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JP5225910B2 - 内燃機関 - Google Patents
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本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、前記クランクシャフトに連接されるピストンを摺動自在に嵌合せしめるシリンダボアを有して前記クランクケースに結合されるシリンダブロックを有する機関本体の下部に、前記シリンダボアに通じるクランク室と、潤滑用のオイルを貯留するオイル貯留室とが相互に隔絶されて形成され、クランク室内のオイルを吸い上げて前記オイル貯留室側に戻すスカベンジングポンプが前記クランクケースに配設される内燃機関に関する。
クランク室の内圧を負圧にすることで内燃機関の性能向上を図るべく、クランク室内のオイルを、該クランク室とは隔絶されたオイル貯留室に、ピストンの往復運動によるクランク室内の圧力脈動に応じて開閉するリード弁を介して戻すようにした内燃機関が、たとえば特許文献1で知られている。しかるに、そのような内燃機関では、ブローバイ過多によってクランク室内が正圧になるとリード弁によるオイル貯留室へのオイルの排出効率が低下すると言う課題があり、特許文献2で開示されたものでは、クランク室内のオイルをスカベンジングポンプでオイル貯留室側に強制的に排出するようにして、オイルの排出効率低下を防止している。
特開2007−64081号公報 特開2005−282568号公報
しかしながら、上記特許文献2で開示されるように、スカベンジングポンプを用いてクランク室内のオイルをオイル貯留室側に強制的に排出するようにしたとしても、ブローバイ過多の状態においてはクランク室内を負圧に維持しようとすると、スカベンジングポンプを大型、高回転化する必要があり、内燃機関の大型化やフリクションの増大という課題を生じさせることになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、スカベンジングポンプによってクランク室からオイル貯留室側にオイルを確実に排出するとともにクランク室内の圧力を適正な負圧に保つことができるようにした内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、前記クランクシャフトに連接されるピストンを摺動自在に嵌合せしめるシリンダボアを有して前記クランクケースに結合されるシリンダブロックを有する機関本体の下部に、前記シリンダボアに通じるクランク室と、潤滑用のオイルを貯留するオイル貯留室とが相互に隔絶されて形成され、クランク室内のオイルを吸い上げて前記オイル貯留室側に戻すスカベンジングポンプが前記クランクケースに配設される内燃機関において、前記クランク室および前記オイル貯留室間を隔てて前記機関本体に設けられる隔壁に、前記クランク室の正圧時に開弁するリード弁を介して前記クランク室内のブローバイガスを前記オイル貯留室側に排出する連通孔が設けられ、前記クランクシャフトに連動して回転するようにして前記クランクケースで回転自在に支承されるバランサ軸に、前記クランク室内に配置されるバランサが設けられると共に、前記連通孔が、前記バランサ軸の軸方向から見て該バランサ軸と重なる位置で前記隔壁に設けられ、前記バランサ軸には、前記クランク室に通じるとともに前記連通孔側に開放した中空部が同軸に設けられることを第1の特徴とする。
また本発明は、第の特徴の構成に加えて前記シリンダブロックに結合されるシリンダヘッド側に配設される動弁装置のカムシャフトに前記クランクシャフトからの動力を伝達するカムチェーンを走行させるカムチェーン通路が前記オイル貯留室に通じて前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドに設けられ、前記クランクシャフトに連結されて前記オイル貯留室に配置される発電機および前記カムチェーンに前記クランクシャフトの軸方向で見て重なるのを避けた位置に前記リード弁が配置されることを第の特徴とする。
また本発明は、第1又は第2の特徴の構成に加えて、前記バランサ軸の一端部および前記隔壁間に、ガスの流通を許容しつつ前記クランク室および前記連通孔間に配置されるボールベアリングが介装されることを第の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、クランク室内のオイルが、クランク室の内圧によらずにスカベンジングポンプによってオイル貯留室側に強制的に排出されるので、クランクシャフトのオイル攪拌による摩擦馬力を確実に軽減することができる。またクランク室内の圧力が正圧になると、オイル貯留室の最高油面よりも上方にあるリード弁によって即座にクランク室からオイル貯留室側にブローバイガスを排出することができ、クランク室内を適正な負圧に保つことができる。
