===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
印刷可能な領域に位置する媒体に液体を噴射するヘッドと、第1媒体と第2媒体を連続して搬送方向に搬送する搬送部と、前記第1媒体の前記搬送方向の上流側の端部を支持しつつ、前記第1媒体の搬送に応じて前記搬送方向に移動する第1支持部と、前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部を支持しつつ、前記第2媒体の搬送に応じて前記搬送方向に移動する第2支持部と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置が明らかとなる。
このような液体噴射装置によれば、第1媒体の搬送方向の上流側の端部と第2媒体の搬送方向の下流側の端部を出来るだけ近づけた状態で印刷することができる。よって印刷時間の短縮を図ることができる。
かかる液体噴射装置であって、前記第1支持部が前記第1媒体を支持しつつ、前記第2支持部が前記第2媒体を支持することが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、第1媒体と第2媒体を続けて印刷することができる。
かかる液体噴射装置であって、各媒体の端部を検出する検出部を有し、前記第1媒体の印刷中に前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部を前記検出部で検出することが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、第1媒体の印刷後すぐに第2媒体を印刷可能な領域に搬送することができる。
かかる液体噴射装置であって、前記搬送部は、前記印刷可能な領域よりも前記搬送方向の下流側で媒体を搬送する第1ローラと、前記印刷可能な領域よりも前記搬送方向の上流側で媒体を搬送する第2ローラと、を有し、前記第1支持部が前記第1媒体の前記搬送方向の上流側の端部を支持し、且つ、前記第2支持部が前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部を支持しているとき、前記第1媒体は前記第1ローラによって搬送され、前記第2媒体は前記第2ローラによって搬送されることが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、第1媒体と第2媒体をできるだけ近づけた状態のまま搬送することができる。
かかる液体噴射装置であって、前記第2支持部が前記第2媒体を支持している間に、前記第1支持部が前記搬送方向の上流側に移動することが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、媒体の姿勢を崩さずに、各支持部を搬送方向の上流に移動させることができる。
かかる液体噴射装置であって、前記第1支持部は、前記ヘッドが前記液体を噴射していないときに、前記搬送方向の上流側に移動して、前記第2媒体を支持することが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、第1支持部を液体で汚すことなく搬送方向の上流側に移動させることができる。
かかる液体噴射装置であって、前記ヘッドは、第1ノズル及び前記第1ノズルよりも前記搬送方向の上流側に配置された第2ノズルを有し、前記第1ノズルによって前記第1媒体の前記搬送方向の上流側の端部にドットを形成するときに、前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部を前記印刷可能な領域に位置させて、前記第2ノズルによって前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部にドットを形成することが望ましい。
このような液体噴射装置によれば、印刷時間をより短縮させることができる。
また、第1媒体と第2媒体を連続して搬送方向に搬送することと、第1支持部によって前記第1媒体の前記搬送方向の上流側の端部を支持し、第2支持部によって前記第2媒体の前記搬送方向の下流側の端部を支持することと、前記第1媒体の搬送に応じて前記第1支持部を前記搬送方向に移動させるとともに、前記第2媒体の搬送に応じて前記第2支持部を前記搬送方向に移動させることと、印刷可能な領域に位置する各媒体に液体を噴射することと、を有することを特徴とする液体噴射方法が明らかとなる。
以下、本発明の実施形態を液体噴射装置の一つであるプリンタを用いて説明する。
===全体構成===
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の横断面図である。以下、これらの図面を参照しつつプリンタ1の構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。プリンタ1は、外部装置であるコンピュータ110から印刷命令及び印刷データを受信すると、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。そしてプリンタ1は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、媒体(例えば紙S)に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、紙Sを所定の方向に搬送させるためのものである。以下、この所定の方向のことを搬送方向(副走査方向ともいう)とする。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23(第1ローラに相当する)は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持するものであり、後述するヘッド41の下に配置されている。なお、プラテン24の長手方向の寸法は、搬送可能な紙Sの紙幅よりも大きく設定されている。排紙ローラ25(第2ローラに相当する)は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。なお、給紙ローラ21、搬送ローラ23、及び排紙ローラ25は、コントローラ60によって回転が制御されている。
搬送ローラ23が紙Sを搬送するとき、紙Sは搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。また、排紙ローラ25が紙Sを搬送するとき、紙Sは排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。
キャリッジユニット30は、ヘッドを搬送方向と交差する方向に移動させるためのものである。以下、この搬送方向と交差する方向のことを移動方向(主走査方向ともいう)とする。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを噴射するヘッド41を有している。また、ヘッド41の下面には、インクを噴射するノズルが複数設けられている。なお、ヘッド41とノズルの関係については後述する。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙Sの先端(搬送方向下流側の端部)及び後端(搬送方向上流側の端部)を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙Sの有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙Sの端部の位置を検出し、紙Sの幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端及び後端も検出できる。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ヘッドユニットの構成について>
本実施形態のヘッドユニット40は、ヘッド41を有している。
図3は、ヘッド41の説明図である。ここでは、ヘッドユニット40をプリンタ1の上部から透過して見た図となっている。
ヘッド41は、搬送方向に複数(n個)のノズルが並ぶノズル列を複数有する。図3の場合、各ヘッドは4つのノズル列(イエロー(Y)インクノズル列、マゼンダ(M)インクノズル列、シアン(C)インクノズル列、ブラック(K)インクノズル列)を有している。また、この各ノズル列のノズルに対し、搬送方向下流側から順に若い番号(#1、#2、#3・・・#n)を付けている。
各ノズル列のノズルは、ノズルピッチDで搬送方向に並んでいる。ヘッド41は、キャリッジ31に設けられているので、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も同じ方向(移動方向)に移動する。そして、ヘッド41が移動中にインクを断続的に噴射することによって、移動方向に沿ったドット列が紙Sに形成される。
