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JP5225904B2 - 燃焼状態監視方法 - Google Patents
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この発明は、燃焼状態監視方法に係り、特に、セメント製造工程における仮焼炉での燃料の燃焼状態を監視する方法に関する。
従来のセメント製造方法が、特許文献1に開示されている。この製造方法において、プレヒータでのセメント原料の分解度を管理するために、仮焼炉の下流側でサンプリングしたセメント原料の分解度の測定結果に基づいて、定常状態における仮焼炉の下流側のガス温度を管理している。
特開2000−272940号公報
しかしながら、近年、環境意識の向上及び石炭価格の高騰により、セメント製造の燃料として、リサイクル原燃料や低品位石炭の使用量が増加している。このような燃料を使用すると、仮焼炉での燃焼特性が変化するため、定常状態でのガス温度に基づいてセメント原料の分解度を管理することが難しくなるといった問題点があった。すなわち、定常状態でのガス温度が一定であっても、燃焼特性が変化することによりセメント原料の分解度が変化するため、ガス温度の測定結果が必ずしも分解度の指標とならなくなっている。また、リサイクル原燃料と石炭の使用量との組み合わせによっては燃焼性が悪化するため、セメント原料の分解度を一定に保つためには、より多くの燃料を使用しなければならない場合もある。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、セメント製造工程で使用する燃料の燃焼特性が変化しても、セメント原料の分解度を一定に保つことのできる燃焼状態監視方法を提供することを目的とする。
この発明に係る燃焼状態監視方法は、セメント製造工程における仮焼炉において、リサイクル原燃料及び主燃料を燃焼する際の燃焼状態監視方法であって、前記仮焼炉または該仮焼炉よりもガスの流れとして上流側へ供給される前記リサイクル原燃料の量を変化させるか、または前記仮焼炉に供給される前記主燃料の量を変化させるステップと、前記仮焼炉の燃焼ガスの温度を測定するステップと、前記燃焼ガスの温度の測定結果から、前記リサイクル原ないし前記主燃料の単位供給量の変化量あたりの前記燃焼ガスの温度変化の経時変化を演算するステップと、演算された前記経時変化を、予め準備されている種々の前記リサイクル原燃料ないし前記主燃料についての燃焼ガスの温度変化の経時変化と比較するステップとを含む。
この発明によれば、演算された経時変化を予め準備されている経時変化と比較することによって燃料の燃焼特性の変化を認識できるので、セメント製造工程で使用する燃料の燃焼特性が変化しても、セメント原料の分解度を一定に保つことができる。
この発明の実施の形態に係るセメント製造工程を実施するためのセメント製造装置の概略図である。 種々の石炭及びリサイクル原燃料について供給量を変化させた時の燃焼ガスの温度変化の経時変化を示すグラフである。 リサイクル原燃料について供給量を変化させた時の燃焼ガスの温度変化の経時変化の一例を示すグラフである。 主燃料及びリサイクル原燃料の種類ごとの燃焼特性を記録したデータベースの概略図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この実施の形態に係るセメント製造工程を実施するためのセメント製造装置の概略図を示す。このセメント製造装置は、プレヒータ1と、仮焼炉2と、ロータリーキルン3と、クリンカクーラー4とから構成されている。
仮焼炉2には、仮焼炉2にリサイクル原燃料を投入するための投入口12が設けられ、投入口12には、リサイクル原料を供給するリサイクル原燃料供給装置11が接続されている。また、仮焼炉2には、バーナー17が設けられ、バーナー17には、主燃料である石炭を供給するように、石炭供給装置13が接続されている。石炭供給装置13には、供給される石炭の粉末度を調整するための粉末度設定装置14が接続されている。
プレヒータ1は、複数のサイクロン1a〜1eを多段に接続した多段式サイクロンから構成されている。最上段のサイクロン1eと上から2番目のサイクロン1dとを接続するダクト1fに、セメント原料を投入するための投入口1gが設けられ、セメント原料を供給するセメント原料供給装置16が投入口1gに接続されている。サイクロン1eには、サイクロン1eからの排ガスを誘引するファン5が接続されている。また、最下段のサイクロン1aと下から二番目のサイクロン1bとを接続するダクト1hに、サイクロン1aからの排ガスの温度を測定するための温度検出器6が設けられている。サイクロン1aとロータリーキルン3とは、シュート18を介して連通され、サイクロン1aと仮焼炉2とは、上部ダクト1Jを介して連通されている。