その上、リード弁で開閉されるようにしてクランク室およびオイル貯留室間を結ぶ連通孔が、バランサ軸の軸方向から見て該バランサ軸と重なる位置に配置されるので、連通孔を配置するためのスペースを確保するために、クランク室およびオイル貯留室間を隔てる隔壁を広くする必要がなく、クランクケースのコンパクト化に寄与することができる。
さらにバランサ軸に、クランク室に通じるとともに前記連通孔側に開放した中空部が同軸に設けられるので、クランク室のブローバイガスが中空部を経て連通孔に達するようにして、ブローバイガスに同伴したオイルがリード弁に直接付着するのを防止して、リード弁の作動を円滑化することができる。またバランサ軸の回転によって中空部内で油分を分離したブローバイガスをリード弁からオイル貯留室側に排出することができる。
本発明の第の特徴によれば、クランクシャフトの軸方向で見て発電機およびカムチェーンに重ならないようにしてリード弁が配置されるので、発電機およびカムチェーンから飛散するオイルがリード弁に当たり難くして、リード弁の円滑な作動を維持することができる。
本発明の第の特徴によれば、ガスの流通を許容するボールベアリングがクランク室および連通孔間に配置されるので、クランク室のブローバイガスはボールベアリングの内、外輪およびボール間の間隙を通って連通孔に達することになり、ブローバイガスに同伴したオイルがリード弁に直接付着するのを防止して、リード弁の作動を円滑化することができる。
自動二輪車の左側面図 左クランクケースカバーを外した状態での内燃機関の一部切欠き左側面図 図2と同一方向から見た内燃機関の縦断面図であって図4の3−3線に沿う断面図 図2の4ー4線断面図 内燃機関および吸気ボックスを後側斜め上方から見た斜視図 図4の6−6線に沿う左ケース半体の断面図 図2の要部拡大図 図7の8−8線断面図
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1について図1〜図8を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支したフロントフォーク11を操向可能に支承する前端のヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム13…と、それらのメインフレーム13…の前部から下方に垂下されるハンガ14…と、前記メインフレーム13…の後部から下方に延びるピボットフレーム15…と、前記メインフレーム13…の後部に立設された支柱16…の上端に前端部が支持されて後上がりに延びるシートレール17…と、前記メインフレーム13…の後部および前記シートレール17…の後部間を結ぶリヤステー18…とを備える。
前記車体フレームFにおけるメインフレーム13の後部、ハンガ14の下部およびピボットフレーム15の下部に、前記メインフレーム13の下方に配置される内燃機関Eの機関本体19が支持される。また内燃機関Eが発揮する動力で駆動される後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム20の前端部がピボットフレーム15…に上下揺動可能に支承されており、スイングアーム20の前部および車体フレームFの前記支柱16間には、リンク21およびリヤクッションユニット22が設けられる。
前記メインフレーム13には、前記機関本体19の上方に配置される燃料タンク23が搭載され、該燃料タンク23の後方に配置される乗車用シート24が前記シートレール17…で支持される。また前記機関本体19の前方にはラジエータ25が配置され、該ラジエータ25は前記車体フレームFおよび機関本体19で支持される。
前記内燃機関Eの一部および前記車体フレームFの一部は、車体カバー27で覆われており、該車体カバー27は、ヘッドパイプ12の前方からメインフレーム13…の後部までの間にわたって前記ラジエータ25および内燃機関Eの上部をフロントカウル28と、フロントカウル28の両側後部に連なって前記内燃機関Eの下部を覆う左右一対のサイドカウル29…と、前記シートレール17…を覆うリヤカウル30とを備える。
図2および図3において、前記内燃機関Eの機関本体19は、車体フレームFの幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト32を回転自在に支承するクランクケース33と、該クランクケース33の前部上端に結合されるシリンダ34と、該シリンダ34の上端に結合されるシリンダヘッド35と、該シリンダヘッド35の上端に結合されるヘッドカバー36とを有して、たとえば単気筒に構成される。
