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JP5220253B2 - アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造法 - Google Patents
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JP5220253B2 - アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造法 - Google Patents

アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は種々のプラスチック成形品、光学用材料等の原料モノマーなどとして有用なアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法に関する。
背景技術
アダマンチル(メタ)アクリレート類等のアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体は、耐熱性、耐衝撃性が高く、しかも優れた光学的特性を有しているため、種々のプラスチック成形品、レジスト用樹脂などの光学用材料としての利用が期待されている。また、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体も、基板に対する密着性等に優れることから、レジスト用樹脂のモノマーとして注目されている。
アダマンチルモノ(メタ)アクリレート類の製造法として、特公平7−61980号公報には、アダマンタンジオール類をトルエン等の溶剤に溶解し、p−トルエンスルホン酸等の触媒の存在下で(メタ)アクリル酸と加熱反応させてモノエステル化した後、反応液をアルカリで中和し、不溶物及び溶媒を除去し、次いでn−ヘキサンを用いて再結晶することにより前記アダマンチルモノ(メタ)アクリレート類を得る方法が開示されている。
アダマンチル(メタ)アクリレート類を例えば光学用材料のモノマー原料として用いる際には、光学的特性を十分に発揮させるため、不純物含量の少ない高純度品が求められる。しかし、反応混合液を中和してn−ヘキサンから再結晶する上記方法では、着色物質等の不純物を結晶中に取り込みやすく、高品質のアダマンチル(メタ)アクリレート類等を効率よく得ることはできない。このことは、他の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルについても当てはまる。
また、従来、アダマンタン骨格やラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルであって、常温で液体の化合物を高い純度で効率よく得る方法については知られていない。
発明の開示
従って、本発明の目的は、不純物含量の少ない高品質の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、常温で液体のアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを高い純度で効率よく得る方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応により生成した反応生成物を分子蒸留に付すと、高純度の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル[アダマンチル(メタ)アクリレート類等]を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1d)又は(1e´
Figure 0005220253
[式(1d)中、環に結合しているメチル基の個数nは0〜5の整数であり、式(1e´)中、環に結合しているメチル基の個数nは2〜5の整数である]
で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、それぞれ対応する下記式(2d)又は(2e´
Figure 0005220253
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。nは前記に同じ]
で表されるレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、前記式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、圧力0.0001〜0.5mmHg(0.0133〜68Pa)、温度10〜100℃の条件で分子蒸留に付して、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる工程を含むレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法を提供する。
前記式(1d)において、nは0が好ましい。
前記製造法において、式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液から選択された少なくとも1種の洗浄液で洗浄した後、分子蒸留に付してもよい。前記洗浄において、洗浄液の使用量が、洗浄処理1回当たり、被洗浄液100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましい。洗浄液で洗浄した後、温度10〜100℃、圧力5〜300mmHgの条件で、脱溶媒された後、分子蒸留に付されることが好ましい。また、式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、活性炭、キレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着剤を用いた吸着処理に付した後、分子蒸留に付すのも好ましい。
なお、本明細書では上記の発明のほか、下記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)又は(1e)
【化3】
Figure 0005220253
[式(1a)中、R a は水素原子又はメチル基を示し、Xは水素原子、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示す。式(1b)〜(1e)中、環に結合しているメチル基の個数nは0〜5の整数である]
で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、それぞれ対応する下記式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)又は(2e)
【化4】
Figure 0005220253
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示す。R a 、nは前記に同じ]
で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、前記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)又は(1e)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を分子蒸留に付して、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる工程を含む環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法についても説明する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法は、前記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)又は(1e)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を分子蒸留に付して、前記アルコールに対応する式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)又は(2e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる工程を少なくとも含んでいる。
