質皮膜は、摺接面のみに被覆することは困難であるので、摺接面だけではなく、刃先を覆うように被覆され、このため焼き付き寿命を長くするために、潤滑性硬質皮膜を厚くすれば、刃先のエッジが鈍り、初期の切れ味が落ちることがある。
また、特許文献2によれば、保護膜に大きなひずみが加えられても、保護膜がセグメントに分割されていることによって、基材から剥離しにくいことが開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の保護膜は、耐摩耗性を確保しつつ、潤滑性硬質皮膜を薄くする必要がなく、この保護膜を有する耐摩耗性部材を刃物に用いて、切れ味を向上させることを目的とするものではない。
本発明は、かかる従来の問題点を解消するためになされたものであり、焼き付き寿命が充分長く、かつ切れ味が初期から優れた体毛処理刃物構造、及びこの体毛処理刃物構造等に用いられる刃物を提供することを目的とする。
本発明の体毛処理刃物構造は、前端部分に櫛状刃を有する上刃物と、前端部分に櫛状刃を有する下刃物とを備え、前記上刃物と前記下刃物とは、互いに横方向に往復摺動可能なように各刃物の摺接面で接した状態で対向配置されており、該往復摺動により前記上刃物の櫛状刃と前記下刃物の櫛状刃との間で処理される体毛を挟みながら前記体毛を切断するように構成されている体毛処理刃物構造であって、前記上刃物と前記下刃物との少なくともいずれか一方の摺接面に、前記摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜が形成されていることを特徴とする体毛処理刃物構造である。
この構成によれば、相手方刃物と摺接する摺接面の面積が、凹部を有さない場合と比較して小さい。このことにより、相手方刃物との摺動摩擦を低減できるので、潤滑性硬質皮膜を薄くしても、焼き付き寿命が長くなる。また、この構成の体毛処理刃物構造は、例えば、潤滑性硬質皮膜が刃先を覆うように形成された場合であっても、潤滑性硬質皮膜を薄くできるので、初期の切れ味の優れたものとなる。
従って、焼き付き寿命が充分長く、かつ切れ味が初期から優れた体毛処理刃物構造が得られる。
また、前記潤滑性硬質皮膜が、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、TiN、TiAlN、CrN、ZrN、TiC、及びTiCNからなる群から選ばれる1種以上からなることが好ましい。この構成によれば、耐摩耗性をより高くできるので、潤滑性硬質皮膜の膜厚をより薄くできる。従って、焼き付き寿命がより長く、かつ切れ味のより優れた体毛処理刃物構造が得られる。
また、前記凹部が、前記摺接面の端部に連通する溝であることが好ましい。この構成によれば、摺接面の端部に連通するので、摺接面上の混入したごみ等の異物や磨耗粉を摺接面の外に容易に排出させることができる。また、異物や磨耗粉を、溝に取り込んで、異物や磨耗粉による磨耗を抑制できる。
また、前記凹部に、潤滑性物質が保持されていることが好ましい。この構成によれば、
相手方刃物と潤滑性物質を介して摺接でき、また、潤滑性物質が凹部に保持される。従って、相手方刃物との摺動摩擦をより長期間低減できるので、焼き付きの発生をより抑制でき、焼き付き寿命をより長くできる。
また、前記潤滑性物質が、固体状であることが好ましい。この構成によれば、流動性のある潤滑性物質と同様の焼き付きの抑制効果があり、さらに、水洗等にも耐えうる。従って、水洗等によっても、相手方刃物との摺動摩擦を低減する効果が持続できるので、焼き付きの発生をより抑制でき、焼き付き寿命をより長くできる。
また、本発明の刃物は、前記体毛処理刃物構造に用いられる刃物である。この構成によれば、相手方刃物と摺接する摺接面積が小さいので、潤滑性硬質皮膜を薄くしても、焼き付き寿命が長くなる。従って、焼き付き寿命が充分長く、かつ切れ味が初期から優れたものが得られる。
また、本発明の刃物は、他の部材と摺接する摺接面を有し、前記他の部材に対して摺動することによって、被切断物を切断する刃物であって、少なくとも前記摺接面に、摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜が形成されていることを特徴とする刃物である。
