発明の分野
本発明は、一般に、化学機械研磨の分野に関する。具体的には、本発明は、磁性基板、光学基板及び半導体基板の化学機械研磨のための方法に向けられる。
発明の背景
集積回路又は他の電子デバイスの作製では、導電、半導体及び誘電材料の多層を、半導体ウェーハの表面上に堆積させ、そこから除去する。導電、半導体及び誘電材料の薄層は、多くの堆積技術を用いて堆積させることができる。現代のウェーハ加工における一般的な堆積技術は、とりわけ、スパッタリングとしても知られる物理蒸着(PVD)、化学気相蒸着(CVD)、プラズマ促進化学蒸着(PECVD)及び電気化学めっきを含む。一般的な除去技術は、とりわけ、湿式及び乾式の等方性及び異方性エッチングを含む。
材料の層が連続して堆積され除去されると、ウェーハの最上層が非平面になる。それに続く半導体加工(たとえばメタライゼーション)がウェーハが平坦な表面を有することを要するため、ウェーハは、平坦化される必要がある。平坦化は、望ましくない表面トポグラフィ及び表面の欠陥、たとえば、粗面、凝集面、結晶格子損傷、スクラッチ及び材料の汚染層を除去するために有用である。
化学機械平坦化、又は化学機械研磨(CMP)は、工作物、たとえば半導体ウェーハを平坦化又は研磨するために用いられる一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハキャリア、又は研磨ヘッドは、キャリアアセンブリに取り付けられている。研磨ヘッドは、ウェーハを保持し、CMP装置内部のテーブル又はプラテン上に取り付けられた研磨パッドの研磨層と接触するようにウェーハを位置付ける。キャリアアセンブリは、ウェーハと研磨パッドとの間における制御可能な圧力を提供する。同時に、研磨媒体が研磨パッド上に定量吐出されて、ウェーハと研磨層との間の間隙に引き込まれる。研磨を行うために、研磨パッド及びウェーハは、通常、互いに対して回転する。研磨パッドがウェーハの下に回転すると、ウェーハは、通常は円形の研磨トラック又は研磨領域を掃き出し、ここでウェーハの表面が研磨層に直接向かい合う。ウェーハ面は、表面上での研磨層及び研磨媒体の化学的及び機械的作用により、研磨されて平坦にされる。
CMP加工での基板材料の除去率は、流動している研磨媒体を用いた、回転している加工されるべき基板と研磨パッドとの間の接触の流体力学的状態によって判断される。この接触の流体力学的状態は、研磨媒体の流体力学と、研磨パッドと基板との間の接触機構とのバランスによって判断され、このバランスは、逆ゾンマーフェルト数を特徴とする。逆ゾンマーフェルト数の下方値は、滑動している研磨パッドの表面全体の基板のハイドロプレーニングと、下方の基板材料除去率とを表す。逆ゾンマーフェルト数の上方値は、研磨パッドと基板とのより密接な接触と、増加する基板材料除去率とを表す。逆ゾンマーフェルト数は、研磨中の研磨パッドと基板との間の間隙内部の単位面積当たりで使用可能である研磨媒体の総量によって判断される。
研磨パッドは、多くの場合、一つ以上の溝を備える研磨面を有する。所与の研磨条件下で、溝の容積に加え、研磨パッドのマイクロテクスチャ中の容積(両方とも単位面積当たり)は、逆ゾンマーフェルト数と、研磨パッドと加工されるべき基板との間の接触の流体力学的状態とを決定する。
化学機械研磨パッドの研磨面に溝を組み込むことには、いくつかの理由があり、(A)研磨される基板と研磨パッドとの間の接触に必要な流体力学的状態を提供すること(研磨パッドに溝がないか、又は穴が開いていない場合、研磨媒体の連続する層は、基板と研磨パッドとの間に存在してハイドロプレーニングを引き起こす可能性があり、これにより研磨パッドと基板との間の均一で密接な接触が妨げられ、基板材料除去率が著しく低下する)、(B)研磨媒体が、研磨パッドの研磨面全体に均一に分散され、十分な研磨媒体が基板の中心に達することを確実にすること(このことは、反応性金属、たとえば銅を研磨するときに特に重要であり、研磨の化学的成分は、機械的成分と同じように不可欠であり、研磨媒体を基板全体に均一に分散させることは、基板の中心と端とで同じ研磨率を達成するために必要とされるが、研磨媒体層の厚さは、研磨パッドと基板との間の直接の接触を妨げるほど大きくするべきではない)、(C)研磨パッドの全体及び局所の両方の剛性を制御すること(このことは、高さが異なるフィーチャの基板を平らにしてきわめて平坦な表面をもたらすために、基板面全体の研磨の均一性と、さらには研磨パッドの能力とを制御する)、及び(D)研磨パッド面から研磨屑を除去するためのチャネルの働きをすること(屑の蓄積は、基板のスクラッチ及び他の欠陥の可能性を増大させる)を含む。
溝付きの研磨パッドについて、研磨パッドの寿命を決定する一つの要因は、溝の深さである。すなわち、許容し得る研磨性能が可能であるのは、研磨媒体を効果的に分散させ、研磨屑を除去して、ハイドロプレーニングを防ぐには不十分な溝の残り深さに研磨パッドが磨耗するに至るまでの間である。したがって、より深い溝が、研磨パッドの寿命をより長くすることができることは明白であろう。それにもかかわらず、溝をどの程度深くできるかについては、現実的な限界がある。研磨層に溝を切り込むことは、研磨層の剛性を事実上低下させる。すなわち、研磨面と基板との間の動的な接触によって加えられる圧力の結果として、研磨中、溝のランドのいくらかの量の動きがある。いくつかの点で、溝の深さが増大することにより、研磨中、研磨パッドが基板に動的に接触するとき、ランドの許容し得ない量のせん断、又は溝の側壁の潰れを生じさせる。これらの現象は、所与の研磨用途に対する初期溝深さを、事実上制限する。さらに、溝が深いことにより、パッド洗浄が困難になる。研磨媒体中の研磨剤及び研磨屑は、溝の中にたまる傾向がある。溝が深くなると、研磨屑を溝から除去することがより困難になり、研磨屑の増大につながる可能性がある。
研磨パッド面の「コンディショニング」または「ドレッシング」は、安定した研磨性能のための一定した研磨面を維持するために不可欠である。時間とともに、研磨パッドの研磨面が磨耗し、研磨面のマイクロテクスチャが平滑になる―「グレージング」と呼ばれる現象である。グレージングの原因は、研磨パッドと工作物との間の接触点における摩擦熱及びせん断による、高分子材料の塑性流動である。加えて、CMP加工による研磨屑は、表面ボイドの他に、研磨媒体がそれを通して研磨面全体に流動するマイクロチャネルも閉塞させる可能性がある。これが発生すると、CMP加工の研磨率が低減し、結果として研磨が均一でなくなる可能性がある。コンディショニングにより研磨面上に新しいテクスチャが作り出され、CMP加工での所望の研磨率及び均一性を維持するために有用である。
従来のCMPでの研磨での磨耗及び表面コンディショニングは、溝の深さの絶え間ない経時的な減退につながる。ダイヤモンドディスクによる典型的な表面コンディショニングは、結果として研磨パッド材料厚さの減少率が、毎時10〜50ミクロンになる。溝深さ(すなわち、単位面積あたりの溝の容積)が、時間とともに減少すると、研磨パッドと研磨されている基板との間の流体力学的接触の状態が低減する。したがって、除去率及び均一性を特徴とするCMP加工の性能が、溝深さの絶え間ない減退にともなって、絶え間なく変化する。
CMP加工の均一性を改善するための一つの取り組みは、Chandrasekaranらの米国特許出願公開第2007/0238297号公報に開示されている。Chandrasekaranらは、マイクロ電子デバイスの作製における、基板の機械的及び/又は化学機械的な平坦化又は研磨のための加工パッドと、パッドを作製するための方法と、加工パッドを使用し、組み込む方法、装置およびシステムとを開示している。特に、加工パッドは、研削している面に、所望により選択的に除去できるソリッド又は部分的にソリッドである充填材料を含有する溝又は他の開口を含み、複数の加工及びコンディショニング用途のために、パッドの寿命全体にわたり、パッドの研削面からほぼ一定の又は設定された距離で、及びパッド開口のほぼ一定の深さで充填を維持する。
それにもかかわらず、より均一かつ一定した基板加工を促進する、改善されたCMP研磨パッド及びCMP研磨方法に対する継続的な要望がある。
本発明は、基板を研磨する方法を提供し、複数の研磨サイクルにわたって、一定した研磨パッド厚さ及び/又は溝深さを維持することができる。複数の研磨サイクルにわたって、一定した研磨パッド厚さ及び/又は溝深さを維持することにより、通常、従来の研磨パッドの寿命中に、研磨パッド厚さ及び/又は溝深さの減退とともに認められるばらつきを低減することができる。たとえば、研磨面に溝を有する従来の化学機械研磨パッドでは、研磨パッドが磨耗すると、溝容積及び深さはともに減少する。したがって、研磨技術者は、研磨の過程で、他の加工条件を変更して、望ましい流体力学的状態を維持しなければならない。本発明は、研磨パッドの有効寿命の間にわたり、研磨中の溝容積及び深さの低減の程度を減少させる方法を提供する。たとえば、本発明の、感温性の形状記憶材料で作られた熱加工された(予め圧縮された)研磨層を備える形状記憶化学機械研磨パッドを加工して、研磨面に近い領域を優先的に加熱することにより、一定した溝容積及び深さを維持し、研磨及びコンディショニングによる溝容積及び深さの損失を抑えることができる。研磨パッドの表面を選択的に加熱することにより、加熱された領域のパッド材料が高密度な状態から復元状態に転移し、これにより、溝容積及び深さが加わる。したがって、同様の条件下で、研磨動作中の溝容積及び深さの減少率は、形状復元を備える形状記憶化学機械研磨パッドを用いて、最小限にするか又は消去することができる。
発明の概要
本発明の一つの態様では、基板を研磨する方法が提供され、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を備えることと、パッド厚さPTを有する形状記憶化学機械研磨パッドであって、本来の形状及びプログラムされた形状を有する形状記憶マトリックス材料を含む高密度状態の研磨層を含み、形状記憶マトリックス材料がその本来の形状にあるとき、研磨層が本来の厚さOTを呈し、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた形状に設定されたとき、研磨層が高密度状態の高密度化された厚さDTを呈し、DTがOTの80%以下である形状記憶化学機械研磨パッドを備えることと、研磨層の研磨面と基板との間に、基板の表面を研磨するための動的な接触を作り出すことと、研磨パッド厚さ及び少なくとも一つの溝深さから選択される少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることと、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を、活性化刺激に暴露することとを含み、研磨面に近接した研磨層の活性化刺激に暴露された部分が、高密度化状態から復元状態に転移する。