反応原料として用いられる式(1a)で表される1−アダマンタノール類において、2つのRaは、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。Xは水素原子、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基である。
式(1a)で表される代表的な1−アダマンタノール類として、例えば、1−アダマンタノール、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、1,3−アダマンタンジオール、5,7−ジメチル−1,3−アダマンタンジオール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−1−アダマンタノール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジメチル−1−アダマンタノールなどが挙げられる。
式(1a)で表される1−アダマンタノール類は、ヒドロキシル基を有しない又はヒドロキシル基を1個有する対応するアダマンタン類を、N−ヒドロキシフタルイミドなどのN−ヒドロキシイミド系触媒と、必要に応じて、バナジウム化合物(例えば、バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチルアセトナトなど)、コバルト化合物(例えば、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトナトなど)等の金属化合物助触媒の存在下、酸素で酸化して、アダマンタン環の橋頭位にヒドロキシル基を導入することにより得ることができる。この方法において、N−ヒドロキシイミド系触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.000001〜0.5モル、好ましくは0.00001〜0.3モル程度である。また、金属化合物助触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.0001〜0.5モル、好ましくは0.0005〜0.1モル程度である。酸化反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等の有機溶媒中、常圧又は加圧下[例えば5〜40atm(0.505〜4.04MPa)程度]、例えば40〜150℃、好ましくは60〜120℃程度の温度で行われる。
なお、前記1−アダマンタノール類は、アダマンタン類を臭素によりブロム化した後、塩酸で処理してアダマンタンモノオールとしたり、該アダマンタンモノオールを硫酸と反応させてアダマンタンジオールとする方法により得ることもできる(特公平7−61980号公報)。しかし、レジスト用ポリマーとして用いる際に問題となるハロゲンを用いることがなく、しかも温和な条件で簡易に製造できる点などから、上記のN−ヒドロキシイミド系触媒を用いる方法が好ましい。
式(1a)で表される1−アダマンタノール類のうち、Xが(メタ)アクリロイルオキシ基である化合物は、後述のエステル化法に準じて、Xがヒドロキシル基である化合物を(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体と反応させることにより得られる。
前記式(1b)で表されるアダマンタンメタノール類において、環に結合しているメチル基の数は0〜3程度である。メチル基は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
式(1b)で表されるアダマンタンメタノール類の代表的な例として、例えば、α,α−ジメチル−1−アダマンタンメタノール、α,α,3−トリメチル−1−アダマンタンメタノール、α,α,3,5−テトラメチル−1−アダマンタンメタノールなどが挙げられる。
式(1b)で表されるアダマンタンメタノール類は、例えば、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン化合物に、(a)ビアセチル、(b)酸素、及び(c)金属化合物とで構成されるアシル化剤を作用させて、対応するアセチルアダマンタン誘導体を得、このアセチルアダマンタン誘導体にメチルマグネシウムハライド(グリニヤール試薬)を反応させることにより得ることができる。
金属化合物(c)としては、例えば、コバルトアセチルアセトナト等のコバルト化合物などが好ましく用いられる。ビアセチル(a)の使用量は、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン化合物1モルに対して1モル以上(例えば1〜50モル)、好ましくは1.5〜20モル程度である。酸素は前記アダマンタン化合物に対して過剰量用いる場合が多い。金属化合物(c)の使用量は、前記アダマンタン化合物1モルに対して、例えば0.00001〜1モル、好ましくは0.0001〜0.7モル程度である。アシル化反応は、例えば酢酸などの適当な溶媒中、40〜150℃程度の温度で行われる。また、アセチルアダマンタン誘導体とメチルマグネシウムハライドとの反応は、一般的なグリニヤール反応の条件で行うことができる。
前記式(1c)で表される2−アダマンタノール類において、nは通常0〜3程度、好ましくは0〜2程度である。n個のメチル基は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
式(1c)で表される2−アダマンタノール類の代表的な例として、例えば、2−メチル−2−アダマンタノール、2,5−ジメチル−2−アダマンタノール、2,5,7−トリメチル−2−アダマンタノールなどが挙げられる。
式(1c)で表される2−アダマンタノール類は、例えば、2−アダマンタノン誘導体にメチルマグネシウムハライド(グリニヤール試薬)を反応させることにより得ることができる。この反応は一般的なグリニヤール反応に準じて行うことができる。
前記式(1d)で表されるβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類において、nは通常0〜5程度、好ましくは0〜3程度である。
式(1d)で表されるβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類の代表的な例として、β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記式(1e)で表されるα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類において、nは通常0〜5程度、好ましくは0〜3程度である。
式(1e)で表されるα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類の代表的な例として、例えば、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
本発明における前記(メタ)アクリル酸の反応性誘導体としては、アルコールと反応して対応するエステルを生成可能な誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸ハライド;無水(メタ)アクリル酸などの酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルなどの(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アルキルエステル、アルケニルエステルなど)などが挙げられる。