図4を併せて参照して、前記クランクケース33は、前記クランクシャフト32の軸線に直交する平面に沿う結合面37で相互に結合される左ケース半体38および右ケース半体39から成る。
図2で明示するように、前記クランクケース33には後方に延びるミッションケース40が連設される。このミッションケース40内には、前記クランクシャフト32からの回転動力を変速する変速機(図示せず)が収容されており、該変速機の出力軸41がミッションケース40の左側壁から突出される。また図1で示すように、前記出力軸41には駆動スプロケット42が固定され、後輪WRの車軸には被動スプロケット43が固定されており、駆動スプロケット42および被動スプロケット43に無端状のチェーン44が巻き掛けられる。
前記シリンダ34は、コネクティングロッド46を介して前記クランクシャフト32に連接されるピストン47を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア48を有しており、このシリンダボア48の軸線すなわちシリンダ軸線Cは、わずかに後上がりに傾斜する。すなわち機関本体19は、シリンダ軸線Cをわずかに後傾させて車体フレームFに搭載される。
前記シリンダ34および前記シリンダヘッド35間には前記ピストン47の頂部を臨ませる燃焼室49が形成されており、前記シリンダヘッド35の前部側壁35aには前記燃焼室49に通じ得る吸気ポート50が設けられ、前記シリンダヘッド35の後部側壁35bには前記燃焼室49に通じ得る排気ポート51が設けられ、前記シリンダヘッド35には、前記燃焼室49および前記吸気ポート50間の連通・遮断を切換える吸気弁52が開閉作動可能に配設されるとともに、前記燃焼室49および前記排気ポート51間の連通・遮断を切換える排気弁53が開閉作動可能に配設される。
前記ヘッドカバー36は、その上面36aを側面視で前記メインフレーム13…よりもわずかに上方に配置するようにして前記シリンダヘッド35に結合されており、シリンダ軸線Cが後傾しているのに応じて前記ヘッドカバー36の上面36aは後下がりに傾斜することになる。またシリンダヘッド35およびヘッドカバー36間には動弁室54が形成されており、前記吸気弁52に対応した吸気側カムシャフト55ならびに前記排気弁53に対応した排気側カムシャフト56を有する動弁装置57が、前記吸気弁52および前記排気弁53を開閉駆動するようにして前記動弁室54に収容される。
図5を併せて参照して、前記シリンダヘッド35の後部側壁35bには、前記排気ポート51の一部を構成する排気側接続筒部58が後方に突出するようにして一体に突設されており、排気ポート50に通じる排気管59の上流端が前記排気側接続筒部58に接続される。この排気管59は、シリンダヘッド35の後部側壁35bから機関本体19の左側に彎曲して該機関本体19の前方に延び、該機関本体19の前方から下方に彎曲してクランクケース33の下方に回り込むように形成されており、ミッションケース40の下方に配置された排気マフラー60に排気管59の下流端が接続される。
前記シリンダヘッド35の前方には吸気ボックス64が配置され、この吸気ボックス64は、上端に矩形の開口部67を形成して箱状に形成されるボックス本体65と、該ボックス本体65の前部に取付けられる蓋部材66とで構成され、ボックス本体65および蓋部材66間には、図2で示すように、吸気ボックス64内に収容されるエアフィルタ68が挟持される。
而して前記蓋部材66には、前方に延びる吸気ダクト69が一体に設けられており、この吸気ダクト69の前端は開放される。したがって吸気ダクト69の前端から該吸気ダクト69に導入された空気が吸気ボックス64内に導かれることになるが、吸気ボックス64の入口に配置される前記エアフィルタ68を通過することで浄化されることになる。
ところで前記シリンダヘッド35の前部側壁35aには、前記吸気ポート50の一部を構成する吸気側接続筒部63が前上がりに突出するようにして一体に突設されており、前記吸気ボックス64の後壁すなわちボックス本体65の後壁65aには、前記吸気側接続筒部63の突出端に接続される段部65b(図2参照)が形成される。すなわち吸気ボックス64の後壁65aは、前記段部65bを吸気側接続筒部63に接続することでシリンダヘッド35の前部側壁35aに当接もしくは近接することになる。
