JP5236759B2 - タンタルスパッタリングターゲット - Google Patents
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Description
スパッタリング法自体は上記の分野で、よく知られた方法であるが、最近では、特にエレクトロニクスの分野において、複雑な形状の被膜の形成や回路の形成、あるいはバリア膜の形成等に適合するタンタルスパッタリングターゲットが要求されている。
このような製造工程において、インゴット又はビレットの熱間鍛造は、鋳造組織を破壊し、気孔や偏析を拡散、消失させ、さらにこれを焼鈍することにより再結晶化し、組織の緻密化と強度を高めることによって製造されている。
一般に、溶解鋳造されたインゴット又はビレットは、50mm以上の結晶粒径を有している。そして、インゴット又はビレットの熱間鍛造と再結晶焼鈍により、鋳造組織が破壊され、おおむね均一かつ微細な(100μm以下の)結晶粒が得られる。
そのため、ターゲットの製造工程において、再結晶組織の微細化と均一化、さらには特定の結晶方位に揃えようとする方策が採られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
これらの特許文献を見る限り、特定の元素の含有が、組織を微細化させ、これによってプラズマを安定化させるということは行われていない。
しかも、特許文献3の表1に示すように、Mo、W、Ge、Co量は、それぞれ10ppm、20ppm、10ppm、10ppm未満の含有が許容されている。これだけでも50ppm未満の不純物がある。
これは、従来の高純度タンタルのレベル以下であり、高純度タンタルの特性を活かすことはできないことが強く予想される。
本発明は、この知見に基づいて、
1)1massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
2)10massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
3)10massppm以上、50massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.999%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
4)ターゲット中のモリブデン含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
5)平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
6)結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする上記5)記載のタンタルスパッタリングターゲット、を提供する。
7)0〜100massppm(但し0massppmを除く)のニオブをさらに含有し、モリブデンとニオブの合計量が1massppm以上、150massppm以下であり、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
8)10massppm以上、100massppm以下のニオブを含有することを特徴とする7)記載のタンタルスパッタリングターゲット
9)10massppm以上、50massppm以下のニオブを含有することを特徴とする7)記載のタンタルスパッタリングターゲット
10)ターゲット中のニオブ及びモリブデンの含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする7)〜9)いずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
11)平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする7)〜10)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
12)結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする12)記載のタンタルスパッタリングターゲット、を提供する。
この表1では、ガス成分を除き、全ての不純物は1massppm未満である。すなわち99.999〜99.9999mass%となっているが、このような高純度タンタルを使用することができる。
その一例を示すと、まずタンタル、例えば4N(99.99%以上)の高純度タンタルを使用し、これにモリブデン(Mo)又はモリブデン(Mo)とニオブ(Nb)を適量添加してターゲットの原料とする。これを電子ビーム溶解等により溶解・精製して純度を高め、これを鋳造してインゴット又はビレットを作製する。当然ながら、最初から表1に示す99.999〜99.9999mass%高純度タンタルを使用することもできる。
次に、このインゴット又はビレットを焼鈍−鍛造、圧延、焼鈍(熱処理)、仕上げ加工等の一連の加工を行う。
タンタルターゲットの特性を活かすために、6Nレベルの純度の材料を使用することが多いが、どうしてもターゲットの結晶粒が粗大化し易いという欠点があった。
このことから、モリブデンの添加がタンタルターゲットの微細化に有効ではないかというヒントを得、これが本願発明につながる契機となった。また、この検討の中で、モリブデンと同質の材料又はモリブデンと共添加できる材料について、多くの実験の結果、ニオブが有効であることの知見を得た。
この上限値を超える場合には、モリブデンの偏析が起こり、モリブデンの一部未再結晶部が発生し、結果としてバーンインが長くなるので、モリブデン100massppmを上限値とする。
しかしながら、共添加した場合で特徴的なのは、モリブデンとニオブの合計量が150massppm以下であれば、上記のような問題を発生しないということである。
この理由は、かならずしも明確ではないが、モリブデンとニオブはそれぞれ類似点もあるけれども、それぞれ異なる物質であり、偏析の問題や結晶化への作用は、それぞれの問題として発生すると考えられるからである。しかしながら、この共添加にも限界があり、モリブデンとニオブの合計量が150massppmを超える添加は、好ましくないという結果が得られている。
この場合、タンタルの純度は、高純度すなわち99.998%以上とする必要がある。この場合、原子半径の小さい、酸素、水素、炭素、窒素等のガス成分は除外することができる。一般に、ガス成分は特殊な方法でなければ除去は困難であり、通常の生産工程で精製の際に除去することは難しいので、ガス成分は本願発明のタンタルの純度からは除外する。
本願発明のタンタルスパッタリングターゲットは、より好ましい範囲として、10massppm以上、100massppm以下のモリブデン又はモリブデンとニオブを必須成分として含有し、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.999%以上であることである。
さらに、モリブデン又はモリブデンとニオブを10massppm以上、50massppm以下を必須成分として含有し、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.999%を超えるタンタルスパッタリングターゲットである。
適度なモリブデンの含有がタンタルスパッタリングターゲットの均一微細な組織を形成する機能(性質)を有する以上、モリブデン又はモリブデンとニオブは、より均一に分散していることは、ターゲット組織の均一微細な組織に、より強く貢献させことができる。
当然ながら、通常の製造工程において、これらは容易に達成できるのであるが、ターゲットのモリブデン又はモリブデンとニオブの含有量のばらつきを±20%以下とする点に留意し、その意図を明確に持つことが必要である。
そして、各点において、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて、ばらつきを計算することができる。
本発明のタンタルスパッタリングターゲットは、さらに平均結晶粒径が110μm以下であることが望ましい。モリブデン又はモリブデンとニオブの適度な添加と通常の製造工程において、結晶粒径の微細化が達成できるのであるが、平均結晶粒径が110μm以下とする点に留意し、その意図を明確に持つことが必要である。
また、この結晶粒径のばらつきが±20%以下とすることがより望ましい。
そして、各点において、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて、結晶粒径のばらつきを計算することができる。
純度99.998%のタンタルにモリブデン1massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が150μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は110μmであり、結晶粒径のばらつきは±20%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±20%であった。この結果を表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.6〜3.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、120kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン5massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約50mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は100μmであり、結晶粒径のばらつきは±17%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±18%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.5〜3.0%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、100kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン10massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約45mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は90μmであり、結晶粒径のばらつきは±15%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±16%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.3〜2.7%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、90kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン20massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約40mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は80μmであり、結晶粒径のばらつきは±10%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±12%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.0〜2.