本発明は、内部の各保持空間に収容保持された複数の配管材同士が接触しない構成にして、配管材の蛇行配管・熱変形による蛇行等により蓋体が外れるのを防止することを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、基台と蓋体とが互いに組み付けられて、内部に配管材を収容する配管空間が形成される長尺状の配管材保護カバーであって、前記蓋体は、幅方向の両端部に一対の嵌合部を備え、前記基台は、壁面への固定部と、前記蓋体の嵌合部が嵌合する被嵌合部を備えて、前記配管空間内に配管材の配管経路を複数形成すべく、当該基台の長手方向に連続して前記固定部から蓋体に向けて延設された一対の保持片からなる複数の保持部が並列して設けられ、前記保持部を構成する一対の保持片の間には、配管材を蓋体側から内部の保持空間に向けて挿入可能とするための開口が形成され、前記一対の保持片は、いずれも両保持片の間の開口から保持空間内に向けて配管材を挿入する際に外方に弾性変形して、復元力により配管材の外面に弾接して一対の保持片の間で配管材を保持可能であり、前記基台と蓋体とは、当該蓋体の側板部が基台の幅方向両側に配置された各保持部の外側に配置された状態で、互いに組み付けられ、幅方向の両側に配置された各保持部を構成する一対の保持片は、当該保持片を一定長だけ外方に変形させるために保持空間の内方から当該保持片に作用させる力が異なっていて、幅方向の外方の保持片は、同じく内方の保持片よりも変形しにくい構造になっていて、幅方向の両側に配管された各配管材が当該幅方向に沿って外側に蛇行変形するのを抑制して、前記基台と蓋体との嵌合が解除されにくい構造にしたこと特徴としている。
請求項1の発明によれば、一つの基台と一つの蓋体とで構成される長尺状の保護カバーにより、複数の配管材を同時に配管できて、各配管材の間の隙間は蓋体により覆われて露出しない構造であるので、見栄えが良好であると共に、複数の配管材に対して基台及び蓋体がいずれも一つであるため、配管作業の能率も高められる。また、複数の配管経路に配置された各配管材が熱変形等によりカバー内において蛇行変形しようとしても、前記基台における相隣接して配置された2本の配管材の間には、配管材を保持する保持部を構成する保持片が当該基台の長手方向に連続して延設されていて、隣接配置された2本の配管材が接触しなくなるため、隣接する配管材どうしの接触による熱損失が少なくなる。また、前記保持部を構成する一対の保持片は、いずれも弾性変形して保持空間に収容された配管材に弾接する構成であるので、配管材の保持状態が安定化すると共に、配管材の熱変形等による蛇行を抑制できる。この効果を、本願発明の「基本効果」と称する。また、請求項1の発明は、前記基台と蓋体とは、当該蓋体の側板部が基台の幅方向両側に配置された各保持部の外側に配置された状態で、互いに組み付けられて、幅方向の両側に配置された各保持部を構成する一対の保持片は、当該保持片を一定長だけ外方に変形させるために保持空間の内方から当該保持片に作用させる力が異なっていて、幅方向の外方の保持片は、同じく内方の保持片よりも変形しにくくなっているので、上記「基本効果」に加えて、熱膨張により蛇行変形された配管材が幅方向の外方の保持片を外方に変形させて、当該保持片の外側に配置されている前記蓋体の側板部を外側に押圧させることにより、前記基台と蓋体との嵌合が緩められたり、又は解除される不具合を防止できる。
また、請求項2の発明は、基台と蓋体とが互いに組み付けられて、内部に配管材を収容する配管空間が形成される長尺状の配管材保護カバーであって、前記蓋体は、幅方向の両端部に一対の嵌合部を備え、前記基台は、壁面への固定部と、前記蓋体の嵌合部が嵌合する被嵌合部を備えて、前記配管空間内に配管材の配管経路を複数形成すべく、当該基台の長手方向に連続して前記固定部から蓋体に向けて延設された一対の保持片からなる複数の保持部が並列して設けられ、前記保持部を構成する一対の保持片の間には、配管材を蓋体側から内部の保持空間に向けて挿入可能とするための開口が形成され、前記一対の保持片は、いずれも両保持片の間の開口から保持空間内に向けて配管材を挿入する際に外方に弾性変形して、復元力により配管材の外面に弾接して一対の保持片の間で配管材を保持可能であり、相隣接して配管された2本の配管材の間の保持片は、当該2本の配管材の間を区画するように設けられ、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち相隣接していて前記各保持部の内方の各保持片は、互いに離間しており、前記相隣接する各保持片の間隔は、当該間隔の部分を通過して前記基台を壁面に固定するビスの頭部よりも狭く形成され、しかも当該ビスの軸部を仮保持できる寸法に定められ、当該各保持片は、前記ビスの頭部の通過時に互いに離間する方向に撓むと共に、通過後に原位置に復帰する弾性力を有して形成され、当該各保持片の基端側の間には、前記ビスの頭部を収容するビス頭部収容部が形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち前記各保持部の内方で相隣接する各保持片は互いに離間している。このため、請求項2の発明によれば、上記「基本効果」に加えて、保持空間内に配管材を挿入したり、熱変形等により配管材が幅方向に蛇行変形する際において、隣接する各保持部の内方の各保持片の所定量の変形が許容されて、隣接する保持片と干渉しなくなったり、或いは仮に干渉してもその干渉量が少なくなって、保持空間内への配管材の挿入が容易になると共に、配管材の蛇行変形が許容される。また、相隣接する保持部の間においてビスを介して基台を壁面に固定できて、基台の固定箇所を少なくでき、しかも壁面に対して基台を強固に固定できる。更に、相隣接する各保持片の間でビスの軸部を仮固定できるため、壁面に対する基台のビス固定時において、当該ビスが飛散・紛失するのを防止して、前記ビス固定の作業を効率よく行える。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、幅方向の両側に配置された各保持部を構成する一対の保持片は、当該保持片を一定長だけ外方に変形させるために保持空間の内方から当該保持片に作用させる力が異なっていて、幅方向の外方の保持片は、同じく内方の保持片よりも変形しにくくなっていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、配管材が熱変形等により配管経路において蛇行しようとする場合、幅方向の両側(両端部)に配置された各保持部を構成する一対の保持片は、幅方向の外方の保持片が内方の保持片よりも変形しにくくなっている(変形に対して強い構造となっている)ため、幅方向の内方の保持片が外方の保持片よりも大きく変形する。この結果、幅方向の外方の保持片が外方に変形せずに、幅方向の内方の保持片のみが外方に変形するが、或いは相対的に幅方向の外方の保持片の外方への変形量が内方の保持片の外方への変形量よりも小さくなって、熱変形等により配管経路において配管材が蛇行した場合でも、基台と蓋体との嵌合が外れにくくなる。
また、請求項4の発明は、請求項1又は3の発明において、一対の保持片の肉厚差により弾性変形量を異ならしめていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、一対の保持片の肉厚差という最も簡単な手段によって、幅方向の両側に配置された各保持部を構成する一対の保持片のうち外側の保持片を内側の保持片よりも変形しにくい構造にできて、配管材の熱変形等に起因して基台と蓋体との嵌合が外れるのを防止できる。
また、請求項5の発明は、請求項1又は3の発明において、一対の保持片のうち内側の保持片は、開口を形成する自由端の部分で保持空間内に折り返されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、一対の保持片のうち内方の保持片は、基台の固定部から立ち上がった立上り部と、当該立上り部の自由端において内方の保持空間内に折り返された折返し部とで構成されて、立上り部と折返し部との二つの変形支点部を有する構造となって、立上り部のみの場合に比較して変形し易い構造となる。よって、配管材が熱変形等した場合には、両側の保持部を構成する一対の保持片は、内方の保持片が変形し易い構造であって、外方の保持片の変形量が少なくなるため、基台と蓋体との嵌合が外れるのを防止できる。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、一対の保持片の間の保持空間には、当該保持空間に収容された配管材に対して下方から弾接可能な補助保持片が前記保持片に片持ち状となって設けられていることを特徴としている。
請求項6の発明によれば、保持空間に収容された配管材は、左右一対の保持片と当該配管材に対して下方に配置された補助保持片との三つの部分で保持され、熱変形等により配管材が変形しようとする場合には、一対の保持片の一方に片持ち状に設けられていて、変形抵抗の最も小さい補助保持片の下方への変形量が最も大きくなって、配管材の変形を許容する。この結果、一対の保持片、特に外方に配置された保持片の変形量が小さくなって、基台と蓋体との嵌合が外れるのを防止できる。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち相隣接していて前記各保持部の内方の各保持片は、互いに離間していることを特徴としている。
請求項7の発明によれば、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち前記各保持部の内方で相隣接する各保持片は互いに離間している。このため、保持空間内に配管材を挿入したり、熱変形等により配管材が幅方向に蛇行変形する際において、隣接する各保持部の内方の各保持片の所定量の変形が許容されて、隣接する保持片と干渉しなくなったり、或いは仮に干渉してもその干渉量が少なくなって、保持空間内への配管材の挿入が容易になると共に、配管材の蛇行変形が許容される。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記相隣接する各保持片の間は、一方の保持部の保持空間に配管材を収容保持した状態で、他方の保持部の前記相隣接する保持片が外方に変形可能な変形許容空間であることを特徴としている。
請求項8の発明によれば、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち相隣接していて前記各保持部の内方の各保持片の間の空間は、当該内方の各保持片の変形を許容する変形許容空間となっている。このため、保持空間に対する配管材の挿入が一層容易になると共に、及び配管材の蛇行変形の許容度が一層大きくなる。