本発明の別の態様では、基板を研磨する方法が提供され、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を備えることと、パッド厚さPTを有する形状記憶化学機械研磨パッドであって、本来の形状及びプログラムされた形状を有する形状記憶マトリックス材料を含む高密度状態の研磨層を含み、形状記憶マトリックス材料が本来の形状にあるとき、研磨層が本来の厚さOTを呈し、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた形状に設定されたとき、研磨層が高密度状態の高密度化された厚さDTを呈し、DTがOTの80%以下である形状記憶化学機械研磨パッドを備えることと、制御部を備えることと、研磨パッド厚さ及び少なくとも一つの溝から選択される少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることが可能である測定装置を備えることと、活性化刺激を作り出すことが可能であるソースを備えることと、研磨層の研磨面と基板との間に、基板の表面を研磨するための動的な接触を作り出すことと、少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることと、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を、活性化刺激に暴露することとを含み、基板との動的接触のあとで、研磨パッドの少なくとも一部についての少なくとも一つの研磨パッド特性が低減され、測定装置及びソースが制御部と通信し、測定装置が少なくとも一つの研磨パッド特性に関する情報を制御部に入力し、制御部が、測定装置から入力された情報に基づいてソースを制御して、すくなくとも一つの研磨パッド特性が増大するように研磨パッドの少なくとも一部を活性化刺激に選択的に暴露することを促進する。
詳細な説明
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“繊維状形態”は、位相領域が、その他の二つの次元よりも大きい一つの次元を備える三次元の形状を有する位相の形態をさす。
化学機械研磨パッドに関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“初期厚さ”は、研磨パッドと、研磨される第一の基板との間の第一の動的な相互作用の直前の、研磨パッドの平均の実厚さを意味する。
化学機械研磨パッドに関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“初期溝深さ”は、研磨パッドと、研磨される第一の基板との間の第一の動的な相互作用の直前の、研磨パッドの平均の溝深さを意味する。
CMP加工に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“ex situ”は、研磨が一時停止するとき、CMP加工中の断続的な中断中に行われる動作(たとえば、モニタリング、測定)を述べている。
CMP加工に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“in situ”は、研磨が実施されるとき、CMP加工の進行中に行われる動作(たとえば、モニタリング、測定)を述べている。
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“研磨媒体”は、粒子を含有する研磨液及び粒子を含有しない液、たとえば研磨剤を含まない、反応性液体の研磨液を包含する。
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“実質的な緩和”は、研磨層の平均厚さにおける2%以上の増加を生じるような、研磨層の形状記憶マトリックス材料の十分な緩和を意味し、花崗岩ベースのコンパレータ(たとえば、Chicago Dial Indicatorのカタログ番号6066-10)を用いて測定される。
研磨面に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“実質的に円形の断面”は、研磨面の中心軸から外周までの断面の半径rが、断面について20%以下だけ変化することを意味する(図4参照)。
本発明の形状記憶マトリックス材料のガラス転移温度(“Tg”)は、示差走査熱量測定(DSC)によって、熱流量対温度転移の中間点をTg値として取って測定される。
本発明の形状記憶化学機械研磨パッドの研磨層に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“本来の状態”は、外力を受けて可逆である形状変形を“固定”し、研磨層を高密度な状態に設定する前の、作製されたままの状態を意味する。
研磨面に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“マイクロテクスチャ”は、製造後の研磨面の本質的に微視的なバルク状テクスチャをさす。研磨面の静的な形態又は微視的なバルクテクスチャに影響するいくつかの要因は、うねり、孔、しわ、隆起、切れ込み、陥没、突起及び間隙を含む本質及びテクスチャ、ならびに個々の特徴又は製品のサイズ、形状及び分散、頻度又は間隔である。マイクロテクスチャは、通常は概ねランダムであり、研磨層の製造プロセスの本質的な要因による結果である。
研磨面に関連して、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“マクロテクスチャ”は、研磨面のエンボス加工、スカイビング、穿孔及び/又は機械加工によって施すことができる、サイズのより大きなテクスチャが施された製品をさす。
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“円周有溝率”又は“CF”は、以下の数式で定義される。
CFが、所与の形状記憶化学機械研磨パッドの研磨面についての半径の関数として一定である場合、所与の半径で溝を付けられた(又は付けられていない)研磨面の分数部もまた、半径の関数として一定であることに留意されたい。
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語“形状記憶マトリックス材料”は、形状記憶効果を呈する能力を有する材料をさす。すなわち、以下の特性を呈する任意の材料または材料の組合せは、(1)外力に暴露されるときに、少なくとも一つの空間次元で変形する能力があり、(2)外力を除去した後、少なくとも一つの空間次元で、ある程度の変形を固定及び維持する能力があり、及び(3)活性化刺激を受けたときに、少なくとも一つの空間次元で復元を呈する能力がある。形状記憶マトリックス材料は、スマート材料の部類であり、環境の変化に応じて、所定の方法で反応するように設計され製造されている。形状記憶マトリックス材料は、本来の形状から変形させて、一時的な(プログラムされた)形状に定着させ、活性化刺激に暴露されたときに反応して本来の形状に近い復元形状に復元することができる。
形状記憶効果は、形状記憶マトリックス材料に“プログラムされた形状”をプログラミングし、続いて形状記憶マトリックス材料が活性化刺激に暴露されるとき、形状記憶マトリックス材料を“復元形状”(本来の形状に近い)に復元させることを含む。形状記憶マトリックス材料は、従来の方法によって本来の状態に加工される。続いて、外力に暴露することによって変形し、所望のプログラムがなされた形状が定着する。この後者の加工を、本明細書ではプログラミングと言う。
本発明の形状記憶マトリックス材料についての“貯蔵弾性率”は、形状記憶マトリックス材料における記憶された弾性エネルギの測定値である。貯蔵弾性率は、加えられた歪みに対する、位相における応力の比(歪みを伴う)を示し、シングルカンチレバークランプ機構及び機器の“多周波歪み”試験モードを用いた、TA Q800 Dynamic Mechanical Analyzerを用いて測定される。
本発明のいくつかの態様では、基板を研磨する方法が提供され、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を備えることと、パッド厚さPTを有する形状記憶化学機械研磨パッドであって、本来の形状及びプログラムされた形状を有する形状記憶マトリックス材料を含む高密度状態の研磨層を含み、形状記憶マトリックス材料がその本来の形状にあるとき、研磨層が本来の厚さOTを呈し、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた形状に設定されるとき、研磨層が高密度状態の高密度化された厚さDTを呈し、DTがOTの80%以下である形状記憶化学機械研磨パッドを備えることと、研磨層の研磨面と基板との間に、基板の表面を研磨するための動的な接触を作り出すことと、研磨パッド厚さ及び少なくとも一つの溝深さから選択される少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることと、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を、活性化刺激に暴露することとを含み、研磨面に近接した研磨層の活性化刺激に暴露された部分が、高密度化状態から復元状態に転移する。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの研磨パッド特性のモニタリングは、継続的モニタリング、周期的モニタリング及び断続的モニタリングから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、モニタリングは継続的モニタリングである。これらの実施形態のいくつかの態様では、モニタリングは周期的モニタリングである。これらの実施形態のいくつかの態様では、モニタリングは断続的モニタリングである。これらの実施形態のいくつかの態様では、モニタリングはin situで行われる。これらの実施形態のいくつかの態様では、モニタリングはex situで行われる。