しかしながら、有機発光素子を用いた表示装置を製造するには、さらに解決しなければいけない課題がある。
例えば、上述した封止基板、有機発光素子が接触する構成は、封止基板上に硬度の高い異物、傷があると、これら異物等により有機発光素子の断線が発生するおそれがある。すると、有機化合物膜を貫通して対向電極と画素電極とが短絡し非発光な画素が生じ、歩留まりの低下につながる。
断線の原因になりやすい異物は、封止基板を洗浄しても除去しきれなかったごみ、カラーフィルターの製造時に混入してしまったごみなどのうち硬質なものである。また、素子基板の製造工程において装置内部や周囲の環境に存在するごみが有機発光素子上に混入することもある。
断線は、素子基板と封止基板との間にあるシール材を硬化して、二枚の基板を貼り合せる時に起こりやすい。貼り合わせ時は、基板面に垂直に強い圧力が加わるため、有機発光素子上に硬質なごみがあると、局所的に強い力が加わり有機発光素子の断線が発生する。さらに、貼り合わせ時に、基板面に平行な力が加わったときに、突起状の硬質なごみがあるとずり応力によって有機発光素子が損傷する。そこで、有機発光素子と封止基板とが接触しないように間隙を空けることで、ごみによる断線を防ぐことが考えられる。
しかしながら、有機発光素子と封止基板との間隔を広げると、表示装置の側面から水分、酸素が浸入しやすくなる。表示装置の前面、背面は無機材料からなるガラスや、金属からなる基板で構成されるため、水蒸気、酸素透過性が低く、水分、酸素が表示装置の前面、背面から侵入することはほとんどない。ただし表示装置の側面の、基板に挟まれた部分は、有機樹脂からなるシール材が設けられている。シール材は透湿度が高いため、シール材を通過して封止空間に浸入する水分の量は無視することができない。このため、基板の厚みを除く表示装置の側面の厚さはできるだけ小さくする方が良い。
有機発光素子は、水分により陰極が酸化したり、有機化合物層と陰極との間で剥離が生じるなどしてダークスポット(非発光画素)が発生し、表示品質が著しく低下する。ダークスポットは進行型の欠陥であり有機発光素子を動作させなくても進行するといわれている。これは、陰極がAlLi、MgAgなどからなり、陰極に含有されるアルカリ金属、アルカリ土類金属が水分に対して高い反応性を持つためである。
また、有機発光素子上方に間隙をおいて封止基板を設けると、有機発光素子と封止基板との間隔を制御するものがないため、この間隔が表示領域において不均一になる。すると、有機発光素子が放射する光を封止基板の側から取り出す表示装置にあっては、干渉による縞状のむらができ、視認性が低下する。
つまり、有機発光素子と封止基板とが接触していると、硬質な突起状の異物によって有機発光素子の断線が発生し、歩留まりが低下するという問題がある。しかしながら、有機発光素子と封止基板とが離れていると、側面から浸入する水分が増大し有機発光素子の劣化が進行しやすくなるといった問題がある。加えて、封止基板の側から有機発光素子の放射する光を取り出す構成にあっては、有機発光素子と封止基板とが離れていると、干渉による明暗のむらが生じるという問題がある。
そこで本発明は、歩留まりを向上でき、有機発光素子の劣化を防止するような表示装置及びその作製方法を提供することを課題とする。さらに、封止基板の側から有機発光素子の発光する光を取り出す構成の表示装置にあっては、歩留まりが向上するだけでなく、有機発光素子の劣化を防ぎ、輝度の均一性を高めることが可能となる構成の表示装置及びその作製方法を提供することを課題とする。
本発明では素子基板は、画素電極、画素電極の端部を覆うバンク、有機化合物層、対向電極を有する。ここで有機化合物層、対向電極はバンクの表面のうち側面にのみ沿って設けられ、バンクの上端には形成されない。封止基板はバンクの上端に接して設けられる。素子基板と封止基板とは、シール材で貼り合わせられる。
まず、有機発光素子と封止基板とがバンクによって離れていると、封止基板に硬質なごみがあっても、このごみが有機発光素子に接触することはなく、有機発光素子の損傷が抑えられ、歩留まりが向上する。また、貼り合わせ時に素子基板及び封止基板の前面に強い圧力を加えても、有機発光素子と封止基板との間隔は画素部において高密度に形成されたバンクで保たれるため、封止基板や、封止基板にある突起状の異物が有機発光素子に接触することはない。
かつ、バンクによって有機発光素子と封止基板との間隔が均一に保たれているので、封止基板の界面と有機発光素子の界面とで反射し干渉する光は干渉光の強度が一定になり、表示される画像は輝度の均一性が高まる。
さらに、バンクによって素子基板と対向基板との間隔を保持するので、基板の厚みを除く表示装置の側面の厚さを薄く保つことができる。このため、表示装置の側面から浸入する水分によって生じる有機発光素子の劣化反応が防止される。
本発明では、バンクと同時に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をシール材をと画素部との間に設けても良い。絶縁膜は上端を封止基板に接触させる。つまり、バンクの上端と、絶縁膜の上端とが封止基板に接する構成となる。有機発光素子と封止基板との間隔は、バンクと絶縁膜とを組み合わせて制御されることで、より均一になる。
もちろん、保護膜を有機発光素子やバンクを覆うように設けて、有機発光素子を水分から保護してもよい。この場合、封止基板はこのバンクの上端に形成された保護膜に接して設けられる。保護膜は複数の薄膜を積層して形成してもよい。
シール材を、バンクの上端や、バンクと同一工程にて形成される絶縁膜の上端に設けると、シール材を設けた部分のみ局所的にバンク又は絶縁膜の上端と封止基板との間隔が広がり、画素部において封止基板と有機発光素子との間隔が不均一になる。そこで、シール材は、バンクの上端にこないように配置する。
ここで、所定のパターン上だけにバンクと同一工程にて形成される絶縁膜を設けるようにすると、封止基板と有機発光素子との間隔の均一性をより高めることができる。所定のパターンについて以下に説明する。