<印刷手順について>
コントローラ60は、コンピュータ110から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
まず、コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙Sを搬送ローラ23の所まで送る。次に、コントローラ60は、搬送モータ22を駆動させることによって搬送ローラ23を回転させる。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
紙Sがヘッドユニット40の下まで搬送されると、コントローラ60は、印刷命令に基づいてキャリッジモータ32を回転させる。このキャリッジモータ32の回転に応じて、キャリッジ31が移動方向に移動する。また、キャリッジ31が移動することによって、キャリッジ31に設けられたヘッドユニット40も同時に移動方向に移動する。そして、コントローラ60は、ヘッドユニット40が移動方向に移動している間にヘッド41から断続的にインク滴を噴射させる。このインク滴が、紙Sにインク滴が着弾することによって、移動方向に複数のドットが並ぶドット列が形成される。
また、コントローラ60は、ヘッドユニット40が往復移動する合間に搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、コントローラ60からの指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。そして、搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙Sは所定の搬送量にて搬送される。つまり、紙Sの搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まることになる。このように、ヘッドユニット40の往復移動と紙Sの搬送を交互に繰り返して行い、紙Sの各画素にドットを形成していく。こうして紙Sに画像が印刷される。
===第1実施形態===
<比較例>
本発明の実施形態について説明する前に、比較例について説明する。
図4A〜図4Dは、比較例の印刷方法の説明図である。なお、この比較例では、紙Sに余白を形成しない場合の印刷方法(いわゆる縁なし印刷)を示している。
図に示すように、比較例では紙Sを支持するためのプラテン241がヘッド41の下に配置されている。また、プラテン241の上面(紙Sを支持する面)のうち搬送方向下流側には、下流側溝242が形成され、搬送方向上流側には上流側溝243が形成されている。この下流側溝242及び上流側溝243は、紙Sから外れたインクを受けるインク受け部として設けられている。
まず、搬送ローラ23(及び従動ローラ26)が回転することによって、紙Sが搬送方向に搬送される。このとき、光学センサ54は、紙Sの先端を検出し、コントローラ60は、光学センサ54が紙Sの先端を検出してから搬送ローラ23を所定の回転量で回転させる。これにより紙Sは、図4Aに示すように、先端がプラテン241の下流側溝242上に位置するまで搬送される。この状態から、ヘッドユニット40の往復移動と紙Sの搬送を交互に繰り返して行い、紙Sの各画素にドットを形成していく。
図4Aでは、ヘッド41の搬送方向下流側(若い番号)のノズルを使って紙Sの先端部分にドットの形成を行う(以下、先端処理ともいう)。このとき、紙Sから外れた(紙Sに着弾しなかった)インクは、下流側溝242に着弾するので、プラテン241の上面は汚れない。なお、この先端処理では、使用できるノズルが限られており(ヘッド41の搬送方向下流側のノズル)、それ以外のノズルは使用されていない。
そして、ヘッドユニット40の往復移動と紙Sの搬送を交互に繰り返し、紙Sの先端部分の印刷が終わると、図4Bに示すように紙Sの中央部にドットの形成を行う(以下、通常処理ともいう)。このときには、ヘッド41の全てのノズルが使用可能となる。なお、ドットが形成された紙Sの搬送方向下流側(先端側)の部分は、搬送ローラ23と同期して回転する排紙ローラ25によってプリンタ1の外部に排出されていく。
さらに、ヘッドユニット40の往復移動と紙Sの搬送を交互に繰り返していき、光学センサ54が紙Sの後端を検出すると、コントローラ60は、図4Cに示すように、排紙ローラ25を所定の回転量で回転させることにより、紙Sの後端をプラテン41の上流側溝243の上に位置させる。そして、この状態から、ヘッド41の搬送方向上流側(大きい番号)のノズルを用いて紙Sの後端にドットの形成を行う(以下、後端処理ともいう)。このとき、紙Sに着弾しなかったインクは、上流側溝243内に落ちるので、プラテン241の上面は汚れない。なお、この後端処理では、使用できるノズルが限られており(ヘッド41の搬送方向上流側のノズル)、それ以外のノズルは使用されていない。
紙Sに対する印刷が終わると、紙Sはプリンタ1の外部に排紙される。そして、図4Dに示すように、次の紙(紙S′とする)が印刷可能な領域まで搬送される。この場合も前述した説明と同様に、紙S′の先端がプラテン241の下流側溝242上に位置するまで紙S′を搬送する。以下、紙Sの場合と同様にして紙S′に印刷を行う。
<第1実施形態のプラテンの構成>
次に、第1実施形態について説明する。
まず、第1実施形態のプラテン24の構成について説明する。
図5Aは第1実施形態のプラテン24の斜視図であり、図5Bは第1実施形態のプラテン24の側面図である。
第1実施形態のプラテン24は、フレーム200と、複数の第1リブ201と、複数の第2リブ202とを有している。
フレーム200は、例えば樹脂や鋼板から形成されており、プラテン24の本体を構成している。また、フレーム200には、開口203と開口204がそれぞれ複数形成されている。開口203は、フレーム200の上面において搬送方向の上流側から略中央までをI字状に開口している。開口204は、フレーム200の上面において搬送方向の略中央から下流側までをI字状に開口している。開口203及び開口204は、フレーム200の長手方向(移動方向)に交互に形成されている。
第1リブ201は、紙Sを支持するための薄肉板状の部材であり、開口203から突出して設けられている。そして、第1リブ201は、開口203内で搬送方向に動くことができる。これにより、第1リブ201は、フレーム200の搬送方向の上流側から略中央までの範囲で移動可能となっている。
第2リブ202は、紙Sを支持するための薄肉板状の部材であり、開口204から突出して設けられている。そして、第2リブ202は、開口204内で搬送方向に動くことができる。これにより、第2リブ202は、フレーム200の搬送方向の下流側から略中央までの範囲で移動可能となっている。
なお、第1リブ201と第2リブ202は、互いに独立して搬送方向に移動することができる。また、第1リブ201が最も搬送方向の下流(開口203の下流側端)に移動し、第2リブ202が最も搬送方向の上流(開口204の上流側端)に移動したとき、第1リブ201と第2リブ202の搬送方向の位置が同じになる。
図6は、第1リブ201及び第2リブ202の駆動方法の一例の説明図である。
図6では、第1リブ201及び第2リブ202を駆動させる駆動機構として、基台205及び基台206と、移動モータ207及び移動モータ208が示されている。
基台205は、下面に直線状のギヤを有し、上面には第1リブ201が設けられている。
移動モータ207は、基台205の下面のギヤと噛合わされる歯車を有し、コントローラ60によってa方向及びb方向への回動が制御されている。以上の構成により、コントローラ60が、移動モータ207をa方向に回動させると、第1リブ201は、搬送方向上流側に移動する。また、コントローラ60が、移動モータ207をb方向に回動させると、第1リブ201は搬送方向下流側に移動する。
また、基台206は、下面に直線状のギヤを有し、上面には第2リブ202が設けられている。
移動モータ208は、基台206の下面のギヤと噛合わされる歯車を有し、コントローラ60によってa方向及びb方向への回動が制御されている。以上の構成により、コントローラ60が、移動モータ208をa方向に回動させると、第2リブ202は搬送方向上流側に移動する。また、コントローラ60が、移動モータ208をb方向に回動させると、第2リブ202は搬送方向下流側に移動する。