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一つの研磨パッド特性のモニタリングは、少なくとも一つの研磨パッド特性を測定することを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの研磨パッド特性は、研磨パッド上の複数の場所で測定される。これらの実施形態のいくつかの態様では、複数の場所での研磨パッド特性の測定を用いて、研磨面全体の均一性を判断する。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一つの研磨パッド特性のモニタリングは、超音波プローブアセンブリを用いて行われる。本発明のいくつかの態様では、超音波プローブアセンブリは、超音波源及び超音波検出器を含む。超音波プローブアセンブリは、研磨パッドの研磨面上に、超音波信号を送信する。送信された超音波信号のいくつかは、研磨面から反射され、超音波検出器によって検出される。これらの実施形態のいくつかの態様では、反射した超音波信号は、リアルタイムで分析されて、研磨パッドのリアルタイム(in situ)のモニタリングを提供する。たとえば、反射された超音波信号を、研磨パッド位置データ(すなわち、測定がなされた場所)と関連付けることにより、研磨パッド等高線図及びプロファイルを提供することができる。加えて、リアルタイム(in situ)の研磨パッド特性(たとえば、パッド厚さ及び/又は溝深さ)を、反射された超音波信号から判断することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、基板を研磨する方法は、研磨層の研磨面をコンディショニングすることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、コンディショニングは研削コンディショニングである。これらの実施形態のいくつかの態様では、コンディショニングは、ダイヤモンドディスクコンディショニング及び高圧水噴射コンディショニングから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、コンディショニングは、研磨パッドの有効寿命の間にわたり、研磨中のパッド厚さ及び/又は溝深さのあらゆる変化を最小限にすることを助ける。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨パッド厚さ(及び/又は溝深さ)は、研磨及びコンディショニングプロセスの結果として減少する。研磨及びコンディショニングプロセスによる厚さ(及び/又は溝深さ)の減少は、本発明の方法における、研磨層の一部を高密度化状態から復元状態に転移させることによって抑えられる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨面のコンディショニングは、(a)研磨層の少なくとも一部が活性化刺激に暴露されている間、(b)研磨層の少なくとも一部が活性化刺激にされされた後、(c)研磨層の少なくとも一部が活性化刺激に暴露されると同時に、又は(d)(a)〜(c)を少なくとも2つ組み合わせて行われる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨面のコンディショニングは、研磨層の少なくとも一部が活性化刺激に暴露された後に行われる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨パッド厚さ(及び/又は溝深さ)の減少は、研磨層が活性化刺激に暴露された後に復元するよりも大きく、そして、研磨パッドは研削コンディショニングを受けて、研磨パッドの増大した厚さ(及び/又は溝深さ)が削り取られて、活性化刺激に暴露した後に、続いて研削コンディショニングした後の研磨パッドの厚さ(及び/又は溝深さ)は、研磨パッドの有効寿命の間にわたり、初期厚さ(及び/又は初期溝深さ)の±5%、±2%、±1%に等しくなる(たとえば、1,000を超えるウェーハの研磨後)。
本発明のいくつかの実施形態では、基板を研磨する方法は、活性化刺激を作り出す能力があるソースを備えることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨パッドは、in situで、ex situで、又はそれらの組合せで活性化刺激に暴露される。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は、熱、光、磁場、電場、水、pH、及びそれらの組合せに暴露することから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は、熱への暴露である。活性化刺激として熱源を動作させる能力がある、多様な既知の従来型装置(たとえば、オハイオ州のMicropyretics Heaters International Inc.より入手可能である、電気制御型赤外線ベース加熱装置、型番GPIR)がある。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は熱への暴露であり、熱源は研磨媒体を加熱し、続いて研磨面に近接した研磨層を加熱し、研磨層の一部を復元状態に転移させる。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は熱への暴露であり、熱源は、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を直接加熱し、研磨層の一部を復元状態に転移させる。
本発明のいくつかの実施形態では、基板を研磨する方法は、制御部を備えることと、少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタする能力がある測定装置を備えることと、活性化刺激を作り出すことが可能であるソースを備えることとをさらに含み、研磨パッドの少なくとも一部についての少なくとも一つの研磨パッド特性が、CMP加工中に変更力(たとえば、基板との研削接触、研削コンディショニング)を受け、測定装置及びソースが制御部と通信し、測定装置が少なくとも一つの研磨パッド特性に関する情報を制御部に入力し、及び制御部が、測定装置から入力された情報に基づいてソースを制御して、研磨層の少なくとも一部を活性化刺激に選択的に暴露することを促進して、すくなくとも一つの研磨パッド特性が増大又は一定に維持されるようにする。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御部は制御システムである。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御システムは、研磨パッド厚さ(及び/又は溝深さ)の相対的な変化をモニタし、ソースを調節することによってその変化を逆転させて、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を復元状態に転移させるための第一の閉ループフィードバックプロセスを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、第一の閉ループフィードバックプロセスは、i)制御部に制御信号を与えることと、ii)制御部からの出力信号を処理して、ソースを調節することとを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、ソースを調節して活性化刺激を生成し、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を活性化刺激に選択的に暴露する。これらの実施形態のいくつかの態様では、ソースを調節して、活性化刺激の規模、及び研磨層を活性化刺激に暴露する時間、量及び区域の程度を制御する。
本発明のいくつかの実施形態では、基板を研磨する方法が提供され、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を備えることと、パッド厚さPTを有する形状記憶化学機械研磨パッドであって、本来の状態及びプログラムされた状態を有する形状記憶マトリックス材料を含む高密度状態の研磨層を含み、形状記憶マトリックス材料が本来の状態にあるとき、研磨層が本来の厚さOTを呈し、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた状態に設定されたとき、研磨層が高密度状態の高密度化された厚さDTを呈し、DTがOTの80%以下である形状記憶化学機械研磨パッドを備えることと、制御部を備えることと、研磨パッド厚さ及び少なくとも一つの溝から選択される少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることが可能である測定装置を備えることと、活性化刺激を作り出すことが可能であるソースを備えることと、研磨層の研磨面と基板との間に、基板の表面を研磨するための動的な接触を作り出すことと、少なくとも一つの研磨パッド特性をモニタすることと、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を活性化刺激に暴露することと、研磨面を研削コンディショニングすることとを含み、研磨パッドの少なくとも一部についての少なくとも一つの研磨パッド特性が研磨及び研削コンディショニングプロセスの結果として減少し、測定装置及びソースが制御部と通信し、測定装置が少なくとも一つの研磨パッド特性に関する情報を制御部に入力し、制御部が、測定装置から入力された情報に基づいてソースを制御し、研磨パッドの少なくとも一部を活性化刺激に選択的に暴露することを促進して、少なくとも一つの研磨パッド特性が増大するようにする。これらの実施形態のいくつかの態様では、研削コンディショニングは、研磨層の少なくとも一部が、活性化刺激に暴露された後に続く。これらの実施形態のいくつかの態様では、研削コンディショニングは、研磨層の少なくとも一部が、活性化刺激に暴露されることに先行する。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、研削コンディショニングと、活性化刺激への暴露との両方を同時に受ける。これらの実施形態のいくつかの態様では、研削コンディショニングは、ダイヤモンドディスクコンディショニング及び高圧水噴射コンディショニングから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御部は制御システムである。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御システムは、本明細書にて上述の第一の閉ループフィードバックプロセスを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御システムは、研磨パッド厚さ(及び/又は溝深さ)の相対的な変化をモニタし、研削パッドコンディショニングを調節するための第二の閉ループフィードバックプロセスをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、第二の閉ループフィードバックプロセスは、i)制御部に制御信号を与えることと、ii)制御部からの出力信号を処理して、研削パッドコンディショニングを調節することとを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、制御システムは、第一の閉ループフィードバックプロセス及び第二の閉ループフィードバックプロセスと同時に作動する。
