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JP5219249B2 - 複合酸化物の製造方法、及び不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents
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JP5219249B2 - 複合酸化物の製造方法、及び不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

複合酸化物の製造方法、及び不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合酸化物の製造方法、及び該複合酸化物を触媒として用いる不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法に関する。
従来から、プロピレン又はイソブチレンを気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に供して対応する不飽和カルボン酸又は不飽和ニトリルを製造する方法が良く知られている。近年、プロピレン又はイソブチレンに替わってプロパン又はイソブタンを気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に供することによって対応する不飽和カルボン酸又は不飽和ニトリルを製造する方法が着目されており、これらに用いる種々の酸化物触媒が提案されている。このような酸化物触媒の製造方法としては、原料調合液を一定時間加熱撹拌する方法が従来から研究されており、例えば特許文献1には、Sb又はTeから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む溶液又はスラリーを、気相酸素濃度が5000ppm未満の雰囲気で保存する方法が記載されている。また、特許文献2には、Sb+3、V+5及びMo+6の三者間の酸化還元反応を促進するために、反応液中に酸素ガスを吹き込む方法が記載されている。
特開2003−093873号公報 特開2000−334303号公報
しかしながら、特許文献1又は2に記載された製造方法により得られた酸化物触媒を、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に用いたところ、いずれの触媒も未だ目的物の収率は不十分であった。
本発明者らは、特許文献1又は2に記載の酸化物触媒の収率が不十分であった原因が触媒の酸化還元状態に関係すると推定した。特許文献1に記載の方法の場合は、Sb又はTeから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む溶液又はスラリーを保存する間の気相酸素濃度が5000ppm未満であるために、スラリーの酸化還元状態の変化が起こらず、酸化物触媒の性能向上に繋がっていないと考えられる。一方、特許文献2に記載の方法の場合は、Sb+3化合物を溶解させるために、Sb+3、V+5及びMo+6を含む反応液に酸素ガスを吹き込むものの、一旦溶液を得た後で、さらに酸化還元状態を変化させておらず、やはり酸化物触媒の性能向上は達成されていない。
上記事情に鑑み、本発明は、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に用いる複合酸化物の製造方法であって、対応する不飽和酸又は不飽和ニトリルを高収率で得ることができる複合酸化物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、(a)Mo及びVを含む水性原料液(I)と、Nb及び過酸化水素を含む水性原料液(II)とを混合して水性混合液(III)を得る工程、(b)前記水性混合液(III)を、酸素濃度1〜25vol%雰囲気下で90分以上50時間以下熟成して水性混合液(IV)を得る工程、(c)前記水性混合液(IV)を乾燥して乾燥粉体を得る工程、(d)前記乾燥粉体を焼成する工程、を含む方法により、プロパン又はイソブタンから対応する不飽和酸又は不飽和ニトリルを高収率で得ることができる複合酸化物が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
(a)Mo及びVを含む水性原料液(I)と、Nb及び過酸化水素を含む水性原料液(II)とを混合して水性混合液(III)を得る工程、
(b)前記水性混合液(III)を、酸素濃度1〜25vol%雰囲気下で90分以上50時間以下熟成して水性混合液(IV)を得る工程、
(c)前記水性混合液(IV)を乾燥して乾燥粉体を得る工程、
(d)前記乾燥粉体を焼成する工程、
を含む、複合酸化物の製造方法。
[2]
前記工程(b)における熟成時間が90分以上6時間以下である、上記[1]記載の複合酸化物の製造方法。
[3]
前記工程(b)における熟成により水性混合液(III)の酸化還元状態が変化する、上記[1]又は[2]記載の複合酸化物の製造方法。
[4]
前記複合酸化物は、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応用の触媒である、上記[1]〜[3]のいずれか記載の複合酸化物の製造方法。