画素部、駆動回路部のように配線、電極が微細パターンで形成されている構成では、配線、電極の厚みによる凹凸は、配線、電極上に有機樹脂膜を設けることで平坦化することができる。平坦化の度合いは、有機樹脂膜の厚さや、配線、電極の厚さに依存するが、例えば、配線、電極の厚みによる凹凸が数100nmであったとしても、有機樹脂膜を塗布した後は有機樹脂膜の表面にある凹凸の厚さはその半分以下くらいになる。
しかし、端子部などのように配線、電極が広い幅で形成されている構成は、配線、電極上に有機樹脂膜を塗布しても、配線、電極の厚みによる凹凸はほとんど平坦化されない。例えば、配線、電極上の有機樹脂膜の表面と、配線、電極の周囲の有機樹脂膜の表面とでは、ほぼ配線、電極の厚さに相当する高さの差ができる。
平坦化の度合いは有機樹脂膜の厚さや、配線、電極の厚さに依存するが、それでも画素部、駆動回路部のように配線、電極の幅が50μm以下、微細パターンの画素を画素部に有するときは配線、電極の幅が10μm以下と小さければ、端子部に比べて配線、電極の厚みは平坦化されやすい。
図11(A)の断面図は、有機樹脂膜を塗布したときの膜厚の分布を示す。導電体膜としてソース電極116、ドレイン電極117、配線124、125がある。配線124、125は、外部信号を入力する端子であり、配線抵抗を下げるために100μm〜1000μmくらいの幅がある。これら配線、電極を覆うように有機樹脂膜を塗布すると、配線124、125の上方だけは平坦化がされず、端子部122などに形成された有機樹脂膜の上端は、画素部121、駆動回路部120に比べて高くなる。有機発光素子と封止基板との間隔を均一にするためには、図11(B)の断面図のように配線124〜125上の有機樹脂膜は除去した方が良い。除去後の有機樹脂膜127、128の上端はほぼ同じ高さになる。
図6の上面図に画素部の配線の例を示し、配線の幅を説明する。電源供給配線420を例にとる。電源供給配線は配線の幅438が1〜10μmの幅である。
配線の幅は配線の端から端までの距離をいい、配線の幅が広いほど配線抵抗が低下する。なお、配線の長さは引きめぐらされた配線において、信号が伝達される距離をいい、配線の長さが長いほど配線抵抗が増大する。
なお、バンクとなる膜は、1.5μm以上10μm以下の厚さにすることが好ましい。膜が薄いときは、封止基板上の異物の厚さが断面方向に厚い場合に、有機発光素子が破損する恐れがある。かつ、封止基板の界面と、有機発光素子の界面で反射する光の光路長の差が小さいため、可視光の特定波長が干渉により強め合う色づきが生じやすい。厚いときは、保護膜等をバンク上に形成するときに、カバレッジが悪く、均一な被覆が困難になる。
本発明の表示装置は、以下の構成を有する。
有機発光素子を有する素子基板と、素子基板と対向して設けられる封止基板と、前記素子基板と前記封止基板とを貼り合わせるシール材とを有する表示装置において、前記素子基板にバンクが設けられ、前記バンクの上端と、前記シール材の上端とが前記封止基板に接することを特徴とする表示装置。
有機発光素子を有する素子基板と、前記素子基板と対向して設けられる封止基板と、前記素子基板と封止基板とを貼り合わせるシール材とを有する表示装置において、前記素子基板はバンクと、前記バンクと同一工程にて設けられる絶縁膜とを有し、前記バンクの上端と、前記絶縁膜の上端と、前記シール材の上端とが前記封止基板に接することを特徴とする表示装置。
前記各構成において、前記シール材の下端は、前記バンク下に積層される膜と同一工程で形成される膜に接することを特徴とする表示装置。
または、有機発光素子を有する素子基板と、素子基板と対向して設けられる封止基板と、素子基板と封止基板とを貼り合わせるシール材とを有する表示装置において、素子基板はバンクと、バンクと同一工程にて設けられる絶縁膜と、少なくともバンクの上端を覆って形成される保護膜とを有し、前記バンクの上端に設けられる前記保護膜と、前記シール材の上端とが封止基板に接することを特徴とする表示装置。
有機発光素子を有する素子基板と、前記素子基板と対向して設けられる封止基板と、前記素子基板と前記封止基板とを貼り合わせるシール材とを有する表示装置において、前記素子基板はバンクと、前記バンクと同一工程にて設けられる絶縁膜と、少なくとも前記バンクの上端と前記絶縁膜の上端とを覆って形成される保護膜とを有し、前記バンクの上端に設けられる前記保護膜と、前記絶縁膜の上端に設けられる前記保護膜と前記シール材の上端とが封止基板に接することを特徴とする表示装置。
前記各構成のうち保護膜を有する構成において、前記保護膜は、前記バンク下に積層される膜と同一工程で形成される膜と、前記シール材の下端とに挟まれていることを特徴とする表示装置。
前記各構成のうち、前記バンクの下端及び前記絶縁膜の下端に接して導電体膜があるときは、前記導電体膜の幅は50μm以下であることを特徴とする表示装置。
前記各構成のうち保護膜を有する構成において、前記素子基板は画素電極と、前記画素電極の端部を覆って設けられる前記バンクと、前記画素電極上にあり前記バンクの表面のうち側面に接する有機化合物層と、前記有機化合物層上にあり前記バンクの表面のうち側面に接する対向電極とが設けられることを特徴とする表示装置。
前記構成のうち、画素電極と対向電極を有する構成において、前記画素電極は光反射性を有する材料からなり、前記対向電極は透光性を有する材料からなることを特徴とする表示装置。
前記各構成において、前記素子基板と前記第封止基板と前記シール材とで囲まれた空隙が真空状態であることを特徴とする表示装置。
前記各構成のうち保護膜を有する構成において、前記保護膜は複数の膜からなることを特徴とする表示装置。
前記各構成において、前記封止基板のうち前記素子基板に対向する面は分光フィルターを有し、前記分光フィルターの下方に前記有機化合物層があることを特徴とする表示装置。
本発明の表示装置の作製方法は、以下のようにまとめられる。
