以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である充填システム10の概略上面図である。この充填システム10は、粒状の被充填物を予め規定された充填数ずつ、個別容器100に充填するシステムである。ここで、被充填物は、形状がほぼ均一な粒状の物品であれば特に限定されず、例えば、錠剤薬のような薬品や、錠剤菓子のような食品、ビーズなどの雑貨、小型の機械・電気部品などであってもよい。以下では、白色の本体の表面に有色のコーティングを施した錠剤菓子を充填する場合に特に、好適なシステムを例に挙げて説明する。
この充填システム10は、三つの充填ユニット12と、当該三つの充填ユニット12の駆動を制御する制御装置(図示せず)と、から構成される。三つの充填ユニット12は、いずれも、ほぼ同様の構成となっている。すなわち、各充填ユニット12は、二つの充填装置20、および、搬送機構14を備えている。また、三つの充填ユニット12は、充填装置20に被充填物(原料)を供給する原料供給機構16、および、充填装置20から排出される被充填物を回収する回収機構18を共有している。
各搬送機構14は、投入元搬送路14a、メイン搬送路14b、排出用搬送路14cを備えている。各搬送路14a,14b,14cは、いずれも、コンベアやローラなどの周知の搬送機構から構成され、その駆動は制御装置により制御される。
投入元搬送路14aは、各充填ユニット12の上流側に位置する搬送路で、個別容器100の供給を受け付ける。図1から明らかなとおり、この投入元搬送路14aは、メイン搬送路14bの上流端を挟むように各充填ユニット12ごとに二つ設けられている。個別容器100は、作業者の手作業、または、何らかの自動投入装置により、当該投入元搬送路14aの上流端に順次供給される。供給された個別容器100は、当該投入元搬送路14aにより下流側へと搬送される。この投入元搬送路14aの下流端には、当該下流端に到達した個別容器100をメイン搬送路14bへと押し出すプッシャー15が設けられている。このプッシャー15の押し出し動作により、二つの投入元搬送路14aで搬送された個別容器100が、一つのメイン搬送路14bに合流させられる。なお、制御装置は、この合流後における個別容器100同士の間隔を適切に保つために、投入元搬送路14aおよびメイン搬送路14bそれぞれの搬送速度を調整している。より具体的には、制御装置は、投入元搬送路14aに比して、メイン搬送路14bの搬送速度を早くしている。
メイン搬送路14bは、既述したとおり、その上流端が投入元搬送路14aに接続された搬送路である。このメイン搬送路14bは、二つの充填装置20に交差するように設置されている。別の見方をすれば、二つの充填装置20は、このメイン搬送路14bの搬送方向に並んで設置されている。被充填物が充填されていない空の個別容器100が、各充填装置20に到達すると、制御装置は、当該メイン搬送路14bの駆動を一時停止し、個別容器100を静止させる。そして、その状態で、充填装置20を駆動して、当該空の個別容器100に被充填物を充填させる。充填処理が正常に終了すれば、制御装置は、再度、メイン搬送路14bを駆動して、各個別容器100を下流側へと搬送する。メイン搬送路14bの下流端まで到達した個別容器100は、当該下流端に設けられたプッシャー17により排出用搬送路14cに押し出される。
排出用搬送路14cは、被充填物が充填された個別容器100を、充填システム10の外部に排出するための搬送路である。この排出用搬送路14cの下流端まで到達した個別容器は、作業者により回収されたり、そのまま、他の処理システム(例えば、蓋取付システムなど)に供給されたりする。
ここで、図1から明らかなとおり、本実施形態では、三つの充填ユニット12で、一つの排出用搬送路14cを共有している。換言すれば、本実施形態では、複数の充填ユニット12から出力される充填済みの個別容器100を、共通の一つの搬送路である排出用搬送路14c上に合流させている。制御装置は、この合流後における個別容器同士の間隔を適切に保つために、メイン搬送路14bおよび排出用搬送路14cそれぞれの搬送速度を調整している。
原料供給機構16は、各充填装置20に被充填物(原料)を供給する機構で、被充填物を移送するシュータや、当該移送を規制するシャッター(いずれも図示せず)などから構成される。後に詳説するように充填装置20には、被充填物を貯留する貯留容器と、当該貯留容器での貯留量を検出する貯留量センサと、が設けられている。原料供給機構16は、この貯留量センサで検出された貯留量が規定の閾値より下回っている充填装置20の貯留容器に被充填物を供給する。
