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JP5225736B2 - タービンハウジング - Google Patents
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本発明は、ターボチャージャーの主要な構成部品の1つである排気タービンホイール用のハウジング(通称、タービンハウジング)に関するものである。
一般に、タービンハウジングは鋳物製であるが、鋳物製ハウジングは重くて熱容量が大きいという欠点がある。それゆえ近年、タービンハウジングの薄肉化(ひいては軽量化及び低熱容量化)を図るため、スクロール部の全部又は一部を金属板材の板金加工やハイドロフォーミングによって形成してなる非鋳物製のタービンハウジングが提案されている(例えば特許文献1参照)。図1及び図2は、そのような非鋳物製タービンハウジングの一従来例を示す。
図1及び図2のタービンハウジングは、スクロール本体部11及びガス導入部12からなるスクロール部10を備え、このスクロール部10に対し、入口フランジ13、出口フランジ14及びセンターハウジング側フランジ(図示略)を固着して構成されている。スクロール本体部11は、その内部に、巻き始め位置と巻き終り位置とがつながった略環状のガス流路を区画するものである。ガス導入部12は、入口フランジ13に対応するガス入口13aから取り込んだ排気ガスを前記スクロール本体部11の巻き始め位置に導くための導管である。
特に図2に示すように、ガス導入部12は、第1の半割りパーツ21と第2の半割りパーツ22とを接合すると共に、両半割りパーツ接合時における左右両側の重ね合わせ接合部23(図2(a)参照)に対し溶接を施すことにより一体化されている。更に、このガス導入部12の内壁部には、前記第1及び第2の半割りパーツ21,22とは別体の整流板24が装着されている。この整流板24は、ガス入口13aから導入された排気ガスと、スクロール本体部11を一巡し還流してきた排気ガスとの合流点におけるガス流れを整えて、新規導入の排気ガスと還流排気ガスとの干渉による排気抵抗の増大を回避するために設けられている。
なお、かかる整流板24は、タービンハウジングの非鋳物化に伴って特に必要となった部材であり、鋳物製タービンハウジングにおいてスクロール部内壁の延長に位置するように一体鋳造されていたタング部に相当するものである。特許文献1の図3に示されたガイド部材(9)は、上記非鋳物製タービンハウジングにおける整流板24に対応する。
特開2007−224827号(図3等参照)
しかしながら、図1及び図2に示すタービンハウジングのように、整流板24を別体のものとすると、部品点数の増加及び溶接工数の増加によるコスト増を招いてしまうおそれがあった。また、第1及び第2の半割りパーツ21,22の溶接位置(溶接ビードの位置)と、整流板24をガス導入部12内に溶接したときの溶接位置(溶接ビードの位置)とが接近している場合には、不要な入熱によって溶接強度が低下するおそれがあることから、タービンハウジングの耐久信頼性を更に向上させることが望まれている。
本発明の目的は、従来よりも部品点数の削減、溶接工数の削減および耐久信頼性の向上を図ることができるタービンハウジングを提供することにある。また、スクロール部に新規導入される排気ガスと還流排気ガスとの排気干渉を生じにくいタービンハウジングを提供することにある。
請求項1の発明は、巻き始め位置と巻き終り位置とがつながった略環状のガス流路を区画するスクロール本体部、及び、ガス入口から取り込んだ排気ガスを前記スクロール本体部の巻き始め位置に導くためのガス導入部を備えたタービンハウジングであって、
少なくとも前記ガス導入部は、相互に接合可能な第1分割パーツ及び第2分割パーツを接合することにより形成され、且つ、当該ガス導入部の横断面における一端位置において両分割パーツが突き合せ接合されると共に、当該ガス導入部の横断面における反対端位置において両分割パーツが重ね合わせ接合されることにより形成され、
前記第1及び第2分割パーツのいずれか一方には、両分割パーツが重ね合わせ接合される前記反対端位置において、前記ガス入口から前記スクロール本体部の巻き始め位置に導入される排気ガスと、前記スクロール本体部を一巡して前記巻き終り位置から前記巻き始め位置に向かう還流排気ガスとの合流点において排気ガス流れを整流化するための整流部が一体形成されており、
