以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
〈実施の形態1〉
本実施の形態では、本発明を適用した半導体装置が有する半導体層の形成工程について、図面を参照して説明する。図1は本実施の形態にて説明する、多結晶半導体膜を基板上に形成するまでの工程を示す。
基板には絶縁性基板として、ガラス基板100を用いる。ガラス基板100の材料は特定のものに限定されず、石英ガラスでもよいし、ほう珪酸ガラスのような無アルカリガラスでもよいし、アルミノ珪酸ガラスでもよい。後の薄膜を形成する工程で必要な耐熱性及び耐薬品性等を有していればよい。なお、ガラス基板だけではなく、基板表面が絶縁性であり、必要な耐熱性を有していれば基板の材料は特定のものに限定されない。すなわち、薄膜を形成する工程における温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板や、絶縁膜を形成したステンレス基板等を用いることもできる。
また、ホウケイ酸ガラス等は石英ガラスとは異なり、ナトリウム(Na)やカリウム(K)等の不純物を若干量含有している。これらの不純物が活性層周辺に拡散すると、活性層と下地膜との界面や、活性層とゲート絶縁膜との界面に寄生チャネル形成領域を形成する。これらは、TFTの動作時に発生するリーク電流を増加させる原因となる。また、これらの拡散した不純物はTFTのしきい値電圧にも影響を及ぼす。
従って、ガラス基板100上にTFTを作製するときには、ガラス基板とTFTとの間に下地膜と呼ばれる、絶縁膜を挟み込む構造にすることが好ましい。この下地膜には、ガラス基板からの不純物の拡散を防ぐ機能と、この絶縁膜上に堆積する薄膜との密着性を高める機能が要求される。下地膜に用いる材料は特定のものに限定されず、酸化シリコン系材料でもよいし、窒化シリコン系材料でもよい。なお、酸化シリコン系材料とは酸素とシリコンとを主成分とする酸化シリコンや、酸化シリコンが窒素を含有し、かつ、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多い酸化窒化シリコンをいう。窒化シリコン系材料とは窒素とシリコンとを主成分とする窒化シリコンや、窒化シリコンが酸素を含有し、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多い窒化酸化シリコンをいう。または、これらの材料からなる膜を積層した構造であってもよい。積層して下地膜を形成する場合には、ガラス基板100に密着する下層部分にはブロッキング層として機能し、主にガラス基板からの不純物の拡散を防ぐ材料を用い、上層部分には主に下地膜の上に堆積する薄膜との密着性を高める材料を用いることが好ましい。なお、結晶質半導体膜は窒化シリコン系材料と接して形成すると該界面にトラップ準位が生成されるため、結晶質半導体膜と接する絶縁膜としては酸化シリコン系材料を用いることが好ましい。
以上を考慮して、本実施形態では、ガラス基板100上に下地膜101を形成する。ここでは下地膜101には窒化酸化シリコン上に酸化窒化シリコンを積層して形成する。安価なコーニングガラス等を基板に用いて、薄膜トランジスタとして機能する半導体膜がこの上に密着して形成されるとナトリウム等の可動イオンが基板から半導体膜へ侵入する。そのため、窒化シリコン膜はブロッキング層として形成されるものである。下地膜101は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法又はスピンコート法等により形成することができる。下地膜は特に必要のない場合には形成しなくともよい。
次に、非晶質半導体膜102を形成する(図1(A)を参照)。ここでは、非晶質半導体膜102はシリコンにより形成する。非晶質半導体膜102を形成するには、シラン(SiH4)等の半導体材料ガスを用いて、LPCVD(Low Pressure CVD)法、プラズマCVD法、気相成長法又はスパッタリング法により形成する。
次に、非晶質半導体膜102を結晶化する前に、必要に応じて、脱水素工程を行う。例えば、非晶質半導体膜102の形成が、シラン(SiH4)を用いて通常のCVD法により行われた場合、膜中に水素が残留する。このように膜中に水素が残留した状態で、非晶質半導体膜にレーザー光を照射すると、結晶化に最適なエネルギー値の半分程度のエネルギー値のレーザー光により膜の一部が消失してしまう。そのため、例えばN2雰囲気中で加熱することで、膜中に残留している水素を除去することができる。非晶質半導体膜102の形成をLPCVD法や、スパッタリング法にて行う場合には、脱水素工程は必ずしも必要ではない。
また、必要に応じて、チャネルドープを行ってもよい。チャネルドープとは、半導体層に所定の濃度の不純物を添加して、意図的にTFTの閾値電圧をシフトさせ、TFTの閾値を所望の値に制御するプロセスをいう。例えば、閾値電圧がマイナス側にシフトしている場合にはドーパントとしてp型の不純物元素を、プラス側にシフトしている場合にはドーパントにn型の不純物元素を添加する。ここで、p型の不純物元素としてはリン(P)又はヒ素(As)が、n型の不純物元素としてはボロン(B)又はアルミニウム(Al)等が挙げられる。
なお、ここで、必要に応じて、非晶質半導体膜102の表面に形成された酸化膜を除去する。表面に形成された酸化膜を除去することで、酸化膜中又は酸化膜上に存在する不純物が結晶化によって半導体膜中に侵入して拡散することを防止することができる。
次に、非晶質半導体膜102の結晶化を行う。本発明では、非晶質半導体膜102の結晶化にレーザー光を用いる。レーザー光を照射することで結晶化に必要な熱量を非晶質半導体膜に供給する。レーザー光を用いることで、非晶質半導体膜の局所的な加熱が可能であり、基板の温度がガラスの歪み点以下となるように、非晶質半導体膜を結晶化することができる。
レーザーは、レーザー媒質、励起源、共振器により構成される。レーザーを、媒質により分類すると、気体レーザー、液体レーザー、固体レーザーがあり、発振の特徴により分類すると、自由電子レーザー、半導体レーザー、X線レーザーがあるが、本発明では、いずれのレーザーを用いてもよい。なお、好ましくは、気体レーザー又は固体レーザーを用いるとよく、さらに好ましくは固体レーザーを用いるとよい。
気体レーザーには、ヘリウムネオンレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、アルゴンイオンレーザーがある。エキシマレーザーには、希ガスエキシマレーザー、希ガスハライドエキシマレーザーがある。希ガスエキシマレーザーには、アルゴン、クリプトン、キセノンの3種類の励起分子による発振がある。アルゴンイオンレーザーには、希ガスイオンレーザー、金属蒸気イオンレーザーがある。
液体レーザーには、無機液体レーザー、有機キレートレーザー、色素レーザーがある。無機液体レーザー及び有機キレートレーザーは、固体レーザーに利用されているネオジムなどの希土類イオンをレーザー媒質として利用する。
固体レーザーが用いるレーザー媒質は、固体の母体にレーザー作用をする活性種がドープされたものである。固体の母体とは、結晶又はガラスである。結晶とは、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)、YLF、YVO4、YAlO3、サファイア、ルビー、アレキサンドライドである。また、レーザー作用をする活性種とは、例えば、3価のイオン(Cr3+、Nd3+、Yb3+、Tm3+、Ho3+、Er3+、Ti3+)である。
本発明で用いるレーザーとして、更にはファイバーレーザーを用いることもできる。ここで、本発明で用いることのできるファイバーレーザーについて図2を参照しながら詳細に説明する。
ファイバーレーザーは、光導波路(光ファイバー)を発振器として用いている。ファイバーレーザーの発振器の一構成を図2に示す。ファイバーレーザーは、励起用のレーザーダイオード111(LD)、励起光コンバイナー112、ファイバーブラッググレーティング113、ファイバーブラッググレーティング115(Fiber Bragg Grating)、レーザー媒質をコアにドープした光ファイバーである、アクティブゲインファイバー114、及び出力ポート116を有している。また、これらの機器は、ファイバーケーブル117を介してそれぞれ接続されている。なお、ファイバーレーザーは、連続発振、パルス発振のどちらでも可能である。本発明では連続発振又は疑似連続発振を用いる。
励起光コンバイナー112は、複数のレーザーダイオード111から出力された励起光を結合し、この結合光をファイバーブラッググレーティング113に入力する。なお、図2に示す発振器の構成では励起光コンバイナー112を含む構成としているが、励起光コンバイナー112を含まない構成としてもよい。すなわち、ファイバーケーブル117を介して単一のレーザーダイオード111とファイバーブラッググレーティング113とを直接接続する構成とし、単一のレーザーダイオード111から出力された励起光をファイバーブラッググレーティング113に直接入力するようにしてもよい。
ファイバーブラッググレーティング113は、レーザー発振器の全反射ミラーとして機能し、ファイバーブラッググレーティング115は、出力ミラーとして機能する。ファイバーブラッググレーティング113、ファイバーブラッググレーティング115は、YAGレーザーの如き固体レーザーの共振器ミラーのように、定期的なクリーニングやアライメント調整をする必要がない。このため、固体レーザーを用いる場合に比較して、熱変化や機械的衝撃に強く、メンテナンス性やモバイル性が高い。ファイバーブラッググレーティング115から出力されたレーザー光は、出力ポート116を介して光ファイバーの外部に出力(射出)される。ここでは、ファイバーブラッググレーティング115から出力されたレーザー光のビームスポットは円形であり、その口径は数十μm(代表的には、10〜30μm)である。なお、レーザー光のビームスポットは、円形に限らず、楕円や方形でもよい。
アクティブゲインファイバー114は、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)などの希土類元素がドープされた円筒状のコア118と、パイプ状のクラッド119とから構成されている(図3)。コア118は、その口径が数十μm(代表的には、10〜30μm)である。ファイバーブラッググレーティング113から励起光を入力すると、アクティブゲインファイバー114内でレーザー発振する。ここで、アクティブゲインファイバー114は、レーザーダイオード111から入力される光の波長、ビーム品質等を変換する、光変換器のような役割を果たす。クラッド119は、単層構造でもよいし、2層構造でもよい。2層構造とする場合、例えばシリカからなる内側のクラッドと、ポリマーからなる外側のクラッドとの2層構造とすればよい。また、クラッド119の断面形状は、円形、長方形、多角形のいずれでもよい。