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、87kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン50massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約35mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は75μmであり、結晶粒径のばらつきは±8%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±10%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.7〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、85kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン70massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約30mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は72μmであり、結晶粒径のばらつきは±7%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±8%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.3〜1.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、82kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.999%のタンタルにモリブデン100massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約25mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は70μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±6%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.0〜1.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、80kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.995%のタンタルにモリブデン0.5massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は130μmであり、結晶粒径のばらつきは±35%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±40%であった。この結果を、同様に表2に示す。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(3.8〜6.0%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、200kWhであり、増加した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例1と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
純度99.999%のタンタルにモリブデン150massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約20mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.5〜7.0%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、130kWhであり、増加した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
これは、モリブデンが偏析した結果と考えられ、過剰なモリブデン添加は、好ましくないことが分かった。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン1.3massppm、ニオブ0.74massppm、合計量で2.04massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が150μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は100μmであり、結晶粒径のばらつきは±20%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±18%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.6〜3.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、100kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン32massppm、ニオブ12massppm、合計量で44massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が130μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は85μmであり、結晶粒径のばらつきは±11%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±11%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.0〜2.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、55kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン67massppm、ニオブ2.4massppm、合計量で69.4massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が130μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は50μmであり、結晶粒径のばらつきは±7%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±8%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.5〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、40kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン24massppm、ニオブ75massppm、合計量で99massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が120μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は47μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±6%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.3〜1.6%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、35kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン97massppm、ニオブ53massppm、合計量で150massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は40μmであり、結晶粒径のばらつきは±4%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±15%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.6〜1.8%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、40kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.998%のタンタルに、モリブデン51.4massppm、ニオブ95massppm、合計量で146.4massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は42μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±13%であった。この結果を表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.5〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、45kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
純度99.995%のタンタルに、モリブデン95massppm、ニオブ65massppm、合計量で160massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は34μm(未再結晶有り)であり、結晶粒径のばらつきは±60%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±27%であった。この結果を、同様に表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.0〜6.5%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、150kWhであり、増加した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例3と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
純度99.995%のタンタルに、モリブデン60.3massppm、ニオブ97massppm、合計量で157.3massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
ターゲットの平均結晶粒径は32μm(未再結晶有り)であり、結晶粒径のばらつきは±55%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±24%であった。この結果を、同様に表3に示す。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.3〜7.4%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、150kWhであり、増加した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例4と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
Claims (2)
- 1massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であって、平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット。
- 結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする請求項1記載のタンタルスパッタリングターゲット。
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