[5]
不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法であって、
上記[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法により得られた複合酸化物の存在下、プロパン又はイソブタンを気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に供する工程を含む、製造方法。
本発明の製造方法により、Mo、V及びNbを含み、好適な酸化還元状態を有する複合酸化物を得ることができる。この複合酸化物をプロパン又はイソブタンの気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応の触媒として用いることにより、対応する不飽和酸又は不飽和ニトリルを高収率で得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の複合酸化物の製造方法は、(a)Mo及びVを含む水性原料液(I)と、Nb及び過酸化水素を含む水性原料液(II)とを混合して水性混合液(III)を得る工程、(b)前記水性混合液(III)を、酸素濃度1〜25vol%雰囲気下で90分以上50時間以下熟成して水性混合液(IV)を得る工程、(c)前記水性混合液(IV)を乾燥して乾燥粉体を得る工程、(d)前記乾燥粉体を焼成する工程、を含む。
[工程(a)]
工程(a)は、Mo及びVを含む水性原料液(I)と、Nb及び過酸化水素を含む水性原料液(II)とを混合して水性混合液(III)を得る工程である。
本工程においては、まず、Mo化合物、V化合物、必要に応じて、後述するX成分、その他原料となる成分を水、硝酸水溶液、アンモニア水溶液等の水性溶媒に添加し、必要に応じて加熱、攪拌して水性原料液(I)を調製する。次に、Nb化合物とジカルボン酸を水中で加熱撹拌して混合液(B)を調製する。さらに、混合液(B)に、過酸化水素を添加し、水性原料液(II)を調製する。このとき、水性原料液(II)中のH/Nb(モル比)は、好ましくは0.5〜20、より好ましくは1〜10である。さらに、目的とする組成に合わせて、水性原料液(I)、水性原料液(II)を好適な割合で混合して、水性混合液(III)を調製する。
原料となるMo化合物としては、例えば、酸化モリブデン、ジモリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸が挙げられ、中でも、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NHMo24・4HO]を好適に用いることができる。また、V化合物としては、例えば、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸バナジルが挙げられ、中でも、メタバナジン酸アンモニウム[NHVO]を好適に用いることができる。
X成分としては、例えば、Te、Sb、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Yb等の元素を含む化合物を挙げることできる。これらの元素を含む化合物としては、通常、硝酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ペルオキソカルボン酸塩、ペルオキソカルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、ハロゲン化物、アセチルアセトナート、アルコキシド等を使用することができ、好ましくは硝酸塩、カルボン酸塩等の水溶性原料が使用される。X成分の金属元素として、Teを添加する場合は、Teの原料としてテルル酸〔HTeO〕を好適に用いることができ、Sbを添加する場合は、Sbの原料としてアンチモン酸化物、特に三酸化二アンチモン〔Sb〕を好適に用いることができる。
Nb化合物としては、例えば、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩及びニオブの有機酸塩からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられ、中でも、ニオブ酸が好ましい。ニオブ酸はNb・nHOで表され、ニオブ水酸化物又は酸化ニオブ水和物とも称される。中でも、ニオブの原料がジカルボン酸とニオブ化合物とを含むものであり、ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ原料液を用いることが好ましい。このときに用いられるジカルボン酸としては、シュウ酸が好ましい。
また、複合酸化物がシリカに担持される場合には、シリカの原料としてシリカゾル、粉体シリカ等を添加することができる。粉体シリカは、高熱法で製造されたものが好ましく、あらかじめ水に分散させて使用することでスラリー中への添加・混合が容易となる。分散方法としては特に制限はなく、一般的なホモジナイザー、ホモミキサー、あるいは超音波振動器等を単独もしくは組み合わせて分散させることができる。
[工程(b)]
工程(b)は、上述した工程(a)により得られた水性混合液(III)を、酸素濃度1〜25vol%雰囲気下で90分以上50時間以下熟成して、水性混合液(IV)を得る工程である。