本発明のいくつかの実施形態では、本方法は、形状記憶化学機械研磨パッドを、研磨機のプラテンと接面させることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、本方法は、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを用いて、形状記憶化学機械研磨パッドを研磨機のプラテンと接面させることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨パッド厚さ及び/又は溝深さがモニタされて制御されるのは、a)センサ又は対象物からの相対距離を判断するように適合された非接触測定システムを備えること、b)センサを、研磨パッドの研磨面に隣接して、研磨パッドが接面されているプラテンから定められた距離に配置することと、c)センサから研磨面までの距離を測定して、パッド厚さ(すなわち初期パッド厚さ)及び少なくとも一つの溝深さ(すなわち初期溝深さ)から選択された少なくとも一つの研磨パッド特性の初期値を判断すること、d)少なくとも一つの基盤を、研磨面で研磨すること、e)センサから研磨面までの距離を再測定して、少なくとも一つの研磨パッド特性の変化を判断することと、f)(1)活性化刺激源を制御して、測定値(c)を(e)の再測定値と比較することによって研磨パッド状態を判断する測定値の比較を基にして、研磨面に近接した研磨層の少なくとも一部を活性化刺激に選択的に暴露することと、g)(d)〜(f)を、複数の研磨動作で繰り返すこととによる。これらの実施形態のいくつかの態様では、f)は、(2)研削コンディショニング装置を制御して、研磨面を選択的にコンディショニングすることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、閉ループフィードバックプロセスは、少なくとも一つの研磨動作中の、少なくとも一つの研磨パッド特性の継続的なモニタリング及び制御を促進する。これらの実施形態のいくつかの態様では、測定システムは、放射のソースを提供する放射線源を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、放射のソースは、超音波エネルギ及び電磁エネルギの少なくとも一つを作り出す。これらの実施形態のいくつかの態様では、電磁エネルギは、可視光線、紫外線及び赤外線の群から選択される。
図21は、本発明のいくつかの実施形態の一つの認識される利点の説明のための図示を提供する(すなわち、長期にわたるより一定した研磨パッド溝深さであり、これは、研磨パッドの有効寿命の間にわたって、より一定したCMP加工性能を達成することを助ける)。具体的には、図21に図示された曲線は、異なるCMP加工の時間が経過するにつれて、どのようにして研磨パッドの溝深さが減退するかについて示している。図21の曲線Aは、化学機械研磨パッドの溝深さが、研削コンディショニングをすることなく形状記憶復元を用いる本発明のCMP加工の時間経過とともに、どのように減退するかについて図示するものであり、ここで溝深さは、研磨時間の経過とともに減退し、活性化刺激に研磨面を暴露することによって周期的に復元する。図21の曲線Bは、形状記憶化学機械研磨パッドの溝深さが、研削コンディショニング(たとえばダイヤモンドディスクコンディショニング)と組み合わせて研磨面の形状記憶復元を用いる本発明のCMP加工の時間経過とともに、どのように減退するかについて図示するものであり、ここで溝深さは、研磨時間の経過とともに減退し、活性化刺激に研磨面を暴露することによって周期的に復元し、研削コンディショニングによって周期的に減退する。図21の曲線Cは、マイクロバルーンで充填された研磨層を有する従来の研磨パッドの溝深さが、研削コンディショニング(たとえばダイヤモンドディスクコンディショニング)を用いる従来のCMP加工の時間経過とともに、どのように減退するかについて図示するものであり、ここで溝深さは、研磨時間の経過とともに減退し、研削コンディショニングによって周期的に減退する。そのような従来のCMP加工では、研磨パッド材料の層をマイクロバルーンの平均径(たとえば50ミクロン以下)と同程度の厚さに削り取ることによって、研磨面を周期的に再生することは、一般的なことである。
本発明のいくつかの実施形態では、基板を研磨するための方法は、研磨面と基板の表面との間の接面に、研磨媒体を備えることをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨媒体は、粒子を含有する研磨液及び粒子を含有しない液(たとえば、研磨剤を含まない、反応性液体の研磨液)の少なくとも一つである。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨媒体は、粒子を含有する水性スラリーである。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨媒体は、3.0重量パーセント未満の研磨剤を含有する反応性液体の研磨液である。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨媒体は、0.1重量パーセント未満の研磨剤を含有する反応性液体の研磨液である。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨媒体は、研磨剤を含有していない。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、少なくとも一つのポリマーを含む形状記憶マトリックス材料を含む研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、少なくとも一つのハードセグメント及び少なくとも一つのソフトセグメントを含むセグメント化ブロック共重合体から選択される、少なくとも一つのポリマーを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、少なくとも一つのポリマーを含み、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリ(エーテルエステル)ブロック共重合体、ポリアミド、ポリ(アミドエステル)、ポリ(エーテルアミド)共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、マレイン酸無水物メチルビニルエーテル共重合体、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステルのポリビニルメチルエーテル共重合体、スチレンポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリシアヌレート、およびそれらの組合せ(たとえば、共重合体及び混合物)から選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、少なくとも一つのハードセグメント及び少なくとも一つのソフトセグメントを含むセグメント化ブロック共重合体を含み、この場合、ソフトセグメント、ハードセグメント、又は両方は“刺激応答性”である、すなわち、活性化刺激に暴露されたときに所望の量の形状復元を可能にする基又はレセプタ部位を含有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は、熱、光、磁場、電場、水、pH、及びそれらの組合せに暴露することから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、活性化刺激は、熱への暴露である。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、セグメント化ブロック共重合体を含む形状記憶マトリックス材料を含む研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、セグメント化ブロック共重合体は、ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエラストマー、ポリ(エーテルアミド)エラストマー、ポリエーテルポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリ(エーテルアミド)ブロック共重合体、熱可塑性ゴム(たとえば、非架橋ポリオレフィン)、スチレンブタジエン共重合体、シリコーンゴム、合成ゴム(たとえば、ニトリルゴム及びブチルゴム)、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレンエチレンブチレン共重合体、及びそれらの組合せから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、非エラストマー性ポリマーをさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、非エラストマー性ポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリ乳酸の共重合体、及びそれらの組合せから選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、ポリウレタンを含む形状記憶マトリックス材料を含む研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、ポリウレタンは、ポリエステル系芳香族ポリウレタン、ポリエステル系脂肪族ポリウレタン、ポリエーテル系脂肪族芳香族ポリウレタン、及びそれらの組合せから選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、形状記憶マトリックス材料は、ポリエーテル系の、トルエンジイソシアネート末端液体ウレタンプレポリマー、及び4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)を含む、混合物の反応生成物を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、グリセロールプロポキシレート、ポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、及びポリテトラヒドロフラン及びポリカプロラクトンの少なくとも一つを含む、混合物の反応生成物を含む形状記憶マトリックス材料を含む研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、グリセロールプロポキシレート、ポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、及びポリテトラヒドロフランを含む、混合物の反応生成物を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、グリセロールプロポキシレート、ポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、及びポリカプロラクトンを含む、混合物の反応生成物を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、上述のような形状記憶マトリックス材料及び複数の微小エレメントを含む研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、複数の微小エレメントは、研磨層内に均一に分散する。これらの実施形態のいくつかの態様では、複数の微小エレメントは、閉じ込められた気泡、中空ポリマー材料、液体を充填した中空ポリマー材料、水溶性材料及び不溶性相材料(たとえば鉱油)から選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、複数の微小エレメントは、研磨層全体に均一に分散された中空ポリマー材料を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、高密度状態の研磨層を含み、研磨層は、本来の形状(すなわち作製されたままの形状)と、プログラムされた形状との間で変形可能である形状記憶マトリックス材料を含み、研磨層は、形状記憶マトリックス材料が本来の形状にあるとき、本来の厚さOTを呈し、研磨層は、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた形状にあるとき、高密度化された厚さDTを呈し、DTはOTの80%以下であり、研磨層は、基板を研磨するように適合された研磨面を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、高密度化された厚さDTは、本来の厚さOTの70%以下である。これらの実施形態のいくつかの態様では、高密度化された厚さDTは、本来の厚さOTの70%〜40%の間である。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体基板である。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体ウェーハである。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、45℃以上80℃以下であるTgを呈するように選択された形状記憶マトリックス材料を含む研磨層を含み、この場合、活性化刺激は熱への暴露である。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、45℃以上75℃以下であるか、50℃以上75℃以下であるか、55℃以上75℃以下であるか、55℃以上70℃以下であるか、又は55℃以上65℃以下であるTgを呈するように選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、高密度状態の研磨層を含み、研磨層は、本来の形状とプログラムされた形状との間で変形可能である形状記憶マトリックス材料を含み、研磨層は、形状記憶マトリックス材料が本来の形状にあるとき、本来の厚さOTを呈し、研磨層は、形状記憶マトリックス材料がプログラムされた形状にあるとき、高密度化された厚さDTを呈し、DTはOTの80%以下であり、形状記憶マトリックス材料は、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−20)℃から(Tg+20)℃に上昇すると、70%以上の貯蔵弾性率の低下を呈し、活性化刺激は、熱への暴露であり、及び研磨層は、基板を研磨するように適合された研磨面を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−20)℃から(Tg+20)℃に、(Tg−10)℃から(Tg+10)℃に、又は(Tg−5)℃から(Tg+5)℃に上昇すると、貯蔵弾性率について70%以上の低下か、80%以上の低下か、85%以上の低下か、又は90%以上の低下を呈する。これらの実施形態のいくつかの態様では、貯蔵弾性率の低下は、800MPa以上か、900MPa以上か、1,000MPa以上か、800MPa以上10,000MPa以下か、800MPa以上5,000MPa以下か、又は800MPa以上2,500MPa以下の規模を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−10)℃から(Tg+10)℃に上昇すると、90%以上の貯蔵弾性率の低下を呈し、貯蔵弾性率の低下は、800MPa以上の規模を有する。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、中心軸を有し、中心軸の周りを回転するように適合される(図4参照)。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶化学機械研磨パッドの研磨層210は、中心軸212に対して実質上垂直である平面にある。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層210は、中心軸212に対して80〜100度の角度γをなす平面で回転するように適合される。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層210は、中心軸212に対して85〜95度の角度γをなす平面で回転するように適合される。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層210は、中心軸212に対して89〜91度の角度γをなす平面で回転するように適合される。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層210は、中心軸212に対して垂直であり、実質上円形の断面を有する研磨面214を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、中心軸212に対して垂直である研磨面214の断面の半径rは、断面について20%以下変化する。これらの実施形態のいくつかの態様では、中心軸212に対して垂直である研磨面214の断面の半径rは、断面について、10%以下変化する。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、マクロテクスチャを呈する研磨面を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、マクロテクスチャは、ハイドロプレーニング、研磨媒体の流れに影響すること、研磨層の剛性を変更すること、エッジ効果を減少させること、及び研磨屑を研磨面と基板との間の区域から遠くに移送することを促進することの、少なくとも一つを低減するように設計される。これらの実施形態のいくつかの態様では、マクロテクスチャは、少なくとも一つの溝を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの溝は、20ミル以上の初期溝深さを有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの溝は、20〜100ミルの初期溝深さを有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの溝は、20〜60ミルの初期溝深さを有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの溝は、20〜50ミルの初期溝深さを有する。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、溝パターンを含むマクロテクスチャを有する研磨面を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝パターンは、少なくとも一つの溝を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝パターンは、複数の溝を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、少なくとも一つの溝は、湾曲溝、直線溝及びそれらの組合せから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝パターンは、たとえば、同心溝(円形又は螺旋形であってもよい)、湾曲溝、クロスハッチ溝(たとえば、パッド面全体にX−Yグリッドとして配置される)、他の規則的な設計(たとえば六角形、三角形)、タイヤ溝型パターン、不規則な設計(たとえばフラクタルパターン)、及びそれらの組合せを含む溝設計から選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝パターンは、ランダム、同心状、螺旋状、クロスハッチ状、X−Yグリッド状、六角形、三角形、フラクタル及びそれらの組合せから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝の外形は、まっすぐな側壁を備える矩形か、又はV字型、U字型、三角形、鋸歯状、及びそれらの組合せであってもよい溝断面から選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝パターンは、研磨面全体を変化させる溝設計である。