ファイバーケーブル117は、屈折率が高い円筒状のコアと、屈折率が低くコアの外周を覆っているパイプ状のクラッドとからなる2層構造をなしている。クラッドは、光ファイバーに入射された光を閉じ込める役割を持つ。クラッドの外径は、100〜150μmである。コアの屈折率は、コアを覆っているクラッドの屈折率よりも高いため、光ファイバーに入射された光はコア部分を伝わり外部に伝送される。
光信号が光ファイバー内を伝わるパターン(モード)は、用途によって異なり、マルチモードステップ型、マルチモードグレーデッド型、シングルモード型の3種類に大別される。本発明にはどのモードを使用してもよいが、好ましくはシングルモード型を用いるとよい。
また、ファイバーブラッググレーティング115と出力ポート116との間に、非線形光学素子を設ける構成とすることが好ましい。非線形光学素子を設けることにより、レーザーダイオード111から出力された基本波のレーザー光を高調波(第2高調波や第3高調波など)に変換することができる。
本発明でファイバーレーザーから射出されたレーザー光を用いると、固体レーザーを用いて結晶化する場合に比較して半導体装置の生産性の向上、低コスト化を実現することができる。
また、本発明で用いるレーザー光は非晶質半導体膜102に吸収される波長のCWレーザーから発振されたレーザー光であればよい。疑似CWレーザーから発振されたレーザー光を用いても良い。本実施の形態では非晶質半導体膜102にシリコンを用いている。そのため、用いるレーザー光の波長はシリコンに吸収される、800nm以下とし、好ましくは200〜500nm程度とし、より好ましくは350〜550nm程度とする。
ここで、疑似CWレーザーとは、パルス発振のレーザーであって、発振周波数が高いために、実質的にCWレーザーと同様に扱うことのできるレーザーをいう。本発明では、被照射面は結晶化させる半導体膜の一端から他端までの間に溶融状態を有するように完全溶融されることを前提としているために、一のパルスのレーザー光が照射されて半導体膜が溶融された状態から次のパルスのレーザー光が半導体膜に照射されるまでに、溶融された状態の半導体膜の少なくとも一部分を溶融状態で維持するようにして、固液界面を連続的に移動させながら結晶化を行うことのできる、パルス発振のレーザーを用いる。
更に、本発明ではレーザー光の光強度を、空間的にレーザー光の長軸方向に周期的に変調させる手段を有する。このような手段として、位相シフトマスクを用いる。つまり、ストライプパターンを有する位相シフトマスクを介して、レーザー照射を行う。図4は、本発明で用いる位相シフトマスクの概略図である。図4(A)が位相シフトマスクの側面図を示し、図4(B)が位相シフトマスクの上面図を示している。本発明で用いる位相シフトマスクには凸部121及び凹部122からなる、周期的なストライプ状のパターンが設けられている。このような位相シフトマスクは、平滑性が高い、透光性を有する基板をレーザー光により加工することで作製される。透光性を有する基板として、例えば、石英基板を用いる。このように凹凸が形成された位相シフトマスクをレーザー光が通過すると、凸部を通過したレーザー光では位相は反転せず、凹部を通過したレーザー光でのみ位相が180°反転する。これにより、該位相シフトマスクの凹部と凸部の間隔を反映した強度分布を有するレーザー光を得ることができる。
凹部の面と凸部の面には段差Δtが設けられている。Δtは、用いるレーザー光の波長λ、および位相シフトマスクの材料である、石英中における光の屈折率n
1及び空気中における光の屈折率n
0から、以下の数式により求められる。
ここで、屈折率n1=1.486、屈折率n0=1.000、波長λ=532nmとすると、段差Δt=547nmとなる。従って、Δt=547nmとなるよう、石英基板を加工する。
図5は、本発明における、レーザー光を照射するときの光学系装置の位置関係の概略図を示している。レーザー発振器130から発振されたレーザー光は、まず、アッテネータ131で調整される。アッテネータ131は発振されたレーザー光の光強度を調整する。アッテネータ131を通過したレーザー光は、スリット132から照射されてシリンドリカルレンズ133を通過する。シリンドリカルレンズ133及びシリンドリカルレンズ136を通過したレーザー光は長軸方向および短軸方向について各々の後側焦点に集光され、照射されるビームの形状に成形される。本発明では線状ビームを形成するため、以下、長軸方向(図5(A))と短軸方向(図5(B))の各々について、別々に説明する。
レーザー光はシリンドリカルレンズ133を通過することで、長軸方向に関しては、後側焦点134に集光される。後側焦点134はシリンドリカルレンズ133の屈折率により決定される。シリンドリカルレンズ面133aから後側焦点までの距離である後側焦点距離135によって、被照射面138に照射される線状レーザー光の長軸方向の長さ39が決定される。そのため、線状レーザー光の長軸方向の長さ39が所望の長さとなるように、シリンドリカルレンズ133と被照射面138の距離を決定する。なお、本実施の形態では被照射面138は図1に示す非晶質半導体膜102の表面である。該レーザー光は、その後シリンドリカルレンズ136を通過するが、シリンドリカルレンズ136を通過しても、レーザー光の長軸方向では影響を受けない。
レーザー光の短軸方向については、シリンドリカルレンズ133では該レーザー光は変化することなく通過し、シリンドリカルレンズ133と被照射面138の間に設けられたシリンドリカルレンズ136により、シリンドリカルレンズ136の後側焦点140に集光される。後側焦点140はシリンドリカルレンズ136の屈折率により決定される。シリンドリカルレンズ面136aから後側焦点140までの距離である後側焦点距離142によって、被照射面138に照射される線状レーザー光の短軸方向の長さ141が決定される。そのため、線状レーザー光の短軸方向の長さ141が所望の長さとなるように、シリンドリカルレンズ136と被照射面138の距離を決定する。なお、本実施の形態では被照射面138は非晶質半導体膜102の表面である。ここで、図5(B)において、後側焦点140は被照射面の後方に存在しているが、後側焦点は被照射面の前方であってもよい。なお、レーザー光は位相シフトマスクでも屈折されるので、この点も考慮する。
本実施の形態では、レーザー光はストライプパターンを有する位相シフトマスク137を介して、非晶質半導体膜の表面に照射される。位相シフトマスク137を介することで、該レーザー光は、長軸方向において位相シフトマスク137のストライプパターンを反映した強度分布を有することになる。
ここで、位相シフトマスク137に形成されるストライプパターンの凹凸の周期は、用いられるレーザー光に応じて決定するとよい。ストライプパターンの凹凸の周期は、該レーザー光により、位相シフトマスクを用いずにレーザー結晶化した場合の、得られる結晶粒のサイズにより決定するとよい。例えば、位相シフトマスク137を用いずに結晶化した場合に、結晶粒のサイズが平均3μm程度であれば、強度変調されたレーザー光が被照射面に照射される際に、強度変調の周期の半分が3μm以下となるよう、調整すればよい。これにより、結晶の核生成の位置を制御することができる。ここでは凹凸の周期が6μmとなるように設定する。従って、結晶化される半導体膜を構成する結晶帯は3μmの間隔(幅)を有する。
上記のように、6μmの周期で繰り返されるレーザー光のビームプロファイルを、位相シフトマスクによる干渉光にて形成した場合についての計算結果を図6に示す。横軸は相対距離、縦軸は規格化した輝度を表している。計算結果はフレネル−キルヒホッフ回折積分を数値積分することにより算出したものである。なお、計算にはMathematicaを用いた。
図6(A)はレーザー光の走査方向と位相シフトマスクのストライプパターンが平行である場合のレーザー光の輝度の分布を表している。なお、レーザー光の走査方向は位相シフトマスクに設けられた、凹凸を形成する溝に平行な方向である。図6(A)に示されるように、3μm(レーザー光のビームプロファイルの周期の半分)毎に、照射されるレーザー光の輝度がほぼ0になる。このように、照射されるレーザー光の輝度がほぼ0になる位置では、非晶質半導体膜を完全溶融させるだけの十分な熱量が与えられず、結晶化されないことがある。そのため、線状ビームの走査方向を位相シフトマスクに設けられた凹凸を形成する溝に平行とせず、角度θ(図7(A−1)を参照)だけ傾けるとよい。なお、図7(A−1)には位相シフトマスク151の上面図を、図7(A−2)には位相シフトマスク151の側面図を、図7(B)には位相シフトマスク151を介して線状レーザー光150が被照射面152に照射される様子を示している。これにより、周期的に存在する、レーザー光の輝度の極小値に該非晶質半導体膜が完全溶融するだけのレーザー光強度を確保することができる。角度θが11.5°の場合について、図6(B)に、角度θが30.9°の場合について、図6(C)に示す。図6(C)のレーザー光強度の一周期内において、光強度の極大値と極小値の輝度値は一定の条件内に収まるように調整する。
ここで、光強度の極大値と極小値における一定の条件について説明する。図8には照射されるレーザー光の輝度と、レーザー光の照射により形成される半導体膜の形態の関係を示している。
照射されるレーザー光の輝度が、図8中のp値よりも小さい場合、該非晶質半導体膜は結晶化されず、非晶質のままである。
照射されるレーザー光の輝度の極小値が、図8中のp値よりも大きく、輝度の極大値がq値よりも小さい場合(図8(A)を参照)、該非晶質半導体膜は全面が結晶化される。
照射されるレーザー光の輝度の極大値が、図8中のq値よりも大きく、r値よりも小さい場合であり、且つ、照射されるレーザー光の輝度の極小値が、図8中のp値よりも大きく、q値よりも小さい場合(図8(B)を参照)、該非晶質半導体膜は結晶化され、結晶質半導体層中には結晶粒のサイズが大きい結晶と粒界が小さい結晶が混在する。
照射されるレーザー光の輝度の極大値および極小値が、図8中のq値よりも大きく、r値よりも小さい場合(図8(C)を参照)、該非晶質半導体膜は結晶化され、該半導体膜中には結晶粒のサイズが大きい結晶が形成される。
照射されるレーザー光の輝度の極大値が、図8中のr値よりも大きい場合で、且つ、照射されるレーザー光の輝度の極小値が、図8中のq値よりも大きく、r値よりも小さい場合(図8(D)を参照)、該半導体膜は照射されるレーザー光の輝度が弱い領域にのみ残り、輝度が強い領域の半導体膜は消失し、縞状の半導体膜になる。
以上のように、照射されるレーザー光の輝度によって形成される結晶粒のサイズ等が変化する。本発明ではサイズが大きい結晶を形成するため、図8(C)に示されるようにレーザー光の輝度を調整する。図8中のq値はr値の約80%程度となることが経験的に知られている。
以上の理由から、角度θと、位相シフトマスクと非晶質半導体膜間の距離dを最適な値となるよう調整する必要がある。角度θを30.9°で一定とし、距離dを変化させたときの輝度の変化を図9に示す。図9(A)〜(D)はそれぞれ、dが300μm、400μm、500μm、800μmのときの照射されるレーザー光の輝度を示している。図9(D)のときに輝度が周期的に変化し、ノイズが少ない。そのため、ここでは、角度θが30.9°、距離dが800μmとなるように調整するとよい。このような、線状レーザー光150と位相シフトマスク151及び被照射面152の関係を図7に示す。図7(A−1)は線状レーザー光150と位相シフトマスク151の上面図であり、図7(A−2)は(A−1)の側面図である。図7(B)は図7(A−1)及び(A−2)に示した線状レーザー光照射時の被照射面と位相シフトマスクと線状レーザー光についての側面図である。なお、レーザー照射時には基板を走査するため、図中に基板の走査方向を示している。