回収機構18は、各充填装置20から排出された被充填物を回収する機構で、被充填物を移送するシュータや当該移送を規制するシャッター(いずれも図示せず)などから構成される。すなわち、後に詳説するように、充填装置20は、各個別容器100に被充填物を充填するが、当該被充填物の品質等に問題がある場合には、当該被充填物を個別容器100に投入することなく、排出する。回収機構18は、この充填装置20から排出された被充填物を回収し、収集する。収集された被充填物は、そのまま廃棄されてもよいが、原料供給機構16を介して再度、充填装置20に供給されてもよい。すなわち、後に詳説するが、この回収機構で回収される被充填物の中には、品質的に何ら問題のない被充填物も多数含まれている。したがって、回収機構18で回収される被充填物を再度、充填装置20に供給しても問題ない。なお、その場合には、回収された被充填物から不良品を除いてから再供給するのが望ましい。
充填装置20は、搬送機構14により搬送された個別容器100に、被充填物を、予め規定された個数、すなわち、充填数ずつ投入する装置である。本実施形態では、一つの充填ユニット12に、二つの充填装置20を設けている。したがって、システム全体としては、六つの充填装置20を有していることになり、同時に六つの個別容器100への充填処理ができるようになっている。
ここで、この充填装置20の詳細な構成を図2〜図4を参照して説明する。図2〜図4は、いずれも、充填装置20の概略構成図であり、図2、図3、図4は、それぞれ、嵌め込み動作時、検査動作時、落下動作時の様子を示している。なお、図2〜図4は、いずれも、見易さ等の理由により、縮尺や各部材の個数が実際とは若干、異なっている。
充填装置20は、既述したとおり、個別容器100に、充填数の被充填物110を充填する装置である。その処理の流れを簡単に説明すると、まず、計数板36に充填数分設けられた計数孔40に被充填物110を嵌め込んだうえで(図2参照)、当該計数孔40を所定の落下位置Pまで移動させる(図3参照)。そして、その状態で、計数孔40の下側に位置する可動シャッター板44を当該計数孔40から離間する方向に移動させ、計数孔40から被充填物110を落下させる(図4参照)。落下した被充填物110は、落下位置Pの下側に設けられたガイド筒28により、メイン搬送路14b上に位置する個別容器100まで案内される。落下位置Pの上側には、CCDカメラ50が設けられており、被充填物110を落下させる前後での計数板36が撮像される。制御装置は、この撮像により得られる画像データに基づいて、被充填物の良否判断等を行う。以下、この充填装置20の各部について詳説する。
充填装置20は、貯留容器22、計数アセンブリ24、シャッターアセンブリ26、ガイド筒28、および、検査アセンブリ30などを備えている。貯留容器22は、少なくとも充填数以上の被充填物を貯留する貯留部として機能するもので、多数の被充填物110を貯留する容器である。この貯留容器22は、その上面および底面が完全に開口した略筒状となっている。そして、この貯留容器22の上面および底面の開口は、それぞれ、原料供給機構16からの被充填物110の供給を受け付ける供給用開口22a、および、複数の被充填物110の通過を許容する通過開口22bとして機能する。なお、本実施形態では、貯留容器22を略筒状としているが、上面および底面に供給用開口22aおよび通過開口22bとして機能する開口が形成されるのであれば、上面および底面が完全開口された筒状以外の形態、例えば、上面および底面に部分的な開口が形成された箱状でもよい。
この貯留容器22には、被充填物110の貯留量を検出する貯留量センサ(図示せず)が設けられている。貯留量センサとしては、重量を検出する重量センサや、接触式スイッチや光、超音波等を利用して貯留されている被充填物の上面レベルを検出するレベルセンサ、撮像画像に基づいて貯留量を判定する画像処理装置などを用いることができる。この貯留量センサでの検出結果は、定期的に制御装置に出力される。制御装置は、検出された貯留量が規定の下限値を下回る場合には、原料供給機構16を駆動して、当該貯留容器22への被充填物110の供給を行う。そして、供給の結果、貯留量が規定の上限値を上回った場合、制御装置は、原料供給機構16の駆動を停止し、被充填物110の供給を終了させる。
計数アセンブリ24は、貯留容器22から充填数の被充填物110を計数し、取り出すためのアセンブリで、計数板36と、当該計数板36を進退させるサーボシリンダ38と、から構成される。計数板36は、貯留容器22の下側に近接配置される板材である。この計数板36は、充填数分の計数孔40が形成された計数領域32と、平坦面を有する閉鎖領域34と、の二つの領域に大別される。
