JP5207582B2 - 寸法変化の少ない電解質膜の製造方法 - Google Patents
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Description
このような固体高分子型燃料電池は、電極触媒層とガス拡散層とが積層されたガス拡散電極がイオン交換膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。ここでいうイオン交換膜が電解質膜とも呼ばれる物で、高分子鎖中にスルホン酸基、カルボン酸基等の強酸性基を有し、イオンを選択的に透過する性質を有する材料である。このようなイオン交換膜としては、化学的安定性の高いナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系イオン交換膜が好適に用いられる。
さらに、現在の固体高分子型燃料電池用電解質膜として用いられる膜は、プロトン電導性が高く、電気抵抗が低いため高い電池性能を発現する一方で、電池使用の際、含水時の膜の面積(縦×横)方向の寸法変化が生じ、電池寿命が短かくなるという問題が生じている。
したがって、固体高分子型燃料電池用電解質膜としては、低電気抵抗で、かつ、含水率の変化や温度変化に伴う面積方向の寸法変化が少ないことが望まれているのである。
固体高分子型燃料電池用電解質膜を一対のガス拡散電極層の間に挟んで接合した膜電極接合体を作製する際には、通常、加熱下で行うので、加熱中の収縮による寸法変化や厚みムラが少ないことも望まれている。
また、延伸により膜面積を5〜200%増大させ、含水時の寸法変化率を−5〜+5%にする固体高分子型燃料電池用電解質膜も開示されているが(特許文献3)、開示の手法による延伸倍率と含水時の寸法変化では、膜電極接合体作製時の寸法変化や厚みムラの発生を抑制することは困難である。
1.電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜をロール或いはドラム形状の支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることを特徴とする80℃湿潤時の寸法変化率が−10〜30%である電解質膜の製造方法。
2.電解質膜がフッ素系電解質膜であることを特徴とする1.に記載の電解質膜の製造方法。
3.電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.01〜2.50であることを特徴とする1.または2.に記載の電解質膜の製造方法。
4.電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.1〜2.0であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
5.電解質膜がパーフルオロスルホン酸ポリマーと塩基性ポリマーを含有することを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
6.ロール或いはドラム形状の支持体が回転体であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
本発明により製造された固体高分子型燃料電池用電解質膜は、電池使用時に特にシワ等の発生しやすい燃料電池セルのガスケットの直ぐ内側部分でもシワ等の発生を抑制した膜とすることができる。
本発明において好適に用いられる、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体には、公知の重合体が広く採用され、例えば、フッ化オレフィン化合物と、イオン交換基含有フッ化ビニル化合物との共重合体等を挙げることができる。
フッ化オレフィン化合物としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等をあげることができる。
本発明においては、フッ化オレフィン化合物としては、テトラフルオロエチレンが好ましく、イオン交換基含有フッ化ビニル化合物としては、スルホン酸基をイオン交換基とした下記の化学式(1)〜(4)に示す化合物が好ましい。
CF2=CFO(CF2)qSO3H (1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO3H (2)
CF2=CF(CF2)sSO3H (3)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2SO3H (4)
上記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、sは1〜8の整数、tは1〜5の整数を示す。
フルオロビニル化合物とフッ化オレフィン化合物とを、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等、公知の重合方法で共重合することによって前駆体を製造することができる。
尚、本発明において、前駆体は、エーテル結合性の酸素分子等を含んでいてもよい。
前駆体を構成するフルオロビニル化合物とフッ化オレフィン化合物の組成比は、後述する方法で前駆体を本発明のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とした状態のイオン交換容量、すなわち、スルホン酸基(SO3H基)を有するパーフルオロカーボン重合体中のスルホン酸基の濃度が、好ましくは0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、より好ましくは0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂となるように設定する。イオン交換容量がこの範囲より低い場合には膜の電気抵抗が大きくなり、高い場合には膜の機械的強度が弱くなる。
