JP5207494B2 - 透光性防音板 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、弛み代がプラスの場合は、膜状材料が弛んだ状態に積層されたことを意味し、マイナスの場合は引張状態に積層されたことを意味する。
本発明の透光性防音板1は、図3に例示するような、透光性吸音材10と透明遮音材4とを空間を隔ててパネル枠材3に取り付けた透光性防音板であって、その透光性吸音材10は、構成部材から区分すると、図1(A)に示す3層構造=〔多孔板11+第1膜状材料21+多孔板12〕、図2(A)に示す4層構造=〔多孔板11+第1膜状材料21+多孔板12+第2膜状材料22〕の2種類があるが、その構成部材は共通するので、以下にまとめて説明する。
両側または片側に多孔板を配し積層される透光性、透視性の膜状材料21、22であって、入射した音波をこの膜状材料の振動エネルギとして、さらに膜状材料21、22と多孔板11、12との摩擦エネルギとして吸収するものである。この膜状材料としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化エチレン等のフッ素樹脂系フィルムやポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチエン、酢酸ビニル、ポリビニリデンなどの合成樹脂フィルムであって、厚さは6μm〜500μmが好ましい。なお、膜状材料が厚すぎると膜振動が生じにくくなり吸音率が低下し、薄すぎると破損し易くなる。
多孔板としては、透明や非透明のポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂等の板材に貫通孔明け加工した孔明きタイプの多孔板11、12の他、図1(B)11a、12a、図2(B)11a、12aに示される合成樹脂、ガラス、セラミックやアルミニウム、鉄など金属材料やからなる網やエキスパンドメタルのような網状の多孔板11a、12aも利用できるのであって、特に材料の限定はない。網や網状の多孔板は無色透明や有色透明、無色非透明や有色非透明のものから選択して使用する。
このような有色透明多孔板によって透視性が改善される理由は、透視性低下の原因である多孔板表面や開口孔の周囲角部(孔のエッジ)における光の乱反射による眩惑を視覚的に軽減するためと思われる。
なお、網や網状の多孔板と孔明きタイプの多孔板を組み合わせる場合は、網や網状の多孔板は灰色、黒色などの濃い色に着色したものを(有色非透明)、孔明きタイプの多孔板は無色透明の材料の孔明き板を用いることが好ましい。網や網状の多孔板を灰色や黒色などの濃い色にすることにより、背後の景色の視認性が向上する。さらに、網状の多孔板を音源側(道路側)に向けて透光性防音板に取り付けておけば、自動車排ガスなどによる多孔板の汚れが透明吸音材全体の透光性に影響することを防止できる。
膜状材料と多孔板の組み合わせは、1層の膜状材料に対して両側に多孔板を配置して3層構成(図1)にするか、更に第2膜状材料を多孔板の表面に配置して4層構成(図2)にして積層する。本発明において、これら膜状材料21、22と多孔板11、12との積層とは、膜状材料の振動により両者間に摩擦が生ずる近接状態に構成されていることを意味する(以下同様)。この場合、積層パネルとして形状を保持するため、外周部分や必要に応じ中間部分などおいて部分的にビスなどで固定するものとする。
膜状材料21と多孔板11、12、11a、12bの大きさの関係は、3層構造の場合は2枚の多孔板の間に挟む膜状材料に際立った皺ができないように、また、4層構造の場合は膜状材料のそれぞれ、またはいずれか一方に際立った皺ができないように、膜状材料の縦寸法、横寸法を多孔板のそれぞれの寸法に対して、100.1〜101%の寸法、すなわち弛み代をプラスの0.1〜1%として、積層するのである。
なお、弛み代がマイナスの場合、即ち、引張状態に積層した場合も所定範囲内の弛み代であれば吸音効果が得られることを確認しているが、組立作業の容易性などを考慮して本発明では弛み代がプラスのものだけを対象としている。
この場合は、2枚の多孔板11、12、11a、12bの間に挟む第1膜状材料21にはある程度、弛み代を大きく設定する。第1膜状材料21の縦寸法、横寸法の弛み代のそれぞれを、またはいずれかを0.1〜3%とするとともに、第2膜状材料は、その弛み代をそれぞれ0.1〜1%として積層するのである。この場合、第2膜状材料の弛み代をマイナス側、第1膜状材料をプラス側というように差を設けておくか、第2膜状材料の弛み代を第1膜状材料よりも小さくすることもできる。
なお、第1膜状材料の弛み代が過大若しくは過小の場合や、第2膜状材料の弛み代が過大若しくは張り過ぎた場合は、吸音性能が低下する。外観や見通し性、強度低下をきたすことについても前述と同様である。
(パネル枠材)
パネル枠材3としては、アルミニウム、鉄などの金属や塩化ビニルなどの合成樹脂、セラミック、セメントなどの無機材料からなるものが用いられ得るが、アルミ合金またはスティール型材から組み立てられる四周辺からなる枠材が最も好ましい。
