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JP5222066B2 - 内径測定装置 - Google Patents
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Description

本発明は、内輪等のワークに設けた凹部の内径を測定する内径測定装置に関する。
図4には、一般的な円錐ころ軸受け1の構成を示している。円錐ころ軸受け1は、円環状を成す内輪2と、内輪2外周の軌道面に転動自在に配されるころ部材3と、ころ部材3を介して内輪2が回動自在に嵌合する円環状の外輪4とで、主体を形成している。
内輪2の中央には断面円形状の貫通孔5が設けてあり、この貫通孔5の内径については、従来から内輪2の製造ライン上において全数検査することが行われている。ここでの内径測定には、例えば特許文献1に記載されているような空気マイクロメータを用いた内径測定装置が好適に用いられる。この内径測定装置によれば、内輪2に設けてある貫通孔5内に、僅かな隙間を介して空気マイクロメータの測定ヘッドを挿入し、挿入位置において測定ヘッドのノズル口から側方に空気を噴出してその背圧等を検知することにより、貫通孔の内径が測定される。
このように、製造ライン上での全数検査という形で内径を測定する場合、内輪2等の大量生産されるワーク7を次々と測定する必要があるため、測定するたびに空気マイクロメータの校正作業を行うことは困難である。したがって、環境温度等に変化が生じた場合には、精密な測定結果を得ることができない場合があるという問題があった。
特開2001−108428号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、製造ライン上での全数検査という形で内径を測定する場合であっても、測定のたびに校正作業を行って精密な測定結果を得ることのできる内径測定装置を提供することを、課題とする。
上記課題を解決するために本発明を、測定対象である凹部8を有するワーク7が配置されるテーブル9と、テーブル9に配置してあるワーク7の凹部8内に挿入される空気マイクロメータの測定ヘッド6と、テーブル9に配置してあるワーク7の上方に位置する基準器10とを具備した内径測定装置とする。基準器10は校正用の貫通孔18を有するものであり、空気噴出用のノズル口16を有する測定ヘッド6は、基準器10の貫通孔18内にノズル口16を位置させる上方の校正位置と、ワーク7の凹部8内にノズル口16を位置させる下方の測定位置との間で往復駆動されるものである。
上記構成の内径測定装置によれば、製造ライン上で大量生産されるワーク7を全数検査する場合であっても、ワーク7を測定するたびに、上方に位置させた基準器10を用いて空気マイクロメータの校正作業を行うことができる。したがって、環境温度等に変化が生じた場合であっても全てのワーク7に対して精密な測定結果を得ることができる。
また、上記構成の内径測定装置にあっては、測定時に基準器10を降下させてワーク7の上面に乗せる上下駆動機構11と、測定時にテーブル9と測定ヘッド6を相対的に回転させる回転駆動機構12とを具備することが好適である。このようにすることで、ワーク7に設けた凹部8の内径を測定するとともに、凹部8の内径面の真円度についても測定することができる。しかも、ワーク7が軽量のものであっても、測定時には基準器10の重量をワーク7に付加してテーブル9との間の摩擦抵抗を大幅に増大させるので、回転時にワーク7がテーブル9上で不意に動くことは防止される。したがって、ワーク7が軽量であっても、ワーク7をテーブル9に固定するための特別な機構や手間を要することなく、基準器10を利用して速やかに且つ低コストで真円度を測定することができる。
また、測定ヘッド6が挿入される凹部8は、ワーク7に形成してある断面円形状の貫通孔5であることが好適である。このようにすることで、ワーク7をテーブル9上の所定箇所に順次セットしていけば、上方に位置させた基準器10によって校正作業を行った空気マイクロメータの測定ヘッド6を用いて、ワーク7に形成した断面円形状の貫通孔5の内径を速やかに測定していくことができる。したがって、製造ライン上での全数検査という形で内径を測定する場合であっても、全てのワーク7に対して、環境温度等の変化に影響されることなく精密な測定結果を得ることが可能となる。