温度検出器6と、リサイクル原燃料供給装置11と、石炭供給装置13と、粉末度設定装置14とはそれぞれ、セメント製造装置の動作を制御する制御装置15に電気的に接続されている。制御装置15は、種々の石炭及びリサイクル原燃料について供給量を変化させた時の燃焼ガスの温度変化の経時変化を予め記憶した記憶部15aと、温度検出器6から受信したデータから、記憶部15aに記憶された経時変化と同様の経時変化を演算する演算部15bと、記憶部15aに記憶された経時変化と演算部15bによって演算された経時変化とを比較する比較部15cと、石炭供給装置13及び粉末度設定装置14にそれぞれ電気的に接続された制御部15dとを有している。
図2に、記憶部15aに記憶された経時変化のグラフの一例を示す。図2は、3種類の石炭及び4種類のリサイクル原燃料のそれぞれについて供給量を1ton/hr(単位供給量)増加したときに、供給量を増加した時を基準として温度検出器6によって測定された温度の温度変化がどのように変化するか(経時変化)を示している。
次に、この発明の実施の形態に係るセメント製造装置の動作を、図1に基づいて説明する。
リサイクル原燃料供給装置11によって供給されたリサイクル原燃料は、投入口12を介して仮焼炉2に投入される。また、粉末度設定装置14によって粉末度が調整された石炭は、石炭供給装置13によってバーナー17に供給される。仮焼炉2に投入されたリサイクル原燃料は、石炭を燃料として燃焼するバーナー17によって燃焼される。仮焼炉2内の燃焼によって生成した燃焼ガスは、上部ダクト1Jを介してサイクロン1aに入り、プレヒータ1内を上方に向かって流通する。すなわち、燃焼ガスは、サイクロン1a〜1eを順次流通する。
一方、セメント原料供給装置16によって供給されたセメント原料は、投入口1gを介してダクト1f内に投入される。投入されたセメント原料は、プレヒータ1内を下方に向かって移動する。この際、セメント原料は、プレヒータ1内を上方に向かって流通する燃焼ガスと熱交換することにより予熱され、セメント原料における石灰石の主成分である炭酸カルシウムが炭化カルシウム及び炭酸ガスに分解される。ここで、セメント原料の分解度とは、炭酸カルシウムが炭化カルシウム及び炭酸ガスに分解される分解反応の進行度合いを意味する。
サイクロン1eまで流通した燃焼ガスは、ファン5に誘引されて、セメント製造装置から排出される。一方、プレヒータ1で予熱されたセメント原料は、ロータリーキルン3に入り、焼成されてセメントクリンカとなり、クリンカクーラー4へ送られる。クリンカクーラー4に送られたセメントクリンカは、冷却用ガスと熱交換することにより冷却される。
次に、仮焼炉2においてリサイクル原燃料を燃焼する際の燃焼状態監視方法について説明する。
通常は、温度検出器6による測定値が一定となるように(ある設定温度になるように)管理する。例えば、温度検出器6による測定値が低下してきたことを制御装置15が認識したら、制御部15dが粉末度設定装置14を作動させて石炭の粉末度を小さくするか、または、石炭供給装置13を作動させて石炭供給量を増加するか、またはこれらを組み合わせることによって、温度検出器6による測定値を設定温度に調整する。
しかしながら、前述したように、リサイクル原燃料や低品位石炭を使用すると、仮焼炉2での燃焼特性が変化する場合がある。燃焼特性が変化すると、温度検出器6による測定値とセメント原料の分解度との関係も変化するので、燃焼特性が変化したにもかかわらず、温度検出器6による測定値が従来の設定温度になるように管理しても、セメント原料の分解度を一定に保つことはできない。そこで、仮焼炉2での燃焼特性が変化したか否かを判定する必要がある。
仮焼炉2での燃焼特性が変化したか否かを判定するために、まず、リサイクル原燃料供給装置11によるリサイクル原燃料の供給量を変化させる。リサイクル原燃料の供給量を変化させることには、意図的に供給量を変化させることだけが含まれるのではなく、リサイクル原燃料のロットを変更する際に、不可避的かつ一時的に供給量が変化してしまうことも含まれるものとする。
例えば、リサイクル原燃料の供給量を増加させた場合を考えると、仮焼炉2での燃焼が激しくなり、温度検出器6による測定値は徐々に上昇するので、リサイクル原燃料の供給量が増加した時の温度検出器6による測定値に対する温度検出器6による測定値の温度差は徐々に上昇する。制御装置15内の演算部15bは、温度検出器6による測定値に基づいて、リサイクル原燃料の単位供給量あたりのこの温度差の経時変化、すなわち、リサイクル原燃料1ton/hrあたりの燃焼ガスの温度変化の経時変化を演算する。
続いて、比較部15cは、この演算された経時変化を、記憶部15aに記憶されている経時変化と比較する。ここで、記憶部15aに記憶されている経時変化は、同じ種類のリサイクル原燃料の供給量を増加した場合に得られる経時変化である。両者の経時変化が全体的にずれている場合には、比較部15cは、仮焼炉2での燃焼特性が変化したと判定する。