前記アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸との反応(エステル化)は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル;及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒としては、副生する水と共沸し且つ水と分液可能な溶媒(共沸脱水可能な溶媒)、例えばトルエンなどが好ましい。
エステル化反応に用いる触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、ヘテロポリ酸(例えば、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等)などの無機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、スルホン酸系強酸性イオン交換樹脂などのスルホン酸類などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
また、反応中の重合を防止するため、メトキノン、ヒドロキノンなどの重合禁止剤を系内に添加したり、系内に酸素を供給するのが好ましい。酸素は窒素などの不活性ガスで希釈して使用することもできる。
上記アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応は、常圧又は減圧下、例えば50〜150℃程度の温度で行われる。(メタ)アクリル酸の使用量は、エステル化すべきヒドロキシル基1モルに対して1モル以上であればよいが、1.1モル以上(例えば1.1〜10モル)使用する場合が多い。原料の転化率を高めるため、反応は、副生する水を系外に留去させながら行うのが好ましい。
一方、アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸の反応性誘導体との反応は、該反応性誘導体の種類に応じて、塩基やエステル交換触媒の存在下で行うことができる。例えば、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ハライドや酸無水物を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基(酸捕捉剤)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜100℃程度の温度下で反応が行われる。また、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合には、慣用のエステル交換触媒、又は該反応性誘導体として(メタ)アクリル酸アルケニルを使用する場合には、特に周期表第3族元素化合物触媒(例えば、酢酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、サマリウム錯体などのサマリウム化合物等)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜150℃程度の温度下で反応が行われる。
上記アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応により、それぞれ対応する式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)又は(2e)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが生成する。式(2a)において、Yは水素原子、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示す。Yがヒドロキシル基である化合物(モノエステル体)又は(メタ)アクリロイルオキシ基である化合物(ジエステル体)は、式(1a)においてXがヒドロキシル基である化合物(ジオール体)を(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体と反応させることにより生成する。(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体の使用量、反応温度、反応時間などを適宜調整することにより、前記モノエステル体又はジエステル体を選択的に得ることができる。また、前記ジエステル体は、式(1a)で表されるアダマンタノール類のうちXが(メタ)アクリロイルオキシ基である化合物と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを反応させることにより得ることもできる。なお、アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと反応させる成分としては、レジスト用樹脂等として用いた場合に性能を低下させるハロゲンが反応生成物中に含まれないことから(メタ)アクリル酸などが好ましい。
前記式(2a)で表される1−アダマンチル(メタ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、1−アクリロイルオキシアダマンタン、1−メタクリロイルオキシアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1,3−ビスアクリロイルオキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1,3−ビスメタクリロイルオキシ−5,7−ジメチルアダマンタンなどが挙げられる。これらの化合物は常温で液体である。
前記式(2b)で表されるアダマンチルメチル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルアダマンタン、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3,5−ジメチルアダマンタン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルアダマンタン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3,5−ジメチルアダマンタンなどが挙げられる。
前記式(2c)で表される2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、2−アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−アクリロイルオキシ−2,5−ジメチルアダマンタン、2−アクリロイルオキシ−2,5,7−トリメチルアダマンタン、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−メタクリロイルオキシ−2,5−ジメチルアダマンタン、2−メタクリロイルオキシ−2,5,7−トリメチルアダマンタンなどが挙げられる。
前記式(2d)で表されるγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、β−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
式(2e)で表されるγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、α−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
[洗浄工程(A)]
