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JP5204966B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents
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リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法に関するものである。
近年、家庭電器においてポータブル化、コードレス化が急速に進むに従い、ラップトップ型パソコン、携帯電話、ビデオカメラ等の小型電子機器の電源としてリチウムイオン二次電池が実用化されている。このリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質としてはLiCoO2、LiCo1-xMgx2等のコバルト系材料、LiNiO2、LiNi0.8Co0.1Mn0.12等のニッケル系材料、LiMn24等のマンガン系材料などのリチウム遷移金属複合酸化物やこれらの複合酸化物の一部が他の金属元素で置換されたものなどが提案されている。
これらリチウムイオン二次電池用正極活物質は、一般に、導電材、バインダーやその他添加剤と共に塗料化したものを集電体に塗布して正極シートを作製し、負極シートやセパレータなどと組み合わせて電池とする。しかしながら、正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物等は、その製造工程においてなんらかの原因により異物が混入することがある。異物が混入したリチウム遷移金属複合酸化物等をそのまま正極活物質として用いるは当然ながら好ましくない。異物としては金属、セラミックス等が考えられるが、正極活物質中の金属異物は充放電に伴い電解液中に溶解し、負極に析出することで安全性や電池性能を低下させるという問題や正極シートの巻回時にセパレータを突き破る等の問題がある。
リチウムイオン電池用正極活物質中の金属異物による性能低下を抑制するための方法としてはいくつかの方法が提案されている(特許文献1〜8)。
金属異物による性能低下の抑制方法を大別すると、粉砕等の工程を改良することで金属異物の発生自体を抑制する方法(特許文献1〜3)、金属異物を含有するリチウムイオン電池用正極活物質を選別する方法(特許文献4〜5)および金属異物が混入しているリチウムイオン電池用正極活物質から金属異物を除去する方法(特許文献5〜8)等が挙げられる。
特許文献1では、超硬合金によって硬化処理したピンミルを用いて粉砕を行う方法が提案されている。しかしこの方法ではFe含有量を数十ppm程度までは低減できるものの、依然として金属異物含有量が高いという問題点があった。
特許文献2では、二次粒子の軽い焼結により得られた三次粒子の構造をほぐすためにピンミルによる解砕処理を行っているが、二次粒子の構造をほぐして一次粒子とするための粉砕処理に関しては言及されておらず、ピンミルによる粉砕処理に伴う金属異物の発生等についての記載もなされていなかった。
特許文献3ではポリプロピレン容器とアルミナボールを使用したボールミル粉砕処理を行うことでリチウム二次電池用活物質中の金属性の鉄の含有量を5ppm未満とする方法が提案されている。しかしこの方法では得られるリチウム二次電池用活物質の粒度分布がブロードとなり、また、粉砕処理時間を長くする必要があるため、工業的に用いるには不向きであるという問題点があった。
特許文献4では磁気インピーダンス効果による磁気乱れを検出する装置を用いて異物を検出する方法が提案されている。しかしこの方法では異物を含有する電極材料を選別することはできるものの、電極材料から異物を除去することはできないという問題点があった。
特許文献5では正極材料をスラリーにして、スラリー中の金属粒子を磁石を用いて分離する方法が記載されている。しかしこの方法は大量に溶媒を使用する必要があるため工業的に用いるには不向きであるという問題点があった。
溶媒を使用しない磁性金属粉除去方法としては特許文献6乃至特許文献8が提案されている。しかし、特許文献6では、200℃以上600℃以下の高温下で処理する必要があり、被処理物である正極活物質の性能が変化するという問題がある。また、特許文献7では、リチウム遷移金属複合酸化物が吸引される磁束密度以上の吸引力は用いることができず、微細な異物を迅速かつ十分に除去できない。さらに、特許文献8では、15μm以上の粒子径を有する高密度粒子を粗大粒子側に分離することにより除去することができるが、15μm以下の粒子径を有する高密度粒子が混入している場合や、15μm以上の正極活物質を処理する場合には高密度粒子と正極活物質を分離できないという問題があった。
特開2000−58054号公報 特開2005−276597号公報 特開2004−6423号公報 特開2005−183142号公報 特開2002−358952号公報 特開2003−34532号公報 特開2003−183029号公報 国際公開第WO00/079621号パンフレット