有機発光素子は、画素電極と、対向電極と、前記画素電極と前記対向電極とに挟まれた有機化合物層とから設けられ、前記有機発光素子を有する素子基板と、前記素子基板と対向して設けられる封止基板とをシール剤を用いて貼り合せる表示装置の作製方法において、前記画素電極の端部を覆ってバンクを形成する第1工程と、前記画素電極上に前記有機化合物層を形成する第2工程と、前記有機化合物層上に前記対向電極を形成する第3工程と、シール材を前記封止基板の周縁部に相当する位置に設ける第4工程と、前記バンクの上端に前記封止基板を接して貼り合せ、前記シール材を硬化する第5工程とからなることを特徴とする表示装置の作製方法。
前記構成において、前記第1工程において前記バンクと同時に絶縁膜を形成し、前記第5工程において前記バンクの上端と前記絶縁膜の上端とに前記封止基板を接して貼り合せることを特徴とする表示装置の作製方法。
前記各構成において、前記第3工程と前記第4工程との間に少なくとも前記バンク上及び前記対向電極上に保護膜を設ける工程を有し、前記第5工程において少なくとも前記バンクの上端に設けられた前記保護膜が前記封止基板と接することを特徴とする表示装置の作製方法。
前記各構成のうち、バンク及び絶縁膜を有する構成において、請求項14又は15において、導電体膜の幅が50μm以下である領域に前記バンク及び前記絶縁膜を設けることを特徴とする表示装置の作製方法。
上記各構成の表示装置及びその作製方法でなる本発明によれば、有機発光素子を用いた表示装置において、有機発光素子の劣化を防止すること、歩留まりを向上することが可能になる。
加えて、上記各構成の表示装置及びその作製方法でなる本発明によれば、封止基板の側から有機発光素子の放射する光を取り出す構成にあって、高輝度、高精細な表示を行うとともに、有機発光素子の劣化を防止すること、歩留まりを向上すること、輝度の均一性を高め良好な表示性能を得ることが可能になる。
以上の構成でなる本発明を、以下の実施形態、実施例によって詳細に説明する。実施形態、実施例は適宜に組み合わせて用いることができる。
画素部に設けられたバンク、バンクと同一工程にて形成された絶縁膜によって素子基板と封止基板との間隔を制御することで、基板の間隔を狭く保ち、表示装置の側面から浸入する水蒸気による有機発光素子の劣化を防げる。
さらに、バンク等の上端と封止基板とが接しているため、有機発光素子の上方に間隙をおいて封止基板がある。よって、封止基板上にあるごみなどの突起上の異物によって有機発光素子が断線することを防止することが可能となり、点欠陥等の不良を低減し、歩留まりを高めることができる。
また、有機発光素子の放射する光を封止基板の側から取り出す表示装置においては、画素部に設けられたバンクやバンクと同一工程にて形成される絶縁膜によって、有機発光素子と封止基板との間隔を均一に保つことが可能となり、干渉縞の発現を防ぎ、コントラスト、輝度の均一性の高い良好な表示性能を確保することができる。
さらに、カラーフィルターを封止基板上に設けて、カラー表示をする表示装置にあっては、カラーフィルターの製造工程においてカラーフィルターに含まれる異物により有機発光素子が断線することが防止できる。
[実施形態1]
本実施形態では、画素部のバンクや、バンクと同一工程にて設けられる絶縁膜により基板間の間隔を制御する構成を示す。この絶縁膜は駆動回路部上にのみ設ける。
図1で示すのは有機発光素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置の断面図である。図1の表示装置の構成要素を、順次説明する。
基板100は、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板を用いる。また、石英基板やシリコン基板又はステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施形態の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。
下地膜として、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜を用いることができる。本実施形態では下地膜として二層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜又は二層以上積層させた構造を用いても良い。本実施形態では下地膜118は膜厚が10nm〜100nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。下地膜119は膜厚が20nm〜200nmの酸化シリコン膜を形成する。
半導体膜110として膜厚が10〜150nmのシリコン膜、ゲート絶縁膜111として膜厚が20〜300nmの窒化膜を形成する。ゲート電極112〜113として第1の導電体膜に膜厚が30〜60nmの窒化タンタル膜、第2の導電体膜に膜厚が370〜400nmのタングステン膜を形成する。第1の導電体膜上に第2の導電体膜を積層する。第1の層間絶縁膜114として膜厚が50nm〜150nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。第2の層間絶縁膜115として膜厚が1〜3μmのアクリル樹脂膜を形成する。
第1の層間絶縁膜114は酸化窒化シリコン膜だけでなく、窒化シリコン膜を酸化窒化シリコン膜の代わりに用いることができる。窒化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜は、後述する有機発光素子の陰極に含まれるLi、Mgなどのアルカリ成分が溶出し、TFTの電気特性を劣化させることを抑える。
ドレイン電極117及びソース電極116は、膜厚が50nm〜800nmのチタン膜と、膜厚が350〜400nmのアルミ合金膜と、膜厚が100nm〜1600nmのチタン膜とからなる積層構造である。アルミ合金膜はアルミを主成分としシリコンが不純物元素として添加された材料を用いる。本実施形態ではドレイン電極、ソース電極として導電体膜を三層積層した構造を用いるが、単層又は二層に積層した構造を用いてもよい。導電体膜123、配線124、125はドレイン電極及びソース電極と同一の層で形成される。こうして、画素部、駆動回路部にTFTが形成される。