このように、コントローラ60が、移動モータ207及び移動モータ208の回動をそれぞれ制御することにより、第1リブ201と第2リブ202は独立して搬送方向に移動することが可能となっている。なお、基台205の上面には第1リブ201が複数設けられており、基台205の移動に応じて、複数の第1リブ201が一緒に移動する。また、基台206の上面には第2リブ202が複数設けられており、基台206の移動に応じて、複数の第2リブ202が一緒に移動する。また、前述したように、第1リブ201と第2リブ202の移動範囲は異なっている。
<第1実施形態の印刷方法>
図7A〜図7Hは、第1実施形態の印刷方法の説明図である。
なお、以下の実施形態では縁なし印刷モードにて印刷を行なう。この縁なし印刷では、媒体の先端(搬送方向下流側端部)及び後端(搬送方向上流側端部)からはみ出すようにインクを噴射することで媒体の端部に余白の生じない印刷を行なう。このときプラテン24のフレーム200にはインクが付着する。フレーム200はインク受けとして機能している。そこで、各リブによって媒体を支えることで、媒体がプラテン24のフレーム200に接触せず、媒体が汚れないようにしている。なお、縁なし印刷は、印刷データを媒体より大きめに作成することで、媒体端部から所定量、インクをはみ出させて印刷させる。
印刷の開始時には、第1リブ201はヘッド41よりも搬送方向上流側に位置し、第2リブ202はヘッド41よりも搬送方向下流側に位置している。
まず、給紙ローラ21によって給紙された紙Sが、搬送ローラ23によって搬送方向に搬送される。このとき、光学センサ54は紙Sの先端を検出し、コントローラ60は、光学センサが紙Sの先端を検出してから搬送ローラ23を所定の回転量で回転させる。これにより、紙Sは、図7Aに示すように、先端が第1リブ201を少し通過する位置(初期位置とする)まで搬送される。この状態から、ヘッドユニット40の往復移動によるドット形成動作と、紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、紙Sに画像を印刷する。なお、以下、ヘッドユニット40の移動方向への移動によるドット形成動作のことを「パス」と呼ぶ。まず、紙Sの先端がヘッド41の搬送方向上流側のノズルと対向する位置まで搬送される。
1回目のパスでは、コントローラ60は、初期位置において紙Sと対向するヘッド41のノズル(搬送方向上流側のノズル)を使って紙Sの先端部分にドットを形成させる。なお、このときヘッド41よりも搬送方向下流に位置する第2リブ202が汚れることはない。そして、1回目のパスの後、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させることにより紙Sを搬送方向に搬送させる(搬送動作)。また、搬送動作を行う際に、コントローラ60は、紙Sの先端を支持している第1リブ201を紙Sの搬送に合わせて搬送方向に移動させる。言い換えると、第1リブ201は、紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動する。一方、第2リブ202は移動せず搬送方向下流側に位置したままである。
2回目のパスにおいても、コントローラ60は、紙Sと対向するヘッド41のノズルを使って紙Sにドットを形成させる。なお、2回目のパスでは、搬送動作での紙Sの搬送量に応じて、紙Sと対向しているノズルの数が1回目のパスよりも多くなる。つまり、2回目のパスでは、1回目のパスよりも多くのノズルを使用することができる。2回目のパスの後も、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させることにより紙Sを搬送方向に搬送させる(搬送動作)、また、搬送動作の際に第1リブ201を紙Sの搬送に合わせて搬送方向に移動させる。
この後、パスと搬送動作(及び第1リブ201の移動)を交互に繰り返していく。搬送動作を行う毎に、紙S及び第1リブ201が搬送方向に移動する。これによりパスが進む毎に、使用できるノズル(紙Sと対向するノズル)が搬送方向側に増えていく。なお、第2リブ202は搬送方向下流側に位置した状態のままである。
やがて、図7Bに示すように、第1リブ201がフレーム200の搬送方向の略中央(開口203の搬送方向下流側端)に達して、コントローラ60は、第1リブ201を搬送方向に移動させることができなくなる。
そこで、コントローラ60は、その後の搬送動作(インクを噴射していないとき)において、図7Cに示すように、第2リブ202を搬送方向の上流に向けて移動させる。これにより、搬送方向の下流側に位置していた第2リブ202は、搬送方向の略中央(第1リブ201と同じ位置)に移動して、紙Sの先端を支持する。こうすることで、第2リブ202をインクで汚すことなく搬送方向の上流側に移動させることができる。
その後も、パスと紙Sの搬送動作を交互に繰り返していく。なお、この場合の搬送動作ではコントローラ60は、紙Sを搬送方向に搬送させるのに合わせて、第2リブ202を搬送方向に移動させる。言い換えると、第2リブ202は、図7Dに示すように、紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動する。一方、第1リブ201は搬送方向の略中央に位置し紙Sを支持する。また、パスが進む毎に、使用できるノズル(紙Sと対向するノズル)が搬送方向側に増えていく。そして、この後、ヘッド41の全てのノズルが紙Sと対向するようになると、パスにおいてヘッド41の全てのノズルが使用できるようになる。つまり、使用できるノズルの数が最大になる。
やがて、第2リブ202はフレーム200の搬送方向の下流側(開口204の搬送方向下流側端)に達する。コントローラ60は、この後の搬送動作では、搬送ローラ23によって紙Sのみを搬送方向に搬送させる。
さらに、パスと搬送動作を交互に繰り返していくと、図7Eに示すように、紙Sが搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送される状態(以下、中間印刷ともいう)になる。このとき、搬送方向上流側の紙Sが搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれ、且つ、搬送方向下流側の紙Sが排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。つまり、搬送ローラ23と排紙ローラ25との間の紙Sの姿勢が安定している。
そこで、この状態のときに、コントローラ60は、第1リブ201及び第2リブ202を、それぞれ搬送方向の上流に向けて移動させる。こうすることで、紙Sの姿勢を崩さずに、第1リブ201及び第2リブ202を搬送方向の上流に移動させることができる。この移動によって、図7Fに示すように、第1リブ201は、フレーム200の略中央から搬送方向上流側に移動し、第2リブ202はフレーム200の搬送方向下流側から略中央に移動する。その後の搬送動作では、コントローラ60は、第1リブ201及び第2リブ202を移動させず、搬送ローラ23と排紙ローラ25によって紙Sのみを搬送方向に搬送させる。
そして、ある搬送動作で紙検出センサ53(図2B参照)が紙Sの後端を検出すると、コントローラ60は、直ちに給紙ローラ21を回転させて次の紙(紙S′とする)の搬送を開始する。このとき、先に搬送される紙S(第1媒体に相当する)の後端と、次に搬送される紙S′(第2媒体に相当する)の先端との間隔は、図7Fにおける第1リブ201と第2リブ202との間の間隔よりも狭くなるように設定されている。なお、先に搬送される紙Sは排紙ローラ25のみによって搬送され、次に搬送される紙S′は搬送ローラ23のみによって搬送される。これにより、紙Sと紙S′をできるだけ近づけた状態のまま搬送することができる。
また、光学センサ54が紙Sの後端(又は紙S′の先端)を検出すると、コントローラ60は、その後の搬送動作において搬送ローラ23及び排紙ローラ25をそれぞれ所定の回転量で回転させる。これにより、紙Sは、排紙ローラ25によって、後端が第2リブ202に達する少し手前まで搬送され、紙S′は、搬送ローラ23によって、先端が第1リブ201を少し通過するまで搬送される(紙S′の初期位置)。
このように、コントローラ60は、紙Sの後端を印刷する際に、次の紙S′の先端をヘッド41の下に位置させる。そして、この状態から、紙S及び紙S′にドットを形成するパスと、紙S及び紙S′を搬送方向に搬送する搬送動作を繰り返して行う。
このパスでは、紙Sと対向するヘッド41のノズル(第1ノズルに相当する)によって、紙Sの後端にドットを形成させるとともに、紙S′と対向するヘッド41のノズル(第2ノズルに相当する)によって、紙S´の先端にドットを形成させる。なお、紙Sの後端と紙S′の先端との間隔を、第1リブ201と第2リブ202との間の間隔よりも狭くしていることにより、第1リブ201及び第2リブ202にはインクが着弾しない。よって、パスの際に第1リブ201及び第2リブ202をインクで汚さないようにすることができる。