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池用正極活物質からFe等の金属異物を効率よく除去し、更には安全性や電池特性の優れたリチウムイオン二次電池を提供しうるリチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる実情において鋭意研究を重ねた結果、リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機で衝撃粉砕処理したリチウム遷移金属複合酸化物粉体はボールミル等の粉砕媒体を用いた粉砕方法で粉砕処理したものに比べ、粒度分布がシャープとなり、更に該衝撃式微粉砕機で平均粒子径を特定範囲に調製し、得られるリチウム遷移金属複合酸化物粉体を空気分級機で空気分級処理することにより、金属異物が低粒子成分側と高粒子成分側に多く分級されることを見出した。そして、低粒子成分側と高粒子成分側に分級されたリチウム遷移金属複合酸化物と共に前記金属異物を取り除くことにより、金属異物含有量の少ないリチウムイオン二次電池用正極活物質が得られ、該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において負極への金属の析出等の発生による電池性能の低下が抑制されることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機によって衝撃粉砕処理を行って、平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体を得た後、該リチウム遷移金属複合酸化物粉体を、空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.6×Dμm以下のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×Dμm以上のいずれかの値に設定して分級処理を行い、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去した平均粒子径が5〜25μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質を得る方法において、前記衝撃式微粉砕機としてピンミルまたはACMパルベライザーを用いて、前記ピンミルは回転体の回転数を6500rpm以上で、前記ACMパルベライザーは回転体の回転数を4000rpm以上で衝撃粉砕処理を行い、前記分級処理により少なくともFe,Ni及びCrから選ばれる高密度粒子の金属異物を前記低粒子径成分および高粒子径成分と一緒に除去し、且つ低粒子径成分に含まれる金属異物の量は、高粒子径成分に含まれる金属異物の量より多いことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
前記リチウム遷移金属複合酸化物粉体を、空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.1×D〜0.6×Dμmの範囲のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×D〜5.0×Dμmの範囲のいずれかの値に設定して分級処理を行うことが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質の平均粒子径が7.0〜23.0μmであることが好ましい。
前記空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.5〜5μmのいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を20〜75μmのいずれかの値に設定して分級処理を行い、平均粒子径が10〜20μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質を得ることが好ましい。
前記分級処理に用いるリチウム遷移金属複合酸化物粉体は平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmに対する粒子径比が、0.5×Dμm以上1.0×Dμm未満の粒子径成分の含有量が35〜47重量%で、粒子径比が1.0×Dμm以上2.0×Dμm以下の粒子径成分の含有量が40〜47重量%であることが好ましい。
前記空気分級機がエルボージェット分級機であることが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物は、リチウム化合物と遷移金属化合物とを含み、リチウム化合物中のリチウム原子(Li)に対する遷移金属化合物中の遷移金属原子(M)のモル比(Li/M)が1より大きい混合物を焼成して得られたものであることが好ましい。
前記分級されたリチウム遷移金属複合酸化物粉体の低粒子径成分および高粒子径成分の各々の粒子に含有されるFe,Ni,Crからなる不純物の含有量が、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去した粒子に含有される不純物の含有量よりも大きいことが好ましい。
また、本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機としてピンミルまたはACMパルベライザーを用いて衝撃粉砕処理を行って得られた平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmの粒度分布を有するリチウム遷移金属複合酸化物粉体を、低粒子径成分を除く分級点を0.6×Dμm以下のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×Dμm以上のいずれかの値に設定して分級処理して得られた粉体からなり、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去し、前記低粒子径成分および高粒子径成分と一緒に少なくともFe,Ni及びCrから選ばれる高密度粒子の金属異物が除去された平均粒子径が5〜25μmであるリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
