JP5223425B2 - 空気電池 - Google Patents
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Description
まず、本発明の空気電池の第一実施態様について説明する。本実施態様の空気電池は、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、負極活物質を含有する負極層および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、上記空気極層および上記負極層の間で金属イオンの伝導を担う電解質と、を有する空気電池であって、上記電解質が、硫黄含有環状化合物を含有することを特徴とするものである。
以下、本実施態様の空気電池について、構成ごとに説明する。
本実施態様に用いられる電解質は、空気極層および負極層の間で金属イオンの伝導を担い、少なくとも硫黄含有環状化合物を含有する。
まず、本実施態様に用いられる硫黄含有環状化合物について説明する。本実施態様に用いられる硫黄含有環状化合物は、硫黄元素(S)を有し、環状構造を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、中でもS=O結合を有することが好ましい。詳細は不明であるが、S=O結合の酸素元素は非共有電子対を有しているため、S=O結合を有する皮膜が導電性材料の表面に形成されることで、皮膜近傍のリチウムイオンが移動し易くなったり、皮膜近傍の酸素が吸着しやすくなったりすると考えられる。
本実施態様に用いられる電解質の形態は、硫黄含有環状化合物を含有し、金属イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば液状、ゲル状および固体状等を挙げることができ、中でも液状およびゲル状、特に液状が好ましい。液状の電解質としては、具体的には電解液およびイオン性液体等を挙げることができ、中でも電解液が好ましい。
次に、本実施態様に用いられる空気極について説明する。本実施態様に用いられる空気極は、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する。
次に、本実施態様に用いられる負極について説明する。本実施態様に用いられる負極は、負極活物質を含有する負極層および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する。
次に、本実施態様に用いられるセパレータについて説明する。本実施態様に用いられるセパレータは、上記空気極層および上記負極層の間に設置されるものである。セパレータとしては、空気極層と負極層とを電気的に分離する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布;およびリチウムポリマー電池に使用されているポリマー材料等を挙げることができる。
次に、本実施態様に用いられる電池ケースについて説明する。本実施態様に用いられる電池ケースの形状としては、上述した空気極、負極、セパレータ、電解質を保持することができれば特に限定されるものではないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒、ラミネート型等を挙げることができる。また、電池ケースは、開放型電池ケースであっても良く、密閉型電池ケースであっても良い。ここで、開放型電池ケースとは、大気と接触可能な電池ケースをいい、上述した図1に示すような電池ケースをいう。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、空気(酸素)の供給管および排出管を設けることが好ましい。
本実施態様の空気電池は、電解質が、上述した硫黄含有環状化合物を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも、本実施態様の空気電池は、放電または充放電に伴う電極の体積変化が生じた際に、空気極層および負極層が常に電解液で満たされていることが好ましい。空気極層および負極層が常に電解液で満たされていれば、電解液不足に起因する内部抵抗の増加を抑制することができるからである。
次に、本実施態様の空気電池の製造方法について説明する。本実施態様の空気電池の製造方法は、上述した空気電池を得ることができる方法であれば、特に限定されるものではなく、一般的な空気電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。例えば、硫黄含有環状化合物を含有する電解液を用いてコインセル型の空気電池を製造する場合は、不活性ガス雰囲気下において、まず、負極層および負極集電体を有する負極を負極側電池ケースに配置し、次に、その負極層上にセパレータを配置し、次に、そのセパレータ上から硫黄含有環状化合物を含有する電解液を注液し、次に、空気極層および空気極集電体を有する空気極を、空気極をセパレータ側に向けて配置し、次に、空気極側電池ケースに配置し、最後にこれらをかしめる方法等を挙げることができる。
次に、本発明の空気電池の第二実施態様について説明する。本実施態様の空気電池は、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、負極活物質を含有する負極層および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、上記空気極層および上記負極層の間で金属イオンの伝導を担う電解質と、を有する空気電池であって、上記電解質が硫黄含有環状化合物を含有し、上記硫黄含有環状化合物の全部または一部が分解してなる分解生成物が、上記導電性材料の表面を被覆していることを特徴とするものである。
[実施例1]
本実施例においては、コインセル型のリチウム空気二次電池を作製した。なお、コインセルの組立はアルゴンボックス内で行った。
コインセルの模式図を図4に示す。負極ケース22、空気極ケース20はともにSUS材からなり、空気極ケース20は、直径2mmの貫通孔29を複数有している。まず、負極ケース22の上に、金属リチウム箔24を配置した。金属リチウム箔24として、厚み250μmのシートを直径18mmで打ち抜いたものを使用した。次に、金属リチウム箔24の上にポリエチレン製セパレータ25を設置した。セパレータ25として、厚み25μmのシートを直径19.5mmに打ち抜いたものを使用した。次に、セパレータ25の上から、電解液23をスポイトで注液した。電解液23には、エチレンカーボネート(キシダ化学製):ジエチルカーボネート(キシダ化学製)=1:1(体積比)で混合した混合溶媒中にLiClO4(キシダ化学製)を濃度1Mで溶解させ、さらにエチレンサルファイト(硫黄含有環状化合物)を濃度5wt%となるように添加したものを使用した。
電解液23の組成を、下記表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコインセルを得た。
電解液23として、エチレンカーボネート(キシダ化学製):ジエチルカーボネート(キシダ化学製)=1:1(体積比)で混合した混合溶媒中にLiClO4(キシダ化学製)を濃度1Mで溶解させたものを使用したこと(すなわち、硫黄含有環状化合物を用いなかったこと)以外は、実施例1と同様にしてコインセルを得た。
