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JP5209262B2 - 非接触電力伝送用フィルム - Google Patents
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Description

本発明は、電磁誘導作用を用いて電力を伝送する非接触型の電力伝送装置に属するものである。
発光ダイオード、モーターなどの駆動に電力を要する装置における電力供給の技術分野においては、電気的な接点を介して電力を供給した場合に生じる電力供給の非効率化や、金属製の接点の腐食等の事態を防止するため、非接触方式の電力供給装置が開発されている。そして、そのような非接触方式の電力供給装置としては、電力の需要側(負荷装置側)に受電コイル、蓄電池を含む受電装置を設けるとともに、電力の供給側に給電コイルを有する給電装置を設け、給電コイルと受電コイルとを対向させた状態で給電コイルに電流を流して電磁誘導作用によって負荷装置を駆動させるものが知られている。また、非接触式の電力伝送装置に用いる回路部材としては、合成樹脂製の基板の上に、銅等の金属箔をエッチングあるいはプレス加工したコイルや、基板の周囲に金属線を捲回したコイル等が用いられている(特許文献1)。
一方、非接触方式でデータ通信を行うためのRFIDデータキャリア(ICタグ)等の技術分野においては、ポリエステルフィルム等の合成樹脂製の基材の上に導体(導電)インキをスクリーン印刷することによってコイルを積層する技術が開発されている(特許文献2)。
特開2006−333557号公報 特開2006−320047号公報
しかしながら、基板上に銅等をエッチングあるいはプレス加工したコイルは、製造時に悪環境を与える(環境負荷が大きい)という不具合がある。また、基板の周囲に金属線を捲回したものは、フレキシブルに形成することができず、コンパクトな電力伝送装置の設計に寄与することができない。さらに、従来技術である合成樹脂製の基板の上に導体(導電)インキを印刷することにより形成されたコイルは、配線の抵抗が高いため、周波数が高い場合にのみコイルとして動作する。しかしながら、多くの電力を送受信するためには周波数を低くする必要があるため、従来技術で作製されたコイルは消費電力がきわめて小さいRFID通信等には利用できるものの、非接触方式による有機EL表示装置の駆動等の様な多くの電力の送受信を必要とする用途には用いることができない。
本発明の目的は、上記従来の非接触電力伝送装置に用いる回路部材が有する問題点を解消し、非接触方式で電力を効率的に伝送することが可能であるとともに、製造時の環境負荷が小さく、省スペースかつフレキシブルな非接触電力伝送装置の設計に寄与することが可能で実用的な非接触電力伝送用フィルムを提供することにある。
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明の構成は、発信回路、電力増幅回路に接続された状態で空間へ電力放射を行なうアンテナパターンを基板上に設けた第一非接触電力伝送用フィルムと、電力消費負荷と接続された状態でその電力消費負荷へ電力を供給するアンテナパターンを基板上に設けた第二非接触電力伝送用フィルムとの間で電力の授受を行う非接触電力伝送装置において、前記第一非接触電力伝送用フィルムおよび第二非接触電力伝送用フィルムとして用いる非接触電力伝送用フィルムであって、前記基板が、ポリエチレンナフタレートによって形成されたフレキシブル基板であり、前記アンテナパターンが、そのフレキシブル基板上に、数nm〜数十nmの平均粒子径を有するナノ銀粒子を配合した体積抵抗率が数〜数十μΩ・cmのナノ銀粒子配合インクを印刷することによって形成されたものであり、かつ、ポリエステル系の熱硬化型インクからなる絶縁パターン層を積層したものであることを特徴とするものである。
なお、本発明において、フレキシブル基材としては、PEN、ポリイミドからなる柔軟なフィルムを好適に用いることができる。また、ナノ銀インクとは、数nm〜数十nmの粒子径(平均粒子径)を有する銀のナノ粒子のことをいう。
本発明に記載された非接触電力伝送用フィルムは、アンテナパターン(コイル)の導電性が高く、少ない巻き数で高いインダクタンスを発現させることができるので、非接触方式で電力を効率的に伝送することが可能である。また、製造時の環境負荷が小さく、薄くかつフレキシブルに形成することができるので、非接触電力伝送装置をコンパクトに設計することが可能となる。
