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JP5217282B2 - 筐体製造方法 - Google Patents
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JP5217282B2 - 筐体製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金型に溶融材料を注入して硬化させることにより筐体を製造する筐体製造方法に関する。
近年、コンピュータをはじめとする電子機器に関する技術が急速に進んでおり、高性能で多種多様な電子機器が市場に出回っている。特に、パーソナルコンピュータや、携帯電話に代表される小型通信機器、音楽鑑賞用の小型オーディオ機器、デジタルカメラといった、一般の人でも手軽に利用できる電子機器の普及はめざましく、より高機能な電子機器への研究開発も盛んである。
ほとんどの電子機器では、電子機器の機能中枢は、電子機器の外殻である筐体の内部に保護されており、この筐体の見映えによって電子機器の外観が決定される。そこで、見映えの良さが筐体の重要な要素となる。また、最近では、色彩や模様といった外観的な特徴に加えて、電子機器に触れた時の触感を重要視する電子機器の需要者が増えており、こうした需要者を満足させるため、微妙で繊細な触感を与えるように筐体表面の凹凸模様を工夫することが、筐体を製造する上で大きな意味を持つようになってきている。
凹凸模様を筐体に付すにあたっては、筐体本体を成形する際に用いられる金型の壁面に、その凹凸模様の型となる形状をあらかじめ形成しておく方式が従来からよく用いられる。しかし、一般に、金型の壁面に形成できる形状は、粗く単純な形状に限られるため、上記の方式では、最近の需要者が好むような微妙で繊細な触感の筐体を得ることは難しい。そこで、最近では、所望の触感を与えるシート状部材をあらかじめ用意しておき、このシート状部材を筐体本体成形用の金型の中に配置して筐体本体の成形の際にこのシート状部材で筐体本体の表面を被覆し、そのシート状部材を筐体の外壁とすることで、所望の触感を与える筐体を製造する方式が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照)。シート状部材としては、具体的には、例えば、表面に凹凸模様のある樹脂フィルムが考えられる。ここで、シート状部材を筐体本体の表面を被覆する方式を採用した筐体の製造方法の一例を紹介する。
図1は、表面に凹凸模様のある樹脂フィルムが貼り付けられることで所望の触感を与えるよう工夫された筐体の製造方法における製造工程を表した模式図である。
この図では、型締めされると筐体本体の型となる空間(キャビティ)を形成するオス型金型30およびメス型金型31、所望の触感を与えるように表面に凹凸模様が設けられた樹脂フィルム21’、筐体本体の材料となる、高温で溶融状態の樹脂50’をスクリュー41を用いて先端から射出することで樹脂50’をキャビティに注入する樹脂注入装置40の各断面が示されている。この製造方法では、まず、図1のパート(a)に示す断面形状を有するオス型金型30およびメス型金型31、樹脂フィルム21’、樹脂注入装置40が準備され、次に、図1のパート(b)に示すように、メス型金型31の壁面に樹脂フィルム21’が配置されてオス型金型30とメス型金型31とが型締めされる。オス型金型30とメス型金型31とが型締めされると、これら2つの金型の間にキャビティ311が形成され、樹脂注入装置40が、高温の樹脂50’を、オス型金型30に設けられた注入孔301からキャビティ311内に注入する。図1のパート(b)では、キャビティ311内に樹脂50’が満ちている様子が示されており、注入された樹脂50’は時間の経過とともに冷えて硬化する。ここで、図1のパート(b)において樹脂フィルム21’は、凹凸模様が設けられている面がメス型金型31の壁面側を向くように配置されており、一方、オス型金型30側を向いた面には加熱されると軟化して接着効果を発揮する接着層(不図示)が設けられている。このように樹脂フィルム21’が配置されることで、樹脂50’が注入された際に樹脂50’の熱によって樹脂フィルム21’の接着層が軟化し、時間の経過とともに硬化していく樹脂50’に樹脂フィルム21’が付着する。時間が十分に経過して樹脂50’が完全に硬化すると、オス型金型30とメス型金型31とが引き離されて、樹脂フィルム21’が付着したまま硬化した樹脂50’が取り出される。そして、注入孔301を埋めていた部分の樹脂50’が除去され、図1のパート(c)に示すように、樹脂50’からなる筐体本体20の表面を樹脂フィルム21’が被覆した構成の筐体1’が完成する。