電解液23として、エチレンカーボネート(キシダ化学製):ジエチルカーボネート(キシダ化学製)=1:1(体積比)で混合した混合溶媒中にLiClO4(キシダ化学製)を濃度1Mで溶解させ、さらにジメチルスルフォキシド(硫黄含有鎖状化合物)を濃度5wt%となるように添加したものを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてコインセルを得た。
実施例1〜10および比較例1〜3で得られたコインセルを用いて、高率放電容量試験およびサイクル試験を行った。
まず、得られたコインセルをセルケースにはめ込み、それをガラス容器に入れ、アルミニウム製の蓋で密閉した。なお、正極端子および負極端子の配線は、アルミニウム製の蓋から取り出せるようにした。このガラス容器をアルゴンボックスから取り出し、まず前処理を行った。前処理として、以下の条件で放電および充電を行った。なお、下記(g−carbon)とは、正極層中のカーボン重量をいう。
・放電条件:20mA/(g−carbon)の電流で電池電圧0.3Vになるまで放電を行う
・充電条件:20mA/(g−carbon)の電流で電池電圧3.5Vになるまで充電を行う
なお、この前処理は、アルゴン雰囲気中で行うため、空気電池の反応による酸化物の生成反応は起こらない。
・放電条件:100mA/(g−carbon)の電流で電池電圧2Vになるまで放電を行う
まず、得られたコインセルをセルケースにはめ込み、それをガラス容器に入れ、アルミニウム製の蓋で密閉した。なお、正極端子および負極端子の配線は、アルミニウム製の蓋から取り出せるようにした。このガラス容器をアルゴンボックスから取り出し、まず前処理を行った。前処理の条件は、上記の高率放電容量試験の場合と同様である。
・放電条件:50mA/(g−carbon)の電流で電池電圧2Vになるか、1500mAh/(g−carbon)の電気量に到達するまで放電を行う
・充電条件:25mA/(g−carbon)の電流で電池電圧4.3Vになるまで充電を行う
なお、サイクル試験は放電から開始した。
1a … 下部絶縁ケース
1b … 上部絶縁ケース
2 … 負極集電体
2´ … 負極リード
3 … 負極層
4 … 空気極層
5 … 空気極メッシュ
6 … 空気極集電体
6´ … 空気極リード
7 … セパレータ
8 … 微多孔膜
9 … 電解液
Claims (6)
- 導電性材料を含有する空気極層および前記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、負極活物質を含有する負極層および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、前記空気極層および前記負極層の間に設置されたセパレータと、前記空気極層および前記負極層の間で金属イオンの伝導を担う電解質と、を有するリチウム空気電池であって、
前記電解質が、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される硫黄含有環状化合物を含有することを特徴とするリチウム空気電池。
(一般式(1)において、R 1 およびR 2 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(2)において、R 3 およびR 4 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(3)において、R 5 およびR 6 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(4)において、R 7 およびR 8 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基である。) - 導電性材料を含有する空気極層および前記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、負極活物質を含有する負極層および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、前記空気極層および前記負極層の間に設置されたセパレータと、前記空気極層および前記負極層の間で金属イオンの伝導を担う電解質と、を有するリチウム空気電池であって、
前記電解質が、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される硫黄含有環状化合物を含有し、前記硫黄含有環状化合物の全部または一部が分解してなる分解生成物が、前記導電性材料の表面を被覆していることを特徴とするリチウム空気電池。
(一般式(1)において、R 1 およびR 2 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(2)において、R 3 およびR 4 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(3)において、R 5 およびR 6 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基であり、一般式(4)において、R 7 およびR 8 は独立であり、互いに環を形成可能な官能基である。) - 前記一般式(1)で表される化合物が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ビニレンサルファイト、フェニルエチレンサルファイト、またはこれらの構成元素の一部をハロゲン元素に置換したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム空気電池。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、3−フェニル−1,3−プロパンスルトン、4−フェニル−1,4−ブタンスルトン、またはこれらの構成元素の一部をハロゲン元素に置換したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム空気電池。
- 前記一般式(3)で表される化合物が、スルホラン、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−エチルスルホラン、3−エチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、2−フェニルスルホラン、3−フェニルスルホラン、スルホレン、3−メチルスルホレン、またはこれらの構成元素の一部をハロゲン元素に置換したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム空気電池。
- 前記一般式(4)で表される化合物が、エチレングリコール硫酸エステル、1,2−プロパンジオール硫酸エステル、1,3−プロパンジオール硫酸エステル、またはこれらの構成元素の一部をハロゲン元素に置換したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム空気電池。
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