画素電極103は、仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む材料を用いて、蒸着法により形成する。好ましくはMgAg(MgとAgをMg:Ag=10:1で混合した材料)でなる電極を用いれば良い。他にもMgAgAl電極、LiAl電極、また、LiFAl電極が挙げられる。本実施形態では、画素電極はMgAgやLiFなどの材料を用いて陰極として形成する。画素電極の厚さは100nm〜200nmの範囲にする。画素電極はソース電極116に一部を重ねて形成する。
バンク107は、TFTの配線を覆うようにアクリル樹脂膜やポリイミド樹脂膜などの有機樹脂膜を用いて形成する。有機樹脂膜は1.5〜10μmの厚さで用いる。絶縁膜108は、バンクと同一の工程にて形成する。絶縁膜108は駆動回路のTFTを覆い、TFTを外部衝撃から保護する。
有機化合物層104は、バンクのなだらかな傾斜面に沿って蒸着法により形成する。バンクは、赤、青、緑の各色を発光する発光層を蒸着するときに、蒸着する材料を画素毎に分離して混色を防ぐ隔壁となる。また電極、配線に起因する突出部をバンクで覆うことで、有機化合物層の断線を防ぎ、ひいては画素電極と対向電極との短絡を防止する。
有機化合物層は、電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層の順に積層されるが、電子輸送層/発光層/正孔輸送層、または電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層のような構造としてもよい。本発明では公知のいずれの構造を用いても良い。
具体的な有機化合物層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレンまたはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。
発光層の厚さは30〜150nmの範囲にする。
上記の例は発光層として用いることのできる材料の一例であり、これに限定されるものではない。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層を形成するための材料は、その可能な組合せにおいて自由に選択することができる。
対向電極105は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)膜をスパッタ法により形成する。対向電極の厚さは100nm〜200nmの範囲にする。
対向電極は互いに隣接するバンクの側面に接して形成する。図示してはいないが表示部外で対向電極が短絡され共通電極となっている。
保護膜109は窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、DLC(Diamond Like Carbon)膜を好適に用いる。保護膜を通過して発光が取り出されるため、可視光領域において高い透過率が得られるように保護膜の材料、膜厚を選択する必要がある。絶縁物のエネルギー帯は価電子帯、禁止帯、伝導帯があり、光の吸収は、電子が価電子帯から伝導帯へと遷移することに起因する。このため禁止帯のエネルギー幅、つまりバンドギャップから光の吸収端を求めて、可視光の透過率との相関性を見出すことができる。バンドギャップは、窒化シリコン膜が5eVであり、酸化窒化シリコン膜が膜質に依存して5eV〜8eVの範囲であり、DLC膜が3eVである。光速、プランク定数を用いて計算すると光の吸収端は、窒化シリコン膜が248nm、酸化窒化シリコン膜が155nm〜248nm、DLC膜が413nmとなる。つまり、窒化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜は可視光領域での光の吸収がない。DLC膜は可視光領域で紫色の光を吸収し茶色がかる。本実施形態では、DLC膜を用いて有機発光素子を水分から保護する。ただし、DLC膜の膜厚は100nm〜200nmと薄くして、可視光における短波長の光の吸収を抑える。
以上の構成によりなる基板を本実施形態では素子基板と呼ぶ。上述の素子基板において、画素電極上に、有機化合物膜、対向電極を積層した構成を示したが、両電極の短絡を防ぐため、絶縁材料からなる数nm〜数10nmの厚さの薄膜を画素電極と有機化合物との間、または、対向電極と有機化合物膜の間に形成してもよい。画素電極がAlLi、MgAgで構成される陰極であるため、画素電極上に設けられた絶縁材料からなる薄膜は、陰極を水分や酸素から保護する保護膜としての機能を持つ。
封止基板101は、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板を用いる。また、石英基板や本実施形態の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。
封止基板にガラスからなる基板を用いたときは、素子基板の基板もガラスからなる基板を用いると良い。パネルを使用する環境の温度が急激に変化したときに、素子基板と封止基板との熱膨張係数が同じであれば、熱衝撃による基板の破損を防ぐことができる。基板を薄型化すると基板の機械的強度が低下し、熱衝撃によって基板が破損しやすくなるため、基板の熱膨張係数をそろえることが特に有効になる。
シール材102はエポキシ系の材料を用いる。シール材は紫外線硬化型樹脂を用いることも可能であるし、熱硬化型樹脂を用いることも可能である。有機発光素子の耐熱温度以下で硬化が可能なシール材を選択することが好ましい。シール材はチッソ社が販売しているLIXSON BOND LX‐0001を用いることもできる。LX‐0001は二液性のエポキシ樹脂である。封止基板の周縁部にLX‐0001を塗布後、素子基板と封止基板とを貼り合わせ、この一対の基板の両面に基板面に垂直な圧力をかけながら100℃で2時間硬化する。硬化後のシール材の厚さは、圧力や塗布量を調節することで0.2μm〜10μmの厚さにすることができる。シール材の一部に間隙を開けて排気口を形成する。