また、この搬送動作では、コントローラ60は、図7Gに示すように、紙Sを搬送方向に搬送させるのに合わせて第2リブ202を搬送方向に移動させ、また、紙S′を搬送方向に搬送させるのに合わせて第1リブ201を搬送方向に移動させる。言い替えると、第2リブ202は先に搬送される紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動し、第1リブ201は、次に搬送される紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動する。搬送動作を行う毎に、紙S及び紙S´が搬送方向に搬送されるので、紙Sと対向するノズルの数は減少していき、逆に、紙S´と対向するノズルの数は増えていく。つまり、パスが進む毎に、紙Sにドットを形成するノズルの数が少なくなり、紙S´にドットを形成するノズルの数が増える。なお、ヘッド41全体として見ると、各パスにおいてほぼ一定数のノズルを使用することができる。
やがて、図7Hに示すように、第1リブ201がフレーム200の搬送方向の略中央(開口203の搬送方向下流側端)達し、第2リブ202がフレーム200の搬送方向の下流側(開口204の搬送方向下流側端)達する。コントローラ60は、その後の搬送動作の際に、図7Cの場合と同様に第2リブ202を搬送方向の上流に向けて移動させる。第2リブ202は、インクで汚れることなく、搬送方向下流側から略中央まで移動して、紙S´の先端を支持する。そして、コントローラ60は、その後の搬送動作を行う際に、紙S´を搬送方向に搬送させるのに合わせて、第2リブ202を搬送方向に移動させる。なお紙Sは排紙ローラ25によってプリンタ1の外部に搬送(排出)されていく。
以下、紙Sの場合と同様にして紙S´に印刷を行なっていく。
<比較>
比較例では、プラテン241の上面をインクで汚さないようにするため、紙Sの先端はプラテン241の下流側溝242の上で印刷を行い、紙Sの後端はプラテン241の上流側溝243の上で印刷するようにしている。このため、次の紙S′は、紙Sの印刷が終了した後に印刷可能な領域に搬送されることになる。つまり、紙Sと紙S′を連続して印刷可能な領域に搬送することができない。
これに対し、本実施形態のプラテン24は、独立して搬送方向に移動可能な第1リブ201と第2リブ202とを備えている。そして、第2リブが先に搬送される紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動するとともに、第1リブ201が次に搬送される紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動することができる。これにより、印刷時間の短縮を図ることができる。
なお、紙Sの後端付近を印刷しているときに、第2リブ202は、紙Sの後端を支持しながら、ヘッド41のノズルと対向する位置から、ヘッド41よりも搬送方向下流(ヘッド41のノズルと対向しない位置)に移動する。このため、ヘッド41のどのノズルを使用して紙Sの後端に印刷を行っても、第2リブ202にはインクが着弾しない。また、同様に、同図において、紙S´の先端付近を印刷しているときに、第1リブ201は紙S´の先端を支持しながらヘッド41よりも搬送方向上流(ヘッド41のノズルと対向しない位置)からヘッド41のノズルと対向する位置に移動する。このため、ヘッド41のどのノズルを使用しても第1リブ201にはインクが着弾しない。
また、比較例では、紙Sの先端や後端を印刷する際には、ヘッド41のノズルのうちの使用できるノズルの数が少なく、使用していないノズルが多かった。例えば、紙Sの先端処理では、ヘッド41のノズルのうち搬送方向下流側のノズルしか使用されておらず、後端処理では、ヘッド41のノズルのうち搬送方向上流側のノズルしか使用されていない。このため、印刷の効率が悪くなり、印刷時間が長くなっていた。
これに対し、本実施形態では、コントローラ60は、先に搬送される紙Sの後端を印刷する際に、次に搬送される紙S′の先端をヘッド41の下に位置させるようにしている。そして、紙Sと対向するヘッド41のノズル(搬送方向下流側のノズル)によって紙Sの後端にドットを形成するときに、紙S′と対向するヘッド41のノズル(搬送方向上流側のノズル)によって紙S′の先端にドットを形成している。つまり、紙Sの後端の印刷と紙S′の先端の印刷を同時に行っている。よって、ヘッド41のノズルのうち使用していないノズルの数を減らすことができ、紙Sと紙S′に効率的にドットの形成を行うことができる。これにより、印刷時間の短縮を図ることができる。
本実施形態では第1リブ201がフレーム200の略中央に達したときに第2リブ202がフレーム200の略中央に移動して紙Sの先端を支持していたが、そのまま搬送方向の下流側で停止していてもよい。そして、その後の中間印刷時に第1リブ201と第2リブ202を搬送方向の上流に向けて移動させるようにしてもよい。
また、本実施形態に限られず、第2リブ202がヘッド41のノズルよりも搬送方向の下流にあって先の媒体(紙S)を支持し、紙Sの印刷を終えて紙Sを排紙した後に、直ちに、第1リブ201が次の媒体(紙S´)を支持して媒体が給紙されてもよい。この場合、先の紙Sの印刷中に、次の紙S´はヘッド41のノズルよりも搬送方向上流で第1リブ201に支持された状態で待機しており、紙Sの印刷が終了したら直ちに次の紙S´が印刷可能な領域に搬送されることが望ましい。さらには、センサ54によって、次の紙S´の先端が検出された状態で待機していることが望ましい。本実施形態では、媒体を支持する支持部(リブ)が2つあるため、一方のリブが紙Sを支持しながら印刷可能領域から搬送方向下流へ退出した後、直ちに他方のリブが次の紙S´を支持しながら印刷可能領域に侵入することができる。よって、次の紙S´の印刷開始までを短時間とすることができる。
また、センサ54は媒体の先端及び後端を印刷可能な領域よりも搬送方向上流側で検出可能な位置にあればよい。例えば、キャリッジ31に設けられており、印刷可能な領域よりも搬送方向の上流側にあっても良いし、キャリッジ31よりも搬送方向上流側のキャリッジ以外の位置にあってもよい。
これらの変形実施形態については、後述の各実施形態についても同様である。
また、本実施形態では、移動モータ207及び移動モータ208の回動に基づいて、第1リブ201及び第2リブ202をそれぞれ搬送方向に移動させることとしたが、これには限定されず、第1リブ201と第2リブ202がそれぞれ独立して搬送方向に移動できるようになっていればよい。
===第2実施形態===
第2実施形態では、2つのリブの移動範囲が第1実施形態と異なっている。
<第2実施形態のプラテンの構成>
図8Aは第2実施形態のプラテン24の斜視図である。
第2実施形態のプラテン24は、フレーム210と、複数の第1リブ211と、複数の第2リブ212とを有している。
フレーム210は、例えば樹脂や鋼板から形成されており、プラテン24の本体を構成している。また、フレーム210には、開口213が形成されている。開口213は、フレーム210の上面において搬送方向の上流側から下流側をI字状に開口している。この開口213は、フレーム210の上面の長手方向(移動方向)に所定間隔で複数形成されている。
第1リブ211及び第2リブ212は、紙Sを支持するための薄肉板状の部材である。第1リブ211と第2リブ212は、それぞれ、移動方向に並ぶ複数の開口213から交互に突出して設けられている。そして、第1リブ211及び第2リブは、開口213内で搬送方向に動くことができる。これにより、第1リブ211及び第2リブ212は、開口213の搬送方向の上流側から下流側までの範囲で移動可能となっている。なお、第1リブ211と第2リブ212は、第1実施形態と同様に、互いに独立して搬送方向に移動することができる。
また図8Bは、第1リブ211及び第2リブ212の駆動方法の一例の説明図である。なお、図8Bにおいて図6と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
図8Bでは、第1リブ211及び第2リブ212を駆動させる駆動機構として、基台205´及び基台206´と、移動モータ207及び移動モータ208が示されている。
基台205´の上面には第1リブ211が設けられている、また、基台206´の上面には第2リブ212が設けられている。
