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JP5206341B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)など粒状の一次粒子から形成された柱状樹脂を圧延して樹脂フィルムを製造する方法に係り、特に、燃料電池用電解質膜の原反として多孔質補強材に好適な樹脂フィルムの製造方法に関する。
燃料電池の一形態として固体高分子型燃料電池が知られている。固体高分子型燃料電池は、図7に示すように、膜電極接合体(MEA)75を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路および空気ガス流路を備えたセパレータ76,76で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池70を形成している。膜電極接合体75は、イオン交換膜である電解質膜71の一方側にアノード側の電極(アノード触媒層)73aを積層し、他方側にカソード側の電極(カソード触媒層)73bを積層した構造であり、アノード触媒層73aとカソード触媒層73bには、それぞれ拡散層74a,74bが配置されている。
電解質膜75としては、電解質樹脂(イオン交換樹脂)であるパーフルオロスルホン酸ポリマーの薄膜(米国、デュポン社、ナフィオン膜)が主に用いられているが、それ単独では十分な強度が得られないことから、例えば、ポリテトラフルオロエチレンや高分子量ポリエチレン樹脂等の薄膜を、1幅方向あるいは2幅方向に延伸することにより多孔質化した多孔質膜(フィルム)を多孔質補強材として用い、そこに電解質樹脂溶液を含浸させて補強型電解質膜とすることも行われる。
ところで、多孔質補強材の原反として用いられるPTFEなどの樹脂フィルムは、まず、樹脂の固体粒子であるファインパウダーに潤滑油を混練することによりペースト状の樹脂を生成する。そして、該ペースト状の樹脂を紐状(又は柱状)に押出し成形し、この柱状樹脂を図4(a)に示すように、一対の圧延ロール81,82の幅方向中央部に挟み込んで圧延することにより、樹脂フィルムを製造する。その後、図6(a)及び(b)に示すように、圧延後の樹脂フィルム92の端部をクリップ50で把持し、該樹脂フィルムを少なくとも一軸に延伸させ、多孔質状の樹脂フィルムが製造される(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−287553号公報
しかしながら、このような製造方法で、図4(a)に示すように、柱状樹脂91を一対の圧延ロール81,82で圧延する際には、幅方向の樹脂フィルム92の中央部92aの樹脂は、端部の樹脂に比べて、流れ方向MD及び幅方向TDに流動し難い(流動抵抗が高い)ため、密度上昇を引き起こしながら圧延加工される。この結果、加工によるスプリングバックが大きくなり(高密度化に伴ってフィルム中央部のスプリングバックが増加し)、中央部92aは端部より、幅方向TDの幅lに亘って厚膜化(厚肉化)される(図4(c),図5(a)参照)。また、図5(b)に示すように、圧延時の幅方向TDへの伸張性が低下し、幅方向TDへの分子配向促進が充分に起こらず、図4(b)に示すように、幅方向TDの流動性が低いため、流れ方向MDに分子の配向性の高くなり(配向異方性が高くなり)、さらには中央部92aが偏肉となった樹脂フィルムが形成される。この結果、延伸により樹脂フィルムを製造した場合には、配向異方性が高いことで強度異方性が高くなり、延伸時の応力のかかり方が不均一となることで、図6(a)に示すように、延伸時において加工方向(流れ方向MD)に沿って、引き裂かれ、樹脂フィルムが破損する場合があった。
また、圧延時において中央部92aの膜厚化により、図4(c)に示すように、中央部92aに対して両端部92bが薄肉であるため、図6(b)に示すように、延伸時において、クリップ50で把持した部分の樹脂が積極的に延伸され、樹脂の把持部分が薄肉化すると共に、ネックインという端部のくびれ現象が、通常よりも促進されることがあった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、1対の圧延ロールで樹脂フィルムを圧延する場合であっても、圧延された樹脂フィルムの配向異方性を抑制し、さらには、延伸時に樹脂フィルムの局所的な薄肉化、ネックインなどを抑制することができる樹脂フィルムの製造方法を提供することにある。
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、樹脂フィルムの両端部の厚さを中央部の厚さに比べて厚くし、樹脂を幅方向に積極的に流動するように柱状樹脂を圧延すれば、1回の圧延加工のみで、樹脂フィルムの配向異方性を抑制することができると共に、圧延後の樹脂フィルムから延伸(クリップ把持)により加工される多孔質補強材の厚さを均一することができるとの新たな知見を得た。