なお、導電体膜123はシール材102下の積層膜の膜厚をシール材が設けられる領域下で等しくし、素子基板と封止基板との間隔を均一にするために補助的に用いる。導電体膜123は後述する外部入力端子が形成される部分を除いて、有機樹脂膜からなる第2の層間絶縁膜の上面及び側面を覆うように設ける。
真空容器に、シール材で貼り合せられた素子基板と封止基板とからなるパネルを入れて、パネルの排気口から空気を抜いて真空状態にする。次ぎに、この状態のまま、パネル内を真空状態に保って、排気口を封止する。こうしてパネル内を真空状態に保つ。
端子部122には、外部入力端子が設けられる。パネル端部に設けられる外部入力端子に異方性導電フィルムを介してFPC(Flexible Print Circuit : フレキシブルプリント配線板)が接続される。外部回路から外部入力端子に画像データ信号や各種タイミング信号及び電源を入力する。外部入力端子から入力されたスタートパルス、クロックパルスなどの画像データ信号、タイミング信号は駆動回路に出力される。
異方性導電フィルムは、樹脂のフィルムの中に、ニッケルやカーボン等の金属でコーティングした微細粒子が分散しており、外部入力端子とFPCの間には電気を流すが、外部入力端子間には電気を流さない性質を有する。
図4の上面図はこのような表示装置の外観である。図4を鎖線A−A’、鎖線B−B’、鎖線C−C’で切断した断面が図1である。鎖線A−A’は画素部やパネルの周縁部を、鎖線B−B’は外部入力端子の配線124と対向電極105との接続構造を、鎖線C−C’は駆動回路のTFTと外部入力端子の配線125との接続構造を示す。
有機発光素子の放射する光が出射する方向は有機発光素子の構成によって異なるが、ここでは画素電極は光反射性を有する陰極とし、対向電極は透光性を有する陽極とし、封止基板を透光性とし、有機発光素子から放射される光を封止基板の側へと出射させる。
画素部120、駆動回路部121a〜121c、端子部122は各々点線で囲まれた領域である。端子部は外部入力端子の配線122、配線124(配線124は図示しない)が形成され、異方性導電フィルムを介して外部入力端子にFPC200が貼りつけられる。
駆動回路部は、第1の走査側駆動回路部120a、第2の走査側駆動回路部120b、信号側駆動回路部120cがある。駆動回路部の回路構成は、走査側駆動回路部と信号側駆動回路部とで異なるがここでは省略する。駆動回路部はnチャネル型TFTとpチャネル型TFTからなるCMOS回路を基本回路として構成される。これらのTFTを用いて、シフトレジスタやラッチ回路、バッファ回路などが形成される。また、絶縁膜108は駆動回路のTFTを覆うように形成する。この絶縁膜は、バンクと同一工程で形成される。
バンク107は画素部に列方向にストライプ状に設けられている。対向電極105は共通電極であり、バンクの側面に沿ってストライプ状に設けられ、バンクの形成されていない表示領域外で短絡している。
基板100、101、シール材102に囲まれる封止空間は、封止空間内の水分、酸素濃度を低くして、有機発光素子の劣化、例えばダークスポットの発生を防止するように真空状態に保たれる。
封止空間を真空状態に保てば、大気圧と真空圧との圧力の差から、外気から両基板に強い圧力が加わる。しかしながら、有機発光素子と封止基板との間隔は、画素部に高密度で形成されたバンクで保持されるため、封止基板が有機発光素子に接して、有機発光素子を損傷することが防げる。
駆動回路部の絶縁膜108は、弾力性を有する有機樹脂膜が広い面積で形成されているため、外部から機械的衝撃が加わったときに圧力を分散しTFTの損傷を防ぐ緩衝材として働く。かつ、バンクとともに絶縁膜108を用いることで、有機発光素子と封止基板との間隔を均一にし画素部の干渉縞の発現を防止するギャップ制御材として働く。
[実施形態2]
本実施形態では、封止基板がカラーフィルターを有し、カラーフィルターと白色発光ダイオードを組み合わせてカラー表示をする表示装置について説明する。
図2は、有機発光素子を用いた表示装置の断面を示す。図1と同等機能を有する部位は同じ符号を付す。図1と異なる点を中心に説明する。有機発光素子は、白色発光ダイオードを用いる。白色光を発光させるためには、有機化合物膜の発光層にZnBTZ錯体を用いたり、あるいは芳香族ジアミン(TPD)\1,2,4−トリアゾール誘導体(p−EtTAZ)\Alq(ただし、Alqは赤色発光色素であるニールレッドで部分的にドープすることを意味する。)の積層体を用いたりする。
有機発光素子106を有する素子基板と、封止基板130とはシール材102を用いて貼り合わせられる。封止基板130は透光性を有する基板129と、基板129上のカラーフィルターと、カラーフィルターを覆う平坦化膜128とからなる。カラーフィルターは、第1の分光フィルターと、第2の分光フィルターと、第3の分光フィルターとからなる。例えば、第1の分光フィルターは赤色を選択的に透過するフィルターとし、第2の分光フィルターは緑色を選択的に透過するフィルターとし、第3の分光フィルターは青色を選択的に透過するフィルターとする。平坦化膜128は、互いに隣接する分光フィルターの重なりや間隙を平坦化する。
それぞれの分光フィルターは、画素ごとに設けられる。例えば、第1の分光フィルター126が有機発光素子上方に設けられる。カラーフィルター、例えば第2の分光フィルター127をシール材を設ける部分の内側の領域で、かつ画素部の外側の領域に設ける。絶縁膜108と封止基板130とが広い面積で接するため、有機発光素子と封止基板との間隔の均一性を高めることができる。
アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスや窒素雰囲気下で、素子基板と封止基板とを封止すると、水分、酸素から有機発光素子を保護し、陰極の酸化反応や陰極と有機化合物層との剥離を抑えることができる。不活性ガスは充分に乾燥させたものを用いる。