基台205´及び基台206´は、実施形態1の基台205及び基台206よりも搬送方向の長さが長くなっている。これにより基台205´及び基台206´の移動範囲が長くなっている。なお、図示していないが、基台205´及び基台206´はそれぞれリブの設けられている部分において、移動方向に櫛状になっており、リブの部分の基台205´及び基台206´が移動方向に交互に入り込むことにより、第1リブ211と第2リブ212が移動方向に一列に交互に並ぶことができるようになっている。
<第2実施形態の印刷方法>
図9A〜図9Hは、第2実施形態の印刷方法の説明図である。
印刷の開始時には、第1リブ211はヘッド41よりも搬送方向上流側に位置し、第2リブ212はヘッド41よりも搬送方向下流側に位置している。
まず、給紙ローラ21によって給紙された紙Sが、搬送ローラ23によって搬送方向に搬送される。このとき、光学センサ54は紙Sの先端を検出し、コントローラ60は、光学センサが紙Sの先端を検出してから搬送ローラ23を所定の回転量で回転させる。これにより紙Sは、図9Aに示すように、先端が第1リブ211を少し通過する位置(初期位置)まで搬送される。この状態から、ヘッドユニット40の往復移動によるドット形成動作(パス)と、紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、紙Sに画像を印刷する。まず、紙Sの先端がヘッド41の搬送方向上流側のノズルと対向する位置まで搬送される。
1回目のパスでは、コントローラ60は、紙Sと対向するヘッド41のノズル(搬送方向上流側のノズル)を使って紙Sの先端部分にドットを形成させる。なお、このとき、第2リブ202はヘッド41よりも搬送方向下流に位置しているので、インクによって汚れることはない。そして、1回目のパスの後、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させることにより紙Sを搬送方向に搬送させる(搬送動作)。また、搬送動作を行う際に、コントローラ60は、紙Sの先端を支持している第1リブ211を紙Sの搬送に合わせて搬送方向に移動させる。言い換えると、第1リブ211は、紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動する。一方、第2リブ212は移動せずヘッド41よりも搬送方向下流側に位置したままである。
2回目のパスにおいても、コントローラ60は、紙Sと対向するヘッド41のノズルを使って紙Sにドットを形成させる。なお、2回目のパスでは、搬送動作での紙Sの搬送量に応じて、紙Sと対向しているノズルの数が1回目のパスよりも多くなる。つまり、2回目のパスでは、1回目のパスよりも多くのノズルを使用することができる。2回目のパスの後も、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させることにより紙Sを搬送方向に搬送させる(搬送動作)、また、搬送動作の際に第1リブ211を紙Sの搬送に合わせて搬送方向に移動させる。
この後、パスと搬送動作(及び第1リブ211の移動)を交互に繰り返していく。搬送動作を行う毎に、図9Bに示すように、紙S及び第1リブ211が搬送方向に移動する。これにより、パスが進む毎に、使用できるノズル(紙Sと対向するノズル)が搬送方向側に増えていく。なお、第2リブ212は搬送方向下流側に位置した状態のままである。そして、図9Cのように、紙Sの先端がヘッド41の搬送方向下流側のノズル(#1ノズル)と対向する位置になるときヘッド41の全てのノズルが紙Sと対向することとなり、パスにおいてヘッド41の全てのノズルが使用できるようになる。つまり、使用できるノズルの数が最大になる。
やがて、図9Dに示すように第1リブ211はフレーム210の搬送方向の下流側(開口213の搬送方向下流側端)に達する。コントローラ60は、この後の搬送動作では、搬送ローラ23によって紙Sのみを搬送方向に搬送させる。なお、この時、第1リブ211が開口213の搬送方向下流側端までは移動せず、ノズルと対向する領域における搬送方向下流側端に達したところで停止して、以降、その後の搬送動作では、紙Sのみが搬送方向に搬送されることとしてもよい。これ以降は中間印刷に移行しているため、第1リブ211上には必ず紙Sがあり、ノズルと対向する位置に第1リブ211があっても紙Sから外れて噴射されたインクで第1リブ211を汚すことが無いからである。この場合、印刷可能領域において紙Sを第1リブ211で支持することで、紙Sとノズルとの距離をより一定に保つことができる。
さらに、パスと搬送動作を交互に繰り返していくと、図9Eに示すように、紙Sが搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送される状態(中間印刷)になる。このとき、搬送方向上流側の紙Sが搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれ、且つ、搬送方向下流側の紙Sが排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。つまり、搬送ローラ23と排紙ローラ25との間の紙Sの姿勢が安定している。そこで、この中間印刷のときに、コントローラ60は、図9Fに示すように、第1リブ211及び第2リブ212を、搬送方向の上流に向けて移動させる。なお、コントローラ60は、第1リブ211をフレーム210の略中央まで移動させ、第2リブ212をフレーム200の搬送方向上流側まで移動させる。このように中間印刷時に第1リブ211及び第2リブ212を搬送方向の上流に向けて移動させているので、紙Sの姿勢を崩さないようにすることができる。その後の搬送動作では、コントローラ60は、第1リブ201及び第2リブ202を移動させず、搬送ローラ23と排紙ローラ25によって紙Sのみを搬送方向に搬送させる。
そして、ある搬送動作で紙検出センサ53が紙Sの後端を検出すると、コントローラ60は、直ちに給紙ローラ21を回転させて次の紙S′の搬送を開始する。このとき、先に搬送される紙Sの後端と、次に搬送される紙S′の先端との間隔は、図9Fにおける第1リブ211と第2リブ212との間の間隔よりも狭くなるように設定されている。なお、先に搬送される紙Sは排紙ローラ25のみよって搬送され、次に搬送される紙S′は搬送ローラ23のみによって搬送される。
また、光学センサ54が紙Sの後端(又は紙S′の先端)を検出すると、コントローラ60は、その後の搬送動作において搬送ローラ23及び排紙ローラ25をそれぞれ所定の回転量で回転させる。これにより、紙Sは、排紙ローラ25によって、後端が第1リブ211に達する少し手前まで搬送され、紙S′は、搬送ローラ23によって、先端が第2リブ212を少し通過するまで搬送される(紙S′の初期位置)。
このように、コントローラ60は、紙Sの後端を印刷する際に、次の紙S′の先端をヘッド41の下に位置させる。そして、この状態から、紙S及び紙S′にドットを形成するパスと、紙S及び紙S′を搬送方向に搬送する搬送動作を繰り返して行う。なお、このパスでは、紙Sと対向するヘッド41のノズルによって、紙Sの後端にドットを形成させるとともに、紙S′と対向するヘッド41のノズルによって、紙S´の先端にドットを形成させる。このとき、紙Sは第1リブ211に支持され、紙S´は第2リブ212に支持されている。また、この搬送動作では、コントローラ60は、図9Gに示すように、紙Sを搬送方向に搬送させるのに合わせて第1リブ211を搬送方向に移動させ、また、紙S′を搬送方向に搬送させるのに合わせて第2リブ212を搬送方向に移動させる。言い替えると、第1リブ211は、先に搬送される紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動し、第2リブ212は、次に搬送される紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動する。搬送動作を行う毎に、紙S及び紙S´が搬送方向に搬送されるので、紙Sと対向するノズルの数は減少していき、逆に、紙S´と対向するノズルの数は増えていく。つまり、パスが進む毎に、紙Sにドットを形成するノズルの数が少なくなり、紙S´にドットを形成するノズルの数が増える。なお、ヘッド41全体として見ると、各パスにおいてほぼ一定数のノズルを使用することができる。
搬送動作が進むことにより、図9Hに示すように、紙Sはヘッド41のノズルと対向しなくなり、また、紙S´はヘッド41のノズルと対向する部分が増えていく。この後のパスでは紙S´にドットが形成されるようになる。またこの後の搬送動作によって、紙Sはプリンタ1の外部に搬送(排出)されていき、紙S´は先端が第2リブ212に支持された状態で第2リブ212とともに搬送方向に移動する。また、その後の搬送動作で、第2リブ212がフレーム210の搬送方向の下流側(開口213の搬送方向下流側端)に達すると、コントローラ60は、搬送ローラ23によって紙S´のみを搬送方向に移動させる。また、紙S´の中間印刷時に第1リブ211及び第2リブ212を搬送方向の上流側に移動させる。