本発明は、発明者らの新たな知見に基づくものであり、本発明に係る樹脂フィルムの製造方法は、柱状樹脂を、並設された一対の圧延ロールの幅方向の中央部に挟み込んで、圧延することにより樹脂フィルムを製造するための方法であって、前記一対の圧延ロールとして、前記中央部から少なくとも一方の端部に向かって小径となった圧延ロールを用いて、前記樹脂フィルムの中央部の厚さに対してその両端部の厚さが厚くなるように、前記柱状樹脂を圧延することを特徴とする。
本発明によれば、圧延ロールの幅方向の中央部からを、幅方向の端部に向かうに従って、ロール径を小さくすることにより、並設された圧延ロール同士は、ロール間に樹脂が挟みこまれていないときは、中央部で接触し、端部に向かうに従って圧延ロール同士のギャップが大きくなる。これにより、柱状樹脂の幅方向への流動抵抗が低下し、圧延時における幅方向に(圧延ロールの中央部から幅方向の端部に向かって)、樹脂の流動が促進され、流れ方向(圧延ロールによる柱状樹脂及び樹脂フィルムの搬送方向又は加工方向)に分子の配向が偏ることがない。すなわち、得られた樹脂フィルムは、分子の配向異方性が低くなるため、延伸時における延伸ムラが低減される。
また、これと同時に、樹脂フィルムの幅方向における中央部に比べて両端部の膜厚が厚くなるので、延伸時においてクリップにより樹脂フィルムの把持した部分の薄肉化を抑制し、さらに、把持した部分のネックインを低減することができる。このようにして、把持した部分における(延伸時における応力集中による)樹脂フィルムの裂け・穴開きを抑制することができ、均一な多孔質補強材を得ることができる。
また、樹脂フィルムの幅方向における中央部の厚さに対してその両端部の厚さが厚くなるように柱状樹脂を圧延することは、圧延ロールの形状、圧延速度、圧延荷重、樹脂の組成及び温度等を適宜設定することにより達成することができ、上述したロール形状の圧延ロールは、このような形状に樹脂フィルムを圧延するには好適である。
また、本発明に係る樹脂フィルムの製造方法において使用する前記圧延ロールは、前記中央部から両端部に向かって小径となっていることがより好ましい。本発明によれば、一対の圧延ロールの少なくとも一つの圧延ロールが幅方向の中央部から両端部に向かって小径となっているので、圧延時に、柱状樹脂が圧延ロール間において、樹脂がロールの中央部から両側部に流動し易くなり、より均質な樹脂フィルムを得ることができる。
また、別の態様としては、本発明に係る樹脂フィルムの製造方法において使用する前記一対の圧延ロールのうち一方の圧延ロールは、前記中央部から一方側の端部に向かって小径となり、他方の圧延ロールは、前記中央部から他方側の端部に向かって小径となっていることがより好ましい。
本発明によれば、一方の圧延ロールは、中央部から一方側の端部に向かって小径となることにより、圧延時において、柱状樹脂が圧延ロール間において一方側の幅方向に流動し易くなる。また、他方の圧延ロールは、中央部から他方側の端部に向かって小径となることにより、圧延時において、柱状樹脂が他方側の幅方向に流動し易くなる。これにより、圧延時において、柱状樹脂は圧延ロール間において、圧延ロールの中央部から両端部に向かって流動し易くなり、より均質な樹脂フィルムを得ることができる。
本発明における樹脂フィルムの製造方法において、前記柱状樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなることがより好ましい。本発明によれば、前記柱状樹脂に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用い、圧延した樹脂フィルムを延伸することにより、燃料電池の高分子電解質膜に好適な多孔質補強材を得ることができる。
本発明によれば、1対の圧延ロールで樹脂フィルムを圧延する場合であっても、圧延された樹脂フィルムの配向異方性を抑制し、さらには、延伸時に樹脂フィルムの局所的な薄肉化、ネックインなどを抑制することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る樹脂フィルムの製造方法をいくつかの実施形態に基づいて説明する。