また、請求項9の発明は、請求項7又は8の発明において、前記相隣接する各保持片は、基台を壁面に固定するビスの軸部を仮保持できる間隔を有して配置されていることを特徴としている。
請求項9の発明によれば、壁面に基台を固定する際に、ビスの軸部を相隣接する保持片の間に仮保持できるので、基台に対してビスを垂直に保持し、しかも安定した姿勢でビスを壁面に螺入できる。
請求項1,2の各発明は、一つの基台と一つの蓋体とで構成される長尺状の保護カバーにより、複数の配管材を同時に配管できて、各配管材の間の隙間は蓋体により覆われて露出しない構造であるので、見栄えが良好であると共に、複数の配管材に対して基台及び蓋体がいずれも一つであるため、配管作業の能率も高められる。また、複数の配管経路に配置された各配管材が熱変形等によりカバー内において蛇行変形しようとしても、前記基台における相隣接して配置された2本の配管材の間には、配管材を保持するための保持部を構成する保持片が当該基台の長手方向に連続して延設されていて、隣接配置された2本の配管材が直接に接触しなくなるため、隣接する配管材どうしの接触による熱損失が少なくなる。
また、請求項1の発明は、複数の各保持部を構成する一対の保持片は、いずれも弾性変形して保持空間に収容される構成であって、しかも幅方向の両側に配置された各保持部を構成する一対の保持片は、当該保持片を一定長だけ外方に変形させるために保持空間の内方から当該保持片に作用する力が異なっていて、幅方向の外方の保持片は、同じく内方の保持片よりも変形しにくい構造になっているので、配管材が蛇行配管されたり、或いはストレート状に配管された配管材が熱変形等により配管経路において蛇行しようとする場合に、配管材を保持している一対の保持片は、幅方向の外方の保持片が外方に変形せずに、幅方向の内方の保持片のみが外方に変形するが、或いは相対的に幅方向の外方の保持片の外方への変形量が内方の保持片の外方への変形量よりも小さくなって、熱変形等により配管経路において配管材が蛇行した場合でも、基台と蓋体との嵌合が外れにくくなる。
更に、請求項2の発明は、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち相隣接していて前記各保持部の内方の各保持片は、互いに離間しており、前記相隣接する各保持片の間隔は、当該間隔の部分を通過して前記基台を壁面に固定するビスの頭部よりも狭く、しかも当該ビスの軸部を仮固定できる寸法に定められて、当該各保持片は、前記ビスの頭部の通過時に互いに離間する方向に撓むと共に、通過後に原位置に復帰する弾性力を有して形成され、当該各保持片の基端側の間には、前記ビスの頭部を収容するビス頭部収容部が形成されていて、相隣接する保持部を構成する各保持片のうち前記各保持部の内方で相隣接する各保持片は互いに離間しているため、保持空間内に配管材を挿入したり、熱変形等により配管材が幅方向に蛇行変形する際において、隣接する各保持部の内方の各保持片の所定量の変形が許容されて、隣接する保持片と干渉しなくなったり、或いは仮に干渉してもその干渉量が少なくなって、保持空間内への配管材の挿入が容易になると共に、配管材の蛇行変形が許容される。また、相隣接する保持部の間においてビスを介して基台を壁面に固定できて、基台の固定箇所を少なくでき、しかも壁面に対して基台を強固に固定できる。
以下、最良の実施形態を挙げて本発明について更に詳細に説明する。最初に、本発明に係る保護カバーKの構成について説明し、その後に、配管材である給水管P1 と給湯管P2 とを並列配置した状態で一つの保護カバーKに収容して配管する方法について説明する。なお、「配管材」とは、保護カバーK内に収容保持された状態で壁面Wに沿って配管される給水管P1 ,給湯管P2 等の総称であって、符号(P1,P2)は、配管材の符号としても使用する。図1は、本発明に係る保護カバーKを構成する基台Vと蓋体Lとを分離させた状態の斜視図であり、図2は、同じく断面図であり、図3は、基台Vの拡大断面図であり、図4は、基台Vを下方から見た斜視図である。長尺状の保護カバーKは、互いに平行な2本の配管経路M1,M2 を有していて、複数本のビスBを介して壁面Wに固定される長尺状の1つの基台Vと、当該基台Vの全体を覆って覆蓋される長尺状の1つの蓋体Lとで構成される。基台Vと蓋体Lとは、いずれも連続押出成形により合成樹脂で製作される。基台Vに蓋体Lを覆蓋して、当該基台Vと蓋体Lとで形成される空間が配管空間9となっている(図12参照)。