しかも吸気ボックス64の上端には、前記開口部57を囲むフランジ部65cが外側方に張り出すようにして一体に設けられており、吸気ボックス64の上面すなわちフランジ部65cの上面65dは、前記段部65bを吸気側接続筒部63に接続した状態では、側面視でメインフレーム13…の上面よりもわずかに上方で後下がりに傾斜することになり、図2および図3で示すように、吸気ボックス64の上面65dは、前記車体フレームFにおけるメインフレーム13の上面に沿って前記ヘッドカバー36の上面36aに略連続することになる。
前記吸気ボックス64内には、前記エアフィルタ58で浄化された空気を前記吸気ポート50側に導く吸気通路形成部材であるスロットルボディ71が収容されており、このスロットルボディ71は、前記吸気ボックス64の段部65bとともに前記吸気側接続筒部63の突出端に接続される。
前記スロットルボディ71には、前記吸気通路70を開閉するスロットル弁72が軸支されており、スロットル弁72の下流側で前記吸気通路70に燃料を噴射する燃料噴射弁73が前記スロットルボディ71に取付けられる。しかも燃料噴射弁73は、スロットルボディ71と、シリンダヘッド35およびヘッドカバー36との間の狭いスペースを避けて、前記スロットルボディ71の下部に取付けられ、吸気ボックス64の一部を構成する蓋部材64に一体に設けられて前方に延びる吸気ダクト69は前記燃料噴射弁73の前方に配置されることになる。
ところで前記燃料タンク23は、前記機関本体19および前記吸気ボックス64の上方に配置されるのであるが、この燃料タンク23の下面23aが、図1〜図3で示すように、側面視で前記吸気ボックス64の上面65dおよび前記ヘッドカバー36の上面36aに沿うように形成されており、燃料タンク23の前記下面23aの一部は、前記吸気ボックス64の上端の開口部67を塞ぐようにして該吸気ボックス64の上端のフランジ部65cにガスケット(図示せず)を介して密接する。
しかも前記燃料タンク23内の燃料を前記燃料噴射弁73に供給するための燃料ポンプ61が、前記ヘッドカバー36の後方で前記燃料タンク23の下面23aに取付けられており、前記吸気ボックス64、前記ヘッドカバー36および前記燃料ポンプ61は、相互に隣接しつつ前後に並んで配置されることになる。
再び図4に注目して、クランクケース33における左ケース半体38には機関本体19の一部を構成する左クランクケースカバー75が結合されており、クランクケース33の左ケース半体38から側方に突出した前記クランクシャフト32の一端部にはアウターロータ77が固定され、そのアウターロータ77とともに発電機76を構成するインナーステータ78が前記アウターロータ77で囲繞されるようにして前記左クランクケースカバー75に固定される。すなわち発電機76は前記クランクシャフト32に連結される。
ところでクランクケース33内には、前記シリンダボア48に通じるクランク室79が形成され、前記クランクケース33および前記左クランクケースカバー75間には、オイルを貯留するオイル貯留室80が前記クランク室79とは隔絶されて形成される。
また前記クランクケース33の下部には、前記クランク室79内のオイルを前記オイル貯留室80側に戻すスカベンジングポンプ81と、前記オイル貯留室80内のオイルを吸い上げて内燃機関Eの各潤滑部に供給するフィードポンプ82とが配設され、それらのポンプ81,82は同軸のポンプ軸83を備える。
前記スカベンジングポンプ81は、前記ポンプ軸83に固定されるインナーロータ84と、該インナーロータ84に噛合するアウターロータ85が、クランクケース33の下部に形成されるポンプ室86に収容されて成るトロコイドポンプであり、図6で示すように、クランクケース33の下部には、クランク室79内の下部のオイルを前記ポンプ室86側に導く吸入路87が設けられるとともに、前記ポンプ室86からのオイルをオイル貯留室80側に導く吐出路88が設けられる。
またフィードポンプ82は、前記ポンプ軸83に固定されるインナーロータ89と、該インナーロータ89に噛合するアウターロータ90が、ポンプ室91に収容されて成るトロコイドポンプであり、ポンプ室91は、クランクケース33の左ケース半体38と、該左ケース半体38に締結されるカバー部材92とで形成される。
前記クランクケース33で回転自在に支承されたポンプ軸83の一端部は前記カバー部材92からオイル貯留室80側に突出しており、このポンプ軸83の突出端に固定される被動スプロケット93と、オイル貯留室80内で前記クランクシャフト32に一体に設けられる駆動スプロケット94とに無端状のチェーン95が巻き掛けられ、前記ポンプ軸83は前記クランクシャフト32から伝達される動力で回転駆動される。
