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JP5204082B2 - 軌条車両 - Google Patents
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本発明は、軌条車両の側構体に具備される側引戸、又は妻構体に備えられる妻引戸を開けた際に引戸が収納される戸袋を備えた軌条車両に関し、特に、引戸を収納する戸袋モジュールに指保護ゴムを具備する戸袋柱を備える軌条車両に関する。
近年、軌条車両(鉄道車両)においては、高性能化、快適性の他、製作コストの低減、品質の向上が強く求められる傾向がある。製作コストを低減するために、椅子、吊革、握り棒、荷棚等の内装品を、小さい作業工数で取り付けることができるように、寸法精度の高い車両構体を製作することが必要である。
寸法精度の高い車両構体を製作するため、複数のアルミ製中空押し出し形材(以下、押し出し形材)をその押し出し方向に沿って並べた後、その接合端部を入熱量が小さく歪(変形)が生じにくい摩擦撹拌接合によって接合する手法が採用されつつある。この手法で製作された屋根構体、側構体、台枠などを箱状に組立てることにより、従来の車両構体に比較して寸法精度の高い車両構体を製造することが可能となる。なお、軌条車両は、地上側に配設されたガイドウエイに沿って走行する車両を示し、鉄道車両、路面電車、モノレール、新交通システム等に供される車両を含む。以下、軌条車両の代表として、鉄道車両を例に挙げて説明する。
内装品の取り付け作業工数を低減するために、吊革、手摺り、荷棚等を集約して部品点数を少なくしたモジュール化が進められている。内装品モジュールは、各構体を構成する押し出し形材に一体成形されたカーテンレール(或いは、T型スロット、T型溝)に、特殊ボルトとナットを組み合わせた拘束具によって、車両構体の内部の所定場所に固定される。
荷棚モジュール及び天井モジュールについては、車両構体の内部の所定箇所に簡便に取り付けることができる。しかしながら、乗客等の出入に供される引戸等の可動部の近傍に配設される戸袋モジュールの場合、戸袋モジュールを構成する部品の一つである指保護ゴム受金については、引戸との隙間調整作業を必要とするため、戸袋モジュールを車両構体に取り付けた後、引戸との隙間を現物合わせで隙間を調整しながら戸袋モジュールに固定していた。この固定方法は、現物合わせ作業での方法となるので、取り付け工数が大きくなるだけでなく、穿孔作業を伴うため切粉清掃作業が生じるなど改善すべき点があった。
特許文献1には、鉄道車両出入口部の側引戸戸袋部を、化粧版が貼付された戸袋内側壁と、その端部に具備される戸袋柱から構成するとともに、戸袋柱に握り棒を一体で備えてモジュール化とした鉄道車両の戸袋構造が開示されている。戸袋柱の基部の戸袋内側壁が嵌入される凹溝が形成される側とは反対側には、突状部を設けて指保護用のゴムカバーが弾性嵌合により取り付けられている。ゴムカバーの取り付け位置は固定的であり、可変構成にはなっていない。
実開平05−49555号公報
本発明の目的は、引戸を備える軌条車両において、引戸を収納する戸袋を側構体と戸袋モジュールから構成するとともに、戸袋モジュールに備えられる戸袋柱に具備される指保護ゴム受金の位置を枕木方向に調整可能に配設することによって、容易に指保護ゴムの位置を調整することができ、現物合わせ作業に伴う穿孔作業を必要としない軌条車両を提供することである。
本発明の課題は、出入口部に引戸が備えられるとともに、前記引戸が収容される戸袋モジュールを備え、前記戸袋モジュールは、戸袋パネルの前記出入口部側の端部に備えられる戸袋柱と、前記戸袋柱に固定される指保護ゴム受金と、前記指保護ゴム受けに保持される指保護ゴムとを有している軌条車両において、前記指保護ゴム受金は前記指保護ゴムを保持する保持部と前記戸袋柱に固定される基部とからなり、前記基部にはその長手方向に沿って、枕木方向に長軸を有する複数の長孔が形成されており、前記戸袋柱に前記基部が機械的締結手段によって固定されることを特徴とした軌条車両によって解決できる。
本発明による戸袋モジュールを備えた軌条車両によれば、指保護ゴム受金を戸袋柱に固定する際に、現物合わせ作業による指保護ゴム受金の戸袋柱への位置合わせ、位置合わせ後の穿孔作業及びネジ切り作業、並びに穿孔作業及びネジ切り作業に伴う清掃作業を省略することができるので、製作コストを低減するとともに高い品質の軌条車両を提供することができる。
図1は、軌条車両の平面図である。 図2は、図1のB部(引戸と戸袋)の断面図である。 図3は、図2のC部(戸袋柱と指保護ゴム受金)の断面図である。 図4は、図3の視E−E側面図である。 図5は、他の実施例の戸袋柱と指保護ゴム受金の断面図である。 図6は、従来の図2のC部に相当する部位の断面図である。 図7は、図6の視F−F側面図である。