図1は、第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(b)は、樹脂フィルムの上側面から見た分子の配向のイメージ図であり、(c)は、樹脂フィルムの断面図である。また、図2は、図1において製造された樹脂フィルムの延伸工程を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの延伸前を示した図であり、(b)は、樹脂フィルムの延伸後を示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法は、柱状樹脂21を、並設された一対の圧延ロール(カレンダーロール)11,12の幅方向TDの中央部(中心部)11a,12bに挟み込んで、圧延することにより樹脂フィルム22を製造するものである。
まず、圧延加工を行うための柱状樹脂21を製造する。具体的には、ポリテトラフルオロエチレンのファインパウダー(未焼成)を潤滑助剤と共に混練して均一にペースト状とし、それを押出し成形等により柱状樹脂(丸棒状のビード)を製造する。
次に、図1(a)に示すように、柱状樹脂21を、対向して並設された一対の圧延ロール11,12の中央部11a,12aに挟み込んで、圧延ロール11,12により柱状樹脂21を加圧しながら回転させる。これにより、柱状樹脂21は、圧延されながら、流れ方向MD(柱状樹脂21及び樹脂フィルム22の搬送方向(加工方向))に送られる。
このとき、一対の圧延ロールとして、圧延ロールの幅方向の中央部から少なくとも一方の端部に向かって小径となった圧延ロールを用いる。本実施形態では、図1(a)に示すように、上側の圧延ロール11が、中央部11aから両端部11b,11bに向かって小径となっており、下側の圧延ロール12も、上側の圧延ロール11と同じように、中央部12aから両端部12b,12bに向かって小径となっている。より好ましくは、上側の圧延ロール11と下側の圧延ロール12は同形状であり、それぞれの圧延ロール11,12は、流れ方向MDに沿った圧延ロールの中心軸に対して、対称な形状となっている。
このような圧延ロール11,12を用いて、圧延時の樹脂フィルム22の幅方向の中央部22aの厚さに対してその両端部22bの厚さが厚くなるように、加圧力、搬送速度(圧延ロールの回転速度)等を調整して、柱状樹脂21を圧延する。
本実施形態では、圧延ロール11,12のロール径を、幅方向に沿って、中央部11a,12aから両端部11b,12bに向かって単調減少させたので、中央部11a,12aから両端部11b,12bに向かうに従って、圧延ロール11,12の間のギャップが大きくなる。これにより、柱状樹脂21の幅方向の流動抵抗が低下し、圧延時における幅方向TDに(圧延ロールの中央部から幅方向の両端部に向かって)、樹脂の流動が促進される。この結果、図1(b)に示すように、流れ方向MDに分子の配向が偏ることがなく、得られた樹脂フィルム22は、分子の配向異方性が低くなる。
これと同時に、図1(c)に示すように、樹脂フィルム22の幅方向TDの中央部22aに比べて、幅方向TDの両端部22b,22bの膜厚が厚くなるように圧延したので、図2(a)に示すように、樹脂フィルム22の延伸時においてクリップ50により把持した部分の薄肉化を抑制し、ネックインを低減することができる。また、延伸前樹脂フィルム22の配向異方性が小さくなったことで、把持した部分における、延伸時における応力集中による樹脂フィルム22の裂け(流れ方向(加工方向)MDに沿った裂け)・穴開きを抑制することができる。この結果として、図2(b)に示すように、樹脂フィルム22は、均一に延伸され、燃料電池の高分子電解質膜に好適な多孔質補強材を得ることができる。
図3は、第二実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(b)は、樹脂フィルムの上側面から見た分子の配向のイメージ図であり、(c)は、樹脂フィルムの断面図である。図3(a)に示すように、本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法が、第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法と相違する点は、異なる形状の圧延ロールを用いた点である。
具体的には、図3(a)に示すように、一対の圧延ロールのうち上側の圧延ロール31は、幅方向の中央部31aから一方側の端部31bに向かって小径となっており、中央部31aから他方側の端部31cまでのロール径は同じである。一方、図3(a)に示すように、一対の圧延ロールのうち下側の圧延ロール32は、幅方向の中央部32aから他方側の端部32bに向かって小径となっており、中央部32aから他方側の端部31cまでのロール径は同じである。より好ましくは、下側の圧延ロール32は、上側の圧延ロール31と同形状の圧延ロールである。