前記第1及び第2分割パーツのいずれか一方の前記反対端位置に一体形成された整流部が、これら分割パーツの相互接合時にはその接合境界を超えて前記第1及び第2分割パーツのうちの他方の内側に入り込んでいる、ことを特徴とする。
この構成によれば、ガス導入部を形成する第1及び第2分割パーツの一方には、ガス入口から新規導入される排気ガスと還流排気ガスとの合流点において排気ガス流れを整流化するための整流部が一体形成されている。このため、整流板が別体化されていた従来例に比べて、部品点数の削減および溶接工数の削減を図ることができると共に、溶接ビードの接近による耐久性の低下を回避して耐久信頼性の向上を図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のタービンハウジングにおいて、前記他方の分割パーツの内側に入り込んだ整流部の一部が、当該他方の分割パーツの内壁に対して溶接固定されている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のタービンハウジングにおいて、前記第1及び第2分割パーツは、それぞれ金属板材の板金加工によって形成されると共に、これら分割パーツの相互接合部に溶接を施すことにより一体化されて前記ガス導入部の本体部分を形成することを特徴とする。
このように、ガス導入部の本体部分が、板金加工製の二つの分割パーツの相互接合部に溶接を施して一体化されたものである場合(つまり非鋳物製品である場合)に、本発明の有用性や必要性が特に認められる。
なお、タービンハウジングにおいて、当該タービンハウジングに前記整流部が存在しない場合における前記スクロール本体部の巻き終り位置での流路断面積をAeとした場合、前記整流部によって前記Aeの28〜38%が閉ざされ、その結果、前記スクロール本体部の巻き終り位置での流路断面積が前記Aeの62〜72%となるように前記整流部が設けられていることは好ましい。
このように、スクロール本体部の巻き終り位置での流路断面積が、Ae(タービンハウジングに整流部が存在しない場合におけるスクロール本体部の巻き終り位置での流路断面積)の62〜72%となるように整流部を設けることで、整流板の形状如何にかかわらず、新規導入の排気ガスと還流排気ガスとの合流点での排気干渉を緩和して、排気干渉に起因する過給性能の低下を防止することができる。ちなみに、スクロール本体部の巻き終り位置での流路断面積がAeの62%未満であると、還流排気ガスの流通抵抗が過大になり、過給性能が低下するおそれがある。他方、巻き終り位置での流路断面積がAeの72%を超えると、整流部が全く存在しないケースに近くなり、新規導入ガスと還流ガスとの排気干渉が顕著化して過給性能が低下するおそれがある。
本発明のタービンハウジングによれば、従来よりも部品点数の削減、溶接工数の削減および耐久信頼性の向上を図ることができる。また、スクロール部に新規導入される排気ガスと還流排気ガスとの排気干渉を生じにくくすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図3〜図5を参照しつつ説明する。
図3及び図4に示すように、タービンハウジングはスクロール部10を備え、このスクロール部10に対し入口フランジ13、出口フランジ14及びセンターハウジング側フランジ(図示略)を固着して構成されている。スクロール部10は、スクロール本体部11と、それに連なるガス導入部12(「助走部」ともいう)とから構成されている。
スクロール本体部11の内部には、巻き始め位置と巻き終り位置とがつながった略環状トンネル状のガス流路11aが区画されている。このようなスクロール本体部11は、例えばステンレス鋼板等の金属板材をプレス成形して得た半割り部品(二つ)を重ね合わせ接合又は突き合せ接合して溶接することにより得られる板金加工品、又は、中空な金属素材をハイドロフォーミングすることにより得られる液圧成形品として提供される。
スクロール本体部11の中央部正面側には、略リング形状の出口フランジ14が設けられている。出口フランジ14は、当該タービンハウジングにそれよりも下流側の外部配管(例えばエルボ、図示略)を接続する際の継手部であり、スクロール本体部11内を循環した排気ガスが当該タービンハウジングの外へ逃れ出るためのガス出口14aを提供するものである。他方、スクロール本体部11の中央部背面側(図示略)には、センターハウジング側フランジ(図示略)が設けられている。センターハウジング側フランジは、当該タービンハウジングをターボチャージャーのセンターハウジング(ベアリングハウジングともいう)に接続固定する際の継手部となるものである。