本発明に記載された非接触電力伝送用フィルムは、アンテナパターンがスクリーン印刷、グラビア印刷、もしくはインクジェットなどの印刷工法によりパターン形成されたものであるので、製造が非常に容易である。
本発明に記載された非接触電力伝送用フィルムは、フレキシブル基材が、ポリエチレンナフタレートからなるフィルムであるため、きわめて薄くかつ非常にフレキシブルに形成することができるので、非接触電力伝送装置をきわめてコンパクトに設計することが可能となる。
以下、実施例によって本発明の非接触電力伝送用フィルムを詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
[実施例]
<スクリーン印刷用インクの作製>
アンテナパターン形成用としては、ナノサイズの銀粒子を含む熱反応型高導電性インク(体積抵抗率:数〜数十μΩ・cm)や低抵抗の熱硬化型ポリマー銀インク(体積抵抗率:〜数十μΩ・cm)(藤倉化成社製)を使用した。但し、要求特性に応じて、その他の金属粒子やカーボン粒子など導電性物質を含有したインクを使用してもよい。
実装回路パターン形成用としては、銅粒子を含む熱硬化型ポリマー銅インク(体積抵抗率:〜数十μΩ・cm)(アサヒ化学研究所製)を使用した。但し、要求特性やその後に実装される部品に応じて、熱硬化型ホ゜リマー銀インクなどその他の導電性インクを使用してもよい。上記の導電パターン表面の酸化防止や傷つき防止などのために、2液熱硬化型のレジストインクやオーバーコートインクを使用した。但し、フィルムが設置される状況に応じて、エポキシ系樹脂やその他のレジストコートを用いても良い。
<非接触電力伝送用フィルムの作製>
PEN(ポリエチレンナフタレート)からなる厚さ100μmのフィルム(基材)を180℃の雰囲気下でアニーリングした。しかる後、そのフィルムに、レーザー加工によって回路接続用のスルーホールを形成した。さらに、スルーホールを形成したフィルムの表面に、スクリーン印刷用インク(ナノ銀粒子配合インク)によって、図1の如き略正方形状のアンテナパターン(一辺の長さ=約40mm、導体の線幅=約0.25mm、導体線間=約0.2mm、巻き数=40回)をスクリーン印刷した。そして、印刷後のフィルムを170℃で熱処理することによって、フィルムの表面上にアンテナパターン層を形成した。さらに、そのアンテナパターン層上に、ポリエステル系の熱硬化型インクをスクリーン印刷し、印刷後のフィルムを170℃で熱処理することによって、アンテナパターン層上に絶縁パターン層を形成した。
一方、フィルムの裏面に、上記したスクリーン印刷用インク(ナノ銀粒子配合インク)によって、表面側と同様なアンテナパターンをスクリーン印刷し、印刷後のフィルムを170℃で熱処理することによって、フィルムの裏面上にも、アンテナパターン層を形成した。さらに、その裏面のアンテナパターン層上に、上記した熱硬化型インクをスクリーン印刷し、印刷後のフィルムを170℃で熱処理することによって、裏面のアンテナパターン層上にも絶縁パターン層を形成した。
さらに、アンテナパターン層および絶縁パターン層を形成したフィルムの表面に、溶剤中にフェノール系樹脂および銅粒子を分散させた配線パターン印刷用インク(銅粒子配合インク)をスクリーン印刷し、さらに、印刷後のフィルムを150℃で熱処理し、アンテナパターン層および絶縁パターン層上に回路部材実装用の配線パターン層を形成することによって、非接触電力伝送用フィルムを得た。
図2は、得られた非接触電力伝送用フィルムの断面の様子を示す説明図であり、非接触電力伝送用フィルム1は、フィルム(基材)2の表面に、約30μmの厚さのアンテナパターン層3aが積層されており、そのアンテナパターン層3aの上に、絶縁パターン層4a、配線パターン層5が積層されている。一方、フィルム(基材)2の裏面に、約30μmの厚さのアンテナパターン層3bが積層されており、そのアンテナパターン層3bの上に、絶縁パターン層4bが積層されている。また、フィルムの表側のアンテナパターン層3aとアンテナパターン層3bとはスルーホール6,6・・によって接続されている。なお、非接触電力伝送用フィルム1の下式1を利用した設計上のインダクタンス(L)は約110μHであり、抵抗値は約130Ωである。そして、上記の如く得られた非接触電力伝送用フィルム1の電力伝送性能を下記の方法によって評価した。
L=nR{μ(log(8R/a−2)+μ/4)}・・・1
(上式1において、aはアンテナパターンの一辺の長さであり、Rは平均半径であり、nは巻き数である。)
<電力伝送性能の評価>