具体的な補強材としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE、という)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEP、という)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体(以下、PFA、という)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(以下、PETFE、という)、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)共重合体、ポリパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等が挙げられる。なかでも、特にPTFE、FEP、PFAおよびPETFEが機械的強度および化学的安定性等の特性上、好ましい。
本発明に用いることが可能な前駆体ポリマーの、JIS K−7210に基づいた270℃、荷重21.2N、オリフィス内径2.09mmで測定されるMFR(g/10分)は限定されないが、0.001以上1000以下が好ましく、より好ましくは0.01以上100以下、最も好ましくは0.1以上10以下である。
一方、本発明に用いる塩基性ポリマーとしては、特に限定はされないが、例えば、ポリベンズイミダゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリイミダゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリアニリン等が挙げられる。この中でもポリベンズイミダゾールは耐熱性も高いことから特に好ましい。
、押し出し成膜やキャスト成膜を行って長尺膜を製造する際の巻き取り方向をいい(MD方向)、横方向とは、巻き取り方向と直交する方向(いわゆるTD方向)を言う。
ここでプロトン性溶媒とは水、アルコール、酸などプロトンを出すことができる官能基を有する溶媒であり、一例として、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、フェノール類が挙げられる。これらのプロトン性溶媒は1種もしくは2種以上を混合して用いてもよく、特に、水とアルコールの混合溶媒を用いることが好ましく、水/エタノール=3/1〜1/3(体積割合)、水/イソプロパノール=3/1〜1/3(体積割合)の混合溶媒を用いることがより好ましい。
これらのプロトン性溶媒と非プロトン性溶媒の混合溶媒を用いることにより、パーフルオロカーボン重合体と、塩基性ポリマーがともに良好に溶解し、結果、外観においても斑のない、均一な膜厚のイオン交換膜の製造が容易となる。
本発明におけるキャスト溶液の作製手順は、以下のように混合工程を2段階に分けて行うことで、より耐久性の高いイオン交換膜を製造することができる。
前段階溶液Cはプロトン性溶媒とイオン交換基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。前段階溶液Cにおけるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の含有率は、限定はされないが、好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上40質量%以下、もっとも好ましくは0.5質量%以上30質量%以下である。
酸処理工程では、塩酸、硝酸、硫酸等の希鉱酸を用いれば良く、塩酸か硝酸が好ましい。また、処理温度は60℃以下が好ましく、40℃以下がさらに好ましい。
水洗工程の処理温度は60℃以下が好ましく、さらに40℃以下が好ましい。
また、本発明の湿潤雰囲気での膨潤処理とは、膜面積を増大させる前に膜を湿潤雰囲気にて処理する前工程を経て、膜に外力を加えることなく膜面積を増大させる加工のことである。膨潤処理は水を主成分とする湿潤雰囲気で行うが、温度は60℃以上が好ましく、さらに好ましくは80℃以上である。
膨潤の雰囲気種と温度により、膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比は1.01〜2.50の範囲内で増加するが、好ましい膜面積比は1.05〜2.0であり、さらに好ましくは1.1〜1.8の範囲で電解質膜面積比が増加する膨潤処理条件が好ましい。
膨潤処理した電解質膜の拘束固定は、回転する曲面を有する支持体に貼り付け、膨潤処理した電解質膜が緩和されないよう固定した状態で行う。具体的には、電解質膜のMD方向とTD方向の全面が面固定された状態であればよく、回転する曲面を有する支持体の例としてロール或いはドラム形状の外周を用いて拘束乾燥するような方法を挙げることができる。曲面体に限定しているが、本発明者らの検討によれば、平面では電解質膜の乾燥時の収縮応力が電解質膜の固定力を上まり、拘束乾燥出来ずに、収縮してしまうことを確認した。平面形状では、ロール或いはドラムの曲面形状よりも面圧拘束力が小さいためと推測される。
また、連続処理する場合には重要な事であるが、膨潤処理させた電解質膜を回転する曲面体に貼り付ける際、スポンジロールによる適度な押し圧が、皺や端部の剥れがない均一な貼り付けに適している事を確認した。さらに、スポンジロール直前の搬送ロールについても、膨潤処理後の電解質膜の弛みや張力により、クラウンロール、逆クラウンロール、フラットロールのいずれかを使用することが好ましい。
電解質膜の厚みに関しては、一般的に、薄いと電解質膜の強度が弱く、ハンドリング性が悪く、水素透過率が上がり、また膜電極接合体を作製する場合に電解質膜が破れるおそれがある。また厚すぎると、発電中に電解質膜中の水の移動が阻害され発電特性が低下する。
尚、80℃湿潤状態とは燃料電池の動作温度範囲である。
固体高分子型燃料電池用電解質膜は、公知の方法により膜の両面に触媒を含むガス拡散電極を密着接合させて膜電極接合体(MEA)の形成される。
ガス拡散電極と固体高分子型燃料電池用電解質膜とは、加熱プレス法等により強固に密着させる工程を必要とする。そのため、本発明の製造方法により得られる固体高分子型燃料電池用電解質膜を用いると、加熱下での熱収縮率が小さいので、膜厚のバラツキを小さくでき、電流密度の均一なガス拡散電極との密着性に優れたものとすることができる。