このような一対の圧延ロール31,32の幅方向の中央部31a,32aに、柱状樹脂41を挟み込んで、樹脂フィルム42の幅方向の中央部42aの厚さに対してその両端部42bの厚さが厚くなるように圧延する。すなわち、上側の圧延ロール31が、中央部31aから一方側の端部31bに向かって小径となることにより、一方側の圧延ロール間にもギャップが幅方向に大きくなり、圧延時において、柱状樹脂41が圧延ロール間において一方側の幅方向に流動し易くなる。また、下側の圧延ロール32は、中央部32aから他方側の端部32bに向かって小径となることにより、他方側の圧延ロール間にもギャップが幅方向に大きくなり、圧延時において、柱状樹脂41が他方側の幅方向に流動し易くなる。これにより、圧延時において、柱状樹脂41は圧延ロール間において、圧延ロールの中央部31a,32aから両端部に向かって流動し易くなる。
このようにして、図3(b)に示すように、圧延時において流れ方向MDに分子の配向が偏ることがなく幅方向TDの配向が促進されることで、得られた樹脂フィルム42は、樹脂の分子の配向異方性が低くなる。これと同時に、図3(c)に示すように、樹脂フィルム42の中央部42aに比べて、幅方向TDの両端部42b,42bの膜厚が厚くなるように圧延したので、延伸時における樹脂フィルム42の局所的な薄肉化を抑制し、把持した部分のネックインを低減することができる。また、延伸前の樹脂フィルム42の配向異方性が小さくなったことで、樹脂フィルム42の裂け・穴開きを抑制することができる。この結果として、樹脂フィルム22は、均一に延伸され、燃料電池の高分子電解質膜に好適な多孔質補強材を得ることができる。
以下に本発明を実施例により説明する。
[実施例1]
樹脂フィルム(樹脂テープ)の成膜方法として、一般的に知られている粒子融着法により、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の樹脂フィルムを製作した。具体的には、まず、PTFEのファインパウダー(未焼成)に20質量%の液状潤滑材のナフサを均一に分散させ、その混合物を圧縮予備成形した。次に、これを円柱状(紐状ビード)に押出成形し、この紐状ビードを、一対の金属製の圧延ロールの幅方向中央部に挟み込んで、圧延することにより、厚さ約300μmの樹脂状フィルムを製作した。
ここで、金属製の圧延ロールとして、第一実施形態において示した一対の圧延ロールを用いた。具体的には、中央部の直径が300mm、ロール両端の直径が280mmで、中央部から端部に向かって、小径となる形状の圧延ロールを用いて、圧延荷重20t、圧延速度 2m/minで圧延をした。
ここで、幅方向の樹脂流れ性を評価する目的として、得られた樹脂フィルムの幅及び幅方向の膜厚分布を測定した。さらに、樹脂フィルムの面内誘電率を測定し、誘電率の大小を比較することにより、分子の配向異方性(MOR)を測定した。MORは、配向異方性の指標であり、王子計測器製MOA−3012で求められる。MOR値が大きいほど、異方性が大きいことを示し、MOR値が1のときは等方性を示す。これらの結果を表1に示す。ここでは、誘電率が高い方が、配向異方性が高い傾向にある。
さらに、延伸性を確認するために、上記の如くして製作した樹脂フィルムを複数準備して、図2に示すように、二軸延伸により把持部の穴開き、延伸後の外観を評価した。この結果を表1に示す。なお、燃料電池の電解質の補強材として使用することを判断基準として把持部の穴開き判断として、◎:きわめて良好、○:良好、×:不良、厚さムラの判断…良好○、やや不良△の判断結果を合わせて示した。
Figure 0005206341
[実施例2]
実施例1と同じようにして、樹脂フィルムの製造を行った。実施例1と相違する点は、1対の圧延ロールとして、中央部の直径が300mm、ロール両端の直径が250mmで、幅方向の中央部から端部に向かって、小径となる形状の圧延ロールを用いた点である。そして、実施例2と同じようにして、樹脂フィルムのフィルム幅、分子の配向異方性、膜厚分布、延伸性を評価した。この結果を、表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同じようにして、樹脂フィルムの製造を行った。実施例1と相違する点は、1対の圧延ロールとして、幅方向中央部の直径が300mm、ロール片側幅の直径が260mmで、他方の片側端が300mmの直径となるように、片方のみ直径化するロールを用いた点である。そして、実施例1と同じようにして、樹脂フィルムのフィルム幅、分子の配向異方性、膜厚分布、延伸性を評価した。この結果を、表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じようにして、樹脂フィルムの製造を行った。実施例1と相違する点は、1対の圧延ロールとして、幅方向中央部の直径が300mm、ロール両端の直径が300mmで、中央部から端部に向かって、ロール径の変化のない形状の圧延ロールを用いた点である。そして、実施例1と同じようにして、樹脂フィルムのフィルム幅、分子の配向異方性、膜厚分布、延伸性を評価した。この結果を、表1に示す。