こうして得られる反応生成物(反応混合液)は、そのまま分子蒸留工程に供してもよいが、その前に、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液から選択された少なくとも1種の洗浄液で洗浄する洗浄工程に供するのが好ましい。この洗浄処理により、反応混合液中に含まれている未反応原料[アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコール、(メタ)アクリル酸]や触媒、その他の水溶性不純物を効率よく除去できる。
前記アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩などの水溶液が例示される。好ましいアルカリ水溶液には、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩の水溶液などが含まれる。
前記塩水溶液としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン化物若しくは硫酸塩の水溶液などが挙げられる。
洗浄は、水、アルカリ水溶液、塩水溶液のうち何れか1種の洗浄液を用いて行ってもよいが、少なくとも2種の洗浄液を組み合わせて行うのが好ましい。洗浄回数は、各洗浄液につき、1回でもよく複数回でもよい。洗浄液の使用量は、洗浄処理1回当たり、被洗浄液100重量部に対して、例えば10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部程度である。洗浄する際の温度は、例えば10〜50℃程度である。洗浄する際の温度が高すぎると、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。
洗浄工程においては、分液性を向上させるため、被洗浄液にヘキサン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素やトルエン等の芳香族炭化水素を添加してもよい。
洗浄は、回分式、連続式、多段式等の公知乃至慣用の方法により行うことができる。洗浄後の水層から(メタ)アクリル酸などの未反応原料を回収して再利用することもできる。
[吸着処理工程(B)]
アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物は、前記洗浄工程(A)を経た後、又は前記洗浄工程を経ることなく、吸着処理工程(B)に供してもよい。吸着処理工程(B)では、反応混合液又は前記で得られた洗浄処理液などを、必要に応じて溶媒置換(交換)した後、吸着処理する。吸着処理法としては、反応生成物中の不純物を除去できる処理法であれば特に限定されないが、活性炭、キレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着材を用いた処理法が好ましい。吸着処理は、2以上の処理法を組み合わせて行ってもよい。
溶媒置換は、例えば、反応混合液や洗浄工程(A)で得られた洗浄処理液中の反応溶媒を留去し、吸着処理に用いる溶媒を添加することにより行うことができる。反応溶媒の留去は、該溶媒の種類によっても異なるが、例えば、5〜100mmHg(665〜13300Pa)程度の圧力、10〜50℃程度の温度で行われる。温度が高すぎるとアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れが生じる。なお、溶媒置換において、反応溶媒は必ずしも完全に留去する必要はなく、例えば4〜15倍程度に濃縮するだけでもよい。留去した反応溶媒は再利用できる。
活性炭処理に用いる活性炭としては、特に限定されず、ガス賦活活性炭及び薬品賦活活性炭の何れも使用できる。活性炭の起源も特に限定されず、木材、鋸屑、果実殻、果実殻炭などの植物系原料から得られた活性炭;泥炭、亜炭、褐炭、コークス、石炭ピッチ、石油ピッチなどの鉱物系原料から得られた活性炭;フェノール樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂原料から得られた活性炭の何れをも使用できる。活性炭の形状も特に限定されず、粉末状、粒状、繊維状等の何れであってもよい。また、活性炭の比表面積は、例えば10〜3000m2/g程度である。
活性炭処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノールなどのアルコールなどが好ましい。活性炭処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。なお、活性炭処理溶媒としてメタノール等のアルコールを用いる場合のアルコールの使用量は、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、例えば200〜1000重量部程度である。活性炭の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば、被処理液中に含まれる環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、5〜1000重量部、好ましくは10〜100重量部程度である。
活性炭処理における処理温度は、例えば10〜50℃程度である。処理温度が高すぎると、アダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。活性炭処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。活性炭処理により、主に着色成分を効率よく除去することができ、色相に優れた環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを簡易に得ることができる。
前記キレート樹脂処理に用いられるキレート樹脂としては、金属とキレートを形成可能な官能基を有する樹脂であれば特に限定されないが、その代表的な例として、イミノジ酢酸型、ポリアミン型等のキレート樹脂が挙げられる。キレート樹脂の交換容量としては特に制限はないが、例えば0.1〜2モル/l程度のものが使用される。
キレート樹脂処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノールなどのアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどが好ましい。キレート樹脂処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート樹脂の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば、被処理液中に含まれる金属1モルに対して、交換基として1000モル〜100000モル程度である。
キレート樹脂処理における処理温度は、例えば10〜50℃程度である。 処理温度が高すぎると、アダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。キレート樹脂処理は、パッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。キレート樹脂処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よく除去することができる。
前記キレート繊維処理に用いられるキレート繊維としては、天然繊維に化学結合でキレート官能基を固定化させたものであれば特に限定されないが、その代表的な例としてセルロースを基材としたキレート繊維(商品名「キレストファイバー」、キレスト株式会社製等)などが挙げられる。
キレート繊維処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;トルエン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル類などが好ましい。キレート繊維処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート繊維の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択できる。