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝設計は、特定用途のためにエンジニアリングされる。これらの実施形態のいくつかの態様では、特定の設計での溝寸法をパッド面全体で変化させて、異なる溝密度の領域を作り出してもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、形状記憶化学機械研磨パッドは、少なくとも一つの溝を含む溝パターンを含むマクロテクスチャを有し、ここでCFは、研磨面の外側半径R0から研磨面の中心の原点Oまでの大部分の距離に延びる区域内で、研磨パッド半径Rの関数としてその平均値の25%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内にとどまる。これらの実施形態のいくつかの態様では、CFは、ベース半径RBから外側半径R0に延びる区域内で、研磨パッド半径Rの関数としてその平均値の25%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内にとどまる(たとえば、図9参照)。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、導電性のライニング溝を導入するか又は導体、たとえば導電性繊維、導電性ネットワーク、金属グリッド又は金属ワイヤを組み込む、パッドを通過する孔を有し、これにより、形状記憶化学機械研磨パッドを、eCMP(電気化学機械的平坦化)研磨パッドに変形させることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、ベース層と接面する研磨層を含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、接着剤を用いてベース層に取り付けられる。これらの実施形態のいくつかの態様では、接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、接触接着剤及びそれらの組合せから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様では、接着剤はホットメルト接着剤である。これらの実施形態のいくつかの態様では、接着剤は接触接着剤である。これらの実施形態のいくつかの態様では、接着剤は感圧接着剤である。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、研磨層と、ベース層と、ベース層と研磨層との間に介在する少なくとも一つの付加的な層とを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、研磨機のプラテンと接面するように適合される。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶化学機械研磨パッドは、プラテンに固着するように適合される。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶化学機械研磨パッドは、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを用いてプラテンに固着するように適合される。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、本来の形状とプログラムされた形状との間で変形可能な形状記憶マトリックス材料を備えることと、本来の形状の形状記憶マトリックス材料を含む、本来の厚さOTを呈する本来の状態の研磨層を調製することと、研磨層の少なくとも一部を(Tg+10)℃以上の温度まで加熱することと、研磨層に、研磨層を軸方向に圧縮する軸力である外力を受けさせることと、形状記憶マトリックス材料をプログラムされた形状に設定して、高密度化された厚さDTを呈する、高密度状態の研磨層を備えることと、軸力を維持して研磨層を高密度状態に設定しながら、研磨層を(Tg−10)℃未満の温度まで冷却することと、外力を除去することとを含むプロセスによって作り出すことができ、ここで、Tgは、形状記憶マトリックス材料のガラス転移温度であり、DTはOTの80%以下であり、研磨層は、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を研磨するように適合された研磨面を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、(Tg+10)℃以上の温度であるが、形状記憶マトリックス材料の分解温度よりも低い温度まで加熱される。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、加熱されて厚さ方向に圧縮され、形状記憶マトリックス材料のプログラミングを促進し、研磨層を本来の状態から高密度状態に転移させる。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体基板である。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体ウェーハである。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、本来の形状とプログラムされた形状との間で変形可能な形状記憶マトリックス材料を備えることと、本来の形状の形状記憶マトリックス材料を含む、本来の厚さOTを呈する本来の状態の研磨層を調製することと、研磨層に外力を受けさせることと、形状記憶マトリックス材料をプログラムされた形状に設定して、高密度化された厚さDTを呈する、高密度状態の研磨層を備えることと、外力を除去することとを含むプロセスによって作り出されることができ、ここでDTはOTの80%以下であり、形状記憶マトリックス材料は、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−20)℃から(Tg+20)℃に上昇すると、70%以上の貯蔵弾性率の低下を呈し、研磨層は、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも一つから選択された基板を研磨するように適合された研磨面を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、高密度化された厚さDTは、本来の厚さOTの70%以下である。これらの実施形態のいくつかの態様では、高密度化された厚さDTは、本来の厚さOTの70〜40%の間である。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料は、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−20)℃から(Tg+20)℃に、(Tg−10)℃から(Tg+10)℃に、又は(Tg−5)℃から(Tg+5)℃に上昇すると、貯蔵弾性率について75%以上の低下か、80%以上の低下か、85%以上の低下か、又は90%以上の低下を呈する。これらの実施形態のいくつかの態様では、貯蔵弾性率の低下は、800MPa以上か、900MPa以上か、1,000MPa以上か、800MPa以上10,000MPa以下か、800MPa以上5,000MPa以下か、又は800MPa以上2,500MPa以下の規模を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶マトリックス材料の温度が(Tg−10)℃から(Tg+10)℃に上昇すると、90%以上の貯蔵弾性率の低下を呈し、貯蔵弾性率の低下は、800MPa以上の規模を有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体基板である。これらの実施形態のいくつかの態様では、基板は半導体ウェーハである。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、研磨層に外力を与えて、形状記憶マトリックス材料をプログラムされた形状に設定することを含むプロセスによって作り出される。これらの実施形態のいくつかの態様では、外力は、研磨層に150psi以上のノミナル圧力を加える、名目上の軸力である。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層に加えられるノミナル圧力は、300psi以上である。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層に加えられるノミナル圧力は、150〜10,000psiである。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層に加えられるノミナル圧力は、300〜5,000psiである。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層に加えられるノミナル圧力は、300〜2,500psiである。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、本来の形状の形状記憶マトリックス材料を用いて、任意の既知の手段によって調製されて、本来の厚さOTを呈する本来の状態の研磨層が備えられる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、注入成形、射出成形(反応射出成形を含む)、押出、ウェブコーティング、光重合、焼成、印刷(インクジェット印刷及びスクリーン印刷を含む)、スピンコーティング、ウィービング、スカイビング及びそれらの組合せから選択されるプロセスによって作られる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層は、注入成形とスカイビングとの組合せによって調製される。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、形状記憶マトリックス材料のガラス転移温度Tg前後か又はそれを上回る温度で、研磨層を圧縮する力を与えることにより、研磨層を、本来の厚さOTを有する本来の状態から、高密度化された厚さDTを有する高密度状態に変換することと、Tgを下回る温度まで研磨層を冷却して、高密度化された厚さDTに固定することと、研磨層を圧縮するように与えられた力を除去することとを含む方法によって作り出される。