この方式では、樹脂フィルム21’上に凹凸模様を設ける方式であるため、金型の壁面に凹凸模様の型を形成する方式よりも細かくて複雑な凹凸模様が実現でき、より繊細な触感の筐体を得ることが可能となる。
特開平09−94845号公報 特開2006−281592号公報 特開平05−293849号公報
しかしながら、図1の樹脂フィルム21’を用いた方式のように、凹凸模様を有するシート状部材を筐体本体に筐体本体の表面を被覆する方式では、筐体本体上のどの場所を被覆するかによってシート状部材にかかる張力が多少異なることから、シート状部材が筐体本体を被覆する際に、場所によってシート状部材の伸縮に差が生じ、凹凸模様に重ねて、縞模様など、予期しない、外観の美観を損ねるような模様まで現れてしまうことがある。特に、筐体本体の角の付近に貼り付けられるシート状部材は伸びた状態で被覆することになるため、凹凸の間隔が広がるといった凹凸模様の変形が起こりやすく、きれいな凹凸模様を形成する上で問題となる。このため、この方式では、最近の需要者が好むような微妙で繊細な触感の筐体を実現するのはまだ充分ではない。
本発明は、上記事情に鑑み、好ましい触感の筐体の製造に適した筐体製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の筐体製造方法は、
金型の壁面に、凹凸模様を有する型材を配置する工程と、
上記金型に溶融材料を注入する工程と、
上記溶融材料を硬化させ、成形体を形成する工程と、
上記成形体から上記型材を分離する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の筐体製造方法は、金型の壁面に凹凸模様の型材を配置してこの型材を、溶融材料の硬化後に成形体から分離することで、筐体表面に凹凸模様を形成することができる。この型材自体は、凹凸模様の型の役割を果たすだけなので、凹凸模様のあるシート部材で被覆する場合のように被覆場所によってシート部材の伸縮の程度に差が生じて意図した凹凸模様以外に余計な模様が現れてしまうといった事態は起こりにくく、型材の凹凸模様を反映したきれいな凹凸模様だけが筐体表面に形成される。そこで、本発明の筐体製造方法では、最近の需要者が好むような微妙で繊細な触感の筐体を実現することが可能となる。
また、このように凹凸模様の型材を用いることで、凹凸模様の型を金型の壁面に直接形成する場合よりも細かくて複雑な凹凸模様を形成することが可能となる。また、凹凸模様の型を金型の壁面に直接形成する場合と比べ、本発明の筐体製造方法では、型材を取り替えるだけで、同一の金型を用いて様々な凹凸模様を筐体表面に形成することができるので、便利である。
また、本発明の筐体製造方法において、「上記型材を上記壁面に配置する工程後、該型材に重ねて、樹脂フィルムを配置する工程を有する」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、樹脂フィルムが筐体の外壁となるとともに、溶融材料の熱で軟化した樹脂フィルム上に、型材の凹凸模様が形成される。一般に、樹脂フィルムが直接金型に接触している場合(例えば、図1のパート(b)参照)には、溶融材料の注入の際に樹脂フィルムが直接金型に擦りつけられて樹脂フィルムにシワがよることがある。上記のように、型材が、樹脂フィルムと金型との間に配置されることで、溶融材料の注入の際に型材が緩衝材の役割を果たし、樹脂フィルムにシワがよるといった事態が回避される。
また、本発明の筐体製造方法において、「上記樹脂フィルムは、視認情報が印刷された印刷層と、該印刷層に重なる接着層とを有し、上記の型材を配置する工程は、該接着層側が上記型材の反対側となるように、該樹脂フィルムを配置する工程である」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、樹脂フィルムが接着層を有することで、筐体における樹脂フィルムの接着性が強化される。また、樹脂フィルムが印刷層を有することで、筐体表面に視認情報を簡単に設けることができ、視認情報を設けるために成形後に塗料を塗布するといった手間が省かれる。
また、本発明の筐体製造方法、樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法、および、印刷層と接着層とを有する樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法において、「上記型材は、凹凸模様を有する織布である」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、織布という容易に入手できる材料を用いて筐体に凹凸模様を形成することができる。