計数領域32は、被充填物110が一つだけ通過可能な計数孔40が充填数分、形成された領域である。なお、図2〜図4では、見易さのために、計数孔40を二つしか図示していないが、実際には、一つの個別容器100に充填すべき個数、すなわち、充填数分、形成されている。本実施形態では、一つの個別容器100に25個の被充填物110を充填するため、図8に示すように、25個の計数孔40を5行5列で配設している。この充填数分の計数孔40は、貯留容器22の通過開口22bに対応する面積範囲内に分散配置されている。したがって、計数領域32を通過開口22bの真下に位置させた場合、この充填数分の計数孔40は全て通過開口22bの内側に位置するようになっている。また、この複数の計数孔40は、後述するCCDカメラ50での撮影可能範囲に相似な形状範囲内に分散配置されている。すなわち、CCDカメラ50の撮影可能範囲が、図8において破線で示すような矩形50Eである場合、この充填数分の計数孔40は、当該矩形50Eと相似な矩形範囲内に分散配置される。なお、計数孔40の配列は、マトリクス状に限らず、放射状配列や菱形状配列(図8に示すマトリクスの配設方向を斜めに傾けた形態)、計数孔40の配置位置を交互にずらした千鳥状配列、計数孔40を規則性なく配設したランダム配列等、他の配列としてもよい。
この充填数分の計数孔40は、貯留容器22から被充填物110を充填数だけ取り出す際に利用される。すなわち、計数領域32を通過開口22bの真下に位置させると、図2に示すように、各計数孔40に一つずつ被充填物110が嵌まり込むことになる。この状態で、計数領域32を落下位置P側へと水平移動させると、図3に示すように、貯留容器22から被充填物110が充填数分だけ取り出されることになる。
閉鎖領域34は、計数板36の基端側に設けられる領域で、その表面は平坦面となっている。この閉鎖領域34は、図3、図4に示すように、計数領域32が通過開口22bの真下から離れる際に、当該通過開口22bからの被充填物110の落下を禁止するべく当該通過開口22bを閉鎖する。これにより、貯留容器22からの被充填物110の意図しない落下が防止される。なお、本実施形態では、計数領域32と閉鎖領域34とを一つの板材に設けているが、それぞれ異なる板材に設けてもよい。すなわち、計数孔40が形成された第一の板材と、表面が平坦な第二の板材と、をそれぞれ別個に設けてもよい。
サーボシリンダ38は、計数板36を水平方向に直線進退させる駆動源である。このサーボシリンダ38は、電動により進退するピストン部38aを有しており、このピストン部38aの先端に計数板36が接続されている。ここで、周知のとおり、サーボシリンダ38は、サーボ制御可能な電動シリンダである。かかるサーボシリンダ38を用いることにより、計数板36の進退位置や、速度を高精度に制御することができる。なお、本実施形態では、計数板36を進退させる駆動源としてサーボシリンダ38を用いているが、当然、他の部材、例えば、モータやボールスプライン等を利用した直進機構や、エアシリンダ等を用いてもよい。また、本実施形態では、計数板36を直線状に進退させているが、計数領域32が通過開口22bの真下付近と落下位置Pとを通過できるのであれば、円弧状に進退させてもよい。
次に、シャッターアセンブリ26について説明する。シャッターアセンブリ26は、計数孔40からの被充填物110の落下を許容または禁止するためのアセンブリである。このシャッターアセンブリ26は、固定シャッター板42、可動シャッター板44、および、サーボシリンダ46からなる。固定シャッター板42は、図2等に示すとおり、貯留容器22の通過開口22bとの間に計数板36が進退できる程度の間隔を開けて、当該通過開口22bの真下に固定配置される板材で、少なくとも充填数分の計数孔40全てを覆える程度のサイズを有している。かかる固定シャッター板42を配置することにより、通過開口22bの真下付近に位置する計数孔40からの被充填物110の落下を常時、禁止することができ、計数板36による貯留容器22からの被充填物110を取り出しが可能となる。
可動シャッター板44は、落下位置Pに位置する計数孔40からの被充填物110の落下を禁止または許容するための板材であり、少なくとも充填数分の計数孔40全てを覆える程度のサイズを有している。この可動シャッター板44は、サーボシリンダ46により水平方向に直線進退可能となっている。そして、この可動シャッター板44が落下位置Pの真下まで進出した場合、当該落下位置Pにある計数孔40からの被充填物110の落下が禁止される(図3参照)。一方、可動シャッター板44が、落下位置Pから離間した位置まで移動すると、落下位置Pにある計数孔40からの被充填物110の落下が許容される(図4参照)。