以下、同様の動作を繰り返し行なう。
なお、図9Gにおいて、紙Sの後端付近を印刷しているときに、第2リブ212は、ヘッド41のノズルと対向しない位置にある。このため、ヘッド41のどのノズルを使用して紙Sの後端に印刷を行っても、第2リブ212にはインクが着弾しない。また、図9Hにおいて、紙S´の先端付近を印刷しているときに、第1リブ211は紙Sの後端を支持しながらヘッド41と対向しない位置に移動する。このため、ヘッド41のどのノズルを使用しても第1リブ211にはインクが着弾しない。
この第2実施形態によっても、紙Sと紙S′をできるだけ近づけた状態で印刷することができるので印刷時間の短縮を図ることができる。また。第1実施形態と同様に、紙Sの後端と紙S′の先端を同時に印刷することができる。これにより印刷時間の短縮を図ることができる。
なお、第2実施形態では2つのリブがヘッド41のノズル列よりも上流側から下流側まで移動可能である。これにより一方のリブ(例えば第1リブ211)が紙Sの先端を支持して最後(搬送方向下流側)まで搬送することができる。また、本実施形態では、中間印刷時に第2リブ212が搬送方向上流側に移動していたが、中間印刷の間に、第2リブ212がフレーム200の略中央に移動して紙Sを支持し、第1リブ211が搬送方向上流側に移動して次の紙S´の搬送に備えるようにしてもよい。また、第1リブ211がフレーム200の略中央で停止して紙Sを支持し続け、中間印刷の間に、第2リブ212が搬送方向上流に移動して、次の紙S´の搬送に備えるようにしても良い。また、第1リブ211がフレーム200の略中央で停止した後の搬送動作において、第2リブ212がフレーム200の略中央に移動して紙Sの先端を支持し、その後の搬送動作で第2リブ212が紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動するようにしてもよい。そして、その後の中間印刷時に、第2リブ212が搬送方向上流側に移動するようにしてもよい。
===第3実施形態===
前述した実施形態では、2つ(2種類)のリブが独立して搬送方向に移動していたが、第3実施形態では複数のリブが一緒に移動するようになっている。
<第3実施形態のプラテンの構成>
図10は、第3実施形態のプラテン24の構成の一例の説明図である。
第3実施形態のプラテン24は、ローラ223及びローラ224、移動ベルト220、及び複数のリブ221を有している。
ローラ223は、プラテン24の搬送方向上流側に設けられている。また、ローラ224は、搬送方向下流側に設けられている。ローラ223及びローラ224は、コントローラ60によって制御されており、同期して所定の方向に回転する。
移動ベルト220は、ローラ223とローラ224の周囲に設けられており、ローラ223及びローラ224の回転に応じて回転する。
リブ221は、紙Sを支持するための薄肉板状の部材である。リブ221は、移動ベルト220の外周の移動方向に沿って所定間隔で複数形成されている。本実施形態では、このように、移動方向に並ぶリブ221の列が、移動ベルト220の周囲に6つ設けられている。
以上の構成により、コントローラ60によってローラ223とローラ224を所定の方向(例えば反時計回り)に回転させると、ベルト220もその方向(反時計回り)に回転する。また、ベルト220の回転に応じて、ベルト220に設けられている6列のリブ211も一緒に移動する。
<第3実施形態の印刷方法>
図11A〜図11Fは、第3実施形態の印刷方法の説明図である。
印刷の開始時には、移動ベルト220の上部の搬送方向上流側と搬送方向下流側にリブ221が位置している。
まず、給紙ローラ21によって給紙された紙Sが、搬送ローラ23によって搬送方向に搬送される。このとき、光学センサ54は紙Sの先端を検出し、コントローラ60は、光学センサ54が紙Sの先端を検出してから搬送ローラ23を所定の回転量で回転させる。これにより紙Sは、図11Aに示すように、先端が搬送方向上流側のリブ221を少し通過するまで搬送される。この状態から、ヘッドユニット40の往復移動によるドット形成動作(パス)と、紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、紙Sに画像を印刷する。
1回目のパスでは、図11Aの状態でコントローラ60は、紙Sと対向するヘッド41のノズル(搬送方向上流側のノズル)を使って紙Sの先端部分にドットを形成させる。なお、インクを噴射するノズルは搬送方向上流側のノズルのみなので、送方向下流側のリブ221が汚れることはない。そして、1回目のパスの後、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、紙Sを搬送方向に搬送する(搬送動作)。また、コントローラ60は、紙Sの搬送に合わせて、ローラ223とローラ224を図の矢印方向に回転させ、搬送方向上流側のリブ221を搬送方向に移動させる。言い換えると、当該リブ221は紙Sの先端を支持したまま搬送方向に移動する。このとき、搬送方向下流側のリブ221も図の矢印の方向に移動する。
2回目のパスにおいても、コントローラ60は、紙Sと対向するヘッド41のノズルを使って紙Sにドットを形成させる。2回目のパスでは、搬送動作での紙Sの搬送量に応じて、紙Sと対向しているノズルの数が1回目のパスよりも多くなる。つまり、2回目のパスでは、1回目のパスよりも多くのノズルを使用することができる。なお、第3実施形態では、インクを噴射するノズルが搬送方向側に増えるのに応じて、搬送方向下流側のリブ221が図の矢印方向に移動することになるので、当該リブ221がインクで汚れることはない。2回目のパスの後も、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させることにより紙Sを搬送方向に搬送する(搬送動作)。また、コントローラ60は、紙Sの搬送動作の際に、ローラ223とローラ224を図の矢印方向に回転させ、紙Sの搬送に合わせて搬送方向上流側のリブ221を搬送方向に移動させる。言い換えると、搬送方向上流側のリブ221は、紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動する。
この後、パスと搬送動作(及び221の移動)を交互に繰り返していく。搬送動作を行う毎に、紙S及び紙Sを支持するリブ221が搬送方向に移動する。これによりパスが進む毎に、使用できるノズル(紙Sと対向するノズル)が搬送方向側に増えていく。
図11Bに示すように、ヘッド41の全てのノズルが紙Sと対向するようになると、ヘッド41の全てのノズルが使用できることとなり、使用できるノズルの数が最大になる。さらに、パスと搬送動作を交互に繰り返していくと、図11Cに示すように、紙Sは搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送されるようになる。
そして、ある搬送動作で紙検出センサ53が紙Sの後端を検出すると、コントローラ60は、直ちに給紙ローラ21を回転させて次の紙S′の搬送を開始する。このとき、先に搬送される紙Sの後端と、次に搬送される紙S′の先端との間隔は、各リブ221の列の間隔よりも狭くなるように設定されている。なお、先に搬送される紙Sは排紙ローラ25のみによって搬送され、次に搬送される紙S′は搬送ローラ23のみによって搬送される。
また、光学センサ54が紙Sの後端(又は紙S′の先端)を検出すると、図11Dに示すように、コントローラ60は、その後の搬送動作において搬送ローラ23及び排紙ローラ25をそれぞれ所定の回転量で回転させ、紙S及び紙S′を搬送方向に搬送する。また、コントローラ60は、紙S及び紙S′の搬送に合わせてローラ223とローラ224を図の矢印方向に回転させ、リブ221を移動させる。
これにより、図11Dに示すように、紙Sは、排紙ローラ25によって、後端が搬送方向略中央のリブ221に達する少し手前まで搬送され、紙S′は、搬送ローラ23によって、先端が搬送方向上流側のリブ221を少し通過するまで搬送される。