また、本発明の筐体製造方法、樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法、および、印刷層と接着層とを有する樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法において、「上記型材は、エンボス加工処理および加圧プレス処理のうちの少なくとも一方の処理によって凹凸模様が形成された織布である」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、織布にエンボス加工処理や加圧プレス処理といった、従来からよく知られた処理を施すだけで簡単に凹凸模様の型材を作成することができ、生産効率の良い筐体製造方法が実現する。
また、本発明の筐体製造方法、樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法、印刷層と接着層とを有する樹脂フィルムを配置する本発明の筐体製造方法、型材が凹凸模様を有する織布である本発明の筐体製造方法、および、型材が、エンボス加工処理および加圧プレス処理のうちの少なくとも一方の処理によって凹凸模様が形成された織布である本発明の筐体製造方法において、「上記型材は、フッ素化合物およびシリコン化合物のうちの少なくとも一方を含む離型剤が塗布されている」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、型材を成形体から分離するのが容易となる。
本発明によれば、好ましい触感の筐体が製造される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図2は、本発明の、筐体製造方法の一実施形態を用いて製造された携帯電話の筐体の一部を表した外観図である。
図に示す携帯電話の筐体1は、ほぼ箱状の形状をしており、その表面には木目模様が施されている。携帯電話としてこの筐体1が採用された際には、この携帯電話は、あたかも木でできている携帯電話であるかのような外観を呈することとなり、携帯電話の需要者に、木材が持つ自然で親しみやすいイメージを与えることができる。さらに、筐体1の表面は、この携帯電話のユーザが携帯電話に触れた際に木肌の触感を楽しめるように、木肌に対応した凹凸模様が備えられている。
図3は、図2に示す筐体の構成を表した模式断面図である。
図3には、図2に示す筐体1の、表面付近の断面の層構成が示されている。この図に示すように筐体1は、ポリカーボネート樹脂(PC)およびアクリロニロリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)が混合したPC−ABS樹脂(例えば、日本GEプラスチックス株式会社製のPC−ABS樹脂C7210A)でできた筐体本体20の上に、熱可塑性の接着剤が硬化してなる接着層11が重なり、さらにこの上に、上述した木目の色彩や模様が印刷されている印刷層12と、筐体1の最外層となり筐体表面を保護するための熱可塑性の樹脂からなる樹脂層13とがこの順番に重なった構成となっている。ここで、接着層11、印刷層12、樹脂層13の材料について説明する。
接着層11は、熱可塑性のニトリルゴム(例えば、セメダイン株式会社のニトリルゴム系接着剤 540)を含む接着剤が硬化した層である。熱可塑性のニトリルゴム接着剤を接着剤に添加することで、加熱によって接着剤の軟化を制御できるので、後述するように、筐体本体20上に、印刷層12および樹脂層13を接着させる処理が、加熱によって容易に実行される。
なお、接着剤としては、上記のニトリルゴム接着剤の代わりに、アクリル樹脂系接着剤、アクリル樹脂嫌気性接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、ウレタン樹脂エマルジョン接着剤、エーテル系セルロ−ス、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、塩化ビニル樹脂接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤、スチレン−ブタジエンゴム溶液系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤を用いてもよい。
印刷層12は、上述したように、色彩や模様が印刷されている層であり、顔料、染料、インクに加え、さらには、蓄光性のある蓄光材料や蛍光性のある蛍光材料を含む層である。