図1ないし図3において、基台Vは、幅方向の中央の断面対称線Nに対して左右対称な形状を有していて、壁面Wに固定される固定部10の上面側に左右一対の保持部20が設けられた構成である。固定部10は、壁面Wに直接に密着する左右一対の近接固定部11が、壁面Wと平行となって当該壁面Wに対して離間配置される中高状の離間固定部12で連結され、各近接固定部11の幅方向の外方端には、壁面Wに対して傾斜配置される傾斜固定部13が幅方向に延設された構成である。傾斜固定部13は、起立部13aと、前記離間固定部12と同一高さであって壁面Wに平行に配置される平行部13bと、壁面Wに対して傾斜配置される傾斜部13cと、壁面Wに密着される密着固定部13dと、当該密着固定部13dの幅方向の外端から上方に突設されて、基台Vに対して蓋体Lを覆蓋した状態で当該蓋体Lの両側板52の先端の基台弾接部55が弾接される蓋体弾接部13eとで構成される。蓋体弾接部13eの外側面13e1 は、基台Vに対して蓋体Lを覆蓋した状態で、当該外側面13e1 の上端部のみが弾接して水切りを行えるように、壁面Wに対して僅かに傾斜している。即ち、外側面13e1 は、壁面Wに近い側が基台Vの幅方向の中心に近くなるように、僅かに傾斜している。換言すると、蓋体弾接部13eの外側面13e1 と壁面Wとのなす角度(θ)は、90°よりも僅かに小さくなっている。各近接固定部11の幅方向の中央部には、ビスBの螺入の位置決め、及び当該螺入を容易にするための断面三角形状の凹条14が連続して形成され、しかも前記凹条14の部分には、長手方向に所定ピッチをおいてビスBを挿通するためのビス挿通孔15(図4参照)が長手方向に沿って長孔状となって形成されている。各近接固定部11は、ビスBを介して壁面Wに固定することにより当該壁面Wに密着し、固定前の状態では、当該近接固定部11の下面と、傾斜固定部13の密着固定部13d及び離間固定部12の裏面側に形成された脚部16の各下面とは、同一面ではなくて、基台Vを壁面Wに当接させた状態で、壁面Wと近接固定部11との間には、僅かの隙間18が形成される。また、前記離間固定部12の裏面側には、壁面Wに当接する左右一対の脚部16が前記断面対称線Nに対して対称に形成されており、当該離間固定部12の表面における幅方向の中央部には、ビスBの螺入の位置決め、及び当該螺入を容易にするための凹条17が長手方向に連続して設けられている。左右一対の脚部16の間隔は、当該各脚部16の間の空間16aにビスBの軸部1が回転しながら螺入される際に、各脚部16の対向面にビスBの軸部1に形成されたねじ山1aが部分螺入される寸法にしてある。
左右一対の保持部20は、断面対称線Nに対して対称に配置されていて、各保持部20は、幅方向に所定間隔をおいた一対の保持片21,31を備えていて、各保持片21,31は、前記固定部10から、基台Vに覆蓋される蓋体Lの側に向けて延設されている(固定部10に対しては立設されている)。保持部20を構成する一対の保持片21,31の間の空間は、配管材を収容して保持する保持空間42となっていると共に、前記一対の保持片21,31の先端部の間は開口していて、配管材を前記保持空間42に挿入するための開口43となっている。一対の保持部20の全体としては、固定部10の幅方向の両端部に配置される2つの保持片21と、固定部10の幅方向の中央部に所定間隔をおいて隣接して配置される2つの保持片31との計4片の保持片21,31を備えていて、幅方向の両端に配置される各保持片21は、一枚の起立片からなる板状(単体板状)であるが、幅方向の中央部に所定間隔をおいて隣接配置される各保持片31は、起立片部32と、当該起立片部32の自由端部が当該保持片31と別の保持片21とで形成される保持空間42の側に折り返された折返し片部33とで構成される折返し構造となっている。
固定部10の幅方向の両端部に配置される外側の各保持片21は、前記離間固定部12の平行部13bと傾斜部13cとの接続部から斜外方に向けて傾斜姿勢で起立した傾斜起立部22と、当該傾斜起立部22の先端部から固定部10に対して垂直となって起立する垂直起立部23と、当該垂直起立部23の先端から前記保持空間42の側に向けてわん曲されたわん曲保持部24と、保持空間42内に挿入される配管材との干渉(引掛かり)を防止してスムーズに挿入可能とするために、前記わん曲保持部24の先端から外方に向けてわん曲された引掛り防止部25とで構成されている。保持片21は、配管材である給水管P1 及び給湯管P2 を保持空間42に挿入する際に外方に弾性変形可能であって、垂直起立部23とわん曲保持部24とで配管材の一方の側部(外側部)が保持される。また、垂直起立部23の基端部の内側面には、当該垂直起立部23の弾性変形を容易にするための円形の切欠き26が形成されていて、垂直起立部23は当該切欠き26の部分を支点として弾性変形する。また、わん曲保持部24及び引掛り防止部25の肉厚は、傾斜起立部22及び垂直起立部23の肉厚よりも薄く形成されていて、弾性変形し易くしてある。保持部20を構成する左右一対の保持片21,31は、配管材を左右両側から主体的に保持する部分であり、保持片21の前記切欠き26が形成された部分には、配管材を下方から補助的に保持するための補助保持片41が保持空間42の下方の部分に入り込んだ形態で、僅かに固定部10の側に傾斜した姿勢で形成されている。また、固定部10の傾斜固定部13の傾斜部13cと保持片21の傾斜起立部22との間の凹部は、蓋体Lの嵌合部53を嵌合させるための被嵌合部27となっている。この被嵌合部27は、図5及び図6に示されるように、基台Vの各保持空間42に収容保持された給水管P1 及び給湯管P2 の壁面Wに最も近い部分よりも更に壁面Wの側に配置されていて、加熱により蛇行変形される場合には、壁面Wの側に蛇行可能となっている。