図3の如く、得られた非接触電力伝送用フィルム1の配線パターン層5に、全波整流回路12と平滑化回路13とからなるAC−DC変換/出力部11を介して駆動負荷(LED;負荷=約1kΩ)14を接続することによって電力受信部を形成した。一方、電力受信部と同じ非接触電力伝送用フィルム1の配線パターン層5に、発振回路15と電力増幅回路16,17とからなる高周波電源部18を接続することによって電力発信部を形成した。そして、電力送信部の非接触電力伝送用フィルム1の表面のアンテナパターン層3aと、電力受信部の非接触電力伝送用フィルム1の表面のアンテナパターン層3aとを、約20mmの距離を隔てて向かい合わせ、送電アンテナへVpp=13[V]の電力を矩形波で供給した。その結果、LEDを発光させることが可能であり、約20mWの電力を送電することが可能であった。
[比較例]
フィルムの表裏にアンテナパターンをスクリーン印刷する際に用いるインクを、熱硬化型ポリマー銀インクに変更した以外は、実施例と同様にして非接触電力伝送用フィルムを得た(なお、フィルムの表裏に形成されたアンテナパターンの厚みは、約20μmであった)。そして、得られた非接触電力伝送用フィルムを用いて、実施例と同様に、電力伝送性能の評価を行った。しかしながら、受信側のLEDの発光を目視で確認することはできなかった。
上記の如く、実施例の非接触電力伝送用フィルム1は、アンテナパターン層3a,3bの導電性が高く、少ない巻き数で高いインダクタンスを発現させることができるので、非接触方式で電力を効率的に伝送することができる。また、製造時の環境負荷が小さく、薄くかつフレキシブルに形成することができるので、非接触電力伝送装置をきわめてコンパクトに設計することができる。さらに、アンテナパターン層3a,3bがスクリーン印刷されたものであるので、製造が非常に容易である。
<非接触電力伝送用フィルムの変更例>
本発明の非接触電力伝送用フィルムの構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基材(フィルム)、コイル(アンテナパターン層)等の形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、非接触電力伝送用フィルムは、上記実施形態の如く、ベースフィルムにスルーホールを設けてベースフィルムの表裏にアンテナパターン(コイル)を三次元的に設計したものに限定されず、単なるフラットなアンテナパターンを設けたもの等に変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、ベースフィルムにスルーホールを設けてアンテナパターンを三次元的に設計することにより、効率的にアンテナパターンのインダクタンスを向上させることが可能となる。また、非接触電力伝送用フィルムを製造する際の製造条件、すなわち、アンテナパターン層、絶縁パターン層や配線パターンを形成した後のアニーリングの温度等も、上記実施形態の態様に限定されず、必要に応じて適宜変更することが可能である。
本発明の非接触電力伝送用フィルムは、上記の如く優れた効果を奏するものであるから、非接触電力伝送装置用の回路部材として好適に用いることができる。
フィルムの上に設けるアンテナパターンの平面図(概略図)である。 非接触電力伝送用フィルムの断面の様子を示す説明図である。 非接触電力伝送用フィルムを用いて電力伝送を行う様子を示す説明図である。
符号の説明
1・・非接触電力伝送用フィルム
2・・フィルム(基材)
3a,3b・・・アンテナパターン層

Claims (1)

  1. 発信回路、電力増幅回路に接続された状態で空間へ電力放射を行なうアンテナパターンを基板上に設けた第一非接触電力伝送用フィルムと、電力消費負荷と接続された状態でその電力消費負荷へ電力を供給するアンテナパターンを基板上に設けた第二非接触電力伝送用フィルムとの間で電力の授受を行う非接触電力伝送装置において、前記第一非接触電力伝送用フィルムおよび第二非接触電力伝送用フィルムとして用いる非接触電力伝送用フィルムであって、
    前記基板が、ポリエチレンナフタレートによって形成されたフレキシブル基板であり、
    前記アンテナパターンが、そのフレキシブル基板上に、数nm〜数十nmの平均粒子径を有するナノ銀粒子を配合した体積抵抗率が数〜数十μΩ・cmのナノ銀粒子配合インクを印刷することによって形成されたものであり、かつ、ポリエステル系の熱硬化型インクからなる絶縁パターン層を積層したものであることを特徴とする非接触電力伝送用フィルム。
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