JP5222586B2 - 研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法 - Google Patents
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図1に示すように、研磨パッド1は、発泡構造を有するポリウレタン成形体としてのポリウレタンシート2を有している。ポリウレタンシート2は、イソシアネート基含有化合物を主成分としており、研磨加工時に被研磨物の被研磨面(加工面)にスラリ(研磨液)を介して当接する研磨面Pを有している。ポリウレタンシート2は、イソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物と、樹脂製の外殻と該外殻の内部に形成された中空部とを有する球状微粒子(発泡状微粒子)3とを混合した混合液から成形されたポリウレタン成形体にスライス処理やバフ等の表面研削処理を施すことで形成されている。換言すれば、ポリウレタンシート2は、イソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物との反応で形成され、内部に球状微粒子3が分散されている。
研磨パッド1は、2通りの製造方法で製造することができる。すなわち、イソシアネート基含有化合物、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物および球状微粒子3を混合した混合液を型枠に注型し型枠内で硬化させる第1の製造方法、または、イソシアネート基含有化合物、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物、球状微粒子3、および、イソシアネート基含有化合物とポリアミン化合物ないしポリオール化合物との反応生成物を溶解可能な有機溶媒を混合した混合液をシート状の基材上に塗布し加熱しながら脱溶媒させる第2の製造方法で得られたポリウレタンシート2を用い、研磨パッド1を製造することができる。以下、第1の製造方法、第2の製造方法の順に説明する。
第1の製造方法では、研磨パッド1は、図3に示す各工程を経て製造される。すなわち、イソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物と、球状微粒子3とをそれぞれ準備する準備工程(準備ステップ)、イソシアネート基含有化合物、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物および球状微粒子3を混合した混合液を調製する混合工程(成形ステップの一部)、混合液を型枠に注型する注型工程(成形ステップの一部)、型枠内でポリウレタン成形体を形成する硬化成型工程(成形ステップの一部)、ポリウレタン成形体にスライス処理や表面研削処理をしてポリウレタンシート2を形成するシート形成工程、ポリウレタンシート2と両面テープとを貼り合わせるラミネート工程を経て製造される。以下、工程順に説明する。
準備工程では、イソシアネート基含有化合物、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物および球状微粒子3をそれぞれ準備する。準備するイソシアネート基含有化合物としては、分子内に2つ以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物とを反応させることで生成したイソシアネート末端ウレタンプレポリマ(以下、単に、プレポリマと略記する。)が用いられている。ポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させるときに、イソシアネート基のモル量を水酸基のモル量より大きくすることで、プレポリマを得ることができる。また、使用するプレポリマは、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり(プレポリマの硬化反応が速くなり)、却って混合斑が生じて球状微粒子3の分散状態にバラツキが生じる。反対に粘度が低すぎると、混合液中で球状微粒子3が移動してしまい、得られるポリウレタン成形体に略均等に球状微粒子3を分散させることが難しくなる。このため、プレポリマは、温度50〜80℃における粘度を500〜4000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、プレポリマの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。プレポリマは、50〜80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
図3に示すように、混合工程では、準備工程で準備したプレポリマ、鎖伸長剤および球状微粒子3を混合して混合液を調製する。このとき、球状微粒子3は、混合液中での分散状態を均一化するため、予め鎖伸長剤に略均一に混合、分散させておく。注型工程では混合工程で調製された混合液を型枠に注型し、硬化成型工程では型枠内でプレポリマと鎖伸長剤とを反応、硬化させてポリウレタン成形体を成型する。本例では、混合工程、注型工程、硬化成型工程を連続して行う。
図3に示すように、シート形成工程では、硬化成型工程で得られたポリウレタン成形体をシート状にスライスし、必要に応じてバフ等の表面研削処理を施してポリウレタンシート2を形成する。スライスには、一般的なスライス機を使用することができる。スライス時にはポリウレタン成形体の下層部分を保持し、上層部から順に所定厚さにスライスする。スライスする厚さは、本例では、1.3〜2.5mmの範囲に設定されている。本例で用いた厚さが50mmの型枠25で成型したポリウレタン成形体では、例えば、ポリウレタン成形体の上層部および下層部の約10mm分をキズ等の関係から使用せず、中央部の約30mm分から10〜25枚のポリウレタンシート2を形成することができる。ポリウレタンシート2の厚さ精度を向上させるために、更にバフ等の表面研削処理を施すようにしてもよい。バフ処理には一般的なバフ機を使用することができる。硬化成型工程で球状微粒子3が略均一な分散状態で含有されたポリウレタン成形体が得られるため、シート形成工程で複数枚のポリウレタンシート2を形成したときは、表面に形成された開孔4の平均開孔径がいずれも10〜150μmの範囲となる。
ラミネート工程では、シート形成工程で形成されたポリウレタンシート2と両面テープとが貼り合わされる。円形等の所望の形状、サイズに裁断した後、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い研磨パッド1を完成させる。
次に、第2の製造方法について説明するが、上述した第1の製造方法と同じ工程、同じ化合物については説明を省略し、異なる工程のみ説明する。