本工程において「熟成」とは、水性混合液(III)を、所定濃度の酸素雰囲気下で、所定時間静置するか撹拌することを意味する。水性混合液(III)も、熟成することにより得られる水性混合液(IV)も、通常、スラリー状態であって、後述する色の変化以外には、外見上あまり変化が無い場合が多い。
本工程においては、水性混合液(III)に含まれる金属成分の酸化還元状態に何らかの変化を及ぼす酸化還元反応の進行が遅くなり過ぎるのを防ぐ観点から、熟成中の酸素濃度は1vol%以上とする。一方、酸化還元反応が進行し過ぎるのを防ぐ観点から、熟成中の酸素濃度は25vol%以下とする。いずれにせよ、気相酸素が水性混合液の酸化還元状態に影響を及ぼすため、酸素濃度を適正な範囲に維持する必要がある。熟成中の酸素濃度は、好ましくは5〜23vol%であり、より好ましくは10〜20vol%である。
熟成中の酸素濃度は、一般的な方法、例えば、ジルコニア式酸素濃度計を用いて測定することができる。酸素濃度を測定する場所は、水性混合液と気相との界面近傍であることが好ましい。例えば、同一地点での酸素濃度の測定を1分以内に3度行い、3度の測定結果の平均値をもって酸素濃度とすることが好ましい。
酸素濃度を低減させるための希釈ガスは特に限定されないが、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気等が挙げられ、工業的には、窒素が好ましい。また、酸素濃度を増加させるためのガスとしては、純酸素又は高酸素濃度の空気が好ましい。
熟成時間としては、得られる複合酸化物の触媒性能を向上させる観点から、90分以上50時間以下とすることが重要であり、好ましくは90分以上6時間以下である。熟成時間が90分未満もしくは50時間を超えると、好適な酸化還元状態(電位)を有する水性混合液(IV)が形成されず、得られる複合酸化物の触媒性能が低減する傾向にある。
ここで、工業的に複合酸化物を製造する場合、通常は噴霧乾燥機の処理スピードが律速となり、一部の水性混合液(IV)が噴霧乾燥された後、全ての混合液の噴霧乾燥が終了するまでに時間を要する。この間、噴霧乾燥処理されていない水性混合液の熟成は継続される。従って、熟成時間には、後述する工程(c)における乾燥前の熟成時間だけでなく、乾燥開始後から終了までの時間も含まれる。
熟成温度としては、Mo成分の縮合やV成分の析出を防ぐ観点から、25℃以上が好ましく、Nbと過酸化水素を含む錯体の加水分解が起こりすぎないようにし、かつ、好ましい形態の水性混合液(IV)を形成する観点から65℃以下が好ましい。熟成温度としては、30℃以上60℃以下がより好ましい。
本工程においては、水性混合液(III)を上記所定の条件により熟成する間に、水性混合液(III)に含まれる成分の酸化還元状態に何らかの変化が生じるものと考えられる。熟成中の液中成分の形態変化を正確に同定するのは極めて困難であるが、何らかの変化が起こっていることは、水性混合液(III)の色の変化、酸化還元電位の変化等が生じることからも示唆される。また、熟成条件の異なる複合酸化物を製造し、その触媒としての性能を評価することで、性能の良い複合酸化物に施した条件が特に好ましい条件であることが分かる。同時に、このときに好ましい形態の水性混合液(IV)が形成されていると判断できる。
水性混合液(III)の酸化還元電位は水性原料液(II)の電位600mV/AgClが支配的であり、水性原料液(II)に含まれるジカルボン酸(例えばシュウ酸)Nbパーオキサイドと他の金属成分が何らかの酸化還元反応を起こすことにより経時的な電位の低下が生じると推定される。水性混合液(IV)の酸化還元電位は、好ましくは450〜530mV/AgClであり、より好ましくは470〜510mV/AgClである。
[工程(c)]
工程(c)は、上述した工程(b)より得られた水性混合液(IV)を乾燥して乾燥粉体を得る工程である。
乾燥は公知の方法で行うことができ、例えば、噴霧乾燥又は蒸発乾固によって行うことができるが、噴霧乾燥により微小球状の乾燥粉体を得ることが好ましい。噴霧乾燥法における噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式、又は高圧ノズル方式によって行うことができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることができる。噴霧乾燥装置の乾燥機入口温度は150〜300℃であるのが好ましく、乾燥機出口温度が100〜160℃であるのが好ましい。
[工程(d)]
工程(d)は、上述した工程(c)により得られた乾燥粉体を焼成する工程である。
本工程においては、工程(c)で得られた乾燥粉体を焼成することによって複合酸化物を得る。
焼成装置としては、回転炉(ロータリーキルン)、流動焼成炉等を用いることができる。乾燥粉体は静置したまま焼成されると、均一に焼成されず性能が悪化するとともに、割れ、ひび等が生じる原因となる。従って、連続式焼成を行う場合は、回転炉(ロータリーキルン)を使用するのが好ましい。