図7を併せて参照して、前記オイル貯留室80の下部にはオイルストレーナ96が配設されており、クランクケース33の左ケース半体38には、前記オイルストレーナ96から吸い上げたオイルを前記フィードポンプ82のポンプ室91に導く吸入路97が設けられる。
また前記被動スプロケット93および前記オイルストレーナ96間で左ケース半体38には、被動スプロケット93の一部を側方から覆う円弧状の壁部98が設けられ、前記被動スプロケット93および前記クランクシャフト32間で左ケース半体38には、被動スプロケット93の一部を側方から覆う円弧状の壁部99が、前記駆動スプロケット94および前記被動スプロケット93間のチェーン95の走行を許容するようにして一体に設けられる。また前記左ケース半体38には、前記被動スプロケット93を軸方向外方側から覆うカバー板100が締結されており、前記壁部98,99およびカバー板100によって、前記被動スプロケット93の回転によるオイルの泡立ちがオイルストレーナ96側に直接及ぶのが阻止される。
図8において、前記壁部98および前記オイルストレーナ96間で左ケース半体38の下部には上方に立ち上がる壁部101が一体に設けられており、この壁部101の両側下部には、前記右ケース半体37および左クランクケースカバー75との間に流通孔102,103を形成するための切欠きが設けられる。前記被動スプロケット93側からオイル貯留室80内の下部をオイルストレーナ96側に流れるオイルは前記流通孔102,103を流れることになり、気泡を生じたオイルがオイルストレーナ96に流入することが極力抑制されることになる。
前記クランクケース33の一部を構成する左ケース半体38は、前記クランク室79および前記オイル貯留室80間を隔てる隔壁38aを一体に有しており、この隔壁38aに、クランク室79の正圧時に開弁するリード弁105を介してクランク室79およびオイル貯留室80間を連通する連通孔110が設けられ、前記リード弁105は、オイル貯留室80内に貯留されるオイルの最高油面Lよりも上方に位置するようにして前記オイル貯留室80側で前記隔壁38aに配設される。
前記リード弁105は、リード106の一端と、前記隔壁38aと反対側から前記リード106に対向するストッパ板107の一端とがねじ部材108で前記隔壁38aに取付けられて成り、前記ストッパ板107には、リード106およびストッパ板107間にオイルが存在することのよってリード106の作動が妨げられることがないようにするための貫通孔109が設けられる。
ところで、前記クランクケース33には、前記クランクシャフト32と平行な軸線を有するとともにその一端側に開口する有底の中空部111aが同軸に設けられるバランサ軸111が、前記クランクシャフト32に連動して回転するようにして回転自在に支承され、クランク室79に配置されるバランサ112が前記バランサ軸111に設けられる。
而して前記バランサ軸111の一端部を回転自在に支承するために、前記隔壁38aのクランク室79側に臨む面には支持孔113が設けられており、その支持孔113に突入されるバランサ軸111の一端部および前記隔壁38a間に、ガスの流通を許容するボールベアリング114が介装される。しかも前記連通孔110のクランク室79側の端部は、前記支持孔113の内端に開口しており、前記リード弁105で開閉される前記連通孔110は、バランサ軸111の軸方向から見て該バランサ軸111と重なる位置で前記隔壁38aに設けられることになり、前記ボールベアリング114はクランク室79および前記連通孔110間に配置されることになる。
ところでシリンダヘッド35およびヘッドカバー36間の動弁室54に収容される動弁装置57の吸気側および排気側カムシャフト55,56には、前記クランクシャフト32からの回転動力が調時伝動手段115を介して伝達されるものであり、この調時伝動手段115は、前記オイル貯留室80に配置されて前記クランクシャフト32に言ったに設けられる駆動スプロケット116と、前記吸気側および排気側カムシャフト55,56の一端に固定される被動スプロケット117,118とに無端状のカムチェーン119が巻き掛けられて成り、カムチェーン119を走行させるカムチェーン通路120が前記オイル貯留室80に通じて前記クランクケース33の左ケース半体38、前記シリンダブロック34および前記シリンダヘッド35に設けられる。
しかも前記リード弁105は、前記クランクシャフト32に連結されて前記オイル貯留室80に配置される発電機76および前記カムチェーン119に、前記クランクシャフト32の軸方向で見て重なるのを避けた位置に配置される。
