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JP5227814B2 - 電動機 - Google Patents
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本発明は電動機に係り、特に全閉外扇形電動機に好適である。
回転子に固定されるシャフトが軸受で支持され、シャフトの回転力を外部に伝達する構造の電動機が知られている(特許文献1参照)。特許文献2には、アース刷子に代えて導電性粉末を混入したグリースを軸受の近傍に使用することによって軸電流の防止を図った構成が開示されている。特許文献3には転がり軸受を用いた電動モータが開示され(図2参照)、軸受の内輪と外輪との間に放電経路を構成する例が示されている(図1参照)。
特開2008-148367号公報 実願昭50-95436号(実開昭52-9005号)のマイクロフィルム 特開2007-146966号公報
電動機は、運転中発熱するため、放熱を必要とするものが存在する。特に回転子導体は発熱体となるため、ここで発生した熱の一部はシャフト、軸受を通じフレームへ抜けていくような放熱経路を辿る。冷却性能が十分でないと軸受部の潤滑グリースが熱によって劣化、短寿命化しグリース交換等の保守労力がかかる。
電動機の冷却方式として、冷却風を外部から取り入れ電動機内を冷却する開放形と、電動機内に冷却風を取り入れない全閉形がある。一般的に開放型に比べ全閉形の方が冷却性能は劣るため、冷却性能の向上が必要となっている。特に、潤滑グリースが熱によって劣化するため、軸受部の冷却性能の向上が重要となる。
従来の電動機では、回転子にて発生した熱の一部は、回転子に固定されたシャフト及びシャフトを支持する軸受を介してエンドブラケットやフレームに導かれるものであった。特許文献1の電動機は、内扇ファンによってフレーム内の熱を攪拌し、また、外扇ファンによってフレームからの放熱を促進させているが、発熱体たる回転子からフレームへの放熱経路について考慮されたものではなかった。
また、回転子で発生する電荷は、シャフト側とエンドブラケット側とで電位差を生ぜしめるため、軸受部の電食が問題となっている。
特許文献2では、グリースに導電性粉末を混入させてシャフト側とエンドブラケット側とを通電させる構成としており、特許文献3では、炭素繊維あるいはステンレス繊維からなる非接触の放電ブラシを軸受間に設け、これにより過大な電荷の蓄積を抑制している。
しかしながら、放熱性に関しては何ら考慮されておらず、グリースの劣化による短寿命化を解決するものではない。したがって、熱による軸受グリースの劣化や軸受寿命の短縮化、また電蝕により軸受の損傷が生じる場合がある。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軸受部分に発生する熱的あるいは電気的な負担を軽減し、保守労力の低減や高寿命化を図った電動機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、軸受を通らない放熱、放電経路が得られる構成を採用し、軸受にかかる負担を抑えたものとしている。本発明の具体的な態様は特許請求の範囲に記載の通りである。
本発明によれば、軸受部分に発生する熱的あるいは電気的な負担を軽減し、保守労力の低減や高寿命化を図った電動機を提供することができる。
本実施例は、固定子の外径部に円筒状のフレームを設け、その両側に駆動側ブラケット及び反駆動側ブラケットを設けた構成であり、各ブラケットの中央部に回転子を有するシャフト4を軸支するため駆動側軸受及び反駆動側軸受を設けた例を前提としている。
そして、軸受がスラスト方向に固定されるため、または、軸受箱(後述)を密閉構造とするため、両軸受のうちいずれか一方または両方、例えば負荷側軸受7の機内側にブラケットに固定される軸受カバー9が設けられている。
その特徴とするところは、いずれか一方、または両方の軸受箱の軸受カバー9とシャフト4の両者に接触する炭素繊維系パッキン11を設けて、軸受箱の密閉性を得るとともに、回転子において発生する熱及び電荷をシャフト4、炭素繊維系パッキン11、軸受カバー9を経て、筐体を介して外部へ逃がす放熱経路及び放電経路を形成する点にある。
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