サーボシリンダ46は、可動シャッター板44を進退駆動するもので、その構成は、計数アセンブリ24に設けられたサーボシリンダ38と同様である。なお、当然ながら、このシャッターアセンブリ26においても、サーボシリンダ46に代えて、他の機構、例えば、モータやボールスプライン等を組み合わせた直進機構やエアシリンダ等を用いてもよい。また、本実施形態では、可動シャッター板44を直線状に進退させているが、落下位置Pの真下と当該真下から離間した位置とを通過できるのであれば、円弧状に進退させてもよい。さらに、本実施形態では、固定シャッター板42と、可動シャッター板44と、を別部材として構成しているが、この二つのシャッター板42,44を単一の部材で構成してもよい。例えば、端部近傍に計数領域32相当の大きさの孔が形成された板材で、固定シャッター板42および可動シャッター板44両方の機能を実現してもよい。
ガイド筒28は、落下位置Pにおいて計数孔40から落下した被充填物110を、個別容器100まで案内する筒状部材である。ガイド筒28の上端に設けられた投入口28aは、落下位置Pの真下に位置しており、計数孔40から落下する被充填物110全てを確実に捕捉できる大きさを有している。また、ガイド筒28は、途中で、正常経路52および不良経路54の二経路に分岐する。正常経路52の末端は、メイン搬送路14bにより搬送されてきた個別容器100の真上に位置しており、落下してきた被充填物110が確実に個別容器100に投入されるようになっている。また、不良経路54の末端は、回収機構18を構成する回収用シュータ(図示せず)などに接続されている。したがって、この不良経路54を通過した被充填物110は、回収機構18により回収されることになる。
正常経路52および不良経路54の分岐箇所には、経路を切り替える切替機構56が設けられている。この切替機構56の駆動は、後述する検査での結果に応じて制御装置により制御される。なお、この切替機構56の構成は、特に限定されないが、例えば、図2に示すように、所定の回転軸を中心に回転することで、いずれか一方の経路を閉鎖する回転板などで切替機構56を構成することができる。
検査アセンブリ30は、計数領域32を撮像して得られる画像データに基づいて、被充填物110の良否等を検査するためのユニットで、CCDカメラ50や、照明装置48、および、画像処理手段として機能する制御装置などから構成される。CCDカメラ50は、落下位置Pの真上に設置されており、当該落下位置Pに到達した計数領域32を撮像できるようになっている。別の言い方をすれば、このCCDカメラ50は、落下動作の前後における計数領域32を撮像する撮像手段として機能する。このCCDカメラ50で撮像することにより得られる画像データは、画像処理手段として機能する制御装置に出力される。制御装置は、当該画像データに基づいて、被充填物110の良否や、嵌まり込み状態の良否、落下動作後であっても被充填物110が計数孔40に残存する「詰まり」の有無などを判断するが、この判断の詳細については後に詳説する。照明装置48は、CCDカメラ50により撮像される計数領域32を照明する装置で、例えば、計数領域32相当の内径を有した環状ライトなどを用いることができる。
次に、上記したような構成の充填装置20による充填処理の流れについて説明する。個別容器100に被充填物110を充填する場合には、まず、計数領域32に設けられた充填数分の計数孔40それぞれに被充填物110を嵌め込ませる嵌め込み動作を実行する。嵌め込み動作は、図2に示すように、計数領域32を通過開口22bの真下に位置させることで実現される。そして、各計数孔40に被充填物110が嵌まり込んだ状態で、図3に示すように、計数板36を水平方向に移動させ、計数領域32を落下位置Pへと移動させることにより、貯留容器22から充填数の被充填物110が計数され、取り出されることになる。
ただし、通常、計数領域32を通過開口22bの真下に単に位置させただけで、全ての計数孔40に被充填物110を確実に嵌め込ませることは困難な場合が多い。すなわち、貯留容器22内の被充填物110と、計数孔40と、の相対位置関係によっては、種々の嵌め込み不良が生じる場合があった。図5は、嵌め込み状態不良の一例を示す図である。計数領域32を単純に通過開口22bの真下に位置させただけでは、この図5に示すように、一つの計数孔40に複数の被充填物110が嵌まり込もうとする「ブリッジ」や、一つの計数孔40に被充填物110が一つ嵌まり込まない「抜け」が生じる場合がある。