この構成によれば、他の部材と摺接する摺接面の面積が、凹部を有さない場合と比較して小さい。このことにより、他の部材との摺動摩擦を低減できるので、潤滑性硬質皮膜を薄くしても、焼き付き寿命が長くなる。また、この構成の刃物は、例えば、刃先まで潤滑性硬質皮膜が形成された場合であっても、潤滑性硬質皮膜を薄くできるので、初期の切れ味の優れたものとなる。従って、焼き付き寿命が充分長く、かつ切れ味が初期から優れた刃物が得られる。
本発明によれば、焼き付き寿命が充分長く、かつ切れ味の優れた体毛処理刃物構造、及びこの体毛処理刃物構造等に用いられる刃物を提供できる。
本発明の実施形態に係る体毛処理刃物構造について説明する。ここでは、電動式のバリカンに用いる体毛処理刃物構造を例に挙げて説明するが、面摺動する刃物で構成される体毛処理刃物構造であれば適用でき、電動式のバリカンに用いられる体毛処理刃物構造に限定されず、例えば、女性用の産毛剃り器に用いる体毛処理刃物構造であってもよい。
電動式のバリカンは、可動刃と固定刃とを備え、固定刃に対して可動刃を摺動させることによって、被切断物である体毛を切断する。なお、可動刃及び固定刃は、上刃物及び下刃物に相当する。図1は、本発明の実施形態に係る体毛処理刃物構造を構成する刃物を示した概略斜視図である。図1(a)は、可動刃10を示し、図1(b)は、固定刃20を示す。図2は、可動刃10と固定刃20と対向させた状態の概略断面図である。
可動刃10及び固定刃20は、前端部分に櫛状歯11,21を有する刃物であり、櫛状歯11,21は、それぞれの歯が、歯の並んでいる並設方向の両端に刃先を有する。また、可動刃10及び固定刃20は、図2に示すように、互いに対向するように配置することによって、互いに相手方刃物と摺接する摺接面を有する。具体的には、互いの刃先側に各々設けられる刃先側摺接面12,22及び互いの脚部側に各々設けられる脚部側摺接面13,23を有する。
また、可動刃10は、固定刃20に対して摺動可能に配置されており、刃先側摺接面12,22及び脚部側摺接面13,23において摺れながら、櫛状歯11の並設方向に往復運動を行う。電動式バリカンは、この往復運動によって、可動刃10の櫛状歯11と固定刃20の櫛状歯21とに体毛を挟み込んで、切断する。
なお、可動刃10と固定刃20との接触圧は、10000〜50000Paであることが好ましく、摺接面12,13,22,23の面積は、20〜100mmであることが好ましい。
次に、可動刃10及び固定刃20の構造について説明する。
図3は、可動刃10及び固定刃20の刃先周辺の拡大断面図を示す。なお、図3(a)は、潤滑性硬質皮膜32が薄い場合を示し、図3(b)は、潤滑性硬質皮膜32が厚い場合を示す。
可動刃10及び固定刃20は、基材31と潤滑性硬質皮膜32とから構成され、潤滑性硬質皮膜32は、基材31の摺接面12,13,22,23を含む領域を少なくとも被覆していればよく、例えば、基材31表面の全面を被覆していてもよい。
本発明に用いられる基材31としては、刃物として用いることができるものであれば、特に制限されず、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、及びチタン等の金属が挙げられる。
本発明に用いられる潤滑性硬質皮膜32は、図4に示すような、摺接面側に開放された凹部41,42を有する。図4は、摺接面12,13,22,23の表面の拡大図である。潤滑性硬質皮膜32に形成されている凹部の形状は、特に制限されず、例えば、図4(a)及び図4(b)に示すような、開口が円形の孔41であってもよいし、図4(b)及び図4(c)に示すような摺接面方向に延び、摺接面の端部と連通する溝42であってもよい。また、潤滑性硬質皮膜32としては、図4(a)に示すように、孔41が、マトリックス状に多数形成されていてもよいし、図4(b)に示すように、孔41及び溝42の両方が形成されていてもよいし、図4(c)に示すように、溝42が格子状に形成されていてもよい。