図1はこの発明の実施例である電動機の全体断面図を示す。また図1より図2は軸受部分の拡大図を、図3は交換式グリースの流路を、図4は2次側発熱、電荷の放熱、放電経路を示す。図1及び図2、図4は回転軸より上半分を示している。電動機は一般産業用の電動機として多く使用される全閉外扇形電動機を例にあげる。
図1において電動機の固定子2は外径部に設けられた筒状のフレーム1に対し長手方向の両側にそれぞれ空間を空けて配置されている。また、筒状のフレーム1の長手方向の一側を負荷側、他側を反負荷側とし、負荷側にはシャフト4の回転力を外部に出力するための出力軸が設けられる。負荷側には中心に負荷側軸受7を有する負荷側ブラケット5を、反負荷側には中心に反負荷側軸受8を有する反負荷側ブラケット6がそれぞれ設けられている。これらのフレーム1、負荷側ブラケット5及び反負荷側ブラケット6は本実施例の全閉外扇形電動機の筐体を構成しており、下記に示すように、固定子2を始めとする電動機としての主要構成が該筐体の内部に配置されている。
固定子2の内側には、内径部にシャフト4を有する回転子3が配置されており、シャフト4の負荷側は負荷側軸受7により、また、反負荷側は反負荷側軸受8によりそれぞれ軸支されている。負荷側ブラケット5及び反負荷側ブラケット6の電動機内部空間側にはそれぞれ、負荷側軸受7及び反負荷側軸受8のスラスト方向固定のため、また、軸受周囲の密閉構造化のために、負荷側内部軸受カバー9及び反負荷側内部軸受カバー10が設けられている。
シャフト4の負荷側4aは、前述のように出力軸となり、カップリング直結または、ベルトがけ等により外部負荷に連結され、回転エネルギーを出力する構成となっている。また、シャフト4の反負荷側4bは電動機空冷のため外扇13が取り付けられ、外扇13によって生ずる冷却風により、フレーム1等の電動機筐体を冷却する。なお、両軸電動機の場合には、シャフト4の反負荷側4bは外扇13及びエンドカバー14の先まで延伸させ、負荷側4aと同じく外部負荷に連結され出力する構成となる。
シャフト4を軸支する軸受7、8に、潤滑のためのグリースを用いる例が知られている。軸受の負荷側、反負荷側両方、またはいずれか一方がグリース交換型の物を使用している場合には、グリースの流路を形成する必要がある。
図2は軸受部分の拡大図である。本実施例では、負荷側軸受7周辺のグリース流路を形成するために、負荷側ブラケット5の回転子3側に負荷側軸受7と電動機内部空間を隔てる負荷側内部軸受カバー9を設ける。また負荷側ブラケット5の外部空間側にも同様に負荷側外部軸受カバー17を設ける。したがって、これらの負荷側ブラケット5及び負荷側内部軸受カバー9、負荷側外部軸受カバー17により、負荷側軸受7周囲には閉空間が形成されることになる。以後、本実施例の説明では、この閉空間を「負荷側軸受箱」あるいは単に「軸受箱」と称することとする。なお、負荷側軸受内部カバー9もしくは負荷側軸受外部カバー17のいずれか一方が負荷側ブラケット5と一体構造となっている場合も含むものとする。
次に、軸受潤滑のためのグリースを交換するための構成について、図3を参照しながら説明する。本実施例では、グリースを供給するためのグリース入口15が設けられている。グリース入口15は、負荷側軸受箱の内部と連通していれば位置は問わないが、供給の容易さを考慮して電動機筐体の外周部分に設けるのが好適である。
グリース交換を行う場合、負荷側グリース入口15より入ったグリースは、負荷側グリース入口15と負荷側軸受7とを連通する負荷側グリース流路15aを通り、図3に示す矢印のように負荷側軸受7に対し電動機内部側に導かれ、負荷側軸受内部カバー9にガイドされて負荷側軸受7内を通過する。負荷側軸受7を通過したグリースは、負荷側軸受外部カバー17にガイドされて負荷側グリース排出口19より排出される。負荷側グリース排出口19は、負荷側軸受7を通過したグリースを外部に排出すれば、位置は問わないが、重力を利用したグリース交換が容易に行えるように、負荷側グリース入口15を負荷側軸受7よりも上方に配置した場合、負荷側グリース排出口19が負荷側軸受7よりも下方に位置するように配設することが望ましい。
なお、負荷側内部カバー9とシャフト4は非接触であるため、この隙間から電動機内部空間にグリースが漏れ出すのを防ぐ必要がある。そこで、負荷側内部カバー9とシャフト4の間に両者に接触するように負荷側軸受箱パッキン11を設ける。