本発明によれば、Fe等の金属異物が5ppm以下、好ましくは1ppm以下にまで低減されたリチウムイオン二次電池電池用正極活物質を簡便かつ効率的に製造することができ、また、該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において負極への金属の析出等の発生による電池性能の低下を抑制できる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機によって衝撃粉砕処理を行って、平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体を得た後、該リチウム遷移金属複合酸化物粉体を、空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.6×Dμm以下のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×Dμm以上のいずれかの値に設定して分級処理を行い、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去した平均粒子径が5〜25μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質を得ることを特徴とする。
本発明においてリチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物とは、リチウム化合物と遷移金属化合物を含む混合物を焼成、粉砕及び分級を行ってリチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法において、焼成後に得られる粉砕処理を施す前の粒子同士が一部焼結して大きな塊を形成している焼成物を示す。
前記リチウム化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。一方、遷移金属化合物としては、遷移金属の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩、或いは1種又は2種以上の遷移金属を含む複合水酸化物、複合炭酸塩、複合有機酸塩等であってもよい。遷移金属としては、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、チタン、バナジウム、クロム、銅等が挙げられる。
更に、前記リチウム化合物と遷移金属化合物を含む混合物には、他の成分として、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、燐酸塩、硫酸塩、フッ化物等を含有させることができる。
本発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物は、リチウム化合物と遷移金属化合物とを含み、リチウム化合物中のリチウム原子(Li)に対する遷移金属化合物中の遷移金属原子(M)のモル比(Li/M)が1より大きい範囲、好ましくは1.001〜1.050の範囲で含む混合物を焼成して得られるものは、5〜25μmの一次粒子となる。このようにして得られたリチウム遷移金属複合酸化物の焼成物は、後述する衝撃式微粉砕機での粉砕処理においてもほとんど粒子径が変化しないため好ましい。
なお、焼成条件は得られるリチウム遷移金属複合酸化物によって異なるが、後述するコバルト系材料の場合は、大気中で900〜1100℃、好ましくは1000〜1050℃であり、ニッケル系材料の場合は酸化雰囲気で700〜1000℃、好ましくは750〜850℃であり、マンガン系材料の場合は、酸化雰囲気又は不活性雰囲気で700〜1000℃、好ましくは750〜900℃であり、リチウム遷移金属複合リン酸塩の場合は不活性又は還元雰囲気で500〜1000℃、好ましくは550〜800℃である。
具体的なリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiCo1-xMgx2等のコバルト系材料、LiNiO2、LiNi0.8Co0.1Mn0.12等のニッケル系材料、LiMn24等のマンガン系材料などのリチウム遷移金属複合酸化物やこれらの複合酸化物の一部が他の元素で置換されたものが挙げられ、また、本発明において前記リチウム遷移金属複合酸化物は、LiFePO4等のリチウム遷移金属複合リン酸塩やこれらの複合リン酸塩の一部が他の元素で置換されたものも含まれる。本発明においてこれらのリチウム遷移金属複合酸化物の中で、コバルト系材料が広く用いられているため特に好ましい。
本発明で除去対象となる金属異物は、原料由来の金属異物やリチウム遷移金属複合酸化物の製造工程等で混入する金属異物が大部分であるが、その成分は主にステンレス成分であるFe,Cr,Ni等である。金属異物自身の大きさや混入量等は製造設備の材質によって影響を受けるため、各バッチごとに異なるが、一般に金属異物由来のFe成分として数ppm〜数十ppm程度含まれている。
本発明では、まず前記リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機を用いて衝撃粉砕処理して、特定範囲の平均粒子径のリチウム遷移金属複合酸化物粉体を得る。
リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機を用いて、衝撃粉砕処理することにより得られるリチウム遷移金属複合酸化物粉体は、ボールミル等の粉砕媒体を用いる粉砕方法で粉砕処理を行ったものに比べ粒度分布がシャープとなる。また、製造工程中に混入する金属異物の粒子形状は衝撃粉砕処理により変形するために、粒子の形状の差が大きなものを多く含むリチウム遷移金属複合酸化物粉体を得ることができる。