このように、コントローラ60は、紙Sの後端を印刷する際に、次の紙S′の先端をヘッド41の下に位置させる。そして、この状態から、紙S及び紙S′にドットを形成するパスと、紙S及び紙S′を搬送方向に搬送する搬送動作を繰り返して行う。なお、このパスでは、紙Sと対向するヘッド41のノズルによって、紙Sの後端にドットを形成させるとともに、紙S′と対向するヘッド41のノズルによって、紙S´の先端にドットを形成させる。また、この搬送動作では、図11D及び図11Eに示すように、コントローラ60は、紙S及び紙S′を搬送方向に搬送させるのに合わせて、紙S及び紙S′を支持するリブ221をそれぞれ搬送方向に移動させる。言い換えると、紙Sを支持するリブ221は紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動し、次の紙S′を支持するリブ221は、紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動する。搬送動作を行う毎に、紙S及び紙S´が搬送方向に搬送されるので、紙Sと対向するノズルの数は減少していき、逆に、紙S´と対向するノズルの数は増えていく。つまり、パスが進む毎に、紙Sにドットを形成するノズルの数が少なくなり、紙S´にドットを形成するノズルの数が増える。なお、ヘッド41全体として見ると、各パスにおいてほぼ一定数のノズルを使用することができる。
そして、図11Fに示すように、紙Sの印刷が終了し、紙Sは排紙ローラ25によってプリンタ1の外部に搬送(排出)されていく。また、紙S′は、リブ221に支持されて搬送方向に搬送されていく。この後紙Sの場合と同様にして、紙S´に印刷を行なう。
このように、複数のリブが一緒に移動する場合でも、或るリブが紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動するとともに、別のリブが次の紙S´の先端を支持しつつ搬送方向に移動することができる。よって、紙Sと紙S´をできるだけ近づけた状態で印刷できるので、印刷時間の短縮を図ることができる。また、この場合も、紙Sの後端と紙S´の先端を同時に印刷することができる。これにより印刷時間の短縮を図ることができる。
===第4実施形態===
前述した実施形態はヘッドユニット40の往復移動(パス)と紙Sの搬送を交互に繰り返すことで紙Sにドットを形成するプリンタに本発明を適用していたが、第4実施形態では、紙幅以上の長さのヘッドを有し、紙Sを搬送方向に搬送しつつ紙Sにドットを形成するプリンタ(ラインプリンタ)に本発明を適用している。
<プリンタの構成について>
図12は、第4実施形態のプリンタ1′の全体構成のブロック図である。また、図13は、第4実施形態のプリンタ1′の横断面図である。
プリンタ1′は、搬送ユニット20′、ヘッドユニット40′、検出器群50′、及びコントローラ60′を有する。プリンタ1′は、外部装置であるコンピュータ110から印刷命令及び印刷データを受信すると、コントローラ60′によって、各ユニット(搬送ユニット20′、ヘッドユニット40′)を制御する。そして、プリンタ1′は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、媒体(例えば紙S)に画像を印刷する。プリンタ1′内の状況は検出器群50′によって監視されており、検出器群50′は、検出結果をコントローラ60′に出力する。コントローラ60′は、検出器群50′から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20′は、紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送速度で紙Sを搬送させる。搬送ユニット20′は、給紙ローラ21′と、搬送ローラ23′と、プラテン24と、排紙ローラ25′とを有する。給紙ローラ21′は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23′(第1ローラに相当する)は、給紙ローラ21′によって給紙された紙Sを所定の搬送速度で搬送するローラであり、不図示の搬送モータによって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持するものであり、後述するヘッド42の下に配置されている。プラテン24の長手方向の寸法は、搬送可能な紙Sの紙幅よりも大きく設定されている。なお、第4実施形態のプラテン24は、第3実施形態のプラテン24と同じ構成であることとし、プラテン24の構成の説明は省略する。排紙ローラ25′(第2ローラに相当する)は、紙Sを所定の搬送速度でプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25′は、搬送ローラ23′と同期して回転する。なお、給紙ローラ21、搬送ローラ23′、及び排紙ローラ25′は、コントローラ60′によって回転が制御されている。
搬送ローラ23′が紙Sを搬送するとき、紙Sは搬送ローラ23′と従動ローラ26との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。また、排紙ローラ25′が紙Sを搬送するとき、紙Sは排紙ローラ25′と従動ローラ27との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。
ヘッドユニット40′は、紙Sにインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット40′はヘッド42を有している。ヘッド42は、搬送中の紙Sに対してインクを噴射することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタ1′はラインプリンタであり、ヘッド42は紙幅分のドットを一度に形成することができる。このヘッド42の構成については、後で説明する。
検出器群50′は、プリンタ1′内の状況を監視するものであり、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙Sの先端(搬送方向下流側の端部)及び後端(搬送方向上流側の端部)を検出する。光学センサ54は、ヘッド42に取付けられている発光部と受光部により、紙Sの有無を検出する。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端及び後端も検出できる。
コントローラ60′は、プリンタ1′の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60′は、インターフェース部61′と、CPU62′と、メモリ63′と、ユニット制御回路64′とを有する。インターフェース部61′は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1′との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62′は、プリンタ1′全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63′は、CPU62′のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63′に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64′を介して各ユニットを制御する。
なお、第3実施形態及び第4実施形態において、紙Sの後端の印刷を終え、紙Sが印刷可能領域から搬送方向下流に退出した後で、次の紙S´が印刷可能領域へ搬送される変形実施形態を適用する場合には、紙Sと次の紙S´の間の距離がノズル列の搬送方向の距離よりも長い所定の距離で2つの紙Sを搬送して、紙Sと次の紙S´を各リブがそれぞれ支持するように、複数のリブの距離を設定すればよい。
<ヘッドユニットの構成について>
本実施形態のヘッドユニット40′はヘッド42を有している。
図14は、ヘッド42の下面における複数のノズル列の配置を上から透過して見た説明図である。ヘッド42の下面には、4個のノズル列が設けられている。4個のノズル列は、搬送方向上流側から順に、シアン(C)インクノズル列、マゼンダ(M)インクノズル列、イエロー(Y)インクノズル列、ブラック(K)インクノズル列である。各ノズル列の紙幅方向の長さは、印刷対象となる紙Sの紙幅方向の長さ以上である。
各ノズル列は、紙幅方向に沿って複数のノズルが所定のノズルピッチで並んで構成されている。
<印刷手順について>
コントローラ60′は、コンピュータ110から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
まず、コントローラ60′は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙Sを搬送ローラ23′の所まで送る。次に、コントローラ60は、搬送モータ(不図示)を駆動させることによって搬送ローラ23′を回転させる。搬送ローラ23が所定の回転速度にて回転すると、紙Sは所定の速度で搬送方向に搬送される。