反負荷側については記載を省略するが、グリース交換型の場合、負荷側と同様の構造である。
上述の構成において、軸受(特に負荷側軸受7)の劣化の原因として、電動機の発熱に起因するものと電荷に起因するものに大別することができる。以下、軸受保護の構成について説明する。
まず、第一に、本実施例の電動機における放熱構造を説明する。電動機は運転中に発熱するが、発熱の主たる原因として、運転時における損失が挙げられる。電動機運転時の損失は銅損、鉄損、機械損、漂遊負荷損が挙げられるが、銅損は主に固定子コイル2aにおいて発生する1次銅損と回転子導体3b及び回転子エンドリング3cにおいて発生する2次銅損による。
固定子コイル2aにおける1次銅損による発熱は、固定子2を介してフレーム1、放熱フィン20、外気に熱伝導する放熱経路が支配的である。また回転子導体3b及び回転子エンドリング3cにおける2次銅損による発熱は、回転子3両端に設けられた内扇3aにより電動機内部空間の内気に熱伝導し、内気からフレーム1に熱伝導する放熱経路が存在する一方、内気の熱伝導率がシャフト4に比べて小さい場合、回転子3からシャフト4を介して軸受7、8、ブラケット5、6、フレーム1へ熱伝導する放熱経路が存在する。
このように軸受では、回転時の機械損による発熱に加えて2次銅損の熱伝導によっても温度上昇してしまう。特に、本実施例のように外扇13が反負荷側に配置されている場合には、負荷側軸受7の温度上昇が顕著となってしまうことがある。軸受の温度上昇は、これが高くなるほどグリース劣化を促進させ、グリース交換周期の短縮による保守コストの増大のみならず、軸受自体の短寿命化を促進してしまう。
そこで、本実施例では、シャフト4を介する2次銅損の放熱経路に着目し、発熱体たる回転子3からシャフト4を介して負荷側ブラケット5及びフレーム1に至る経路において、軸受7より発熱体に近い側に、軸受7の他にブラケット側に熱を伝える経路を形成することとしている。具体的には、上記で軸受箱のシーリング用に設けた軸受箱パッキン11として、炭素繊維系パッキンを用い、これにより熱伝導率の向上を図る。
図4は2次側の発熱における放熱経路を示す図である。図4に示すように2次銅損による発熱は負荷側軸受7よりも回転子3側に配置された負荷側軸受箱パッキン11を通り負荷側軸受カバー9、負荷側ブラケット5、フレーム1へ熱伝導する放熱経路を形成する。フレーム1の表面には放熱フィン20が形成されており、これにより冷却効率が向上される。
当該構成により、グリース交換周期の長期化による保守コストの低減だけではなく、負荷側軸受7の長寿命化を図ることができる。なお、上記の説明では負荷側軸受7を例にしているが、反負荷側についても同様の構成をとることが可能である。
第二に、電荷による軸受劣化の保護について説明する。電動機運転時に回転子3において発生した電荷は、シャフト4を介し負荷側ブラケット5または反負荷側ブラケット6、フレーム1、グラウンドに電導する放電経路をとる。シャフト4から負荷側ブラケット5または反負荷側ブラケット6に電荷が移動する場合、シャフト4と負荷側ブラケット5または反負荷側ブラケット6の間に配置された負荷側軸受7または反負荷側軸受8に電流が流れ、軸受転導体の接触面に電蝕が発生する可能性がある。
軸受に電蝕が発生した場合、軸受転導体接触面の損傷により寿命が著しく短縮される危険性がある。軸受の電蝕を防ぐためには、軸受よりも電気電導性の高い材質がシャフト4と負荷側ブラケット5または反負荷側ブラケット6の間に存在すればよい。そこで、上記と同様に負荷側軸受箱パッキン11または反負荷側軸受箱パッキン12を炭素繊維系パッキンとすることでパッキン自体に電気電導性を持たせ、シャフトからブラケットにおいて軸受よりも電気電導性の高い放電経路を形成することで軸受の電蝕を防止するものである。
上記を纏めれば次の通りである。従来、運転時に回転子3おける発熱はシャフト4を介し負荷側軸受7(及び/あるいは反負荷側軸受8)を通過してブラケット、フレーム1、外気に放熱される。これにより、軸受のグリースの熱劣化を促し、グリース交換周期や軸受寿命の短縮につながる。
また、回転子3において運転中に電荷が発生した場合も同様に、シャフト4を介し負荷側軸受7及び反負荷側軸受8を通過してブラケット、フレーム、グラウンドに放電されるため、軸受転動体の接触面において電飾が発生し軸受寿命を著しく短縮してしまう課題がある。