ガス拡散電極は、通常、白金触媒粒子または白金合金触媒粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末を、PTFE等の疎水性樹脂結着材で保持してなるシート状の多孔質体を用いることができる。
得られたMEAは、必要に応じて複数積層した後、通常の既知の方法により集電体(バイポーラプレート)を最外側に配置して、いわゆる燃料電池セルが形成される。本発明では、一つのMEAから構成した燃料電池セルを燃料電池単セルと称する。
集電体は、表面等にガス流路を有するグラファイト製または金属製のフランジのことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、水素や酸素をMEA表面に供給する流路としての機能を持っている。
燃料電池の作動は、一方の電極に水素を、他方の電極に酸素または空気を供給することによって行われる。燃料電池の作動温度は、高温であるほどガス拡散電極中の触媒活性が上がるため好ましいが、通常は水分管理が容易な50〜100℃で作動させることが多い。また、酸素や水素の供給圧力は高いほど燃料電池出力が高まるため好ましいが、膜の破損等によって両者が接触する確率も増加するため、適当な圧力範囲に調整することが好ましい。本発明の燃料電池の作動条件は上記の記載に基づき以下に示す条件として、本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の燃料電池評価を行った。
(1)MFRの測定(JIS K−7210に準じて測定)
前述のスルホン酸基前駆体の共重合体組成物、約8gを用いて、東洋精機(株)製、商品名、MELT INDEXER C−50590型にて、温度270℃、荷重2.16kgで10分間に流出する量を求め、g/10分で表す。
(2)イオン交換容量:EWの測定
イオン交換膜およそ2〜10cm2を、50mlの25℃の飽和NaCl水溶液(イオン交換水に過飽和状態になるまでNaClを溶解し、上澄み液を使用する)に浸漬し、攪拌しながら10分間放置する。次いで、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中和後、得られたNa型イオン交換膜を純水ですすいだ後、10kPa以下、110℃、1時間真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリウム当量と真空乾燥重量より、イオン交換容量を算出する。
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御(株)製、商品名、DVA−225)を用いて、所定のサンプル(長さ30mm、幅5mm)形状に切り出し、室温から250℃までの温度範囲を昇温速度5℃/分、空気中、周波数35Hzの条件下で測定し、横軸に温度、縦軸にtanδをプロットし、変化率のピーク温度をα分散温度とする。
(4)膜厚の測定
自己膨潤前後の固体高分子型燃料電池用電解質膜を23℃、関係湿度50%の恒温室に1時間以上放置した後、膜厚計(東洋精機製作所製:型式B−1)を用いて測定する。また、前後の膜厚により平均延伸面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)を算出する。
自己膨潤前の電解質膜のTD方向に平行な2本線を引き、自己膨潤、及び拘束乾燥後にMD方向で2本線の端部と中央部のずれを測定し、TD方向に対してMD方向の中央部のずれがどの程度の割合であるか算出する。数値が+の場合、MD方向に対して中央部が遅れているボーイング歪であり、数値が−の場合、MD方向に対して中央部が進んでいるボーイング歪と定義する。
(6)80℃における含水時の寸法変化測定
固体高分子型燃料電池用電解質膜(5cm×4cm)を23℃、関係湿度50%の恒温室で12時間以上放置した後、含水前の縦方向および横方向の長さを測定する。その後、80℃熱水に30分間浸漬させ、取り出し後水中にて、含水後の縦方向および横方向の長さを測定する。含水前後の長さより含水時の寸法変化率を算出する。
まず電極触媒層を作製する。Pt担持カーボンとパースルホン酸ポリマー溶液とエタノールを所定量秤量し、ホモジナイザーでよく混合して電極インクを得る。この電極インクをスクリーン印刷法にてPTFEシート上に塗布する。塗布後、室温及び120℃空気中で乾燥し電極触媒層とする。電極触媒層は、Pt及びポリマー担持量で2種類作製し、0.15mg/cm2のものをアノード触媒層とし、0.30mg/cm2のものをカソード触媒層とする。
次に、このアノード触媒層とカソード触媒層を向かい合わせて、その間に電解質膜を挟み込み、160℃、面圧0.1MPaでホットプレスすることにより、膜電極接合体(MEA)を作製する。
このMEAの両側にガス拡散層としてカーボンクロスをセットして、電池性能評価セルに組み込む。
電池性能評価条件は、セル温度80℃、アノード側に水素ガス、カソード側に空気ガスを流し、アノード及びカソード共に0.20MPaで加圧する。ガス加湿には水バブリング方式を用い、水素ガスは90℃、空気ガスは80℃で加湿して電池評価セルへ供給する。電流密度0.2A/cm2で発電させて、初期セル電圧が30%低下するまでの時間を求める。
(実施例1)
テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF2)2-SO2Fとから得られた前駆体ポリマーを、水酸化カリウム(15質量%)とジメチルスルホキシド(30質量%)を溶解した水溶液中に、60℃で4時間接触させて、アルカリ加水分解処理を行った。その後、60℃水中に4時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に3時間浸漬した後、イオン交換水で水洗、乾燥して、プロトン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(EW*710、MFR:3.0)を得た。
得られた前段階溶液C1にジメチルアセトアミドを添加し、その後エバポレータで水、エタノールを除去することにより、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:ジメチルアセトアミド=1.5:98.5(質量比)の組成の前段階溶液Bを得た。