また、本実施形態で上記した以外に、プロジェクションレンズを用いることもできる。図10にプロジェクションレンズを用いた場合の光学系の模式図を示す。レーザー照射装置160は、レーザー発振装置161と、レーザー光を整形する第1の光学系162と、レーザー光を均一化する第2の光学系163と、マスクホルダ170と、第3の光学系165と、ステージ166とを具備している。マスクホルダ170には、マスク164が配置される。ステージ166には、基板167が配置される。基板167は、例えば、非晶質半導体膜が形成されたガラス基板100に相当する。
レーザー発振装置161の発振器で発振して得られたレーザー光は、第1の光学系162により、成形される。成形されたレーザー光は、第2の光学系163を通り、均一化される。そして、成形され、均一化されたレーザー光がマスク164を通過し、第3の光学系165内で所望の倍率に縮小され、ステージ166上に保持された基板167上にパターンを結像する。
レーザー発振装置161は、大出力を得られるレーザー発振器を備える。例えば、エキシマレーザー発振器、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、半導体レーザー発振器等を備える。連続発振のレーザー光やパルス発振のレーザー光が得られるものを、適宜用いることができる。具体的には、上記実施の形態1で挙げたレーザー発振器等を用いることができる。
第1の光学系162は、レーザー発振装置161から得られたレーザー光を所望の形状に成形するための光学系である。具体的には、レーザー光の断面形状を、円形、楕円形、矩形等の面状、または線状(厳密には、細長い長方形状)等に成形することができる。例えば、第1の光学系162にエキスパンダー等を用いて、レーザー光のビーム径を調整すればよい。その他、レーザー光の偏光方向を揃えるポーラライザーや、レーザー光のエネルギーを調整するアッテネータ、スペクトロメーター等を設けてもよい。アッテネータは減衰機とも呼ばれ、発振されたレーザー光の光強度を調整する。レーザー発振装置161に、レーザー光の出力を調整する機能がある場合には、アッテネータは設けなくともよい。
第2の光学系163は、第1の光学系162により成形されたレーザー光のエネルギー分布を均一化するための光学系である。具体的には、マスク164に照射されるレーザー光のエネルギー分布を均一化する。例えば、ホモジナイザー等を用いて、レーザー光のエネルギー分布を均一化すればよい。また、レーザー光が効率良くマスク164に照射されるように、ホモジナイザーとマスク164との間にフィールドレンズ等を設けて集光させるとよい。
なお、マスク164は位相シフトマスク、遮光マスク又は遮光領域を有する位相シフトマスク等が相当する。遮光領域は、遮光性が優れ、且つ照射されるレーザー光のエネルギーに耐性のある材料を用いる。
第3の光学系165は、マスク164を通過してパターン化されたレーザー光を縮小するための光学系である。マスク164を通過したレーザー光は、マスク164に形成されたパターンに対応したものとなる。第3の光学系165は、マスク164により形成されたレーザー光のパターン形状や強度分布を維持したまま、縮小して基板167に結像する光学系である。例えば、5分の1、10分の1等に縮小される縮小レンズを用いる。
基板167は、ステージ166で保持され、XYZθ方向に移動することができる。
図10のレーザー照射装置には、マスク164にレーザー光が均一に照射されているかを監視、制御するための受光素子168を設けてもよい。その他、基板167にレーザー光の焦点を合わせるためのオートフォーカス機構として、受光素子169を設けてもよい。受光素子168、169としては、CCDカメラ等を用いればよい。
また、図10のレーザー照射装置にミラー等を適宜設けて、レーザー光の進行方向を制御してもよい。
以上のように、プロジェクションレンズを用いることにより、本発明における、照射されるレーザー光の長軸方向における強度分布は、マスク164のパターンの周期に拘束されない。従って、マスク164と異なる周期の結晶帯を有する結晶質半導体膜を形成することができる。
以上述べたように、本発明を適用して、図1(B−1)及び(B−2)に示すように結晶の核生成場所が制御された、粒界が一方向に延びた、結晶粒のサイズが大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層103を得ることができる。なお、図1(B−1)の多結晶半導体層103は図1(B−2)に示されるように、一方向にのみ延びた、結晶帯の境界105が存在し、結晶帯の境界105により仕切られた領域が一の結晶帯104となる。なお、結晶帯104は、一又は複数の結晶粒からなるが、一の結晶粒からなることが好ましい。一の結晶粒からなる結晶帯とすることで、単結晶と同様に粒界の存在しない多結晶半導体を形成することができる。
結晶帯104中に任意の一点(図1(B−2)中、点P)をとり、その任意の一点から結晶帯の境界105に平行に引いた線は、結晶帯の境界105と交差しない。また、本実施の形態によれば、結晶帯の境界105と交差するような結晶粒界は形成されていないため、TFTのチャネル長の方向を、結晶帯の境界105とほぼ平行な方向となるようにTFTを設けることで、移動度が高く、電気的特性が良好なTFTを作製することができる。
また、本実施の形態では、非晶質半導体膜をレーザー光により結晶化させるに際して、レーザー光を線状に成形している。線状レーザー光を長軸方向に周期的に強度変調させる手段として、一定の間隔で溝が形成された位相シフトマスクが用いられる。そのため、形成される結晶帯の幅は一定である。結晶帯の幅を一定とすることで、電気的特性が良好なTFTを作製することができる。
また、結晶化にあたっては、結晶化を助長する金属元素を用いることもできる。結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体膜の結晶化を行うと、低温で短時間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある。しかし、金属元素が結晶質半導体層に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そこで、結晶質半導体層上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体層を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体層には、リン(P)やアルゴン(Ar)等の不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタリング法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体層中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体層と表面の酸化膜を除去する。そうすると、結晶質半導体層中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
また、結晶化後に、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜でパッシベーション膜を形成し、窒素雰囲気中で450〜800℃で、1〜24時間の熱処理を行ってもよい。例えば550℃にて14時間の熱処理を行うことで、不純物領域がゲッタリングサイトとなり、チャネル形成領域から不純物領域に金属元素を偏析させることができる。不純物領域にはドナーまたはアクセプターと金属元素が共に存在することになる。このようにして、結晶化を助長する金属元素をチャネル形成領域から除去することができる。
また、結晶化を助長する金属元素としては、Ni、Fe、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au等を用いることができる。
以上述べたように、本発明により、結晶の核生成場所を制御できる。そのため、結晶粒界の生成場所、生成する方向と単位面積あたりの本数を制御できる。
本発明により、結晶成長の方向を一方向に制御することができる。そのため、結晶粒界を低減することができる。これにより、多結晶半導体層を有するTFTにおいて、半導体層の移動度を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
本発明により良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な半導体装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態2〉
本実施の形態では、本発明を適用した液晶表示装置におけるTFTの作製工程について、図面を参照してその一例を説明する。図11乃至図14は、液晶表示装置の画素部が有するTFT(画素TFT)を示す。図11乃至図14の(A)には上面図を示し、(B)には(A)におけるX1〜X3における断面図を示す。
本実施の形態では基板にはガラス基板180を用いる。ガラス基板180上には下地層181を形成する。下地層181上に非晶質シリコン膜を形成する。下地層181は酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料により形成すればよい。または、これらの材料からなる膜を積層した構造であってもよい。好適には、窒化シリコン膜上に酸化シリコン膜を形成した二層の積層構造とすればよい。半導体層と接触する層を酸化シリコンにより形成することが好ましい。特に、熱酸化により形成した酸化シリコンを用いると、界面準位のばらつきを低減することができ、より好ましい。ここでは窒化シリコン膜182上に酸化シリコン膜183を形成した積層構造とする。なお、本発明はこれに限定されず、実施の形態1と同様、必要のない場合には下地層181を設けなくても良い。
次に、脱水素処理を行う。脱水素処理は、ガラス基板180を加熱することにより行えばよい。例えば、500℃で1時間の加熱を行う。なお、本発明はこれに限定されず、必要のない場合には脱水素処理は行わなくても良い。
次に、必要に応じてチャネルドープを行う。なお、チャネルドープとは、半導体層に所定の濃度の不純物を添加して、意図的にTFTの閾値電圧をシフトさせ、TFTの閾値を所望の値に制御する技術である。例えば、閾値電圧がマイナス側にシフトしている場合にはドーパントとしてはp型の不純物元素を、プラス側にシフトしている場合にはドーパントとしてはn型の不純物元素を用いる。ここで、p型の不純物元素としてはリン(P)又はヒ素(As)を、n型の不純物元素としてはボロン(B)又はアルミニウム(Al)等が挙げられる。