カラーフィルター、例えば第1の分光フィルター126と有機発光素子106との距離は、バンクの膜厚で決定される。バンクの膜厚は1.5〜10μmのため、カラーフィルターと有機発光素子とを10μm以下と近接して設けることができる。カラーフィルターと発光体とが近接しているため、ユーザーの視角の変化にともなう色ずれを防止でき、明瞭な表示が得られる。
[実施形態3]
本実施形態は、乾燥剤をシール材に分散させた例を示す。
本実施形態を図3の断面図を用いて説明する。図2と同等機能を有する部位は同じ符号を付す。図2と異なる点のみを説明する。シール材102は内部に乾燥剤131を有する。乾燥剤の粒径は直径が1.0μm以下好ましくは0.2μm以下と細かく粉砕されたものを用いる。乾燥剤は酸化カルシウム、酸化バリウムなどを用いることができる。シール材と乾燥剤とが混合されたものをシリンジに充填する。公知のディスペンサ方式にてシリンジの上端から所定値のガス圧力を加え、シリンジの下端の細いノズルから、シール材と乾燥剤とを吐出し、シール材を封止基板130の周縁部に形成する。
乾燥材がシール材に充填され、吸湿性、防湿性を持たせているため、カラーフィルター上の平坦化膜127は、シール材が設けられる部分は除去し、表示装置の側面においてシール材の占める割合を高める。
また、封止空間内を、封止基板と屈折率の近い絶縁材料、例えば絶縁性のオイルで満たす。封止基板と、絶縁性のオイル等との屈折率差が小さいと、表面反射が低減され、有機発光素子から放射される光の利用効率を向上させることができる。有機発光素子の長期信頼性を高めるために、絶縁性のオイルは充分に脱泡、脱水し酸素、水分の混入を防ぐことが好ましい。
なお、封止空間内を絶縁性のオイルで満たす方法は、公知の技術を用いることができる。例えば、真空容器に、シール材で貼り合せられた素子基板と封止基板とからなるパネルと、絶縁性オイルを満たした容器を入れて、パネルの排気口から素子基板と封止基板との間隙の空気を抜いて真空状態にする。次ぎに、この状態のまま、パネルの排気口をこの絶縁性オイルに浸漬して、真空容器内を大気圧に戻す。その結果、絶縁性オイル液面に大気圧がかかり、真空状態にある素子基板と封止基板との間隙に、絶縁性オイルが注入される。次ぎに、この状態のまま排気口を封止する。
乾燥剤により外気から浸入する水蒸気を、封止空間に入り込む前に捕獲でき、防湿性、吸湿性が向上し、有機発光素子の長寿命化を図ることができる。
[実施形態4]
本発明は、素子基板の側から有機発光素子の放射する光を取り出す表示装置に適用してもよい。図4は有機発光素子を用いたアクティブマトリクス方式の表示装置であり、有機発光素子の放射する光を素子基板の側から取り出す構成である。放射される光は断面図下方向に出射する。図4は、図1と同等機能を有する部位は同じ符号を用いている。実施形態1との同異を以下に説明する。
下地膜118、119、半導体膜110、ゲート絶縁膜111、ゲート電極112、113、第1の層間絶縁膜114、第2の層間絶縁膜115の膜厚や材料は実施形態1と同じである。
第2の層間絶縁膜115を貫通し、半導体膜110に達するコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールの側壁、第2の層間絶縁膜の表面に接して、ソース電極116、ドレイン電極117とを形成する。配線124〜125、導電体膜123も、ソース電極やドレイン電極と同時に形成する。
次いで、画素電極103をドレイン電極117の端部に重ねて設ける。本実施例では、透明電極としてITO膜や酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いる。透明導電膜は正孔注入電極、つまり陽極として用いる。
次いで、3.0μmの膜厚のポリイミド樹脂膜を用いて、バンク107と駆動回路のTFTを覆う絶縁膜108とを設ける。次に、有機化合物層104、対向電極105を蒸着法により形成する。このとき有機化合物層104を形成する前に画素電極103に対して熱処理を施し、水分を完全に除去しておくことが好ましい。なお、本実施例では有機発光素子の対向電極を陰極とし、AlLi電極を用いるが、公知の他の材料であっても良い。なお、有機化合物層104は、発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層といった複数の層を組み合わせて積層することにより形成されている。
以上のようにして基板100上に有機発光素子を形成する。なお、本実施例では下側の電極が透光性の陽極となっているため、有機化合物層で発生した光は下面(基板100)へ放射される。
保護膜109を設けることで有機化合物層104や対向電極(陰極)105を水分や酸素から保護することは可能である。なお、本実施例では保護膜109として300nm厚の窒化珪素膜を設ける。この保護膜109は陰極を形成した後に大気解放しないで連続的に形成しても構わない。
次いで、シール材102が封止基板の周縁部に設けられ、封止基板と素子基板とが貼り合わせられる。封止基板はコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板を用いる。封止基板は石英基板、シリコン基板、金属基板又はステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施形態の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。
本実施形態によれば、素子基板と封止基板とを近接して設けることができるため、表示装置の側面からの水分の浸入を減らせる。かつ、素子基板と封止基板とを近接して設けても、封止基板上のごみなどの異物に起因した有機発光素子の断線を防止でき、点欠陥の発生を防止できる。
本発明は有機発光素子を用いたあらゆる表示装置に適用することができる。図6はその一例であり、TFTを用いて作製されるアクティブマトリクス型の表示装置の例を示す。実施例のTFTはチャネル形成領域を形成する半導体膜の材質により、アモルファスシリコンTFTやポリシリコンTFTと区別されることがあるが、本発明はそのどちらにも適用することができる。