一方、重量平均分子量が27000であるポリベンズイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製)をジメチルアセトアミドとともにオートクレーブ中に入れて密閉し、200℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、ポリベンズイミダゾール:ジメチルアセトアミド=10:90(質量比)の組成のポリマー溶液を得た。さらに、このポリマー溶液をジメチルアセトアミドで10倍に希釈して、ポリベンズイミダゾール:ジメチルアセトアミド=1:99(質量比)の組成の前段階溶液Aを製造した。
この溶液を30cm*40cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて160℃に昇温し、3時間熱処理することにより溶媒を除去した。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚60μmの電解質膜を得た。この膜は均一に黄色がかっていて、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリベンズイミダゾールが完全に相溶していた。このときのα分散温度は151℃であった。
拘束乾燥後の固体高分子型燃料電池用電解質膜として物性を測定したが、固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と高かった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であった。
実施例1と同じ組成の溶液を12L作製し、パイプドクター方式のキャスト成膜機を用いて塗工を行った。乾燥ゾーンは1ゾーン1mが4ゾーンあり、それぞれ温度は20℃、80℃、110℃、120℃とした。塗工速度は0.1m/分で、PENフィルムをベースフィルムとして用い、22mのロール塗工膜が得られた。膜厚は74μmであった。
このロール塗工膜のα分散温度を測定したが、152℃であった。その後、170℃に設定した熱処理炉で炉内通過時間50分で熱処理を行った。
このロール塗工膜を0.15m/分のライン速度で、2N塩酸槽と純水洗浄槽を用いた連続洗浄を2回行った。なお、巻き取り装置前には乾燥ゾーンがあり、50℃と25℃の2段階で温風を吹き付け、乾燥後に巻き取っている。
また、ドラム式拘束乾燥工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は4.5%であり、寸法安定性に優れた固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であった。
実施例1により得られた電解質膜を用いて、次の手順により乾式延伸を実施し固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。延伸温度160℃、延伸倍率1.2倍、ヒートセット温度180℃で同時二軸乾式延伸した後の固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と実施例1と同様であった。ボーイング歪は同時二軸延伸のため、0%であった。
しかし、乾式延伸工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は15.0%であり、寸法安定性の対策が取れているとは言い難い固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であり、ドラム式拘束乾燥の固体高分子型燃料電池用電解質膜と同様の結果であった。
実施例2と同様にして得られた電解質膜を用いて、次の条件により逐次二軸乾式延伸を実施し固体高分子型燃料電池用電解質膜とした。逐次二軸乾式延伸条件は、MD及びTD延伸温度160℃、MD及びTD延伸倍率1.2倍、ヒートセット温度180℃で行った。逐次二軸乾式延伸した後の固体高分子型燃料電池用電解質膜の膜厚は50μmであり、プロトン伝導度は0.23(S/cm)と実施例2と同様であった。ボーイング歪は逐次二軸延伸のため、15%であった。
また、乾式延伸工程を経て得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電解質膜の80℃の湿潤寸法変化率は15.0%であり、寸法安定性の対策が取れているとは言い難い固体高分子型燃料電池用電解質膜であることがわかった。
また、運転温度80℃で燃料電池評価をしたところ初期電池発電テストでは168hr(1週間)の運転でもセル電圧低下は30%以内であり、ドラム式拘束乾燥の固体高分子型燃料電池用電解質膜と同様の結果であった。
Claims (6)
- 電解質膜を水を主成分とする湿潤雰囲気で膨潤させ、引き続き、電解質膜をロール或いはドラム形状の支持体に密着させ、その状態を保持させたまま拘束乾燥させることを特徴とする80℃湿潤時の寸法変化率が−10〜30%である電解質膜の製造方法。
- 電解質膜がフッ素系電解質膜であることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜の製造方法。
- 電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.01〜2.50であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解質膜の製造方法。
- 電解質膜の膨潤前に対する拘束乾燥後の膜面積比が1.1〜2.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
- 電解質膜がパーフルオロスルホン酸ポリマーと塩基性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
- ロール或いはドラム形状の支持体が回転体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電解質膜の製造方法。
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