スクロール部10の一側部を占めるガス導入部12の先端部には、入口フランジ13が設けられている。入口フランジ13は、当該タービンハウジングにそれよりも上流側の外部配管(図示略)を接続する際の継手部であり、当該タービンハウジングに導入されるべき排気ガスの入口(ガス入口13a)を提供するものである。ガス導入部12は、ガス入口13aから取り込んだ排気ガスをスクロール本体部11の巻き始め位置に導く導管の役目を果たす。
図4(a)に示すように、ガス導入部12は、横断面略円形の円筒形状をなしており、その略円形の横断面をほぼ水平に横切る直径線(図中に二点鎖線で示す接合境界15)に沿って上下に二分割したような二つの半割りパーツ(即ち第1の分割パーツ31及び第2の分割パーツ32)から形成されている。第1及び第2の分割パーツ31,32は、金属板材(例えばステンレス鋼板)の板金加工(例えばプレス加工)によってそれぞれ別パーツとして形成されている。本実施形態では、図4(a)においてガス導入部12の下側半分を構成する第2の分割パーツ32には、湾曲板形状の整流部33が分割パーツ本体部分と一体形成されている。この整流部33は、ガス入口13aから導入された排気ガスと、スクロール本体部11を一巡し還流してきた排気ガスとの合流点におけるガス流れを整えて、新規導入の排気ガスと還流排気ガスとの干渉による排気抵抗の増大を回避する。
本実施形態では、第1の分割パーツ31と第2の分割パーツ32とを互いに接合させると共に、その相互接合部分に溶接を施すことにより、両分割パーツ31,32は一体化されている。即ち図4(a)では、ガス導入部12の右端位置において両分割パーツ31,32が突き合せ接合され、この突き合せ接合部に対し溶接W1が施されている。また、ガス導入部12の左端位置において両分割パーツ31,32が重ね合わせ接合され、この重ね合わせ接合部に対し溶接W2が施されている。
なお、本実施形態では、第2分割パーツ32に一体形成された整流部33が、両分割パーツの接合境界15を超えて第1分割パーツ31の内側に入り込んでいる(図4(a)参照)。この第1分割パーツ31の内側に入り込んだ整流部33の先端部又はその近傍に溶接W3を施して、整流部33の先端部またはその近傍を第1分割パーツ31の内壁面に溶接固定することは好ましい。溶接W3を施すことで、スクロール部内部での整流部33の支持が確実になり、タービンハウジングの耐久信頼性が更に向上する。
本実施形態のタービンハウジングは、図5のグラフに示すような流路断面積を有している。即ち、ガス導入部12の流路断面積は、ガス入口13a(断面積S1)からスクロール本体部11の巻き始め位置(断面積S2)に向かうにつれて絞り込まれている。他方、スクロール本体部11の流路断面積は、ガス導入部におけるほどの急峻な変化はないものの、巻き始め位置から巻き終わり位置に向けて徐々に減少する傾向にある。特に、当該タービンハウジングに前記整流部33が存在しない場合におけるスクロール本体部11の巻き終り位置での流路断面積をAeとした場合(図5の太破線の場合)、本実施形態では、整流部33によって前記Aeの約1/3(即ち約33%)が閉ざされ、その結果、スクロール本体部11の巻き終り位置での流路断面積が前記Aeの約2/3(即ち約67%)に設定されている。
本実施形態によれば、ガス導入部12を形成する第1及び第2分割パーツ31,32の一方(即ち第2分割パーツ32)には、ガス入口13aから新規導入される排気ガスと還流排気ガスとの合流点において排気ガス流れを整流化するための整流部33が一体形成されている。このため、整流板24が別体化されていた従来のタービンハウジング(図1及び図2)に比べて、部品点数の削減および溶接工数の削減を図ることができる。また、第1及び第2分割パーツ31,32を結合するための溶接W1,W2は、接合境界15に沿った位置での溶接だけで足り、従来例のような整流板24の溶接が不要なので、従来例の場合よりも、溶接ビードの接近による耐久性の低下を回避することができる。