基板401は、石英やコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板を用いる。
次いで、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜からなる下地膜402が設けられる。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜402aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜402bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地膜402を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成してもよい。
次いで、島状半導体層403〜407、ゲート絶縁膜408、ゲート電極409〜412を形成する。島状半導体膜403〜407は厚さを10〜150nm、ゲート絶縁膜は厚さを50〜200nm、ゲート電極は厚さを50〜800nmとする。
次いで、層間絶縁膜413を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を第1の層間絶縁膜413aとして10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成する。第1の層間絶縁膜として酸化窒化膜を形成することも可能である。さらに、有機樹脂膜からなる第2の層間絶縁膜413bを0.5〜10μm(好ましくは1〜3μm)形成する。第2の層間絶縁膜はアクリル樹脂膜、ポリイミド樹脂膜などを好適に用いることができる。第2の層間絶縁膜は島状半導体膜403〜407、ゲート電極409〜412に起因する凹凸を平坦化するに充分な厚さとすることが望ましい。
さらに、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を第1の保護膜437cとして10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成する。第1の保護膜は、後述する有機発光素子の陰極に含まれるLi、Mgなどのアルカリ成分が溶出し、TFTの電気特性を劣化させることを抑える。本実施例では第1の保護膜を酸化窒化シリコン膜で形成したが、酸化窒化シリコン膜の代わりに酸化シリコン膜を用いてもよい。
次いで、島状半導体膜403〜407の表面に達するコンタクトホールを形成するためのパターニングを行う。
そして、駆動回路部435において、島状半導体膜403〜404のソース領域に接続するソース配線414〜415と、ドレイン領域に接続するドレイン配線416〜417とを形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。
また、画素部においては、データ配線418、ドレイン側の配線419、電源供給配線420、ドレイン側の電極421を形成する。スイッチング用TFT428のドレインにデータ配線418が接続し、ソースにソース側の配線419が接続する。ソース側の配線419は電流制御用TFT430のゲート電極411と接続する。電流制御用TFT436のドレインに電源供給配線420が接続し、ソースにソース側の電極421が接続する。対向電極とソース側の電極421とが接続している。
以上のようにして、nチャネル型TFT429、pチャネル型TFT430を有する駆動回路部と、スイッチング用TFT431、リセット用TFT432、保持容量433、電流制御用TFT434を有する画素部とを同一基板上に形成することができる。
次いで、有機発光素子の対向電極423を形成する。対向電極は陰極とし、MgAgやLiFなどの光反射性の材料を用いる。陰極の厚さは100nm〜200nmとする。次いで、1.5〜10μmの厚さのアクリル樹脂膜からバンク422を画素部436に形成する。バンクを形成すると同時に駆動回路部に絶縁膜428を形成する。
次いで、有機発光素子の有機化合物層424を形成する。有機化合物層は、単層又は積層構造で用いられるが、積層構造で用いた方が発光効率は良い。一般的には陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層の順に形成されるが、正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層のような構造でも良い。本発明では公知のいずれの構造を用いても良い。
なお、本実施例ではRGBに対応した三種類の発光層を蒸着する方式でカラー表示を行う。具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレンまたはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。発光層の厚さは30〜150nmとすれば良い。上記の例は発光層として用いることのできる有機化合物の一例であり、これに限定されるものではない。
なお、本実施例で示す有機化合物は、発光層とPEDOT(ポリチオフェン)
またはPAni(ポリアニリン)からなる正孔注入層を積層した構造とする。
次いで、ITO(酸化インジウム・スズ)で形成される画素電極425を形成する。ITOは仕事関数が4.5〜5.0eVと高く、正孔を効率良く有機発光層に注入することができる。ITOは陽極となる。以上により、MgAgやLiFなどの材料を用いて形成される陰極、発光層と正孔輸送層とを積層した有機化合物、ITOで形成される陽極とからなる有機発光素子が設けられる。なお、陽極に透明電極を用いることで、図6において矢印で示す方向に光を放射させることができる。
次いで、第2の保護膜438としてDLC膜を形成し、シール部分から水蒸気や酸素などが浸入し、有機発光素子が劣化することを防ぐ。DLC膜を成膜するとき、端子部のうち、FPCを設ける部分ははマスクを用いて、予め被覆しておく。