焼成器の形状としては、特に限定されないが、管状であると連続的な焼成を実施することができる。焼成管の形状は特に限定されないが、円筒であるのが好ましい。加熱方式は外熱式が好ましく、電気炉を好適に使用できる。焼成管の大きさ、材質等は焼成条件や製造量に応じて適当なものを選択することができるが、内径が、好ましくは70〜2000mm、より好ましくは100〜1200mm、長さが、好ましくは200〜10000mm、より好ましくは800〜8000mmのものを用いる。
焼成器に衝撃を与える場合、肉厚は衝撃により破損しない程度の十分な厚みを持つという観点から2mm以上が好ましく、より好ましくは4mm以上であり、また衝撃が焼成管内部まで十分に伝わるという観点から、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。材質は耐熱性があり衝撃により破損しない強度を持つものであれば特に限定されず、SUSを好適に使用できる。
また、乾燥粉体が通過するための穴を中心部に有する堰板を、焼成管の中に乾燥粉体の流れと垂直に設けて焼成管を2つ以上の区域に仕切ることもできる。堰板を設置することにより焼成管内滞留時間を確保しやすくなる。堰板の数は1つでも複数でもよい。堰板の材質は金属が好ましく、焼成管と同じ材質のものを好適に使用できる。堰板の高さは確保すべき滞留時間に合わせて調整することができる。例えば、内径150mm、長さ1150mmのSUS製の焼成管を有する回転炉で250g/hrで乾燥粉体を供給する場合、堰板は好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜40mm、さらに好ましくは13〜35mmである。堰板の厚みは特に限定されず、焼成管の大きさに合わせて調整することが好ましい。例えば内径150mm、長さ1150mmのSUS製の焼成管を有する回転炉の場合、好ましくは0.3mm以上30mm以下、より好ましくは0.5mm以上15mm以下である。
焼成工程においては、乾燥粉体の割れ、ひび等を防ぐと共に、均一に焼成するために、焼成器を回転させるのが好ましい。焼成器の回転速度は、好ましくは0.1〜30rpm、より好ましくは0.5〜20rpm、さらに好ましくは1〜10rpmである。
乾燥粉体の焼成においては、乾燥粉体の加熱温度を、400℃より低い温度から昇温を始めて、550〜800℃の範囲内の温度まで、連続的に又は断続的に昇温するのが好ましい。
焼成雰囲気は、空気雰囲気下もしくは空気流通下で実施することもできるが、焼成の少なくとも一部を、窒素等の実質的に酸素を含まない不活性ガスを流通させながら実施することが好ましい。
不活性ガスの供給量は乾燥粉体1kg当たり、50Nリットル以上、好ましくは50〜5000Nリットル、より好ましくは50〜3000Nリットルである(Nリットルは、標準温度・圧力条件、即ち0℃、1気圧で測定したリットルを意味する)。この時、不活性ガスと乾燥粉体は向流でも並流でも問題ないが、乾燥粉体から発生するガス成分や、乾燥粉体とともに微量混入する空気を考慮すると、向流接触が好ましい。
焼成工程は、一段でも実施可能であるが、本焼成を行う前に、前段焼成することが好ましい。温度範囲としては、前段焼成を250〜400℃で行い、本焼成を550〜800℃で行うことが好ましい。前段焼成と本焼成は連続して実施してもよいし、前段焼成を一旦完了してからあらためて本焼成を実施してもよい。また、前段焼成及び本焼成のそれぞれが数段に分かれていてもよい。
前段焼成は、好ましくは不活性ガス流通下、加熱温度250℃〜400℃、好ましくは300℃〜400℃の範囲で行う。250℃〜400℃の温度範囲内の一定温度で保持することが好ましいが、250℃〜400℃範囲内で温度が変動したり、緩やかに昇温、降温しても構わない。加熱温度の保持時間は30分以上、好ましくは3〜12時間である。
前段焼成温度に達するまでの昇温パターンは直線的に上げてもよいし、上又は下に凸なる弧を描いて昇温してもよい。
前段焼成温度に達するまでの昇温時の平均昇温速度としては、特に限定されないが、好ましくは0.1〜15℃/min、より好ましくは0.5〜5℃/min、さらに好ましくは1〜2℃/minである。
本焼成は、好ましくは不活性ガス流通下、加熱温度550〜800℃、好ましくは580〜750℃、さらに好ましくは600〜720℃、さらにより好ましくは620〜700℃で行う。620〜700℃の温度範囲内の一定温度で保持することが好ましいが、620〜700℃の範囲内で温度が変動したり、緩やかに昇温、降温しても構わない。本焼成の時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜15時間である。堰板で区切る場合、乾燥粉体は少なくとも2つ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜15の区域を連続して通過する。温度の制御は1つ以上の制御器を用いて行うことができるが、前記所望の焼成パターンを得るために、これら堰で区切られた区域ごとにヒーターと制御器を設置し、制御することが好ましい。例えば、堰板を焼成管の加熱炉内に入る部分の長さを8等分するように7枚設置し、8つの区域に仕切った焼成管を用いる場合、乾燥粉体の温度が前記所望の焼成温度パターンとなるよう8つの区域を各々の区域について設置したヒーターと制御器により設定温度を制御することが好ましい。なお、不活性ガス流通下の焼成雰囲気には、所望により、酸化性成分(例えば酸素)又は還元性成分(例えばアンモニア)を添加してもよい。