本発明のいくつかの実施形態では、用いられる形状記憶化学機械研磨パッドは、研磨層に組み込まれたマクロテクスチャを有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、マクロテクスチャは、研磨層が本来の状態にあるときに研磨層に組み込まれる。これらの実施形態のいくつかの態様では、マクロテクスチャは、研磨層が高密度状態にあるときに研磨層に組み込まれる。これらの実施形態のいくつかの態様では、いくつかのマクロテクスチャは、研磨層が本来の状態にあるときに研磨層に組み込まれ、いくつかのマクロテクスチャは、研磨層が高密度状態にあるときに研磨層に組み込まれる。これらの実施形態のいくつかの態様では、マクロテクスチャは、切削ビットを用いて研磨層に組み込まれる。これらの実施形態のいくつかの態様では、切削ビット又は研磨層、もしくは両方を冷却して、マクロテクスチャ組み込みプロセスのために、プログラムされた形状から復元状態に転移する形状記憶マトリックス材料の量を最小化することが望ましい場合がある。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層にマクロテクスチャを組み込むプロセスは、切削ビットを冷却することか、切削ビットに近接した研磨層領域を冷却することか、又はそれらの組合せを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、冷却は、さまざまな技術、たとえば切削ビット上に圧縮空気を吹き付けて対流を促進することか、切削ビットに冷たい空気を吹き付けることか、切削ビットに水を噴霧することか、又は切削ビットに冷却ガスを吹き付けることによって達成することができる。これらの実施形態のいくつかの態様では、冷却は、冷却ガス、液化ガス又は極低温ガス(たとえば、アルゴン、二酸化炭素、窒素)を、切削ビットか、切削ビットに近接した研磨パッド領域か、又はそれらの組合せに直接吹き付けることによって達成される。これらの実施形態のいくつかの態様では、冷却ガス、液化ガス又は極低温ガスは、特別のノズルを通して噴霧され、ガスは急速に膨張し、冷却されて固体結晶又は液体を形成し、熱伝達を促進する。これらの実施形態のいくつかの態様では、そのような冷却技術の使用は、材料(たとえば、ガス、液体又は結晶)の流れの生成、及び切削ビットか、切削ビットに近接した研磨層領域か、又は両方と出合う流れの方向付けを含む。これらの実施形態のいくつかの態様では、切削ビットに近接した領域の研磨層に方向付けられた材料の流れは、マクロテクスチャ組み込みプロセスで形成されたチップを除去する助力となるという付加的な効果を有する。これらのチップを除去することは、チップが、たとえば溶解、融着又は溶着によって研磨層に再付着する可能性を減少させるという点で有益であろう。マクロテクスチャ組み込みプロセス中にチップを除去することが、研磨層に再付着するチップの数を減少させるという範囲において、研磨層を用いた続く研磨動作での欠陥を回避することができる。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層全体が極低温に冷却される。これらの実施形態のいくつかの態様では、研磨層全体と、切削ビットに動力供給するために用いられる工作器具とが極低温に冷却される。
本明細書に記載された図面を参照する特定の実施形態において、活性化刺激は、熱への暴露である。それでも、本明細書で提供された教示を鑑みると、当業者は、他の活性化刺激、たとえば光、磁場、電場、及び/又は水等に暴露することを使用する方法が分かるであろう。
図1には、形状記憶化学機械研磨パッドの研磨層を比較描写した正面図が示されている。具体的には、図1は、本来の厚さOTを備える本来の状態10にある研磨層と、高密度化された厚さDTを備える高密度状態20にある同じ研磨層との比較を提供している。
図2には、形状記憶化学機械研磨パッドの研磨層を比較描写した正面図が示されている。具体的には、図2は、本来の厚さOTを備える本来の状態30にある研磨層と、高密度化された厚さDTを備える高密度状態40にある同じ研磨層と、復元した合計厚さTRTと、復元した厚さRTを有する研磨面32に近接した復元部とを備える部分的な復元状態50にある同じ研磨層との比較を提供している。図2に図示された研磨層は、形状記憶マトリックス材料36内に分散した複数の微小エレメント34を含む。
図3には、形状記憶化学機械研磨パッドの正面図が示されている。具体的には、図3の形状記憶化学機械研磨パッド60は、研磨面72を備える研磨層70を含み、研磨層は、形状記憶マトリックス材料74全体に均一に分散した複数の微小エレメント76を含む。図3の形状記憶化学機械研磨パッド60は、研磨層70と接面するベース層90をさらに含む。具体的には、ベース層90は、接着層80によって研磨層70に接着されている。
図4には、形状記憶化学機械研磨パッドの側面斜視図が示されている。具体的には、図4は、高密度化された厚さDTを有する高密度状態にある単層の形状記憶化学機械研磨パッド210を図示している。形状記憶化学機械研磨パッド210は、研磨面214及び中心軸212を有する。研磨面214は、中心軸212に対して角度γをなす平面で、中心軸212から研磨面215の外側半径までの半径rを備える、実質上円形の断面を有する。
図5には、形状記憶化学機械研磨パッドの平面図が示されている。具体的には、図5は、複数の湾曲溝305の溝パターンを備える研磨面302を有する形状記憶化学機械研磨パッド300を図示している。
図6には、形状記憶化学機械研磨パッドの平面図が示されている。具体的には、図6は、複数の同心溝315の溝パターンを備える研磨面312を有する形状記憶化学機械研磨パッド310を図示している。
図7には、形状記憶化学機械研磨パッドの平面図が示されている。具体的には、図7は、X−Yグリッドパターンの複数の線形溝325の溝パターンを備える研磨面322を有する形状記憶化学機械研磨パッド320を図示している。
図8には、形状記憶化学機械研磨パッドの平面図が示されている。具体的には、図8は、複数の孔338と、複数の同心溝335との組み合わせを備える研磨面332を有する形状記憶化学機械研磨パッド330を図示している。
図9は、本発明のいくつかの実施形態の形状記憶化学機械研磨パッド400の平面図を示し、ここで、研磨パッド400は、少なくとも一つの溝404を含む溝パターンを含むマクロテクスチャを有する。研磨パッド400は、外側半径R0と、少なくとも一つの溝が形成された研磨面402とを有する。図9には単一の溝404が図示されているが、溝パターンは、二つ以上の溝404を含むことができる。(たとえば、図10〜12参照。)研磨パッド半径Rは、研磨面402の中心にある原点Oから測定される。図9にはまた、半径Rで引かれた、円周2πRを有する円CR(破線)が示されている。研磨パッド400の外側半径はR0である。溝404は、ベース半径RBから外側半径ROに延び、研磨層402の外周辺406を画定する。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝404はベース半径RBから外周辺406に延びる(図9〜12に図示)。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝404は、原点Oとベース半径RBとの間の点から外周辺406に延びる。これらの実施形態のいくつかの態様では、溝404は、原点Oから外周辺406に延びる。図13は、図9の溝404の溝セグメントの拡大図を図示し、溝404の小さな微分セグメント410を示している。所与の半径Rで、溝404は、所与の幅Wと、原点Oを所与の半径位置Rに接続する半径線Lに対して角度θ(「溝角」)を形成する中心軸Aとを有する。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶化学機械研磨パッドは、溝パターンを含むマクロテクスチャを有し、CFは、研磨面の外側半径R0から原点Oまでの大部分の距離に延びる区域内で、研磨パッド半径Rの関数としてその平均値の25%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内にとどまる。これらの実施形態のいくつかの態様では、形状記憶化学機械研磨パッドは、溝パターンを含むマクロテクスチャを有し、CFは、ベース半径RBから外側半径R0に延びる区域内で、研磨パッド半径Rの関数としてその平均値の25%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内にとどまる。
図14には、半導体ウェーハを研磨するために、形状記憶化学機械研磨パッドを利用している研磨機の図が示されている。具体的には、図14は、中心軸112と、研磨面118とベース層114とを有する形状記憶化学機械研磨パッド110を備える研磨装置100を図示する。図14は、ベース層114が固着された研磨プラテン120をさらに図示する。研磨プラテン120は、研磨パッド110の中心軸112に対応する中心軸125を有する。研磨装置100は、中心軸135を有するウェーハキャリア130をさらに含む。ウェーハキャリア130は、半導体ウェーハ150を運ぶ。ウェーハキャリア130は、ウェーハキャリアを研磨パッド110に対して水平方向に移動させるための並進アーム140に取り付けられている。ウェーハキャリア130及びプラテン120(取り付けられた研磨パッド110を備える)は、それぞれの中心軸の周りを回転して移動し、研磨面118と半導体ウェーハ150との間の動的な接触を促進するように設計される。モニタ155は、研磨面に対して位置付けられ(場合により、可動に位置付けられ)、研磨パッド厚さ及び溝深さから選択された少なくとも一つの研磨パッド特性の測定を促進する。ソース160は、研磨面118に近接して可動に位置付けられ、研磨層を活性化刺激に選択的に暴露することを促進して、たとえば、研磨層の暴露された部分が高密度状態から復元状態に転移するようにされる。中心軸167を備えるコンディショニング装置165は、研磨面118に研削コンディショニングを提供する。制御部170は、モニタ155、ソース160及びコンディショニング装置165とアクティブに通信し、一定した研磨パッド厚さ及び/又は溝深さを維持するようにプログラムされる。