図6の断面図に示した画素部の上面図が図7である。図6と共通する要素は同じ符号を用いて示している。また、図7において、鎖線G−G'及び鎖線H−H'線で切断した断面が図6において示されている。図7の点線で囲まれた領域の外側にバンクが設けられている。また、点線で囲まれた領域の内側に赤色、緑色、青色の画素に対応した発光色を発光する発光層と、陽極とが設けられる。
図8ではこのような画素部の等価回路を示し、図5と共通する要素は同じ符号を用いて示している。スイッチング用TFT431をマルチゲート構造とし、電流制御用TFT411にはゲート電極とオーバーラップするLDDを設けている。ポリシリコンを用いたTFTは、高い動作速度を示すが故にホットキャリア注入などの劣化も起こりやすい。そのため、画素内において機能に応じて構造の異なるTFT(オフ電流の十分に低いスイッチング用TFTと、ホットキャリア注入に強い電流制御用TFT)を形成することは、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な(動作性能の高い)表示装置を作製する上で非常に有効である。
本実施例では、電流制御用TFT434にnチャネル型TFTを用い、電流制御用TFTのソースに有機発光素子の陰極(画素電極)を接続する。こうして、陽極(対向電極)側から陰極側に電流が流れるように制御することにより、陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔が発光層で結合し、有機発光素子が発光する。なお、電流制御用TFTに陽極が接続した構成であれば、電流制御用TFTをpチャネル型とし、電流制御用TFTのドレインに有機発光素子の陽極を接続し、陽極から陰極に電流が流れるように制御する。
なお、バンクは、封止基板の近傍にあるバンクの上端が、第2の層間絶縁膜に接するバンクの下端に対してせりだしたオーバーハング形状の構成を採用してもよい。この構成でも、バンクにより有機発光素子と封止基板との接触を防ぐ効果、有機発光素子と封止基板との間隔を画素部において一定に保つ効果、素子基板と封止基板とを近接させて設けることができる効果を得ることができる。
本発明を実施して形成された発光装置は様々な電気器具に内蔵され、画素部は映像表示部として用いられる。本発明の電子装置としては、携帯電話、PDA、電子書籍、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置、例えばDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤー、デジタルカメラ、などが挙げられる。それら電子装置の具体例を図9、図10に示す。
図9(A)は携帯電話であり、表示用パネル9001、操作用パネル9002、接続部9003からなり、表示用パネル9001には表示装置9004、音声出力部9005、アンテナ9009などが設けられている。操作パネル9002には操作キー9006、電源スイッチ9007、音声入力部9008などが設けられている。本発明は表示装置9004に適用することができる。
図9(B)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本発明は表示装置9205に適用することができる。このような電子装置には、3インチから5インチクラスの表示装置が用いられるが、本発明の表示装置を用いることにより、携帯型情報端末の軽量化を図ることができる。
図9(C)は携帯書籍であり、本体9301、表示装置9202〜9303、記憶媒体9304、操作スイッチ9305、アンテナ9306から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。本発明は表示装置9302〜9303に用いることができる。携帯書籍は、4インチから12インチクラスの表示装置が用いられるが、本発明の表示装置を用いることにより、携帯書籍の軽量化と薄型化を図ることができる。
図9(D)はビデオカメラであり、本体9401、表示装置9402、音声入力部9403、操作スイッチ9404、バッテリー9405、受像部9406などで構成されている。本発明は表示装置9402に適用することができる。
図10(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。本発明は表示装置9603に適用することができる。
図10(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示装置9702に適用することができる。
図10(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。本発明は表示装置9802に適用することができる。
本発明の表示装置は図9(A)の携帯電話、図9(B)のモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末、図9(C)の携帯書籍、図10(A)のパーソナルコンピュータに用い、スタンバイモードにおいて黒色の背景を表示することで機器の消費電力を抑えることができる。
また、図9(A)で示す携帯電話操作において、操作キーを使用している時に輝度を下げ、操作スイッチの使用が終わったら輝度を上げることで低消費電力化することができる。また、着信した時に表示装置の輝度を上げ、通話中は輝度を下げることによっても低消費電力化することができる。また、継続的に使用している場合に、リセットしない限り時間制御で表示がオフになるような機能を持たせることで低消費電力化を図ることもできる。なお、これらはマニュアル制御であっても良い。
ここでは図示しなかったが、本発明はその他にもナビゲーションシステムをはじめ冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、固定電話機、ファクシミリなどに組み込む表示装置としても適用することも可能である。このように本発明の適用範囲はきわめて広く、さまざまな製品に適用することができる。