なお、ここで必要に応じて、非晶質シリコン膜の表面に形成された酸化膜を除去する。
次に、本発明を適用して非晶質シリコン膜を結晶化する。非晶質シリコン膜の結晶化には実施の形態1で述べた方法を用いればよい。これにより、該非晶質シリコン膜が結晶化され、多結晶シリコン層185となる。
次に、エッチングにより多結晶シリコン層185をパターン形成する(図11を参照)。エッチングは、ドライエッチングでもウエットエッチングでもよいが、下地となる層(ここでは酸化シリコン膜183)のエッチングレートが低く、且つ、多結晶シリコン層185のエッチングレートが高い条件、つまり、下地となる層に対する多結晶シリコン層185のエッチング選択比が高い条件により行う。エッチングガスにはSF6等のフッ素系ガス、CCl4やCl2等の塩素系ガスやCBrF3等のガスを用いることができる。なお、本明細書中において、エッチングレートとは単位時間あたりにエッチングされる深さのことである。また、エッチング選択比とは、積層形成された膜のエッチングにおいて、下地となる層のエッチングレートに対する被エッチング膜のエッチングレートのことである。
次に、キャップ膜として酸化シリコン膜を形成し、所望の領域にレジストが形成された状態で高濃度に不純物元素を添加する。ここで、形成するTFTがN型TFTであれば、リン(P)又はヒ素(As)等を用いることができる。逆に、形成するTFTがP型TFTであれば、ボロン(B)又はアルミニウム(Al)等を用いることができる。ここでは、不純物元素としてリン(P)を用いてN型TFTを形成する。その後、レジスト及びキャップ膜として形成した酸化シリコン膜を除去する。なお、本発明はこれに限定されず、キャップ膜は他の材料で形成しても良い。
次に、第1の絶縁層187を形成する。第1の絶縁層187は下地層181と同様に酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料により形成すればよい。ここでは酸化シリコン膜188上に窒化シリコン膜189を形成した積層構造とする。
次に、第1の電極層202を形成する(図12を参照)。第1の電極層202は、CVD法、スパッタリング法又は液滴吐出法等を用いて形成することができる。第1の電極層202は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)から選ばれた元素又は前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成すればよい。第1の電極層にアルミニウム(Al)を使用する際には、タンタル(Ta)を添加して合金化したAl−Ta合金を用いるとヒロックが抑制される。また、ネオジウム(Nd)を添加して合金化したAl−Nd合金を用いると、ヒロックが抑制されるだけでなく、抵抗の低い配線を形成することができる。そのため、Al−Ta合金又はAl−Nd合金を用いることが好ましい。また、リン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体膜やAgPdCu合金を用いてもよい。また、単層でも積層でもよい。例えば、窒化チタン膜とモリブデン膜から構成される2層の積層構造又は膜厚50nmのタングステン膜と膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金膜と膜厚30nmの窒化チタン膜を積層した3層の積層構造としてもよい。また、3層の積層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。第1の電極層202は単層で形成してもよいし、積層で形成してもよい。例えば、主成分がモリブデン(Mo)である膜により形成すればよい。
ここで、先の工程で形成した第1の絶縁層187の一部をエッチングにより除去する。ここでは第1の絶縁層における、上部の窒化シリコン膜189の一部を除去する。
一導電型の半導体層を形成するには、高濃度に不純物元素を添加する。本工程により、LDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。なお、LDD領域とは半導体層が多結晶シリコン膜により形成されているTFTにおいて、信頼性の向上を目的として形成される領域である。半導体層が多結晶シリコンであるTFTにおいてオフ電流を抑えることは重要であり、特に、画素回路などのアナログスイッチとしてTFTを用いる場合には十分に低いオフ電流が要求される。しかし、ドレイン接合部の逆バイアス強電界により、オフ時にも欠陥を介するリーク電流が存在する。LDD領域により、ドレイン端近傍の電界を緩和するため、オフ電流を低減させることができる。また、ドレイン接合部の逆バイアス電界をチャネル形成領域とLDD領域の接合部と、LDD領域とドレイン領域の接合部とに分散させることができ、電界が緩和されるため、リーク電流が低減される。その後アニールを行うことで、不純物の活性化を行う。
次に、第2の絶縁層203を形成する。第2の絶縁層203は第1の絶縁層187や下地層181と同様に酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料により形成すればよい。または、これらの材料からなる膜を積層した構造であってもよい。好適には、窒化シリコン膜192上に酸化シリコン膜193を形成した二層構造とすればよい。第2の絶縁層203を形成後、水素化処理を行う。
次に、第2の絶縁層203の所望の位置をエッチングすることで開口部194A及び開口部194Bを形成する。開口部194A及び開口部194Bが形成された状態で第2の電極層195をパターン形成する(図13を参照)。第2の電極層195は第1の電極層202と同様に形成することができる。例えば、主成分がアルミニウム(Al)である層を、主成分がモリブデン(Mo)である層により挟み込んだ、3層の積層構造とすればよい。なお、本発明はこれに限定されない。第2の絶縁層203が液滴吐出法により形成された場合等、開口部を形成する必要がない場合には、開口部を形成するためのエッチングは行わなくてよい。
次に、第3の絶縁層196をパターン形成する。第3の絶縁層196はポリイミドやアクリル等に代表される有機材料からなる膜を、スピンコート法等により形成すればよい。パターンの形成に際しては、開口部209を有するように形成する。なお、開口部209は、第2の電極層195を所望の位置で露出するように形成される。また、液滴吐出法を用いると、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う必要がないため、工程が簡略になる。ここで、液滴吐出法とは、特定の目的のために調合された組成物の液滴を選択的に吐出等して所定のパターンを形成する方法(その方式によっては、インクジェット法とも呼ばれる。)をいう。また、その他のパターンを転写又は描写できる方法、例えば各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷やグラビア印刷等のパターンが形成される方法)等も用いることができる。なお、第3の絶縁層196についても積層構造を有するように形成してもよい。例えば、酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料のような無機材料からなる膜上に有機材料からなる膜を形成してもよい。
次に、第3の電極層198をパターン形成する(図14を参照)。第3の電極層198は画素電極として機能するため、透明導電膜により形成する。例えばスパッタリング法を用いてITO(インジウム錫酸化物)又は酸化亜鉛等により形成するとよい。ITOに酸化シリコンが2〜10%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法により形成されるITSOを用いてもよい。この他、酸化亜鉛にガリウム(Ga)をドープした導電性材料、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛を混合した酸化物導電性材料であるIZOを用いても良い。第3の電極層198を形成した後、エッチングにより所望のパターンを形成すれば良い。なお、本発明はこれに限定されない。第3の電極層198は透明導電膜として機能する他の材料により形成しても良い。
また、更には必要に応じて、第4の電極層を形成してもよい。第4の電極層として、例えば、半透過・半反射型表示装置又は反射型表示装置に必要な反射電極が挙げられる。反射電極を用いることで、外光を有効に利用して表示を行うことができる。従って、表示装置の消費電力を低減することができる。第4の電極層の形成にはアルミニウム(Al)又は銀(Ag)等を主成分とする材料を用いる。光の反射率が高い材料を用いればよい。好適には主成分がモリブデンである層の上に主成分がアルミニウムである層を形成して積層構造にする。また、反射型表示装置においては第4の電極層の材料(光の反射率が高い材料)を用いて第3の電極層198を形成してもよい。
以上のように、本発明を適用して表示装置に用いるTFT基板を形成することができる。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明を適用することのできるTFTとして、異なる例を図15に示す。
図15は実施の形態2と同様に液晶表示装置の画素部に用いることのできるTFTの側面図であり、ボトムゲート型TFTと呼ばれる。TFTの形成方法の詳細は実施の形態2とほぼ同様である。基板200上に下地層201が形成され、下地層201上に第1の電極層202がパターン形成されている。第1の電極層202上に第1の絶縁層203が形成され、第1の絶縁層203上に多結晶半導体層204が形成されている。更に、多結晶半導体層204上に第2の絶縁層205が開口部209を有するように形成され、その上に第2の電極層206がパターン形成されている。多結晶半導体層204と第2の電極層206は開口部209にて電気的に接続されている。第2の電極層206の上には第3の絶縁層207が開口部210を有するように形成されている。そして、第3の絶縁層207の上に第3の電極層208がパターン形成されている。第2の電極層206と第3の電極層208は開口部210にて電気的に接続されている。
以上に説明したTFTの各層は各々、積層して形成してもよい。また、形成する材料は特定のものに限定されない。また、多結晶半導体層204はLDD領域を形成するように不純物を導入することが好ましい。
次に、様々な形態の表示パネルの画素の構成について、図16に示す等価回路図を参照して説明する。
図16(A)に示す画素は、列方向に信号線310及び電源線311、電源線312、電源線313、行方向に走査線314が配置される。また、スイッチング用のTFT301、駆動用のTFT303、電流制御用のTFT304、容量素子302及び発光素子305を有する。