本実施形態では、かかる嵌め込み状態不良を防止するために、嵌め込み動作時に、計数板36を特殊な態様で移動させている。これについて図6を用いて詳説する。図6は、嵌め込み動作時の計数板36の動きを示すイメージ図である。
本実施形態では、計数領域32が落下位置Pに位置する状態から、嵌め込み動作へと移行する。したがって、嵌め込み動作を実行する場合、計数領域32は、落下位置Pから通過開口22bに向かって(図6における右側から左側への向きで)移動する。換言すれば、嵌め込み動作を実行する際、計数領域32を通過開口22bの下側へと進入させるべく、計数板36を移動させる。本実施形態では、この計数領域32を通過開口22bの下側へと進入移動させる際の速度を、比較的高速としている。なお、この進入時の速度の好適な値は、計数板36等の剛性や、駆動源であるサーボシリンダ38の性能などに応じて変わってくるため具体的な数値を挙げることはできないが、少なくとも、計数領域32を通過開口22bの下側から落下位置Pへと移動させる際の速度よりも高速であることが望ましい。そして、このように、比較的高速で、計数領域32を通過開口22bの下側に進入させることで、被充填物110の計数領域32の上面での滞留時間を短くできる。そして、その結果、一つの計数孔40に複数の被充填物110が嵌まり込む「ブリッジ」等を効果的に防止できる。
さらに、本実施形態では、この嵌め込み動作の際、計数領域32を通過開口22bの真下を僅かに超えた位置まで水平移動させるオーバーシュートを行った後に、当該オーバーシュートした計数領域32を通過開口22bの真下まで戻すリターンを行う微小進退動作を1回以上行うようにしている。
ここで、「通過開口22bの真下」とは、通過開口22bの下側、かつ、通過開口22bの中心軸線上の意味であり、「計数領域32が通過開口22bの真下を超える」とは、計数領域32の中心軸線が通過開口22bの中心軸線を通過して超える位置まで計数領域32を移動させることである。また、「計数領域32を通過開口22bの真下まで戻す」とは、オーバーシュートした計数領域32の中心軸線が通過開口22bの中心軸線に到達する位置まで計数領域32を移動させることをいう。
したがって、本実施形態では、嵌め込み動作の際、図6(a)に示すとおり、計数領域32の中心軸線Cbが通過開口22bの中心軸線Caに到達しても移動を停止させず、計数領域の中心軸線Cbが、通過開口22bの中心軸線Caを僅かに通過した位置まで図6(a)の矢印方向に水平移動(オーバーシュート)させる。そして、当該通過した位置まで到達すれば、図6(b)に示すとおり、計数板36を反対側の向き(図6における左側から右側への向き)に移動させ、計数領域32の中心軸線Cbが通過開口22bの中心軸線Caに到達するまで計数板36を水平移動させる(リターン)。本実施形態では、この後、計数領域32を落下位置Pまで移動させる工程に移行するが、必要であれば、このオーバーシュートとリターンとを行う微小進退を再度、実行してもよい。すなわち、図6(b)の状態になった後に、再度、図6(a)の状態になるように計数板36を水平移動(オーバーシュート)させたてから計数板36をリターンさせ図6(b)の状態に戻すようにしてもよい。また、図面左方向にオーバーシュートさせるだけでなく、図面右方向にオーバーシュートさせてもよい。すなわち、図6(a)の状態から図6(b)の状態に変移した後に、今度は、計数板36を図面右方向に水平移動させて計数板36を落下位置P寄りに僅かにずれた状態(オーバーシュート状態)にさせてから計数板36を図面左方向に移動させて図6(b)の状態に戻すようにしてもよい。
かかる微小進退動作を実行することで、被充填物110と計数孔40とを適度に相対運動させることができ、上述の「ブリッジ」や「抜け」を効果的に防止することができる。なお、オーバーシュートした時点における計数領域32の中心軸線Cbと通過開口22bの中心軸線Caとのズレ量Dは、特に限定されないが、計数孔40の直径(または被充填物の粒径)の1/2以上であることが望ましい。また、ズレ量Dの最大値は、特に、規定されないが、過度に大きすぎると、通過開口22bの一部が開放され、被充填物110の意図しない落下が生じる。例えば、計数板36が、図6(a)の状態から、さらに、右方向に移動すると、通過開口22bの右端部分が開放されてしまい、被充填物110の落下が生じることになる。ズレ量Dは、かかる被充填物110の意図しない落下を防止できる程度の値以下にする。