本焼成温度に達するまでの昇温パターンは直線的に上げてもよいし、上又は下に凸なる弧を描いて昇温してもよい。
本焼成温度に達するまでの昇温時の平均昇温速度としては、特に限定されないが、好ましくは0.1〜15℃/min、より好ましくは0.5〜10℃/min、さらに好ましくは1〜8℃/minである。
また、本焼成終了後の平均降温速度は0.01〜1000℃/min、好ましくは0.05〜100℃/min、より好ましくは0.1〜50℃/min、さらに好ましくは0.5〜10℃/minである。また、本焼成温度より低い温度で一旦保持することも好ましい。保持する温度は、本焼成温度より10℃、好ましくは50℃、さらに好ましくは100℃低い温度である。保持する時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上、さらに好ましくは3時間以上、特に好ましくは10時間以上である。
前段焼成を一旦完了してからあらためて本焼成を実施する場合は、本焼成で低温処理を行うのが好ましい。
低温処理に要する時間、すなわち乾燥粉体の温度を低下させた後、昇温して焼成温度に上昇するまでに要する時間は、焼成器の大きさ、肉厚、材質、複合酸化物生産量、連続的に乾燥粉体を焼成する一連の期間、固着速度・固着量等により適宜調整することが可能である。例えば内径500mm、長さ4500mm、肉厚20mmのSUS製焼成管を使用する場合においては、連続的に複合酸化物を焼成する一連の期間中に好ましくは30日以内、より好ましくは15日以内、さらに好ましくは3日以内、特に好ましくは2日以内である。
例えば、内径500mm、長さ4500mm、肉厚20mmのSUS製の焼成管を有する回転炉により6rpmで回転しながら35kg/hrの速度で乾燥粉体を供給するときに、本焼成温度が645℃である場合、温度を400℃まで低下させた後、昇温して645℃にする工程を1日程度で行うことができる。1年間連続的に焼成する場合、このような低温処理を1ヶ月に1回の頻度で実施することで、安定して酸化物層温度を維持しながら焼成することができる。
[複合酸化物]
本実施の形態の好ましい複合酸化物の例は、以下の組成式(1)で表される。
MoNb・・・(1)
(式中、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0<d<1、nは構成金属の原子価によって決まる数である。)
また、Mo1原子当たりの原子比a〜cは、それぞれ、0.1〜0.4、0.01〜0.2、0.1〜0.5の範囲であるのが好ましい。
Yとしては、Te、Sbが好ましい。一般的には不飽和ニトリルの工業的製造方法においては、400℃以上での長期使用に耐えうる特性が必要であるため、YとしてはSbが特に好ましい。一方、不飽和酸の工業的製造方法においては、400℃以下での反応も可能であるため、長期運転時のTeの逃散の影響が小さく、Teも好適に使用可能である。YのMo1原子当たりの原子比であるcは、好ましくは0.01〜0.6であり、より好ましくは0.1〜0.4である。
Xとしては、Sr、Ba、Sc、Y(イットリウム)、La、Ce、Pr、Ybが好ましく、Ceが特に好ましい。XのMo1原子当たりの原子比であるdは、好ましくは0.001≦d<1、より好ましくは0.001≦d<0.1、さらに好ましくは0.002≦d<0.01である。Xの存在により目的物の収率が向上する傾向にあるため、Xは複合酸化物粒子内に均一に分散されていることが好ましいが、特開平11−244702号公報に教示されているように、水性混合液中で好ましくない反応を生じるおそれがあるため、微量に含まれることが好ましい。
また、複合酸化物を触媒として使用する場合、複合酸化物はシリカを主成分とする担体によって担持された担持触媒であることが好ましい。シリカを主成分とする担体によって担持されていると、高い機械的強度を有するので、流動床反応器を用いた気相接触酸化反応又は気相接触アンモ酸化反応に好適である。シリカを主成分とする担体中のシリカの含有量は、触媒構成元素の酸化物と担体から成る担持酸化物触媒の全重量に対して、SiO換算で、好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは30〜60質量%である。
複合酸化物中のシリカ担体の含有量は強度と粉化防止の観点から10質量%以上が好ましい。シリカ担体の含有量が10質量%未満であると、触媒を工業的に使用する上でも安定運転が難く、ロスした触媒を補充する必要が生じるため経済的にも好ましくない。逆にシリカ担体の含有量が80質量%を超えると、充分な触媒活性が得られず、必要な触媒量が増えてしまう。特に流動床の場合、シリカの含有量が80質量%を超えると、シリカ担持触媒の比重が軽くなりすぎ、良好な流動状態を作りにくくなるため好ましくない。
[不飽和酸及び不飽和ニトリルの製造]
本実施の形態においては、上述した製造方法により得られた複合酸化物の存在下、プロパン又はイソブタンを気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に供する工程を含む方法により、不飽和酸又は不飽和ニトリルを製造することができる。