図16(C)に示す画素は、TFT303のゲート電極が、行方向に配置された電源線315に接続される点が異なっており、それ以外は図16(A)に示す画素と同じ構成である。つまり、図16(A)及び(C)は、等価な回路図である。しかしながら、列方向に電源線312が配置される場合(図16(A))と、行方向に電源線315が配置される場合(図16(C))では、各電源線は異なるレイヤーの導電体層で形成される。ここでは、駆動用のTFT303のゲート電極が接続される配線に注目し、これらを作製するレイヤーが異なることを表すために、図16(A)、(C)として分けて記載している。
図16(A)及び(C)に示す画素の特徴として、画素内にTFT303、TFT304が直列に接続されており、TFT303のチャネル長L3、チャネル幅W3、TFT304のチャネル長L4、チャネル幅W4は、L3/W3:L4/W4=5〜6000:1を満たすように設定される。このような関係を満たす一例として、L3が500μm、W3が3μm、L4が3μm、W4が100μmの場合を考える。また、本発明を用いると、粒界の多数をチャネル長方向にほぼ平行に形成させることができるため、移動度の高いTFTを形成でき、表示能力に優れた表示パネルを作製することが可能となる。
なお、TFT303は飽和領域で動作し、発光素子305に流れる電流値を制御する役目を有し、TFT304は線形領域で動作し、発光素子305に対する電流の供給を制御する役目を有する。TFT303とTFT304は同じ導電型を有していることが好ましい。またTFT303には、エンハンスメント型のTFTだけでなく、ディプリーション型のTFTを用いてもよい。上記構成を有する本発明は、TFT304が線形領域で動作するために、TFT304のVGS(ソース電極又はドレイン電極とゲート電極間の電位差)の僅かな変動は発光素子305の電流値に影響を及ぼさない。つまり、発光素子305の電流値は、飽和領域で動作するTFT303により決定される。
図16(A)〜(D)に示す画素において、TFT301は、画素に対するビデオ信号の入力を制御するものであり、TFT301がオンになり、画素内にビデオ信号が入力されると、容量素子302にそのビデオ信号が保持される。なお、図16(A)〜(D)には、容量素子302を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ビデオ信号を保持する容量がゲート容量などでまかなうことが可能な場合には、容量素子302を設けなくてもよい。
発光素子305は、2つの電極間に電界発光層が挟まれた構造を有し、順バイアス方向の電圧が印加されるように、画素電極と対向電極の間(陽極と陰極の間)に電位差が設けられる。電界発光層は有機材料や無機材料等から選ばれた材料により構成される。電界発光層におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と、三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれる。なお、本発明はこれに限定されず、発光素子に換えて液晶素子を用いても良い。
図16(B)に示す画素は、TFT306と走査線316を追加している以外は、図16(A)に示す画素構成と同じである。同様に、図16(D)に示す画素は、TFT306と走査線316を追加している以外は、図16(C)に示す画素構成と同じである。
TFT306は、新たに配置された走査線316によりオン又はオフが制御される。TFT306がオンになると、容量素子302に保持された電荷は放電し、TFT304がオフになる。つまり、TFT306の配置により、強制的に発光素子305に電流が流れない状態を作ることができる。従って、図16(B)及び(D)の構成は、全ての画素に対する信号の書き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することができるため、デューティ比を向上することができる。
図16(E)に示す画素は、列方向に信号線350、電源線351、電源線352、行方向に走査線353が配置される。また、スイッチング用TFT341、駆動用TFT343、容量素子342、及び発光素子344を有する。図16(F)に示す画素は、TFT345と走査線354を追加している以外は、図16(E)に示す画素構成と同じである。なお、図16(F)の構成も、TFT345の配置により、デューティ比を向上させることができる。
以上のように、本発明を適用することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きく、且つ、粒界の形成される位置を制御することができるため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、結晶粒のサイズの大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これにより半導体層における移動度の高いTFTを形成することができる。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な表示装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態3〉
本実施の形態では、実施の形態2の発光素子の詳細について説明する。
本発明を適用して作製したEL表示装置について図17を参照しながら説明する。発光素子を駆動するトランジスタとしてN型トランジスタを用いた場合、該発光素子から発せられる光は、下面放射(図17(A)参照)、上面放射(図17(B)参照)、両面放射(図17(C)参照)のいずれかを行う。TFT361、TFT371、TFT381を用いることで各TFTに接続された各発光層への電界を制御する。発光層372及び発光層382は電界発光層であり、ELを用いればよい。ELを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。以下に、無機EL素子を形成する場合について述べる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた電界発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる電界発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
本発明で用いることのできる発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とで構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、結晶粒のサイズが小さく低い焼成温度でも反応を進ませることができる。
発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y2S3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa2S4)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa2S4)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa2S4)、等の3元系の混晶であってもよい。
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)等を用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法により合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム(Al2S3)等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(Cu2S)、硫化銀(Ag2S)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料を得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であればよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
薄膜型無機ELの場合、電界発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子層エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
図18(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図18(A)乃至(C)において、発光素子は、第1の電極層390、電界発光層392、第2の電極層393を含む。
図18(B)及び図18(C)に示す発光素子は、図18(A)の発光素子において、極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図18(B)に示す発光素子は、第1の電極層390と電界発光層392との間に絶縁層394を有し、図18(C)に示す発光素子は、第1の電極層390と電界発光層392との間に絶縁層394a、第2の電極層393と電界発光層392との間に絶縁層394bとを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
また、図18(B)では第1の電極層390に接するように絶縁層394が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層393に接するように絶縁層394を設けてもよい。
分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の電界発光層を形成する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、電界発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって電界発光層中に均一に分散し固定される。
分散型無機ELの場合、電界発光層の形成方法は、選択的に電界発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法等を用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む電界発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
図19(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図19(A)における発光素子は、第1の電極層400、電界発光層402、第2の電界電極層403の積層構造を有し、電界発光層402中にバインダによって保持された発光材料401を含む。
本実施の形態において用いることのできるバインダとしては、絶縁材料を用いることができ、有機材料や無機材料を用いることができ、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機絶縁材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)等の耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