例えば、図3(a)に示されるように、演算された経時変化(破線)が、記憶部15aに記憶されている経時変化(実線)に対して、最終的な温度差(ゲイン)は変わらないものの、温度変化の上昇が遅くなるようにずれている場合には、定常状態において、リサイクル原燃料の供給量を増加する前に比べ、温度検出器6による測定値は変わらない。そのため、従来の管理方法では、燃焼特性が変わったことを認識することができないため、セメント原料の分解度を実測するまでは、分解度の変化を認識することができない。
また、例えば、図3(b)に示されるように、演算された経時変化(破線)が、記憶部15aに記憶されている経時変化(実線)に対して、全体的に温度変化が大きくなるようにずれている場合には、リサイクル原燃料の供給量と、石炭の供給量と、石炭の粉末度との少なくともいずれかを変更しなければ、定常状態において、リサイクル原燃料の供給量を増加する前に比べ、温度検出器6による測定値は高くなる。この場合には、プレヒータ1での燃焼特性が変化しているので、温度検出器6による測定値とセメント原料の分解度との関係も変化している。しかしながら、従来の管理方法では、温度検出器6による測定値が単に設定温度からずれただけなのか、それとも燃焼特性が変化したのかを判断することができず、温度検出器6による測定値を設定温度に調整すべく石炭の供給量や石炭の粉末度又はリサイクル原燃料の供給量を変更することになる。すると、前述したように、セメント原料の分解度が変化してしまうので、新たな設定温度を設定しなおす必要がある。
新たな設定温度を算出するために、主燃料及びリサイクル原燃料の種類ごとの燃焼特性を記録したデータベースを用意しておく。このデータベースは、図4に示されるように、この実施の形態に係るセメント製造装置の稼働中に実際に測定したデータを集めたものである。このデータベースから、様々な条件において、温度検出器6による測定値とセメント原料の分解度との関係がわかるので、これにより、新たな設定温度を算出することができる。
具体的には、リサイクル原燃料の供給量の変更により生じる温度変化の経時変化から、ゲイン、むだ時間、時定数を読み取る。読み取ったむだ時間もしくは時定数が、データベースのむだ時間もしくは時定数に比べて長くなった場合には、燃焼性が悪くなったことを意味するので、分解度を一定に保つために、設定温度を上げる。一方、読み取ったゲインがデータベースのゲインに比べて大きくなった場合には、燃焼性が良くなったことを意味するので、設定温度を下げる。ただし、燃焼性とは別に、分解度には最適な温度範囲があり、その範囲から外れると燃焼熱の分解度への寄与率が大幅に低下するため、その範囲となるよう、設定を管理する。このようにして分解度を一定に保つことができる。
このように、演算部15bによって演算された経時変化を、記憶部15aに記憶されている経時変化と比較することによって燃料の燃焼特性の変化を認識できるので、セメント製造工程で使用する燃料の燃焼特性が変化しても、セメント原料の分解度を一定に保つことができる。
この実施の形態では、温度検出器6がダクト1hに設けられていたが、この形態に限定するものではなく、プレヒータ1のどこに設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、リサイクル原燃料の投入口12を仮焼炉2設けているが、仮焼炉2よりもガスの流れとして上流側(例えば、窯尻部19等)に投入口12を設ける構成であれば、燃焼性の評価が可能である。投入されたリサイクル原燃料の燃焼により、仮焼炉2の燃焼特性が変化し、この変化を石炭の燃焼特性の変化として測定することができる。リサイクル原燃料の使用により燃焼性が悪化した場合、石炭自体の燃焼性が悪化する。
さらに、この実施の形態では、仮焼炉2での燃焼特性が変化したか否かを判定するために、まず、リサイクル原燃料供給装置11によるリサイクル原燃料の供給量を変化させているが、バーナー17に供給される石炭の量を変化させてもよい。
2 仮焼炉。

Claims (1)

  1. セメント製造工程における仮焼炉において、リサイクル原燃料及び主燃料を燃焼する際の燃焼状態監視方法であって、
    前記仮焼炉または該仮焼炉よりもガスの流れとして上流側へ供給される前記リサイクル原燃料の量を変化させるか、または前記仮焼炉に供給される前記主燃料の量を変化させるステップと、
    前記仮焼炉の燃焼ガスの温度を測定するステップと、
    前記燃焼ガスの温度の測定結果から、前記リサイクル原ないし前記主燃料の単位供給量の変化量あたりの前記燃焼ガスの温度変化の経時変化を演算するステップと、
    演算された前記経時変化を、予め準備されている種々の前記リサイクル原燃料ないし前記主燃料についての燃焼ガスの温度変化の経時変化と比較するステップと
    を含む燃焼状態監視方法。
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