プロパン、イソブタン及びアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。供給酸素源としては、空気、純酸素又は純酸素で富化した空気を用いることができる。さらに、希釈ガスとしてヘリウム、ネオン、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素等を供給してもよい。
プロパン又はイソブタンの気相接触酸化反応は、以下の条件で行うことができる。
反応に供給する酸素のプロパン又はイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。反応温度は300〜500℃、好ましくは350〜450℃である。反応圧力は5×10〜5×10Pa、好ましくは1×10〜3×10Paである。接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。
本実施の形態において、接触時間は次式で定義される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)
ここで、W、F及びTは次のように定義される。
W=充填触媒量(g)
F=標準状態(0℃、1.013×10Pa)での原料混合ガス流量(Ncc/sec)
T=反応温度(℃)
プロパン又はイソブタンの気相接触アンモ酸化反応は、以下の条件で行うことができる。
反応に供給する酸素のプロパン又はイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。反応に供給するアンモニアのプロパン又はイソブタンに対するモル比は0.3〜1.5、好ましくは0.7〜1.2である。反応温度は350〜500℃、好ましくは380〜470℃である。反応圧力は5×10〜5×10Pa、好ましくは1×10〜3×10Paである。接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。
気相酸化反応及び気相アンモ酸化反応における反応方式は、固定床、流動床、移動床等従来の方式を採用できるが、反応熱の除去が容易な流動床反応器が好ましい。また、気相接触アンモ酸化反応は、単流式であってもリサイクル式であってもよい。
以下に本実施の形態を、実施例と比較例によってさらに詳細に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例と比較例においては、プロパン転化率、アクリロニトリル収率は、それぞれ次の定義に従う。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル(AN)収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
(ニオブ混合液の調製)
以下の方法でニオブ混合液を調製した。水100kgにNbとして79.8質量%を含有するニオブ酸15.34kgとシュウ酸二水和物〔H・2HO〕52.66kgを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.50(mol−Nb/kg−液)であった。この液を95℃で2時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶解した混合液を得た。この混合液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ混合液を得た。このニオブ混合液のシュウ酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.68であった。
るつぼにこのニオブ混合液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb0.7895gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.594(mol−Nb/kg−液)であった。
300mlのガラスビーカーにこのニオブ混合液3gを精秤し、約80℃の熱水200mlを加え、続いて1:1硫酸10mlを加えた。得られた混合液をホットスターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4規定KMnOを用いて滴定した。KMnOによるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、1.592(mol−シュウ酸/kg)であった。
2KMnO+3HSO+5H→KSO+2MnSO+10CO+8H
得られたニオブ混合液は、下記の複合酸化物の製造においてニオブ混合液(B)として用いた。
(実施例1)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される複合酸化物を次のようにして製造した。
(工程(a):水性混合液(III)の調製工程)
水10.38kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NHMo24・4HO〕を2.225kg、メタバナジン酸アンモニウム〔NHVO〕を324.5g、及び三酸化二アンチモン〔Sb〕を440.9g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(I)を調製した。