バインダに含まれる無機絶縁材料としては、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸素及び窒素を含むシリコン、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、BaTiO3、SrTiO3、チタン酸鉛(PbTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、酸化タンタル(Ta2O5)、タンタル酸バリウム(BaTa2O6)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ZnSその他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる電界発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが、本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、電界発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(MMBともいう)等を用いることができる。
図19(B)及び図19(C)に示す発光素子は、図19(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図19(B)に示す発光素子は、第1の電極層400と電界発光層402との間に絶縁層404を有し、図19(C)に示す発光素子は、第1の電極層400と電界発光層402との間に絶縁層404a、第2の電極層403と電界発光層402との間に絶縁層404bとを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層でもよいし複数の層からなる積層でもよい。
また、図19(B)では第1の電極層400に接するように絶縁層404が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層403に接するように絶縁層404を設けてもよい。
図18における絶縁層394、図19における絶縁層404のような絶縁層は、特に限定されることはないが、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質であることが好ましく、さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、窒化シリコン(Si3N4)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を用いることができる。これらの絶縁膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等により形成することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して形成してもよい。バインダ材料は、電界発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
以上説明したように、発光素子を形成することができる。本発明を適用して表示装置に用いるTFT基板を形成することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きくでき、且つ、粒界の形成される位置を制御することができる。そのため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、サイズが大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これにより半導体層における移動度の高いTFTを形成することができるため、発光装置の表示性能を向上させることができる。特に、本発明を発光装置の駆動回路に用いることが好ましい。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
また、良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な表示装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態4〉
次に、実施の形態2及び実施の形態3において作製される表示パネルに駆動用のドライバ回路を実装する態様について説明する。
以下に、駆動回路を搭載した表示装置の一般的な形態について説明する。
まず、COG方式を採用した表示装置について、図20(A)を用いて説明する。基板410上には、文字や画像などの情報を表示する画素部411が設けられている。画素部411はマトリクス状に配置された複数の画素412から構成される。複数の駆動回路が設けられた基板を矩形状に分断することによってドライバICを作製し、作製されたドライバICが基板410上に実装される。図21(A)は複数のドライバIC417、該ドライバIC417の先にFPC416を実装する形態を示す。また、分割する大きさを画素部の信号線側の辺の長さとほぼ同じにし、単数のドライバICを用いて、該ドライバICの先にテープを実装してもよい。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、図21(B)で示すように複数のテープを貼り付けて、該テープにドライバICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数のドライバICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、ドライバICを固定する金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
これらの表示パネルに実装されるドライバICは、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。
つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して取り出せばよい。ドライバICの長辺の長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
ドライバICがICチップよりも外形寸法上優位な点は、長辺の長さにある。長辺が15〜80mmで形成されたドライバICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、本発明ではガラス基板上にドライバICを形成することができるが、この場合、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
また、図20(B)のように、走査線側駆動回路422が基板420上に一体形成される場合、画素部421の外側の領域には、信号線側の駆動回路が形成されたドライバICが実装される。これらのドライバICは、信号線側の駆動回路である。RGBフルカラーに対応した画素領域を形成するためには、XGAクラスで信号線の本数が3072本必要であり、UXGAクラスでは4800本が必要となる。このような本数で形成された信号線は、画素部421の端部で数ブロック毎に区分して引出線を形成し、ドライバICの出力端子のピッチに合わせて集められる。
本発明では、ドライバICは基板上に形成された結晶質半導体膜により形成される。本発明を適用して、該結晶質半導体膜をCWレーザー光又は疑似CWレーザー光の照射により形成するとよい。本発明を適用することにより、結晶欠陥が少なく、結晶粒のサイズが大きな多結晶半導体層を用いてTFTを形成することが可能となる。また移動度や応答速度が良好なために高速駆動が可能で、従来よりも素子の動作周波数を向上させることができる。これは、本発明を適用することで、結晶粒がチャネル長方向に延び、トランジスタのチャネル長方向に存在する結晶粒界の本数が少ないためである。なお、チャネル長方向とは、チャネル形成領域において、電流が流れる方向、換言すると電荷が移動する方向と一致する。
また、レーザー結晶化を行うには、レーザー光の大幅な絞り込みを行うことが好ましい。本発明ではレーザー光の形状が線状であるため、被照射体に対して、十分に且つ効率的なエネルギー密度を確保することができる。但し、ここでいう線状とは、厳密な意味で線を意味しているのではなく、アスペクト比の大きい長方形もしくは長楕円形を意味し、短軸方向にある程度の幅を確保してもよい。
本発明では、図20(C)のように基板430上に画素部431が設けられ、信号線駆動回路432及び走査線駆動回路434が一体形成されている。
画素領域は、信号線と走査線が交差してマトリクスを形成し、各交差部に対応してトランジスタが配置される。本発明は、画素領域に配置されるトランジスタとして、結晶質半導体膜をチャネル形成領域としたTFTを用いることを特徴とする。本発明ではTFTの半導体層における移動度が高いため、システムオンパネル化を実現した表示パネルを作製することができる。
ドライバICの厚さは、対向基板と同じ厚さとすることで、両者の間の高さはほぼ同じものとなり、表示装置全体としての薄型化に寄与する。また、それぞれの基板を同じ材質のもので作製することにより、この表示装置に温度変化が生じても熱応力が発生することなく、TFTで作製された回路の特性を損なうことはない。その他にも、本実施形態で示すようにICチップよりも長尺のドライバICで駆動回路を実装することにより、1つの画素領域に対して、実装されるドライバICの個数を減らすことができる。
以上のように、表示パネルに駆動回路を組み入れることができる。本発明により、移動度の高い半導体膜を形成することができるため、より高機能な表示装置を提供することができる。
〈実施の形態5〉
本発明を適用した半導体装置の表示装置以外の形態について図22乃至図24を参照して説明する。具体的には、無線通信可能な半導体装置について説明する。本実施の形態では基板451上に6つの半導体装置を作製する場合について説明する。なお、図22(A)、図23(A)及び図24(A)中、1つの半導体装置が設けられる領域は、点線で囲まれた領域450に相当する。図22(B)、図23(B)、図24(B)の各々は、図22(A)、図23(A)、図24(A)の各々の点Aから点Bまでの断面図に相当する。
まず、基板451上に絶縁層459を形成する(図22(B)参照)。次に、絶縁層459上に、複数のトランジスタ460を含む層を形成する。続いて、複数のトランジスタ460を含む層上に、絶縁層462及び絶縁層463を形成する。次に、絶縁層462及び絶縁層463に設けられた開口部を介して、複数のトランジスタ460の各々のソース領域又はドレイン領域に接続された導電層464を形成する。次に、導電層464を覆うように、絶縁層465を形成する。
基板451には、ガラス基板、プラスチック基板又は石英基板等を用いるとよい。好ましくは、ガラス基板又はプラスチック基板を用いる。基板は、絶縁性で、且つ必要な耐熱性等を有していればよい。基板としてガラス基板やプラスチック基板を用いると、1辺が1メートル以上の半導体装置を作製することや、所望の形状の半導体装置を作製することが容易である。