また、摺接面全面に対する凹部41,42の形成されている面積の比率(開口率)が、0.1〜50%であることが好ましく、0.5〜20%であることがより好ましい。開口率が低すぎる場合は、可動刃10と固定刃20との摺動摩擦を低減させて、焼き付き寿命を長くするという効果を発揮しにくい傾向があり、開口率が高すぎる場合は、潤滑性硬質皮膜が剥離すると、硬質部分がなくなるおそれがある。
凹部が孔41である場合、孔41の直径Dは、1〜100μmであることが好ましい。また、図4(a)に示すように、孔41がマトリックス状に形成されている場合、孔41の中心と隣接する孔の41の中心との距離(孔41のピッチ)P1は、1〜1000μmであることが好ましい。
凹部が溝42である場合、溝42の幅Wは、1〜100μmであることが好ましい。また、図4(c)に示すように、溝42が格子状に形成されている場合、溝42の中心間距離(溝42のピッチ)P2は、1〜1000μmであることが好ましい。
潤滑性硬質皮膜32としては、例えば、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、TiN、TiAlN、CrN、ZrN、TiC、及びTiCN等からなるものが挙げられ、この中でも、DLC膜が特に好ましい。
潤滑性硬質皮膜32の膜厚は、0.1〜2μmであることが好ましい。潤滑性硬質皮膜が薄すぎると、焼き付き寿命を長くするという効果を発揮しにくい傾向があり、厚すぎると、図3(b)に示すように、刃先のエッジ33が鈍り、特に初期の切れ味が悪化する傾向がある。
図4に示すような凹部を有する潤滑性硬質皮膜32を備えた可動刃10及び固定刃20は、互いに摺接する摺接面の面積が、凹部を有さない場合と比較して小さい。このことにより、可動刃10と固定刃20との摺動摩擦を低減できるので、図3(a)に示すように、潤滑性硬質皮膜32を薄くして、初期の切れ味をよいものにしても、焼き付き寿命が長くなる。
また、凹部41,42に、潤滑性物質が保持されていることが好ましい。潤滑性物質としては、流動性のあるものであってもよいし、固体状のものであってもよい。流動性のあるものとしては、電動式のバリカンの可動刃と固定刃との潤滑のために用いることができる潤滑剤であれば、特に制限なく用いることができ、例えば、流動性パラフィン等が挙げられる。また、固体状のものとしては、ポリテトラフルオロエチレン等の熱硬化性フッ素系樹脂等が挙げられる。
図5は、流動性がある潤滑性物質を用いた場合の可動刃10と固定刃20との概略断面図を示す。潤滑性物質として、流動性パラフィン等の流動性があるものを用いた場合、図5に示すように、可動刃10と固定刃20との間に、潤滑性物質からなる油膜35が形成され、可動刃10と固定刃20とが、潤滑性物質を介して摺接でき、また、潤滑性物質が凹部41,42に保持される。従って、可動刃10と固定刃20との摺動摩擦をより長期間低減できるので、焼き付きの発生をより抑制でき、焼き付き寿命をより長くできる。
また、潤滑性物質が、固体状であることが好ましい。潤滑性物質が、固体状であっても、流動性のある潤滑性物質と同様の焼き付きの抑制効果があり、さらに、水洗等にも耐えうる。従って、水洗等によっても、可動刃10と固定刃20との摺動摩擦を低減する効果が持続できるので、焼き付きの発生をより抑制でき、焼き付き寿命をより長くできる。
潤滑性硬質皮膜32は、例えば、堆積法で形成される。堆積法としては、気相法が好適であり、例えば、直流電源、交流電源又は高周波電源等を電源とするプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等のCVD法、AIP(Arc Ion Plating)法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法等のスパッタ法、及びイオン化蒸着法等が挙げられる。
潤滑性硬質皮膜32の凹部41,42は、上記の方法で成膜した後、削り取ってもよいが、予め所定の形状の凹部が形成されるように基材31上をマスクして成膜してもよい。基材31上をマスクして成膜することによって、そのマスクされた領域以外に、潤滑性硬質皮膜32が形成され、マスクされた領域が凹部となって形成される。