次に、本実施形態の研磨パッド1および研磨パッド1の製造方法の作用等について説明する。
実施例1では、第1製造方法に従い研磨パッド1を製造した。プレポリマの生成では、ポリオール化合物として平均分子量約2000のPTMGを用い、ジイソシアネート化合物として、2,4−TDIと2,6−TDIとをモル比7/3で混合して用いた。これらを反応させることで、温度50℃における粘度が5500mPa・s、NCO当量が549のプレポリマを得た。このプレポリマを55℃に加熱し減圧下で脱泡して用いた。第2成分の鎖伸長剤にはMOCAを用い、約120℃で溶解させ減圧下で脱泡した。球状微粒子3としては、外殻3aをアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体で形成し、低沸点炭化水素としてイソブタンを内包させた。この球状微粒子3には、外殻3aに研磨成分5aおよび研磨粒子5bの一部が含有されており、一部の研磨粒子5bが外殻3aより内側に内包されている。プレポリマ:MOCA:球状微粒子3を重量比で100部:22.8部:5.3部の割合で混合した。混合工程では、攪拌条件を剪断回数1689回、剪断速度9425/秒に設定した。得られた混合液を型枠25に注型し硬化させた後、形成されたポリウレタン樹脂を型枠25から抜き出した。この発泡体を、厚さ1.3mmにスライスし研磨パッド1を作製した。
実施例2では、第2製造方法に従い研磨パッド1を製造した。ポリウレタンシート2の作製には、プレポリマと鎖伸長剤とが反応されたポリウレタン樹脂としてポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。このポリウレタン樹脂を30重量%含むポリウレタン樹脂溶液100部に対して、球状微粒子3の5.3部を添加し混合して混合液を調製した。シート基材に混合液を塗布し脱溶媒させ実施例2の研磨パッド1を製造した。
比較例1では、研磨成分5a、研磨粒子5bを含有させていない球状微粒子を用いる以外は実施例1と同様にして比較例1の研磨パッドを製造した。すなわち、比較例1の研磨パッドは、従来の研磨パッドである。
各実施例および比較例の研磨パッド1について、開孔4の平均開孔径、ポリウレタンシート2のショアA硬度および密度を測定した。平均開孔径は、マイクロスコープ(KEYENCE製、VH−6300)で約1.3mm四方の範囲を175倍に拡大して観察し、得られた画像を画像処理ソフト(Image Analyzer V20LAB Ver.1.3)により処理し算出した。ショアA硬度は、日本工業規格(JIS K 7311)に準じた方法で測定した。また、密度は、所定サイズの大きさに切り出した試料の重量を測定し、サイズから求めた体積から算出した。平均開孔径、ショアA硬度および密度の測定結果を下表1に示す。
次に、各実施例及び比較例の研磨パッド1を用いて、以下の研磨条件でハードディスク用のアルミニウム基板の研磨加工を行い、研磨レートを測定した。比較のために、スラリを使用せず、蒸留水を用いた研磨加工も同様に行い、研磨レートを測定した。研磨レートは、1分間当たりの研磨量を厚さで表したものであり、研磨加工前後のアルミニウム基板の重量減少から求めた研磨量、アルミニウム基板の研磨面積および比重から算出した。研磨レートの測定結果を下表2に示す。
(研磨条件)
使用研磨機:スピードファム社製、9B−5Pポリッシングマシン
研磨速度(回転数):30rpm
加工圧力:100g/cm2
スラリ:コロイダルシリカスラリ(pH:11.5)
スラリ供給量:100cc/min
被研磨物:ハードディスク用アルミニウム基板
(外径95mmφ、内径25mm、厚さ1.27mm)
2 ポリウレタンシート(ポリウレタン成形体)
3 球状微粒子(発泡状微粒子)
3a 外殻
4 開孔
5a 研磨成分
5b 研磨粒子
Claims (9)
- ポリウレタン成形体を有する研磨パッドにおいて、前記ポリウレタン成形体中には、アルカリ物質、酸物質、酸化剤、pH調整剤およびキレート剤から選択される少なくとも1種の成分を樹脂製の外殻に含有する発泡状微粒子が分散されていることを特徴とする研磨パッド。
- 前記アルカリ物質は、アルカリ金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の研磨パッド。
- 前記発泡状微粒子は、研磨粒子を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記ポリウレタン成形体は、表面研削処理により表面に開孔が形成されており、前記開孔の平均開孔径が10μm〜150μmであることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記外殻に含有される成分は、前記発泡状微粒子の100部に対して5部〜50部の重量割合で含有されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記発泡状微粒子は、前記ポリウレタン成形体の100部に対して5部〜50部の重量割合で分散されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- ポリウレタン成形体を有する研磨パッドの製造方法であって、
イソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物と、アルカリ物質、酸物質、酸化剤、pH調整剤およびキレート剤から選択される少なくとも1種の成分を樹脂製の外殻に含有する発泡状微粒子と、をそれぞれ準備する準備ステップと、
前記準備ステップで準備されたイソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物と、発泡状微粒子と、を略均一に混合した混合液を調製し、前記混合液から前記発泡状微粒子が略均等に分散されたポリウレタン成形体を乾式成形する成形ステップと、
を含むことを特徴とする製造方法。 - ポリウレタン成形体を有する研磨パッドの製造方法であって、
イソシアネート基含有化合物と、ポリアミン化合物ないしポリオール化合物と、前記イソシアネート基含有化合物および前記ポリアミン化合物ないしポリオール化合物の反応生成物を溶解可能な有機溶媒と、アルカリ物質、酸物質、酸化剤、pH調整剤およびキレート剤から選択される少なくとも1種の成分を樹脂製の外殻に含有する発泡状微粒子と、を略均一に混合した混合液を調製する混合液調製ステップと、
前記混合液をシート状に展延し、前記混合液から前記有機溶媒を脱溶媒させて前記発泡状微粒子が略均等に分散されたポリウレタン成形体を形成する成形体形成ステップと、
を含むことを特徴とする製造方法。
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