これにより紙S′は、プラテン24上を一定速度で停まることなく搬送される。そして、紙Sがヘッド42の各ノズル列の下を順に通る際に、コントローラ60の指示によってヘッド42のノズルからインクが断続的に噴射される。その結果、紙S上には、搬送方向及び紙幅方向に沿って、複数のドットからなるドット列が形成される。また、コントローラ60′は、搬送ローラ23′に同期させて排紙ローラ25′を回転させる。これにより、ドットの形成された紙Sがプリンタ1′の外部に搬送されていく。
<第4実施形態の印刷方法>
図15A〜図15Fは、第4実施形態の印刷方法の説明図である。
印刷の開始時には、移動ベルト220の上部の搬送方向上流側と搬送方向下流側にリブ221が位置している。
まず、給紙ローラ21′によって給紙された紙Sが、搬送ローラ23′によって所定の搬送速度で搬送方向に搬送される。このとき、光学センサ54は紙Sの先端を検出し、コントローラ60′は、光学センサ54が紙Sの先端を検出してから所定時間後にローラ223及びローラ224を図15Aの矢印方向に回転させる。このとき、紙Sは、先端が搬送方向上流側のリブ221を少し通過したところであり、当該リブ221は、紙Sの移動に合わせて搬送方向に移動する。言い換えると、当該リブ221は、紙Sの先端を支持しつつ搬送方向に移動する。紙Sが搬送方向に移動するのに従って、紙Sと対向するヘッド42の各ノズル列から順にインクが噴射される。
なお、本実施形態では、プリンタ1′は紙Sに余白を作らない印刷(いわゆる縁なし印刷)を行う。例えば、紙Sの先端がシアンインクノズル列の下に達する直前にシアンインクノズル列からインクの噴射を行う。これにより、紙Sの先端にシアンのインクが着弾する。このとき紙Sに着弾しなかったインクは、ベルト200上に着弾するのでリブ221は汚れない。
また、図15Bでは、紙Sの先端がマゼンダインクノズル列及びイエローインクノズル列に達している。このときも、紙Sの先端がマゼンダインクノズル列の下に達する直前にマゼンダインクノズル列からインクの噴射を行う。また、紙Sの先端がイエローインクノズル列の下に達する直前にイエローインクノズル列からインクの噴射を行う。これにより、紙Sの先端にマゼンダ及びイエローのインクが着弾する。紙Sに着弾しなかったインクは、ベルト200上に着弾するのでリブ221は汚れない。紙Sがブラックインクノズル列に達するときも同様である。このように、紙Sの搬送が進む毎に、使用できるノズル(ノズル列)が増えていく。紙Sがヘッド42の全てのノズル列と対向するようになると、全てのノズル列からインクを噴射することができるようになる。このとき、使用できるノズルの数が最大になる。
さらに紙Sの搬送が進むと、紙Sは、図15Cに示すように、搬送ローラ23′と排紙ローラ25′によって搬送されるようになる。この後も紙Sを搬送方向に搬送させつつ、ヘッド42の各ノズル列からインクを噴射してドットを形成していく。また、紙Sの搬送に合わせてリブ221を移動させる。
そして、紙検出センサ53が紙Sの後端を検出すると、コントローラ60′は、直ちに給紙ローラ21′を回転させて次の紙(紙S′とする)の搬送を開始する。このとき、先に搬送される紙Sの後端と、次に搬送される紙S′の先端との間隔は、移動ベルト220の周囲のリブ221の列の間隔よりも狭くなるように設定されている。
また、光学センサ54が紙Sの後端(又は紙S′の先端)を検出すると、コントローラ60′は、所定時間後にローラ223及びローラ224を図の矢印方向に回転させる。これにより、紙Sは、後端が搬送方向略中央のリブ221に到達する手前に搬送され、紙S′は、先端が搬送方向上流側のリブ221上を少し通過する位置に搬送される。この後、コントローラ60′は、搬送方向略中央のリブ221を紙Sの搬送に合わせて搬送方向に移動させ、搬送方向上流側のリブ221を紙S′の搬送に合わせて搬送方向に移動させる。言い換えると、搬送方向略中央のリブ221は、紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動し、搬送方向上流側のリブ221は、紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動する。なお、図15D及び図15Eに示すように、コントローラ60′は、紙Sと対向するヘッド42の搬送方向下流側のノズル(例えば、ブラックノズル列やイエローノズル列)によって紙Sの後端にドットを形成させる。また、コントローラ60′は紙S′と対向するヘッド42の搬送方向上流側のノズル(例えば、シアンノズル列やマゼンダノズル列)によって紙S′の先端にドットを形成させる。つまり、先に搬送される紙Sの後端と、次に搬送される紙S′の先端とを同時に印刷する。
紙S及び紙S′の搬送が進むごとに、図15Dに示すように、紙Sにインクを噴射するノズル(ノズル列)が少なくなり、紙S′にインクを噴射するノズル(ノズル列)が増える。
そして、図15Fに示すように、紙Sは印刷が終了してプリンタ1′の外部に搬送(排出)されていく。なお、紙Sの後端においても先端と同様に縁なし印刷が行われる。一方、紙S′は、搬送ローラ23によって搬送方向に搬送され、全てのノズル列を用いて印刷される。以下、紙Sの場合と同様に紙′に印刷を行う。
このように、或るリブ221が紙Sの後端を支持しつつ搬送方向に移動するとともに、別のリブ221が紙S′の先端を支持しつつ搬送方向に移動している。これにより、紙Sと紙S′をできるだけ近づけた状態で印刷することができるので、印刷時間の短縮を図ることができる。また、コントローラ60′は、紙Sの後端を印刷する際に、紙S′の先端をヘッド42の下に位置させている。そして、紙Sの後端と紙S′の先端を、それぞれヘッド42の対向するノズル列によって同時に印刷している。よって、印刷時間の短縮を図ることができる。
なお、本実施形態では、紙検出センサ53が紙Sの後端を検出することによって給紙ローラ21′を回転させていたが、紙Sの搬送速度が一定であるので、一定周期で給紙ローラ21を回転させるようにしてもよい。こうすることで先に搬送される紙Sの後端と、次に搬送される紙S′の先端の間隔を容易に制御することができる。
なお、第4実施形態では、プラテン24として第3実施形態のプラテン24を適用していたが、第1実施形態や第2実施形態のプラテン24を適用してもよい。
===第5実施形態===
第4実施形態のヘッド42では、4つのノズル列がそれぞれ直線状に形成されていた。この場合、ヘッドの搬送方向の長さが短くなるため、紙Sの搬送に応じて使用するノズルを制御するのが困難になる可能性がある。一方、第5実施形態では、同一のインクを噴射する複数のチップを千鳥配置に並べることでヘッドの搬送方向の長さが第4実施形態よりも長くなるようになっている。なお、1つのチップによって複数種類のインクを噴射可能なヘッドの場合や、1種類のインクのみ使用して印刷する場合は、千鳥配置されたチップの1配列だけでもよい。また、複数のチップを配置する位置関係は千鳥配置には限られず、媒体搬送中に媒体幅にわたって印刷が可能であればよい。なお、ヘッド以外の構成は第4実施形態と同じである。
図16は、第5実施形態のヘッド43の下面における複数のノズル列の配置を上から透過して見た説明図である。ヘッド43の下面には、4個のノズル列が設けられている。4個のノズル列は、搬送方向上流側から順に、シアン(C)インクノズル列、マゼンダ(M)インクノズル列、イエロー(Y)インクノズル列、ブラック(K)インクノズル列である。各ノズル列の紙幅方向の長さは、印刷対象となる紙Sの紙幅方向の長さ以上である。
また、ヘッド43の各ノズル列は、それぞれ図に示すように、複数のノズルを有するチップ44が紙幅方向に千鳥状に配置されて構成されている。このように、第5実施形態のヘッド43は、各色について、チップ44を千鳥状に並べて配置しているので、搬送方向の長くなっている。このため、紙Sがヘッド43を通過するのに要する時間が長くなるので、各ノズル列からインクを噴射するタイミングをより制御しやすくなる。
なお、本実施形態では、各ノズル列を形成するチップを千鳥状に配置することとしたが、例えば、複数色あるいは単色の直線状のノズル列を有して互いに独立するヘッドを、紙幅方向に並べて配置するようにしてもよい。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の噴射装置、印刷方法、記録方法、液体の噴射方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから噴射していた。しかし、ノズルから噴射する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから噴射しても良い。