絶縁層459は、外部からの汚染物(基板に含まれる不純物等)に対してバリアとして機能する。絶縁層459は、スパッタリング法又はプラズマCVD法等により、酸化シリコン系材料又は窒化シリコン系材料を、単層又は積層して形成する。なお、絶縁層459は、必要のない場合には、設けなくてもよい。
複数のトランジスタ460の各々は、多結晶半導体層466、絶縁層461、導電層467を有する。多結晶半導体層466の結晶化には実施の形態1に述べた方法を用いればよい。多結晶半導体層466は、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域468、チャネル形成領域469を有する。不純物領域468には、N型又はP型を付与する不純物元素が添加されている。具体的には、N型を付与する不純物元素(15族に属する元素、例えばリン(P)、砒素(As))、P型を付与する不純物元素(例えばボロン(B))が添加されている。また、特に図示していないが、LDD領域を形成することが好ましい。
なお、図示する構成では、複数のトランジスタ460のみを形成しているが、本発明はこの構成に制約されない。基板451上に設ける素子は、半導体装置の用途によって適宜調節するとよい。例えば、電磁波を送受信する機能をもたせた半導体装置を形成する場合には、基板451上に複数のトランジスタのみ、又は基板451上に複数のトランジスタとアンテナとして機能する導電層を形成するとよい。なお、アンテナとして機能する導電層は、単層ではなく、複数の層を積層して形成してもよい。また、データを記憶する機能をもたせた半導体装置を形成する場合には、基板451上に記憶素子(例えば、トランジスタ、メモリトランジスタ等)も形成するとよい。また、回路を制御する機能や信号を生成する機能等をもたせた半導体装置(例えば、CPU、信号生成回路等)を形成してもよい。また、上記以外にも必要に応じて、抵抗素子や容量素子などを形成してもよい。
絶縁層462及び絶縁層463は、SOG(スピンオングラス)法、液滴吐出法又はスクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層して形成する。例えば、絶縁層462を窒化シリコン系材料により形成し、絶縁層463を酸化シリコン系材料により形成すればよい。
剥離層を有する場合には、基板451から複数のトランジスタ460を含む積層体470を剥離してもよい。積層体470からなるTFTを有する半導体装置を作製することができる。また、剥離した積層体470を可撓性基板に転置することで湾曲可能な半導体装置を作製することができる。
ここで、本発明の半導体装置の構成の一例について、図25を参照して説明する。本発明の半導体装置510は、演算処理回路511と、記憶回路513と、アンテナ514と、電源回路518と、復調回路520と、変調回路521と、を有する。半導体装置510は、アンテナ514と電源回路518を必須の構成要素としており、他の要素は、半導体装置510の用途に従って、適宜設けられる。
演算処理回路511は、復調回路520から入力される信号に基づき、命令の解析、記憶回路513の制御、外部に送信するデータの変調回路521への出力などを行う。
記憶回路513は、記憶素子を含む回路と、データの書き込みやデータの読み出しを行う制御回路と、を有する。記憶回路513には、少なくとも、半導体装置自体の識別番号が記憶されている。識別番号は、他の半導体装置と区別するために用いられる。また、記憶回路513は、有機メモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュメモリから選択された一種又は複数種を有する。有機メモリは、一対の導電層間に有機化合物を含む層が挟まれた構造を有し、構造が単純であるため、少なくとも次の二つの利点がある。一つは作製工程を簡略化することができ、費用を削減することができることである。もう一つは積層体の面積を小型化することが容易であり、大容量化を容易に実現することができることである。また、不揮発性メモリであるため、電池を内蔵してもよいし、内蔵しなくてもよい。従って、記憶回路513として、有機メモリを用いることが好ましい。
アンテナ514は、リーダ/ライタ522から供給された搬送波を、交流の電気信号に変換する。また、半導体装置510から送信される信号に対して変調回路521により、負荷変調を加える。電源回路518は、アンテナ514からの交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、各回路に電源電圧を供給する。
復調回路520は、アンテナ514からの交流の電気信号を復調し、復調した信号を演算処理回路511に供給する。変調回路521は、演算処理回路511から供給される信号に基づき、アンテナ514に負荷変調を加える。
リーダ/ライタ522は、アンテナ514に加えられた負荷変調を、搬送波として受信する。また、リーダ/ライタ522は、搬送波を半導体装置510に送信する。なお、搬送波とは、リーダ/ライタ522が受発信する電磁波であり、リーダ/ライタ522は変調回路521により変調された搬送波を受信する。
上記の通り、無線で電磁波を送受信する機能を有する本発明の半導体装置は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、RFチップ、RFタグ、ICチップ、ICタグ、ICラベル、無線チップ、無線タグ、電子チップ、電子タグ、無線プロセッサ、又は無線メモリ等と呼ばれる。本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
以上のように、本発明を適用してRFIDタグのような半導体装置に用いるTFT基板を形成することができる。本発明を適用することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きく、且つ、粒界の形成される位置を制御することができるため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、サイズの大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これにより半導体層における移動度の高いTFTを形成することができる。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
本発明により、良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な半導体装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態6〉
本発明は、結晶性半導体層を有する記憶素子にも適用することができる。その一例として、本発明を適用して作製したNOR型フラッシュメモリについて図24及び図26を参照して説明する。NOR型フラッシュメモリは、例えばマザーボード(メインボードともいう。)上に装着され、BIOS(Basic Input Output System)の記録に用いられる。なお、マザーボートとはコンピュータの部品の一つであり、CPU(Central Processing Unit)などの各種モジュールを装着する基板のことである。
フラッシュメモリを作製するに際しても、TFTの作製方法については実施の形態5で説明したRFIDタグと多くの工程が同様である。以下、メモリ素子500の構成について説明する。まず、基板480の一方の面上に、絶縁層482を形成する。次に、絶縁層482上に半導体層496により複数のトランジスタを含む層を形成する。半導体層496は不純物領域497及びチャネル形成領域498を有する。続いて、複数のトランジスタを含む層上に、絶縁層483、フローティングゲート層489及び絶縁層484を形成する。次に、導電層499を形成し、絶縁層485と絶縁層486を形成する。次に、複数のトランジスタ内の絶縁層483、絶縁層484、絶縁層485及び絶縁層486に設けられた開口部を介して、複数のトランジスタの各々のソース領域又はドレイン領域に接続された導電層487を形成する。次に、導電層487を覆うように、絶縁層495を形成する。
基板480には、ガラス基板、プラスチック基板又は石英基板等を用いるとよい。好ましくは、ガラス基板やプラスチック基板を用いる。基板としてガラス基板やプラスチック基板を用いると、1辺が1メートル以上の半導体装置を作製することや、所望の形状のものを作製することが容易である。
絶縁層482は、基板480からの不純物の侵入を防止する役目を担う。絶縁層482は、スパッタリング法やプラズマCVD法等により、酸化シリコン系膜又は窒化シリコン系膜を、単層又は積層で形成する。なお、絶縁層482は、必要のない場合には、設けなくてもよい。半導体層496にはシリコンを用いる。半導体層496を形成する方法は実施の形態5と同様である。
半導体層496には、非晶質半導体膜を結晶化した結晶質半導体膜を用いる。結晶化には、実施の形態1に記載した方法を用いればよい。半導体層496はソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域497及びチャネル形成領域498を有する。不純物領域497には、N型を付与する不純物元素(15族に属する元素、例えばリン、砒素)又はP型を付与する不純物元素(例えば硼素、アルミニウム)が添加されている。不純物の導入には、拡散源を用いる方法やイオン注入法等を用いればよい。図示していないが、不純物領域497とチャネル形成領域498との間にLDD領域を形成すると好ましい。絶縁層483及び絶縁層484は絶縁層482と同様の方法にて形成することができる。
絶縁層485及び絶縁層486はSOG(スピンオングラス)法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層して形成する。例えば、絶縁層485は酸化窒化シリコンにより形成し、絶縁層486は窒化酸化シリコンにより形成すればよい。また、絶縁層482や絶縁層483、絶縁層484と同様に、スパッタリング法やプラズマCVD法等により形成してもよい。
フローティングゲート層489及び導電層487並びに導電層499は導電性を有する物質により形成する。形成にはCVD法やスパッタ法、液滴吐出法等を用いればよい。また、単層で形成してもよいし、積層して形成してもよい。
絶縁層495は絶縁層485及び絶縁層486と同様にSOG(スピンオングラス)法、液滴吐出法又はスクリーン印刷法等を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層して形成する。絶縁層482や絶縁層483、絶縁層484と同様に、スパッタリング法又はプラズマCVD法等により形成してもよい。
導電層487が露出した領域に実施の形態2と同様に、スクリーン印刷法により電極層503及び電極層504を形成する。電極層の形成後、各素子に切断する。