次にこの実施例1の作用について説明すると、後下がりに傾斜した上面65dを有する吸気ボックス64が、その上面65dを車体フレームFにおけるメインフレーム13…の上面に沿ってヘッドカバー36の上面36aに略連続させつつ該吸気ボックス64の後壁65aをシリンダヘッド35の前部側壁35aに近接もしくは当接させるようにして前記シリンダヘッド35の前方に配置され、吸気ボックス64内に、エアフィルタ68が収容されるとともに、該エアフィルタ68で浄化された空気を吸気ポート50側に導く吸気通路70を形成するスロットルボディ71が収容され、機関本体19および吸気ボックス64の上方に配置される燃料タンク23の下面23aが、側面視で吸気ボックス64の上面65dおよびヘッドカバー36の上面36aに沿うように形成されるので、エアクリーナが機関本体の上方に配置されるものに比べると、燃料タンク23の容量を大きく設定することが可能となる。
またスロットル弁72の下流側で吸気通路70に燃料を噴射する燃料噴射弁73が、車体フレームFにおけるメインフレーム13の下端に沿うようにしてスロットルボディ71の下部に取付けられ、燃料噴射弁73の前方に、吸気ボックス64に連なって前方に延びる吸気ダクト69が配置されるので、スロットルボディ71を吸気ポート50に直接接続するようにして、スロットルボディ71の吸気通路70を直線的にかつ短くして内燃機関Eの出力向上を図ることができるとともに、燃料噴射弁73、スロットルボディ71および吸気ボックス64をコンパクトに構成し、吸気ボックス64のシリンダヘッド35からの張り出しを回避することができる。
また上端を開放した前記吸気ボックス64の上端に、開口部67と、該開口部67を囲むフランジ部65cとが設けられ、開口部67を塞ぐ燃料タンク23の下面23aの一部がフランジ部65cに密接し、吸気ボックス64と、ヘッドカバー36と、該ヘッドカバー36の後方で燃料タンク23の下面23aに取付けられる燃料ポンプ61とが相互に隣接しつつ前後に並んで配置されるので、燃料タンク23が、吸気ボックス64の蓋部材を兼ねることができ、吸気ボックス64専用の蓋部材を不要として部品点数を低減することができるとともに、吸気ボックス64の形状を単純化することができるとともに、燃料ポンプ61を燃料タンク23の下部のうち低い位置に配設するようにして燃料タンク23の形状を最適化することができる。
ところで機関本体19におけるクランクケース33の下部にはシリンダボア48に通じるクランク室79が形成され、機関本体19におけるクランクケース33および左クランクケースカバー75間には潤滑用のオイルを貯留するオイル貯留室80が前記クランク室79とは隔絶されて形成されており、クランク室79内のオイルを吸い上げて前記オイ貯留室80側に戻すスカベンジングポンプ81が前記クランクケース33に配設されるので、クランク室79内のオイルが、クランク室79の内圧によらずにスカベンジングポンプ81によってオイル貯留室80側に強制的に排出されることになり、クランクシャフト32のオイル攪拌による摩擦馬力を確実に軽減することができる。
またクランク室79およびオイル貯留室80間を隔てて前記機関本体19に設けられる隔壁38aに、クランク室79の正圧時に開弁するリード弁105を介してクランク室7979内のブローバイガスをオイル貯留室80側に排出する連通孔110が設けられるので、クランク室79内の圧力が正圧になると、即座にクランク室79からオイル貯留室80側にブローバイガスを排出することができ、クランク室79内を適正な負圧に保つことができる。
またクランクシャフト32に連動して回転するようにして前記クランクケース33で回転自在に支承されるバランサ軸111に、クランク室79内に配置されるバランサ112が設けられ、前記連通孔110が、前記バランサ軸111の軸方向から見て該バランサ軸111と重なる位置で前記隔壁38aに設けられるので、連通孔110を配置するためのスペースを確保するために、クランク室79およびオイル貯留室80間を隔てる隔壁38aを広くする必要がなく、クランクケース33のコンパクト化に寄与することができる。
また動弁装置57の吸気側および排気側カムシャフト55,56にクランクシャフト32からの動力を伝達するカムチェーン119、ならびにクランクシャフト32に連結されて前記オイル貯留室80に配置される発電機76に、前記クランクシャフト32の軸方向で見て重なるのを避けた位置に前記リード弁105が配置されるので、発電機76およびカムチェーン119から飛散するオイルがリード弁105に当たり難くして、リード弁105の円滑な作動を維持することができる。