一方、折返し構造の保持片31は、起立片部32と折返し片部33とから成って、2つの保持部20を構成する各保持片31は、基台Vの幅方向の中央部に所定の間隔をおいて背中合せの状態で隣接して配置されている。隣接する保持片31の各起立片部32は、離間固定部12の幅方向の両端部からそれぞれ垂直に起立されて、当該各第1起立部32aの先端部からそれぞれ内方にハの字状に傾斜した傾斜部32bが形成され、当該各傾斜部32bの先端部から第2起立部32cが互いに平行となって起立して形成された形状である。起立片部32の第2起立部32cの先端部には、折返し片部33の変形の支点部を有するわん曲部34が保持空間42の側に逆U字状となるようにほぼ180°わん曲されて、斜下方を向いた前記わん曲部34の先端部に、円弧状をした折返し片部33が形成されている。折返し片部33の配管材の挿入側の端部には、当該配管材を保持空間42に挿入する際に前記折返し片部33の開口43側の端部に当該配管材が引っ掛かって干渉するのを防止する引掛り防止部35が外方に向けて形成されている。
折返し構造の保持片31の折返し片部33は、円弧中心C11に対して開口43の側と反開口43の側との双方にほぼ同一中心角分だけ配置されているが、保持片21のわん曲保持部24は、円弧中心C12に対して開口43の側のみに配置されている。保持片31の折返し片部33の曲率半径R1 は、保持する配管材の半径にほぼ対応していて、保持空間42のほぼ中央に配置されているが、わん曲保持部24の曲率半径R2 は、保持する配管材の半径よりも遥かに小さいために、保持空間42の中央から大きく基台Vの幅方向の両端側に偏在している。また、折返し片部33の円弧中心C11とわん曲保持部24の円弧中心C12とは、固定部10からの距離が等しい部分に配置されている。
また、基台Vの幅方向の中央部には、各保持部20の各保持片31が相隣接して配置されていて、各保時片31の第2起立部32cの間隔Fは、基台Vの離間固定部12を壁面Wに固定するためのビスBの軸部1を仮保持可能な寸法にしてある。また、各保持片31の各第2起立部32cの対向面には、それぞれ保持片31の延設方向に沿って所定間隔をおいて複数の小凸条32c1 が長手方向に沿って連続して設けられている。複数の小凸条32c1 の存在により、各第2起立部32cの間で仮保持されたビスBの軸部1に形成されたねじのねじ山と当該小凸条32c1 とが軽く引っ掛かる〔図7及び図8(イ)参照〕ことにより、ビスBの軸部1の仮保持が確実となる。更に、各起立片部32を構成する第1起立部32a,傾斜部32b及び第2起立部32cで囲まれる空間36は、各起立片部32(特に、第1起立部32a)の外方への変形を許容する変形許容空間を主機能としているが、その他に、空気層による断熱空間としての機能、断熱材の挿入空間としての機能、信号線や凍結防止ヒーターの配置空間としての機能等の種々の機能も有している。前記空間36のうち、左右一対の第1起立部32a及び傾斜部32bで囲まれる空間は、ビスBの頭部2を収容可能なビス頭部収容空間36aとなっている。
一方、図1及び図2に示されるように、蓋体Lは、前記基台Vの各保持部20に給水管P1 と給湯管P2 とが収容保持された状態で、当該基台Vに覆蓋される部材であって、天板部51の両側に側板部52がそれぞれ対向して設けられることにより、天板部51と対向する部分が開口している。各側板部52は、天板部51と接続される部分は内方にわん曲されていて、各側板部52の開口側端部の内側には、基台Vの被嵌合部27と嵌合可能な嵌合部53が設けられている。嵌合部53は、側板部52に対して垂直に形成された平板部53aの先端部にわん曲部53bが90°を超えて天板部51の側にわん曲された構成であって、わん曲部53bの先端と側板部52との間には、蓋体Lの内周に沿って配置される断熱材Aの両端部を挿入可能な隙間54が形成されている。また、各側板部52における嵌合部53よりも開口側の部分は、基台Vに蓋体Lを覆蓋することにより、当該基台Vの固定部10の蓋体弾接部13eの外側面13e1 に弾接する基台弾接部55である。
次に、保持空間42に配管材P1,P2 を挿入する際における各保持片21,31の変形について説明する。図5は、基台Vの一方の保持部20の保持空間42に給水管P1 を挿入する際における各保持片21,31の変形状態を示す断面図であり、図6は、一方の保持部20に給水管P1 を収容保持した状態において他方の保持部20に給湯管P2 を挿入する際における各保持片21,31の変形状態を示す断面図である。図5及び図6に示されるように、基台Vの幅方向の両端部に配置された各保持片21は、配管材P1,P2 の挿入時において保持空間42の側から拡開させようとする外力が作用すると、薄肉のわん曲保持部24は、自身の基端部を支点にして弾性変形して外方に撓むと同時に、当該わん曲保持部24よりも厚肉の垂直起立部23は、当該垂直起立部23の基端部の内側面に形成された円形の切欠き26の部分を中心にして外方に弾性変形して撓むことが可能であるが、保持空間42の内側から作用する外力に対する変形抵抗は、垂直起立部23の方がわん曲保持部24よりも大きい。即ち、保持空間42の内側から作用する外力に対する変形量は、垂直起立部23の方がわん曲保持部24よりも小さい。また、垂直起立部23の基端部の内側に切欠き26を形成して、当該切欠き26の部分を垂直起立部23が外方に撓む際の支点部としてあるので、保持片21の傾斜起立部22は、殆ど変形しない。