樹脂層13は、ポリカーボネート樹脂(PC)でできた熱可塑性の層である。この樹脂層13の素材は、ポリカーボネート樹脂製のシート(例えば、ユーピロン FE2000−M12:三菱エンプラ社)であり、このシートの上に、木目の色彩や模様が印刷され、さらに上述のニトリルゴムを含む接着剤が塗布されることで、樹脂層13、印刷層12、および樹脂層11からなる樹脂フィルム21が作製される。
また、樹脂層13には、この図に示すように表面に凹凸が設けられており、この凹凸が、上述した木肌に対応した凹凸模様となっている。この筐体1は、上述のPC−ABS樹脂を射出成形してなる筐体本体の表面が、上記の樹脂フィルム21(ただし、樹脂フィルム21が筐体本体に被覆される前の段階ではまだ樹脂層13上に図3の凹凸は形成されておらず平坦な状態となっている)で被覆されることによって作製され、後述するように、この作製の際に、この凹凸模様の型の形状が形成された織布を用いて樹脂層13上に凹凸模様も形成される。以下では、この筐体1の製造方法について説明する。
図4は、図1および図2に示す筐体の製造方法を表したフローチャートである。
まず、ポリエステル製の織布が用意され、この織布の上に、加圧プレス処理によって上述の、木肌に対応した凹凸模様の型となる形状が形成される。そして、この型の形状が形成された面にフッ素化合物を含有する離型剤が塗布される(ステップS1)。以下では、凹凸模様の型の形状が形成され、さらに離型剤が塗布された織布を型用織布と呼ぶ。
図5は、型用織布の断面を表した模式図である。
図5に示すように、型用織布22は、加圧プレス処理によって凹凸模様が形成されたポリエステル製の織布220の表面を離型剤221が覆った構成となっている。この型用織布22が、以下に説明するように筐体1上に凹凸模様を形成する型となる。
図6は、図1および図2に示す筐体の製造工程を表した模式図である。
この図6では、図1と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その重複説明は省略する。この図6では、オス型金型30、メス型金型31、図5に示す型用織布22、上述した、接着層11、印刷層12、および樹脂層13からなる樹脂フィルム21、筐体本体20の材料となる、高温で溶融状態のPC−ABS樹脂50をキャビティに注入する樹脂注入装置40の各断面が示されている。以下、図6を用いて筐体1の製造方法について説明する。
図6のパート(a)に示す断面形状を有するオス型金型30およびメス型金型31、型用織布22、樹脂フィルム21’、樹脂注入装置40が準備され、そして、図6のパート(b)に示すように、メス型金型31の壁面に型用織布22が配置され、さらに型用織布22に重ねて樹脂フィルム21が配置され、オス型金型30とメス型金型31とが型締めされる(図4のステップS2)。ここで、ステップS2においては、図5の型用織布22の、離型層221が設けられた面(凹凸模様の型が形成された面)が樹脂フィルム21’の樹脂層13(この時点では表面は平坦)に重なり、樹脂フィルム21’の接着層11がオス型金型30側(すなわち、型締めされたときのキャビティ内側)を向くように、型用織布22および樹脂フィルム21’が配置される。なお、図6のパート(a)の段階では、樹脂フィルム21’の樹脂層13には、まだ図3のような凹凸模様が形成されておらず、樹脂層13の表面は平坦な状態となっている。
ステップS2でオス型金型30とメス型金型31とが型締めされると、これら2つの金型の間にキャビティ311が形成される。この状態で、樹脂注入装置40が、高温のPC−ABS樹脂50を、オス型金型30に設けられた注入孔301からキャビティ311内に注入する。図1のパート(b)では、キャビティ311内にPC−ABS樹脂50が満ちている様子が示されており、注入されたPC−ABS樹脂50は時間の経過とともに冷えて硬化する(図4のステップS3)。一方、PC−ABS樹脂50が注入された際にPC−ABS樹脂50の熱によって樹脂フィルム21の接着層11が軟化し、時間の経過とともに硬化していくPC−ABS樹脂50に樹脂フィルム21が付着する。また、樹脂フィルム21の樹脂層13もPC−ABS樹脂50の熱によって軟化し、型用織布22と接する樹脂層13表面に凹凸模様が形成される。時間が十分に経過してPC−ABS樹脂50が完全に硬化すると、オス型金型30とメス型金型31とが引き離されて、型用織布22および樹脂フィルム21が付着した状態のまま硬化したPC−ABS樹脂50が取り出される(図4のステップS4)。そして、注入孔301を埋めていた部分のPC−ABS樹脂50が除去され、図6のパート(c)に示す形状にPC−ABS樹脂50の形が整えられる。そして、図6のパート(d)に示すように、樹脂フィルム21から型用織布22が剥ぎ取られる(図4のステップS5)。型用織布22が完全に剥ぎ取られることによって、図6のパート(e)に示すように、PC−ABS樹脂50からなる筐体本体20の表面を樹脂フィルム21が被覆した構成の筐体1が完成する。