本発明は、製造ライン上での全数検査という形で内径を測定する場合であっても、測定のたびに校正作業を行うことにより、環境温度等の変化に影響されることなく精密な測定結果を得ることができるという効果を奏する。
本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1、図2には、本発明の実施形態における一例の内径測定装置を概略的に示している。図1は測定作業時、図2は校正作業時である。
本例の内径測定装置は、円錐ころ軸受け1を成す内輪2に設けた貫通孔5の内径を測定するものである。この内径測定装置の構造は、空気マイクロメータの測定ヘッド6を貫通孔5内に挿入した状態で、測定ヘッド6から側方に空気を噴出させることで、検知される背圧等を基にして貫通孔5の内径を測定する構造である。また、測定ヘッド6から側方に空気を噴出させると同時に、測定ヘッド6と内輪2を相対的に回転させることで、貫通孔5の内径面の真円度についても測定可能になっている。
なお、本例では、上記のように円錐ころ軸受け1の内輪2を測定対象のワーク7とし、該内輪2の貫通孔5の内径や真円度を測定するようになっているが、該内輪2の貫通孔5以外の内径や真円度を測定することも可能である。つまり、内輪2に設けた貫通孔5に限らず、ワーク7に貫通又は凹ませて形成してある凹部8の内径や真円度であれば、本発明の内径測定装置を用いて測定可能である。
本例の内径測定装置は、貫通孔5の開口部分が上方を向くようにして内輪2を所定位置に配置させるテーブル9と、テーブル9の上面13に配置してある内輪2の貫通孔5に対して該貫通孔5の上端開口から挿入される空気マイクロメータの測定ヘッド6と、テーブル9に配置された内輪2の上方に保持されるリング状の基準器10と、基準器10を上下動させる上下駆動機構11と、真円度を測定するに際してテーブル9を回転駆動させる回転駆動機構12とを具備している。
以下、各構成について更に詳述する。テーブル9はその上面13を水平に形成したものであって、該上面13のうち少なくとも内輪2を配置する所定箇所に、粗いローレット加工を施してある。上記ローレット加工を施すことにより、前工程にて内輪2に付着した研磨油を逃がすための微細溝14が、上面13に多数凹設されている(図1(b)参照)。
測定ヘッド6は円柱状を成しており、その外周面15の下端近傍には、空気噴出用のノズル口16を周方向に180度ずれた箇所に一対開口させている。測定ヘッド6の内部には給気路17を貫通形成しており、該給気路17の上流端を、空気マイクロメータの空気ポンプ(図示は省略)に接続させている。給気路17は、その流路途中に設けた分岐箇所よりも下流側を、互いに逆方向にむけて二手に分岐させており、分岐したそれぞれの下流端にノズル口16を形成している。測定ヘッド6は支持機構25によって支持されるとともに、図1に示す測定位置と図2に示す校正位置との間の所定範囲内で、上下方向に往復駆動されるようになっている。
基準器10は、その中央に貫通孔18を有するリング状の部材である。貫通孔18の内径面は、内輪2の貫通孔5の内径面の基準寸法となるように、精密に寸法形成してある。また、図1に示すように内輪2の上面に基準器10を乗せたときには、内輪2の貫通孔5と基準器10の貫通孔18とが、上下一直線状に連通するように設けている。測定ヘッド6は、上方に位置する基準器10の貫通孔18を通じて、下方に位置する内輪2の貫通孔5内へと挿入される。基準器10の外周面下部には、該基準器10を持ち上げる際に用いる係止溝19を、全周に亘って凹設している。
上下駆動機構11は、基準器10を引掛けて水平姿勢を保持したまま該基準器10を上下動させるリフト機構20から成る。リフト機構20は、下端が開口した円筒状のリフト部材21を上下動自在に備え、該リフト部材21内に基準器10を収納した構造である。リフト部材21の下端開口縁からは、凸リブ状のフック22を内方に延設しており、基準器10に凹設した係止溝19が、該フック22によって下方から引掛け係止されるようになっている。