これら両課題を解決する手段として、負荷側軸受箱パッキン11及び反負荷側軸受箱パッキン12の両方またはいずれか一方の材質を炭素繊維系パッキンとすることで、軸受箱パッキン部での熱伝導性の向上及び電気電導性の向上を得る。これにより、回転子3で発生した熱及び電荷がシャフト4を通り外部に放熱、放電される過程において、図4に示すような経路を取ることで熱及び電荷が軸受よりも回転子側にある炭素繊維系の軸受箱パッキンを通過するため軸受に与える負担を低減することができる。
すなわち、本実施例の電動機は、固定子2と、固定子2の外径部に設けられた筒状のフレーム1と、中心にシャフト4を有し固定子2の内側に配置された回転子3と、フレーム1の両端の開口部を塞ぐ2つのブラケット5、6と、シャフト4を軸支してブラケット5、6の中心部に保持される2つの軸受7、8と、軸受のスラスト方向固定のため、または軸受箱を密閉構造とするために、一方、もしくは両方の軸受の機内側に配置されるブラケットに固定される軸受カバー9と、軸受箱の密閉性を得るため、また熱伝導性、電気電導性を得るため、軸受カバー9とシャフト4の両方に接触する様に設けられた炭素繊維系パッキン11とを備え、シャフト4、炭素繊維系パッキン11、軸受カバー9、ブラケット5、フレーム1の順での放熱及び放電経路を構成したものである。
軸受箱の密閉性を得るため、軸受7の機内側に配置されたブラケット5とシャフト4の両方に接触するように炭素繊維系パッキン11を設けても良い。
また、グリース交換型でない電動機のおいても、単に上記放熱及び放電経路を得るために、軸受7の機内側に配置されたブラケット5もしくは軸受カバー9とシャフト4の両方に接触するように炭素繊維系パッキン11を設けても良い。
当該構成によれば、シャフト4を軸支する軸受7(8)の機内側に設けた軸受カバー9(10)とシャフト4の間に両方に接触するように設けた炭素繊維系パッキン11(12)により、回転子3にて発生した熱及び電荷が、回転子3、シャフト4、炭素繊維系パッキン11(12)、軸受カバー9(10)、ブラケット5(6)、フレーム1の経路で軸受7(8)を介さず放熱、放電されるため、軸受の冷却性能の向上及び電食の防止が可能となる。
したがって、軸受部分に発生する熱的あるいは電気的な負担を軽減し、保守労力の低減や高寿命化を図った電動機を提供することができる。
本発明の実施例である電動機の断面図。 軸受部分の拡大図。 グリース流路を示す図。 放熱、放電経路を示す図。
1…フレーム、2…固定子、2a…固定子コイル、3…回転子、3a…内扇、3b…回転子導体、3c…回転子エンドリング、4…シャフト、4a…負荷側、4b…反負荷側、5…負荷側ブラケット、6…反負荷側ブラケット、7…負荷側軸受、8…反負荷側軸受、9…負荷側内部軸受カバー、10…反負荷側内部軸受カバー、11…負荷側軸受箱パッキン、12…反負荷側軸受箱パッキン、13…外扇、14…エンドカバー、15…負荷側グリース入口、15a…負荷側グリース流路、16…反負荷側グリース入口、16a…反負荷側グリース流路、17…負荷側外部軸受カバー、18…反負荷側外部軸受カバー、19…負荷側グリース排出口、20…放熱フィン。

Claims (4)

  1. 円筒状のフレームと、該フレームのスラスト方向中央の内側に設けられた固定子と、該フレームの両側の開口部を覆うブラケットと、中心にシャフトを有し上記固定子の内側に配置された回転子と、上記シャフトを軸支し上記ブラケットに保持される軸受と、該軸受と上記回転子の間に取り付けられる軸受カバーと、該軸受カバーと上記シャフトの両方に接触する炭素繊維系パッキンとを備え
    前記軸受カバー及び前記炭素繊維系パッキンにより隔てられた空間を密閉空間とし、該密閉空間に前記軸受が配置され、該空間と連通して開口するグリース入口及びグリース排出口を備えた電動機。
  2. 請求項1記載の電動機において、前記軸受を挟んで前記軸受カバーと反対側に第二の軸受カバーを備えた電動機。
  3. 請求項2記載の電動機において、前記炭素繊維系パッキンは、前記ブラケットと前記シャフトの両方に接触するように配置されることを特徴とする電動機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電動機において、前記回転子を挟んで前記軸受と反対側の反負荷側には、前記シャフトの回転に伴って回転する外扇を備えた電動機。
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