[結果及び考察]
比較例1では、幅方向の樹脂流動性が低いため、配向異方性が高いと共に、樹脂フィルムの端部が薄肉化してしまい、延伸時に、クリップで把持した部分の近傍に応力集中がし易く、フィルムの穴開き、薄肉化が発生することがあった。
実施例1〜3では、中央部から端部に向かってロール径を小さくしたことで、幅方向の樹脂流動性が促進され(樹脂の分子の配向性が促進され)、この結果として、配向異方性が低減された。また、実施例2の結果からも明らかなように、他の実施例に比べて、実施例2に用いた圧延ロールは、中央部から端部へのロール径の減少率をより大きくしたので、幅方向の樹脂の分子の配向性がさらに促進されると共に、樹脂フィルムの中央部に比べて、幅方向の樹脂フィルムの端部が厚肉化したと考えられる。
実施例1〜3及び比較例1の樹脂フィルムの延伸の結果、これらの樹脂フィルムから多孔質の樹脂フィルムが得られた。また、延伸性においては、特に、実施例1〜3は、端部が厚肉化したため、穴開きは発生せず、特に、実施例2の樹脂フィルムは、把持部近傍において、多孔質補強材の薄肉化も低減された。
第一実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(b)は、樹脂フィルムの上側面から見た分子の配向のイメージ図であり、(c)は、樹脂フィルムの断面図。 図1において製造された樹脂フィルムの延伸工程を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの延伸前を示した図であり、(b)は、樹脂フィルムの延伸後を示した図。 第二実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(b)は、樹脂フィルムの上側面から見た分子の配向のイメージ図であり、(c)は、樹脂フィルムの断面図。 従来の樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(a)は、樹脂フィルムの製造方法を説明するための図であり、(b)は、樹脂フィルムの上側面から見た分子の配向のイメージ図であり、(c)は、樹脂フィルムの断面図。 図4に示す製造方法における、樹脂フィルムの圧延状態を説明するための図であり、(a)は、流れ方向に対して垂直となる、圧延ロール及び樹脂フィルムの断面を示した断面図であり、(b)は、幅方向に対して垂直となる圧延ロール及び樹脂フィルムの断面及びこれに対応する上から見た樹脂流れを説明するための図。 延伸時における樹脂フィルムの損傷を説明するための図であり、(a)は、膜裂けを説明するための図であり、(b)は、把持部の薄肉化、穴開き、及びネックインを説明するための図。 固体高分子型燃料電池(単セル)の一例を説明する模式図。
符号の説明
11:上側の圧延ロール、11a:中央部、11b:端部、12:下側の圧延ロール、12a:中央部、12b:端部、21:柱状樹脂、22:樹脂フィルム、22a:中央部、22b:端部、31:上側の圧延ロール、31a:中央部、31b:端部、32:下側の圧延ロール、32a:中央部、32b:端部、41:柱状樹脂、42:樹脂フィルム、42a:中央部、42b:端部

Claims (4)

  1. 柱状樹脂を、並設された一対の圧延ロールの幅方向の中央部に挟み込んで、圧延することにより樹脂フィルムを製造するための方法であって、
    前記一対の圧延ロールとして、前記中央部から少なくとも一方の端部に向かって小径となった圧延ロールを用いて、前記樹脂フィルムの中央部の厚さに対してその両端部の厚さが厚くなるように、前記柱状樹脂を圧延することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記圧延ロールは、前記中央部から両端部に向かって小径となっていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記一対の圧延ロールのうち一方の圧延ロールは、前記中央部から一方側の端部に向かって小径となり、他方の圧延ロールは、前記中央部から他方側の端部に向かって小径となっていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記柱状樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フィルムの製造方法。
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