リフト部材21が上下動する所定範囲の上端位置において(図2参照)、基準器10は、内輪2に対してその上方に浮いた状態となってリフト部材21に支持される。また、リフト部材21が上下動する所定範囲の下端位置において(図1参照)、基準器10は内輪2の上面に乗せられ、内輪2に対して該基準器10の重量全体をかけるように配置される。
上記構成から成る本例の内径測定装置を用いて、内輪2の貫通孔5の内径や真円度を測定するにあたっては、まずテーブル9の上面13の所定位置に、貫通孔5が上下方向に貫通した姿勢となるように内輪2を配置する。このとき、測定ヘッド6は貫通孔5の上方の校正位置にて待機させておく。また、基準器10についても、リフト部材21により引っ掛けて持ち上げた状態で内輪2の上方に待機させておく(図2参照)。この待機状態において、校正位置にある測定ヘッド6の下端部は基準器10の貫通孔18内に位置し、測定ヘッド6の一対のノズル口16は、貫通孔18の内周面と対向するように位置する。
ここで、基準器10に設けてある貫通孔18を利用して、空気マイクロメータの校正を行う。具体的には、校正位置にある測定ヘッド6において、基準器10の貫通孔18の内径面と対向する一対のノズル口16から空気を噴出させて該貫通孔18の内径を測定し、この測定結果を基にして空気マイクロメータの校正を行う。
次いで、校正作業の完了した測定ヘッド6を降下させるとともに、リフト部材21と共に基準器10を降下させていき、図1に示す測定状態に移行する。この測定状態において、測定位置にある測定ヘッド6は内輪2の貫通孔5内に先端側から挿入され、測定ヘッド6の一対のノズル口16は貫通孔5の内径面と対向して位置することになる。また、基準器10は、リフト部材21から離間したうえで内輪2の上面に乗せ置かれる。
上記測定状態にセットしたうえで、空気マイクロメータの空気ポンプから給気路17内に空気を送り込み、一対のノズル口16から貫通孔5の内径面に向けて空気を噴出させるとともに、テーブル9を鉛直軸A中心に回転駆動させる。なお、テーブル9の回転中心軸となる鉛直軸Aは、内輪2の貫通孔5の中心軸と一致し、且つ、測定ヘッド6の中心軸と一致するように設けている。
ここで、仮に、基準器10を乗せない状態のまま貫通孔5内に測定ヘッド6を挿入し、テーブル9を回転させた場合には、軽量である内輪2が不意に動きやすくなり、内輪2をテーブル9と同期して回転させることが困難となる。これは、貫通孔5と測定ヘッド6との間には僅かな隙間(例えば0.03mm)しか存在しないため、内輪2が回転の影響を受けてしまうからである。
これに対して、上記のように測定時には内輪2の上に基準器10を乗せることで、内輪2とテーブル9との間の摩擦抵抗を大幅に増大させ、内輪2をテーブル9上に確実に保持したまま一体に回転させることが可能となる。そして、テーブル9と共に内輪2を180度回転させながら、空気マイクロメータにて背圧を測定することにより、貫通孔5の内径とともにその内径面の真円度を測定することができる。
つまり、測定時に基準器10を乗せるという手段を採用することによって、内輪2のような軽量のワーク7であっても、測定のたびにテーブル9上に固定するといった手間や特別な機構を要することなく、確実に且つ速やかに真円度を測定することが可能となる。したがって、本例の内径測定装置によれば、内輪2の貫通孔5の真円度測定についても、製造ライン上での全数検査という形で実施することが可能となる。
換言すれば、本例の基準器10は、空気マイクロメータの基準器10としての機能に加え、測定時において軽量の内輪2に重量を付加する重り部23としての機能を併せ持つものである。
ところで図1等に示すように、測定ヘッド6の外周面15の直径については、内径や真円度を測定するときに基準器10の貫通孔18内に位置する部分の直径を、他の部分(特にノズル口16を開口させている下端部分)の直径よりも、僅かに小さく設けている。このように設けることで、テーブル9と同期して内輪2や基準器10を回転させる際に、基準器10の貫通孔18の内径面に測定ヘッド6に当たって磨耗することを防止している。
測定が完了すると、再び基準器10を引っ掛けて上方の校正位置にまで持ち上げておき、図2に示す状態において、測定完了後の内輪2を次回測定予定の内輪2と交換する。そして、内輪2の交換時間を利用して、再び基準器10による空気マイクロメータの校正作業を行う。したがって、一つの内輪2を測定する直前には必ずマイクロメータの校正作業を行うことができ、大量の内輪2を次々と測定する場合であっても、その内径や真円度を、環境温度等の変化に影響されることなく精密に測定することが可能となる。