一方、基台Vの幅方向の中央部で隣接している保持片31は、図5及び図6に示されるように、配管材P1,P2 の挿入時において保持空間42の側から拡開させようとする外力が作用すると、以下のように変形する。即ち、保持片31の起立片部32の第2起立部32cは、弾性変形して傾斜部32bとの接続部を支点として外方に撓むと同時に、折返し片部33は、前記第2起立部32cの外方への撓みに応じて同一角度だけ外方に移動させられた状態において、わん曲部34を支点として当該折返し片部33における固定部10の側が起立片部32の第2起立部32cに近接するように撓まされる。
このように、保持部20を構成する左右一対の各保持片21,31の撓みの程度に応じて、同一の基台Vにより一定範囲内において外径の異なる種々の配管材を保持空間42に収容保持できる。
また、配管後において、保護カバーKに収容保持された給湯管P2 が熱変形(膨張)により蛇行変形しようとする場合に、保持部20を構成する各保持片21,31は、折返し構造となっている内方の保持片31の方が、外方の保持片21よりも変形量(撓み量)が大きくなる構造になっている。即ち、各保持片21,31を一定長だけ外方に変形させるために保持空間42の内方から当該各保持片21,31に作用させる力が異なっていて、内方の保持片31を一定長だけ外方に変形させるのに必要な力は、外方の保持片21を同一長だけ外方に変形させるのに必要な力よりも小さい。このため、保護カバーKに収容保持された給湯管P2 が熱変形(膨張)により蛇行変形しようとする場合には、基台Vの幅方向の中心側(断面対称線Nの側)に大きく変形して、基台Vの幅方向の両端側への変形量は、中心側への変形量に比較して小さい。この結果、基台Vに覆蓋されている蓋体Lの側板部52の外方への拡開量を小さくできて、基台Vと蓋体Lとの嵌合が外れにくくなる。
次に、1つの基台Vと1つの蓋体Lとから成る上記保護カバーKを使用して、壁面Wに沿って給水管P1 と給湯管P2 との2本の配管材を配管する場合について説明する。図7は、基台Vの各保持部20を構成していて、互いに隣接する2つの各保持片31の各起立片部32の間にビスBの軸部1が仮保持された状態を主体に示す斜視図であり、図8(イ)〜(ハ)は、それぞれビスBを介して基台Vの離間固定部12が壁面Wに固定される順序を示す各断面図である。図9は、固定部10の離間固定部12及びその両側の各近接固定部11がビスBを介して壁面Wに固定された状態の断面図である。なお、壁面Wに対して基台Vを固定する際に、近接固定部11と離間固定部12の長手方向に沿った固定位置はずらして行うが、図7及び図9においては、図示の関係で長手方向に沿って同一位置で固定してある。
壁面Wに対する基台Vの固定は、図7及び図9に示されるように、各近接固定部11に形成された各ビス挿通孔15にビスBを挿通して、当該ビスBを壁面Wに螺入することにより、各近接固定部11の部分を壁面Wに固定して行う。そして、基台Vの各近接固定部11の部分の固定のみでは、固定力が不足する場合等には、離間固定部12の部分においてもビスBを介して壁面Wに固定する。なお、近接固定部11においても、当該近接固定部11と壁面Wとの間には所定の隙間18が形成されていて、当該隙間18に切かすが収容されるため、切かすにより基台Vの近接固定部11の部分が壁面Wから浮き上がることはない。
また、基台Vの離間固定部12の部分をビスBを介して壁面Wに固定するには、以下のようにして行う。図7及び図8(イ)に示される状態では、基台Vの各保持部20を構成していて、互いに隣接する2つの各保持片31の各起立片部32の間に複数本のビスBの軸部1が長手方向に沿って所定間隔をおいて仮保持されており、この状態では、ビスBの軸部1に形成されたねじ山1aが、各保持片31の各起立片部32の対向面に形成された小凸条32c1 に引っ掛かることにより、ビスBは、基台Vの固定部10に対して垂直な姿勢を維持して安定状態で仮保持されている。このため、基台Vを壁面Wに密着させる前に、各保持片31の各起立片部32の間にビスBを仮保持させておき、この状態で基台Vを取り扱っても基台Vに対してビスBの仮保持位置がずれることはない。次に、壁面Wの所定位置に基台Vを設置した状態で、ビスBの頭部2の引掛孔にドライバーDの先端部を引っ掛けて、そのままドライバーDを押し込むと、当該ビスBの頭部2により両側の各保持片31が保持空間42の内方に弾性変形させられる。ビスBの軸部1の先端が離間固定部12に当接した後に、ドライバーDにより当該ビスBを回転させると、離間固定部12に螺入されたビスBは、当該離間固定部12を貫通した後に、両側の各脚部16の対向面に部分螺入され、その後に壁面Wに螺入されて、基台Vの離間固定部12の部分が壁面Wに固定される。その後に、左右の各保持片31の間からドライバーDを引き抜くと、弾性変形により保持空間42内に入り込んでいた各保持片31は、原位置に復帰する。このように、左右の各保持片31の間に形成された手が入らない空間36にビスBを仮保持しておいて、ビスBを一方の手で保持することなく、一方の手によるドライバーDの押込操作と回転操作のみによって、基台Vの離間固定部12の部分をビスBを介して壁面Wに固定できるので、ビスBによる固定操作が容易となる。なお、ビスBの螺入時に発生する切かすは、左右の各脚部16の間の空間16aに収容されるので、各脚部16の先端面と壁面Wとの間に切かすが入り込んで、基台Vの離間固定部12の部分が壁面Wから浮き上がることはない。なお、本実施例では、基台Vの幅方向の中央部に隣接配置された2つの保持片31の間でビスBを仮保持できる構成であるため、狭隘なビス頭部収容空間36aに頭部2が収容されるビスBの螺入準備、及び螺入の各作業が容易になる利点があるが、前記2つの保持片31の間隔は、ビスBの頭部2が通過可能な間隔にしてもよい。これにより、基台Vは、幅方向の中央部の左右一対の各脚部16と、幅方向の両端部の各傾斜固定部13との部分が壁面Wに直接に密着した状態で、基台Vの幅方向に沿って異なる3箇所においてビスBを介して基台Vが壁面Wに固定される。