各計数孔40に被充填物110を嵌め込む嵌め込み動作が完了すれば、続いて、検査動作を実行する。検査動作は、各計数孔40に嵌め込まれた被充填物110の良否、および、嵌め込み状態の良否を判断するための動作である。
この検査動作を実行する場合、制御装置は、図3に示す状態になるように、計数領域32を落下位置Pに、また、可動シャッター板44を落下位置Pの下側に移動させる。この図3の状態になれば、実際に検査動作が開始される。この検査動作の流れを図7を用いて説明する。図7は、検査動作の流れを示すフローチャートである。
検査動作では、まず、CCDカメラ50により計数領域32が撮像される(S10)。図8は、この撮像の様子を示すイメージ図であり、当該図8において破線で示した矩形は、CCDカメラ50での撮像可能範囲50Eである。撮像時には、当然ながら、充填数分の計数孔40全てが撮像される。
ここで、図8から明らかなとおり、本実施形態では、充填数分の計数孔40を、CCDカメラ50の撮像可能範囲50Eと相似形状の矩形範囲内に分散配置している。これは、CCDカメラ50の性能(画素数など)を有効利用するためである。すなわち、充填数分の計数孔40を撮像可能範囲50Eとは非類似の形状範囲内に分散配置した場合(例えば、充填数分の計数孔40を一列に並べたような場合など)には、一台のCCDカメラ50で全ての計数孔40を撮像することが難しくなり、複数のCCDカメラが必要になる場合がある。しかし、複数のCCDカメラを用意することはコストアップの原因になり望ましくない。もちろん、充填数分の計数孔40を一列に並べた場合でも、撮像倍率を下げれば、一台のCCDカメラで撮像できなくもない。しかし、この場合には、各計数孔40の像の解像度が大幅に低減してしまい、結果として良否検査の信頼性を損なうことになる。本実施形態では、こうした問題を避けるために、充填数分の計数孔40を、CCDカメラ50の撮像可能範囲50Eと相似形状の矩形範囲内に分散配置している。これにより、計数孔40の像を高解像度で得ることができ、良否検査の信頼性を向上できる。
計数領域32の撮像により得られた画像データは、画像処理手段として機能する制御装置に出力される。制御装置は、この画像データに所定の画像処理を施し、計数孔40に嵌め込まれた被充填物110の良否、および、計数孔40への嵌め込み状態の良否を判断する。
ここで、本実施形態では、白色の本体に有色のコーティングを施した錠剤菓子を被充填物110として取り扱う。そして、この有色のコーティング部分の形状が、規定形状と異なる被充填物110を不良品として判断する。したがって、図8に示すように、一部が欠けた被充填物110aや、本体は欠けていないがコーティングが一部剥がれた被充填物110b、形状が基準と大幅に異なる被充填物110c、サイズが基準に比べて大きい被充填物110d、サイズが基準に比べて小さい被充填物110eなどが不良品として判断される。
また、本実施形態では、一つの計数孔40に一つの被充填物110が完全に嵌まり込んでいない場合には、嵌め込み状態不良と判断する。したがって、図8に示すように、一つの計数孔40に複数の被充填物110f,110gが嵌まり込んでいる状態や、一つの計数孔40aに被充填物が一つも嵌まり込んでいない状態などを嵌め込み状態不良と判断する。
こうした被充填物110の良否、および、嵌め込み状態の良否の判断手法としては種々の形態が考えられるが、本実施形態では、次の手順で良否を判断する。まず、制御装置は、撮像により得られた画像データを、予め規定された基準輝度値を閾値として二値化する(S12)。図9の上段は、この二値化処理により得られた二値化画像の一例を示す図である。なお、本実施形態では、この二値化処理で被充填物110のうちコーティング部分のみを確実に抽出できるようにするために、計数板36および当該計数板36の下側に位置する可動シャッター板44の両方の色を、コーティングとは輝度値が大きく異なる色としている。具体的には、本実施形態のコーティングは、赤や黄色、青などの比較的低輝度な色を有しているため、計数板36および可動シャッター板44の色は、比較的高輝度な白色としている。かかる色構成とすることで、二値化した際には、コーティング部分のみを確実に黒色として抽出できる。