図3には、本例の内径測定装置を用いた内径・真円度測定工程を、内輪2の製造ライン中に組み入れた例を示している。図示例では、素材投入、端面研磨、軌道面研磨、ころ端面との接触面研磨、内径面研磨の各工程をこの順に実施した後に、本例の内径測定装置を用いた内径・真円度測定工程を実施し、その後に、軌道面超仕上げ工程、組立工程を順に実施する。
内径・真円度測定工程においては、内径面研磨後の内輪2を内径測定装置のテーブル9上に順次搬していき、基準器10によって空気マイクロメータに校正作業を施した後に、搬送された内輪2の上面に基準器10を乗せ、貫通孔5内に測定ヘッド6を挿入した状態でテーブル9を回転させることで、内径および真円度測定を行う。なお、直前の軌道面、内径面研磨工程において内輪2の表面には研磨油が付着しているが、既述のとおりテーブル9の上面13には多数の微細溝14を施してあるので、この微細溝14を通じて研磨油が逃げることによって、油膜による内輪2の滑りは防止される。
そして、空気マイクロメータで測定される貫通孔5の内径および真円度が共に適正範囲内にある場合には、そのまま次の軌道面超仕上げ工程にまでその内輪2を搬送する。一方、貫通孔5の内径および真円度の少なくとも一方が適正範囲外となる場合には、その内輪2を次工程にまで搬送することなく製造ラインから排除する。
なお、図1、図2に示す内輪2は鍔部分を有さない形態となっているが、鍔部分を有する形態の内輪2を製造する場合にあっては、図3に示す軌道面研磨工程と内径面研磨工程との間に、更に鍔面研磨工程を組み入れる。
このように、本例の内径測定装置によれば、製造ライン上での全数検査という形で、内輪2の貫通孔5の内径検査や真円度検査を、精密に且つ速やかに行うことができる。しかも、このような測定を実現するために複雑な構造は必要でないため、上記全数検査が低コストで実施可能となる。
本例では、回転駆動機構12として測定時にテーブル9のみを回転させる機構を採用し、更なる低コスト化を実現しているが、他の機構を用いてもよい。つまり、測定時にテーブル9と測定ヘッド6が鉛直軸A中心に相対的に回転する機構であればよいので、例えば測定ヘッド6のみを回転させる機構であってもよいし、或いは、テーブル9と測定ヘッド6を共に回転させる機構であってもよい。
本発明の実施形態における一例の内径測定装置の測定状態を示しており、(a)は概略的な側断面図、(b)は(a)のP部拡大図である。 同上の内径測定装置の校正状態を示す概略的な側断面図である。 同上の内径測定装置を用いた内径測定工程を有する、円錐ころ軸受の内輪製造工程のフロー説明図である。 円錐ころ軸受けの説明図である。
符号の説明
1 円錐ころ軸受け
2 内輪
5 貫通孔
6 測定ヘッド
7 ワーク
8 凹部
9 テーブル
10 基準器
11 上下駆動機構
12 回転駆動機構
16 ノズル口
18 貫通孔

Claims (3)

  1. 測定対象である凹部を有するワークが配置されるテーブルと、テーブルに配置してあるワークの凹部内に挿入される空気マイクロメータの測定ヘッドと、テーブルに配置してあるワークの上方に位置する基準器とを具備する内径測定装置であって、該基準器は校正用の貫通孔を有するものであり、空気噴出用のノズル口を有する該測定ヘッドは、基準器の貫通孔内にノズル口を位置させる上方の校正位置と、ワークの凹部内にノズル口を位置させる下方の測定位置との間で往復駆動されるものであることを特徴とする内径測定装置。
  2. 測定時に基準器を降下させてワークの上面に乗せる上下駆動機構と、測定時にテーブルと測定ヘッドを相対的に回転させる回転駆動機構とを具備することを特徴とする請求項1に記載の内径測定装置。
  3. 測定ヘッドが挿入される凹部は、ワークに形成してある断面円形状の貫通孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内径測定装置。
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