以下、図面を参照して、本発明による戸袋モジュールを備えた鉄道車両の一実施例を説明する。
図1は、軌条車両10の平面図である。軌条車両10に備えられる引戸30,30、戸袋パネル40,40、椅子50等が配置される様子を示すために屋根部を省略している。軌条車両10の側構体の出入口20に備えられる一組の対向する引戸30,30が示されているが、妻構体の出入口には、図示していないが、一枚の引戸からなる出入口部を構成することが可能である。
図2は、図1のB部(引戸と戸袋)の拡大図である。戸袋モジュールは、軌条車両10を構成する側構体15に沿って備えられる戸袋パネル40と、戸袋パネル40の出入口部20の近傍に位置する端部に備えられる戸袋柱42と、戸袋柱42に沿って鉛直方向に備えられるとともに、引戸30と戸袋柱42との隙間を調整する指保護ゴム100と、握り棒60などから構成される。戸袋パネル40は樹脂発泡材又はハニカムコアなどからなる板状の芯材から構成され、軌条車両10の内部に面する部位に化粧板が貼り付けられるとともに、引戸30に面する部位には金属薄板と断熱材44が貼り付けられる。戸袋パネル40の車内(軌条車両10の中心線10a)側には椅子50が備えられ、一方の引戸30が他方の引戸30と対向する面には戸先ゴム35が具備される。
寸法精度の高い車両構体であっても、車両構体に備えられるレールに沿って開閉する引戸30,30は可動部であるため、引戸30と戸袋柱42及び側構体15との間には大きな公差が設けられる。引戸30が開けられる際に、戸袋モジュール内に収納される引戸30によって、モジュール内部に握り棒60の近傍に乗車していた乗客の衣類あるいは指等が戸袋引き込まれることを防止するために、戸袋柱42に指保護ゴム100が備えられる。指保護ゴム100は、一般的には、難燃性を有すクロロプレン系合成ゴム(CR)等から成形される。
図6は従来の図2のC部に相当する部位の断面図であり、図7は図6の視F−F側面図である。従来、戸袋パネル40の出入口部20側の端部40aに戸袋柱42を固定した戸袋モジュールをアウトワークにて製作した後、軌条車両10の車内に取り付けていた。その後、指保護ゴム100が固定された指保護ゴム受金110を、指保護ゴム100と引戸30との隙間dを調整しながら現物合わせで位置を決めた後、指保護ゴム受金の基部110aと戸袋柱42に穴あけとネジ切りとを施して後、ネジ39にて指保護ゴム受金110を戸袋柱42に固定していた。現物合わせ作業に加えて、軌条車両の内部における穿孔作業とネジ切り作業が生じるため、作業工数の増大に加えて、切粉の清掃作業が伴うため改善すべき点があった。
図3は図2のC部の水平断面図であり、図4は図3の視F−F側面図である。図3及び図4に示される戸袋柱42、指保護ゴム受金110以外は、図5及び図6に示した従来のものと同じであるため再度の詳細な説明を省略する。指保護ゴム受金110の基部110aに、長軸120aを枕木方向200に向けた形態でその鉛直方向に沿って複数の長孔120が備えられる。戸袋柱42にはその長手方向に沿って、引戸30に対向する面に溝42aが形成されており、指保護ゴム受金の基部110aに具備された長孔120の設置間隔に合わせて、開口部とネジ部が加工される。戸袋モジュールを構成する戸袋柱42に具備された溝42aに、指保護ゴム受金110の基部110aを嵌入した後、機械的締結手段であるネジ39によって指保護ゴム受金110を戸袋柱42に仮止めする。
アウトワークで製作される従来の戸袋モジュールには指保護ゴム受金110は含まれていなかったが、指保護ゴム受金110を枕木方向に調整できる構造を備えたため、図3に示される戸袋モジュールには指保護ゴム受金110を予め組入れることが可能となった。戸袋モジュールを軌条車両10に固定した後、指保護ゴム100と引戸30との間隔を所定の隙間になるように、ネジ39を緩めて指保護ゴム受金110の位置を枕木方向に微調整した後、ネジ39を締めて固定する。指保護ゴム受金110に、枕木方向の位置を調整できる長孔120を備えたため、現物合わせによる指保護ゴム受金110と戸袋柱42との位置決め作業を省略することができる。さらに、軌条車両10の内部での穴あけ作業及びネジ切り作業を省くことができるため、穴あけ作業に付随する作業工数を削減できる上に、切粉を清掃する作業も不要となるため、製作コストを低減するとともに高品質の軌条車両10を生産することができる。