具体的には、図4(a)に示すような、孔41がマトリックス状に多数形成された潤滑性硬質皮膜32を形成する場合、例えば、図6に示すような治具61を用いて、基材31上をマスクして、成膜してもよい。なお、図6は、治具61を示す概略斜視図である。治具61は、図6に示すように、端面形状が円形の突起部62を多数有し、この突起部62によって、基材31の表面をマスクすることができる。このように潤滑性硬質皮膜を形成させることによって、突起部62の形状に対応する孔41が形成される。突起部62の直径は、孔41の直径Dに対応し、1〜100μmであることが好ましく、突起部62の中心と隣接する突起部62の中心と距離(突起部62のピッチ)は、孔41のピッチP1に対応し、1〜1000μmであることが好ましい。
また、図4(c)に示すような、溝42が格子状に形成された潤滑性硬質皮膜32を形成する場合、例えば、タングステン線等からなる金網を用いて、基材31上をマスクして、成膜してもよい。このように潤滑性硬質皮膜を形成させることによって、金網の形状に対応する格子状の溝42が形成される。また、金網の線径は、溝42の幅に対応し、1〜100μmであることが好ましく、線の中心間距離(金網のピッチ)は、溝42のピッチP2に対応し、1〜1000μmであることが好ましい。
また、凹部41,42に、潤滑性物質を保持する方法としては、例えば、凹部41,42が形成された潤滑性硬質皮膜32に、潤滑性物質をスプレーする方法等が挙げられる。また、潤滑性物質が固体状である場合、固体状になる前の原料や潤滑性物質をペースト状にしたものを、潤滑性硬質皮膜32にスプレーして、その後、加熱乾燥して、固化させてもよい。
本実施形態では、可動刃及び固定刃が、ともに摺接面に凹部が形成されている場合について説明したが、可動刃及び固定刃のいずれか一方が、凹部が形成されている潤滑性硬質皮膜を形成されている刃物であってもよい。また、電動式のバリカンの刃物が、一方が可動刃、他方が固定刃である場合について、説明したが、両方、可動刃であってもよい。つまり、上刃物及び下刃物が、ともに可動刃であってもよい。
以下に、本発明について、実施例を挙げて説明する。
[電動式のバリカン]
電動式のバリカンに用いる刃物構造の実施例について説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜3は、表1に示す条件の刃物を、電動式のバリカンの可動刃及び固定刃として用い、焼き付きが発生するまでの時間(焼き付き寿命)を測定した。なお、これらの電動式のバリカンは、可動刃と固定刃との接触圧が、20000Paであり、摺接面の面積が、50mmである。その結果を表1に示す。
Figure 0005202896
表1より、摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜を形成した実施例1〜6は、凹部を有さない比較例1〜3と比較して、焼き付き寿命が長いことがわかった。
また、凹部に潤滑性物質を保持している実施例5及び実施例6は、他の実施例と比較しても、特に焼き付き寿命が長いことがわかった。さらに、この潤滑性物質が固体状である熱硬化性フッ素系樹脂を用いた実施例6は、流動性のある流動パラフィンを用いた実施例5と同等の焼き付き寿命であるだけではなく、さらに、水洗しても、潤滑性物質が残り、焼き付き寿命が短くならなかった。
凹部として溝幅の大きい格子状の溝が形成されている実施例4は、他の実施例と比較して、摺接面上にあるごみ等の異物を掃除しやすかった。
さらに、DLC膜が形成されている実施例3〜6は、TiAlN膜が形成されている実施例1及びTiN膜が形成されている実施例2と比較して、焼き付き寿命が長かった。このことから、潤滑性硬質皮膜として、DLC膜が好ましいことがわかった。
このことは、TiAlN膜、TiN膜及びDLC膜の、摺動サイクル(摺動回数)と摩擦係数との関係からわかる。なお、図7は、摺動サイクルと摩擦係数との関係を示すグラフである。横軸は、摺動サイクル[回]を示し、縦軸は、摩擦係数を示す。
図7からわかるように、DLC膜の摩擦係数が、摺動サイクルにかかわらず、TiAlN膜と比較して、低かった。また、TiN膜は、摺動サイクルが増えるにしたがって、摩擦係数が増加し、摺動サイクルが多い場合、DLC膜の摩擦係数が、TiN膜と比較して、低かった。このDLC膜の摩擦係数の低さが、焼き付き寿命を長くしていることがわかる。