キレート繊維処理における処理温度は、例えば10〜50℃程度である。処理温度が高すぎると、アダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。キレート繊維処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。キレート繊維処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よく除去することができる。
前記ゼータ電位膜処理は、被処理液をしてゼータ電位膜を通過させることにより行われる。ゼータ電位膜処理に用いられるゼータ電位膜としては、ゼータ電位に基づいて微細粒子を吸着可能な濾過膜であれば特に限定されず、例えば、キュノ(株)製、商品名「ゼータプラス」などを使用できる。ゼータ電位膜の材質として、例えば、樹脂、セルロース、パーライト、ケイソウ土、ガラス繊維などが挙げられる。
ゼータ電位膜処理に付す被処理液の溶媒としては、特に限定されないが、代表的な例として、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが例示される。ゼータ電位膜処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%程度である。
被処理液の処理量は、ゼータ電位膜1m2当たり、例えば1〜30kg程度である。また、処理速度は、例えば0.02〜2m3/m2/時程度である。
ゼータ電位膜処理における処理温度は、例えば10〜50℃程度である。処理温度が高すぎると、アダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。ゼータ電位膜処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よく除去できる。
[分子蒸留工程(C)]
アダマンタノール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物は、前記洗浄工程(A)及び/又は吸着処理工程(B)を経た後、又は前記工程を経ることなく、通常、脱溶媒された後、分子蒸留工程(C)に供される。
脱溶媒は、溶媒の種類によっても異なるが、例えば、温度10〜100℃(好ましくは10〜50℃)、圧力5〜300mmHg(665〜39900Pa)[好ましくは5〜100mmHg(665〜13300Pa)]の条件で行われる。
分子蒸留工程(C)では、分子蒸留によりアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる。分子蒸留は慣用の分子蒸留装置、例えば、ポット式分子蒸留装置、流下膜式分子蒸留装置、遠心式分子蒸留装置などを用いて行うことができる。これらの中でも、極めて薄い液膜の形成が可能であり、しかも試料を瞬時に加熱蒸発できることから、遠心式分子蒸留装置が特に好ましい。
分子蒸留における操作条件は、目的のアダマンチル(メタ)アクリレート類の品質を損なわない範囲で適宜選択できる。温度は、例えば10〜100℃程度、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは10〜65℃程度であり、特に10〜50℃程度が好ましい。圧力は、例えば0.0001〜0.5mmHg(0.0133〜66.5Pa)、好ましくは0.0001〜0.2mmHg(0.0133〜26.6Pa)、さらに好ましくは0.0001〜0.1mmHg(0.0133〜13.3Pa)程度であり、特に0.001〜0.05mmHg(0.133〜6.65Pa)程度が好ましい。
操作温度が高すぎると、アダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合して、精製収率が低下するとともに、製品が着色したり、純度が低下しやすくなる。そのため、本発明は、常温で液体であるか、又は融点が100℃以下、特に50℃以下の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルアダマンチル(メタ)アクリレート類の製造に有用である。
前記分子蒸留により、反応で生成した副生物等を効率よく除去でき、着色度の小さい高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
図1は本発明の製造法の一例を示す製造工程図である。この例では、原料である環式骨格を有するアルコール(アダマンタノール類など)と、(メタ)アクリル酸、反応溶媒、触媒(酸触媒)、及び必要に応じて重合禁止剤が反応器1に供給される(反応工程)。また、重合を抑制するため、反応器1の液中に、窒素で希釈された空気を供給してバブリングさせてもよい。反応速度を速くするため、副生する水を留去しつつ反応を行うのが好ましい。
反応混合液は反応器1から洗浄槽2に移され、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液のうち少なくとも1種の洗浄液で洗浄される(洗浄工程)。洗浄後の有機層には、通常、反応で生成した環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(アダマンチル(メタ)アクリレート類など)及び反応溶媒が含まれている。一方、洗浄後の水層には、未反応原料及び触媒が含まれている。未反応原料は、慣用の方法で回収し、再利用できる。
洗浄後の有機層は蒸発器3に供給され、反応溶媒などが留去される(脱溶媒工程)。濃縮液は、分子蒸留装置4に供給され、低沸点成分のカット後、塔頂より目的の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(アダマンチル(メタ)アクリレート類など)が得られる(分子蒸留工程など)。重合禁止剤などの高沸点成分は塔底から排出される。
産業上の利用可能性
本発明によれば、色相に優れ、不純物含量の少ない高品質の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(アダマンチル(メタ)アクリレート類など)を効率よく製造できる。また、常温で液体である環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(アダマンチル(メタ)アクリレート類など)を高い純度で効率よく得ることができる。
実施例
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例1、2、3、5は、参考例として記載するものである。
実施例1
図1の製造工程図に従って1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンを製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール1200g、メタクリル酸1147g、硫酸20.2g、メトキノン1.2g及びトルエン5211gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを3l/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみを反応器に戻しながら、約7.5時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンが1400g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えたガラス製洗浄槽2に移し、ヘキサンを8000g加えた後、温度40℃の条件下、3000gの10重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、3000gの水で3回の計5回バッチ洗浄した。この洗浄操作により、未反応の3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、メタクリル酸及び硫酸が除去され、有機層として、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンのトルエン−ヘキサン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、35℃]、1091gの濃縮液を得た。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.02mmHg(2.66Pa)、温度40℃の条件で分子蒸留し、1004gの1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン(純度98.1%)を得た。