透光性防音板1の背面板として設けられる透光性遮音板4は、ポリカーボネート、塩化ビニル、メタクリル樹脂、スチロール樹脂、ABS樹脂、フッ化エチレン樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂質やゴム質であって透光性、透視性を有するものや透明、半透明のガラスなどの透光性、透視性を有するものを単独または複層にして用いる。大きさは防音板の大きさにより決まる。その厚さは、必要とする遮音力(音響透過損失)から設定されるが、道路防音壁に用いる場合でプラスチック板の場合は3〜10mmが好ましい。
透光性防音板1の内部には、図5のように、パネル枠材3の四周枠内側に、および中間枠材31に沿って内部吸音材51、52が装着されるのが好ましいが、本発明では図4のような内部吸音材51、52が装着されない構成も含むものである。この内部吸音材51、52は、連通孔または非連通孔を有する多孔質吸音材であり、例えば、グラスウール、ロックウール等の無機繊維集合材、アルミ繊維などの金属繊維集合材、アルミの発泡体、アルミ粒子の焼結体、陶磁器粒子の焼結体、ウレタン、メラミン樹脂などの発泡体、セラミック発泡体、軽量骨材の焼結体または接着多孔体、セメント発泡体、珪酸カルシウム発泡体などが用いられる。
防音板1は、透光性吸音材10とパネル枠材3と内部に配置する吸音材51、52と透光性遮音板4とからなる。これら部材は、リベット、ビス、接着剤などを用いてパネルに組み立てられる。そして、透光性吸音材10と遮音板4の間には空気層を設けて構成し、透光性防音板1全体の厚さは音源の周波数に対応させて設定すればよいが、厚さを薄くすると高周波領域の吸音率が向上し、厚くすると低周波領域の吸音率が向上する。一般的には50〜200mmの厚さが適当である。
膜状材料に汚れ防止処理をしない場合は、フッ素樹脂フィルムなどの汚れの付着しにくいものを選択しておけばよい。また、降雨や水洗によっても汚れを除去することができる。
また、透光性遮音板4には、紫外線等に対する耐候性処理や表面硬さ向上のための処理や網などによる補強を施したものを用いてもよい。また、透光性吸音材10には、紫外線などに対する耐候性処理を施しても良い。
さらに、透光性防音板1の表面、裏面、内部に汚れ防止や窒素酸化物浄化のため二酸化チタン等の光触媒を塗布等によって付着させてもよい。
多孔板として、孔明け加工を施した透明ポリカーボネート樹脂板、アルミ製のエキスパンドメタルを用い、膜状材料として、表1及び表2に示すように、フッ素樹脂フィルムなどを用いて重ね合わせて積層した本発明の実施例である透光性吸音材(A、G、K〜M、O)を作成した。また、表1及び表2には、比較例の透光性吸音材(a〜l)、及び、参考例として膜状材料の弛み代が、−2〜−0.1%とマイナスの所定範囲内にある透光性吸音材(B〜F、H〜J、N、P〜T)を示す。
なお、積層に際しては、多孔板の四周端とフィルムの四周端を両面テープで固定し、積層の吸音材は四辺を透明テープで固定した。透光性吸音材の縦横寸法は約900mm×1900mmとした。なお、積層順は、第1多孔板、第1膜状材料、第2多孔板、第2膜状材料とした。
なお、表には特性として平均吸音率(残響室法吸音率(JIS A 1409)の250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hzの平均値)、音響透過損失(JIS A 1416)、全光線透過率(JIS K 7361-1)、人が眺めたときの背後の景色の見通し性を掲載した。
この表4、表5の結果によれば、本発明の実施例のうち、有色透明多孔板を用いたNo33〜No36の場合は、正面から見た見通し性、斜め45度方向から見た見通し性ともに優れていることが分かる。そして、この場合でも、吸音性や音響透過損失は全く変わることがなく、光透過率が若干下がる程度でこの点で実用性には何ら問題が生じることもないのである。
3 パネル枠材
4 透明遮音材
10 透光性吸音材
11 多孔板
11a 網状多孔板
12 多孔板
12a 網状多孔板
21 第1膜状材料
22 第2膜状材料
Claims (3)
- 透光性の膜状材料と透光性の多孔板を積層した透光性吸音材と、透明遮音材とを空間を隔ててパネル枠材に取り付けた透光性防音板において、前記透光性吸音材が、1枚の膜状材料を2枚の多孔板で挟んだ3層の構成からなり、その多孔板に対する膜状材料の縦寸法と横寸法のそれぞれの、またはいずれか一方の弛み代を0.1〜1%として積層されたものとし、また前記多孔板の四周端部と膜状材料の四周端部同士を固着したものとしたことを特徴とする透光性防音板。
- 透光性の膜状材料と透光性の多孔板を積層した透光性吸音材と、透明遮音材とを空間を隔ててパネル枠材に取り付けた透光性防音板において、前記透光性吸音材が、1枚の第1膜状材料を2枚の多孔板で挟み、その片面に1枚の第2膜状材料を配した4層の構成からなり、その多孔板に対する第1膜状材料の縦寸法と横寸法のそれぞれの、またはいずれか一方の弛み代を0.1〜3%とし、第2膜状材料の縦寸法と横寸法のそれぞれの、またはいずれか一方の弛み代を0.1〜1%とし、また前記多孔板の四周端部と膜状材料の四周端部同士を固着したものとしたことを特徴とする透光性防音板。
- 透光性吸音材の防音板の表側(音源側)に位置する第1多孔板を網状材料からなる多孔板、防音板の内側に位置する第2多孔板を透明材料の孔明き板で構成した請求項1または2に記載の透光性防音板。
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