金属異物は、衝撃式微粉砕機の衝撃粉砕処理により粒子形状が棒状や弓状のものに変形し、また、衝撃式微粉砕機による衝撃粉砕処理時に新たに発生した金属異物の形状も棒状や弓状のものとなることから、リチウム遷移金属複合酸化物中に含まれる棒状や弓状の形状を有する金属異物の割合が増えるので、空気分級においてリチウム遷移金属複合酸化物粒子と金属異物とで粒子形状による気流の抵抗差が生じやすくなる。このため、製造の際に混入する金属異物を効率的に除去することができ、また、該リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とするとサイクル特性に優れ充填密度が高く高容量の電池を作製できる点から特に好ましい。
本発明ではこの衝撃式微粉砕機を用い、またかかる衝撃式微粉砕機での衝撃粉砕処理で平均粒子径Dが5〜25μm、好ましくは7〜23μm、さらに好ましくは10〜20μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体を調製する。当該範囲の平均粒子径のものを調製する理由は、調製されるリチウム遷移金属複合酸化物粉体の平均粒子径が5μm未満では低粒子径成分として除去されるリチウム遷移金属複合酸化物量が多くなり生産性が低下し、また25μmを超えると粗大粒子の割合が増え高粒子径成分として除去されるリチウム遷移金属複合酸化物量が多くなるからである。
なお、本発明では前記衝撃式粉砕処理を行う前に、リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物の解砕処理を行っても良い。
更に、前記分級処理に用いるリチウム遷移金属複合酸化物粉体は、平均粒子径(D)に対する粒子径比が、0.5×Dμm以上1.0×Dμm未満の粒子径成分の含有量が35〜47重量%、好ましくは38〜45重量%であることが好ましい。この理由は粒子径比が0.5×Dμm以上1.0×Dμm未満の粒子径成分の含有量が35重量%未満では低粒子径成分が多くなり、47重量%を超えると充填密度が低下し、前記範囲以外では目的物の収率が低下するからである。一方、前記平均粒子径(D)に対する粒子径比が、1.0×Dμm以上2.0×Dμm以下の粒子径成分は40〜47重量%、好ましくは43〜45重量%であることが好ましい。この理由は粒子径比が2.0×Dμm以下の粒子径成分の含有量が40重量%未満では高粒子径成分が多くなり、47重量%を超えると充填密度が低下し、前記範囲以外では目的物の収率が低下するからである。なお、前記平均粒子径に対する粒子径比とは、対象とする粒子の粒子径/平均粒子径として求められる。
衝撃式微粉砕機は、水平あるいは垂直に置かれた軸のまわりを急速度で回転する回転体によって、砕料に激しい衝撃を加え、これを固定体または他の回転体に激突させて、強大な力で粉砕を行う機械であれば特に制限はなく、例えばピンミル、ACMパルベライザー、インパクトミル、パールマンミル等が挙げられるが、特に高速回転体による衝撃粉砕が可能なピンミルや、衝撃粉砕作用とともにせん断作用による粉砕効果も有するACMパルベライザーが好ましく用いられる。
これら衝撃式微粉砕機の回転体の回転数は、粉砕機の種類、粉砕するリチウム遷移金属複合酸化物の硬さや所望する粒子径によって適宜変更して用いられるが、多くの場合6500rpm以上、好ましくは8000rpm以上で用いると粉砕時等に混入した金属異物が低粒子径側に除去されるようになるため好ましい。また、回転数が大きいほど低粒子径側に除去される金属異物割合が大きくなるため好ましい。
また、ACMパルベライザーを用いて衝撃粉砕処理を行う場合には回転体による衝撃粉砕作用のほかにもせん断効果による粉砕作用も有しているため、回転体の回転数は4000rpm以上、好ましくは5000rpm以上で用いると金属異物が低粒子径側に除去されるようになるため好ましい。また、回転数が大きいほど低粒子径側に除去される金属異物割合が大きくなるため好ましい。
この理由は、従来はリチウム遷移金属複合酸化物と粉砕装置との接触等により発生する金属異物は空気分級を行ってもリチウム遷移金属複合酸化物との分離が難しかったが、粉砕時の回転数が大きくなるほど、粉砕処理の最中に金属異物が変形し棒状や弓状の形状を有する割合を増やすことができるからである。このような形状をもつ金属異物は目的とするリチウム遷移金属複合酸化物あるいは球状や大粒子径の金属異物に比べて空気分級において気流から受ける流体抵抗の影響を強く受けるため、高密度粒子にもかかわらず、低粒子径成分として除去できるためである。一方、球状や大粒子径の金属異物は目的とするリチウム遷移金属複合酸化物に比べ高密度であるため高粒子径成分として除去できる。
次に、衝撃粉砕処理して得られた前記リチウム遷移金属複合酸化物粉体を空気分級機を用いて分級処理を行い、該粉体中に含有されるリチウム遷移金属複合酸化物の低粒子径成分と高粒子径成分とを除去する。これと同時に、該低粒子径成分と高粒子径成分に含有されるFe等の金属異物が除去される。
空気分級機による分級は、重力、慣性力、遠心力などの物理力に対して粒子が受ける抵抗力が、その粒子径、密度によって異なることを利用したものであり、粗大粒子と高密度粒子、あるいは微小粒子と低密度粒子をそれぞれ分離除去することができる。