[女性用の産毛剃り器]
女性用の産毛剃り器に用いる刃物の実施例について説明する。
実施例7及び比較例4は、表2に示す条件の刃物を、女性用の産毛剃り器の可動刃及び固定刃として用い、焼き付きが発生するまでの時間(焼き付き寿命)を測定した。なお、これらの女性用の産毛剃り器は、可動刃と固定刃との接触圧が、20000Paであり、摺接面の面積が、50mmである。その結果を表2に示す。
Figure 0005202896
表2からわかるように、摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜を形成した実施例7は、20時間と長いのに対して、凹部を有さない比較例4は、焼き付きが電動式のバリカンより発生しにくい女性用の産毛剃り器であっても、焼き付き寿命が3時間と短かった。
本発明の実施形態に係る体毛処理刃物構造を構成する刃物を示した概略斜視図である。 可動刃10と固定刃20と対向させた状態の概略断面図である。 可動刃10及び固定刃20の刃先周辺の拡大断面図を示す。 摺接面12,13,22,23の表面の拡大図である。 流動性がある潤滑性物質を用いた場合の可動刃10と固定刃20との概略断面図を示す。 治具61を示す概略斜視図である。 摺動サイクルと摩擦係数との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 可動刃
11,21 櫛状歯
12,22 刃先側摺接面
13,23 脚部側摺接面
20 固定刃
31 基材
32 潤滑性硬質皮膜
33 エッジ
35 油膜
41 孔
42 溝
61 治具
62 突起部

Claims (7)

  1. 前端部分に櫛状刃を有する上刃物と、前端部分に櫛状刃を有する下刃物とを備え、前記上刃物と前記下刃物とは、互いに横方向に往復摺動可能なように各刃物の摺接面で接した状態で対向配置されており、該往復摺動により前記上刃物の櫛状刃と前記下刃物の櫛状刃との間で処理される体毛を挟みながら前記体毛を切断するように構成されている体毛処理刃物構造であって、
    前記上刃物と前記下刃物との少なくともいずれか一方の摺接面に、前記摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜が形成されており、
    前記潤滑性硬質皮膜の膜厚は、0.1〜2μmであることを特徴とする体毛処理刃物構造。
  2. 前記潤滑性硬質皮膜が、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、TiN、TiAlN、CrN、ZrN、TiC、及びTiCNからなる群から選ばれる1種以上からなる請求項1に記載の体毛処理刃物構造。
  3. 前記凹部が、前記摺接面の端部に連通する溝である請求項1又は請求項2に記載の体毛処理刃物構造。
  4. 前記凹部に、潤滑性物質が保持されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の体毛処理刃物構造。
  5. 前記潤滑性物質が、固体状である請求項4に記載の体毛処理刃物構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の体毛処理刃物構造に用いられる刃物。
  7. 他の部材と摺接する摺接面を有し、前記他の部材に対して摺動することによって、被切断物を切断する刃物であって、
    少なくとも前記摺接面に、摺接面側に開放された凹部を有する潤滑性硬質皮膜が形成されており、
    前記潤滑性硬質皮膜の膜厚は、0.1〜2μmであることを特徴とする刃物。
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CN103722573A (zh) * 2013-12-28 2014-04-16 苏州贝意迪机电科技有限公司 一种电动理发器
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