そして、幅方向の中央部の離間固定部12及びその両側部の各近接固定部11の各部分においてそれぞれビスBを介して壁面Wに固定された基台Vの各保持空間42(配管経路M1,M2)に給水管P1 及び給湯管P2 を収容保持させるには、以下のようにして行う。なお、以下の例においては、給湯管P2 の外径は、給水管P1 の外径よりも大きいと共に、熱変形を少なくするために給湯管P2 は給水管P1 よりも厚肉である。まず、図5に示されるように、一方の保持空間42(配管経路M1 )に給水管P1 を収容保持させるには、保持部20を構成する左右一対の保持片21,31の先端部の開口43から給水管P1 を内部の保持空間42内に押し込むと、一方の保持片21は、垂直起立部23とわん曲保持部24の接続部を支点にして外方に撓み、他方の保持片31は、給水管P1 に接する円弧状の折返し片部33がわん曲部34を支点にして起立片部32の第2起立部32cの側に僅かに撓むと共に、起立片部32が傾斜部32bと第2起立部32cとの接続部を支点にして断面対称線Nの側に撓むことにより、起立片部32に対して撓んでいる前記折返し片部33が同一量だけ同一方向に僅かに移動する。保持空間42内に給水管P1 が収容されると、当該給水管P1 は、下方の部分が補助保持片41により補助的に保持されると共に、わん曲保持部24の先端部と折返し片部33の開口43側の先端部とに軽く接することにより、計3箇所に接して保持される。給水管P1 は、給湯管P2 よりも小径であるため、前記わん曲保持部24及び折返し片部33は、殆ど変形していない状態である。
一方、図6に示されるように、給水管P1 よりも径の大きな給湯管P2 を他方の保持空間42(配管経路M2)に収容保持するには、給水管P1 の場合と同様にして、先端部の開口43から給湯管P2 を内部の保持空間42内に押し込むと、保持部20を構成する左右一対の保持片21,31は、いずれも給水管P1 の場合よりも外方に大きく撓んで、保持空間42に収容され、保持片21の垂直起立部23及びわん曲保持部24と、保持片31の折返し片部33と、補助保持片41とによって、計5箇所で保持される。給湯管P2 の収容時には、当該給湯管P2 が給水管P1 よりも外径が大きいために、保持片21は、わん曲保持部24のみならず垂直起立部23までもが円形の切欠き26を中心にして外方に撓むと共に、保持片31は、その先端部が他方の保持部20の保持片31の先端部に接触することなく断面対称線Nを超えて外方に撓み、更に補助保持片41は、自身の基端部を支点にして下方に大きく撓む。
これにより、1つの基台Vに給水管P1 と給湯管P2 との2本の配管材が並列配置されて、各保持部20の保持空間42に収容される。このため、並列配管された給水管P1 と給湯管P2 との2本の管の間に空所が発生しなくなって、見栄えがよくなると共に、保護カバーKの幅も狭くできて、配管による占有スペースを小さくできる。また、1つの基台Vと1つの蓋体Lとからなる保護カバーKにより2本の管P1,P2 を並列配管して収容保護できるので、施工も簡単となる。また、上記のようにして、基台Vの各保持部20の各保持空間42(配管経路M1,M2)に給水管P1 及び給湯管P2 が収容保持された状態では、図6に示されるように、各管P1,P2 の下方は補助保持片41で保持される構成であるため、各管P1,P2 と近接固定部11との間の空間は断熱空間3となるため、各管P1,P2 に収容された湯水の熱交換が抑制される。また、基台Vの幅方向の中央部で隣接する各保持片31の各起立片部32の間の空間36、及び当該保持片31の起立片部32と折返し片部33との間に形成される空間4は、いずれも断熱空間となって、各管P1,P2 に収容された湯水の熱交換が抑制される。
次に、給水管P1 と給湯管P2 との2本の配管材が並列配置されて各保持空間42に収容された基台Vの開口43の側から蓋体Lを押し込むと、当該蓋体Lの各側板部52の下端部の内側に形成された各嵌合部53が、基台Vの幅方向の両側部の各保持片21の外面に摺接することにより、蓋体Lの各側板部52が拡開変形され、各側板部52の下端部の内側の各嵌合部53が、基台Vの幅方向の両端部に形成された各被嵌合部27に入り込んで嵌合されると、図10及び図12に示されるように、各側板部52は、原形状に復元して、2本の配管材P1,P2 が並列配置状態で収容保持された基台Vに対して蓋体Lが覆蓋される。基台Vに蓋体Lが覆蓋された状態では、基台Vの幅方向の両端部の各傾斜固定部13の蓋体弾接部13eの外側面13e1 と壁面Wとのなす角度θが90°以下であるため、蓋体Lの両側板部52の先端部の基台弾接部55が前記外側面13e1 の最も高い部分(壁面から最も離れた部分)に線接触状態で弾接する。このため、蓋体Lを伝って落ちる水分、或いは壁面W上の水分が、基台Vと蓋体Lとで形成される内部空間に入り込むのを防止できる。