用いる空気分級機としては、例えば粒子の落下速度や落下位置の違いにより分級を行う重力分級機、粒子の慣性力を利用して分級を行う慣性分級機、遠心力と流体抵抗力との釣り合いを利用して分級を行う遠心分級機等が挙げられるが、取り扱いの簡便性と異物除去効果の面から、慣性分級機が好ましい。また、慣性分級機としては、例えばインパクタ型、ルーパー型やエルボージェット等が挙げられるが、低粒子径成分と高粒子径成分を同時に除去でき、かつ、分級処理量も大きくできることからエルボージェットが好ましい。
本発明において、かかる空気分級処理は、リチウム遷移金属複合酸化物粉体中に含まれる、低粒子径成分と高粒子径成分とを除去した特定の粒子径範囲の粒子を得るために行う。そのために、空気分級処理は、特定の粒子径範囲の大きさに応じて、少なくともリチウム遷移金属複合酸化物粉体中に含まれる特定の粒子径以下の低粒子径成分を分取するための分級点、特定の粒子径以上の高粒子径成分を分取するための分級点を各々設定して行う。
リチウム遷移金属複合酸化物粉体中に含まれる特定の粒子径以下の低粒子径成分と、特定の粒子径以上の高粒子径成分の分級は同時に行うことができるが、低粒子径成分を分級処理により除去した後高粒子径成分を分級処理により除去してもよく、また、高粒子径成分を分級処理により除去した後、低粒子径成分を分級処理により除去してもよい。
前記低粒子径成分と高粒子径成分を分取するための分級点は分級機の設定により適宜変更することができる。リチウム遷移金属複合酸化物の形状、密度、粒子径や粒度分布等さらに金属不純物の形状、密度や大きさ等によっても最適な分級点は異なるため、金属異物を除去する正極活物質に合わせた分級点を適宜選択することが好ましい。
低粒子径成分の分級点となる粒子径を大きくするほど金属異物の除去率は向上するが、それに伴い除去される正極活物質量も増加するため、正極活物質の収率が低下する。また、高粒子径成分の分級点となる粒子径を小さくするほど金属異物の除去率は向上するが、それに伴い正極活物質の収率が低下する。通常は高粒子径成分に含まれる金属異物は低粒子径成分に比べて少なく、高粒子径成分の分級点となる粒子径よりも低粒子径成分の分級点となる粒子径による金属異物除去効果に与える影響のほうが大きくなる傾向がある。
低粒子径成分を除く分級点の粒子径は、金属異物の除去効果とリチウム遷移金属複合酸化物の収率を考慮して決定するが、分級処理に用いるリチウム遷移金属複合酸化物の平均粒子径D(Dは5〜25の値を示す。)μmに対して0.6×Dμm以下の範囲、好ましくは0.1×D〜0.6×Dμmの範囲で設定する。低粒子径成分の分級点となる粒子径が0.6×Dμmを超えると、金属異物の除去率がほとんど変わらないにもかかわらず、正極活物質の収率が低くなる傾向があり、また、該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において急速充放電性能が劣る傾向がある。また、低粒子径成分の分級点となる粒子径が0.5〜5μm、好ましくは1〜4μmである。
また、高粒子径成分を除く分級点の粒子径は、金属異物の除去効果とリチウム遷移金属複合酸化物の収率を考慮して決定するが、分級処理に用いるリチウム遷移金属複合酸化物の平均粒子径D(Dは5〜25の値を示す。)μmに対して1.2×Dμm以上、好ましくは1.2×D〜5.0×Dμmの範囲で設定する。高粒子径成分の分級点となる粒子径が1.2×Dμm未満では、正極活物質の収率が低下するため好ましくない。さらに好ましい態様としては、金属異物の除去効果が十分に得られず、さらに粗大な粒子等が混入することによる電極シートやセパレータの貫通等の問題が生じるため、高粒子径成分の分級点となる粒子径は20〜75μm、好ましくは20〜60μmである。粗大粒子側の金属異物除去については磁石や篩等従来の方法を用いて除去することも可能であり、これらと併用するとさらに金属異物が除去できるため好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、これらは単に例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
(金属異物量測定法)
1Lガラスビーカーの内側縁底に、ポリエチレン袋で密封した希土類磁石を設置し、コバルト酸リチウム50gとエタノール500mlを添加して30分攪拌した。
次に、ポリエチレン袋で密封した希土類磁石を取り出し、ポリエチレン袋に付着している金属異物を塩酸で煮沸溶解し、ICPでFe,Cr,Niを定量した。
(平均粒子径と粒度分布)
平均粒子径及び粒度分布はマイクロトラック(日機装(株)社製、HRA(X100))を用いて測定した。
実施例1
市販の炭酸リチウム(平均粒子径7μm)と市販の酸化コバルト(Co34、平均粒子径5μm)をLi/Co原子比が1.040となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填し、電気加熱炉に入れて大気雰囲気下で昇温し、1000℃の温度で5時間保持して焼成処理して塊状の焼成物を得た。
得られた塊状の焼成物を大気中で冷却した後、解砕(ホソカワミクロン社製、ロートプレックス)して、解砕物をピンミル(パールマン社製、PXL 18、回転数8000rpm)で衝撃粉砕処理してコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を得た。このコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を分析したところ平均粒子径14.4μm、BET比表面積0.24m2/gであった。また、平均粒子径に対する粒子径比0.5以上(7.2μm以上)1.0未満の粒子径成分が43.7重量%、粒子径比1.0以上2.0以下(28.8μm以下)の粒子径成分が43.2重量%であった。また、得られたコバルト酸リチウム中の金属異物含有量を測定したところ、Fe7.5ppm、Ni0.82ppm、Cr2.01ppmであった。