ニオブ混合液(B)2.126kgに、Hとして30質量%を含有する過酸化水素水を285.8g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(II)を調製した。
得られた水性原料液(I)を70℃に冷却した後にSiOとして34.0質量%を含有するシリカゾル3.932kgを添加し、さらに、Hとして30質量%含有する過酸化水素水514.5gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(II)、粉体シリカ988.1gを水13.83kgに分散させた分散液を順次添加して水性混合液(III)を調製した。その後、容器内に空気と窒素ガスを流通させ、東レエンジニアリング製ジルコニア式酸素濃度計により、容器内の酸素濃度が18vol%であることを確認した。
(工程(b):熟成工程)
水性混合液(III)を水性原料液(II)を添加後から2時間30分、50℃で熟成し、スラリー状の水性混合液(IV)を得た。水性混合液(IV)の酸化還元電位をORP電極(PST−2739C、東亜ディーケーケー社製)により測定したところ、490mV/AgClであった。
(工程(c):乾燥工程)
得られた水性混合液(IV)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(工程(d):焼成工程)
得られた乾燥粉体480gを直径3インチのSUS製焼成管に充填し、5.0NL/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、670℃で2時間焼成して複合酸化物を得た。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を触媒として用いて、以下の方法により、プロパンを気相アンモ酸化反応に供した。
内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に複合酸化物を35g充填し、反応温度440℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1:3:18のモル比の混合ガスを接触時間2.8(sec・g/cc)で供給した。反応後のプロパン転化率は89.5%、アセトニトリル収率は53.4%であった。
(実施例2)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される複合酸化物を次のようにして製造した。
熟成時間を5時間に変更した以外は実施例1と同様に行った。熟成工程における酸素濃度は18vol%、水性混合液(IV)の酸化還元電位は485mV/AgClであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を用いて実施例1と同様にプロパンを気相アンモ酸化反応に供した。反応後のプロパン転化率は89.0%、アセトニトリル収率は53.7%であった。
(比較例1)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される複合酸化物を次のようにして製造した。
熟成時間を60分に変更した以外は実施例1と同様に行った。熟成工程における酸素濃度は18vol%、水性混合液(IV)の酸化還元電位は535mV/AgClであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を用いて実施例1と同様にプロパンを気相アンモ酸化反応に供した。反応後のプロパン転化率は84.2%、アセトニトリル収率は50.5%であった。
(実施例3)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される複合酸化物を次のようにして製造した。
(工程(a):水性混合液(III)の調製工程)
水10.38kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NHMo24・4HO〕を2.225kg、メタバナジン酸アンモニウム〔NHVO〕を324.5g、及び三酸化二アンチモン〔Sb〕を440.9g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(I)を調製した。
ニオブ混合液(B)2.126kgに、Hとして30質量%を含有する過酸化水素水を285.8g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(II)を調製した。
得られた水性原料液(I)を70℃に冷却した後にSiOとして34.0質量%を含有するシリカゾル3.932kgを添加し、さらに、Hとして30質量%含有する過酸化水素水514.5gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(II)、粉体シリカ988.1gを水13.83kgに分散させた分散液を順次添加して水性混合液(III)を調製した。その後、容器内に空気と窒素ガスを流通させ、容器内の酸素濃度が18vol%であることを確認した。
(工程(b):熟成工程)
水性混合液(III)を、水性原料液(II)を添加後から36時間、40℃で熟成し、スラリー状の水性混合液(IV)を得た。水性混合液(IV)の酸化還元電位をORP電極(PST−2739C、東亜ディーケーケー社製)により測定したところ、480mV/AgClであった。