次に、図1の木目模様の凹凸模様とは異なる凹凸模様が表面に形成された筐体について簡単に説明する。
図7は、図1に示す筐体とは異なる凹凸模様を有する筐体の外観図である。
図7に示す筐体100も、図2に示す筐体1と同様に携帯電話の筐体であるが、図2に示す筐体とは異なる凹凸模様と色彩とを表面に備えている。図7に示す筐体100の表面には、細かな凹凸が等間隔に形成されており、携帯電話の需要者がこの携帯電話を握ったときに、需要者に対して適度なザラツキ感を与えることができるよう工夫されている。図7に示す筐体100も、図3に示す筐体1の構成と同様の、PC−ABS樹脂からなる筐体本体20の上に、接着層、印刷層、および樹脂層が重なった構成を備えている。図7に示す筐体100の印刷層は、単色のインクで色彩が樹脂層上に印刷されることによって形成された層である。また、図7に示す筐体100の接着層としては、熱可塑性の樹脂の一種であるアクリロニロリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)を含む接着剤が塗布されてなる接着層が採用されており、図7に示す筐体100の樹脂層としては、熱可塑性の樹脂の一種であるアクリル樹脂(PMMA)からなる層が採用されている。素材が異なる点を除き、筐体本体20の上に、接着層、印刷層、および樹脂層が重なった構成自体は図3に示す筐体1の構成と同一であり、構成図については図3を参照することとしてここでは図示は省略する。なお、図7に示す筐体100の樹脂フィルムとしては、例えば、信越ポリマー株式会社製のミレンティンフィルムが採用され得る。
図7に示す筐体100の樹脂層に設けられた凹凸模様も、図2に示す筐体1の樹脂層13に設けられた凹凸模様と同様に、ポリエステルの織布に凹凸模様の型が形成され、さらに離型剤が塗布されることで作成された型用織布を用いて形成される。ただし、図7に示す筐体100における型用織布では、図7に示す凹凸模様の型がエンボス加工処理によって形成されている点と、この型の形状が形成された面に塗布されている離型剤がシリコン化合物を含有する離型剤である点だけが、図5に示す型用織布22とは異なる。
図7に示す筐体100の製造方法は、図4のステップS1において、エンボス加工処理により図7に示す凹凸模様の型が形成され、シリコン化合物を含有する離型剤が塗布される点と、異なる樹脂フィルムが用いられる点を除けば、図4のフローチャートで示した製造方法と同様である。すなわち、図7に示す筐体100を製造する際にも、異なる樹脂フィルムが用いられる点を除き図6で示した製造工程が踏まれる。そこで、これらについての重複説明は省略する。
以上説明してきた、図1に示す筐体1および図7に示す筐体100の製造方法では、メス型金型31の壁面に型用織布を配置してこの型用織布を、溶融状態のPC−ABS樹脂50の硬化後に成形品から分離することで、筐体表面に凹凸模様を形成することができる。
一般に、凹凸模様のある樹脂フィルムで筐体本体を被覆し、その樹脂フィルムを筐体の外壁とすることで筐体に凹凸模様を設ける方式では、樹脂フィルムが筐体本体を被覆する際に、場所によって樹脂フィルムの伸縮に差が生じ、凹凸模様に重ねて、縞模様など、予期しない、外観の美観を損ねるような模様まで現れてしまうことがある。特に、筐体本体の角の付近に貼り付けられる樹脂フィルムは伸びた状態で被覆することになるため、凹凸の間隔が広がるといった凹凸模様の変形が起こりやすく、きれいな凹凸模様を形成する上で問題となる。
以上説明してきた、図1に示す筐体1および図7に示す筐体100の製造方法では、型用織布自体は、凹凸模様の型の役割を果たすだけなので、意図した凹凸模様以外に余計な模様が現れてしまうといった事態は起こりにくく、型用織布の凹凸模様を反映したきれいな凹凸模様だけが筐体表面に形成される。このことは、筐体の角の付近の凹凸模様についても同様であり、例えば、図2の筐体1の角の付近については、木肌に対応した凹凸模様の変形はほとんどなく、他の場所と同じように凹凸模様が形成される。そこで、図4の筐体製造方法では、最近の需要者が好むような微妙で繊細な触感の筐体を実現することが可能となる。