このようにして得られたコバルト酸リチウム10kgを低粒子径成分の分級点となる粒子径4μm、高粒子径成分の分級点となる粒子径25μmとして、エルボージェット(マツボー(株)社製、EJ−L−3)を用いて空気分級処理をした。分級によって得られた、低粒子径成分(分級下)、高粒子径成分(分級上)、中間粒子径成分(分級製品)について、それぞれ収率、金属異物量を測定した結果を表1に示す。また、図1に、衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す。
Figure 0005204966
実施例2
市販の炭酸リチウム(粒子径7μm)と市販の酸化コバルト(Co34粒子径5μm)をLi/Co原子比が1.040となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填し、電気加熱炉に入れて大気雰囲気下で昇温し、1030℃の温度で5時間保持して焼成処理して塊状の焼成物を得た。
得られた塊状の焼成物を大気中で冷却した後、解砕(ホソカワミクロン社製、ロートプレックス)して、解砕物をピンミル(パールマン社製、PXL 18、回転数8800rpm)で衝撃粉砕処理して、コバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を得た。このコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を分析したところ、平均粒子径16.9μm、BET比表面積0.27m2/gであった。また、平均粒子径に対する粒子径比0.5以上(8.4μm以上)1.0未満の粒子径成分が41.1重量%、粒子径比1.0以上2.0以下(33.8μm以下)の粒子径成分が43.5重量%であった。また、得られたコバルト酸リチウム中の金属異物含有量を測定したところ、Fe19.2ppm、Ni2.27ppm、Cr5.17ppmであった。
このようにして得られたコバルト酸リチウム10kgを低粒子径成分の分級点となる粒子径4μm、高粒子径成分の分級点となる粒子径25μmとしてエルボージェット(マツボー(株)社製、EJ−L−3)を用いて空気分級処理をした。分級によって得られた、低粒子径成分(分級下)、高粒子径成分(分級上)、中間粒子径成分(分級製品)について、それぞれ収率、金属異物量を測定した結果を表2に示す。また、図2に、衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す。
Figure 0005204966
実施例3
市販の炭酸リチウム(粒子径7μm)と市販の酸化コバルト(Co34粒子径5μm)をLi/Co原子比が1.040となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填し、電気加熱炉に入れて大気雰囲気下で昇温し、1000℃の温度で5時間保持して焼成処理して塊状の焼成物を得た。
得られた塊状の焼成物を大気中で冷却した後、解砕(ホソカワミクロン社製、ロートプレックス)して、解砕物をACMパルベライザー(ホソカワミクロン(株)社製、ACM−10、粉砕回転数6000rpm、分級ローター回転数1300rpm)で衝撃粉砕処理して、コバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を得た。このコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を分析したところ、平均粒子径15.5μm、BET比表面積0.23m2/gであった。また、平均粒子径に対する粒子径比0.5以上(7.7μm以上)1.0未満の粒子径成分が38.9重量%、粒子径比1.0以上2.0以下(30.9μm以下)の粒子径成分が44.5重量%であった。また、得られたコバルト酸リチウム中の金属異物含有量を測定したところ、Fe1.3ppm、Ni0.17ppm、Cr0.33ppmであった。
このようにして得られたコバルト酸リチウム10kgを低粒子径成分の分級点となる粒子径4μm、高粒子径成分の分級点となる粒子径25μmとしてエルボージェット(マツボー(株)社製、EJ−L−3)を用いて空気分級処理をした。分級によって得られた、低粒子径成分(分級下)、高粒子径成分(分級上)、中間粒子径成分(分級製品)について、それぞれ収率、金属異物量を測定した結果を表3に示す。また、図3に、衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す。
Figure 0005204966
表1乃至表3から、空気分級によって低粒子径成分側に分級されたコバルト酸リチウム中の金属異物量が大きくなっており、金属異物が微粒側に分級されていることがわかる。また、高粒子径成分側に分級されたコバルト酸リチウム中の金属異物量も含有量が増加していることがわかる。一方、分級製品中の金属異物量が空気分級前に比べて大幅に低下していることもわかる。
また、図1乃至図3から、空気分級によって得られた分級製品の粒度分布は、分級前のコバルト酸リチウムと比較してシャープであり、粒子径範囲が狭くなっていることがわかる。
比較例1
市販の炭酸リチウム(粒子径7μm)と市販の酸化コバルト(Co34粒子径5μm)をLi/Co原子比が1.040となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填し、電気加熱炉に入れて大気雰囲気下で昇温し、1000℃の温度で5時間保持して焼成処理して塊状の焼成物を得た。