本実施形態では、スクロール本体部11の巻き終り位置での流路断面積が、整流部33を設けることで、タービンハウジングに整流部33が存在しない場合におけるスクロール本体部11の巻き終り位置での流路断面積Aeの約2/3となるように設定されている。かかる整流部33の配設および巻き終り位置での流路断面積設定により、非鋳造製タービンハウジングにありがちな、排気干渉による過給性能の低下を効果的に防止することができる。特に、エンジンが最大出力に近い状態で回転し、排気ガスが高流量となっている場合の排気干渉を非常に効果的に回避することができる。
なお、本発明を完成するまでに幾多の試作実験を積み重ねた結果、非鋳造製タービンハウジングでの整流部33の整流作用は、その整流部33の形状の差異(具体的にはその整流部33がストレート板形状かそれとも滑らかな湾曲板形状かといった違い)よりも、巻き終り位置での流路断面積をどの程度の大きさにし得る寸法を当該整流部33が有するかの方がはるかに大きな影響を受けることが判明した。かかる技術的知見に基づいて、本実施形態の整流部33は、当該整流部33によって前記Aeの約1/3が閉ざされ、その結果、スクロール本体部11の巻き終り位置での流路断面積が前記Aeの約2/3となるように寸法設定されている。なお、このような寸法設定が整流部33の最善の寸法設定と思われるが、この寸法を中心として若干の寸法幅が許されることは言うまでもない。
[変更例]図3〜図5の上記実施形態では、第2分割パーツ32の側に整流部33を一体形成したが、第1分割パーツ31の側に整流部33を一体形成してもよい。
(削除)
従来のタービンハウジングの正面図。 図1のタービンハウジングのガス導入部付近を示し、(a)は(b)のA−A線での断面図(横断面図)、(b)は(a)のB−B線での断面図(平断面図)。 本発明の一実施形態に従うタービンハウジングの正面図。 図3のタービンハウジングのガス導入部付近を示し、(a)は(b)のA−A線での断面図(横断面図)、(b)は(a)のB−B線での断面図(平断面図)。 図3のタービンハウジングにおける流路断面積の変化状況を示すグラフ。
10…スクロール部、11…スクロール本体部、11a…略環状トンネル状のガス流路、12…ガス導入部、13a…ガス入口、14a…ガス出口、15…接合境界、31…第1の分割パーツ、32…第2の分割パーツ、33…整流部。

Claims (3)

  1. 巻き始め位置と巻き終り位置とがつながった略環状のガス流路を区画するスクロール本体部、及び、ガス入口から取り込んだ排気ガスを前記スクロール本体部の巻き始め位置に導くためのガス導入部を備えたタービンハウジングであって、
    少なくとも前記ガス導入部は、相互に接合可能な第1分割パーツ及び第2分割パーツを接合することにより形成され、且つ、当該ガス導入部の横断面における一端位置において両分割パーツが突き合せ接合されると共に、当該ガス導入部の横断面における反対端位置において両分割パーツが重ね合わせ接合されることにより形成され、
    前記第1及び第2分割パーツのいずれか一方には、両分割パーツが重ね合わせ接合される前記反対端位置において、前記ガス入口から前記スクロール本体部の巻き始め位置に導入される排気ガスと、前記スクロール本体部を一巡して前記巻き終り位置から前記巻き始め位置に向かう還流排気ガスとの合流点において排気ガス流れを整流化するための整流部が一体形成されており、
    前記第1及び第2分割パーツのいずれか一方の前記反対端位置に一体形成された整流部が、これら分割パーツの相互接合時にはその接合境界を超えて前記第1及び第2分割パーツのうちの他方の内側に入り込んでいる、ことを特徴とするタービンハウジング。
  2. 前記他方の分割パーツの内側に入り込んだ整流部の一部が、当該他方の分割パーツの内壁に対して溶接固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のタービンハウジング。
  3. 前記第1及び第2分割パーツは、それぞれ金属板材の板金加工によって形成されると共に、これら分割パーツの相互接合部に溶接を施すことにより一体化されて前記ガス導入部の本体部分を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンハウジング。
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