実施例2
図1の製造工程図に従って1−メタクリロイルオキシアダマンタン(=1−アダマンチルメタクリレート)を製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、1−アダマンタノール1100g、メタクリル酸1245g、硫酸21.2g、メトキノン1.1g及びトルエン4774gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを3l/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみを反応器に戻しながら、約6時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1−メタクリロイルオキシアダマンタンが1337g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えたガラス製洗浄槽2に移し、トルエンを4774g加えた後、温度40℃の条件下、5500gの水で2回、3300gの10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。この洗浄操作により、未反応の1−アダマンタノール、メタクリル酸及び硫酸が除去され、有機層として、1−メタクリロイルオキシアダマンタンのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、35℃]、2968gの濃縮液を得た。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて脱溶剤した後、再度ガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)に供給して、圧力0.03mmHg(3.99Pa)、温度40℃の条件で分子蒸留し、984gの1−メタクリロイルオキシアダマンタン(純度98.0%)を得た。
実施例3
図1の製造工程図に従ってアクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル[=1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン]を製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、2−(アダマンタン−1−イル)−1−プロパン−2−オール(=α,α−ジメチルアダマンタンメタノール)600.4g、テトラヒドロフラン4000g及びトリエチルアミン1093gを入れ、窒素雰囲気下、アクリル酸クロライド364gを1時間で滴下した。48時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を50〜55℃にコントロールした。反応液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルが499g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、水で1回、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回、さらに10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して60重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の2−(アダマンタン−1−イル)−1−プロパン−2−オール、アクリル酸クロライドが除去され、有機層として、アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルのテトラヒドロフラン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、60℃]、1491gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、メタノール3973gを加え、重合物を析出させた。このスラリーを濾別し、さらに濃縮を行い[200mmHg(26658Pa)、60℃]、799gの濃縮液を得た。
この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.007mmHg(0.93Pa)、温度58℃の条件で分子蒸留し、452gのアクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル(純度95.0%)を得た。
実施例4
図1の製造工程図に従ってメタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(=β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン)を製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、4−ヒドロキシジヒドロフラン−2−オン(=β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン)400.2g、フェノチアジン0.405g、トリエチルアミン496g及びN,N−ジメチルホルムアミド4384.9gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド496gとN,N−ジメチルホルムアミド1964gの混合液を2時間で滴下した。1時間熟成後、反応終了とした。この間、液の温度を−32℃以下にコントロールした。
得られた反応液に水1600gを加え、酸クロライドをクエンチし、更にトルエンを5133g添加した。この液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、水で3回洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。このクエンチ及び洗浄操作により、未反応の4−ヒドロキシジヒドロフラン−2−オン、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルのN,N−ジメチルホルムアミド/トルエン溶液が得られた。この液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエ ステルが254.4g生成していた。
この液を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、60℃]、発生したスラリーを濾別した。濾別後、トルエン868gでリンスして、得られた濾液をさらに濃縮し、899gの粗濃縮液を得た。
得られた粗濃縮液をさらにWFE(Wiped Film Evapolator)により濃縮を行い[200mmHg(26658Pa)、60℃]、572gの濃縮液を得た。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.34mmHg(45.3Pa)、温度90℃の条件で分子蒸留し、133.1gのメタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(純度98.6%)を得た。