得られた塊状の焼成物を大気中で冷却した後、解砕(ホソカワミクロン社製、ロートプレックス)して、解砕物を乾式ボールミルで24時間粉砕することによってコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を得た。このコバルト酸リチウム粉体(LiCoO2)を分析したところ、平均粒子径12.9μm、BET比表面積0.33m2/gであった。また、平均粒子径に対する粒子径比0.5以上(6.5μm以上)1.0未満の粒子径成分が29.2重量%、粒子径比1.0以上2.0以下(25.8μm以下)の粒子径成分が28.4重量%であった。また、得られたコバルト酸リチウム中の金属異物含有量を測定したところ、Fe0.56ppm、Ni0.18ppm、Cr0.07ppmであった。
このようにして得られたコバルト酸リチウム10kgを低粒子径成分の分級点となる粒子径4μm、高粒子径成分の分級点となる粒子径25μmとしてエルボージェット(マツボー(株)社製、EJ−L−3)を用いて空気分級処理をした。低粒子径成分(分級下)、高粒子径成分(分級上)、中間粒子径成分(分級製品)について、それぞれ収率、金属異物量を測定した結果を表4に示す。また、図4に、衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す。
Figure 0005204966
表4から、ボールミル粉砕したコバルト酸リチウムは粒度分布が広く、低粒子径成分および高粒子径成分として除去される量が大きいことが分かる。また、ボールミル粉砕したコバルト酸リチウムには金属異物除去効果がほとんど得られず、また、分級製品の収率も低いことがわかる。
実施例4〜6、比較例2〜3
[電池性能試験]
(正極シートの作製)
実施例4〜6として実施例1〜3の分級製品として得られたコバルト酸リチウムをそれぞれ用い、比較例2として比較例1の分級製品として得られたコバルト酸リチウムを用い、比較例3として実施例2で得られたコバルト酸リチウム粉体(空気分級を行う前のもの)を用いて正極シートを作製した。
正極シートは以下の手順により作製した。コバルト酸リチウム91重量%と導電剤としてグラファイト6重量%と結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量%とを混合して、N−メチル−2−ピロリジノンに分散させてスラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔に塗布、乾燥させた後、ローラープレス機でプレスをして、所定のサイズに裁断することで正極シートを作製した。
(負極シートの作製)
炭素材料93重量%と結着剤としてポリフッ化ビニリデン7重量%を混合してN−メチル−2−ピロリジノンに分散させてスラリーを調製した。このスラリーを銅箔に塗布、乾燥させた後、ローラープレス機でプレスをして、所定のサイズに裁断することで負極シートを作製した。
(電池の作製)
上記正極シートと負極シートおよびセパレータを巻回して電極群を作製した。この電極群にリードを取り付け、18650サイズの円筒状容器(電池缶)に収容し、電解液を封入して円筒形リチウムイオン二次電池を組み立てた。電解液にはLiPF6を1モル溶解したエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの1:1混合溶液を用いた。
(電圧低下試験)
組み立てた電池を0.5C相当の電流で4.0Vまで2時間かけて低電流充電し、その後4.0Vで5時間定電圧充電した。この電池を55℃で1週間保存した後に電圧を測定し、保存前後の電圧差(電圧低下)を調べた。結果を表5に示す。
(サイクル特性試験)
組み立てた電池を0.5C相当の電流で4.2Vまで2時間かけて低電流充電し、その後4.2Vで5時間かけて定電圧充電した。さらに10分間休止させた後、2.7Vまで0.2C相当の電流で定電流放電を行った。この充放電サイクルを300回繰り返し行い、3サイクル目の放電容量と300サイクル目の放電容量の比(300サイクル目放電容量/3サイクル目放電容量)を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 0005204966
表5より、本発明は、金属異物を除去したコバルト酸リチウムを用いることにより、金属異物を除去していないコバルト酸リチウムに比べ、電圧低下を抑制でき、さらにサイクル特性も向上していることがわかる。また、比較例1のボールミル粉砕したコバルト酸リチウムを用いた比較例2では、金属異物の除去量が実施例1よりも小さいために、電圧低下および放電容量比で実施例1を用いた実施例4よりも劣っていることがわかる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、金属異物の含有量を低減させた正極活物質を得ることができるので、ラップトップ型パソコン、携帯電話、ビデオカメラ等の小型電子機器の電源として用いるリチウムイオン二次電池の製造に利用することができる。
実施例1の衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウムと、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す図である。 実施例2の衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウムと、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す図である。 実施例3の衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウムと、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す図である。 比較例1の衝撃粉砕処理した分級前のコバルト酸リチウムと、分級処理後の分級製品の粒度分布を示す図である。