また、このように型用織布を用いることで、凹凸模様の型を金型の壁面に直接形成する場合よりも細かくて複雑な凹凸模様を形成することが可能となる。また、凹凸模様の型を金型の壁面に直接形成する場合と比べ、本発明の筐体製造方法では、型材を取り替えるだけで、同一の金型を用いて様々な凹凸模様を筐体表面に形成することができるので、便利である。
また、一般に、樹脂フィルムが直接金型に接触している場合(例えば、図1のパート(b)参照)には、溶融した樹脂が注入される際に樹脂フィルムが直接金型に擦りつけられて樹脂フィルムにシワがよることがある。以上説明してきた筐体製造方法では、図6のパート(b)のように、型用織布が、樹脂フィルムとメス型金型31との間に配置されることで、溶融状態のPC−ABS樹脂50の注入の際に型用織布が緩衝材の役割を果たし、樹脂フィルムにシワがよるといった事態が回避される。
また、以上説明してきた筐体製造方法における樹脂フィルムでは、接着層を有することで筐体における樹脂フィルムの接着性が強化されており、また、印刷層を有することで筐体表面に色彩や模様を簡単に設けることができ成形後に塗料を塗布するといった手間が省かれている。
また、以上説明してきた筐体製造方法では、織布という容易に入手できる材料に対し、加圧プレス処理やエンボス加工処理といった、従来からよく知られた処理を施すだけで簡単に凹凸模様の型材を作成することができ、生産効率の良い筐体製造方法となっている。さらに、型用織布の凹凸模様を有する面に、フッ素化合物やシリコン化合物を含む離型剤を塗布することで、型用織布の剥ぎ取りの作業(図6のパート(d)参照)が簡単になっている。
なお、以上の説明では、織布の素材としてはポリエステルの織布が用いられていたが、本発明で用いられる織布の素材は、ポリエステルの織布以外の合成繊維(例えば、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニル、およびポリウレタン)でもよい。また、合成繊維以外にも、植物繊維(例えば、綿や麻)、動物繊維(例えば、絹、羊毛、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ、およびモヘア)、化学繊維の再生繊維(例えば、レーヨン、キュプラ、およびポリノジック)、および半合成繊維(例えば、アセテート、トリアセテート、およびプロミックス)も採用可能である。耐熱性、強度の面から合成繊維からなる織布が最も好ましく、合成繊維を用いることで、繰り返し使用することができる好ましい型材が実現される。また、本発明は、これらの繊維を用いた織布の織り方の詳細には特に限定されない。
なお、以上の説明では、樹脂層は、素材として、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂からなる層であったが、本発明では、これらに、UVカチオン系、あるいはアクリル系のハードコートや、メッキや、蒸着といった表面処理を施された樹脂層が採用されてもよい。こうすることで、樹脂層の硬度が向上する。
表面に凹凸模様のある樹脂フィルムが貼り付けられることで所望の触感を与えるよう工夫された筐体の製造方法における製造工程を表した模式図である。 本発明の、筐体製造方法の一実施形態を用いて製造された携帯電話の筐体の一部を表した外観図である。 図2に示す筐体の構成を表した模式断面図である。 図1および図2に示す筐体の製造方法を表したフローチャートである。 型用織布の断面を表した模式図である。 図1および図2に示す筐体の製造工程を表した模式図である。 図1に示す筐体とは異なる凹凸模様を有する筐体の外観図である。
符号の説明
1,1’,100 筐体
11 接着層
12 印刷層
13 樹脂層
20 筐体本体
21,21’ 樹脂フィルム
22 型用織布
220 織布
221 離型層
30 オス型金型
301 注入孔
31 メス型金型
311 キャビティ
40 樹脂注入装置
41 スクリュー
50 PC−ABS樹脂
50’ 樹脂

Claims (2)

  1. 金型の壁面に、エンボス加工処理および加圧プレス処理のうちの少なくとも一方の処理によって形成された凹凸模様を有し、フッ素化合物を含む離型剤が塗布されている織布を配置する工程と、
    前記金型に溶融材料を注入する工程と、
    前記溶融材料を硬化させ、成形体を形成する工程と、
    前記成形体から前記織布を分離する工程と、
    を有することを特徴とする筐体製造方法。
  2. 前記織布を前記壁面に配置する工程後、該織布に重ねて、樹脂フィルムを配置する工程を有することを特徴とする請求項1記載の筐体製造方法。
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