なお、図示する構成では、トランジスタのみを形成しているが、本発明はこの構成に制約されない。基板480上に設ける素子は、半導体装置の用途によって適宜調節するとよい。例えば消去電圧制御回路を搭載するとよい。必要に応じて、抵抗素子や容量素子などの他の素子を形成してもよい。
上述したフラッシュメモリの回路図の一例を図26に示す。書き込み及び読み出し動作にはワード線W1〜W7とビット線B1〜B4を用いて行う。ワード線及びビット線は各々の動作を制御する回路に接続されている。または、後の工程で各々の動作を制御するような回路に延伸する配線に接続してもよい。また、ワード線はメモリ素子中のゲート電極に、ビット線はメモリ素子中のソース電極又はドレイン電極に接続されている。また、点線で囲まれた領域501が単位メモリ素子に相当する。
図示していないが、多層配線構造を採用することでより複雑な回路構成の装置を小型で実装することも可能である。
なお、ここではNOR型フラッシュメモリについてのみ述べたが、もちろんNAND型フラッシュメモリにも本発明を適用することができる。
以上のように、本発明を適用してフラッシュメモリのような半導体装置に用いるTFT基板を形成することができる。本発明を適用することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きくし、且つ粒界の形成される位置を制御することができるため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、サイズの大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これにより半導体層における移動度の高いTFTを形成することができる。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
本発明を適用して良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な半導体装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態7〉
本発明は結晶性半導体層を有する光電変換装置にも適用することができる。その一例について図27を参照して説明する。
なお、光電変換素子とは独立した一の光電変換層を有する薄膜の積層体をいい、光電変換装置とは一又は複数の光電変換素子の集合体又はその他の素子と組み合わせて構成される半導体装置をいう。例えば紫外線から赤外線にかけて感度を有する光電変換装置は総括して光センサと呼ばれている。光電変換素子は例えば表示装置に搭載され、周囲の明るさを検知し、表示輝度を調整するために用いられる。また、周囲の明るさだけではなく、表示装置の輝度を光センサにより検出することで表示部の輝度の調整も可能になる。具体的には、液晶表示装置のバックライトの輝度を光センサにより検出し、表示画面の輝度を調整する。
光電変換装置はフォトダイオードとも呼ばれる。フォトダイオードは大きく4つの種類に分けられる。すなわち、pn型、pin型、ショットキー型、アバランシェ型である。pn型フォトダイオードはp型半導体とn型半導体を接合した光電変換素子により構成され、pin型フォトダイオードはpn型のp型半導体とn型半導体の間に真性半導体を挟んだ構成である。pn型は暗電流が小さいが、応答速度が低速である。pin型は応答速度が高速であるが、暗電流が大きい。なお、ここでp型半導体とは電子が欠乏することで電荷の輸送に用いるキャリアとして主に正孔(ホール)が用いられる半導体であり、n型半導体とは電子が過剰に存在することで電荷の輸送に用いるキャリアとして主に電子が用いられる半導体であり、真性半導体とは高純度の半導体材料から構成される半導体である。ショットキー型フォトダイオードとは、p型半導体層の代わりに金の薄膜層を形成してn層と接合した光電変換素子であり、アバランシェ型フォトダイオードとは、逆バイアスの電圧をかけることで光電流が倍増される高速且つ高感度の光電変換素子である。本実施の形態においては、pin型について説明する。
図27は基板530上に形成されたTFT531A及びTFT531Bを有し、層間絶縁層533上に形成された光電変換素子部532A及び光電変換素子部532B内にカラーフィルター層534A及びカラーフィルター層534Bを有し、光電変換素子部532A及び光電変換素子部532Bにおける第1導電層535A及び第1の導電層535Bと同一の材料からなる遮光層535C及び遮光層535Dを有する光電変換装置の断面図を示す。第1導電層535A並びに遮光層535C及び第1導電層535B並びに遮光層535Dが遮光することで光電変換素子部532A及び光電変換素子部532Bの端部から各々の光電変換層に入射する光を遮断することができ、各々の光電変換層にはカラーフィルター層534A及びカラーフィルター層534Bを通過した光のみが入射する。このため、光電変換素子部532A及び光電変換素子部532Bはカラーセンサーとして機能する。また、カラーフィルター層534A並びにカラーフィルター層534B及びオーバーコート層536A並びにオーバーコート層536Bが保護層としても機能する。オーバーコート層536A及びオーバーコート層536Bはカラーフィルター層534A及びカラーフィルター層534Bに含まれる各種不純物元素が各々の光電変換層に拡散しないよう、保護する機能を有している。また、絶縁層539上の第2の導電層540は、外部回路と電気的に接続された接点電極と接続されている。
このような光電変換装置に本発明を適用することで、変換効率の高い光電変換装置を作製することができる。
以上のように、本発明を適用して光電変換装置を形成することができる。本発明を適用することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きく、且つ粒界の形成される位置を制御することができるため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、サイズの大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これによりキャリアの移動度の高いTFTを形成することができる。
また、本発明により、TFTの半導体層の移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な半導体装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態8〉
本発明を適用して、絶縁性基板上にCPU(Central Processing Unit)を形成することもできる。
図28に本実施の形態に係るCPUのブロック図を示す。このCPUは、演算装置601(ALU:Arithmetic and Logic Unit)、汎用レジスタ602及び命令解析部603等を有する標準的な構成のCISC(Complex Instruction Set Computer)である。
特に、プラスチック基板のような可撓性基板にCPUのような高集積回路を形成することで、耐衝撃性や柔軟性に優れ、且つ軽量な半導体装置を作製することができる。
以上のように本発明を適用してCPUを形成することができる。本発明を適用することで、半導体層の結晶粒のサイズを大きく、且つ、粒界の形成される位置を制御することができるため、チャネル長方向に存在する粒界の本数が少ない、サイズの大きな結晶粒により形成される多結晶半導体層を得ることができる。これにより半導体層における移動度の高いTFTを形成することができる。
また、本発明により、TFTのキャリア移動度が向上するため、良好な電気的特性を有するTFTを作製することができる。
本発明を適用して良好な電気的特性を有するTFTを作製できるため、従来よりも高機能な回路素子を形成することができる。これにより、従来よりも高付加価値な半導体装置をガラス基板上に作製することができる。
〈実施の形態9〉
本発明を適用して、様々な表示装置を作製することができる。即ち、それら表示装置を表示部に組み込んだ様々な電子機器に本発明を適用できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの例を図29に示す。
図29(A)は、コンピュータであり、本体711、筐体712、表示部713、キーボード714、外部接続ポート715、ポインティングマウス716等を含む。本発明により、移動度の高い半導体膜を形成することができるため、より高機能且つ高画質な画像を表示するコンピュータを完成させることができる。
図29(B)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体721、筐体722、第1の表示部723、第2の表示部724、記録媒体(DVD等)読み込み部725、操作キー726、スピーカー部727等を含む。第1の表示部723は主として画像情報を表示し、第2の表示部724は主として文字情報を表示する。本発明により、移動度の高い半導体膜を形成することができるため、より高機能且つ高画質な画像を表示する画像再生装置を完成させることができる。
図29(C)は携帯電話であり、本体731、音声出力部732、音声入力部733、表示部734、操作スイッチ735、アンテナ736等を含む。本発明により、移動度の高い半導体膜を形成することができるため、より高機能且つ高画質な画像を表示する携帯電話を完成することができる。
図29(D)はビデオカメラであり、本体741、表示部742、筐体743、外部接続ポート744、リモコン受信部745、受像部746、バッテリー747、音声入力部748、操作キー749、接眼部750等を含む。本発明により、移動度の高い半導体膜を形成することができるため、より高機能且つ高画質な画像を表示できるビデオカメラを完成することができる。本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
〈実施の形態10〉
本発明を適用した半導体装置510は、電磁波の送信と受信ができるという機能を活用して、様々な物品やシステムに用いることができる。物品とは、例えば、鍵(図30(A)参照)、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図30(B)参照)、書籍類、容器類(シャーレ等、図30(C)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図30(E)(F)参照)、記録媒体(ディスクやビデオテープ等)、乗物類(自転車等)、装身具(鞄や眼鏡等、図30(D)参照)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、携帯端末等)等である。本発明の半導体装置は、上記のような様々な形状の物品の表面に貼り付けたり、埋め込んだりして、固定又は搭載される。また、システムとは、物品管理システム、認証機能システム、流通システム等であり、本発明の半導体装置を用いることにより、システムの高機能化、多機能化、高付加価値化を図ることができる。本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。