図15には、研磨媒体と組み合わせて形状記憶化学機械研磨パッドを利用している研磨装置の図が示されている。具体的には、図15は、研磨面214及び外側半径215を備える単層の形状記憶化学機械研磨パッド210を含む装置200を図示する。研磨パッド210は、プラテン220と接面する。研磨パッド210は、プラテン220の中心軸225と対応する中心軸212を有する。装置200は、中心軸235を備えるウェーハキャリア230をさらに含む。ウェーハキャリア230は、半導体ウェーハ250を保持する。装置200は、研磨媒体260と、研磨面214上に研磨媒体を定量吐出するためのスラリーディスペンサ270とをさらに含む。半導体ウェーハ250の研磨中、プラテン220及び研磨パッド210はそれぞれの中心軸の周りを回転し、ウェーハキャリアはその中心軸の周りを回転する。研磨中、研磨パッド及びウェーハは、互いに動的に接触した状態に置かれ、研磨媒体がシステムに案内されて、半導体ウェーハと研磨パッドの研磨面との間を通ることができるようにされる。モニタ280は、研磨面に対して位置付けられ(場合により、可動に位置付けられ)、研磨パッド厚さ及び溝深さから選択された少なくとも一つの研磨パッド特性の測定を促進する。ソース285は、研磨面214に近接して可動に位置付けられ、研磨層を活性化刺激に選択的に暴露することを促進して、たとえば、研磨層の暴露された部分が高密度状態から復元状態に転移するようにされる。中心軸295を備えるコンディショニング装置290は、研磨面214に研削コンディショニングを提供する。制御部298は、モニタ280、ソース285及びコンディショニング装置290とアクティブに通信し、一定した研磨パッド厚さ及び/又は溝深さを維持するようにプログラムされる。
ここで、本発明のいくつかの実施形態が、以下の実施例において詳細に記載される。
実施例1:形状記憶研磨パッド
試験試料を、市販の充填ポリウレタン研磨パッド(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.よりIC1000(商標)として入手可能)から調製した。試験試料は、直径約12.7mmの円形ディスクからなり、IC1000(商標)パッドの刻印がなされていた。
実施例2:形状記憶研磨パッド材料の調製
グリセロールプロポキシレート227グラム(平均Mn〜266)、ポリテトラヒドロフラン279グラム(平均Mn〜650)、及びポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(The Dow Chemical CompanyよりIsonate(登録商標)143Lとして入手可能)494グラムを、約50℃及び大気圧で混合することにより、形状記憶マトリックス材料を調製した。そして、この混合物に、中空の弾性ポリマーマイクロスフィア(Akzo NobelよりExpancel(登録商標)552DEとして入手可能)18グラムを、非接触型の高せん断プラネタリミキサを用いて2000rpmで配合し、形状記憶マトリックス材料中にマイクロスフィアを均等に分散させた。そして、最終的な混合物を、2.54mm離れた2つの平らなガラス面の間に注ぎ、形成された直径254mmまでに注ぎ出したシートは、約10分間でゲル化できた。そして、厚さ2.54mmに注ぎ出したシートを、ガラス面とともに硬化オーブン内に置き、約105℃で約16〜18時間硬化させた。その後、硬化したシートを、シート温度が約25℃になるまで、約8時間室温で冷却した。
実施例3:形状記憶研磨パッド材料の調製
グリセロールプロポキシレート216グラム(平均Mn〜266)、ポリ(カプロラクトン)ジオール315グラム(平均Mn〜775)、及びポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(The Dow Chemical CompanyよりIsonate(登録商標)143Lとして入手可能)469グラムを、約50℃及び大気圧で混合することにより、形状記憶マトリックス材料を調製した。そして、この混合物に、中空の弾性ポリマーマイクロスフィア(Akzo NobelよりExpancel(登録商標)552DEとして入手可能)18グラムを、非接触型の高せん断プラネタリミキサを用いて2000rpmで混合し、形状記憶マトリックス材料中にマイクロスフィアを均等に分散させた。そして、最終的な混合物を、2.54mm離れた2つの平らなガラス面の間に注ぎ、形成した直径254mmまでに注ぎ出したシートは、約10分間でゲル化できた。シートは、実施例2のように硬化させた。
実施例4:貯蔵弾性率対温度測定
動的機械分析装置(DMA、TA Instruments、型番Q800)を用いて、Rohm and Haas Electronic Material CMP Inc.製の民生用IC1000(商標)研磨パッドで用いられる形状記憶マトリックス材料(ただし、Expancel(登録商標)材料は添加していない)についての貯蔵弾性率(MPa)対温度(℃)の曲線をグラフ化した。グラフ化した曲線は、図16に示されている。
実施例5:貯蔵弾性率対温度測定
機械分析装置(DMA、TA Instruments、型番Q800)を用いて実施例2及び3のように調製された形状記憶マトリックス材料(ただし、Expancel(登録商標)材料は添加していない)についての貯蔵弾性率(MPa)対温度(℃)をグラフ化した。グラフ化した曲線は、図17に示されている。
実施例6:形状記憶マトリックス材料の調製
グリセロールプロポキシレート175グラム(平均Mn〜266)、ポリカプロラクトン349グラム(平均Mn〜530−b−530)、及びポリカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(The Dow Chemical CompanyよりIsonate(登録商標)143Lとして入手可能)476グラムを(約50℃及び大気圧で)混合することにより、形状記憶マトリックス材料を調製した。
実施例7:貯蔵弾性率対温度測定
機械分析装置(DMA、TA Instruments、型番Q800)を用いて実施例6のように調製された形状記憶マトリックス材料(ただし、Expancel(登録商標)材料は添加していない)についての貯蔵弾性率(MPa)対温度(℃)をグラフ化した。グラフ化した曲線は、図18に示されている。
実施例8:高密度状態の研磨パッドの調製
実施例1によって調製された形状記憶化学機械研磨パッド試料を、インストロンテスタ(Instron Tester)の直径2インチの上下プラテンの間に置いた。加熱チャンバは、内部温度が制御可能であり、プラテン及び試料パッドにおよぶ空間を囲うものであった。試料パッドを120℃で20分間加熱し、プラテンを用いて、試料パッドに軸力を与えた。この軸力は、試料パッドにノミナル圧力を加え、試料パッドを本来の厚さの約50%まで圧縮するのに十分であった。試料パッドに加えられたノミナル圧力は、1,000〜5,000psi前後であった。圧力を維持しながら、試料パッドを室温まで冷却し、その中で形状記憶マトリックス材料をプログラムされた形状に設定し、試料パッドを高密度状態にした。
実施例9:高密度状態の研磨パッドの提供
直径12.5mmの試料パッドを、実施例2及び3によって作り出されたシートから打ち抜いた。そして、試料パッドを、インストロンテスタ(Instron Tester)の直径2インチの上下プラテンの間に置いた。加熱チャンバは、内部温度が制御可能であり、プラテン及び試料パッドにおよぶ空間を囲うものであった。試料パッドを90℃で20分間加熱し、プラテンを用いて、試料パッドに軸力を与えた。この軸力は、試料パッドにノミナル圧力を加え、試料パッドを本来の厚さの約50%まで圧縮するのに十分であった。軸力により試料パッドに加えられたノミナル圧力は、1,000〜5,000psi前後であった。この加えられた圧力を維持しながら、試料パッドを室温まで冷却し、その中で形状記憶マトリックス材料をプログラムされた状態に設定し、試料パッドを高密度状態にした。
実施例10:研磨パッドの復元状態への復元
実施例8によって調整された高密度状態の研磨パッド試料を、オーブン内で、120℃で10〜20分間加熱した。その後、各研磨パッド試料の厚さを測定した。各研磨パッド試料が、本来の厚さの99%を超えて復元した最大総厚さを有する復元状態に転移したことを観察した。
実施例11:研磨パッドの復元状態への復元
実施例9によって調整された高密度状態の研磨パッド試料を、オーブン内で、90℃で10〜20分間加熱した。その後、各研磨パッド試料の厚さを測定した。各研磨パッド試料が、本来の厚さの99%を超えて復元した最大総厚さを有する復元状態に転移したことを観察した。
実施例12:パッド厚さ及び溝深さの復元
3つの試験試料を、市販の充填ポリウレタン研磨パッド(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.よりIC1010(商標)として入手可能であり、切り込まれた円形溝を有する)から調製した。試験試料は、直径約12.7mmの円形ディスクからなりIC1010(商標)パッドの刻印がなされていた。直径12.7mmの試料はそれぞれ、原パッドから円形の溝を有するものであった。これらの試料を、実施例8に記載された方法によって圧縮し、実施例10に記載された方法によって復元した。試料の厚さおよび溝の深さの測定は、個々の試料に対して、以下の、各々圧縮前、本来の厚さ(OT)及び本来の溝深さ(OGD)、各々圧縮後、高密度化された厚さ(DT)及び高密度化された溝深さ(DGD)、及び各々復元後、復元した総厚さ(TRT)及び復元した総溝深さ(TRGD)の各状態で行われた。厚さ及び溝深さの両方を、光学顕微鏡を用いて測定した。図19及び20に、データをグラフ形状で示す。図19及び20に示された試料厚さ及び溝深さは、圧縮前の各々の元の値を用いて標準化されていることに留意されたい。データは、さまざまなレベルの圧縮について、TRTがOTの95%以上であり、TRGDがOGDの91%以上であることを示す。