二値化処理ができれば、続いて、黒色で抽出された被充填物110(正確には被充填物のうちコーティングされた範囲)のエッジを抽出する(S14)。このエッジ抽出処理は、例えば、各画素毎に輝度値の微分値の絶対値を算出し、さらに、この絶対値を閾値弁別することで抽出できる。例えば、図9のラインLにおける輝度値変化を考える。この場合、輝度値は、図9の中段に示すように、被充填物110のエッジに相当する箇所で急激に変化する。この輝度値の微分値(実際には、隣接する画素の輝度値との差分値)の絶対値は、図9の下段に示すグラフのように、被充填物110のエッジに相当する箇所でのみ高い値をとる。制御装置は、この輝度値の微分値の絶対値と、予め規定された基準値と、を比較し、当該絶対値が当該基準値を上回る箇所を、エッジ部分として抽出する。
エッジが抽出できれば、続いて、制御装置は、パターンマッチングなどの公知の技術を用いて、抽出されたエッジが示す形状と基準形状との誤差量を、各計数孔40ごとに算出する(S16)。そして、得られた誤差量と、規定閾値と、を比較する(S18)。この比較の結果、誤差量が規定閾値を超える計数孔40が一つでも発生すれば、制御装置は、被充填物不良または嵌め込み状態不良が発生していると判断し、検査動作を終了する(S22)。一方、全ての計数孔において、誤差量が規定閾値未満であった場合には、不良は発生していないと判断し、検査動作を終了する(S20)。なお、ここで説明した検査動作の流れは一例であり、被充填物の良否および嵌め込み状態の良否の少なくとも一方が判断できるのであれば、当然、他の手順で検査を行ってもよい。
検査動作が完了すれば、制御装置は、計数孔40に嵌め込んだ被充填物110を落下させる落下動作を実行させる。この落下動作を行う際、制御装置は、検査動作での検査結果に応じて、ガイド筒28内の経路を適切に切り替えておく。具体的には、検査の結果、何ら不良が発生していないと判断した場合、制御装置は、不良経路54を遮断して、計数孔40から落下してきた被充填物110が正常経路52を通るようにしておく。逆に、検査の結果、何らかの不良が発生していると判断された場合、制御装置は、切替機構56を駆動して、正常経路52を遮断するとともに、落下してくる被充填物110が不良経路54を通るようにしておく。
経路の切り替えが完了すれば、制御装置は、続いて、落下位置に位置する各計数孔40からの被充填物110の落下を許容するべく、可動シャッター板44を計数領域32から離間した位置に移動させる。この可動シャッター板44の移動により、各計数孔40の底面が開放され、被充填物110がガイド筒28へと落下する。
検査において何らかの不良が発見されていた場合には、被充填物110は、ガイド筒28に設けられた不良経路54に案内され、最終的に回収機構18へと投入される。回収機構18は、この投入された被充填物110を回収、収集する。そして、場合によっては、この回収された被充填物110を、原料供給機構16に供給する。すなわち、これまでの説明から明らかなとおり、本実施形態では、計数孔40に嵌まり込んだ複数の被充填物110のうち一つでも不良があれば、他の正常な被充填物も不良経路54に落下させる。したがって、不良経路54に投入された被充填物110の中には、品質的に問題がない被充填物110も多量に含まれており、この正常な被充填物110を廃棄等することは非効率であるといえる。したがって、本実施形態では、回収機構18で回収された被充填物110を、再度、原料供給機構16に供給している。
検査において不良が発見されなかった場合、被充填物110は、ガイド筒28に設けられた正常経路52により案内され、最終的に、個別容器100へと投入され、充填される。ここで、この個別容器100に投入される被充填物110は、予め計数板36により計数された個数であり、かつ、検査により正常と判断された被充填物110である。したがって、本実施形態によれば、品質的に問題のない充填数分の被充填物110を確実に個別容器100に充填することができる。また、一回の落下動作で、複数(充填数)の被充填物110を投入できるため、比較的短い時間で、充填処理を行うことができる。
ところで、被充填物110は、正常経路52の下端から個別容器100に落下することになるが、この正常経路52の下端の態様によっては、被充填物110の個別容器100からの離脱を招くことがある。これについて図11を用いて簡単に説明する。図11(a)は、個別容器100周辺の概略側面図であり、図11(b)は図11(a)における概略B−B断面図である。