Claims (9)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機によって衝撃粉砕処理を行って、平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体を得た後、該リチウム遷移金属複合酸化物粉体を、空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.6×Dμm以下のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×Dμm以上のいずれかの値に設定して分級処理を行い、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去した平均粒子径が5〜25μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質を得る方法において、前記衝撃式微粉砕機としてピンミルまたはACMパルベライザーを用いて、前記ピンミルは回転体の回転数を6500rpm以上で、前記ACMパルベライザーは回転体の回転数を4000rpm以上で衝撃粉砕処理を行い、前記分級処理により少なくともFe,Ni及びCrから選ばれる高密度粒子の金属異物を前記低粒子径成分および高粒子径成分と一緒に除去し、且つ低粒子径成分に含まれる金属異物の量は、高粒子径成分に含まれる金属異物の量より多いことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粉体を、空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.1×D〜0.6×Dμmの範囲のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×D〜5.0×Dμmの範囲のいずれかの値に設定して分級処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記衝撃式微粉砕機により衝撃粉砕処理された前記金属異物は、少なくとも粒子形状が棒状や弓状の形状を有する金属異物および球状や大粒子径の金属異物を含有する請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記空気分級機を用いて、低粒子径成分を除く分級点を0.5〜5μmのいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を20〜75μmのいずれかの値に設定して分級処理を行い、平均粒子径が10〜20μmのリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなる正極活物質を得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記分級処理に用いるリチウム遷移金属複合酸化物粉体は平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmに対する粒子径比が、0.5×Dμm以上1.0×Dμm未満の粒子径成分の含有量が35〜47重量%で、粒子径比が1.0×Dμm以上2.0×Dμm以下の粒子径成分の含有量が40〜47重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記空気分級機がエルボージェット分級機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物は、リチウム化合物と遷移金属化合物とを含み、リチウム化合物中のリチウム原子(Li)に対する遷移金属化合物中の遷移金属原子(M)のモル比(Li/M)が1より大きい混合物を焼成して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記分級されたリチウム遷移金属複合酸化物粉体の低粒子径成分および高粒子径成分の各々の粒子に含有されるFe,Ni,Crからなる不純物の含有量が、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去した粒子に含有される不純物の含有量よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. リチウム遷移金属複合酸化物の塊状の焼成物を衝撃式微粉砕機としてピンミルまたはACMパルベライザーを用いて衝撃粉砕処理を行って得られた平均粒子径D(Dは5〜25の数値を示す。)μmの粒度分布を有するリチウム遷移金属複合酸化物粉体を、低粒子径成分を除く分級点を0.6×Dμm以下のいずれかの値、高粒子径成分を除く分級点を1.2×Dμm以上のいずれかの値に設定して分級処理して得られた粉体からなり、前記低粒子径成分および高粒子径成分を除去し、前記低粒子径成分および高粒子径成分と一緒に少なくともFe,Ni及びCrから選ばれる高密度粒子の金属異物が除去された平均粒子径が5〜25μmであるリチウム遷移金属複合酸化物粉体からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質。
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