実施例5
図1の製造工程図に従ってメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル(=2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン)を製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、2−メチルアダマンタン−2−オール(=2−メチル−2−アダマンタノール)513.3g、トルエン3764g及びトリエチルアミン1093.2gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド420gと144gの混合液を1時間で滴下した。48時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を55℃以下にコントロールした。反応液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルが734.1g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、水で1回、さらに15重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、また10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計4回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の2−メチルアダマンタン−2−オール、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、80℃]、954gの濃縮液を得た。
この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.15mmHg(20Pa)、温度72℃の条件で分子蒸留し、491.9gのメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル(純度98.2%)を得た。
実施例6
図1の製造工程図に従ってメタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(=α−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン)を製造した。
内容積10Lのガラス製反応器1に、3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒドロフラン−2−オン(=α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン)510g、トルエン4325g及びトリエチルアミン525gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド528gとトルエン1821gの混合液を1時間で滴下した。1時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を20〜30℃以下にコントロールした。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルが734g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、水で1回、さらに10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回、また10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒドロフラン−2−オン、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーター3を用いて濃縮[45mmHg(5998Pa)、50℃]した。引き続き濃縮液を缶容量10Lのガラス製の遠心式分子蒸留装置4(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.03mmHg(4.0Pa)、温度60℃の条件でバッチ蒸留し、409.5gのメタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(純度95.2%)を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法の一例を示す製造工程図である。

Claims (6)

  1. 下記式(1d)又は(1e´
    【化1】
    Figure 0005220253
    [式(1d)中、環に結合しているメチル基の個数nは0〜5の整数であり、式(1e´)中、環に結合しているメチル基の個数nは2〜5の整数である]
    で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、それぞれ対応する下記式(2d)又は(2e´
    【化2】
    Figure 0005220253
    [式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。nは前記に同じ]
    で表されるレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、前記式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、圧力0.0001〜0.5mmHg(0.0133〜68Pa)、温度10〜100℃の条件で分子蒸留に付して、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる工程を含むレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  2. 式(1d)において、nが0である請求の範囲第1項記載のレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  3. 式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液から選択された少なくとも1種の洗浄液で洗浄した後、分子蒸留に付す請求の範囲第1項又は第2項記載のレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  4. 洗浄液の使用量が、洗浄処理1回当たり、被洗浄液100重量部に対して、10〜200重量部である請求の範囲第3項記載のレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  5. 洗浄液で洗浄した後、温度10〜100℃、圧力5〜300mmHgの条件で、脱溶媒
    された後、分子蒸留に付す請求の範囲第3項又は第4項記載のレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  6. 式(1d)又は(1e´)で表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、活性炭、キレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着剤を用いた吸着処理に付した後、分子蒸留に付す請求の範囲第1項又は第2項記載のレジスト樹脂モノマー用環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
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