本実施形態で用いる個別容器100は、図11に示すように、上面視略楕円形の舟形形状である。この個別容器100の上面は完全に開口しており、当該開口が、被充填物110の投入を受け付ける投入開口100aとなる。ここで、図11(a)に示すように、正常経路52の下端と、投入開口100aとの距離Hが過度に大きい場合には、当該正常経路52の下端から落下した被充填物110が、跳ねて個別容器100の外部に飛び出す場合がある。また、図11(b)に示すように、正常経路52の下端形状が投入開口100aの形状と大幅に異なっている場合、特に、投入開口100aが非円形であるのに対し、正常経路52の下端形状が円形である場合には、個別容器100における被充填物110の堆積分布に偏りが生じやすい。その結果、図11(a)に示すように、被充填物110が山状に積み重なった不安定な堆積状態になりやすい。この場合、当該「山」の頂上付近に堆積した被充填物110が、他部材と衝突し、個別容器100の外部に押し出される場合もある。
本実施形態では、こうした問題を避けるために、正常経路52の下端の位置と形状とを特殊な態様にしている。具体的には、本実施形態では、図10(a)に示すように、正常経路52の下端と、投入開口100aと、の距離Hを、被充填物110の高さ(正確には短軸長さ)より小さくしている。かかる構成とすることで、落下時に被充填物110が跳ね上がったとしても、被充填物110が個別容器100の外側に飛び出すことが防止される。
また、本実施形態では、図10(b)に示す通り、正常経路52の下端形状を、投入開口100aの形状とほぼ同じ、あるいは、僅かに小さい相似形状としている。かかる構成とすることで、被充填物110が、個別容器100の全体に均等に落下しやすくなり、部分的に被充填物110が堆積する山盛り状態が防止される。そして、結果として、「山」が他部材と干渉することにより生じる被充填物110の個別容器100外部への転落等を防止できる。
再び、充填処理の流れを説明する。上記の手順で落下動作が完了すれば、制御装置は、再度、検査動作を実行する。この検査動作では、被充填物110が落下することなく計数孔40に残留する「詰まり」の有無を検査する。
具体的には、落下動作が完了すれば、制御装置は、可動シャッター板44を、再度、落下位置Pの真下(計数領域の真下)に移動させる。その状態で、計数領域をCCDカメラ50で撮像する。そして、制御装置は、この撮像により得られた画像データに、被充填物110に相当する像があるか否かを判断する。この像の有無判断の方法として種々の形態が考えられるが、例えば、画像データを二値化したうえで、黒色部分の面積(画素数)を算出する。そして、黒色部分の面積が規定の閾値以上の場合には、被充填物110が残留していると判断するようにしてもよい。もちろん、この手法は、一例であり、当然、他の手法で被充填物110の残留を検出してもよい。
いずれにしても、当該検査により被充填物110が落下することなく計数孔40に残留していると判断された場合、制御装置は、ユーザにエラーを通知するとともに、充填装置20および搬送機構14の駆動を一時停止する。この場合、ユーザは、当該エラーが発生した充填装置20を確認し、「詰まり」が発生していれば、残留している被充填物110を除去して、当該「詰まり」を解消すればよい。また、被充填物110が計数孔40に残留しているということは、個別容器100に投入された被充填物110の数が充填数に達していないことになる。したがって、「詰まり」が発生した場合、ユーザは、その直前に、被充填物110が充填された個別容器100をラインから取り出しておくことが望ましい。
一方、検査の結果、「詰まり」は無いと判断された場合、制御装置は、メイン搬送路14bを駆動して、充填済みの個別容器100を下流側に搬送するとともに、充填前の個別容器100を正常経路52の真下に移動させる。そして、以降は、上述の充填処理を繰り返せばよい。
以上、説明した通り、本実施形態では、計数板36を用いて被充填物110を計数するが、この計数時(嵌め込み動作時)に、計数板36を微小進退させる微小進退動作を1回以上行っている。その結果、ブリッジや抜けといった嵌め込み状態不良を効果的に防止することができる。そして、結果として、予め規定された充填数分の被充填物を、より迅速かつ正確に個別容器100に充填できる。
10 充填システム、12 充填ユニット、14 搬送機構、14a 投入元搬送路、14b メイン搬送路、14c 排出用搬送路、15 プッシャー、16 原料供給機構、17 プッシャー、18 回収機構、20 充填装置、22 貯留容器(貯留部)、22b 通過開口、24 計数アセンブリ、26 シャッターアセンブリ、28 ガイド筒、30 検査アセンブリ、32 計数領域、34 閉鎖領域、36 計数板、38,46 サーボシリンダ、40 計数孔、42 固定シャッター板、44 可動シャッター板、50 CCDカメラ、50E 撮像可能範囲、52 正常経路、54 不良経路、56 切替機構、100 個別容器、100a 投入開口、110 被充填物。