軌条車両の使用年数は約20年である。従って、長年取り付けられている指保護ゴム100は経年によって劣化して収縮する場合がある。このため、引戸30と指保護ゴム100との隙間寸法dを再調整する必要が生じた場合には、締結されたネジ39を緩め、隙間寸法dを容易に再調整することもできる。
図5は他の実施例における戸袋柱と指保護ゴム受金の断面図である。図5に示される戸袋柱42、指保護ゴム受金110、指保護ゴム100以外は、図3及び図6に示した構造と同じであるため再度の詳細な説明を省略する。図5に示される指保護ゴム受金110は、指保護ゴム100を係止するための係止部110b,110bをその長手方向に沿って備える。指保護ゴム100はその両側面に溝100a,100aが成形されている。指保護ゴム受金110の係止部110b,110bの長手方向端部から、指保護ゴム100をその溝100a,100aに嵌入しつつ長手方向に沿って押し込み、指保護ゴム受金110に指保護ゴム100を固定する。指保護ゴム100が嵌入された受金110の基部110aを戸袋柱42の溝42bに嵌入した後、機械的締結手段であるネジ39によって指保護ゴム受金110を戸袋柱42に仮止めする。
この構造によれば、接着による固定でないため、例えば、経年劣化あるいは損傷した指保護ゴム100を容易に交換することができる。従来、戸袋柱42と握り棒60を別々に製作し、ネジなどで握り棒60を戸袋柱42に固定していたが、図5に示される戸袋柱42は、アルミ合金の押し出し成形によって握り棒60を一体に備える例である。戸袋柱42は、戸袋パネル40の出入口部側の端部40aを枕木方向に挟む態様で取り付けられる取付け部と、指保護ゴム受金110の基部が嵌入・固定される溝42bが形成された基部固定部と、握り棒部60とが一体に、その長手方向を押し出し方向として成形された押し出し成形品である。押し出し成形によれば、その内部を中空にすることにより軽量化を図ることができる。戸袋柱42と握り棒60を一体成形することにより部品点数を削減できるので、より小さい作業工数で戸袋モジュールを製作することができる。指保護ゴム受金110もアルミ合金の押し出し成形によって製作してもよい。
上記実施例では、軌条車両10の側構体15に沿って備えられた引戸30について記載したが、妻構体に備えられる引戸に適用することもできる。
10…軌条車両 10a…軌条車両の中心線
15…側構体 20…出入口部
30…引戸 35…戸先ゴム
39…ネジ(ボルト含む) 40…戸袋パネル
40a…端部 42…戸袋柱
42a,42b…溝
50…椅子 60…握り棒(手摺)
100…指保護ゴム 100a…溝
110:指保護ゴム受金 110a…係止部
200…矢印 (枕木方向)
d…指保護ゴムと引戸との隙間

Claims (5)

  1. 出入口部に引戸が備えられるとともに、前記引戸が収容される戸袋モジュールを備え、前記前記戸袋モジュールは、戸袋パネルの前記出入口部側の端部に備えられる戸袋柱と、前記戸袋柱に固定される指保護ゴム受金と、前記指保護ゴム受けに保持される指保護ゴムとを有している軌条車両において、
    前記指保護ゴム受金は前記指保護ゴムを保持する保持部と前記戸袋柱に固定される基部とからなり、
    前記基部にはその長手方向に沿って、枕木方向に長軸を有する複数の長孔が形成されており、
    前記戸袋柱に前記基部が機械的締結手段によって固定されること、
    を特徴とする軌条車両。
  2. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記戸袋柱に握り棒が一体成形されること、
    を特徴とする軌条車両。
  3. 請求項1又は2に記載の軌条車両において、
    前記指保護ゴム受金の前記保持部には指保護ゴムを係止する係止部が備えられており、
    前記指保護ゴムの両側面には前記係止部が係止される溝が形成されており、
    前記溝を前記係止部に係止することによって、前記指保護ゴムが前記指保護ゴム受金に保持されること、
    を特徴とする軌条車両。
  4. 請求項1に記載の軌条車両において、
    前記戸袋柱は、前記戸袋パネルの前記出入口部側の端部を枕木方向に挟む態様で取り付けられる取付け部と、前記指保護ゴム受金の前記基部が固定される基部固定部と、前記握り棒部とが一体に、その長手方向を押し出し方向として成形された押し出し成形品であること、
    を特徴とする軌条車両。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の軌条車両において、
    前記出入口部は、前記軌条車両の側構体又は妻構体に備わっていること、
    を特徴とする軌条車両。
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