次に、図11及び図12を参照して、1つの基台Vと1つの蓋体Lとからなる保護カバーKに並列配置状態で収容された給水管P1 と給湯管P2 の2本の管のうち給湯管P2 が熱膨張により蛇行変形する場合について説明する。図11は、給湯管P2 が熱膨張により蛇行変形する場合における2本の各管P1,P2 の中心C1(C2)の位置を示す模式的平面図であり、図12は、図11のX−X線断面図である。上記したように、保持部20を構成する左右一対の保持片21,31を外方に同一長だけ変形させるのに保持空間42の内部から各保持片21,31に作用する力の大きさに関しては、保持片21は、一枚板状になっていて、しかも変形可能な部分における先端側のほぼ半分であるわん曲保持部24は、基端側のほぼ半分である垂直起立部23よりも薄肉となっているのに対し、保持片31は、折返し構造になっていて、しかも給湯管P2(給水管P1)に直接に接する折返し片部33は、起立片部32よりも薄肉に形成されているため、基台Vの幅方向の両端部の保持片21を一定長だけ変形させるに要する力の方が、基台Vの幅方向の中央部の保持片31を同一量だけ変形させるのに要する力よりも遥かに大きい。即ち、保持部20を構成する左右一対の保持片21,31の変形抵抗(外力による変形を阻止する力)に関しては、基台Vの幅方向の中央部に配置された保持片31の変形抵抗は、同じく幅方向の両端部に配置された保持片21の変形抵抗よりも小さい。一方、左右一対の保持片21,31で給湯管P2(給水管P1)が保持された状態では、開口43の側は各保持片21,31の先端部で脱出しないようにしっかりと保持されているのに対して、開口43と反対の側は、保持片31の折返し片部33と補助保持片41とにより軽く保持されているのみである。
従って、給湯管P2 に高温の湯を供給した当初において当該給湯管P2 が熱膨張する場合には、図12で2点鎖線で示されるように、左右一対の保持片21,31と補助保持片41とにより保持されている給湯管P2 は、左右方向に対しては変形抵抗の小さな保持片31が基台Vの中央部の側に更に変形すると共に、給湯管P2 の保持により外方に変形されている変形抵抗の大きな保持片21は、変形量が小さくなるように、即ち原形状に近づくように内方に向けて変形され、上下方向に対しては変形抵抗の小さな補助保持片41が開口43と反対の側に更に変形されて、給湯管P2 の蛇行部では、その中心C2 は、断面視において基台Vの中央部の方向と開口43の反対の方向とを合成した方向に微動する。即ち、給湯管P2 が熱膨張(熱変形)により基台Vの両端部の側に変形すること、換言すると、保持片21が外方に変形されることは殆どないので、蓋体Lの嵌合部53と基台Vの被嵌合部27との嵌合が緩くなったり、極端な場合には嵌合が解除される不具合はなくなる。また、上記した給湯管P2 の保持状態は、一対の保持片21,31がいずれも外方に変形されて給湯管P2 が保持された状態であるが、例えば、一対の保持片21,31のいずれもが殆ど変形せずに保持されている場合(給水管P1 の保持状態の場合)には、内方の保持片31のみが更に外方に撓んで、外方の保持片21と給湯管P2 との間には僅かの隙間が発生することになる。なお、図11において61は、給湯管P2 の蛇行部を示す。
また、各保持部20の各保持空間42に並列配管された給水管P1 と給湯管P2 の間には、各保持部20を構成する2つの同一構造の保持片31が隣接して配置されているので、上記したように給湯管P2 が基台Vの幅方向の中央部の側に蛇行変形されても、両管P1,P2 の分離状態は維持されていて、給湯管P2 が給水管P1 に直接に接触することはない。このため、熱膨張された給湯管P2 の蛇行変形部が隣に並列配管されている給水管P1 に直接に接触して熱交換されて、湯温が低下する不具合はなくなる。
また、上記実施例では、左右の各保持部20を構成していて、隣接配置された内方の2つの保持片31の間には空間36が形成されているため、ビスBの仮保持機能、断熱機能、断熱材の挿入空間としての機能、信号線や凍結防止ヒーターの配置空間としての機能等の種々の利点があるが、図13に示されるように、保護カバーKの基台V’に相隣接して設けられた2つの保持部20’を構成している一対一組の計4つの保持片21,31’のうち、基台Vの幅方向の中央部で隣接する2つの保持片31’の間に空間が形成されていない構成のものも、請求項1の発明の技術的範囲に含まれる。基台V’の近接固定部11’の幅方向の中央部に起立片部37が立設され、当該起立片部37の先端部にわん曲部34を介して折返し片部33がほぼ180°折り返されて形成されている。このような構成であっても、基台の幅方向の中央部で隣接する2つの保持片の間に形成される空間から生ずる各利点を除く上記利点(並列配管された2本の管の間に空所が発生せず、見栄えが良くなると共に、熱膨張等により部分蛇行しても相隣接する2本の配管材が接触することがなく、しかも、並列配管による占有スペースも小さくなり、更に施工も簡単となる)はそのまま有する。
また、上記実施例では、1つの基台Vに2つの保持部20(2つの配管経路M1,M2)が形成された例であって、1つの基台Vに2本の管を並列配管できる例であるが、1つの基台Vに3以上の保持部を形成して、3本以上の管を並列配管する構成にすることもできる。