さらにバランサ軸111の一端部および隔壁38a間に介装されるボールベアリング114が、ガスの流通を許容してクランク室79および連通孔110間に配置されるので、クランク室79のブローバイガスは前記ボールベアリング114の内、外輪およびボール間の間隙を通って連通孔110に達することになり、ブローバイガスに同伴したオイルがリード弁105に直接付着するのを防止して、リード弁105の作動を円滑化することができる。
本発明の他の実施例として、一端側すなわち連通孔110側に開口した有底の中空部111aを同軸に有するバランサ軸111に、図4の鎖線で示すように、クランク室79および中空部111a間を結ぶ透孔121が設けられるようにしてもよい。このようにすれば、クランク室79のブローバイガスは前記透孔121および中空部111aを経て連通孔110に達することになり、ブローバイガスに同伴したオイルがリード弁105に直接付着するのを防止して、リード弁105の作動を円滑化することができる。またバランサ軸111の回転によって前記中空部111a内で油分を分離したブローバイガスをリード弁105からオイル貯留室80側に排出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
19・・・・機関本体
32・・・・クランクシャフト
33・・・・クランクケース
34・・・・シリンダブロック
38a・・・隔壁
47・・・・ピストン
48・・・・シリンダボア
55,56・・カムシャフト
57・・・・動弁装置
76・・・・発電機
79・・・・クランク室
80・・・・オイル貯留室
81・・・・スカベンジングポンプ
105・・・リード弁
110・・・連通孔
111・・・バランサ軸
111a・・中空部
112・・・バランサ
114・・・ボールベアリング
119・・・カムチェーン
120・・・カムチェーン通路
E・・・・・内燃機関

Claims (3)

  1. クランクシャフト(32)を回転自在に支承するクランクケース(33)と、前記クランクシャフト(32)に連接されるピストン(47)を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア(48)を有して前記クランクケース(33)に結合されるシリンダブロック(34)を有する機関本体(19)の下部に、前記シリンダボア(48)に通じるクランク室(79)と、潤滑用のオイルを貯留するオイル貯留室(80)とが相互に隔絶されて形成され、前記クランク室(79)内のオイルを吸い上げて前記オイル貯留室(80)側に戻すスカベンジングポンプ(81)が前記クランクケース(33)に配設される内燃機関において、
    前記クランク室(79)および前記オイル貯留室(80)間を隔てて前記機関本体(19)に設けられる隔壁(38a)に、前記クランク室(79)の正圧時に開弁するリード弁(105)を介して前記クランク室(79)内のブローバイガスを前記オイル貯留室(80)側に排出する連通孔(110)が設けられ
    前記クランクシャフト(32)に連動して回転するようにして前記クランクケース(33)で回転自在に支承されるバランサ軸(111)に、前記クランク室(79)内に配置されるバランサ(112)が設けられると共に、前記連通孔(110)が、前記バランサ軸(11)の軸方向から見て該バランサ軸(111)と重なる位置で前記隔壁(38a)に設けられ、
    前記バランサ軸(111)には、前記クランク室(79)に通じるとともに前記連通孔(110)側に開放した中空部(111a)が同軸に設けられることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記シリンダブロック(34)に結合されるシリンダヘッド(35)側に配設される動弁装置(57)のカムシャフト(55,56)に前記クランクシャフト(32)からの動力を伝達するカムチェーン(119)を走行させるカムチェーン通路(120)が前記オイル貯留室(80)に通じて前記クランクケース(33)、前記シリンダブロック(34)および前記シリンダヘッド(35)に設けられ、前記クランクシャフト(32)に連結されて前記オイル貯留室(80)に配置される発電機(76)および前記カムチェーン(119)に前記クランクシャフト(32)の軸方向で見て重なるのを避けた位置に前記リード弁(105)が配置されることを特徴とする請求項記載の内燃機関。
  3. 前記バランサ軸(111)の一端部および前記隔壁(38a)間に、ガスの流通を許容しつつ前記クランク室(79)および前記連通孔(110)間に配置されるボールベアリング(114)が介装されることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関。
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