(工程(c):乾燥工程)
得られた水性混合液(IV)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(工程(d):焼成工程)
得られた乾燥粉体480gを直径3インチのSUS製焼成管に充填し、5.0NL/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、670℃で2時間焼成して複合酸化物を得た。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を触媒として用いて、以下の方法により、プロパンを気相アンモ酸化反応に供した。
内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に複合酸化物を35g充填し、反応温度440℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1:3:18のモル比の混合ガスを接触時間2.8(sec・g/cc)で供給した。反応後のプロパン転化率は88.5%、アセトニトリル収率は53.1%であった。
(比較例2)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される複合酸化物を次のようにして製造した。
熟成時間を72時間に変更した以外は実施例3と同様に行った。熟成工程における酸素濃度は19vol%、水性混合液(IV)の酸化還元電位は440mV/AgClであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を用いて実施例1と同様にプロパンを気相アンモ酸化反応に供した。反応後のプロパン転化率は85.3%、アセトニトリル収率は51.3%であった。
(比較例3)
仕込み組成式がMo0.22Nb0.10Sb0.24/46.5質量%?SiOで示される酸化物触媒を次のようにして製造した。
熟成時間を5時間に変更し、酸素濃度が0.5vol%になるように空気と窒素ガスの流量を変更した以外は実施例3と同様に行った。水性混合液(IV)の酸化還元電位は550mV/AgClであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物を用いて実施例1と同様にプロパンを気相アンモ酸化反応に供した。反応後のプロパン転化率は86.1%、アセトニトリル収率は51.7%であった。
実施例及び比較例の条件及び結果を表1に示す。
Figure 0005219249
上記結果から、本実施の形態の製造方法により得られた酸化物触媒(実施例1〜3)は、熟成時間、熟成温度、酸素濃度等の各条件が適正な範囲に設定されており、好適な酸化還元状態(電位)を有する水性混合液(IV)が形成されているため、得られる複合酸化物の触媒性能が良好であった。
これに対して比較例1では、熟成時間が短く、水性混合液(III)の変質が不十分であるため、得られる複合酸化物の触媒性能に劣っていた。
また、比較例2では、熟成時間が長すぎるため、好適な酸化還元状態(電位)を有する水性混合液(IV)が形成されておらず、得られる複合酸化物の触媒性能に劣っていた。
さらに、比較例3では、熟成中の酸素濃度が低く、水性混合液(III)の変質が不十分であるため、得られる複合酸化物の触媒性能に劣っていた。
本発明の複合酸化物の製造方法は、プロパン又はイソブタンを気相接触酸化反応又は気相接触アンモ酸化反応に供して、対応する不飽和酸又は不飽和ニトリルを工業的に製造する際に用いられる触媒の製造方法としての産業上利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. (a)Mo及びVを含む水性原料液(I)と、Nb及び過酸化水素を含む水性原料液(II)とを混合して水性混合液(III)を得る工程、
    (b)前記水性混合液(III)を、酸素濃度1〜25vol%雰囲気下で90分以上50時間以下熟成して水性混合液(IV)を得る工程、
    (c)前記水性混合液(IV)を乾燥して乾燥粉体を得る工程、
    (d)前記乾燥粉体を焼成する工程、
    を含む、複合酸化物の製造方法。
  2. 前記工程(b)における熟成時間が90分以上6時間以下である、請求項1記載の複合酸化物の製造方法。
  3. 前記工程(b)における熟成により水性混合液(III)の酸化還元状態が変化する、請求項1又は2記載の複合酸化物の製造方法。
  4. 前記複合酸化物は、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応用の触媒である、請求項1〜3のいずれか1項記載の複合酸化物の製造方法。
  5. 不飽和酸又は不飽和ニトリルの製造方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られた複合酸化物の存在下、プロパン又はイソブタンを気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化反応に供する工程を含む、製造方法。
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